JPH0721632U - 塵芥処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】塵芥吸引車の動力を輸送手段に流用して、塵芥
処理装置に固定の動力源を不要とし、塵芥処理装置の経
費節減に貢献させる。 【構成】塵芥処理装置1 を、塵芥吸引車B からの塵芥が
排出される投入口2 と、該投入口2 を密閉状態に閉塞す
る扉3 と、上記投入口2 の下方に設けられた塵芥貯留室
4 と、該塵芥貯留室4 に設けられ、上記投入口2 からの
塵芥を送り出すスクリューフィーダ5 と、上記塵芥貯留
室4 の下流端に上流端付近が連通接続された輸送管6
と、該輸送管6 の上流端側に大気を導入する大気導入管
7 と、上記輸送管6 の下流端に接続され、ホッパ61に下
端が接続されていると共に上端に吸引口62を有し、かつ
その吸引口62からの空気の吸引により上記大気導入口7
との間に差圧を生じさせて輸送管6 を介して輸送される
塵芥と空気とを分離する分離装置8 とを備え、上記吸引
口62に、上記塵芥吸引車B の吸引管11の先端部16を空気
排出管63を介して接続する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、吸引収集車により回収された塵芥をコンテナなどに積み替えて処理 する塵芥処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、塵芥吸引車は、車台枠上に搭載され、後壁に排出口を有する塵芥収容 タンクと、該塵芥収容タンクに設けられた導入口に連通接続される吸引管と、上 記ゴミ収容タンクを負圧化する吸引装置と、上記塵芥収容タンク内を前後方向に 摺動自在に設けられ、その後方への摺動により塵芥収容タンク内の塵芥を上記排 出口から排出する排出板とを備えている。

【０００３】 そして、上記塵芥収容タンク内から排出される塵芥を処理する塵芥処理装置と しては、その塵芥収容タンク内からの塵芥を塵芥処理装置まで輸送する輸送管の 上流端側に投入口を介して排出し、該輸送管を介して塵芥をホッパまで輸送して コンテナに積み替えるようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記塵芥処理装置にあっては、輸送管の上流端側に排出された塵芥 を輸送管を介してホッパまで輸送するための輸送手段が必要となる。その場合、 塵芥収容タンク内の塵芥を単にコンテナなどに積み替えて処理するだけの塵芥処 理装置に輸送手段を設けると、経費がかさむことになる。

【０００５】 本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記塵 芥吸引車の動力を輸送手段に流用して、塵芥処理装置に輸送手段としての固定の 動力源を不要とし、塵芥処理装置の経費節減に貢献することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため、本考案が講じた解決手段は、塵芥吸引車の車台枠上 に搭載され、後壁に排出口を有する塵芥収容タンクと、該塵芥収容タンクに設け られた導入口に連通接続される吸引管と、上記ゴミ収容タンクを負圧化する吸引 装置と、上記塵芥収容タンク内を前後方向に摺動自在に設けられ、その後方への 摺動により塵芥収容タンク内の塵芥を上記排出口から排出する排出板とを備え、 上記塵芥収容タンク内から排出される塵芥を、その塵芥を処理するための塵芥処 理装置まで輸送する輸送管の上流端側に投入口を介して排出し、該輸送管を介し て塵芥をホッパまで輸送してコンテナに積み替えるようにした塵芥処理装置を前 提とする。

【０００７】 そして、上記投入口に、その投入口を密閉状態に閉塞する開閉可能な扉を設け 、上記輸送管の上流端側に、上記扉閉塞時に輸送管内に大気を導入する大気導入 管を接続する。さらに、上記輸送管の下流端に、上記ホッパに下端が接続されて いると共に上端に吸引口を有し、かつその吸引口からの空気の吸引により上記大 気導入口との間に差圧を生じさせて輸送管を介して輸送される塵芥と空気とを分 離する分離装置を設ける。そして、上記吸引口に、上記塵芥吸引車の吸引管の先 端を接続せしめる構成としたものである。

【０００８】

【作用】

上記の構成により、本考案では、塵芥吸引車の塵芥収容タンク内で排出板を後 方へ摺動させて、塵芥収容タンク内の塵芥を塵芥処理装置の輸送管上流端側へ投 入口を介して排出する。この時、分離装置上端の吸引口に塵芥吸引車の吸引管先 端を接続しておき、塵芥収容タンク内の塵芥の排出が完了した時点で、扉により 投入口を密閉状態に閉塞する。そして、塵芥吸引車の吸引装置を作動させて、塵 芥収容タンクを負圧化するとともに、吸引管を介して分離装置内の空気を吸引す る。しかる後、輸送管上流端側において大気導入口を開放して大気を導入し、輸 送管下流端側（分離装置側）の空気との間に差圧を生じさせる。これにより、大 気導入口からの空気と共に輸送管内の塵芥が分離装置まで吸引輸送され、この分 離装置において塵芥が下方のホッパに落下する一方、空気が上端の吸引口を介し て吸い上げられる。

【０００９】

【考案の効果】

以上の如く、本考案における塵芥処理装置によれば、塵芥吸引車の吸引装置を 動力源にして、輸送管内の塵芥をホッパまで輸送したので、塵芥処理装置に吸引 装置などの固定の動力源を不要とし、動力源のない塵芥処理装置においても塵芥 の積め替えを行うことができるとともに、塵芥処理装置の経費節減に貢献するこ とができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１１】 図１は本考案の実施例に係る塵芥処理装置の構成を示し、この塵芥処理装置１ は、地上面Ｇよりも低位置に開口し、塵芥吸引車Ｂからの塵芥の排出が円滑に行 われる投入口２と、該投入口２を密閉状態に閉塞する開閉可能な扉３と、上記投 入口２の下方に設けられた塵芥貯留室４と、該塵芥貯留室４に設けられ、上記投 入口２より投入された塵芥を下流側（図では右方向）へ送り出すスクリューフィ ーダ５と、上記塵芥貯留室４の下流端に上流端付近が連通接続された輸送管６と 、該輸送管６の上流端に設けられ、輸送管６内に大気を導入する大気導入管７と 、上記輸送管６の下流端に接続され、輸送管６を介して輸送された塵芥と空気と をそれぞれ分離するよう上下方向へ延びる略筒形状の分離装置８と、該分離装置 ８の下端に接続され、コンテナＣ内に分離装置８において分離された塵芥を積み 込むコンパクタ９とを備えている。

【００１２】 上記塵芥吸引車Ｂは、例えば団地やビルの地下等に埋設されたベッセル（図示 せず）内に貯留されている塵芥を後述する塵芥収容タンク１０内に積み込んで塵 芥処理装置１まで輸送するものであり、上記ベッセルに一端が開口しかつ他端が 地上に開口する排出管（図示せず）を介してベッセル内の塵芥を吸引輸送するよ うにしている。また、図２に示すように、上記塵芥吸引車Ｂは、その車台枠Ｂａ 上に後方に開口する排出口１０ａを開閉する開閉扉Ｔを備えた直方体状の塵芥収 容タンク１０と、該塵芥収容タンク１０の上面前部に設けられた導入口１０ｂに 基端部が連通接続された吸引管１１とが搭載されている。そして、塵芥収容タン ク１０内への塵芥吸引時に、塵芥吸引車Ｂを上記排出管の地上側開口（他端側） に寄せて停車させ、上記吸引管１１の旋回管１２の旋回と、起伏管１３の起伏と 、伸縮管１４の伸縮と、可撓管１５の可撓とによってその先端部１６（先端）を 排出管の地上側開口に接続するようにしている。

【００１３】 また、上記塵芥収容タンク１０の前側に吸引ユニット１７が搭載されている。 該吸引ユニット１７は、一端が上記塵芥収容タンク１０に接続され、他端が大気 に開放された吸引通路１８と、該吸引通路１８に設けられたウォータースクラバ １９と、ブロアを有し、且つウォータースクラバ１３よりも大気開放側の吸引通 路１８に設けられた吸引装置２０と、該吸引装置２０よりも大気開放側の吸引通 路１８に設けられた消音装置２１とを備え、上記吸引装置２０により、塵芥収容 タンク１０内を負圧化し、吸引管１１を介して塵芥収容タンク１０にベッセル内 の塵芥を吸引輸送するようになされている。さらに、上記塵芥収容タンク１０内 には、該塵芥収容タンク１０内を前方の塵芥吸引位置と後方の排出位置との間で 摺動自在な排出板２２が設けられており、該排出板２２の塵芥吸引位置から排出 位置への摺動により塵芥収容タンク１０内の塵芥を上記排出口１０ａから排出す るようになされている。

【００１４】 上記扉３は、伸縮シリンダ３１により開閉操作されるようになっていて、投入 口２を介した塵芥吸引車Ｂの塵芥収容タンク１０内からの塵芥の排出が完了した 時点で伸縮シリンダ３１が縮短して投入口２が密閉状態に閉塞されるようになっ ている。

【００１５】 上記スクリューフィーダ５は、モータ４１により駆動されるようになっていて 、塵芥貯留室４内に投入口２を介して投入された塵芥を上流側（図では左側）か ら下流側へ攪拌しながら輸送するようにしている。

【００１６】 上記輸送管６は、上流端が投入口２のほぼ下方に位置している一方、下流端が 略２００ｍ離れた分離装置８の上端側壁部に開口しており、スクリューフィーダ ５の下流端より投下された塵芥を分離装置８の上端側壁部までの間で遠隔輸送す るようにしている。また、上記輸送管６上流端の大気導入管７には、開閉バルブ ５１が設けられており、この開閉バルブ５１の開放時に大気導入管７を介して輸 送管６の上流端側に大気を導入するようになされている。この開閉バルブ５１の 開放は、上記扉３により投入口２が閉塞された状態で行われる。

【００１７】 上記分離装置８は、上記コンパクタ９のホッパ６１に下端が接続されていると 共に上端に吸引口６２を有している。そして、上記吸引口６２からの空気の吸引 により分離装置８および輸送管６内が負圧状態となったときに、上記開閉バルブ ５１を開放させて大気導入管７を介して輸送管６の上流端側に大気を導入するこ とで、輸送管６の上流端側（大気導入管７側）と輸送管６の下流端側（分離装置 ８側）との間で差圧を生じさせ、大気導入管７からの空気（大気）と共に塵芥を 輸送管６を介して分離装置８まで遠隔輸送し、この分離装置８において生成され るサイクロンによって、塵芥を自重により落下させる一方、空気を吸引口６２を 介して吸引させ、塵芥と空気とを分離させるようにしている。

【００１８】 そして、上記吸引口６２には、上記投入口２付近、つまり塵芥収容タンク１０ 内から塵芥を排出する塵芥吸引車Ｂの停車位置付近まで一端が導出された空気排 出管６３の他端が接続されている。そして、この空気排出管６３の一端には、上 記塵芥吸引車Ｂの吸引管１１（可撓管１５）の先端部１６が接続されている。つ まり、吸引口６２からの空気排出管６３を介した空気の吸引は、塵芥吸引車Ｂの 吸引装置２０により吸引管１１を介して行われる。

【００１９】 また、上記分離装置８により分離して落下する塵芥は、ホッパ６１で受け止め られた後、コンパクタ内を前後方向（図では左右方向）に摺動移動する押出板７ １で押出口７２に向かって押出され、押出口７２に連結された出入口Ｃａを介し てコンテナＣ内に塵芥が圧縮移送される。そして、塵芥の積込を完了したコンテ ナＣは、図示しないコンテナ運搬車の車台枠上に積降し装置により積み込まれ、 次の最終処理場へと輸送される。

【００２０】 ここで、塵芥処理装置１での作業手順について説明する。塵芥を満載した塵芥 吸引車Ｂの塵芥収容タンク１０の排出口１０ａを塵芥処理装置１の投入口２に位 置付けるように停車させる。次いで、塵芥吸引車Ｂの開閉扉Ｔを開放させて排出 口１０ａを開口し、塵芥収容タンク１０内で排出板２２を後方へ摺動させて、塵 芥収容タンク１０内の塵芥を塵芥処理装置１の塵芥貯留室４内へ投入口２を介し て排出する。この時、分離装置８上端の吸引口６２に塵芥吸引車Ｂの吸引管１１ の先端部１６を空気排出管６３を介して接続しておき、塵芥収容タンク１０内の 塵芥の排出が完了した時点で、扉３により投入口２を密閉状態に閉塞する。そし て、塵芥吸引車Ｂの吸引装置２０を作動させて、塵芥収容タンク１０を負圧化す るとともに、吸引管１１および空気排出管６３を介して分離装置８および輸送管 ６内の空気を吸引する。しかる後、輸送管６上流端側（塵芥貯留室４側）におい て大気導入口７を開放して大気を導入し、輸送管６下流端側（分離装置８側）の 空気との間に差圧を生じさせる。これにより、大気導入口７からの空気と共に輸 送管６内の塵芥が分離装置８まで吸引輸送され、この分離装置８において生成さ れたサイクロン（図中破線で示す）により塵芥が下方のホッパ６１に落下してコ ンパクタ９によりコンテナＣ内への塵芥の詰込を行う一方、空気が上端の吸引口 ６２を介して吸い上げられる。

【００２１】 そして、塵芥を圧縮移送により積込完了したコンテナＣを、コンテナ運搬車の 車台枠上に積降し装置により積み込んで、最終処理場まで輸送することを繰り返 す。

【００２２】 このように、塵芥吸引車Ｂの吸引装置２０を動力源にして、輸送管６内の塵芥 をホッパ６１まで輸送したので、塵芥処理装置に吸引装置などの固定の動力源が 不要となり、動力源のない塵芥処理装置１においても塵芥のコンテナへの積め替 えを行うことができるとともに、塵芥処理装置１の経費節減に貢献することがで きる。

【００２３】 尚、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包 含するものである。例えば、上記実施例では、投入口２の下方に塵芥貯留室４を 設けたが、投入口の下方に輸送管の上流端が位置するようにしても良く、この場 合には、投入口を介して排出された塵芥吸引車の塵芥収容タンク内の塵芥が直接 輸送管内に投入されることになる。

【００２４】 また、上記実施例では、輸送管６を投入口２のほぼ下方位置から略２００ｍ離 れた分離装置８まで延ばしたが、投入口と分離装置との間の距離が比較的短い近 距離間で輸送管による近距離輸送が行われるようにしても良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】塵芥回収装置の全体構成を示す一部切欠いた状
態の側面図である。

【図２】塵芥吸引車の一部切り欠き側面図である。

【符号の説明】

１ 塵芥処理装置 ２ 投入口 ３ 扉 ６ 輸送管 ７ 大気導入管 ８ 分離装置 １０ 塵芥収容タンク １０ａ 排出口 １０ｂ 導入口 １１ 吸引管 １６ 先端部（吸引管の先端） ２０ 吸引装置 ２２ 排出板 ６１ ホッパ ６２ 吸引口 Ｂ 塵芥吸引車 Ｂａ 車台枠 Ｃ コンテナ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 塵芥吸引車の車台枠上に搭載され、後壁
   に排出口を有する塵芥収容タンクと、該塵芥収容タンク
   に設けられた導入口に連通接続される吸引管と、上記ゴ
   ミ収容タンクを負圧化する吸引装置と、上記塵芥収容タ
   ンク内を前後方向に摺動自在に設けられ、その後方への
   摺動により塵芥収容タンク内の塵芥を上記排出口から排
   出する排出板とを備え、上記塵芥収容タンク内から排出
   される塵芥を、その塵芥を処理するための塵芥処理装置
   まで輸送する輸送管の上流端側に投入口を介して排出
   し、該輸送管を介して塵芥をホッパまで輸送してコンテ
   ナに積み替えるようにした塵芥処理装置において、 上記投入口には、その投入口を密閉状態に閉塞する開閉
   可能な扉が設けられ、上記輸送管の上流端側には、上記
   扉閉塞時に輸送管内に大気を導入する大気導入管が接続
   され、上記輸送管の下流端には、上記ホッパに下端が接
   続されていると共に上端に吸引口を有し、かつその吸引
   口からの空気の吸引により上記大気導入口との間に差圧
   を生じさせて輸送管を介して輸送される塵芥と空気とを
   分離する分離装置が設けられており、上記吸引口には、
   上記塵芥吸引車の吸引管の先端が接続されていることを
   特徴とする塵芥処理装置。