JPH0721636A - 回転ヘッド装置 - Google Patents

回転ヘッド装置

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JPH0721636A
JPH0721636A JP5187608A JP18760893A JPH0721636A JP H0721636 A JPH0721636 A JP H0721636A JP 5187608 A JP5187608 A JP 5187608A JP 18760893 A JP18760893 A JP 18760893A JP H0721636 A JPH0721636 A JP H0721636A
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tape
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outlet
drum
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JP5187608A
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Yoshihiro Tamaki
由浩 玉木
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転ヘッド装置において、テープ出口側近傍
のエアフィルムを増加させる突起を固定ドラムに形成す
る。 【構成】 回転ヘッド装置1Aは、固定設置される固定
ドラム3に対して複数の磁気ヘッド4を取り付けた回転
ドラム5が同軸的に回転自在に配置されている。ここ
で、回転ドラム5の回転方向と同一方向に磁気テープT
を走行させ、且つ、両ドラム3,5の第1,第2テープ
走行面3b,5bと磁気テープTとの間にテープ入口X
側からテープ出口X側にかけてエアフィルムが生じ
る際、固定ドラム3の第1テープ走行面3bのテープ入
口X側とテープ出口X側との中間部X12より下流
に向かうテープ出口X側に、第1テープ走行面3bに
沿う所定の角度範囲に亘ってテープ出口X側近傍のエ
アフィルム量を増加させる突起3dを突出形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気テープをテープ入口
側からテープ出口側までの角度に亘って螺旋状に巻き付
ける回転ヘッド装置において、テープ出口側近傍のエア
フィルムを増加させる突起を固定ドラムに突出形成し、
磁気ヘッドによる磁気テープへの記録再生出力特性をテ
ープ入口側からテープ出口側に亘って良好に得ることが
できるよう構成した回転ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ヘリカルスキャン方式のVT
R(ビデオ・テープ・レコーダ),R−DAT(回転型
・オーディオ・テープレコーダ)などの磁気記録・再生
機器に用いられる回転ヘッド装置では、シヤーシベース
などに固定設置される固定ドラムと、複数の磁気ヘッド
を取り付けた回転ドラムとから概略構成されていること
が周知である。
【0003】図8は従来の回転ヘッド装置を示した斜視
図、図9は従来の回転ヘッド装置におけるエアフィルム
の状態を示した平面図、図10(A),(B)は図9に
示したエアフィルムの状態時に、テープ入口側近傍及び
テープ出口側近傍での厚みの薄い磁気テープの磁気ヘッ
ドへの添接状態を説明するための図、図11は図10に
示した状態での磁気ヘッドによる厚みの薄い磁気テープ
の記録再生出力特性を示した図である。
【0004】図8に示した従来の回転ヘッド装置1B
は、周知のVTR,R−DATなどの磁気記録・再生機
器内部に設けたシヤーシベース2などに固定設置される
固定ドラム3と、複数の磁気ヘッド4を取り付けた回転
ドラム5とから概略構成され、内部または外部に設けた
モータ(図示せず)によって固定ドラム3に対して回転
ドラム5を軸6を中心に回転させ、磁気テープTを固定
ドラム3及び回転ドラム5のテープ入口X側からテー
プ出口X側までの角度範囲に亘って螺旋状に巻き付け
ながら走行させて、回転ドラム5と一体に回転する複数
の磁気ヘッド4により磁気テープTに記録及び/又は再
生するものである。
【0005】即ち、固定設置される固定ドラム3は、ア
ルミ合金材などを用いて略円筒状に形成され、この固定
ドラム3の外周には磁気テープTの下端部を螺旋状に案
内するリード部3aがリード角β度傾斜して形成され、
且つ、リード部3aに沿って磁気テープTをテープ入口
側からテープ出口X側までの角度範囲に亘って螺
旋状に巻き付ける第1テープ走行面3bがリード部3a
より僅かに内側に段差を付けて円筒状に平滑に形成され
ている。この際、螺旋状のリード部3aは上流のテープ
入口X側がシヤーシベース2に対して高さ方向に高
く、下流のテープ出口X側に向かいシヤーシベース2
に対して除々に低くなるよう形成されている。
【0006】一方、上記回転ドラム5は、その下面5a
が固定ドラム3の上面3cと僅かな隙間を隔てて同軸的
に対向しながら固定ドラム3に対して軸6を中心に反時
計方向に回転自在に設けられている。また、回転ドラム
5は、固定ドラム3と同様にアルミ合金材などを用いて
固定ドラム3の第1テープ走行面3bと略同径の第2テ
ープ走行面5bが円筒状に平滑に形成されている。ま
た、回転ドラム5の第2テープ走行面5bには磁気テー
プTが走行する際に磁気テープTを極僅か浮上するため
のエアフィルム用の浅い溝部5cが間隔を離して複数本
全周に亘って形成されている。更に、回転ドラム5の下
面5a側で固定ドラム3の第1テープ走行面3bに接近
して複数の磁気ヘッド4が円周方向に所定の間隔を隔て
て第2テープ走行面5bから僅か(例えば42.5ミク
ロン)突出して取り付けられている。即ち、磁気ヘッド
4は、各組ごとに180度対称に第2テープ走行面5b
に沿って複数組取り付けられている。
【0007】そして、磁気テープTを図示しないテープ
ローディング部材によって固定ドラム3のリード部3a
に螺旋状に沿わせながらテープ入口X側からテープ出
口X側にテープローディングし、固定ドラム3に対し
て回転ドラム5を反時計方向に回転すると、磁気テープ
Tが固定ドラム3の第1テープ走行面3b及び回転ドラ
ム5の第2テープ走行面5bを螺旋状に上流のテープ入
口X側から下流のテープ出口X側に向かって回転ド
ラム5の回転方向と同方向に巻回しながら走行される。
【0008】ここで、図9に示した如く、磁気テープT
の走行方向と、回転ドラム5の回転方向とが同一方向の
時に、磁気テープTと固定ドラム3の第1テープ走行面
3b及び回転ドラム5の第2テープ走行面5bとの間に
空気流が巻き込まれて周知のエアフィルムA.Fが発生
し、磁気テープTが第1,第2テープ走行面3b,5b
からエアフィルムA.Fを介して数ミクロン〜数十ミク
ロン浮上して走行する。また、磁気テープTが第1,第
2テープ走行面3b,5bから浮上して走行する際、一
般的にエアフィルムA.Fの厚みは、空気流の巻き込み
が開始される上流のテープ入口X側が厚く(大きく)
形成され、磁気テープTが下流に向かうテープ出口X
側に向かって除々に薄く(小さく)形成される傾向があ
る。尚、エアフィルムA.Fは適宜な厚み量であれば、
磁気テープTの走行負荷を軽減できるものの、適宜な厚
み量より厚いと磁気ヘッド4の磁気テープTへの記録再
生出力特性が劣化するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の回転ヘッド装置1Bは、厚みの厚いベースフィルム
に酸化鉄などの磁性粉を塗布した厚みの厚い磁気テープ
(酸化鉄テープ)Toを使用した場合に適用できるよう
に構成されている傾向があり、厚みの厚い磁気テープT
oを使用した場合、エアフィルムA.Fがテープ出口X
に向かって除々に薄く(小さく)なって、テープ出口
側近傍で厚みの厚い磁気テープToが固定ドラム3
の第1テープ走行面3bに接しても、厚みの厚い磁気テ
ープTo自身が剛性を備えているため、突出した磁気ヘ
ッド4に厚みの厚い磁気テープToが屈曲されないまま
接するので、磁気ヘッド4の厚みの厚い磁気テープTo
への記録再生出力特性が何等の支障もなく得られてい
る。
【0010】しかしながら、近年、厚みの薄いベースフ
ィルムにクロムなどのメタル系磁性材を塗布又は蒸着し
た厚みの薄い磁気テープ(メタルテープ)Tmを厚みの
厚い磁気テープToと一緒に回転ヘッド装置1Bに共用
する技術が開発され、この場合に図11に示したよう
に、磁気ヘッド4の厚みの薄い磁気テープTmへの記録
再生出力特性(映像信号のエンベロープなど)が上流の
テープ入口X側から下流のテープ出口X側に向かっ
て除々に低下する傾向が見られた。この原因を追跡する
と、前述した磁気テープTと固定ドラム3の第1テープ
走行面3b及び回転ドラム5の第2テープ走行面5bと
の間に生じるエアフィルムA.Fの厚みに起因している
ことが判明した。
【0011】即ち、図10(A)の左側に示した如く、
上流のテープ入口X側近傍では回転ドラム5の第2テ
ープ走行面5bから僅かに突出した磁気ヘッド4により
厚みの薄い磁気テープTmを記録再生すると、前述した
ように上流のテープ入口X側ではエアフィルムA.F
の厚みが厚い(大きい)ため、厚みの薄い磁気テープT
mは固定ドラム3の第1テープ走行面3b及び回転ドラ
ム5の第2テープ走行面5bに適宜な厚み量のエアフィ
ルムA.Fを介して接することなく、且つ、突出した磁
気ヘッド4が厚みの薄い磁気テープTmに屈曲すること
なく接し、図11の左側に示したテープ入口X側近傍
における良好な記録再生出力特性が得られている。
【0012】一方、図10(A)の右側及び図10
(B)に示した如く、下流のテープ出口X側近傍では
回転ドラム5の第2テープ走行面5bから僅かに突出し
た磁気ヘッド4により厚みの薄い磁気テープTmを記録
再生すると、前述したように下流のテープ出口X側近
傍ではエアフィルムA.Fの厚みが薄いため、厚みの薄
い磁気テープTmの下部は固定ドラム3の第1テープ走
行面3bに接してしまう。ここで、突出した磁気ヘッド
4に厚みの薄い磁気テープTmが接すると、厚みの薄い
磁気テープTmは剛性がないため、磁気ヘッド4の先端
に小寸法に形成された高さ方向曲面Rに接した部分近傍
で磁気ヘッド4の高さ方向曲面Rより大きな曲率のR状
に屈曲してしまい、磁気ヘッド4と厚みの薄い磁気テー
プTmとの間にスペースィングロス(隙間)が生じ、こ
のため図11の右側に示したテープ出口X側近傍では
テープ入口X側近傍より記録再生出力特性が低下して
しまう。
【0013】そこで、テープ出口X側近傍のエアフィ
ルムA.Fがテープ入口X側近傍と略同等な厚み,も
しくはテープ入口X側より極僅か増量した厚みに形成
され、厚みの厚い磁気テープToと厚みの薄い磁気テー
プTmとをテープ入口X側からテープ出口X側に亘
って記録再生出力特性良く共用できる構造形態の回転ヘ
ッド装置が望まれている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、シヤーシベースなどに固定設置
され、且つ、磁気テープの下端部を螺旋状に案内するリ
ード部を外周に形成すると共に、前記リード部に沿って
前記磁気テープをテープ入口側からテープ出口側までの
角度範囲に亘って螺旋状に巻き付ける円筒状の第1テー
プ走行面を該リード部より僅かに内側に形成した固定ド
ラムと、前記固定ドラムと僅かな隙間を隔てて同軸的に
対向しながら該固定ドラムに対して回転自在に設けら
れ、且つ、前記固定ドラムの第1テープ走行面と略同径
の第2テープ走行面を円筒状に形成すると共に、複数の
磁気ヘッドを前記第1テープ走行面と接近した前記第2
テープ走行面に僅か突出して円周方向に所定の間隔を隔
てて取り付けた回転ドラムとから概略構成し、前記回転
ドラムの回転方向と同一方向に前記磁気テープを走行さ
せた際、両ドラムの第1,第2テープ走行面と前記磁気
テープとの間にテープ入口側からテープ出口側にかけて
エアフィルムを生じる回転ヘッド装置において、前記固
定ドラムの第1テープ走行面のテープ入口側とテープ出
口側との中間部より下流に向かうテープ出口側に、該第
1テープ走行面に沿う所定の角度範囲に亘って突起を突
出形成したことを特徴とする回転ヘッド装置を提供する
ものである。
【0015】
【実施例】以下に本発明に係わる回転ヘッド装置の一実
施例を図1乃至図7を参照して詳細に説明する。
【0016】図1は本発明に係わる回転ヘッド装置を示
した斜視図、図2(A),(B)は図1に示した固定ド
ラムの展開図及び側面図、図3は固定ドラムの第1テー
プ走行面にエアフィルムを増加する突起を突出形成した
時に、テープ出口側近傍におけるエアフィルムの増加状
態を示した平面図、図4はテープ出口側近傍のエアフィ
ルムの増加時に、厚みの薄い磁気テープの磁気ヘッドへ
の添接状態を説明するための図、図5はテープ出口側近
傍のエアフィルムの増加時に、テープ入口側近傍及びテ
ープ出口側近傍での磁気ヘッドによる厚みの薄い磁気テ
ープの記録再生出力特性を示した図、図6は固定ドラム
の第1テープ走行面にエアフィルムを増加する突起を突
出形成した時に、第1テープ走行面からの突起の突出量
と、厚みの薄い磁気テープの記録再生出力特性との関係
を示した図である。
【0017】図1に示した本発明に係わる回転ヘッド装
置1Aは、先に説明した従来の回転ヘッド装置1Bの構
成と一部を除いて同様の構成であり、ここでは説明の便
宜上、先に示した構成部材に対しては同一の符号を付
し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明
し、従来と異なる構成部材に新たな符号を付して説明す
る。
【0018】図1において、本発明に係わる回転ヘッド
装置1Aは、シヤーシベース2などに固定設置され、且
つ、磁気テープTの下端部を螺旋状に案内するリード部
3aを外周に形成すると共に、リード部3aに沿って磁
気テープTをテープ入口X側からテープ出口X側ま
での角度範囲に亘って螺旋状に巻き付ける円筒状の第1
テープ走行面3bをリード部3aより僅かに内側に形成
した固定ドラム3と、固定ドラム3と僅かな隙間を隔て
て同軸的に対向しながら固定ドラム3に対して回転自在
に設けられ、且つ、固定ドラム3の第1テープ走行面3
bと略同径の第2テープ走行面5bを円筒状に形成する
と共に、複数の磁気ヘッド4を第1テープ走行面3bと
接近した第2テープ走行面5bに僅か(例えば42.5
ミクロン)突出して円周方向に所定の間隔を隔てて取り
付けた回転ドラム5とから概略構成されていることは従
来と同一である。
【0019】また、この回転ヘッド装置1Aでは、適用
される磁気テープTとして先に説明した厚みの厚い磁気
テープ(酸化鉄テープ)Toと、厚みの薄い磁気テープ
(メタルテープ)Tmとを共用し、後述する固定ドラム
3の第1テープ走行面3bに突出形成したテープ出口X
側近傍のエアフィルム量を増加させる突起3d(又は
突起3e)により両磁気テープTo,Tmをテープ入口
側からテープ出口X側に亘って良好な記録再生出
力特性を維持しながら記録及び/又は再生できるよう構
成されている。
【0020】そして、回転ヘッド装置1Aに適用される
磁気テープT(To,Tm)は、その下端部を固定ドラ
ム3のリード部3aに沿って螺旋状に案内され、且つ、
磁気ヘッド4によって記録再生される磁性面を固定ドラ
ム3の第1テープ走行面3b及び回転ドラム5の第2テ
ープ走行面5bのテープ入口X側からテープ出口X
側までの角度範囲に亘って巻回しながら走行している。
この際、磁気テープTが回転ヘッド装置1Aのテープ入
口X側からテープ出口X側まで巻回する角度範囲
は、回転ヘッド装置1Aを適用される例えばVHS対応
型VTRが大型の場合には大径な第1テープ走行面3b
及第2テープ走行面5bに沿って0゜〜略180゜に亘
って巻回し、例えばVHS対応型VTRが小型の場合に
は小径な第1テープ走行面3b及第2テープ走行面5b
に沿って0゜〜略270゜に亘って巻回している。尚、
本発明に係わる回転ヘッド装置1Aが適用される磁気記
録・再生機器は、VHS対応型VTR,8mm対応型V
TR,R−DATなどである。
【0021】ここで、本発明の要部となる固定ドラム3
の第1テープ走行面3bに突出形成したテープ出口X
側近傍のエアフィルム量を増加させる突起3dについて
説明する。
【0022】図1に示した如く、固定ドラム3の第1テ
ープ走行面3bのテープ入口X側とテープ出口X
との中間部X12より下流に向かうテープ出口X側に
は、第1テープ走行面3bに沿う所定の角度範囲に亘っ
てテープ出口X側近傍のエアフィルム量を増加させる
突起3dが極僅か外側に向かって突出形成されている。
また、図2(A)に展開して示した如く、固定ドラム3
の第1テープ走行面3bに突出形成した突起3dは、固
定ドラム3の中間部X12より下流に向かうテープ出口
側に沿い、即ち、固定ドラム3の中間部X12より
下流に向かう所定の角度範囲として例えば略100゜〜
略200゜に亘って突起3dの下部がリード部3aに沿
い、且つ、突起3dの上部が上面3cに沿いながら展開
面を図示の如くの三角形状に形成されている。尚、固定
ドラム3のテープ入口Xには進入する磁気ヘッド4の
磁気テープTへの振動(ヘッド・タタキ)を防止する周
知のバルジ突起3fが形成され、一方、テープ出口X
には退出する磁気ヘッド4の磁気テープTへの振動(ヘ
ッド・タタキ)を防止する周知のバルジ突起3gが形成
されている。この際、テープ出口Xに形成したバルジ
突起3gは、磁気テープTが出て行くテープ出口X
びテープ出口Xより下流でエアフィルム量を増加させ
る突起3dと図示の如くオーバラップして形成されてい
るものの、テープ出口X側近傍のエアフィルムA.F
に対して何らの支障も生じない。
【0023】また、図2(B)に示した如く、固定ドラ
ム3の第1テープ走行面3bより外側に突出形成した突
起3dの突出量は、先に説明したテープ入口X側近傍
で生じるエアフィルムA.Fの厚みと略同等な厚み,も
しくはテープ入口X側近傍より極僅かに増量した厚み
のエアフィルムA.Fがテープ出口X側近傍で得られ
る突出量に形成されている。尚、突起3dの突出量が高
すぎると磁気テープTの走行に支障をきたすので、上記
設定したエアフィルムA.Fが得られる範囲に突出形成
されている。また、突起3dの突出量は中間部X12
り下流のテープ出口X側の所定の角度範囲(略100
゜〜略200゜)に亘って加工性良く同一突出量に形成
されているが、これに限ることなく、下流のテープ出口
側に向かって漸次突出量を増加するよう形成する方
法も考えられる。
【0024】次に、図3に示した如く、上記のように固
定ドラム3の第1テープ走行面3bに突起3dを突出形
成した状態で、回転ドラム5を軸6を中心に反時計方向
に回転させ、且つ、回転ドラム5の回転方向と同一方向
に磁気テープTを走行させると、テープ入口X側近傍
では従来と同様に適宜な厚み量のエアフィルムA.Fが
形成されている。ここで従来と異なる点は、中間部X
12より下流側にエアフィルム増加用の突起3dが形成
されているため、中間部X12より下流に向かうエアフ
ィルム量は減少されることなく略突起3dに沿ったエア
フィルムA.Fが形成された状態となり、即ち、磁気テ
ープTの下端部はテープ出口X側に接近するに従い突
起3dに接するものの、回転ドラム5の第2テープ走行
面5bと磁気テープTとの間には突起3dの突出量と略
等価な厚みのエアフィルムA.Fが形成されることにな
る。
【0025】これにより、図4に示した如く、厚みの薄
い磁気テープ(メタルテープ)Tmを用いて磁気ヘッド
4により磁気テープTに記録及び/又は再生すると、磁
気ヘッド4を取り付けた回転ドラム5の第2テープ走行
面5b側には上流のテープ入口X側から下流のテープ
出口X側に亘って適宜な量のエアフィルムA.Fが形
成されるため、とくにテープ出口X側で従来のような
磁気ヘッド4による磁気テープTの屈曲現象が生じるこ
となく、図5に示したようにテープ入口X側からテー
プ出口X側に亘って良好な記録再生出力特性(映像信
号のエンベロープなど)を得られることになる。即ち、
テープ入口X側近傍の記録再生出力特性と、テープ出
口X側近傍の記録再生出力特性とが略同一となる。勿
論、図示は省略するが、固定ドラム3の第1テープ走行
面3bに突起3dを突出形成しても、厚みの厚い磁気テ
ープ(酸化鉄テープ)Toの場合には何らの支障もない
ばかりかか、厚みの薄い磁気テープ(メタルテープ)T
mと同様にテープ出口X側近傍の記録再生出力特性を
向上できることは言うまでもない。
【0026】ところで、図6に示した如く、テープ入口
側近傍の記録再生出力特性に対するテープ出口X
側近傍の記録再生出力特性は、実験の結果、固定ドラム
3の第1テープ走行面3bに突出形成した突起3dの突
出量によって左右されていることが判明した。ここでの
突起3dの突出量に対する厚みの薄い磁気テープTmの
記録再生出力特性への影響を調べる実験は、固定ドラム
3の第1テープ走行面3b及び回転ドラム5の第2テー
プ走行面5bの直径を例えばVHS規格を満足する62
mmに形成し、且つ、回転ドラム5を1800RPMの
回転速度で回転した時の状態で実験した。この際、一般
的にエアフィルムA.Fの厚み量は、回転ドラム5の第
2テープ走行面5bの周速による空気流の動圧に基づく
ものであり、上記条件下で例えば突起3dの突出量を5
μmに設定した時にはテープ入口X側近傍の記録再生
出力特性に対してテープ出口X側近傍の記録再生出力
特性が−1.6dB程度となり、これによりテープ出口
側近傍ではテープ入口X側近傍ほどのエアフィル
ムA.Fがまだ形成されていないと判断でき、例えば突
起3dの突出量を20μmに設定した時にはテープ入口
側近傍の記録再生出力特性に対してテープ出口X
側近傍の記録再生出力特性が−0.5dB程度となり、
これによりテープ出口X側近傍ではテープ入口X
近傍と略同等な厚みのエアフィルムA.Fが形成されて
いると判断できる。従って、上記実験の結果から、固定
ドラム3の第1テープ走行面3bに突出形成した突起3
dの突出量は、回転ドラム5の第2テープ走行面5bの
周速による空気流の動圧に基づき、且つ、先に説明した
テープ入口X側近傍で生じるエアフィルムA.Fの厚
みと略同等なの厚み,もしくはテープ入口X側近傍よ
り極僅かに増量した厚みのエアフィルムA.Fがテープ
出口X側近傍で得られる突出量に形成すれば良いこと
になる。
【0027】次に、本発明に係わる回転ヘッド装置の変
形例について図7を用いて説明する。図7は本発明に係
わる回転ヘッド装置の変形例について説明するための固
定ドラムの展開図及び側面図である。
【0028】図7に示した如く、本発明に係わる回転ヘ
ッド装置の変形例では、固定ドラム3の第1テープ走行
面3bに突出形成した突起3eの形状が、第1テープ走
行面3bの中間にリード部3bに沿いながら巾狭く外側
に突出形成され、展開面を1本の帯状に形成されてい
る。尚、突起3eの突出形成する範囲は先に説明した突
起3dと同等であり、ここでの説明を省略する。
【0029】以上詳述した本発明に係わる回転ヘッド装
置1Aでは、固定ドラム3の第1テープ走行面3bのテ
ープ入口X側とテープ出口X側との中間部X12
り下流に向かうテープ出口X側に、第1テープ走行面
3bに沿う所定の角度範囲に亘ってテープ出口X側近
傍のエアフィルム量を増加させる突起3dを突出形成し
たので、これによりテープ出口X側近傍ではテープ入
口X側近傍と略同等な厚み,もしくはテープ入口X
側近傍より極僅かに増量した厚みのエアフィルムA.F
が形成され、磁気ヘッド4の磁気テープTへの記録再生
出力特性がテープ入口X側からテープ出口X側に亘
って良好に維持できる。また、本発明に係わる回転ヘッ
ド装置1Aでは、適用される磁気テープTとして、厚み
の厚い磁気テープ(酸化鉄テープ)Toと、厚みの薄い
磁気テープ(メタルテープ)Tmとを共用でき、この
際、とくにテープ出口X側で従来のような磁気ヘッド
4による磁気テープTの屈曲現象が生じることなく、上
記と同様に磁気ヘッド4の両磁気テープTo,Tmへの
記録再生出力特性がテープ入口X側からテープ出口X
側に亘って良好に維持できる。
【0030】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係わる回転ヘッド
装置によると、固定ドラムの第1テープ走行面のテープ
入口側とテープ出口側との中間部より下流に向かうテー
プ出口側に、第1テープ走行面に沿う所定の角度範囲に
亘ってテープ出口側近傍のエアフィルム量を増加させる
突起を突出形成したので、これによりテープ出口側近傍
ではテープ入口側近傍と略同等な厚み,もしくはテープ
入口側近傍より極僅かに増量した厚みのエアフィルムが
形成され、磁気ヘッドの磁気テープへの記録再生出力特
性がテープ入口側からテープ出口側に亘って良好に維持
できる。また、本発明に係わる回転ヘッド装置では、適
用される磁気テープとして、厚みの厚い磁気テープ(酸
化鉄テープ)と、厚みの薄い磁気テープ(メタルテー
プ)とを共用でき、この際、とくにテープ出口側で従来
のような磁気ヘッドによる磁気テープの屈曲現象が生じ
ることなく、上記と同様に磁気ヘッドの両磁気テープへ
の記録再生出力特性がテープ入口側からテープ出口側に
亘って良好に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる回転ヘッド装置を示した斜視図
である。
【図2】(A),(B)は図1に示した固定ドラムの展
開図及び側面図である。
【図3】固定ドラムの第1テープ走行面にエアフィルム
を増加する突起を突出形成した時に、テープ出口側近傍
におけるエアフィルムの増加状態を示した平面図であ
る。
【図4】テープ出口側近傍のエアフィルムの増加時に、
厚みの薄い磁気テープの磁気ヘッドへの添接状態を説明
するための図である。
【図5】テープ出口側近傍のエアフィルムの増加時に、
テープ入口側近傍及びテープ出口側近傍での磁気ヘッド
による厚みの薄い磁気テープの記録再生出力特性を示し
た図である。
【図6】固定ドラムの第1テープ走行面にエアフィルム
を増加する突起を突出形成した時に、第1テープ走行面
からの突起の突出量と、厚みの薄い磁気テープの記録再
生出力特性との関係を示した図である。
【図7】本発明に係わる回転ヘッド装置の変形例につい
て説明するための固定ドラムの展開図及び側面図であ
る。
【図8】従来の回転ヘッド装置を示した斜視図である。
【図9】従来の回転ヘッド装置におけるエアフィルムの
状態を示した平面図である。
【図10】図9に示したエアフィルムの状態時に、テー
プ入口側近傍及びテープ出口側近傍での厚みの薄い磁気
テープの磁気ヘッドへの添接状態を説明するための図で
ある。
【図11】図10に示した状態での磁気ヘッドによる厚
みの薄い磁気テープの記録再生出力特性を示した図であ
る。
【符号の説明】
1A…回転ヘッド装置、2…シヤーシベース、3…固定
ドラム、3a…リード部、3b…第1テープ走行面、3
d…突起、3e…突起、4…磁気ヘッド、5…回転ドラ
ム、5b…第2テープ走行面、T…磁気テープ、To…
厚み厚い磁気テープ、Tm…厚み薄い磁気テープ(メタ
ル磁気テープ)、 X…テープ入口、X12…中間
部、X…テープ出口。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シヤーシベースなどに固定設置され、且
    つ、磁気テープの下端部を螺旋状に案内するリード部を
    外周に形成すると共に、前記リード部に沿って前記磁気
    テープをテープ入口側からテープ出口側までの角度範囲
    に亘って螺旋状に巻き付ける円筒状の第1テープ走行面
    を該リード部より僅かに内側に形成した固定ドラムと、 前記固定ドラムと僅かな隙間を隔てて同軸的に対向しな
    がら該固定ドラムに対して回転自在に設けられ、且つ、
    前記固定ドラムの第1テープ走行面と略同径の第2テー
    プ走行面を円筒状に形成すると共に、複数の磁気ヘッド
    を前記第1テープ走行面と接近した前記第2テープ走行
    面に僅か突出して円周方向に所定の間隔を隔てて取り付
    けた回転ドラムとから概略構成し、 前記回転ドラムの回転方向と同一方向に前記磁気テープ
    を走行させた際、両ドラムの第1,第2テープ走行面と
    前記磁気テープとの間にテープ入口側からテープ出口側
    にかけてエアフィルムを生じる回転ヘッド装置におい
    て、 前記固定ドラムの第1テープ走行面のテープ入口側とテ
    ープ出口側との中間部より下流に向かうテープ出口側
    に、該第1テープ走行面に沿う所定の角度範囲に亘って
    突起を突出形成したことを特徴とする回転ヘッド装置。
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