JPH0721835B2 - 異常警報監視装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、火災・ガス漏れ等の異常を検出し、警報表
示する異常警報監視装置に関する。

［従来例］ 近年、中央監視盤より共通の伝送線路にそれぞれ固有の
アドレスを持つ火災・ガス漏れセンサを接続し、各セン
サを順次サイクリックにアドレスポーリングによって各
センサのアナログ出力値を取り込み、中央監視盤におい
て火災等の判断を行うようにした、いわゆるアナログセ
ンサシステムが用いられている。このようなアナログセ
ンサシステムは各センサのしきい値レベルを受信機側に
備えているため、任意の値に火災等の警報レベルを設定
でき、したがって例えば煙感知器等においては煙濃度の
上昇に従って段階的に警報を発生させ、注意警報，予備
警報，本警報等と順次発報させることも提案されてい
る。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記のように、本警報を発する前に予備警報を発生させ
ることによる理由としては、火災時の初期活動を早めに
うながしたり、大規模ビル等でかつ人の多く集まる場所
において、誤発報等による不要な混乱を招かないように
したもので、まず予備警報によって防災監視室の警報器
を鳴動し、次に本警報によって全館を鳴動させるように
したものである。しかしこのようなセンサのアナログ値
の上昇に応じた段階的出力を得るものにあっても、火災
に伴う温度，煙濃度等の上昇率は必ずしも一定しておら
ず、さらに上昇気流の乱れによる出力のふらつき等か
ら、予備警報から本警報へと次官の経過に従って順次移
行するとは限らない等の問題があった。さらに従来の蓄
積式受信機の様に蓄積中のものを予備警報としたものに
あっては、必ず予備警報があるが絶えず警報レベルの信
号を蓄積しているために必ずしも早期警報の目的にはか
なっていなかった。また火災信号の変動の激しいものに
あっては蓄積完了が難しく、警報の著しい遅れがあっ
た。

［問題点を解決するための手段］ この発明は、火災・ガス洩れ等の異常を検出し、検出レ
ベルのアナログ信号を出力する検出器と、該検出器から
出力されたアナログ信号が所定の第１のレベルを越えた
ことを判断する予備警報判断処理回路と、上記検出器か
ら出力されたアナログ信号が上記第１のレベルより高い
第２のレベルを越えたことを判断する本警報判断処理回
路と、上記予備警報判断処理回路の出力により起動され
一定時間出力するタイマー回路と、該タイマー回路の出
力に基づいて上記本警報判断処理回路の出力を禁止する
第１の禁止ゲートと、該第１の禁止ゲートの出力に基づ
いて上記予備警報判断処理回路の出力を禁止する第２の
ゲートと、該第２の禁止ゲートを介した上記予備警報判
断処理回路の出力に基づいて予備警報表示を行う予備警
報回路と、上記第１の禁止ゲートを介した上記本警報判
断処理回路の出力に基づいて本警報表示を行う本警報回
路とを具備したことを特徴としたもので、上記問題点を
解決したものである。

［実施例］ 以下、この発明を実施例によって説明する。

第１図は本発明の概略構成ブロック図を示し、１は火
災，ガス漏れ等の異常を検出する検出器であって、この
検出器１の出力は予備警報判断回路２と本警報判断処理
回路３にそれぞれ印加されている。

これらの予備及び本警報判断レベルは例えば第２図
（イ）〜（ニ）に示すようにアナログ出力の所定の第１
のレベルと、第１のレベルより高い第２のレベルを予め
設定しておくものとし、これらのレベル値は各検出器毎
に異ならしておくこともできる。

予備警報判断処理回路２の出力は予備警報回路４に第２
の禁止ゲート５を介して印加され、例えば防災センタ等
の管理人室にのみ予備警報表示を行う予備警報回路４に
印加される。

検出器１の出力が更に上昇し、第２の設定レベルを越え
ると本警報判断処理回路３から本警報信号が発生し、第
１の禁止ゲート７の一方のゲートに印加される。この禁
止ゲート７の禁止入力端子には、予備警報判断処理回路
２の出力によって一定時間出力を発生するタイマー回路
６の出力が印加されている。なお、タイマー回路６の時
間は例えば煙感知器にあっては火災に伴う煙濃度の上昇
で予備警報レベルから本警報レベルへ至るまでの通常の
時間程度に設定しておけば良いが、任意に調整できるも
のとし、このようなタイマー回路６としてはワンショッ
トマルチのようなもので構成すれば良い。

この第１の禁止ゲート７の出力は本警報表示を行う本警
報回路８に印加すると共に、第２の禁止ゲート５の禁止
入力にも印加され、ビル等においては該当階，直上階或
いは全館一斉のベル鳴動等が行なわれる。

第２図はこのような構成における動作例を示すグラフで
あって、第２図（イ）には検出器１のアナログ出力が緩
慢に上昇したときの実施例を示し、この例のようなアナ
ログ出力の場合にはタイマー回路６の出力がリセットさ
れた後も予備警報が続き、その後のアナログ出力が本警
報レベルを上回ったとき、本警報回路８が駆動される。

第２図（ロ）には如く一般的な上昇率のアナログ出力の
例を示す。

第２図（ハ）には、誤発報の原因ともなるノイズ等のよ
うなアナログ出力が生じたときの例を示す。この場合、
急激に上昇したアナログ出力は予備警報レベル，本警報
レベルのいずれも直ちに越えるが、すぐ元に復旧するた
め、本警報レベルを越えた時間ｔ′がタイマー回路６の
時間Ｔ以下となり、その間の適切な処置により予備警報
を一時的に発するのみで発報動作を終了する。

第２図（ニ）は、油火災のようにアナログ出力が急上昇
し、そのまま継続した例を示し、このとき本警報はタイ
マー回路６の時間Ｔ後に発せられる。

なお、これらの処理は、マイクロコンピュータ等を用い
て行い得ることは勿論である。

［発明の効果］ この発明の異常警報監視装置によると、本警報に至る前
に所定時間予備警報を発するため、誤発報による防災機
器への信頼性を低下させることがなくなり、また徒らに
混乱を招くおそれがない等の特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す概略ブロック図、第
２図は第１図の動作を説明するためのグラフをそれぞれ
示す。 １……検出器、２……予備警報判断処理回路、３……本
警報判断処理回路、６……タイマー回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】火災・ガス洩れ等の異常を検出し、検出レ
   ベルのアナログ信号を出力する検出器と、該検出器から
   出力されたアナログ信号が所定の第１のレベルを越えた
   ことを判断する予備警報判断処理回路と、上記検出器か
   ら出力されたアナログ信号が上記第１のレベルより高い
   第２のレベルを越えたことを判断する本警報判断処理回
   路と、上記予備警報判断処理回路の出力により起動され
   一定時間出力するタイマー回路と、該タイマー回路の出
   力に基づいて上記本警報判断処理回路の出力を禁止する
   第１の禁止ゲートと、該第１の禁止ゲートの出力に基づ
   いて上記予備警報判断処理回路の出力を禁止する第２の
   ゲートと、該第２の禁止ゲートを介した上記予備警報判
   断処理回路の出力に基づいて予備警報表示を行う予備警
   報回路と、上記第１の禁止ゲートを介した上記本警報判
   断処理回路の出力に基づいて本警報表示を行う本警報回
   路とを具備したことを特徴とする異常警報監視装置。