JPH07214923A - 熱転写色素供与材料 - Google Patents

熱転写色素供与材料

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JPH07214923A
JPH07214923A JP6015538A JP1553894A JPH07214923A JP H07214923 A JPH07214923 A JP H07214923A JP 6015538 A JP6015538 A JP 6015538A JP 1553894 A JP1553894 A JP 1553894A JP H07214923 A JPH07214923 A JP H07214923A
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JP
Japan
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dye
thermal transfer
layer
image
transfer
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Application number
JP6015538A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Kubodera
征一 久保寺
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】多数回繰返し使用ができ、保存中に画像の滲み
と色移りのない記録を得るための熱転写色素供与材料を
提供する。 【構成】支持体上に支持体側から順に熱移行性で塩基性
基を有する色素を含む色素供給層、色素転写寄与層を積
層して形成した、支持体上に酸性物質を含有する受像層
を設けた受像材料と組み合わせて用いる熱転写色素供与
材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写色素供与材料に関
し、更に詳しくは多数回記録用熱転写色素供与材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方式が公知である
が、それらの中で熱移行性色素を記録剤とし、これを紙
やプラスチックフィルム等の支持体に担持させて、熱転
写色素供与材料とし、色素受容層を設けた紙やプラスチ
ックフィルム等の熱転写受像材料上に各種のフルカラー
画像を形成する方法が提案されている。この場合には、
加熱手段としてサーマルヘッドやレーザー光が使用さ
れ、極めて短時間の加熱によって3色又は4色の多数の
色ドットを受像材料に転写させ、該多色の色ドットによ
り原稿のフルカラー画像を再現するものである。しか
し、この方法は1枚のフルカラー画像を得るのに、イエ
ロー、マゼンタ、シアン(およびブラック)の色素供与
材料を各々1枚使用して、色素供与材料毎に、画像信号
に応じた加熱を行ない記録画像を得るもので、使用後、
未使用部が残っていても各色素供与材料は破棄するた
め、ランニングコストが高いという欠点を有している。
そこで、この欠点を改良するため、最近、同一の色素供
与材料を繰り返し使用して画像の記録に用いる、いわゆ
る多数回記録の方法が特開平5−64981号公報で提
案されている。具体的には色素供与材料と受像材料を重
ね合わせサーマルヘッドに対して等速で走行させて熱転
写記録を行ない、これを繰り返し使用する方法と、受像
材料のサーマルヘッドに対する速度を色素供与材料のサ
ーマルヘッドに対する速度より大きくし、n倍(n>
1)の速度で走行するn倍モードの方法がある。しか
し、これら等速及びn倍モードの多数回記録の方法は受
容層から色素供与層への色素の逆転写により、次の転写
時に色濁りが生じたり、前の記録情報のゴーストが生
じ、鮮明な画像が得られないことがある。このため含有
する色素の濃度の高い色素供給層と色素の濃度の低い色
素転写寄与層との2層構成にすることによって上記の画
質の低下を改良することができる。すなわち、画像形成
のため色素転写寄与層から消費された量に相当する色素
が色素供給層から補給され、多数回転写の画質が向上す
る。色素供給層から色素転写寄与層に色素が供給されや
すくするためには、色素濃度を色素供給層>色素転写寄
与層とすること、及び色素の熱移行性を表わす熱拡散係
数に関して色素供給層>色素転写寄与層の関係にするこ
とが有効である。色素の各層中の濃度を高め、熱拡散係
数を上げるためには色素を低分子量にすることが有効で
ある。しかしながら、単に色素の分子量を低くめただけ
では画像記録された受像材料を保存しておく状態で受容
層中の色素が再拡散を行い、画像が滲んでしまうことが
ある。また記録された受容層を他の物質、例えば未転写
の受像シートと重ねて保存しておいた場合、画像中の色
素が他の物質へ移動し、汚染することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は多数回転写記
録が可能で、色濁りやゴーストのない鮮明で、かつ画像
記録の保存中に滲んだり汚染のない熱転写記録材料を提
供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題は、支持体上に
熱移行性色素を受容する色素受容層を設けた熱転写受像
材料と組み合わせて用いられる熱転写色素供与材料であ
って、該熱転写色素供与材料が支持体上に、この支持体
側から順にそれぞれ熱移行性色素をバインダー中に含有
させた色素供給層および色素転写寄与層を積層させて形
成されており、前記熱移行性色素が塩基性基を有する色
素であり、かつ前記受容層に酸性物質を含有することを
特徴とする熱転写色素供与材料によって達成された。本
発明の構成等について詳細に説明する。本発明に用いら
れる塩基性基を有する熱移行性色素は下記一般式(I)
で表わされるものが用いられる。
【0005】
【化1】
【0006】式中、Aは、色素残基を表わし、Lは、2
価の連結基を表わし、Bは、塩基性基を表わす。qは、
1ないし3の整数を表わす。qが2以上のとき、L−B
は同じでも異なっていてもよい。2つ以上のL−Bは互
いに結合していても良い。これらの色素でも下記一般式
(II)で表わされるものが好ましい。
【0007】
【化2】
【0008】式中、Aは色素残基を表わし、Lは、2価
の連結基を表わし、Bは、アミン基を表わす。qは、1
ないし3の整数を表わす。qが2以上のとき、L−Bは
同じで異なっていてもよい。本発明の色素残基は、可視
域および/又は、赤外領域に吸収を有していれば原理的
には、いかなる構造であっても使用可能であるが、下記
一般式の色素を熱転写させるという本発明の性格上熱転
写性の優れた色素残基の方が好ましい。
【0009】
【化3】
【0010】熱転写性の優れた色素残基としては、比較
的分子量が低くて、高いモル吸光係数を有するものであ
り、色素どうしの会合や結晶が起きにくいものが好まし
い。これらは、昇華転写ハードコピー用として用いられ
る色素や、昇華なっ染に用いられる色素の残基が適して
いる。これら昇華転写ハードコピー用の色素や昇華なっ
染用の色素としては、例えばアゾ色素、アゾメチン色素
(インドアニリン色素も含む)、アントラキノン色素、
ナフトキノン色素、スチリル系色素、キノフタロン色
素、ビスアゾ色素、メロシアニン色素、メチン系色素、
などの色素残基があげられる。その中でも下記一般式
(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、で表わされ
るものが好ましい。
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】(III)式中、R1 、R2 、R3 は(III)式
で表わされる色素残基が可視および/または赤外に吸収
を持つアゾメチン色素を完成するに必要な原子団を表わ
す。R1 、R2 は結合して環構造を形成してもよい。さ
らに詳しくは、R1 、R2 はp−フェニレンジアミン類
やp−アミノフェノール類と酸化カップリング反応によ
ってアゾメチン色素を形成するカプラー化合物から導か
れるものである。カプラー化合物としては、例えば、フ
ェノール類、ナフトール類、又は、5−ピラゾロン類、
1H−ピラゾロ〔1,5−a〕ベンズイミダゾール類、
1H−ピラゾロ〔5,1−c〕−1,2,4−トリアゾ
ール類、1H−ピラゾロ〔2,3−b〕−1,2,4−
トリアゾール類、2,4−ジフェニルイミダゾール類な
どの活性水素を持ったヘテロ環類、更に、アシルアセト
ニトリル類やアシルアセトアニリド類、ジアシルメタン
類、マロンジアニリド類などの活性メチレン化合物など
が挙げられる。R3 は、カプラー化合物との酸化カップ
リング反応によってアゾメチン色素を形成するp−フェ
ニレンジアミン類やp−アミノフェノール類から導かれ
るものである。R3 は好ましくは、p−位が置換アミノ
基又は−OH基で置換された、置換又は無置換のアリー
ル基である。置換される場合の置換基の具体例は後述の
(V)式のR10、R11、R12、R13で述べるものを挙げ
ることができる。
【0017】(IV)式中、R4 は置換されていてもよい
アリール基又はヘテロアリール基又は、活性メチレン残
基を表わす。R5 は、アリール基又はヘテロアリール基
を表わす。R4 、R5 は(IV)式が可視又は近赤外に吸
収を持つアゾ色素になるように選択される。R4 はp位
が置換アミノ基で置換されたフェニル基(4−ジエチル
アミノフェニル、2−アセチルアミノ−4−ジエチルア
ミノフェニル、N−エチル−N−ベンジル−4−アミノ
フェニル)、ピリドン残基、アミノピラゾール残基、ピ
ラゾロン残基、イミダゾール残基、アミノチオフェン残
基、β−ナフトール残基、フェノール残基、アミノイソ
チアゾール残基、ピラゾロトリアゾール残基、ジメドン
残基、アシルアセトアニリド残基などが例として挙げら
れる。R5 は、カプラーと反応してアゾ色素を生成する
アゾ成分から導かれるものである。R5 は、置換されて
いてもよいフェニル基、(炭素数6〜30。例えば、フ
ェニル、m−クロロフェニル、p−ニトロフェニル、m
−メトキシフェニル)、置換されていてもよい、イソチ
アゾール残基、チアゾール残基、チオフェン残基、トリ
アゾール残基、チアジアゾール残基などが例として挙げ
られる。(V)式中、R6 、R9 は各々独立に、−NR
2425又はOHを表わす。R7 、R8 、R10、R11、R
12、R13は、各々独立に水素原子又は、ベンゼン環に置
換可能な置換基を表わす。R24、R25は各々独立に、水
素原子又は置換されていてもよいアルキル基、置換され
ていてもよいアリール基を表わす。
【0018】R10、R11、R12、R13は、好ましくは水
素原子である。R7 、R8 はアルキル基(炭素数1〜3
0)、アルコキシ基(炭素数1〜30)、アリールオキ
シ基(炭素数6〜30)、シアノ基、アシルオキシ基
(炭素数1〜30)、アルコキシカルボニル基(炭素数
1〜30)、アリールオキシカルボニル基(炭素数6〜
30)、アミノカルボニル基(炭素数1〜30)が好ま
しい。R6 は−NR2425が好ましい。R24、R25は、
各々独立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜3
0)、アリール基(6〜30)が好ましい。R9 は−O
H又は−NR2425が好ましい。R24、R25は、各々独
立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜30)、アリ
ール基(6〜30)が好ましい。
【0019】式(VI)中、R14は、水素原子、置換され
ていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリー
ル基、シアノ基を表わす。R16、R17は各々独立に、シ
アノ基、−COOR26、−CONR2627、置換されて
いてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル
基を表わす。R15は、p−位が−OR26、−NR2829
で置換されたアリール基を表わす。R26、R27、R28
29は各々独立に、水素原子、又は、置換されていても
よいアルキル基、置換されていてもよいアリール基を表
わす。R14とR26および/又はR14とR28は互いに結合
して環構造を形成していてもよい。より好ましくは、R
14はシアノ基又は水素原子である。R16、R17は各々独
立にシアノ基、−COOR26(炭素数2〜30)、−C
ONR2627(炭素数1〜30)である。R5 はp位が
−NR28、R29で置換されたアリール基(炭素数6〜3
0)である。R26、R27、R28、R29は各々独立に、水
素原子又は、置換されていてもよいアルキル基、置換さ
れていてもよいアリール基を表わす。式(VII)中、R18
は水酸基を表わす。
【0020】R19、R20、R21、R23は各々独立に、水
素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基を表わす。置
換基の具体例は式(V)中のR7 、R8 、R10、R11
12、R13に表わしたものである。Aの表わす色素残基
の中でも一般式(III)、(IV)で表わされるものが好ま
しい。一般式(I)の中、Lは2価の連結基を表わす。
Lの具体例としては、アルキレン基(炭素数1〜30、
例えば、メチレン、エチレン、n−ブチレン、−CH
(CH3 )−CH2 −、n−オクチレン)、アリーレン
基(炭素数4〜30、例えばフェニレン、ナフチレ
ン)、−NHCO−、−N(CH3 )CO−、−NHS
2 −、−N(CH3 )SO2 −、−NHCONH−、
−NHSO2 NH−、などが挙げられる。Lの中で最も
好ましいものは炭素数1〜10のアルキレン基である。
qは、1〜3の整数を表わす。色素の転写性が高いこと
が要求されるときは、色素の分子量を低くする観点から
qは1が好ましい。逆に色素を十分強力に固定化するこ
とが要求されるときは、qは2又は3が好ましい。
【0021】一般式(I)のBは、塩基性基を表わす。
塩基性は、ブレンステッドの定義およびルイスの定義に
よるものである。
【0022】塩基性基は、本発明に用いる受像紙の構成
物質、色素供与材料の構成物質、色素残基の構造との組
み合わせ上、より好ましく選択される。この選択すると
きの観点としては、例えば塩基性度や求核性を挙げるこ
とができる。塩基性物質の塩基性度を表わす尺度として
広く一般に、塩基性物質の共役酸のpKa値が知られて
いる。本発明の塩基性を示す原子団を持った色素の好ま
しいものは、この共役酸のpKa値が、25℃、水中の
測定値で3.0〜14.0の範囲にあるものである。
【0023】この共役酸のpKa値が3.0〜14.0
の範囲にある化合物としては、アミノ基(置換アミノ
基、置換アニリノ基を含む)、含窒素ヘテロ環基を有し
た有機化合物が挙げられる。その中でもより好ましく
は、共役酸のpKa値は、6.0〜11.0の範囲にあ
るものである。
【0024】Bで表わされる塩基性基は、共役酸のpK
a値が8.0〜11.0の範囲にある3級アミノ基が最
も好ましい。
【0025】アミン残基、含窒素ヘテロ環残基の具体例
を下に示す。
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】以下に、本発明に用いる一般式(I)で表
わされる色素の具体例を示す。
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】上記の色素には、特願平1−271078
号記載の退色防止基を導入すると、光堅牢性が向上する
ので好ましい。本発明の色素は、各々バインダー樹脂と
共に適当な溶剤に溶解または分散させて支持体上に塗布
するか、あるいはグラビア法などの印刷法により支持体
上に印刷することができる。これらの色素を含有する色
素供与層の厚みは乾燥膜厚で通常約0.2〜5μm、特
に0.4〜2μmの範囲に設定するのが好ましい。色素
の塗布量は0.03〜5g/m2、好ましくは0.1〜
1.0g/m2である。
【0040】本発明の色素供給層及び色素転写寄与層中
の上記の色素と共に用いるバインダー樹脂としては、こ
のような目的に従来公知であるバインダー樹脂のいずれ
も使用することができ、通常耐熱性が高く、しかも加熱
された場合に色素の移行を妨げないものが選択される。
例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂
(例えばポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミ
ド、ポリスチレン−2−アクリロニトリル)、ポリビニ
ルピロリドンを始めとするビニル系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)、
ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン、ポリフェニレ
ンオキサイド、セルロース系樹脂(例えばメチルセルロ
ース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、セルロースアセテート水素フタレート、酢酸セルロ
ース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロー
スアセテートブチレート、セルローストリアセテー
ト)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えばポリビニル
アルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラ
ールなどの部分ケン化ポリビニルアルコール)、石油系
樹脂、ロジン誘導体、クマロン−インデン樹脂、テルペ
ン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン)などが用いられる。色素供給層と
色素転写寄与層で異なるバインダー樹脂を用いる場合は
ガラス転位温度(Tg)の異なる樹脂、好ましくはTg
が10℃以上異なる樹脂を用いるのがよい。本発明にお
いてこのようなバインダー樹脂は、例えば色素100重
量部当たり色素転写寄与層で約20〜900重量部の割
合で使用するのが好ましい。色素供給層は転写寄与層よ
り色素濃度が高い方が好ましく、1.5〜3倍が望まし
い。本発明において、上記の色素およびバインダー樹脂
を溶解または分散するためのインキ溶剤としては、従来
公知のインキ溶剤がいずれも使用できる。色素供給層の
厚さは0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μm
であり、色素転写寄与層の厚さは0.05〜5μm、好
ましくは0.1〜2μmである。
【0041】熱転写色素供与材料の支持体としては従来
公知のものがいずれも使用できる。例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グラ
シン紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、弗素ポ
リマー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレフィ
ン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプ
ロピレン、ポリスルフォン、セロファン等が挙げられ
る。熱転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜
30μmである。必要に応じて下塗り層を付与してもよ
い。
【0042】また、サーマルヘッドが熱転写色素供与材
料に粘着するのを防止するためにスリッピング層を設け
てもよい。このスリッピング層はポリマーバインダーを
含有したあるいは含有しない潤滑物質、例えば界面活性
剤、固体あるいは液体潤滑剤またはこれらの混合物から
構成される。熱転写色素供与材料には背面より印字する
ときにサーマルヘッドの熱によるスティッキングを防止
し、滑りをよくする意味で、支持体の色素を含む層を設
けない側にスティキング防止処理を施すのがよい。例え
ば、ポリビニルブチラール樹脂とイソシアネートとの
反応生成物、リン酸エステルのアルカリ金属塩または
アルカリ土類金属塩、および充填剤を主体とする耐熱
スリップ層を設けるのがよい。ポリビニルブチラール樹
脂としては分子量が6万〜20万程度で、ガラス転移点
が80〜110℃であるもの、またイソシアネートとの
反応サイトが多い観点からビニルブチラール部分の重量
%が15〜40%のものがよい。リン酸エステルのアル
カリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては東邦化学
製のガファックRD720などが用いられ、ポリビニル
ブチラール樹脂に対して1〜50重量%、好ましくは1
0〜40重量%程度用いるとよい。耐熱スリップ層は下
層に耐熱性を伴うことが望ましく、加熱により硬化しう
る合成樹脂とその硬化剤の組合せ、例えばポリビニルブ
チラールと多価イソシアネート、アクリルポリオールと
多価イソシアネート、酢酸セルロースとチタンキレート
剤、もしくはポリエステルと有機チタン化合物などの組
合せを塗布により設けるとよい。
【0043】熱転写色素供与材料には色素の支持体方向
への拡散を防止するための親水性バリヤー層を設けるこ
ともある。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に
有用な親水性物質を含んでいる。一般に優れた結果がゼ
ラチン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソプロピル
アクリルアミド)、メタクリル酸ブチルグラフトゼラチ
ン、メタクリル酸エチルグラフトゼラチン、モノ酢酸セ
ルロース、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコー
ル)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、
ポリ(ビニルアルコール)とポリ(酢酸ビニル)との混
合物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(アクリル酸)
との混合物またはモノ酢酸セルロースとポリ(アクリル
酸)との混合物を用いることによって得られる。特に好
ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モノ酢酸セルロー
スまたはポリ(ビニルアルコール)である。熱転写色素
供与材料には下塗り層を設けてもよい。本発明では所望
の作用をすればどのような下塗り層でもよいが、好まし
い具体例としては、(アクリロニトリル/塩化ビニリデ
ン/アクリル酸)共重合体(重量比14:80:6)、
(アクリル酸ブチル/メタクリル酸−2−アミノエチル
/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体(重
量比30:20:50)、線状/飽和ポリエステル例え
ばボスティック7650(エムハート社、ボスティック
・ケミカル・グループ)または塩素化高密度ポリ(エチ
レン−トリクロロエチレン)樹脂が挙げられる。下塗り
層の塗布量には特別な制限はないが、通常0.1〜2.
0g/m2の量で用いられる。本発明において、熱転写受
像材料に用いる支持体は転写温度に耐えることができ、
平滑性、白色度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、転写後
のへこみなどの点で要求を満足できるものならばどのよ
うなものでも使用できる。例えば、合成紙(ポリオレフ
ィン系、ポリスチレン系などの合成紙)、上質紙、アー
ト紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、
合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテック
ス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、
ポリオレフィンコート紙(特にポリエチレンで両側を被
覆した紙)などの紙支持体、ポリオレフィン、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンメ
タクリレート、ポリカーボネート等の各種のプラスチッ
クフィルムまたはシートとこのプラスチックに白色反射
性を与える処理をしたフィルムまたはシート、また上記
の任意の組合せによる積層体も使用できる。
【0044】熱転写受像材料には色素受容層が設けられ
る。この受容層は、印字の際に熱転写色素供与材料から
移行してくる熱移行性色素を受け入れ、熱移行性色素が
染着する働きを有している熱移行性色素を受容しうる物
質を単独で、またはその他のバインダー物質とともに含
んでいる厚み0.5〜50μm程度の被膜であることが
好ましい。バインダー物質としては次のような樹脂が挙
げられる。
【0045】(イ)エステル結合を有するもの テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸などのジカルボ
ン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸
基、カルボキシル基などが置換していてもよい)と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール
Aなどの縮合により得られるポリエステル樹脂:ポリメ
チルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート、ポリブチルアクリレートなどのポ
リアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エス
テル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ポリ酢酸ビニル樹
脂:スチレンアクリレート樹脂:ビニルトルエンアクリ
レート樹脂など。具体的には特開昭59−101395
号、同63−7971号、同63−7972号、同63
−7973号、同60−204862号に記載のものを
挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製の
バイロン290、バイロン200、バイロン280、バ
イロン300、バイロン103、バイロンGK−14
0、バイロンGK−130、花王製のATR−200
9、ATR−2010などが使用できる。
【0046】(ロ)ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂など。 (ハ)アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂など。 (ニ)尿素結合を有するもの 尿素樹脂など。 (ホ)スルホン結合を有するもの ポリスルホン樹脂など。 (ヘ)その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど。 上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あるい
は共重合体なども使用できる。
【0047】本発明の熱転写受像材料の受容層中には、
熱移行製色素を受容しうる物質として酸性物質を含む。
本発明に用いられる熱転写色素受像材料に含有される酸
性物質は、ブレンステッドの定義およびルイスの定義に
よる酸性物質である。酸性物質の中でも、カルボン酸
基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、エノール性水
酸基、活性メチレン基、−CONHCO−、−SO2
HCO−、−SO2 −NHSO2 −、などの基を少くと
も1つ置換基として有している有機化合物が好ましい。
具体的には酸性物質はカルボン酸および/またはスルホ
ン酸および/又はフェノール性水酸基および/またはエ
ノール性水酸基および/又は活性メチレンを有した有機
化合物である。酸性物質の酸性度を表わす尺度として、
広くpKa値が知られている。本発明の酸性物質の好ま
しいものは、このpKa値が25℃、水中の測定値で
3.0〜14.0の範囲にあるものである。その中で
も、より好ましくは、pKa値が6.0〜11.0の範
囲にあるものである。本発明の受像層に含有される酸性
物質の最も好ましいものは、pKa値が9.0〜11.
0の範囲にある置換フェノールである。酸性物質は低分
子の化合物でもよいが、上記の性質を有する基を含有す
るポリマーが好ましい。本発明に用いる酸性物質の具体
例を以下に示す。
【0048】
【化21】
【0049】
【化22】
【0050】
【化23】
【0051】
【化24】
【0052】本発明の受容層には酸性物を0.1〜50
g/m2、好ましくは1〜20g/m2含む。色素供与材
料、あるいは受像材料には色素の拡散助剤として高沸点
有機溶剤または熱溶剤を含有させることができる。高沸
点有機溶剤および熱溶剤の具体例としては特開昭62−
174754号、同62−245253号、同61−2
09444号、同61−200538号、同62−81
45号、同62−8348号、同62−30247号、
同62−136646号に記載の化合物を挙げることが
できる。受容層は2層以上の層で構成してもよい。その
場合、支持体に近い方の層にはガラス転移点の低い合成
樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤を用いて色素
に対する染着性を高めた構成にし、最外層にはガラス転
移点のより高い合成樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤や
熱溶剤の使用量を必要最小限にするかもしくは使用しな
いで表面のベタツキ、他の物質との接着、転写後の他物
質への再転写、熱転写色素供与材料とのブロッキング等
の故障を防止する構成にすることが望ましい。受容層の
厚さは全体で0.5〜50μm、特に3〜30μmの範
囲が好ましい。2層構成の場合最外層は0.1〜2μ
m、特に0.2〜1μmの範囲にするのが好ましい。
【0053】本発明において、熱転写受像材料は、支持
体と受容層の間に中間層を有してもよい。中間層は構成
する材質により、クッション層、多孔層、色素の拡散防
止層のいずれか又はこれらの2つ以上の機能を備えた層
であり、場合によっては接着剤の役目も兼ねている。色
素の拡散防止層は、特に熱移行性色素が支持体に拡散す
るのを防止する役目を果たすものである。この拡散防止
層を構成するバインダーとしては、水溶性でも有機溶剤
可溶性でもよいが、水溶性のバインダーが好ましく、そ
の例としては前述の受像層のバインダーとして挙げた水
溶性バインダー、特にゼラチンが好ましい。多孔層は、
熱転写時に印加した熱が受像層から支持体へ拡散するの
を防止し、印加された熱を有効に利用する役目を果たす
層である。熱転写受像材料には蛍光増白剤を用いてもよ
い。その例としては、K.Veenkataraman 編「The Chemis
try of Synthetic Dyes 」第V巻、第8章、特開昭61
−143752号などに記載されている化合物を挙げる
ことができる。より具体的には、スチルベン系化合物、
クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサ
ゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン
系化合物、カルボスチリル系化合物、2,5−ジベンゾ
オキサゾールチオフェン系化合物などが挙げられる。蛍
光増白剤は退色防止剤と組み合わせて用いることができ
る。
【0054】本発明において、熱転写色素供与材料と熱
転写受像材料との離型性を向上させるために、色素供与
材料及び/又は受像材料を構成する層中、特に好ましく
は両方の材料が接触する面に当たる最外層に離型剤を含
有させるのが好ましい。具体的には従来公知の離型剤が
いずれも使用できるが、特にシリコーンオイルが好まし
い。
【0055】シリコーンオイルとしては、無変性のもの
以外にカルボキシ変性、アミノ変性、エポキシ変性、ポ
リエーテル変性、アルキル変性等の変性シリコーンオイ
ルを単独あるいは2種以上併用して用いることができ
る。その例としては、信越シリコーン(株)発行の「変
性シリコーンオイル」技術資料の6〜18B頁に記載の
各種変性シリコーンオイルを挙げることができる。有機
溶剤系のバインダー中に用いる場合は、このバインダー
の架橋剤と反応しうる基(例えばイソシアネートと反応
しうる基)を有するアミノ変性シリコーンオイルが、ま
た水溶性バインダー中に乳化分散して用いる場合は、カ
ルボキシ変性シリコーンオイル(例えば信越シリコーン
(株)製:商品名X−22−3710)あるいはエポキ
シ変性シリコーンオイル(例えば信越シリコーン(株)
製:商品名KF−100T)が有効である。
【0056】本発明に用いる熱転写色素供与材料および
熱転写受像材料を構成する層は硬膜剤によって硬化され
ていてもよい。有機溶剤系のポリマーを硬化する場合に
は、特開昭61−199997号、同58−21539
8号等に記載されている硬膜剤が使用できる。ポリエス
テル樹脂に対しては特にイソシアネート系の硬膜剤の使
用が好ましい。水溶性ポリマーの硬化には、米国特許第
4,678,739号第41欄、特開昭59−1166
55号、同62−245261号、同61−18942
号等に記載の硬膜剤が使用に適している。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド等)、アジ
リジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系
硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニル
アセタミド)エタン等)、N−メチロール系硬膜剤(ジ
メチロール尿素等)、あるいは高分子硬膜剤(特開昭6
2−234157号などに記載の化合物)が挙げられ
る。
【0057】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
退色防止剤を用いてもよい。退色防止剤としては、例え
ば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯
体がある。酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合
物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒ
ンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒン
ダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物がある。
また、特開昭61−159644号記載の化合物も有効
である。
【0058】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系化合物(米国特許第3,533,794号など)、
4−チアゾリドン系化合物(米国特許第3,352,6
81号など)、ベンゾフェノン系化合物(特開昭56−
2784号など)、その他の特開昭54−48535
号、同62−136641号、同61−88256号等
に記載の化合物がある。また、特開昭62−26015
2号記載の紫外線吸収性ポリマーも有効である。金属錯
体としては、米国特許第4,241,155号、同第
4,245,018号第3〜36欄、同第4,254,
195号第3〜8欄、特開昭62−174741号、同
61−88256号(27)〜(29)頁、特開平1−
75568号、特開昭63−199248号等に記載さ
れている化合物がある。
【0059】有用な退色防止剤の例は特開昭62−21
5272号(125)〜(137)頁に記載されてい
る。受像材料に転写された色素の退色を防止するための
退色防止剤は予め受像材料に含有させておいてもよい
し、色素供与材料から転写させるなどの方法で外部から
受像材料に供給するようにしてもよい。上記の酸化防止
剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み合わせ
て使用してもよい。
【0060】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防
止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用するこ
とができる。非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活
性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤を用いる
ことができる。これらの具体例は特開昭62−1734
63号、同62−183457号等に記載されている。
【0061】また、受容層に用いる物質で疎水性化合物
を水溶性バインダー中に分散する際には、分散助剤とし
て界面活性剤を用いるのが好ましい。この目的のために
は、上記の界面活性剤の他に、特開昭59−15763
6号の37〜38頁に記載の界面活性剤が特に好ましく
用いられる。色素供与層や色素受容層には、スベリ性改
良、帯電防止、剥離性改良等の目的で有機フルオロ化合
物を含ませてもよい。有機フルオロ化合物の代表例とし
ては、特公昭57−9053号第8〜17欄、特開昭6
1−20944号、同62−135826号等に記載さ
れているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油などのオ
イル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂な
どの固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物
が挙げられる。色素供与層や色素受容層にはマット剤を
用いることができる。マット剤としては二酸化ケイ素、
ポリオレフィンまたはポリメタクリレートなどの特開昭
61−88256号(29)頁記載の化合物の他に、ベ
ンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビー
ズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−274944
号、同63−274952号記載の化合物がある。本発
明の色素供与層、及び色素受容層は従来公知の方法によ
り支持体上に形成される。例えば、グラビア印刷法、ス
クリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコ
ーティング法等の形成手段により塗布乾燥することによ
って形成される。本発明においては、色素供与材料を受
像材料と重ね合わせ、いずれかの面から、好ましくは熱
転写色素供与材料の裏面から、例えばサーマルヘッド等
の加熱手段により画像情報に応じた熱エネルギーを与え
ることにより、色素供与層の色素を熱転写受像材料に加
熱エネルギーの大小に応じて転写することができ、優れ
た鮮明性、解像性の階調のあるカラー画像を得ることが
できる。また褪色防止剤も同様にして転写できる。加熱
手段はサーマルヘッドに限らず、レーザ光(例えば半導
体レーザ)、赤外線フラッシュ、熱ペンなどの公知のも
のが使用できる。レーザを用いるシステムでは、熱転写
色素供与材料は、レーザ光を強く吸収する材料を含有す
ることが好ましい。熱転写色素供与材料にレーザ光を照
射すると、この吸収性材料が光エネルギーを熱エネルギ
ーに変換し、すぐ近くの色素にその熱を伝達し、色素は
熱転写受像材料に転写される温度(熱移行温度)まで加
熱される。この吸収性材料は色素の下部に層を成して存
在し、及び/又は色素と混合される。レーザビームは元
の画像の形状及び色を表わす電気信号で変調され、元の
対象の色を再構成するため熱転写色素供与材料上に存在
する必要ある領域の色素のみが加熱されて熱移行する。
【0062】本発明において、熱転写色素供与材料は熱
転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各種
プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気
記録方式、光磁気記録方式、光記録方式等による画像の
プリント作成、テレビジョン、CRT画面からのプリン
ト作成等に利用できる。熱転写記録方法の詳細について
は、特開昭60−34895号の記載の参照できる。本
発明の好ましい実施態様では、熱転写色素供与材料はポ
リエチレンテレフタレート支持体上にシアン色素、マゼ
ンタ色素およびイエロー色素を逐次繰り返し領域で塗布
したものからなり、前記熱転写工程を各色素毎に逐次実
施して三色の転写画像を形成する。勿論、この熱転写工
程を単色で実施した際には、モノクロームの転写画像が
得られる。熱転写色素供与材料から熱転写受像材料に色
素を熱転写するのに、アルゴンやクリプトンのようなイ
オンガスレーザ、銅、金およびカドミウムのような金属
蒸気レーザ、ルビーやYAGのような固体レーザ、又は
750〜870nmの赤外域が放出するガリウム−ヒ素
のような半導体レーザ等の数種のレーザが使用できる。
しかしながら実際的には、小型、低コスト、安定性、信
頼性、耐久性及び変調の容易さの点で半導体レーザーが
有利である。
【0063】
【実施例】以下に本発明の詳細な実施例を示す。ただし
本発明の熱転写材料は以下に示す実施例に限られるもの
ではない。 実施例1 背面に耐熱滑性層を形成した厚さ6μmのポリアミドフ
ィルムを支持体として、その耐熱滑性層の形成されてい
ない側にまず、下記組成の色素供給層用塗布液(1)
を、乾燥後の厚さが5μmになるようにグラビアコータ
ーにより塗布し、乾燥した。 色素供給層用塗布液(1) 色素 1 15 g ポリビニルブチラール(デンカブチラール5000A:電気化学製) 4 g ポリイソシアネート( タケネートD110N:武田薬品製) 1 g メチルエチルケトン 50 ml トルエン 50 ml 更にこの上に下記組成の色素転写寄与層用塗布液(1)
を乾燥後の厚さが1μmになるようにグラビアコーター
で塗布し、乾燥して、熱転写色素供与材料(1)を作製
した。
【0064】 色素転写寄与層用塗布液(1) 色素 1 4 g エチルセルロース(N100G、信越化学製) 4 g アミノ変性シリコーンオイル(KF857、信越化学製) 0.5 g メチルエチルケトン 30 ml トルエン 20 ml また、色素を表1に示すものに変えて他の色素供与材料
(2)〜(10)及び(a)〜(f)を作製した。
【0065】
【表1】
【0066】
【化25】
【0067】次に、厚さ140μmの上質紙の両面に、
それぞれ30μmの厚さにポリエチレンをラミネートし
たレジンコート紙を支持体とし、下記組成の受容層用塗
布液(1)を用い、ワイヤーバーコーターにより、乾燥
後の厚さが10μmになるように塗布し、乾燥して熱転
写受像材料(1)を作製した。
【0068】 受容層用塗布液(1) 酸性物質I−1 15 g ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡製) 80 g シリコーンオイル(KF857:信越化学製) 4 g イソシアネート( KP−90:大日本インキ化学製) 4 g メチルエチルケトン 400 g トルエン 50 g また、酸性物質を表2に示す化合物に変えて他の受像材
料(2)〜(5)及び(a)〜(c)を作製した。
【0069】
【表2】
【0070】前記の色素供与材料の色素を含む面と、受
像材料の受容層を重ね合わせ、サーマルヘッドを用いて
出力0.3w/ドット、ドット密度12ドット/mm、電
流パルス巾0.2〜7msec2つの材料の送り速度8mm/
sec の条件で熱転写を行ない、色素画像の記録を得た。
次に、上の一度使用した色素供与材料と新しい受像材料
を重ね合わせて、再び上記の条件で熱転写を行なった。
初めと同じ程度の色素画像の記録が得られた。得られた
画像の最高濃度の部分を反射型濃度計(XRite社製
310型)で測定した。また得られた画像を60℃のオ
ーブン中に3週間保存し、保存後の画像の滲みを目視で
判定した。判定基準は保存前とほとんど変化しないもの
を○、少し滲むものを△、非常に滲むものを×とした。
また得られた画像と色素受容層のみを転写した葉書の色
素受容層とを重ね、1kgの加重をかけ60℃のオーブン
中に1週間保存し、保存後の画像の移りを目視で判定し
た。判定基準は、色素受容層に画像の色素がほとんど移
らないものを○、わずかに移るものを△、非常に移るも
のを×とした。これらの結果を表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】実施例2 実施例1の色素供与材料(1)と受像材料(1)を用
い、プリント時の条件のうち材料の送り速度を、色素供
与材料1mm/sec 、受像材料8mm/sec に変えて、熱転
写を行なった。鮮明な色素画像記録が得られた。さらに
色素供与材料を(2)に変えて同じ条件で上記の熱転写
を行なった受像材料の上に異なる色の熱転写を行なっ
た。逆転写による色濁りのない画像が記録された。
【0073】
【発明の効果】以上説明した本発明の効果を要約すると
下記の通りである。 1) 本発明の材料を用いることにより、n倍モード転写
及び等倍モードでの多数回転写によって鮮明な画像記録
が得られる。 2) 本発明の色素及び化合物を用いることにより保存中
に色の滲みや、他の物質への色素の移動による汚染のな
い画像記録が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱移行性色素を受容する色素
    受容層を設けた熱転写受像材料と組み合わせて用いられ
    る熱転写色素供与材料であって、該熱転写色素供与材料
    が支持体上に、この支持体側から順にそれぞれ熱移行性
    色素をバインダー樹脂中に含有させた色素供給層および
    色素転写寄与層を積層させて形成されており、前記熱移
    行性色素が塩基性基を有する色素であり、かつ前記受容
    層に酸性物質を含有することを特徴とする熱転写色素供
    与材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083700A (ja) * 2005-08-24 2007-04-05 Konica Minolta Photo Imaging Inc 感熱転写記録材料、感熱転写記録方法及び金属キレート色素画像

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007083700A (ja) * 2005-08-24 2007-04-05 Konica Minolta Photo Imaging Inc 感熱転写記録材料、感熱転写記録方法及び金属キレート色素画像

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