JPH07215988A - カチオン性リグニン物質及びその用途 - Google Patents

カチオン性リグニン物質及びその用途

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JPH07215988A
JPH07215988A JP2617894A JP2617894A JPH07215988A JP H07215988 A JPH07215988 A JP H07215988A JP 2617894 A JP2617894 A JP 2617894A JP 2617894 A JP2617894 A JP 2617894A JP H07215988 A JPH07215988 A JP H07215988A
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lignin
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cationic
group
lignin substance
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JP2617894A
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Masahiro Takizawa
正博 滝沢
Yasuaki Kimura
泰章 木村
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MOKUSHITSU SHINSOZAI GIJUTSU K
MOKUSHITSU SHINSOZAI GIJUTSU KENKYU KUMIAI
Original Assignee
MOKUSHITSU SHINSOZAI GIJUTSU K
MOKUSHITSU SHINSOZAI GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着色剤や紫外線吸収剤として有用なカチオン
性リグニン物質を提供すること。 【構成】 酢酸蒸解リグニン、蒸煮爆砕リグニン及び有
機溶媒抽出リグニンの中から選ばれる少なくとも1種の
リグニン物質に対し、そのリグニン物質に含まれる水酸
基を介して、一般式 (式中、R1は水酸基を含有する2価脂肪族基を示し、
2及びR3は低級脂肪族基を示し、R4は低級脂肪族
基、高級脂肪族基、脂環族基又は芳香族基を示し、Xは
アニオンを示す)で表わされる4級化窒素含有脂肪族基
を結合させたことを特徴とするカチオン性リグニン物
質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なカチオン性リグ
ニン物質及びその用途(着色剤、紫外線吸収剤、染毛剤
等)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木材や草木を原料とし、これに適当な処
理を施してリグニン物質とすることは広く行われてい
る。このようなリグニン物質としては、酢酸蒸解リグニ
ン、蒸煮爆砕リグニン及び有機溶媒抽出リグニン等が知
られている。これらのリグニン物質は、水溶性を持た
ず、水性媒体に対しては、pH12以上のアルカリ水溶
液にしか溶解しない。そのため、その用途が限られてし
まうという難点があった。一方、着色剤や紫外線吸収剤
等は化粧料によく使われる有用な成分であるが、そのほ
とんどが合成物であり、これらは人体に対する安全性に
少なからず問題がある。特に、着色剤では、催奇性、発
ガン性等の問題があり、紫外線吸収剤では、皮膚刺激、
感作性(アレルギー)等の問題がある。特に、1〜10
%の高濃度で紫外線吸収剤を配合したサンスクリーン化
粧品の場合、安全性への要望が高い。
【0003】前記リグニン物質は、木材や草木から誘導
される製品であることから、人体に対する安全性の非常
に高いものである。従って、このようなリグニン物質の
特徴を利用して、安全性の高い有用な各種のリグニン物
質誘導体を合成することは産業的に非常に有意義なこと
であることは明らかである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は以下の
通りである。 (1)リグニン物質から産業的に有用な新規な製品を誘
導すること。 (2)リグニン物質から新規なカチオン性リグニン物質
を誘導すること。 (3)リグニン物質から着色剤として有用な製品を誘導
すること。 (4)リグニン物質から紫外線吸収剤として有用な製品
を誘導すること。 (5)リグニン物質から染毛剤として有用な製品を誘導
すること。 (6)リグニン物質から誘導された製品を含む化粧料を
提供すること。 本発明の他の課題は本明細書における以下の記載から明
らかになるであろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、酢酸蒸解リグニン、
蒸煮爆砕リグニン及び有機溶媒抽出リグニンの中から選
ばれる少なくとも1種のリグニン物質に対し、そのリグ
ニン物質に含まれる水酸基を介して、一般式 (式中、R1は水酸基を含有する2価脂肪族基を示し、
2及びR3は低級脂肪族基を示し、R4は低級脂肪族
基、高級脂肪族基、脂環族基又は芳香族基を示し、Xは
アニオンを示す)で表わされる4級化窒素含有脂肪族基
を結合させたことを特徴とするカチオン性リグニン物質
が提供される。
【0006】また、本発明によれば、前記カチオン性リ
グニン物質からなる着色剤、紫外線吸収剤及び染毛剤が
提供される。さらに、本発明によれば、前記カチオン性
リグニン物質を配合した化粧料が提供される。
【0007】本発明のカチオン性リグニン物質における
基材リグニン物質は、酢酸蒸解リグニン、蒸煮爆砕リグ
ニン及び有機溶媒抽出リグニンの中から選ばれるもので
ある。この場合、リグニン物質の原料としては、エゾマ
ツ、アカマツ、スギ、ヒノキ等を始めとする針葉樹や、
シラカバ、ブナ等を始めとする広葉樹、その他の草木が
挙げられる。リグニン物質の分子量は、重量平均分子量
で、1000〜50万、好ましくは1000〜10万で
ある。
【0008】酢酸蒸解リグニンは、木材チップや草木等
のリグニン原料を酢酸を含む溶媒中で高温(80〜20
0℃)で30分〜5時間蒸煮して得られるもので、構造
的にはリグニン中の水酸基の一部(約10%)がアセチ
ル化されていることを特徴とするものである。その分子
量は、3,000〜4,500(ポリスチレン換算)で
ある。溶解性については、水、石油エーテル及びヘキサ
ンに不溶であり、メタノール、エタノール、クロロホル
ム及びエーテルに一部不溶で、アセトン、テトラヒドロ
フラン(THF)、酢酸、ジオキサン、ジメチルスルホ
キシド(DMSO)及びジメチルホルムアミド(DM
F)に可溶であって、pH12以上のアルカリ水溶液に
は一部可溶なものである。
【0009】蒸煮爆砕リグニンは、木材チップや草木等
のリグニン原料を高圧の飽和水蒸気(150〜250
℃)で1〜30分間処理した後、瞬時に圧力を解放して
得られる処理物を粉砕したもので、構造的にはフェノー
ル性水酸基が元のリグニンの2〜3倍に増加しているこ
とを特徴とするものである。その溶解性は、メタノー
ル、アセトン、DMSO及びDMFにわずかに可溶で、
THFに可溶であり、エタノール、イソプロパノール
(IPA)、エーテル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエ
ン、ヘキサン及びクロロホルムに不溶であって、pH1
2以上のアルカリ水溶液に一部可溶なものである。
【0010】有機溶媒抽出リグニンは、木材や草木の粉
末を有機溶媒により抽出して得られる有機溶媒可溶性リ
グニンである。溶媒としては、ジオキサン、エタノー
ル、アセトン、フェノール、クレゾール、これらの混合
物、これらと水との混合物等が挙げられる。また、抽出
用有機溶媒には、塩酸や硫酸等の無機酸を添加すること
ができる。
【0011】本発明によるカチオン性リグニン物質は、
その側鎖として、下記一般式(1)で表わされる4級化
窒素含有脂肪族基を有するものである。 前記一般式(1)において、R1は水酸基を含有する二
価脂肪族基を示し、R2及びR3は低級脂肪族基を示し、
4は低級脂肪族基、高級脂肪族基、脂環族基又は芳香
族基を示し、Xはアニオンを示す。二価脂肪族基R1
しては、水酸基を有する炭素数が1〜24、好ましくは
3〜18のアルキレン基が示され、このアルキレン基
は、水酸基の他、アミノ基、アルコキシ基等の置換基を
含有することができる。低級脂肪族基R2及びR3として
は、メチル基や、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜
7の低級アルキル基が好ましく使用される。これらの低
級アルキル基は、水酸基を含有することができる。R4
としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数
1〜7の低級アルキル基、炭素数8〜22、好ましくは
1〜18の高級アルキル基もしくはアルケニル基、シク
ロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基等が挙げられ
る。これらの置換基は、水酸基を含有することができ
る。アニオンXとしては、ハロゲン(Cl、Br等)、
メトサルフェート、炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イ
オン、酢酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸
イオン等を挙げることができる。なお、前記一般式
(1)における4級化窒素は正イオンに帯電し、アニオ
ンXは負イオンに帯電している。
【0012】前記一般式(1)で表わされる4級化窒素
含有脂肪族基の好ましい具体例を示すと、次の通りであ
る。 前記式中、nは1〜22の数を示し、R4は高級アルキル
基又は高級アルケニル基を示す。
【0013】本発明によるカチオン性リグニン物質は、
リグニン物質に対して、下記一般式(I)又は(II)で
表わされる4級化窒素含有脂肪族化合物を直接又はスペ
ーサー化合物を介して反応させることによって製造する
ことができる。 前記一般式(I)及び(II)において、R5は2価脂肪
族基、Yはハロゲン原子(塩素や臭素等)を示し、
2、R3、R4及びXは前記と同じ意味を有する。2価
脂肪族基R5としては、炭素数1〜6の低級アルキレン
基を挙げることができる。この低級アルキレン基は、水
酸基や、アミノ基、アルコキシ基等の置換基を有するこ
とができる。
【0014】リグニン物質と前記一般式(I)の化合物
との反応を式で示すと次の通りである。 Lig−OH + 一般式(I)の化合物 リグニン物質と前記一般式(II)の化合物との反応を式
で示すと次の通りである。 Lig−OH + 一般式(II)の化合物 (前記式中、Lig−OHはリグニン物質を示し、
2、R3、R4、R5及びXは前記と同じ意味を有する)
【0015】前記一般式(I)及び(II)で表わされる
4級化窒素含有脂肪族化合物を直接リグニン物質に反応
させる場合、その脂肪族化合物のエポキシ基やハロゲン
原子がリグニン物質中の水酸基と反応し、前記一般式
(1)で表わされる4級化窒素を有するカチオン性リグ
ニン物質が得られる。この反応を実施するための1つの
好ましい方法は、リグニン物質を、水酸化ナトリウムや
水酸化カリウム等の水酸化アルカリを濃度5〜48重量
%、好ましくは5〜20重量%で含む水溶液に溶解させ
た後、前記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物
を添加し、40〜70℃の温度で、1〜10時間反応さ
せる方法である。また、前記反応を実施するための他の
好ましい方法は、リグニン物質を、水酸化アルカリを濃
度5〜48重量%で含む水溶液中に溶解後、この水溶液
を有機溶媒中に分散し、この分散液に前記一般式(I)
又は(II)で表わされる化合物を添加し、40〜80℃
で1〜10時間反応させる方法である。この場合、有機
溶媒としては、イソプロパノール、t−ブタノール等の
アルコール;ジオキサン等のエーテル;ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素等を用いることができる。有機
溶媒の使用量は、水溶液1重量部に対し、1〜100重
量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0016】一般式(I)又は(II)の化合物を、スペ
ーサー化合物を介してリグニン物質に対して反応させる
場合、リグニン物質に対して、先ず、スペーサー化合物
を反応させ、次いで一般式(I)又は(II)の化合物を
反応させる。スペーサー化合物としては、リグニン物質
中の水酸基と反応する官能基(例えば、ハロゲン、エポ
キシ基等)と、前記一般式(I)又は(II)の化合物中
のエポキシ基又はハロゲンと反応する官能基(例えば、
水酸基、アミノ基等)を有する2官能性脂肪族化合物が
用いられる他、アルキレンオキサイドが用いられる。こ
のようなスペーサー化合物の具体例としては、一般式 (式中、nは0又は1〜6の整数を示し、Yはハロゲン
を示す)で表わされるエポキシ基とハロゲン原子を分子
中に含有する化合物(例えば、エピクロルヒドリン、エ
ピブロモヒドリン等)や、一般式 Z−(CH2)n−L (VI) (式中、Zはハロゲン原子又はエポキシ基を示し、Lは
水酸基又はアミノ基を示す)で表わされる化合物(例え
ば、グリシドール、2−クロロエタノール、3−クロロ
プロパノールヒドリン、2−(2′−クロロエトキシ)
エタノール、β−クロルエチルアミン等)の他、エチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド等が挙げられる。前記化合物(V)の場合には、リ
グニンに対して化合物(V)を反応後、さらに、第2ス
ペーサー化合物として、分子中に水酸基及び/又はアミ
ノ基を合計2個以上有する化合物と反応させるのが好ま
しい。このような化合物の例としては、以下のものを示
すことができる。この化合物の例 エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジ
アミン、フェニレンジアミン、アミノベンジルアミン等
のジアミン類や尿素。 エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセ
リン、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキシレン
グリコール、オクチレングリコール等の多価アルコール
類。 モノエタノールアミン、アミノプロパノール、アミノ
ブタノール、アミノペンタノール、アミノエチルエタノ
ールアミン、2−(2−アミノエトキシ−1)エタノー
ル等のアミノアルコールや、アミノフェノール、アミノ
ベンジルアルコール等の水溶性芳香族化合物。
【0017】リグニン物質に対するスペーサー化合物の
反応は、リグニン物質を水酸化アルカル水溶液に溶解さ
せた溶液又はこの溶液を有機溶媒に分散させた分散液中
にスペーサー化合物を添加し、30〜100℃、好まし
くは40〜90℃で1〜15時間、好ましくは1〜10
時間反応させることによって行うことができる。また、
リグニン物質に結合したスペーサー化合物に対する前記
一般式(I)又は(II)の化合物の反応は、前記スペー
サー化合物とリグニン物質との反応生成物に前記一般式
(I)又は(II)の化合物を添加し、40〜100℃の
温度で1〜10時間反応させることによって行うことが
できる。また、別の方法として、リグニン物質とスペー
サー化合物との反応生成物からスペーサー化合物と反応
したリグニン物質をいったん分離した後、このスペーサ
ー化合物の結合したリグニン物質を、前記と同様にして
水酸化アルカリを含む水溶液に溶解させた溶液とするか
又はこの溶液を有機溶媒に分散させて分散液とし、この
溶液又は分散液に前記一般式(I)又は(II)の化合物
を加えて加熱反応させる。
【0018】前記したようなスペーサー化合物を介した
反応では、スペーサー化合物がリグニン物質中の水酸基
と反応し、次に、このスペーサー化合物に前記一般式
(I)又は(II)の化合物が反応する。これらの反応の
例を反応式で示すと次の通りである。 (1)スペーサー化合物がエピクロルヒドリンの場合 (i)リグニン物質とスペーサー化合物との反応 さらに、これに第2スペーサー化合物としてエチレング
リコールを反応させる Lig−OCH2CH(OH)CH2Cl+HO(CH2)2OH → Lig−OCH2CH(OH)CH2O(CH2)2OH 又は (ii)リグニン物質に結合したスペーサー化合物と一般
式(I)の化合物との反応 Lig-OCH2CH(OH)CH2OCH2CH2OH + 一般式(I)の化合物 (VIII)
【0019】(2)スペーサー化合物が一般式(VI)で
表わされる化合物(但し、Z=塩素、L=NH2)の場
合 (i)リグニン物質とスペーサー化合物との反応 Lig−OH+Cl(CH2)n−NH2 (X) → Lig−O−(CH2)n−NH2 (ii)リグニン物質に結合したスペーサー化合物と一般
式(I)の化合物との反応 Lig−O−(CH2)n−NH2 + 一般式(I)の化
合物 (iii)リグニン物質に結合したスペーサー化合物と一般
式(II)の化合物との反応 Lig−O−(CH2)n−NH2 + 一般式(II)の化
合物
【0020】(3)スペーサー化合物がエチレンオキシ
ドの場合 (i)リグニン物質とスペーサー化合物との反応 (式中、mは1以上の数を示す) (ii)リグニン物質に結合したスペーサー化合物と一般
式(I)の化合物との反応 Lig−O−(CH2CH2O)m−H + 一般式
(I)の化合物 (iii)リグニン物質に結合したスペーサー化合物と一般
式(II)の化合物との反応 Lig−O−(CH2CH2O)m−H + 一般式(I
I)の化合物
【0021】本発明のカチオン性リグニン物質は、その
リグニン物質中に含まれる水酸基の少なくとも一個を介
して前記一般式(1)で表わされる4級化窒素含有脂肪
族基が導入されたものである。本発明のカチオン性リグ
ニン物質中に含まれる4級化窒素の含有量は、0.1〜
5重量%、好ましくは0.3〜5重量%、さらに好まし
くは0.5〜5重量%である。
【0022】前記のようにして得られる本発明のカチオ
ン性リグニン物質は、水難溶性ないし水微溶性のもので
あり、その水に対する溶解度は、常温(25℃)におい
て、通常、0.05〜70g/100gであり、4級化
窒素含有量が増加するに従ってその溶解度は上昇する。
このカチオン性リグニン物質は、エタノールやエチレン
グリコール、グリセリン等の親水性の強いアルコールに
対しては可溶性を示し、例えば、85重量%エタノール
水溶液に対する溶解度は、常温(25℃)において、通
常、0.05〜60g/100gであり、4級化窒素含
有量が増加するに従ってその溶解度は上昇する。
【0023】本発明のカチオン性リグニン物質は、水微
溶性の場合、これをエタノール又は含水エタノール(エ
タノール濃度30重量%以上)にいったん溶解させた
後、水を添加することにより、水溶液とすることができ
る。この場合の水溶液組成を示すと、カチオン性リグニ
ン物質:1〜40重量%、好ましくは2〜40重量%、
エタノール:1〜90重量%、好ましくは2〜80重量
%、水:10〜99重量%、好ましくは20〜95重量
%である。このような水溶液は、カチオン性リグニン物
質を含む組成物(化粧料や染毛液等)を得るための原料
溶液として用いることができる。
【0024】本発明のカチオン性リグニン物質は、通
常、波長195nmと215nmとの間(約205n
m)と、波長270nmと290nmとの間(約280
nm)に光吸収ピークを有し、波長310nm〜350
nmの範囲に弱い光吸収を有する。従って、本発明のカ
チオン性リグニン物質は、紫外線(波長290nm〜3
50nm)を吸収する紫外線吸収剤として利用すること
ができる。本発明のカチオン性リグニン物質は、市販の
紫外線吸収剤と比べて紫外線吸収能は低いものの(約1
/5程度)、人体に対する安全性が高く、高濃度での使
用が可能であるために、紫外線吸収剤として有効に使用
することができる。
【0025】本発明のカチオン性リグニン物質におい
て、その着色の強さは、原料として用いるリグニン物質
の種類により異なる。酢酸蒸解リグニンや蒸煮爆砕リグ
ニンから誘導されたものは、褐色〜黒褐色を示し、有機
溶媒抽出リグニンから誘導されたものは、着色が弱く、
白色〜淡黄色を示す。
【0026】本発明のカチオン性リグニン物質は、生分
解性を示し、人体に対して高い安全性を有する着色剤や
紫外線吸収剤として広く利用することができるが、特
に、化粧料に配合する着色剤や紫外線吸収剤として有利
に適用される。
【0027】本発明のカチオン性リグニン物質は、以下
に示す如き各種化粧料に対する着色剤や紫外線吸収剤と
して配合することができる。 (1)毛髪化粧料 シャンプー、リンス、ヘアートリートメント、ヘアダ
イ、整髪料等。 (2)皮膚化粧料 石けん、ボディーシャンプー、スキンクリーム、スキン
ローション、化粧水等。 (3)メイキャップ化粧料 ファンデーション、口紅、アイシャドウ、マスカラ、ネ
イルエナメル等。 本発明のカチオン性リグニン物質を毛髪化粧料に配合す
る場合において、着色剤として配合するときには、その
配合量は0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30
重量%であり、紫外線吸収剤として配合するときには、
その配合量は0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜
30重量%である。本発明のカチオン性リグニン物質を
皮膚化粧料に配合する場合において、着色剤として配合
するときには、その配合量は0.01〜30重量%、好
ましくは0.01〜20重量%であり、紫外線吸収剤と
して配合するときには、その配合量は0.1〜40重量
%、好ましくは0.5〜30重量%である。本発明のカ
チオン性リグニン物質をメイキャップ化粧料に配合する
場合において、着色剤として配合するときには、その配
合量は0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜2
0重量%であり、紫外線吸収剤として配合するときに
は、その配合量は0.1〜40重量%、好ましくは0.
5〜30重量%である。
【0028】本発明のカチオン性リグニン物質を紫外線
吸収剤として化粧料に配合する場合、カチオン性リグニ
ン物質による着色の少ない化粧料を所望する場合には、
有機溶媒抽出リグニン物質から誘導されたものを配合す
るのが好ましい。
【0029】本発明のカチオン性リグニン物質は、白髪
や、白色獣毛等の毛髪を褐色に染色する染毛剤として有
利に用いることができる。本発明のカチオン性リグニン
物質を用いて毛髪を染色するには、そのカチオン性リグ
ニン物質の溶液又は分散液を用いて毛髪を接触処理すれ
ばよい。溶液中又は分散液中のカチオン性リグニン物質
の濃度は、0.5〜40重量%、好ましくは1〜40重
量%である。この場合の毛髪の接触処理法としては、毛
髪をカチオン性リグニン物質の溶液又は分散液中に浸漬
する方法や、毛髪に対してそれらの溶液又は分散液をス
プレーやはけ塗りする方法等を採用することができる。
この場合の処理温度は好ましくは常温であるが、必要に
応じ、30〜45℃、好ましくは35〜45℃の加温を
採用することもできる。
【0030】本発明のカチオン性リグニン物質を、一般
式(1)中の4級化窒素に結合するR2、R3及びR4
いずれもメチル基の場合には、4級化窒素含有量が0.
1〜3重量%のカチオン性リグニン物質の使用が好まし
い。一方、4級化窒素に結合するR2、R3及びR4の中
に炭素数2以上の炭化水素基が含まれる場合には、4級
化窒素含有量が1〜5重量%のカチオン性リグニン物質
の使用が好ましい。
【0031】本発明の好ましい実施態様を示すと以下の
通りである。 (1)前記一般式(1)で表わされる4級化窒素含有脂
肪族基を側鎖として有するカチオン性リグニン物質にお
いて、R2、R3、R4がいずれもメチル基であるカチオ
ン性リグニン物質。 (2)4級窒素含有量が0.1〜5重量%、好ましくは
0.5〜5重量%である前記(1)のカチオン性リグニ
ン物質。 (3)前記一般式(1)で表わされる4級化窒素含有脂
肪族基を側鎖として有するカチオン性リグニン物質にお
いて、R2、R3がメチル基であり、R4が炭素数8以上
の高級アルキル基もしくはアルケニル基であるカチオン
性リグニン物質。 (4)4級窒素含有量が0.5〜5重量%、好ましくは
1〜5重量%である前記(3)のカチオン性リグニン物
質。 (5)前記(1)〜(4)のいずれかのカチオン性リグ
ニン物質を着色剤及び/又は紫外線吸収剤として含有す
る毛髪化粧料、皮膚化粧料又はメイキャップ化粧料。 (6)前記(1)〜(4)のいずれかのカチオン性リグ
ニン物質を紫外線吸収剤として0.1〜40重量%、好
ましくは0.5〜30重量%の割合で含有する皮膚化粧
料。 (7)前記(1)〜(4)のいずれかのカチオン性リグ
ニン物質からなる染毛剤。 (8)前記(7)のカチオン性リグニン物質が、酢酸蒸
解リグニン物質及び/又は蒸煮爆砕リグニン物質から誘
導されたものである染毛剤。 (9)前記(1)〜(4)のいずれかのカチオン性リグ
ニン物質1〜40重量%、好ましくは2〜40重量%、
エタノール1〜90重量%、好ましくは2〜80重量%
及び水10〜99重量%、好ましくは20〜95重量%
からなるカチオン性リグニン物質を含む水溶液。
【0032】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、以下において示す部及び%はいずれも重量
基準である。
【0033】実施例1 酢酸蒸解リグニン(松、杉混合)20gと水酸化ナトリ
ウム3.7gを水75gに添加し、溶解させる。この溶
液に2N塩酸を加えてpH10に調整後、カチオン化剤
としてグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド1
5gを添加し、50℃で3時間撹拌しながら反応を行っ
た。このようにして得られた反応溶液を室温に冷却後、
2N塩酸で中和し、これにイソプロパノール800ml
を添加した。生成した沈殿を遠心分離により分離し、こ
れを水150mlに溶解した。さらにこの水溶液にイソ
プロパノール800mlを加え、生成した沈殿を遠心分
離し、凍結乾燥させた。このようにしてカチオン性リグ
ニン物質22gを得た。
【0034】実施例2 蒸煮爆砕リグニン(シラカバ)20gと水酸化ナトリウ
ム3.7gを水75gに添加し、溶解させる。この溶液
に2N塩酸を加えてpH10に調整後、カチオン化剤と
してグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド29
gを添加し、70℃で3時間撹拌しながら反応を行っ
た。このようにして得られた反応溶液を室温に冷却後、
2N塩酸で中和し、これにイソプロパノール800ml
を添加した。生成した沈殿を遠心分離により分離し、こ
れを水150mlに溶解した。さらにこの水溶液にイソ
プロパノール800mlを加え、生成した沈殿を遠心分
離し、凍結乾燥させた。このようにしてカチオン性リグ
ニン物質24gを得た。
【0035】実施例3 濃硫酸を添加したクレゾールを抽出溶媒として用い、温
度30℃で抽出した有機溶媒抽出リグニン(シラカバ)
20gと水酸化ナトリウム3.7gを水75gに添加
し、溶解させる。この溶液に2N塩酸を加えてpH10
に調整後、カチオン化剤としてグリシジルトリメチルア
ンモニウムクロライド50gを添加し、50℃で5時間
撹拌しながら反応を行った。このようにして得られた反
応溶液を室温に冷却後、2N塩酸で中和し、これにイソ
プロパノール800mlを添加した。生成した沈殿を遠
心分離により分離し、これを水150mlに溶解した。
さらにこの水溶液にイソプロパノール800mlを加
え、生成した沈殿を遠心分離し、凍結乾燥させた。この
ようにしてカチオン性リグニン物質32gを得た。
【0036】実施例4 酢酸蒸解リグニン(ヒノキ)20gと水酸化ナトリウム
3.5gを水100gに添加し溶解させた。この溶液に
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロリド65gを加えて、50℃で8時間撹拌し
ながら反応を行った。このようにして得られた反応溶液
を室温に冷却後、2N塩酸で中和し、これにイソプロパ
ノール800mlを添加した。生成した沈殿を遠心分離
により分離し、これを水150mlに溶解した。さらに
この水溶液にイソプロパノール800mlを加え、生成
した沈殿を遠心分離し、凍結乾燥させた。このようにし
てカチオン性リグニン物質38gを得た。
【0037】実施例5 酢酸蒸解リグニン(ブナ)20gと水酸化ナトリウム
3.5gを水75gに添加し、溶解させた。この溶液に
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルラウリルジメチル
アンモニウムクロリド55gを加えて、50℃で6時間
撹拌しながら反応を行った。このようにして得られた反
応溶液を室温に冷却後、2N塩酸で中和し、これにイソ
プロパノール800mlを添加した。生成した沈殿を遠
心分離により分離し、これを水150mlに溶解した。
さらにこの水溶液にイソプロパノール800mlを加
え、生成した沈殿を遠心分離し、凍結乾燥させた。この
ようにしてカチオン性リグニン物質28gを得た。
【0038】試験例1 実施例1〜5で得られたカチオン性リグニン物質(微粉
末状)について、その外観(色)、水やエタノールへの
溶解性、光吸収特性及びケルダール法で分析した4級化
窒素含有量を以下の表に示す。
【0039】
【表1】
【0040】応用例1(染毛剤) 実施例1、4又は5のカチオン性リグニン物質3gを8
5%エタノール水溶液20gに溶解後、これに水77g
を混合して、カチオン性リグニン物質の水溶液を調製し
た。長さ10cmの山羊の毛束1gを上記カチオン性リ
グニン物質の水溶液10mlに指で5分間浸漬し、軽く
手で水分を切った後、室内で自然乾燥した。手は水道水
で軽く洗った。目視により毛束及び指先の着色度を評価
した結果を以下の表に示す。
【0041】
【表2】
【0042】毛束の着色度:○ ブラウンに着色 △ 薄く褐色に着色 × 着色せず 指先の着色の無さ:○ 着色せず △ 少し着色 × かなり着色 本発明のカチオン性リグニン物質はブラウン系の染毛剤
として有効で、毛髪は良く染色するが、指先は染色しな
いことがわかる。
【0043】応用例2(サンスクリーン化粧品(クリー
ム)) (水相) 実施例3のカチオン性リグニン物質 10.0(部) 実施例4のカチオン性リグニン物質 5.0 プロピレングリコール 4.0 二酸化チタン 4.0 エデト酸ナトリウム 0.05 トリエタノールアミン 1.0 精製水 51.95 (油相) スクワラン 10.0(部) ワセリン 5.0 ステアリルアルコール 2.0 ステアリン酸 3.0 グリセリルモノステアレート 3.0 ポリアクリル酸エチル 1.0 香料 適量 水相部と油相部のそれぞれを70℃に加熱し、撹拌す
る。ホモジナイザーを用いて両者を混合・乳化し、乳化
物を得た。
【0044】応用例3(サンスクリーン化粧品(乳
液)) (水相) 実施例2のカチオン性リグニン物質 15.0(部) エタノール 4.0 プロピレングリコール 6.0 ヒドロキシエチルセルロース 0.3 精製水 68.2 (油相) ジメチルポリシロキサン 3.0(部) ワセリン 0.5 セタノール 1.0 ソルビタンセスキオレエート 1.0 ポリオキシエチレン(EO20モル)オレイルアルコールエーテル 1.0 香料 適量 水相部と油相部のそれぞれを70℃に加熱し、撹拌す
る。ホモジナイザーを用いて両者を混合、乳化し、乳液
を得た。この乳液を肌に塗布すると、あたかも日焼けし
たかのように、皮膚が美しい小麦色になるが、その乳液
の作用により、日焼けを防止することが出来る。
【0045】比較例1 応用例3の乳液において、カチオン性リグニン物質の代
わりに精製水を配合したもの。
【0046】試験例2 応用例2、3及び比較例1の組成物を腕に塗布し、直射
日光に3時間当てた後、塗布面を石鹸で洗浄し、日焼け
度を官能にて評価した結果を以下に示す(3名で試
験)。
【0047】
【表3】 ○:日光未照射の皮膚と比べほとんど変わらない △:やや紅くなる ×:紅くなる
【0048】実施例6 酢酸蒸解リグニン(松、杉混合)20gと水酸化ナトリ
ウム3.7gを水75gに添加し、溶解させる。この溶
液に、スペーサー化合物として、エピクロルヒドリン1
0gを添加し、60℃に3時間撹拌しながら反応を行っ
た。さらにエチレンジアミン7gを加え、60℃で2時
間撹拌した。このようにして得えられた反応溶液に対
し、カチオン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニ
ウムクロライド17gを添加し、50℃に6時間撹拌し
ながら反応を行った。このようにして得られた反応溶液
を室温に冷却後、2N塩酸で中和し、これにイソプロパ
ノール800mlを添加した。生成した沈殿を遠心分離
により分離し、これを水150mlに溶解した。さらに
この水溶液にイソプロパノール800mlを加え、生成
した沈殿を遠心分離し、凍結乾燥させた。このようにし
てカチオン性リグニン物質31gを得た。このものは、
黒褐色を示し、その4級化窒素含有量は2.2重量%
で、このものを水100g又は85重量%エタノール水
溶液に1g添加したところ、いずれの場合にも溶解する
ことが確認された。また、このものは、実施例1〜5の
カチオン性リグニン物質と同様に、波長205nmと、
285nm付近に光吸収ピークを示し、波長310nm
〜350nmに弱い光吸収を有することが確認された。
【0049】実施例7 酢酸蒸解リグニン(松、杉混合)20gと水酸化ナトリ
ウム水溶液30gと混合後、これをジオキサン300g
中に分散し、500mlのオートクレーブにて、100
℃、3kg/cm2(ゲージ)以下の圧力で、エチレン
オキサイド50gを3時間かけて徐々に添加し、更に1
時間反応させた。反応液を室温に冷却後、水約500m
lを加え、ついで、希塩酸で中和した。デカンテーショ
ンにより水相部を回収し、電気透析により脱塩後、濃縮
し、さらにイソプロパノール約2リットル加えて再沈し
た。得られた固形分を遠心分離により回収し、乾燥し
て、リグニンにエチレンオキサイドを付加反応させた反
応中間体約10gを得た(−CH2CH2OH基の含有量
は約10重量%であった)。この反応中間体10gと水
酸化ナトリウム1.0gを水35gに溶解し、グリシジ
ルトリメチルアンモニウムクロライド8.5gを加え
て、70℃で、3時間反応させた。以下実施例6と同様
の分離・精製、乾燥、操作を行った。このようにしてカ
チオン性リグニン物質14gを得た。このものは、黒褐
色を示し、その4級化窒素含有量は2.5重量で、この
ものを水100g又は85重量%エタノール水溶液に1
g添加したところ、いずれの場合にも溶解することが確
認された。また、このものは、波長205nmと、28
5nm付近に光吸収ピークを示し、波長310nm〜3
50nmに弱い光吸収を示すことが確認された。
【0050】応用例4 応用例1において、カチオン性リグニン物質として実施
例6又は7で得られたカチオン性リグニン物質を用いた
以外は同様にして実験を行った。その結果を以下に示
す。
【0051】
【表4】
【0052】
【発明の効果】本発明のカチオン性リグニンは、水に対
しては難溶性ないし易溶性のものであり、エタノール
や、エチレングリコール、グリセリン等の親水性の大き
いアルコールやアルコール水溶液に対しても溶解性を示
すものである。本発明のカチオン性リグニンは、褐色系
の色相を有するとともに、紫外線吸収作用をも示し、し
かも人体に対する安全性の非常に高いものである。従っ
て、各種化粧料用の着色剤や紫外線吸収剤として有利に
適用することができる。さらに、本発明のカチオン性リ
グニンは、毛髪や白色獣毛を褐色系の色相に染色する染
毛料として好適のものである。この場合、皮膚に対して
は染色しないことから、手を汚すことなく染毛できると
いう利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09B 67/42 A C09K 3/00 104 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸蒸解リグニン、蒸煮爆砕リグニン及
    び有機溶媒抽出リグニンの中から選ばれる少なくとも1
    種のリグニン物質に対し、そのリグニン物質に含まれる
    水酸基を介して、一般式 (式中、R1は水酸基を含有する2価脂肪族基を示し、
    2及びR3は低級脂肪族基を示し、R4は低級脂肪族
    基、高級脂肪族基、脂環族基又は芳香族基を示し、Xは
    アニオンを示す)で表わされる4級化窒素含有脂肪族基
    を結合させたことを特徴とするカチオン性リグニン物
    質。
  2. 【請求項2】 4級化窒素含有量が、0.1〜5重量%
    である請求項1のカチオン性リグニン物質。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のカチオン性リグニン物
    質からなる着色剤。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2のカチオン性リグニン物
    質からなる紫外線吸収剤。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2のカチオン性リグニン物
    質からなる染毛剤。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2のカチオン性リグニン物
    質を配合した化粧料。
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