JPH07158915A - 加湿器 - Google Patents

加湿器

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JPH07158915A
JPH07158915A JP5310147A JP31014793A JPH07158915A JP H07158915 A JPH07158915 A JP H07158915A JP 5310147 A JP5310147 A JP 5310147A JP 31014793 A JP31014793 A JP 31014793A JP H07158915 A JPH07158915 A JP H07158915A
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JP
Japan
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membrane
humidifier
water
air
ion exchange
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JP5310147A
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Hajime Otani
肇 大谷
Kenzo Okada
健三 岡田
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間運転しても水漏れがなく、コンパクト
で加湿能力が優れた低コストの加湿器を提供する。 【構成】 加湿用の水と一定方向に送風されている空気
とが、水蒸気透過性のイオン交換膜を介して接してお
り、上記加湿用の水から発生する水蒸気が上記イオン交
換膜を透過して空気側に移行することにより、上記空気
が一定方向に送風されるに従い加湿される加湿器であっ
て、上記イオン交換膜として、イオン交換基がカチオン
交換基のイオン交換膜を使用した加湿器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、水蒸気透過性のイオ
ン交換膜を使用した加湿器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】室内の空気が乾燥すると、喉を痛めたり
静電気が発生しやすくなるため、加湿器を用いて室内を
加湿することが行われている。この加湿器としては、そ
の加湿方式により、自然蒸発式,電熱式,水スプレー
式,超音波式の4種類の加湿器に大別することができ
る。このなかでも、イニシャルコスト,ランニングコス
トや構造の単純性等の見地から自然蒸発式加湿器が汎用
されている。しかし、この自然蒸発式加湿器は、電気エ
ネルギー等に起因するコストがかからない反面加湿能力
が小さいという欠点を有する。すなわち、自然蒸発式加
湿器の加湿能力は、水の表面積の大きさに比例するが、
従来行われていたスポンジや布等に加湿用の水を含浸さ
せる方法では、充分な水の表面積を確保することができ
なかった。
【0003】そこで、上記の水の表面積の問題を解決す
るために、多数の小孔を備え、この小孔により水蒸気を
透過させるが、疎水性であるため水の透過は遮断される
という性質を有する膜(以下「疎水性多孔質高分子膜」
という)を使用する方法が提案され、一部で実施されて
いる(特開昭60−171337)。この方法は、上記
膜を用いて水を層状に担持して大きい表面積を確保する
という方法である。水を層状に担持する方法は、例え
ば、つぎの方法があげられる。すなわち、まず、図1お
よび図2に示すように、疎水性多孔質高分子膜を袋状に
成形する。図1において1aおよび1bは加湿用の水の
注入口および排出口をそれぞれ示す。図2は、図1のA
−A′の断面図である。この時、加湿用の水2の流路確
保のためのスペーサー4が袋の中に挿入されている。そ
して、これを図3に示すように多層に折り畳むことによ
り膜モジュールを形成して加湿器7とする。そして、こ
の加湿器7に加湿用の水2を供給し、これに対して乾燥
空気3aを送風すると、膜モジュール内の水から発生す
る水蒸気が膜を透過して空気側へ移行し、乾燥空気3a
が加湿されて湿潤空気3bとなる。このようにすること
により、加湿器を大形化することなく加湿用の水と空気
との接触面積を著しく拡大することができるようにな
る。その結果、湿潤空気3bを効率よく発生させること
ができる。この方式によれば、電気エネルギー等を使用
することなく加湿能力の向上を図ることが可能であり、
かつ加湿器もコンパクトなものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、疎水性
多孔質高分子膜を使用した加湿器は、構造が簡単でコン
パクトであり、また加湿能力も優れている。しかしなが
ら、この加湿器は長期間運転すると水漏れが発生すると
いう問題がある。すなわち、加湿器に使用される水は、
一般にミネラルやイオン等の不純成分を含んでいる水道
水や井戸水等が使用されている。この水道水等を使用し
て加湿器を長期間運転すると、疎水性多孔質高分子膜に
上記不純成分が付着して膜の疎水性が奪われ、その結
果、膜によって遮断されていた水が空気側へ漏出してし
まう。したがって、この加湿器は、その寿命が短かっ
た。
【0005】この問題を解決するために、疎水性多孔質
高分子膜に代えて、ポリビニルアルコールやポリエーテ
ルウレタン等の素材からなる親水性高分子膜を使用する
方法があげられる。この親水性高分子膜は、水の透過を
防止し、かつ水蒸気を透過させる機構が、疎水性多孔質
高分子膜と異なるため、上記のような水道水等の不純成
分の付着による水漏れが発生しない高分子膜である。し
かしながら、この親水性高分子膜は、水蒸気透過性が小
さく加湿能力が低いという欠点を有する。したがって、
この膜を使用する場合は、蒸発面積を大きくする必要が
あるため、加湿器が大形化するという別個の問題が発生
する。
【0006】このように、従来の水蒸気透過性の高分子
膜を使用した加湿器は、その高分子膜に由来する欠点を
有するものであった。しかし、前述のように、水蒸気透
過性の高分子膜を使用した加湿器は、加湿能力が大きく
構造が単純でコンパクトであるという利点を有し、かつ
コスト的にも有利である。このため、上記水蒸気透過性
の高分子膜に由来する問題の解決が強く望まれている。
【0007】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、長期間運転しても水漏れの発生がなく、コン
パクトで加湿能力が優れた低コストの加湿器の提供をそ
の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、加湿用の水と一定方向に送風されて
いる空気とが、水蒸気透過性のイオン交換膜を介して接
しており、上記加湿用の水から発生する水蒸気が上記イ
オン交換膜を透過して空気側へ移行することにより、上
記空気が一定方向に送風されるに従い加湿される加湿器
であって、上記イオン交換膜のイオン交換基がカチオン
交換基であるという構成をとる。
【0009】
【作用】すなわち、本発明者らは、上記課題を解決する
ために一連の研究を重ねた。その過程で、イオン交換基
がカチオン交換基のイオン交換膜を用いるという着想を
得た。その結果、このイオン交換膜は、低コストで、か
つ優れた水蒸気透過能を有することを突き止めた。そし
て、このイオン交換膜を用いて所定形状の膜モジュール
を形成して加湿器化すると、水道水等を用いて長期間運
転しても水漏れが発生せず、また加湿能力も優れること
を見出し、この発明に到達した。この発明により、長寿
命かつコンパクトで加湿能力が優れた加湿器を低コスト
で提供することが可能となる。そして、この発明のイオ
ン交換膜の作製に、通常のグラフト重合法を適用すれ
ば、加湿器の一層の低コスト化を図ることも可能であ
る。
【0010】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0011】この発明の加湿器は、イオン交換基がカチ
オン交換基であるイオン交換膜を所定形状の膜モジュー
ルに形成することにより作製することができる。
【0012】上記イオン交換基がカチオン交換基である
イオン交換膜は、例えば、分子中にカチオン交換基を有
する単量体を高分子基材にグラフト重合することにより
作製することができる。
【0013】上記高分子基材としては、ポリアクリル酸
メチル,ポリアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチ
ル,ポリメタクリル酸メチル,ポリメタクリル酸ブチ
ル,ポリアクリロニトリル,ポリエチレン,ポリプロピ
レン,ポリイソブチレン,ポリテトラフルオロエチレ
ン,ポリ塩化ビニル,ポリビニルアルコール,ポリビニ
ルピロリドン,セルロース,ポリジメチルシロキサン,
ポリアミド等をあげることができる。このなかでも、安
価で成型加工性に優れたポリエチレンを使用することが
好ましい。なお、これらの高分子基材は、電子線照射,
架橋剤の添加等により架橋されたものであってもよい。
【0014】また、上記カチオン交換基の型としては、
例えば、スルホン酸とスルホン酸塩基,カルボン酸とカ
ルボン酸塩基,リン酸とリン酸塩基,酸性水酸基と酸性
水酸塩基があげられる。このなかでも、水蒸気透過性,
吸水性,放湿性等の見地から、下記の一般式で表される
カルボン酸塩基が好ましい。
【0015】−COOM
【0016】上記式において、Mはアルカリ金属類であ
る。そして、カルボン酸塩基のなかでも、アルカリ金属
類が、Na+ ,K+ のものが特に好ましい。
【0017】そして、カチオン交換基を高分子基材に導
入するのに、カチオン交換基を有する単量体が用いられ
る。例えば、上記カルボン酸塩基を高分子基材に導入す
るのに、カルボキシル基を有するビニル単量体が用いら
れる。そして、このビニル単量体を高分子基材にグラフ
ト重合した後に、アルカリ金属水酸化物の水溶液で中和
することにより、カルボキシル基がカルボン酸塩基とな
る。このビニル単量体としては、メタクリル酸を用いる
ことが好ましい。また、アルカリ金属水酸化物として
は、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,塩化カリウム
等があげられる。
【0018】つぎに、上記カチオン交換基を有する単量
体および高分子基材を用いてのグラフト重合は、例え
ば、つぎのようにして行われる。すなわち、フィルム状
の高分子基材に、電子加速器を用いて電子線を0.1〜
50メガラド,好ましくは2〜10メガラドの条件で照
射する。この照射によって、高分子基材中にラジカルが
発生する。
【0019】一方、上記カチオン交換基を有する単量体
を、水,メタノール等の溶媒に溶解して溶液を調製す
る。この時の濃度は、単量体の種類等によって適宜決定
されるが、通常、10〜80重量%、好ましくは20〜
40重量%の範囲である。また、単独重合防止の目的で
硫酸第一鉄,塩化第一鉄等を添加することができる。
【0020】そして、上記溶液に、電子線を照射した高
分子基材を浸漬する。この浸漬によりカチオン交換基を
有する単量体が高分子基材にグラフト重合する。つい
で、生成したグラフト重合体を水、好ましくは蒸留水で
水洗した後、風乾する。このときの水の温度は、15〜
90℃、好ましくは25〜70℃の範囲である。そし
て、これをアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いて中和
する。このようにすることにより、イオン交換基がカチ
オン交換基であるイオン交換膜を得ることができる。
【0021】上記イオン交換膜において、グラフト重合
により導入される単量体の割合(グラフト率)は、10
〜100%の範囲が好ましく、特に好ましくは20〜8
0%の範囲である。すなわち、10%未満であると、水
蒸気透過性が小さくなる傾向がみられ、逆に100%を
超えると吸湿した際に膜強度が低下する傾向がみられる
からである。このグラフト重合率は、下記の式(1)で
算出されるものである。このグラフト率は、反応時間を
変えることにより調整することができる。
【0022】
【数1】
【0023】このように、イオン交換基がカチオン交換
基であるイオン交換膜は、グラフト重合法により、特殊
な設備や装置を用いることなく低コストで作製すること
ができる。
【0024】このようにして得られたイオン交換膜の膜
厚は、通常0.1〜500μm、好ましくは0.5〜3
00μmの範囲に設定される。そして、下記の式(2)
で算出される含水率(%)は、通常10〜250%、好
ましくは20〜160%の範囲である。
【0025】
【数2】
【0026】そして、この発明の加湿器に使用されるイ
オン交換膜は、水蒸気透過係数が、少なくとも5〜20
0g/m2 ・hr・mmHgの範囲、通常10〜180
g/m2 ・hr・mmHgの範囲のものである。この範
囲は、加湿器に使用する膜として充分な範囲である。こ
の水蒸気透過係数は、純水を用い、かつ一定の線速で調
湿空気を送風した時の膜の水蒸気透過量を、単位膜面
積,単位時間,単位蒸気圧で換算した値である。具体的
には、イオン交換膜を隔て、1次側に20℃の純水を供
給し、2次側に調湿空気(20℃×10%RH)を線速
5m/sで送風して、1次側の純水の減少量の測定によ
り算出できる。
【0027】なお、この発明の加湿器に使用されるイオ
ン交換膜の製法として、グラフト重合法を例にとり説明
したが、これに限定するものではなく、以下に示す〜
の製法も適用することができる。しかし、コストや工
程の簡便性等の見地からグラフト重合法を適用したとき
に好結果が得られる。 高分子基材にカチオン交換基を有する物質を含浸させ
る含浸法。 可溶性線状高分子電界質と結合剤を溶剤に溶解した
後、溶剤を蒸発除去させる溶解法。 カチオン交換基を導入するためのビニル単量体,架橋
剤,可塑剤等を混合し、これを高分子基材に含浸させて
ペースト状とし、ついで加熱して重合させる重合法。 ビニル重合体とカチオン交換基を有する単量体を重合
させる方法。
【0028】そして、この発明に使用されるイオン交換
膜は、上記のようにイオン交換膜単独の膜の他に、他の
素材を組み合わせて複合膜として使用することが可能で
ある。
【0029】イオン交換膜と組み合わせる他の素材とし
て、疎水性多孔質高分子膜があげられる。この膜として
は、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチ
レン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリカー
ボネート,ポリエステルやポリテトラフルオロエチレン
等のフッ素系樹脂があげられる。このなかでも、製膜
性,耐久性の観点からポリテトラフルオロエチレンが好
ましい。そして、この疎水性多孔質高分子膜の厚みは、
5〜200μmの範囲が好ましい。すなわち、5μm未
満であると、膜強度の低下やピンホールの発生のおそれ
があり、実用化が困難だからである。逆に、200μm
を超えると、水蒸気の透過抵抗が大きくなり、加湿性能
が低下するおそれがあるからである。また、平均孔径
は、0.1〜10μmの範囲が好ましい。すなわち、
0.1μm未満であると、水蒸気の透過抵抗が大きくな
り加湿性能が低下するおそれがあり、逆に、10μmを
超えると水の漏出が発生したり、膜強度が低下したりし
て実用性が喪失するおそれがあるからである。そして、
気孔率は、40〜95%の範囲が好ましい。すなわち、
40%未満であると加湿性能が低下する傾向がみられ、
逆に、95%を超えると水の漏出が発生するおそれがあ
るからである。
【0030】上記イオン交換膜と疎水性多孔質高分子膜
との複合化は、両者を貼着する方法があげられる。この
貼着方法としては、疎水性多孔質高分子膜を加熱溶融し
て融着する方法や、接着剤を使用する方法等があげられ
る。この時、水蒸気透過性の観点から完全に貼着して一
体化するのではなく、例えば、5〜10mm間隔で部分
的に結合する点結合が好ましい。
【0031】さらに、上記複合膜と、水や水蒸気を自由
に透過させる素材とを複合化して使用してもよい。この
ような素材としては、例えば、天然繊維,化学繊維,金
属繊維等からなる織布あるいは不織布があげられる。こ
の複合化も融着や接着等により貼着する方法があげられ
る。また、この貼着も上記と同様に完全に貼着して一体
化するのではなく、例えば、5〜10mm間隔で部分的
に結合する点結合が好ましい。このような複合膜にする
ことにより、膜の構造強度が向上するようになり、耐久
性が優れ長寿命となる。
【0032】つぎに、このようにして得られたイオン交
換膜あるいはこれと他の素材との複合膜を所定形状の膜
モジュールに形成することにより、加湿器を作製するこ
とができる。この膜モジュールの一例として前述したよ
うな膜を袋状に加工して折り畳んだ膜モジュールがあげ
られる。この膜モジュールは、例えば以下のようにして
作製することができる。すなわち、まず、図1に示すよ
うに、膜を袋状に成形する。このとき、加湿用の水の流
路を確保するために柔らかいゴム等からなるスペーサー
を袋の中に挿入する。このスペーサーは、特に制限する
ものではないが、厚み0.5〜5mm、凸高さ0.5〜
3mmの範囲のものを使用することが好ましい。また、
膜同士で接着する部分は、エポキシ樹脂等の通常使用さ
れる接着剤で接着する。そして、この袋状の膜を図3に
示すように多層に折り畳むことにより、膜モジュールを
作製することができる。
【0033】上記の折り畳みのモジュールの他に、図4
に示すようなスパイラルモジュールがあげられる。この
膜モジュールは、上記と同様にして膜を袋状に加工し、
この袋状の膜1と波状間隔材5とを一緒にしていわゆる
巻き寿司状に巻いてスパイラル状としたものである。図
において、6は、膜モジュールを担持するための型枠で
ある。このスパイラルモジュールからなる加湿器7の膜
中に水を貯留し、図に示すようにして乾燥空気3aを送
風することにより空気が加湿され湿潤空気3bを発生さ
せることができる。
【0034】さらに、膜モジュールとしては、上記の膜
モジュールの他に、平膜モジュール,中空糸モジュー
ル,管状モジュール,プレート型モジュール等があげら
れる。
【0035】このようにして作製された加湿器は、通
常、図5に示すように、エアコンやヒーター等の空調機
の送風管9の出口付近に取り付けられて使用される。ま
た、上記空調機から独立して使用する場合は、ファンや
ブロアー等の送風機と組み合わせて使用される。図にお
いて、8は加湿用の水を供給する供給装置を示し、10
はバルブを示す。この供給装置8から、膜モジュール内
に加湿用の水が供給される。また、通常、バルブ10は
閉じられている。すなわち、加湿器を運転する際には、
水が膜モジュール内を流れている必要はなく、蒸発によ
って減少した分を補充する場合に、供給装置8から水が
流入される。また、加湿器を長期間使用しない場合に
は、バルブ10を開き、膜モジュールから水を排出す
る。
【0036】
【発明の効果】以上のように、この発明の加湿器は、カ
チオン交換基のイオン交換膜を使用した加湿器である。
このイオン交換膜は、低コストの膜であり、かつ水蒸気
透過性が優れた膜である。したがって、これを所定形状
の膜モジュールとしたこの発明の加湿器は、低コストか
つコンパクトでありながら優れた加湿能力を有するもの
である。また、この発明の加湿器は、水道水等を用いて
長期間運転しても、水漏れが発生することがないため、
長寿命である。さらに、この発明の加湿器に使用するイ
オン交換膜の製造に、工程が簡単で特殊な装置等を必要
としないグラフト重合法を適用することができる。した
がって、この製法で作製したイオン交換膜を使用するこ
とにより、この発明の加湿器は、一層の低コスト化を図
ることが可能となる。このように、この発明の加湿器
は、従来の加湿器の問題であった、加湿能力,低コス
ト,長寿命,コンパクト性の全ての特性を充足したもの
である。したがって、この発明の加湿器を使用すること
により、場所を取らず、長期間低コストで室内を充分に
加湿することが可能となる。
【0037】つぎに、実施例について説明する。
【0038】
【実施例1】厚み25μmのポリエチレンフィルムを準
備し、これに電子加速器を用いて10メガラドの電子線
を照射した。一方、メタクリル酸120重量部(以下
「部」と略す)、硫酸第一鉄0.12部をメタノール1
60部に溶解した。そして、この溶液を73℃に加熱
し、この加熱溶液中に、電子線を照射したポリエチレン
フィルムを15分間浸漬してグラフト重合を行った。つ
いで、このポリエチレンフィルムを70℃の蒸留水で水
洗した後、風乾した。この時のグラフト率は40%であ
った。そして、このフィルムを60℃の塩化カリウム溶
液(濃度:30重量%)に24時間以上浸漬して、目的
するイオン交換膜を作製した。このイオン交換膜の水蒸
気透過係数は、送風空気の線速が1m/sのとき30g
/m2 ・hr・mmHgであった。つぎに、このイオン
交換膜を幅22cm×長さ5mに成形した。そして、こ
のイオン交換膜で厚み1mmで凸高さ1mmのゴム製ス
ペーサーを覆い、図2に示すような袋状に成形した。つ
いで、この袋状のイオン交換膜と、波の高さ5mm、ピ
ッチ10mmのポリエチレン製の波状間隔材とを一緒に
していわゆる巻き寿司状に巻いて、図4に示すようなス
パイラルモジュールの加湿器を作製した。この加湿器の
膜面積は約2m2 であった。
【0039】上記加湿器に40℃に加温した水道水を供
給し、除湿器と他の加湿器で調湿した40℃,10%R
Hの調湿空気を線速1m/sで送風した。そして、実施
例の加湿器の加湿性能を、供給した加湿用の水の時間当
たりの減少量を測定することにより調べた。この加湿器
は、3000g/hrの加湿性能を示した。
【0040】
【実施例2】実施例1と同様にして、イオン交換膜を作
製した。この膜に、厚み15μmのポリテトラフルオロ
エチレン(平均孔径:5μm)を2mm間隔で融着して
複合膜を作製した。この膜の水蒸気透過係数は、送風空
気の線速が1m/sのとき30g/m2 ・hr・mmH
gであった。そして、この複合膜を使用して実施例1と
同様にしてスパイラルモジュールを作製した。
【0041】この加湿器について、実施例1と同様にし
て加湿性能を調べたところ、3000g/hrの加湿性
能を示した。
【0042】
【実施例3】実施例2と同様にして複合膜を作製した。
これに、厚み200μmのナイロンメッシュ(間隔1m
m)を2mm間隔で融着して複合膜を作製した。この膜
の水蒸気透過係数は、送風空気の線速が1m/sのとき
25g/m2 ・hr・mmHgであった。そして、この
複合膜を使用して実施例1と同様にしてスパイラルモジ
ュールを作製した。
【0043】この加湿器について、実施例1と同様にし
て加湿性能を調べたところ、2500g/hrの加湿性
能を示した。
【0044】
【実施例4】実施例1の加湿器に、40℃に加温した水
道水を供給し、除湿器と他の加湿器で調湿した40℃,
10%RHの調湿空気を線速1m/sで送風して100
0時間の長時間運転を行った。その結果、加湿用膜の空
気側に不純物の付着は確認できず、水漏れ等の事故も発
生しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】袋状イオン交換膜を示す平面図である。
【図2】上記袋状イオン交換膜のA−A′の断面図であ
る。
【図3】上記袋状イオン交換膜を多層に折り畳んだ状態
を示す斜視図である。
【図4】スパイラルモジュールの構成を示す斜視図であ
る。
【図5】加湿器の使用状態を示す説明図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加湿用の水と一定方向に送風されている
    空気とが、水蒸気透過性のイオン交換膜を介して接して
    おり、上記加湿用の水から発生する水蒸気が上記イオン
    交換膜を透過して空気側へ移行することにより、上記空
    気が一定方向に送風されるに従い加湿される加湿器であ
    って、上記イオン交換膜のイオン交換基がカチオン交換
    基であることを特徴とする加湿器。
  2. 【請求項2】 イオン交換膜が、カチオン交換基を有す
    る単量体と高分子基材とのグラフト重合体から形成され
    たイオン交換膜である請求項1記載の加湿器。
JP5310147A 1993-12-10 1993-12-10 加湿器 Pending JPH07158915A (ja)

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JP5310147A JPH07158915A (ja) 1993-12-10 1993-12-10 加湿器

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003515233A (ja) * 1999-10-25 2003-04-22 ユーティーシー フューエル セルズ,エルエルシー 直接不凍液冷却燃料電池電力設備

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003515233A (ja) * 1999-10-25 2003-04-22 ユーティーシー フューエル セルズ,エルエルシー 直接不凍液冷却燃料電池電力設備

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