JPH07217952A - 加湿器 - Google Patents

加湿器

Info

Publication number
JPH07217952A
JPH07217952A JP1062494A JP1062494A JPH07217952A JP H07217952 A JPH07217952 A JP H07217952A JP 1062494 A JP1062494 A JP 1062494A JP 1062494 A JP1062494 A JP 1062494A JP H07217952 A JPH07217952 A JP H07217952A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow body
humidifier
water
membrane
humidifying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1062494A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Otani
肇 大谷
Kenzo Okada
健三 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP1062494A priority Critical patent/JPH07217952A/ja
Publication of JPH07217952A publication Critical patent/JPH07217952A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加湿能力が優れ、長期間使用による加湿能力
の低下が発生しない、低コストでコンパクトな加湿器を
提供する。 【構成】 水蒸気透過膜から形成された密封状の中空体
1と、この中空体1内に連通し内部に加湿用水を供給す
る供給パイプ2と、上記中空体1内に連通し濃縮加湿用
水を中空体1内部から排出する排出パイプ3と、上記中
空体1の外周に対し被加湿空気を送風して接触させる送
風手段と、加湿された空気を導出する導出手段とを備え
た加湿器であって、上記中空体1が略帯状であり、無多
孔質高分子膜から構成され、上記供給パイプ2が、上記
略帯状中空体1の長手方向の一端側から連通されている
とともに、排出パイプ3が、他端側から外部に延びてい
るという構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、水蒸気透過性の無多
孔質高分子膜を用いて形成された中空体を膜モジュール
化してなる加湿器に関するものである。さらに詳しく
は、加湿用水中の不純物の付着による無多孔質高分子膜
の水蒸気透過性の低下が抑制された加湿器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の自然蒸発式加湿器は、構造が簡単
でイニシャルコストやランニングコストが低いという利
点を有する反面、加湿能力が低いという問題があった。
すなわち、自然蒸発式加湿器の加湿能力は、加湿用水の
表面積に比例するが、従来から行われているスポンジや
布等に加湿用水を含浸させる方法では、充分な水の表面
積を確保することができなかった。そこで、疎水性多孔
質高分子膜を用いて中空体を形成し、この中空体を膜モ
ジュール化して加湿器とすることが提案され、一部で実
施されている(特開昭60−171337号公報)。上
記疎水性多孔質高分子膜は、多数の小孔を備えており、
この小孔により水蒸気を透過させるようになっている一
方、膜自身が疎水性であるため、水(液体)を透過させ
ないという性質を有する。この膜を用いた加湿器の一例
を図5に示す。1aは、疎水性多孔質高分子膜製の略帯
状中空体であり、波状隙間材4を介して蛇行状に曲成さ
れている。2は、供給パイプであり、上記中空体1aの
長手方向の一端側から中空体1a内と連結されている。
4は、前述のように、中空体1aを曲成して膜モジュー
ル化する際、送風空気の通路を確保するための波状隙間
材である。また、6bは、中空体1aから形成された膜
モジュールである。この構成において、上記中空体1a
内に、供給パイプ2を通して加湿用水が供給され、この
内部に満たされる。そして、被加湿空気を膜モジュール
6bに対して送風すると、上記空気が、膜モジュール6
b表面と接触し、膜モジュール6b内(中空体1a内)
から生じる水蒸気により加湿され加湿空気となる。そし
て、図示のように、膜モジュール6bは、クローズドシ
ステムとなっており、供給された加湿用水は、中空体1
a内で完全に蒸発する。このように、疎水性多孔質高分
子膜製の中空体を膜モジュール化してコンパクトにすれ
ば、加湿器を大形化することなく、水の表面積を充分に
確保することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、疎水性
多孔質高分子膜を使用した加湿器は、従来の自然蒸発式
加湿器に較べて加湿能力が優れ、またコンパクトなもの
である。しかしながら、この疎水性多孔質高分子膜を使
用した加湿器は、長期間使用すると中空体からの水漏れ
が発生するという問題を有する。これは、加湿用水中に
溶存する炭酸カルシウム等の不純物に起因するものであ
る。すなわち、前述のように、この加湿器は、クローズ
ドシステムであるため、水蒸気の発生に伴い中空体内の
加湿用水が濃縮される。この結果、溶存していた不純物
が析出して膜に付着するようになる。この付着により、
膜の疎水性が奪われ、遮断されていた水が空気側へ漏出
するようになる。さらに、この加湿器では、上記加湿用
水の濃縮が中空体内で不均一に起こるため、不純物の濃
度が部分的に高くなって濃度分極が発生する。この濃度
分極により、水蒸気の膜透過が部分的に妨げられ、中空
体全表面で均一に水蒸気が発生しなくなり、加湿器の加
湿性能が低下するという別の問題も発生する。
【0004】上記水漏れの問題を解決するために、疎水
性多孔質高分子膜と同様の水蒸気透過膜である無多孔質
高分子膜の使用が検討されている。この無多孔質高分子
膜は、分子サイズの微小孔を有し、この微小孔により水
蒸気が空気側へ拡散されるという性質を有する一方、上
記微小孔は、水を透過させないため、膜が損傷を受けな
い限り、水漏れが発生しない水遮断性に優れた膜であ
る。さらに、この無多孔質高分子膜は、上記の優れた水
遮断性に加えて、疎水性多孔質高分子膜と比較して優れ
た水蒸気透過性を備えた高性能の膜である。しかしなが
ら、この無多孔質高分子膜は、上記の優れた特性を備え
る反面、加湿器に使用した場合、経時的な水蒸気透過性
の低下が発生し、しかもこの低下が上記疎水性多孔質高
分子膜に較べ著しいという問題を有する。すなわち、こ
の無多孔質高分子膜を用いた加湿器は、疎水性多孔質高
分子膜の加湿器と同様に、水蒸気の発生によって加湿用
水が濃縮され、前述の濃度分極を伴いながら不純物が析
出して膜に付着し、膜の微小孔が塞がれてしまう。この
結果、使用初期の優れた水蒸気透過性が低下し、一定期
間経過すると、実用に供することができないまでに膜が
劣化する。
【0005】このように、無多孔質高分子膜を使用した
加湿器は、経時的に膜が劣化するため短寿命であった。
しかし、無多孔質高分子膜は、本来優れた水蒸気透過性
を備えており、かつ水遮断性にも優れているため、この
膜の使用により、加湿器の高性能化が期待できる。この
ため、上記加湿能力の低下を防止する技術の開発が望ま
れている。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、加湿能力が優れ、長期使用による加湿能力の
低下が発生しない低コストでコンパクトな加湿器の提供
をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の加湿器は、水蒸気透過膜から形成された
密封状の中空体と、この中空体内に連通し内部に加湿用
水を供給する供給パイプと、上記中空体内に連通し濃縮
加湿用水を中空体内部から排出する排出パイプと、上記
中空体の外周に対し被加湿空気を送風し接触させる送風
手段と、加湿された空気を導出する導出手段とを備えた
加湿器であって、上記中空体が、略帯状であり、無多孔
質高分子膜から構成され、上記供給パイプが、上記略帯
状中空体の長手方向の一端側から連通されているととも
に、排出パイプが、他端側から外部へ延びているという
構成をとる。
【0008】
【作用】すなわち、上記課題を解決するために、この発
明の加湿器は、無多孔質高分子膜製の略帯状中空体の長
手方向の一端側に配設された供給パイプに加え、他端側
に排出パイプを配設している。そして、この排出パイプ
から、不純物が上記膜に付着する前に、濃縮加湿用水を
中空体外へ適宜排出するようにしているため、無多孔質
高分子膜の水蒸気透過性の低下が抑制できるようにな
る。また、上記のように、供給パイプおよび排出パイプ
を、中空体の長手方向の両端に分けて配設しているた
め、中空体に供給された加湿用水が、中空体内部を隅々
まで循環して排出されるようになる。この結果、中空体
内で加湿用水が均一に濃縮され濃度分極が発生しなくな
り、中空体の全表面で均一に水蒸気が発生するようにな
る。
【0009】つぎに、この発明を実施例に基づいて詳し
く説明する。
【0010】
【実施例】この発明の加湿器の一実施例を図1に示す。
図において、1は、略帯状の中空体であり、その長手方
向が蛇行状に曲成され膜モジュール6に形成されてい
る。そして、この中空体1は、その幅方向を送風管5の
長手方向(紙面に対して垂直方向)に合わせた状態で送
風管5内に配設されている。2はこの中空体1に加湿用
水を供給するための供給パイプであり、3は濃縮加湿用
水を排出するための排出パイプである。上記両パイプ
2,3は、上記略帯状中空体1の長手方向両端に別々に
配設されており、両パイプ2,3とも、一方の端部で中
空体1内と連通し、他方の端部は送風管5の管壁を貫通
して管外に延びている。4は、膜モジュール6において
送風空気の通路を確保するための波状隙間材である。5
は、前述のように、上記中空体1等が収容されている送
風管であり、紙面に対して垂直方向に延びている。な
お、被加湿空気の送風手段および加湿空気の導出手段は
図示していない。
【0011】この構成において、加湿用水が、送風管5
外に配置された加湿用水供給タンク(図示せず)から、
パイプ2を通じて、送風管5内に配設された中空体1に
供給され、この内部に満たされる。この状態で、ファン
等により送風管5内に被加湿空気を、図面の垂直方向に
おいて、前側から奥に向かって送風すると、中空体1内
部から発生する水蒸気により、被加湿空気が加湿されて
加湿空気となり、送風管5の奥に設けられた加湿空気の
導出手段(図示せず)により導出され、加湿対象となる
室内等に供給される。このとき、中空体1の長手方向の
一端側の供給パイプ2先端口から吹き出された加湿用水
は、中空体1の蛇行に沿って中空体1内部の隅々まで流
れて他端側に達する。この流れる過程で、中空体1全表
面で均一に水蒸気が発生し、加湿用水が中空体1内部で
均一に濃縮される。そして、不純物が析出する直前まで
濃縮された加湿用水は、排出パイプ3の先端口から取り
込まれて中空体1外に排出される。このようにして、濃
縮加湿用水中の不純物の膜への付着が防止され、無多孔
質高分子膜の劣化が抑制されるようになる。また、上記
のように、加湿用水は、中空体1内において均一に濃縮
され、加湿用水の濃度分極が発生しないため、膜の部分
的な水蒸気透過性の低下が防止されるようになる。
【0012】上記濃度分極についてさらに詳しく説明す
ると、従来の加湿器は、前述のように、クローズドシス
テムを採用しているため、中空体には、蒸発による減少
量と同量の加湿用水が供給されるだけである。このた
め、中空体内部において、供給パイプの吐き出し口から
離れるに従い水の流動が少なくなり、不純物の濃度が部
分的に高くなって濃度分極が発生するようになる。これ
を解決するために、この発明では、上記のように、供給
パイプと排出パイプとを略帯状中空体の長手方向両端に
分けて配設し、加湿用水が中空体内を隅々まで流れるよ
うしている。これが、この発明の特徴の一つである。
【0013】なお、無多孔質高分子膜に不純物が付着す
る前に、中空体1から濃縮加湿用水を排出する方法(排
出タイミングの制御方法)は、特に制限するものではな
い。例えば、上記のように加湿用水を循環させ、中空体
1内部の加湿用水の流速と、中空体1の長手方向の長さ
(加湿用水の流路距離)とにより、加湿用水の濃縮速度
を調整し、膜に付着する直前の濃度で、中空体1から排
出するという方法があげられる。また、排出パイプ3
に、開閉バルブを設けて、これをタイマーにより所定時
間毎に開閉し、間欠的に濃縮加湿用水を排出する方法が
あげられる。このように、中空体1から濃縮加湿用水を
排出するタイミングを調整することにより、加湿用水を
効率よく使用することが可能となり、コストを低く抑え
ることが可能となる。
【0014】また、上記説明において、膜モジュールと
して蛇行状膜モジュール6をあげたがこれに限定される
ものではない。この蛇行状膜モジュール6の他に、図3
に示すスパイラルモジュール6aがあげられる。このモ
ジュール6aは、略帯状の中空体1を、波状間隔材4を
介していわゆる巻き寿司状に巻いてスパイラル状とした
ものである。図において、2および3は供給パイプおよ
び排出パイプをそれぞれ示し、8は膜モジュールを担持
するための型枠を示す。このスパイラルモジュール6a
内に加湿用水を供給し、図に示すようにして乾燥空気9
aを送風することにより、空気に水蒸気が供給され加湿
空気9bを発生させることができる。
【0015】さらに、膜モジュールとしては、上記2種
類の膜モジュール6,6aの他に、平膜モジュール,中
空糸モジュール,管状モジュール,プレート型モジュー
ル等があげられる。
【0016】そして、この実施例において、この加湿器
をエアコン等の空調機と組み合わせて使用する場合は、
ファン等の送風手段を別個に設ける必要がなく、空調機
の送風機を使用することができる。また、加湿空気を導
出する手段についても同様である。
【0017】つぎに、加湿器の主要構成部である中空体
の各構成材料について説明する。この中空体1は、無多
孔質高分子膜,供給パイプ2および排出パイプ3、必要
に応じてスペーサーとから構成される。
【0018】上記無多孔質高分子膜としては、例えば、
ポリビニルアルコール,ポリエーテルウレタン,酢酸セ
ルロース等の素材からなる親水性高分子膜や、イオン交
換膜があげられる。この中でも、透湿性,耐久性が優れ
るイオン交換膜を使用することが好ましい。
【0019】このイオン交換膜の膜厚は、通常0.1〜
500μm、好ましくは0.5〜300μmの範囲であ
る。そして、以下に示す含水率および水蒸気透過係数の
範囲のものであれば、特に制限するものではない。
【0020】まず、上記含水率は、下記の式(1)で算
出されるものであり、通常10〜250%、好ましくは
20〜160%の範囲である。
【0021】
【数1】
【0022】そして、水蒸気透過係数は、5〜200g
/m2 ・hr・mmHgの範囲、好ましくは10〜18
0g/m2 ・hr・mmHgの範囲のものである。この
範囲は、加湿器に使用する膜として充分な範囲である。
この水蒸気透過係数は、純水を用い、かつ一定の線速で
調湿空気を送風した時の膜の水蒸気透過量を、単位膜面
積,単位時間,単位蒸気圧で換算した値である。具体的
には、イオン交換膜を隔て、1次側に20℃の純水を供
給し、2次側に調湿空気(20℃×10%RH)を線速
5m/sで送風して、1次側の純水の減少量の測定によ
り算出できる。
【0023】上記イオン交換膜のイオン交換基の型とし
て、例えば、スルホン酸とスルホン酸塩基,カルボン酸
とカルボン酸塩基,リン酸とリン酸塩基,酸性水酸基と
酸性水酸基塩基のカチオン交換基の型、一〜三級アミノ
基,四級アンモニウム基等のアニオン交換基の型があげ
られる。このなかでも、水蒸気透過性,吸水性,放湿性
等の見地から、下記の一般式で表されるカルボン酸塩基
が好ましい。
【0024】−COOM
【0025】上記式において、Mはアルカリ金属類であ
る。そして、カルボン酸塩基のなかでも、アルカリ金属
類が、Na+ ,K+ のものが特に好ましい。
【0026】このようなイオン交換膜は、例えば、カチ
オン交換基を有する単量体を高分子基材にグラフト重合
することにより作製することができる。
【0027】上記高分子基材としては、ポリアクリル酸
メチル,ポリアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチ
ル,ポリメタクリル酸メチル,ポリメタクリル酸ブチ
ル,ポリアクリロニトリル,ポリエチレン,ポリプロピ
レン,ポリイソブチレン,ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE),ポリ塩化ビニル,ポリビニルアルコー
ル,ポリビニルピロリドン,セルロース,ポリジメチル
シロキサン,ポリアミド等をあげることができる。この
なかでも、安価で成形加工性に優れたポリエチレンを使
用することが好ましい。なお、これらの高分子基材は、
電子線照射,架橋剤の添加等により架橋されたものであ
ってもよい。
【0028】また、カチオン交換基を有する単量体とし
ては、例えば、上記カルボン酸塩基を導入する場合は、
カルボキシル基を有するビニル単量体が用いられる。す
なわち、電子線照射等の公知の処理を高分子基材に施
し、これに上記ビニル単量体をグラフト重合する。その
後、アルカリ金属水酸化物の水溶液で中和することによ
り、カルボキシル基がカルボン酸塩基となる。上記ビニ
ル単量体としては、メタクリル酸を使用することが好ま
しい。また、アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナ
トリウム,水酸化カリウム,塩化カリウム等があげられ
る。
【0029】上記イオン交換膜において、グラフト重合
により導入される単量体の割合(グラフト率)は、10
〜100%の範囲が好ましく、特に好ましくは、20〜
80%の範囲である。すなわち、10%未満であると、
水蒸気透過性が小さくなる傾向がみられ、逆に100%
を超えると吸湿した際に膜強度が低下する傾向がみられ
るからである。このグラフト率(%)は、下記の式
(2)で算出されるものであり、反応時間を変えること
により調整することができる。
【0030】
【数2】
【0031】つぎに、上記供給パイプ2および排出パイ
プ3の構成材料としては、ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,ポリ塩化ビニル,ナイロン,PTFE,フッ素ゴ
ム,イソプレンゴム,ブチレンゴム,天然ゴム,シリコ
ーン等があげられる。このなかでも、耐久性,加工性,
フレキシブル性等の見地からポリエチレン,シリコーン
等が好ましく、なかでもシリコーンが最適である。そし
て、供給パイプ2のサイズは、加湿器の大きさ等により
適宜決定されるが、通常、外径5〜20mm、内径3〜
15mmの範囲である。また、排出パイプ3のサイズ
も、加湿器の大きさ等により適宜決定されるが、通常、
外径5〜20mm、内径3〜15mmの範囲である。
【0032】そして、上記スペーサーは、中空体1内に
おいて加湿用水の流路のための空間を確保するためのも
のである。図4に示すように、このスペーサー7は、薄
板状で、一定の間隔で線状凸部が形成されたものであ
る。この材質としては、シリコーン等の柔らかいゴムが
あげられる。また、このスペーサーのサイズは、膜モジ
ュールの大きさ等により適宜決定されるが、通常、厚み
0.5〜5mm、線状凸部の高さが0.5〜3mmの範
囲のものを使用することが好ましい。
【0033】つぎに、この実施例の加湿器の製法の一例
について説明する。図1に示すような加湿器は、図2に
示すような、略帯状中空体1を蛇行状に曲成した膜モジ
ュール6を作製し、この膜モジュール6を送風管に組み
込むことにより作製することができる。
【0034】まず、略帯状の中空体1は、例えば、つぎ
のようにして作製することができる。すなわち、まず、
略帯状の無多孔質高分子膜,供給パイプ2,排出パイプ
3およびスペーサー7を準備する。そして、無多孔質高
分子膜の上に、スペーサー7を膜の長手方向に沿うよう
にして配置する。また、上記供給パイプ2および排出パ
イプ3を、その一端が膜外に露出するようにして膜の長
手方向両端にそれぞれ配置する。そして、膜を幅方向に
折り曲げてスペーサー7等を覆う。ついで、膜の縁同士
や、膜と上記パイプとの接触部分をエポキシ樹脂等の通
常使用される接着剤で接着する。このようにして、略帯
状の中空体1を作製する。
【0035】つぎに、この略帯状の中空体1を図2に示
すように波状隙間材4を介して蛇行状に曲成し、膜モジ
ュール6を作製する。そして、図1に示すように、膜モ
ジュール6を送風管5内に配置し、中空体1から延びて
いる供給パイプ2等を、上記送風管5の管壁を貫通して
管5外へ引出すことにより、図1に示すような構成の加
湿器を作製することができる。なお、前述したように、
送風手段は、ファンやブロアー等が用いられるが、空調
機の送風管等に加湿器を取り付ける場合は、別個に設け
る必要はない。また、加湿空気の導出手段についても同
様である。
【0036】
【発明の効果】以上のように、この発明の加湿器は、無
多孔質高分子膜製の略帯状中空体の長手方向の一端側に
加湿用水を供給するための供給パイプが連通され、他端
側から濃縮加湿用水を排出するための排出パイプが外に
向かって延びている。この排出パイプにより、濃縮加湿
用水中の不純物が無多孔質高分子膜に付着する前に、中
空体外へ適宜排出するようにしている。このため、上記
不純物が、無多孔質高分子膜の微小孔を塞ぐことがなく
なり、膜の水蒸気透過性の低下が抑制されるようにな
る。また、この発明の加湿器は、上記のように、供給パ
イプおよび排出パイプを、略帯状中空体の長手方向の両
端に分けて配設している。このため、供給パイプから供
給された加湿用水は、中空体内を隅々まで流れて排出パ
イプから中空体外へ排出される。したがって、加湿用水
は、中空体内で均一に濃縮されるため、濃度分極が発生
せず、これによる膜の部分的な水蒸気透過性の低下も起
こらなくなる。すなわち、この発明の加湿器は、水蒸気
透過性が高く水遮断性に優れた無多孔質高分子膜を使用
しているため、高い加湿能力を備え、しかも水漏れ等の
故障が少ない加湿器となっている。また、上記の高い加
湿性能を維持することができ長寿命となっている。した
がって、この発明の加湿器の使用により、長期間低コス
トで室内等を充分に加湿することができるようになる。
【0037】つぎに、具体例について比較例と併せて説
明する。
【0038】
【具体例】以下に示すようにして、図3に示すような、
イオン交換膜製スパイラルモジュール6aを作製した。
【0039】まず、イオン交換膜を作製した。すなわ
ち、厚み25μmのポリエチレンフィルムを準備し、こ
れに電子加速器を用いて10メガラドの電子線を照射し
た。一方、メタクリル酸120重量部(以下「部」と略
す)、硫酸第一鉄0.12部をメタノール160部に溶
解した。そして、この溶液を73℃に加熱し、この加熱
溶液中に、電子線を照射したポリエチレンフィルムを1
5分間浸漬してグラフト重合を行った。ついで、このポ
リエチレンフィルムを70℃の蒸留水で水洗した後、風
乾した。そして、このフィルムを60℃の30重量%塩
化カリウム水溶液に24時間以上浸漬した後、幅22c
m×長さ5mにカットして目的とするイオン交換膜を作
製した。
【0040】一方、外径5mm,内径4mmのポリエチ
レン製パイプを2本と、厚み1mmで線状凸部の高さが
1mmのゴム製スペーサーとを準備した。そして、前述
のように、これらを上記のイオン交換膜上に長手方向に
沿うように配置し、膜を幅方向に折ってスペーサー等を
覆った。そして、イオン交換膜同士が重なる縁部や、パ
イプと膜が接触する部分をエポキシ樹脂で接着した。そ
して、この中空体を、波の高さ5mm、ピッチ10mm
のポリエチレン製の波状隙間材6を介していわゆる巻き
寿司状に巻き、これをポリ塩化ビニル製の型枠8で担持
して図3に示すような膜面積が2m2 のスパイラルモジ
ュール6aを作製した。
【0041】このスパイラルモジュールに40℃の水道
水を供給し、除湿器と他の加湿器で調整した40℃,1
0%RHの調湿空気を送風機で線速1m/sで送風し
た。そして、スパイラルモジュールの加湿性能を、単位
時間当たりの加湿用水の減少量を測定することにより調
べた。その結果、このスパイラルモジュールは、送風初
期において3000g/hrの加湿性能を示した。
【0042】そして、供給パイプおよび排水パイプのそ
れぞれの供給口および排水口にチューブポンプを取り付
け、加湿量と同量の濃縮加湿用水を排出しながら連続加
湿試験を行った。その結果、このスパイラルモジュール
は、試験開始1000時間経過時において、2900g
/hrの加湿能力を示した。また中空体自身からの水漏
れは、発生しなかった。このことから、この加湿器は、
長時間運転しても水漏れ等の事故が発生することなく高
い加湿性能を維持できるといえる。
【0043】
【比較例】具体例と同様のスパイラルモジュールを作製
した。そして、チューブポンプによる加湿用水の排出を
行わなかった以外は、具体例1と同様にして連続加湿試
験を行った。その結果、このスパイラルモジュールは、
送風初期において3000g/hrの加湿能力を示した
が、1000時間経過時には、加湿能力が2000g/
hrまで低下した。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の加湿器の一実施例の構成を示す断面
図である。
【図2】上記実施例の膜モジュールの斜視図である。
【図3】上記実施例における、その他の膜モジュールの
斜視図である。
【図4】上記実施例の膜モジュール内にスペーサーが挿
入された状態を示す断面斜視図である。
【図5】従来の加湿器の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 略帯状の中空体 2 供給パイプ 3 排出パイプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水蒸気透過膜から形成された密封状の中
    空体と、この中空体内に連通し内部に加湿用水を供給す
    る供給パイプと、上記中空体内に連通し濃縮加湿用水を
    中空体内部から排出する排出パイプと、上記中空体の外
    周に対し被加湿空気を送風し接触させる送風手段と、加
    湿された空気を導出する導出手段とを備えた加湿器であ
    って、上記中空体が、略帯状であり、無多孔質高分子膜
    から構成され、上記供給パイプが、上記略帯状中空体の
    長手方向の一端側から連通されているとともに、上記排
    出パイプが、他端側から外部へ延びていることを特徴と
    する加湿器。
  2. 【請求項2】 略帯状の中空体を波状隙間材を介し巻回
    してスパイラル状とした請求項1記載の加湿器。
  3. 【請求項3】 略帯状の中空体を波状隙間材を介し蛇行
    状に曲成した請求項1記載の加湿器。
JP1062494A 1994-02-01 1994-02-01 加湿器 Pending JPH07217952A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1062494A JPH07217952A (ja) 1994-02-01 1994-02-01 加湿器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1062494A JPH07217952A (ja) 1994-02-01 1994-02-01 加湿器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07217952A true JPH07217952A (ja) 1995-08-18

Family

ID=11755380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1062494A Pending JPH07217952A (ja) 1994-02-01 1994-02-01 加湿器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07217952A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009072283A1 (ja) * 2007-12-04 2009-06-11 Panasonic Corporation 加湿装置およびこれを用いた燃料電池システム
JP2011199305A (ja) * 2007-01-26 2011-10-06 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011199305A (ja) * 2007-01-26 2011-10-06 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置
WO2009072283A1 (ja) * 2007-12-04 2009-06-11 Panasonic Corporation 加湿装置およびこれを用いた燃料電池システム
JP4468485B2 (ja) * 2007-12-04 2010-05-26 パナソニック株式会社 燃料電池システム
CN101939871A (zh) * 2007-12-04 2011-01-05 松下电器产业株式会社 加湿装置及使用该加湿装置的燃料电池系统
JPWO2009072283A1 (ja) * 2007-12-04 2011-04-21 パナソニック株式会社 燃料電池システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI698274B (zh) 螺旋形酸性氣體分離膜元件、酸性氣體分離膜模組,以及酸性氣體分離裝置
EP0581462B1 (en) Humidifier
JPH07133994A (ja) 熱交換膜
JP2919711B2 (ja) 加湿機能を有する空気調和機
JPH07174373A (ja) 加湿器およびそれに用いる高分子複合膜
JPH07217952A (ja) 加湿器
JP2003097831A (ja) 気液分離エレメント、気液分離器及び気液分離ユニット
JPH07208775A (ja) 複合加湿器
JPH07243675A (ja) 加湿器およびその運転方法
JPH07217953A (ja) 加湿器
JPH07243673A (ja) 加湿器
JPH07243674A (ja) 加湿器
JPH07158915A (ja) 加湿器
JPH07225039A (ja) 加湿器
JPH07269915A (ja) 加湿ユニット
JPH07198177A (ja) 加湿器
JP2002035533A (ja) 除加湿エレメント、除加湿ユニット及び除加湿装置
JP3758695B2 (ja) 加湿器
JPH08189666A (ja) 空気調和機
JPH07155574A (ja) 加湿用膜およびその製法
EP0661503A2 (en) A humidifier
JP2726598B2 (ja) 透湿膜式加湿器
JP3072889B2 (ja) 加湿器用加湿水流路内の空気抜き方法
JP3329072B2 (ja) 加湿装置
JP2006160966A (ja) 水蒸気透過膜