JPH07214795A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH07214795A
JPH07214795A JP3295694A JP3295694A JPH07214795A JP H07214795 A JPH07214795 A JP H07214795A JP 3295694 A JP3295694 A JP 3295694A JP 3295694 A JP3295694 A JP 3295694A JP H07214795 A JPH07214795 A JP H07214795A
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ink
cap
recording
atmosphere
ejection
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JP3295694A
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Tetsuya Ishikawa
哲也 石川
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複数種の記録ヘッドあるいは複数種のキャップ
の組み合わせで吸引吐出回復処理を行う場合の、異なる
インクの混色を防止し、常に良好な画像記録を確保す
る。 【構成】記録ヘッド9をキャッピングするとともにポン
プ53でキャップ内部を負圧にして吐出口222からイ
ンクを吸い出す吐出回復処理の際に、少なくとも吸引力
を作用させた時に該吸引力を与えられるキャップ51、
3151の内部を大気開放状態とする大気開放手段を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録手段から被記録材へ
インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】プリンター、複写機、ファクシミリ等の
機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワー
ドプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出
力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づい
て用紙やプラスチック薄板(OHPなど)等の被記録材
(記録媒体)に画像(文字や記号なども含む)を記録し
ていくように構成されている。前記記録装置は、使用す
る記録手段の記録方式により、インクジェット式、ワイ
ヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザービーム式等に
分けることができる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査する記録方式を採るシリアルタイプの
記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセッ
トした後、被記録材に沿って移動(主走査)するキャリ
ッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によって画像
(文字や記号等を含む)を記録し、1行分の記録を終了
した後に所定量の紙送り(副走査)を行ない、その後に
次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返
すことにより、被記録材の所望範囲に画像が記録され
る。一方、被記録材を搬送方向に送る副走査のみで記録
するラインタイプの記録装置においては、被記録材を所
定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を連続
的に行ないながら所定量の紙送り(ピッチ送り)を行な
い、被記録材の全体に画像が記録される。
【0004】そのうち、インクジェット式(インクジェ
ット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録
材にインクを吐出して記録を行なうものであり、記録手
段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で
記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせず
に記録することができ、ランニングコストが安く、ノン
インパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色
のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であ
るなどの利点を有している。中でも、紙幅方向に多数の
吐出口を配列したラインタイプの記録手段を使用するラ
イン型の記録装置は、記録の一層の高速化が可能であ
る。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。ま
た、IC技術やマイクロ加工技術の長所を活用すること
により、記録手段の長尺化や面状化(2次元化)が容易
であり、記録手段のフルマルチ化および高密度実装化も
容易である。
【0006】吐出口から被記録材へインクを吐出して記
録を行う上記インクジェット記録装置においては、乾燥
による吐出口の目詰まり、あるいは吐出口内の塵埃や気
泡等によるインクの吐出不良原因を解消するための吐出
回復処理装置が設けられている。この吐出回復処理装置
の主な作用は、ゴム等の弾性材料で形成されたキャップ
により吐出口を含む吐出口面を覆い、該キャップ内の空
気をポンプ等により吸引、減圧してインクを吐出口より
強制的に排出させることにより前記インクの吐出不良原
因を解消することにある。
【0007】これに対し、近年RGBあるいはYMCと
いったカラーによる記録の需要が増えており、インクジ
ェット記録装置においても該カラー記録を実施する機種
が増えている。しかしながら、インクジェット記録装置
において、カラー記録を行う記録手段に対して前述の吐
出回復処理を実施すると、吸引実行時にキャップ内に残
留したインクあるいは吸引排出されたインクの流路内に
残留した廃インクが、逆に被吐出回復処理手段(記録手
段)の吐出口内に侵入することがあった。
【0008】その場合、該インクの侵入量がたとえ微量
であっても、例えばイエローインク等の明色にブラック
インク等の暗色が混色する場合には、カラー画像の品位
が大きく低下し、視覚的にもかなりの不快感を与えるも
のである。また、このような異なるインクの混入による
不具合は必ずしもカラー記録の場合に限られるものでは
なく、例えば同じブラックインクであっても、仕様の異
なる記録ヘッドではインクの組成が異なるなど、やはり
インクの混合は避ける必要がある。
【0009】また、吐出回復処理装置を複数個具備し、
各色毎あるいは数色毎に一つの吐出回復処理装置を配設
することが考えられるが、このような方法では、記録装
置の大型化およびコストアップが避けられない。また、
別の方法として、記録直前に吐出口からインクを所定発
数吐出させることにより混色分のインクを排出するなど
の対策があるが、この場合には排出されたインクの受容
部あるいは貯留部を設ける必要などがあり、やはりこの
方法でも、記録装置の大型化およびコストアップ、更に
はランニングコストのアップが不可避である。
【0010】これらの不具合を解消する一つの方法とし
て、例えばカラー記録手段に各色専用の保管箱を用意し
ておき、記録装置本体では吐出回復処理は行わず、該保
管箱内での保存に止めるか、あるいは保管箱に吐出回復
処理装置を配設し、吐出回復処理を行う場合には必ず専
用の吐出回復処理装置にて行うという方法、すなわち記
録ヘッドの種類毎に保管箱などを用意する方法が考えら
れる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
方法であっても、記録装置本体でのカラー記録手段の吐
出回復処理を規制しない限り、期待すべき効果は得られ
ない。そこで、使用者が誤処理しないような対策が必要
となるが、例えば使用者に対して取り扱い説明書等で注
意を促すだけでは、誤って記録装置本体による吐出回復
処理を行わないとは限らない。また、インクの乾燥固着
による記録不良を防ぐために例えばタイマー管理による
所定時間毎の自動吐出回復処理を行う場合には、使用者
の注意とは無関係に吐出回復処理が行われてしまうなど
の不具合がある。
【0012】本発明はこのような従来技術に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の目的は、種々の記録手段およ
び種々のキャップの組合せの中で、吸引を行うと他種イ
ンクの混合の不具合を生じる危険性のある組合せの場合
には、少なくとも吸引実行時には、吸引力を与えられる
キャップ内を大気開放状態とすることにより、吐出口か
らのインク吸引を回避し、吸引実行による他種インクの
混合による不具合を防止することである。
【0013】
【課題解決のための手段】本発明の特徴は、記録手段の
種類あるいはキャップの種類に応じて、選択的に、吸引
回復処理のための吸引力を与えられるキャップの内部を
大気開放状態とすることにより、吸引手段による吸引を
無効化することにある。すなわち、本発明は、記録手段
とキャップの組合せが適切である場合には吸引処理は実
行可能であり、一方、混色等の不具合が生じるような不
適切な組合せである場合には、キャップ内部を大気開放
状態にすることにより吸引処理を無効にしてインクの混
合を回避するものである。
【0014】請求項1の発明は、記録手段から被記録材
へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置
であって、記録手段の吐出口面を覆うためのキャップ
と、記録手段よりキャップ内にインクを吸引する吸引力
を作用させるための吸引手段とを備えたインクジェット
記録装置において、少なくとも前記吸引力を作用させた
時に、該吸引力を与えられるキャップ内を大気開放状態
とする大気開放手段を設ける構成とすることにより、イ
ンク混合による不具合を防止でき、常に良好な記録を行
い得るインクジェット記録装置を提供するものである。
【0015】請求項2〜請求項7の発明は、請求項1の
構成に加えて、前記大気開放手段は前記キャップと前記
吐出口面との当接部を環状とせず該当接部の不連続部分
で形成される構成、前記大気開放手段は、前記キャップ
と前記吐出口面が当接した時に少なくとも一部が該キャ
ップによる密閉領域内に位置するように配置される第1
の開口部と、該第1の開口部と連通しかつ少なくとも一
部が該キャップによる密閉領域外に位置するように配置
される第2の開口部とを有する構成、前記大気開放手段
は前記キャップと前記吐出口面とを当接させないための
当接回避手段である構成、前記大気開放手段は、前記キ
ャップと前記吐出口面が当接した時に、記録手段の吐出
口を前記キャップの少なくとも前記吸引力が与えられる
部分では覆わないか、あるいは記録手段の吐出口を前記
吸引手段による吸引力が作用しない第2のキャップによ
り覆うものである構成、前記大気開放手段の大気連通部
位に、少なくとも該大気連通部位に吸引力を作用させた
時には開放状態となる弁が設けられている構成、前記大
気開放手段の大気連通部位にインク吸収体を設ける構
成、あるいは、前記第1の開口部と第2の開口部とは一
連の溝により形成されている構成とすることにより、一
層効率よくインク混合による不具合を防止でき、常に良
好な記録を行い得るインクジェット記録装置を提供する
ものである。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。なお、各図面を通して同一符号はそれぞれ同一ま
たは対応部分を示している。図1は本発明を適用するの
に好適なインクジェット記録装置の一実施例の要部構成
を示す一部破断斜視図である。図1において、9は、本
発明に係わるインクジェット記録ヘッドを有し、カラー
インクをそのタンク内に貯留するカラーインクヘッドカ
ートリッジであり、11は該ヘッドカートリッジ9を搭
載して図中の矢印S方向に走査するためのキャリッジで
ある。
【0017】13はカラーインクヘッドカートリッジ9
をキャリッジ11に取付けるためのフック、15はフッ
ク13を操作するためのレバーである。このレバー15
には、後述するカバーに設けられた目盛りを指示してヘ
ッドカートリッジ9の記録ヘッドによる記録位置や設定
位置等を読み取り可能とするためのマーカー17が設け
られている。19はカラーインクヘッドカートリッジ9
に対する電気接続部を支持する支持板である。21はそ
の電気接続部と本体制御部とを接続するためのFPCで
ある。
【0018】図1において、23は、キャリッジ11を
矢印S方向に案内するためのガイド軸であり、キャリッ
ジ11の軸受25に挿通されている。27は、キャリッ
ジ11が固定され、これを矢印S方向に往復移動させる
ための動力を伝達するタイミングベルトであり、装置両
側部に配置されたプーリ29A、29Bに張架されてい
る。一方のプーリ29Bには、ギヤ等の伝導機構を介し
てキャリッジモータ31より駆動力が伝達される。
【0019】33は紙等の被記録材(記録媒体)の被記
録面を規制するとともに記録等に際してこれを搬送する
ためのプラテンローラ(搬送ローラ)であり、搬送モー
タ35によって駆動される。37は被記録材を記録位置
に導くためのペーパーパン、39は被記録材の送給経路
途中に配設されて被記録材をプラテンローラ33に向け
て押圧し搬送力を付与するためのフィードローラであ
る。41は記録位置より搬送方向下流側に配置され被記
録材を不図示の排紙口へ向けて排紙するための排紙ロー
ラである。
【0020】42は排紙ローラ41に対応して設けられ
る拍車であり、被記録材を排紙ローラ41に押圧し該排
紙ローラ41による被記録材の搬送力を生じさせる。4
3は被記録材(記録媒体)のセット等に際してフィード
ローラ39、押え板45および拍車42の付勢を解除す
るための解除レバーである。45は、記録位置近傍にお
いて被記録材の浮き上がり等を抑制し、プラテンローラ
33に対する密着状態を確保するための押え板である。
【0021】本例においては、記録ヘッドとして、イン
ク吐出により記録を行うインクジェット記録ヘッドが採
用されている。したがって、後述の記録ヘッドの吐出口
面と被記録材の被記録面との距離は比較的微小であり、
かつ記録装置と吐出口面との接触を避けるべくその間隔
を厳しく管理する必要があるので、押え板45の配設が
有効である。前記押え板45には目盛りが設けられ、キ
ャリッジ11にはこの目盛りに対向してマーカが設けら
れており、これらによって記録ヘッドの記録位置や設定
位置が読み取り可能になっている。
【0022】図1において、51は、キャリッジ11の
ホームポジションにおいて、記録ヘッド(ヘッドカート
リッジ)9の吐出口面と対向するキャップである。この
キャップ51は、ゴム状弾性材で形成されており、記録
ヘッドの吐出口面に対し当接/離脱可能に支持されてい
る。なお、このキャップ51は、インクの乾燥防止を含
む非記録時等の記録ヘッドの保護や、記録ヘッドの吐出
回復処理に際して用いられる。吐出回復処理とは、イン
ク吐出口内方に設けられてインク吐出のために利用され
るエネルギ発生素子を駆動することにより全吐出口から
インクを吐出させ、これによって、気泡や塵埃、増粘し
て記録に適さなくなったインク等の吐出不良要因を除去
する処理である。
【0023】53は吐出回復処理に使用されるポンプで
ある。このポンプ53は、インクの強制排出のために吸
引力を作用するとともに、かかる強制排出による吐出回
復処理や予備吐出による吐出回復処理に際してキャップ
51に受容されたインクを吸引するために用いられる。
55はこのポンプ53によって吸引された廃インクを貯
留するための廃インクタンク、57はポンプ53と廃イ
ンクタンク55とを連通するチューブである。
【0024】59は記録ヘッドの吐出口面のワイピング
(拭き取り清掃)を行なうためのブレードであり、記録
ヘッド側に突出してヘッド移動の過程でワイピングを行
なうための位置と、吐出口面に係合しない後退位置とに
移動可能に支持されている。61はモータ、63はモー
タ61から動力を受けてポンプ53の駆動およびキャッ
プ51やブレード59の移動を行なわせるためのカム装
置である。
【0025】次に、本発明に係わる前記カラーインクヘ
ッドカートリッジ(記録手段)9の詳細について説明す
る。なお、カラーインクヘッドカートリッジ9は、イン
クタンク内に貯留されているインクの色および後述の大
気開放手段を除けば、ブラック(黒色)のインクカート
リッジと同一構成である。
【0026】図2は、カラーインクヘッドカートリッジ
9の斜視図である。図2において、カラーインクヘッド
カートリッジ9は、記録手段(記録ヘッド)の本体部分
である吐出ユニット9aとインクタンク9bとを一体化
した構造を有している。なお、本実施例では、記録手段
(記録ヘッド)として、いわゆる記録ヘッド(上記吐出
ユニット9a)とインクタンク9bとを一体化したヘッ
ドカートリッジが使用されているので、説明を簡単にす
るため、カラーインクヘッドカートリッジ9または吐出
ユニット9aを単にカラー記録手段9またはカラー記録
ヘッド9で示す場合がある。
【0027】図2において、906eはカラー記録ヘッ
ド9を装着する際にキャリッジ11に設けられたフック
13に掛止される爪である。図示のように、前記爪90
6eはカラー記録ヘッド9の表面から凹んだ部分の内部
に設けられている。また、カラー記録ヘッド9の前側の
吐出ユニット9aの近傍には、不図示の位置決め用突き
当て部が設けられている。906fはキャリッジ11に
立設された支持板19が挿入される開口部である。前記
支持板19は、後述するフレキシブル基板(電気接続
部)およびゴムパッドを支持するためのものである。
【0028】図3の(A)および(B)は、図2に示し
たカラー記録ヘッドの分解斜視図および外観斜視図であ
る。このカラー記録ヘッド9は、記録ヘッド(吐出ユニ
ット)9aとインク供給源たるインク収容部(インクタ
ンク)9bを一体化したディスポーザブルタイプのもの
である。前記吐出ユニット9aの各構成部品を示す図3
の(A)において、911はヒータボードであり、この
ヒータボード911は、Si基板上に、電気熱変換素子
(吐出ヒータ)とこれに電力を供給するアルミ等の配線
とを成膜技術により形成した構造をしている。921は
ヒータボード911に対する配線基板であり、対応する
配線は例えばワイヤボンディングにより接続される。
【0029】940はインク流路を限界するための隔壁
や共通液室等を設けた天板であり、本実施例では、吐出
口プレート部を一体に有する樹脂材料で形成されてい
る。図4は前記天板940の斜視図である。図4に示す
ように、天板940上の吐出口面221には、用紙等の
被記録材(記録媒体)の被記録面と平行な平面に対して
所定角度θだけ傾いた段差部940aが形成されてお
り、該傾斜面(段差部)940aの領域に吐出口222
が所定配列で形成されている。このような傾斜面(段差
部)940aに吐出口222を形成する理由は、吐出口
近傍の部分でレーザービームを照射して吐出口を加工す
るために、吐出口プレート部内の流路とその後方の流路
とを所定角度で配列させるためである。
【0030】図3の(A)において、930は例えば金
属製の支持体、950は押さえバネであり、両者間にヒ
ータボード911および天板940を挟み込んだ状態で
両者を係合させることにより、押さえバネ950の付勢
力によってヒータボード911と天板940とを圧着固
定する。なお、支持体930は、記録手段9を駆動する
際に生じるヒーターボード911の熱を放射冷却するた
めの部材としても機能する。
【0031】960はサブタンクであり、インク供給源
をなすインク貯留部9bからインク供給を受け、ヒータ
ボード911と天板940との接合により形成される共
通液室にインクを導くためのものである。970は共通
液室へのインク供給口付近のサブタンク960内の部位
に配置されるフィルタ、980はサブタンク960の蓋
部材である。
【0032】900はインクを含浸させるためのインク
吸収体であり、インクタンク本体9b内に配置される。
1200は上記各構成部品911〜980からなる記録
エレメント(吐出ユニット)9aに対してインクを供給
するための供給口であり、該記録エレメント9aをイン
クタンク本体9bの部分1010に配置する前の工程
で、供給口1200よりインクを注入することによりイ
ンク吸収体900にインクを含浸させることができる。
1100はカートリッジ本体の蓋部材、1300はカー
トリッジ内部を大気に連通するために蓋部材に設けられ
た大気連通口である。
【0033】図3の(A)において、供給口1200を
介してのインクタンク9bへのインク充填が終了する
と、各構成部品911〜980よりなる吐出ユニット9
aを部分1010に位置付けて配設する。この時の位置
決めないし固定は、例えばインクタンク本体9bに設け
た突起1012と、これに対応して支持体930に設け
た孔931とを嵌合させることにより行なうことがで
き、これによって図3の(B)に示すヘッドカートリッ
ジ9が完成する。
【0034】インクタンク9b内のインクは、供給口1
200、支持体930に設けた孔932、サブタンク9
60の図3の(A)中の裏面側に設けた導入口を介し
て、該サブタンク960内に供給される。このサブタン
ク960内のインクは、導出口より適宜の供給管および
天板940のインク導入口942を介して、共通液室内
へと流入する。以上におけるインク連通用の接続部に
は、例えばシリコンゴムやブチルゴム等のパッキンが配
置され、これによって封止が行なわれてインク供給路が
確保される。
【0035】図3の(A)において、3000〜300
8は本発明に係わる大気開放手段である。ここで、30
00は吐出口面221に設けられた大気開放孔、300
4は大気取入孔、3006は第2の大気開放管、300
2は第2の大気開放管3006と前記大気開放孔300
0とを結ぶ第1の大気開放管、3008は第2の大気開
放管3006の途中に設けられた弁(大気開放弁)であ
る。
【0036】ここで、前記大気開放弁3008は、通常
では閉じ状態となっており、キャッピング状態における
キャップ51内の空気と外気との連通をできるだけ断っ
てインクの乾燥を防いでいるが、空気の急激な流れ等の
力が作用した時には開放状態となるように構成されてい
る。また、大気開放孔3000は吐出口面221の面上
で、かつブレード59でワイピングする時に該ワイピン
グの上流側となる位置に形成されている。これは、吐出
口列よりもワイピング後流側に前記大気開放孔3000
が配設されていると、インクが付着(転移)したブレー
ド59が該大気開放孔3000の上を通過することによ
り、該大気開放孔3000の中にインクが侵入し、弁の
動作不良や該大気開放孔3000の詰まりが生じて大気
開放手段が機能しなくなる危険性があるためである。
【0037】前記記録ヘッド(記録手段)としての吐出
口ユニット9aは、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギー
を発生するための電気熱変換体を備えたものである。ま
た、前記記録ヘッド9aは、前記電気熱変換体によって
印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡
の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出
口よりインクを吐出させ、記録を行なうものである。
【0038】図5は、前記記録ヘッド(吐出口ユニッ
ト)9aのインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視
図である。図5において、用紙等の被記録材(記録媒
体)と所定の隙間(例えば、約0.5〜2.0ミリ程
度)をおいて対面する吐出口面221には、所定のピッ
チで複数の吐出口222が形成され、共通液室223と
各吐出口222とを連通する各液路224の壁面に沿っ
てインク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変
換体(発熱抵抗体など)225が配設されている。本例
においては、記録ヘッド9aは、前記吐出口222が前
記キャリッジ11の移動方向(主走査方向)と交叉する
方向に並ぶような位置関係で、該キャリッジ11に搭載
されている。こうして、画像信号または吐出信号に基づ
いて対応する電気熱変換体225を駆動(通電)して、
液路224内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する
圧力によって吐出口222からインクを吐出させる記録
ヘッド9aが構成されている。
【0039】図6は図1のインクジェット記録装置にお
けるキャップ51、ポンプ53、ブレード59、モータ
61およびカム装置63等から成る吐出回復処理装置の
分解斜視図である。図6において、501はキャップ5
1内部に配置されるインク吸収体、503はキャップ5
1を保持する保持部材、505はピン507を中心に回
動可能に取り付けられたキャップレバーである。このキ
ャップレバー505は、前記ピン507に加えられる力
によって前記キャップ51を吐出ユニット9aの吐出口
面221に当接/離脱させる機能を有する。511はキ
ャップレバー505の端部509に係合してキャップレ
バー505の回動範囲を規制するためにケースに植設さ
れたピンである。
【0040】図6において、513はキャッレバー50
5のピン507が嵌入される穴部を有する治具であり、
キャップレバー505をポンプ53に設けた支持部51
5に取付けるのに用いられる。516はその取付け状態
を確保するための留め部材である。517はキャップ5
1に吐出口面221と当接する力を付与するための作用
部であり、キャップ51の後側部のほぼ中央に係合す
る。この作用部517は吸引されたインクの導入口51
7A(図7の(C))を有し、キャップレバー505の
内部、ピン507の内部、治具513の内部および支持
部515の内部にはそれぞれインク流路が形成されてい
る。そして、ポンプ53が吸引力を作用すると、吐出口
222から吸い出されたインクは、前記導入口517A
からこれらのインク流路を経てポンプ53内に導入され
る。
【0041】519はポンプ53の端面中央に突設され
た軸である。522は軸519を保持しポンプ53自体
を回動可能とするためのポンプ支持板であり、その回動
力は支持部515を介してキャップレバー505に加え
られ、これに伴ってキャップ51が進退する。521は
ポンプ53の軸519内を通るインク流路を直角に曲げ
ている廃インクシールであり、523は廃インクシール
521を支持する廃インクキャップである。この廃イン
クキャップ523は、さらに廃インクチューブ57まで
のインク流路を形成している。
【0042】すなわち、前記ポンプ軸519、前記廃イ
ンクシール521および前記支持部材(廃インクキャッ
プ)523の内部にはインク流路が形成され、ポンプ5
3により吸引されたインクは図中矢印で示すようにこれ
らの流路を経てチューブ57を介して廃インクタンク5
5(図1)へ導入される。
【0043】図6において、525はポンプ53のピス
トン、527は該ピストンの軸であるピストン軸、52
9はパッキン、531はポンプ53のキャップである。
533はピストン軸527に取付けられるピンであり、
該ピン533はピストン525を作動させるための駆動
力を受けるものである。535はブレード59が取付け
られるブレードレバーであり、ポンプ53の軸519の
まわりに回動可能に支持されている。このブレードレバ
ー535の回動により、ブレード59は記録ヘッド9a
に対し突出または後退する。537はブレードレバー5
35に対しブレード59を突出させる方向への回動力を
付与するばねである。また、539はポンプ53自体に
対しキャップ53が記録ヘッド9a側に向かう方向への
回動習性を与えるばねである。
【0044】541はモータ61の回転をカム装置63
に伝達するギア列である。カム装置63は、ポンプ53
に設けた係合部545に係合してこれを回動させるため
のカム547と、ポンプ53のピストン軸527に設け
たピン533に係合して該ポンプ53を作動させるため
のカム549と、ブレードレバー535に設けた係合部
551に係合してこれを回動させるためのカム553
と、カム装置63のホームポジションを検出するための
スイッチ555に係合するカム557とを有している。
これらカムの動作については後述する。
【0045】図7はキャップ51等の詳細を示す図であ
り、図7において、(A)は正面図、(B)は平面図、
(C)は(A)中の線M−Mに沿った断面図である。図
7において、キャップ51のの内部の鉛直方向下部にイ
ンク吸引口561が開口しており、該インク吸引口56
1は、インク流路563を通して、キャップレバー50
5の作用部517に設けたインク導入口517Aに連通
している。また、キャップ51内のインク吸収体501
は、インク吸引口561を完全に覆わないように配置さ
れている。
【0046】図7の構成によれば、重力によってインク
が下方へ流れてきても、該インクは下方に設けられた吸
引口561より吸引されるため、インク吸収体501に
残留するインク量が著しく少量となり、したがって、固
化による劣化等を大幅に遅らせてインク吸収体501乃
至これが取り付けられたキャップ51の寿命を延ばすこ
とができる。また、図7の(A)中に破線で示した円3
000は、カラー記録ヘッド9をキャップ51でキャッ
ピングした時の大気開放孔3000の位置であり、図面
から明らかなように、この大気開放孔3000はリブ5
1aよりも内側に存在している。
【0047】図8は吐出回復処理装置の前記カム装置6
3の動作を示すカムチャートであり、横軸にカム549
の回転角度をとり、該回転角度の変化に対するスイッチ
555、キャップ51、ポンプ53およびブレード59
の状態を示している。図8中の数値はカム549の回転
角度を示す。図9はポンプ53の各動作位置での状態
(ピストン525の位置)を示す断面図である。図10
は図1中のヘッドカートリッジ(記録手段)9の矢印S
方向走査上での位置関係を模式的に示す説明図である。
図11は吐出回復処理装置によって実行される吐出回復
動作を説明するフローチャートである。次に、図8〜図
11を参照して、吐出回復処理装置の機能について説明
する。なお、以下では説明の都合上、使用する記録ヘッ
ドが黒インク記録ヘッド3109である場合を示す。
【0048】図8において、aの状態はポンプカム54
9のホームポジション位置であり、記録動作中の回復処
理装置の待機状態である。この時ホームポジションスイ
ッチ555はONであり、キャップ51は記録ヘッドの
吐出口面221より離隔した状態(以下オープン状態と
呼ぶ)にあり、ポンプ53は上死点にある。また、ブレ
ード59はOFF状態すなわち記録ヘッドの吐出口面に
係合しない位置に退避している。
【0049】図8において、次のbの状態はキャッピン
グ状態であり、これは、記録動作を行なわず、吐出口面
221をキャップ51で覆い保護している状態である。
この時、ホームポジションスイッチ555はOFFとな
り、キャップ51は吐出口面に当接してクローズ状態と
なり、ポンプ53は上死点にあり、さらにブレード59
はOFF(退避)位置にある。
【0050】cの状態はポンピングが終了した状態であ
る。この時には、ホームポジションスイッチ555はO
Nであり、キャップ51はクローズ状態(キャッピング
状態)であり、ポンプ53は弁が開ききった状態にある
が未だ下死点には至らない状態である。またブレード5
9はOFF位置にある。
【0051】図8中のdの状態は、ポンピングが終了し
た後キャップ51をオープンさせ、同時にキャップ51
およびキャップレバー505内に充満しているインクを
ポンプ53内に取り込むための小空吸引を実行し終えた
状態である。この時、ホームポジションスイッチ555
はON、キャップ51は半分程度オープン、ポンプ53
は下死点、ブレード59はOFFの状態にある。
【0052】次にgの状態を先に説明する。このgの状
態は、ポンピングによってポンプ53内に充満したイン
クを廃インクタンク55(図1)側へ排出するための空
吸引を始める準備位置である。この時、ホームポジショ
ンスイッチ555はON、キャップ51はオープン、ポ
ンプ53は上死点より若干下った位置にある。また、ブ
レード59はOFF状態にある。
【0053】図8において、eの状態およびfの状態
は、それぞれ、大空吸引および中空吸引を行なった時の
停止位置である。どちらの位置でも、ホームポジション
スイッチ555はON、キャップ51はオープン、ブレ
ード59はOFFの状態であるが、ポンプ53はeの状
態では下死点側にあるのに対しfの状態では完全に下り
きっていない。
【0054】hの状態はワイピングを行なう時の状態で
ある。この時、ホームポジションスイッチ555はO
N、キャップ51はオープン、ポンプは上死点にある。
そしてブレード59がON(突出)状態にあり、この状
態でヘッドカートリッジ9を搭載したキャリッジ11が
移動することにより、記録ヘッド9aの吐出口面221
のワイピング(拭き取り清掃)を実行することができ
る。
【0055】図9の(A)は、ポンプ53内でピストン
525が下死点にある状態を示している。(A)の状態
では、ポンプ53内のピストン525の左側の空間によ
って作られる負圧によって、ポンピングが機能する。5
31はその負圧をキャップ51へ伝達するための弁口で
ある。この(A)の状態は、ピストン525が前記弁口
531を乗り越えてさらに右側へ進んだ状態である。こ
の状態では、ピストン525は左側からピストン軸52
7のフランジ部527aによって押され密着しているの
で、発生した負圧は他に漏れることなくキャップ51側
へ伝えられる。また、ピストン525の右側部分に溜ま
っていたインクは廃インクタンク55(図1)へ押し出
される。
【0056】図9の(B)は、ポンプ53内でピストン
525が上死点にある状態を示す。ここで注意すべき
は、ピストン525は弁口531の右側に達しており、
弁口531は閉じていないことである。すなわち、この
状態においてキャップ51の内部は大気連通状態になっ
ている。次に、図9の(C)は、図8中のcの状態の時
のポンプ53の状態を示す。この(C)の状態では、ピ
ストン525は弁口531を乗り越え若干右へ進んでい
る。
【0057】図9の(D)は、図8中のgの状態の時の
ポンプ53の状態を示す。この(D)の状態と前記
(A)の状態との間を往復動することにより大空吸引お
よび中空吸引が実行される。図9の(E)は中空吸引を
実行し終えた時のポンプ53の状態を示す。ここで注意
すべきは、ピストン525は弁口531を乗り越えた直
後で止まっていることである。ピストン525を(A)
の下死点の位置まで移動させると、(B)の上死点また
は(D)の空吸引準備位置に戻る際に弁口531を閉じ
られない時間が長くなってしまう。
【0058】その時、左側の空間に正圧が生じることの
ないようにピストン軸のフランジ部527aとピストン
525に若干の隙間ができ、ピストン525の右側の空
間と連通するように構成されている。しかしながら、流
路の抵抗等によって若干の正圧が生じ、そのための逆流
が起きる。ここでいう(E)の位置から(A)または
(D)の位置まで戻る場合には、その逆流はよく防止さ
れている。
【0059】図10の黒インク記録ヘッド3109の位
置関係は、黒インク記録ヘッド3109が吐出回復処理
装置内のキャップ51の正面にある位置(キャッピング
位置)を基準に表示されている。ここで、図10中に記
載のステップ数は、矢印S方向走査駆動用パルスモータ
の駆動量を表している。1ステップ当たり、6/360
inch=1/60inch=0.423mmとなっている。
【0060】ワイピング動作を行う場合には、先ず黒イ
ンク記録ヘッド3109を、ブレード59がキャリッジ
11と干渉しない位置、すなわちワイパーON位置まで
移動させ、吐出回復処理装置内のブレード59をONさ
せる。そして、黒インク記録ヘッド3109をワイパー
OFFの位置まで移動させることにより、ワイピングを
実行する。
【0061】図11は本発明を適用したインクジェット
記録装置における吐出回復処理の動作手順の一例を示す
フローチャートである。なお、図11中のa〜hの各符
号は図8中のa〜hの各タイミングと対応している。ま
た、図11中の数値は図8中のカム549の回転角度を
示す数値と対応している。図11において、吐出回復処
理の動作は、図8中のbのキャッピング状態から始まる
(ステップS1)。次に図8中のc状態に動いてポンプ
53によるポンピングを実行し(ステップS3)、その
状態でインク吸引が充分に行なわれるよう例えば3秒間
停止する(ステップS5)。図8中のdにおけるキャッ
プオープンと同時に小空吸引が行われ(ステップS
7)、キャップ51内およびキャップレバー505内へ
のインクの取り込みを行うために、その状態で例えば1
秒間停止する(ステップS9)。
【0062】次に、ポンプ53内に充満したインクを排
出するための空吸引を以下のような手順で行なう。ま
ず、図8中のgの空吸引準備位置に移り(ステップS1
1、S13)、そこから中空吸引停止位置fの間を例え
ば3回往復移動することにより、中空吸引を行なう(ス
テップS15〜S19)。次いで、gからeまでの大空
吸引が行われ、ポンプ53内のインクは充分に廃インク
タンク55側へ押し出される(ステップS21)。
【0063】引続きgの位置に移り(ステップS23)
予備吐出(ステップS25)を行った後、ヘッドをワイ
パーON位置へ移動させ、hの位置でワイパー(ブレー
ド)ONとし(ステップS27)、そしてヘッドをワイ
パーOFF位置まで移動させることでワイピングを実行
する(ステップS29)。最後に、aの位置でワイパー
OFFし、ヘッドをキャッピング位置に戻し、bでキャ
ッピングをする(ステップS31)。
【0064】図12はカラー記録ヘッド9を吐出回復処
理装置にて吐出回復処理する場合の各部の働きを模式的
に示す縦断面図である。図8〜図11に示した行程と同
様、吐出回復処理命令が出ると、キャッピング状態から
始まり、ポンプ53による吸引が行われる。しかしなが
ら、キャップ51と吐出口面221とが囲む空間内には
前記大気開放孔3000があるために、前記ポンプ53
による吸引が行われると、前記第2の大気開放管300
6内の減圧に伴い前記大気開放弁3008が開放状態と
なり、吸引された空気と同量の空気が前記大気開放手段
によりキャップ51内およびポンプ53内に流入し、圧
力の低下を阻止する。このため、吐出口222からのイ
ンクの吸引排出は行われず、結果的に吸引行程は無効と
なる。なお、図12中の矢印は空気の流れを示す。
【0065】その後の空吸引、ワイピング行程は吐出口
面221の形状とは無関係であるので、黒インク記録ヘ
ッド3109と同様に正常に行われ、吐出回復処理を終
了する。このようにカラー記録ヘッド9に対して吐出回
復処理を行った場合、吸引行程のみが無効になるが、実
際の作用としては、吸引時にインクではなく空気が吸引
されると前述の空吸引よりも一層効果的にキャップ51
およびインク流路内の廃インクがポンプ53内に送り込
まれるため、これを積極的に利用する場合がある。本実
施例においても該処理を行っているが、この点について
は後述する。
【0066】図13は本発明に係わるキャップを備えた
カラーインクヘッドカートリッジ(カラー記録ヘッド)
専用の保管箱3050の模式的斜視図である。ここで、
ポンプ3153の構成は、前述の記録装置に配設された
ポンプ53と同一の構成である。3100は保管箱上ケ
ース、3102は保管箱下ケース、3104は前記上下
ケースを軸支し上ケースの開閉を可能とする軸、310
6はピストン軸3527を上ケース3100の開閉に伴
い上下動させるために設けられた上ケース一体のシャフ
ト、3110は廃インクタンクであり、該廃インクタン
ク3110と前記ポンプ3153との間には不図示の廃
インクチューブによりインクの流路が形成されている。
また、ヘッドを保管箱3050にセットした時のキャッ
ピングは、不図示のキャップ前後動手段により行われる
構成となっている。
【0067】図13中の3151はキャップである。図
14は記録装置内のキャップ51が囲む領域と図13中
のキャップ3151が囲む領域とを比較して示す模式的
正面図である。記録装置内のキャップ51のリブ51a
が囲む領域と保管箱内のキャップ3151のリブ315
1aが囲む領域は、図14に示すように異なっている。
これは、キャッピング時に記録装置内のキャップ51で
覆うことにより吸引処理を無効としていた大気開放孔3
000を、該キャップ3151では覆わないようにし
て、上ケース3100を開くことによりなされるポンプ
3153での吸引動作時では、吐出口222よりインク
を吸引排出するためである。
【0068】図15は図13の保管箱3050の上ケー
ス3100の開閉に伴う吸引等の動作を模式的に示す縦
断面図である。図15において、ヘッド9を取り出すた
めに(A)のように上ケース3100を開いた時には、
常にヘッド9の吐出回復処理が行われ、かつ前回の吸引
により排出されポンプ3153内のピストン3525よ
りも図中下側にあったインクは廃インクタンク3110
へ送り込まれる。一方、上ケース3100を閉める時に
は、(B)に示すように、ピストン3525よりもキャ
ップ3151側にあるポンプ内インクが廃インクタンク
3110側へと移動する。このように、上ケース310
0の開閉により、ヘッドからのインク吸引および吸引さ
れたインクの排出という一連の処理が行われる。ここ
で、図15中の矢印Xは上ケース3100の動きを、矢
印Bはポンプ3153の動きを、矢印Cはインクの動き
を、それぞれ示す。
【0069】なお、本実施例では、ポンプ3153の構
成を記録装置のポンプ53と同様の構成としたため、上
ケース3100を開ける時には、最初の極くわずかな時
間と量ではあるが、廃インクがポンプ内からキャップ3
151を介してカラー記録ヘッド9へと逆流する。しか
しながら、その後で常に、逆流したインクよりも充分に
多いインクが吸引により排出されるので、乾燥による増
粘インクを吐出する等の不具合を生じることはない。
【0070】また、前記保管箱3050は各色のカラー
記録ヘッド毎に専用の保管箱が用意されるが、使用者が
誤って違うインク色のヘッドをセットしないように、本
実施例においては、カラー記録ヘッドおよび保管箱の外
装色は、吐出する、あるいは保管すべきヘッドのインク
色と同一になっている。
【0071】図16は本発明を適用したインクジェット
記録装置における記録印刷処理手順の一例を示すフロー
チャートである。図16において、電源がONされる
と、ステップS61にて回復系ユニットを回復系ホーム
ポジションに設定し、キャップ51をオープンとした
後、ステップS63にてキャリッジ11をホーム位置に
設定する。次に、ステップS65にて、所定の予備吐出
回数(本例では15回または7回)に達した時に空吸引
を起動するために用いるカウンタN1 をリセットし、ス
テップS67にてキャップ51をクローズとした後に記
録(印刷)のデータ信号を待機する(ステップS6
9)。
【0072】図17は記録手段の有無を検知するための
回路の一例を示す図である。図16中のステップS69
の前記データ信号の待機時には、図17に示す回路によ
り、ステップS200にて1秒間隔でキャリッジ11上
のヘッド9の有無を検知し、ヘッド9が無い時間T10
連続して10秒以上続くと、ヘッド9がキャリッジ11
から取り外されているものと判断し、ステップS202
で吐出回復処理を実行する。これは、前述したように、
ヘッドの無い状態で吐出回復処理を行うとキャップ内等
に残留しているインクを効果的に除去できるためであ
り、これにより、万一キャップ51内等に前記残留イン
クがある場合でも、キャッピングによる混色を防止でき
る。
【0073】図16において、ステップS69で記録信
号が入力されると、ステップS71にて給紙を開始し、
ステップS73にてキャップ51をオープンとした後
に、ステップS74にてワイピングを実行し、ステップ
S75にてキャリッジ11をホームポジションに設定し
て予備吐出を行なうとともにカウンタN1 を+1だけ歩
進する。次に、ステップS77にて記録動作中の所定時
間毎(例えば30秒毎)に予備吐出を起動するためのタ
イマT1 をリセットするとともにこれをスタートさせ、
ステップS79にて1行分の記録を実行する。この後、
ステップS81にてタイマT1 の値が30秒を越えたか
否かを判定し、肯定判定であればステップS75および
S77と同様なステップS83およびS85を経た後に
ステップS87へ進み、一方、否定判定であれば直ちに
ステップS87へ進む。
【0074】ステップS87ではカウンタN1 の値が、
“15”に達したか否かを判定し、肯定判定であればス
テップS89にて1頁の記録途中での空吸引を行なう。
この時の空吸引の処理は図18に従う。その後、ステッ
プS91にてカウンタN1 をリセットして再スタートさ
せ、ステップS93へ移行する。なお、ステップS87
で否定判定された場合には直ちにステップS93に進
む。
【0075】ステップS93では1頁分の記録が終了し
て改頁が指示されているか否かを判定し、否定判定であ
ればステップS95に進んで記録信号の有無を判定す
る。ステップS95にて肯定判定がなされた場合にはス
テップS97にて記録終了のEND信号があるか否かを
判定し、否定判定であればステップS79に移行して次
行の記録を行なう。
【0076】一方、テスップS95にて記録信号が入力
されていない場合には、ステップS99に進み、記録デ
ータが所定時間(例えば5秒)入力されない時にキャッ
ピングを行なうために用いるタイマT2 をリセットし、
再スタートする。次に、ステップS101にて記録信号
の有無を判定し、肯定判定であればステップS79に復
帰して次行の記録を実行する。一方、ステップS101
が否定判定であればステップS103にてタイマT2
時計内容が5秒を越えたか否かを判定し、否定判定であ
ればステップS104に進み、END信号の入力がなけ
ればステップS101に復帰する。
【0077】一方、ステップS103で5秒を経過して
いればステップS105にてキャップ51をクローズと
し、次いで、ステップS107にて、タイマT1 を停止
するとともに、所定時間(例えば60秒間)キャッピン
グ状態が継続した後に予備吐出を起動するためのタイマ
3 をリセットして再スタートする。次いで、END信
号および記録信号の入力の有無を判定する(ステップS
109およびS111)。記録信号があれば、ステップ
S113にてキャップ51をオープンし、ステップS1
15にてタイマT3 の時計内容が60秒を越えているか
否かを判定する。ステップS115で60秒を越えてい
る場合には、ステップS74、S75に進んでワイピン
グ、予備吐出等を行った後にステップS79に復帰す
る。一方、ステップS115で60秒を越えていない場
合には、ステップS117にてタイマT1 をスタートさ
せた後にステップS79に復帰する。
【0078】ところで、ステップS93にて改頁指令が
入力された場合には、ステップS119へ進み、カウン
タN1 の内容が“7”以上あるか否かを判定する。ここ
で肯定判定であれば、ステップS121にて頁間空吸引
を行い、ステップS123にてカウンタN1 のリセット
/スタートを行なった後に、ステップS125に進んで
上記ワイピングの動作を行なう。一方、ステップS11
9で否定判定であれば、直ちにステップS125に進ん
で上記ワイピングの動作を行なう。そして、ステップS
127にてキャップ51をクローズとし、ステップS1
29にて記録を終了した用紙等の被記録材(記録媒体)
を排出した後に、ステップS69に進んで次頁の記録信
号を待機する。なお、ステップS97またはS109に
てEND信号が検出された場合には、ステップS131
の終了動作を実行する。
【0079】図18は記録中に適宜実行される予備吐出
によって蓄積されるインクを廃インクタンクへ取り込む
ための空吸引の動作例を示すフローチャートである。図
18において、本動作手順は、記録中にこれを中断して
行なわれる処理であるので、図8中のaの待機状態から
スタートする(ステップS51)。この状態からカム装
置63を逆転させてgの空吸引準備位置へ移動させ(ス
テップS52)、このgの位置からfの中空吸引後停止
位置へ移動させることにより中空吸引を実行する(ステ
ップS53)。次いで、ステップS54において再びg
の空吸引準備位置へ移動して位置設定した後、このgの
位置からeの大空吸引後停止位置まで移動させることに
より大空吸引を実行する(ステップS55)。次いで、
aの待機状態に戻してキャップ51をオープンし(ステ
ップS56)、空吸引動作を終了する。以上の空吸引動
作を終了した後、記録を実行する。
【0080】図19は本発明を適用したインクジェット
記録装置の制御系の構成例を示すブロック図である。図
19において、キャリッジ11のキャッピング位置や移
動位置は、回復系ホームセンサ65やキャリッジホーム
センサ67の検出に基いて知ることができる。図19に
おいて、1000は各部を制御するためのMPU、10
01は制御手順に対応したプログラム等を格納したRO
M、1002は制御手順実行時におけるワークエリアと
して用いられるRAM、1003は時間を計測するため
のタイマ、1004はインターフェース部である。な
お、図19の制御系に対しては、キーボード部1から指
令データや記録データなどを入力することができる。
【0081】以上のように記録装置あるいは記録手段を
構成することにより、キャップと記録手段の不適切な組
み合わせの時には吸引処理における吸引力を吐出口に作
用させないことにすれば、前記記録手段の前記吸引処理
による他種インクの混合という不具合を回避できる。ま
た、以上説明した第1実施例のような構成にすると、例
えば黒インクによる記録手段と該記録手段に対応した吐
出回復処理装置とだけが先に存在する場合に、後から例
えば複数色のカラーインク記録手段を追加する時、先に
存在する前記黒インク記録手段および該黒インク記録手
段に対応した吐出回復処理装置は変更せずに、前記カラ
ーインク記録手段および該カラーインク記録手段に対応
した吐出回復処理装置のキャップのみの変更にて本発明
を実施することができる。
【0082】また、本実施例によれば吐出口面上のキャ
ップとの当接部には特別な構成や形状を採る必要はな
く、そのため、キャップはどの種の記録ヘッドと係合し
ても該キャップの変形形状は同一であり、したがって、
本実施例の実行による前記キャップへのクリープ等によ
る不具合は発生しない。
【0083】以下で他の実施例について説明する。ここ
で、前述の第1実施例では保管箱3050内のキャップ
のリブ3151aの囲む領域の幅あるいは長さは、記録
装置のキャップのリブ51aの囲む領域の幅あるいは長
さよりも大きくなければならなかったが、必ずしもこれ
による必要はなく、以下に示す実施例のごとく、前記2
つの領域を同一あるいは逆にリブ3151aの囲む領域
の方を小さくしても本発明は実施できる。
【0084】図20および図21は前記カラー記録ヘッ
ド9に設けられる大気開放手段を吐出口面221上の溝
3200で構成する第2実施例を示す模式図であり、図
20は第2実施例によるカラー記録ヘッド9と記録装置
のキャップ51との当接状態を示す斜視図であり、図2
1は第2実施例における保管箱3050に具備されたキ
ャップ3151の斜視図である。図20において、キャ
ップ51はリブ51aが前記溝3200を跨ぐように構
成されており、キャッピングを行っていても図中の矢印
の経路によりキャップ51内部と外気との交流が行わ
れ、大気開放状態となっている。
【0085】このため、前述の第1実施例と同様、吐出
回復処理の吸引行程が無効化される。なお、ここで注意
すべき点は、前記溝3200の断面積や、キャップのリ
ブ51aにより塞がれない溝部面積が大きいと、外気と
の交流が必要以上に盛んになり、キャッピング時のイン
クの乾燥を早めてしまうので、前記面積を必要最小限の
大きさとなるように構成すべきである。あるいは、前述
の第1実施例と同様、溝部に弁を設けてインクの乾燥お
よび塵埃の付着を防止してもよい。
【0086】図21において、保管箱3050に設けら
れたキャップ3151のリブ3151aには突起部31
51cが形成されており、キャップ3151とカラー記
録ヘッド9とが当接した時に、該突起部3151cが図
20中の溝3200と係合して該溝の断面積を埋めてし
まい、該溝部からの空気の流入出を防ぐように構成され
ている。このようにキャップ3151を構成することに
より、カラー記録ヘッド9(吐出ユニット9a)の吐出
回復処理を保管箱3050にて行った場合には、記録装
置内にて行った場合とは逆に、吸引処理が有効となる。
【0087】図22は前記カラー記録ヘッド9に設けら
れる大気開放手段の第3実施例を示す模式的斜視図であ
る。本実施例では、前述の第2実施例とは逆に、黒イン
ク記録ヘッド3109に溝を設け、カラー記録ヘッド9
の吐出口面221には溝を設けず、記録装置内のキャッ
プ51のリブ51aに突起部51cを設けることにより
該キャップ51の形状を図21のキャップ3151と同
じ形状にし、さらに、保管箱3050のキャップ315
1には突起部を設けないように構成されている。
【0088】図22の第3実施例は以上の点で前述の第
2実施例と相違するが、その他の点では実質上同じ構成
をしており、したがって、第3実施例によっても第2実
施例と同様の効果が得られる。すなわち、カラー記録ヘ
ッド9とキャップ51との組み合わせでは図示矢印の経
路による空気の流出が確保され、一方、黒インク記録ヘ
ッド3109の場合には、キャップ51のリブの突起部
51cと溝3200とが係合して溝を埋め、空気の流出
入が防止される。
【0089】以上の第2実施例および第3実施例のよう
に、吐出口面221の形状およびキャップの当接面の形
状の簡単な構成変化によっても本発明は実施できる。ま
た、前記複数種のキャップも、一部の形状の相違だけで
あり、製造時には、例えば金型にスライドを設けるだけ
で前記複数種のキャップのどれをも製造できるように構
成でき、わずかなコストアップで対応可能である。ま
た、前述の第1実施例と同様、先に存在する記録手段お
よび吐出回復処理装置は構成の変更を行わずに、追加的
な他種記録手段および該他種記録手段に対応する他種吐
出回復処理装置のみの変更で本発明は実施可能である。
【0090】図23および図24は前記カラー記録ヘッ
ド9に設けられる大気開放手段の第4実施例を示す模式
図であり、図23は第4実施例によるカラー記録ヘッド
9と記録装置のキャップ51との当接状態を示す斜視図
であり、図24は第4実施例における保管箱3050に
具備されたキャップ3151の斜視図である。本実施例
では、カラー記録ヘッド9の吐出口面221に突起部2
21dが設けられている。
【0091】図23に示すように、記録装置内のキャッ
プ51との当接時には、該キャップのリブ51aが吐出
口面221から浮き上がり、前記突起部221dの側面
に沿う矢印の経路により空気の流出入が自在となり、吐
出回復処理時の吸引行程は無効化される。一方、保管箱
のキャップ3151と当接した場合は、図24に示すよ
うに、キャップ3151のリブ3151aに形成された
切欠き3202と前記突起部221dとが係合し、空気
の流出入が防止されるために前記吸引行程は有効とな
る。
【0092】前述の第2実施例と第3実施例との関係と
同様に、前述の第4実施例とは逆に、黒インク記録ヘッ
ドの吐出口面に突起部を設けるとともに、記録装置のキ
ャップ51に切欠きを設ける構成を採ることによって
も、同様の作用効果が得られる。このような構成を本発
明の第5実施例とする。なお、以上説明した第1実施例
〜第5実施例における溝および突起部等の形状は、図示
の形状に限定されるものではなく、実用可能な種々の形
状を採ることができる。また、前述の第4実施例および
第5実施例のように、保管箱等にて保管あるいは吸引処
理を行う記録手段ではなく、記録装置本体にて保管ある
いは吸引処理を行う記録手段の吐出口面に突起部等の大
気開放手段のための構造を設けてもよい。
【0093】図25は前記カラー記録ヘッド9に設けら
れる大気開放手段の第6実施例を示す模式図であり、同
図中の(A)は記録ヘッド9の正面図、(B)は(A)
中の線B−Bに沿った断面図である。図25において、
大気開放孔3000は吐出口列222に対しワイピング
(ブレード59による拭き取り)後流側に配設されてい
る。この場合、ブレード59に付着したインクが大気開
放孔3000から大気開放手段の内部に侵入し、該イン
クが管路内にて固着する等の不具合を生じる可能性があ
るが、本実施例においては、図示のように該管路の途中
にインク吸収体3010を配設することにより、侵入し
たインクが管路あるいは弁などを塞がないように構成さ
れている。
【0094】図25のような構成によれば、インクが大
気開放孔3000から大気開放手段の内部に侵入するこ
とに起因する不具合は解消され、該大気開放孔3000
の配設位置は、吐出口列222の位置とは無関係に、吐
出口面221上であればどの位置にも選択することが可
能になる。また、同様に前記不具合を解消するために、
前記大気開放孔3000は例えば図20の第2実施例の
溝部3200に配設してもよい。
【0095】図26は前記カラー記録ヘッド9に設けら
れる大気開放手段の第7実施例を示す模式図であり、同
図中の(A)は記録ヘッド9の正面図、(B)は(A)
中の線B−Bに沿った断面図である。本発明による大気
開放手段においては、管路の構成、形状、あるいはイン
クの乾燥特性等により、必ずしも前述のような大気開放
弁3008を設ける必要はない。該大気開放弁を設ける
必要のない場合には、前記インク吸収体3010も必ず
しも記録ヘッド内に配設する必要はなく、例えば図26
に示すようにキャリッジ11上に配設してもよい。ここ
で、3012は大気開放管3014により押し開けられ
る蓋である。すなわち、この蓋3012は、記録装置本
体において吸引を実行すると不具合を発生する可能性の
ある記録ヘッドをキャリッジ11上に搭載した際に、前
記不具合の発生する可能性のある記録ヘッドから突出し
た大気開放管3014により押し開けられるように構成
されている。
【0096】なおこの場合、管路途中でインクの固着に
よる不具合が生じる可能性がある場合には、充分に大気
開放管3014の断面積を大きく取る必要がある。ま
た、必ずしも本実施例のようにインク吸収体3010を
用いる必要はなく、このインク吸収体の代わりに、例え
ば大気開放管の途中あるいはキャリッジ上に窪みを設け
てインク溜めとする構成を採ってもよい。このように構
成することにより、記録手段内のわずかなスペース内で
の複雑な構成を回避することができる。
【0097】次に、本発明による大気開放手段の第8実
施例(不図示)について説明する。前述の第1実施例〜
第6実施例では、大気開放孔3000を吐出口222と
は別の形状にしたが、これに代えて、大気開放孔を吐出
口列の端部にその吐出口と同一形状で構成してもよい。
このような構成によれば、大気開放孔の形成を吐出口面
と同一工程で行うことにより吐出口に対する位置精度を
確保することができる。また、記録ヘッドの構成によっ
ては黒インク記録ヘッドの天板をカラー記録ヘッドの天
板に流用できることとなり、コストアップの抑えること
ができる。なお、このように構成した場合は、記録装置
のキャップのリブ51aによって囲まれる領域内に前記
大気開放孔3000が含まれるようにし、一方、保管箱
3050のキャップのリブ3151aによって囲まれる
範囲内には該大気開放孔3000が含まれないように構
成することにより、本発明の目的が達成される。
【0098】以下に、保管箱3050のキャップのリブ
3151aによって囲まれる領域の幅あるいは長さを、
記録装置のキャップのリブ51aによって囲まれる領域
の幅あるいは長さよりも、大きくしたい場合の各種の構
成例(実施例)について説明する。
【0099】図27は前記カラー記録ヘッド9に設けら
れる大気開放手段の第9実施例を示す模式的縦断面図で
ある。図27において、カラー記録ヘッド9の吐出口面
221上には大気開放孔が2つ設けられており、これら
2つの大気開放孔3000aと3000bは互いに連通
している。ここで、キャッピング時に記録装置内のキャ
ップ51により覆われるのは吐出口222に近い方の大
気開放孔3000aのみであり、キャップ51内と外気
とは開放状態にある。これに対し、保管箱のキャップ3
151は、もう一方の大気開放孔3000bを覆うよう
に、前記記録装置のキャップ51よりも覆う領域が大き
くなるように構成されており、そのため、この保管箱の
キャップ3151の内部と外気との間は交流が無い。
【0100】図28は前記カラー記録ヘッド9に設けら
れる大気開放手段の第10実施例を示す模式的斜視図で
ある。本実施例では、図28に示すように、カラー記録
ヘッド9(吐出ユニット9a)の吐出口面221に設け
られた溝3200と記録装置のキャップ51とは前述の
第2実施例の場合と同じように構成され、保管箱305
0のキャップのリブ3151aによって囲まれる領域を
前記キャップ51のリブ51aによって囲まれる領域と
異ならせることにより、前記キャップ3151内と外気
との交流を断つように構成されている。
【0101】この場合、前記2つのキャップ51、31
51のそれぞれのリブによって囲まれる範囲の大小関係
は、本実施例のように限定されるものではなく、例えば
記録装置のキャップのリブ51aによって囲まれる範囲
は図28と同一のままとし、保管箱のキャップ3151
によって囲まれる領域を大きくすることにより、該キャ
ップ3151のリブ3151aが前記溝3200を跨が
ないように構成してもよい。以上の第9実施例および第
10実施例によれば、記録装置のキャップ51によって
覆われる領域よりも保管箱3050のキャップ3151
によって覆われる領域の方を大きく構成することによ
り、本発明の目的が達成される。
【0102】図29は前記カラー記録ヘッド9に設けら
れる大気開放手段の第11実施例を示す模式図であり、
同図中の(A)は記録ヘッド9の正面図、(B)は
(A)中の線B−Bに沿った断面図である。本実施例
は、前記大気開放弁3008の他の構成例に係わるもの
である。図29において、吐出口面221上に開口する
大気開放孔3000の他端開口部は、キャリッジ11上
に配設されたシール部材3016を介して、該キャリッ
ジ11に配設された大気開放弁3012へ通じている。
【0103】すなわち、本実施例のようにキャリッジ1
1に大気開放弁3012を設けることによっても、前述
したように記録ヘッド9内の管路(大気開放管)内に大
気開放弁3008を設ける場合(図12)と同様の作用
効果が得られる。また、記録ヘッド9内の細い大気開放
管内に弁を設けず、本実施例のようにキャリッジ11上
に設ければ、組立性が向上するという利点がある。
【0104】図30は本発明による記録ヘッドの大気開
放手段の第12実施例を示す模式図である。本実施例
は、カラー記録ヘッド9の吐出口面221の面積を、黒
インク記録ヘッド3109の吐出口面3221の面積よ
りも小さくしたものであり、図30は本実施例の各キャ
ップ51、3151および各吐出口面221、3221
の大きさを比較して示す模式図である。この場合、記録
装置において、カラー記録ヘッド9をキャッピングした
時の空気の流出入は領域3202の部分から行われる。
このような構成によれば、ワイピング部材(ブレード)
59によりインクを拭き取られるワイピング面に、ワイ
ピング性能を低下させるような突起部などを設けずに本
発明を実施することができ、前述の各実施例と同様の作
用効果が得られる。
【0105】図31は本発明による記録ヘッドの大気開
放手段の第13実施例を示す模式的側面図である。本実
施例は、記録ヘッドの一部に突起を設け、該突起によっ
てキャップと吐出口面との当接を回避するように構成し
たものである。図31の第13実施例においては、記録
ヘッド9の一部に突起3300が設けられ、キャッピン
グのためにポンプ53が図中実線で示す位置まで回動し
た時に、前記記録ヘッド9の突起3300と前記ポンプ
53の突起とが当接してそれ以上の回動が規制され、そ
れによってキャップ51と吐出口面221との当接が回
避されるように構成されている。
【0106】なお、図31中に破線で示したポンプ53
およびキャップ51は、記録ヘッド9に突起を設けず、
吸引力を作用させる場合の構成例である。また、保管箱
などのような吸引を行わせるべき吐出回復処理装置のポ
ンプに前記突起を設けなければ、該ポンプによる吸引は
実行することができる。
【0107】このように、キャップおよび吐出口面はい
ずれの記録手段あるいはいずれの記録装置においても同
一とし、他の部位での当接によって本発明を実施するよ
うに構成することもできる。すなわち、前述の各実施例
のように吐出口面やキャップなどの高い精度を要求され
る部材を複数種類用意する必要のある構成の場合とは異
なり、特に図31の第13実施例によれば、記録手段の
外装上の突起、ポンプの突起、キャリッジ上の切欠きと
いった極めて単純な構成により本発明を実施することが
できる。
【0108】図32は本発明による記録ヘッドの大気開
放手段の第14実施例を示す模式的縦断面図である。本
実施例においては、記録ヘッド9のキャリッジ11に対
する位置決めの設定により、吐出口222がキャップ5
1と吐出口面221との当接領域に包囲されない位置と
なるように構成されている。図32において、222a
は、本実施例により吐出口222の位置を前記当接領域
に包囲されない位置(当接領域外)に設定した場合の吐
出口列の位置を示し、一方、222bは吸引力を作用さ
せる場合の吐出口列222の位置を示す。
【0109】また、保管箱などのように吸引を行わせる
べき吐出回復処理装置では、キャップの位置を吐出口2
22の位置に合わせれば良い。このような構成とするこ
とにより、極めて簡単な構成で本発明を実施することが
でき、かつ、前記キャップのリブを吐出口列上に当接す
るように構成すれば、インクの乾燥防止にもなる。
【0110】以上説明した実施例によれば、種々の記録
手段および種々のキャップの組合せの中で、吸引を行う
と他種インクの混合の不具合を生じるおそれのある組合
せの時には、少なくとも吸引実行時には吸引力を与えら
れるキャップ内を大気開放状態とすることにより、吐出
口からのインク吸引を回避し、吸引実行による他種イン
クの混合による不具合を回避することが可能となる。
【0111】なお、以上の説明では、カラー記録手段の
保管には、吐出回復処理装置を具備した専用の保管箱を
用いることとしたが、必ずしもこれによらずともよく、
その場合には、例えば、使用する記録手段のインクの色
により、記録装置内の吐出回復処理装置を使用者が交換
するものとしてもよく、あるいはカラー記録手段専用で
かつ保管用ではない吐出回復処理装置を用意しても良
い。さらには、カラー記録手段が吸引による吐出回復処
理を必要としない場合には、カラー記録手段用の吐出回
復処理装置を用意する必要はない。
【0112】また、本発明はカラー記録手段のみにて効
果を発揮するものではなく、同色のインクであっても、
成分が異なるなど、インクを混ぜたくない場合の対策と
しても有効である。さらには、インクの乾燥速度が充分
に遅いなど、前記吸引手段によるインクの吸引処理を行
う必要のない記録ヘッドあるいはインクを前記記録装置
に搭載した場合にも本発明は有効であり、吸引処理を行
わないように構成することにより、インクの浪費を防ぐ
ことができる。
【0113】また、前述の実施例では、記録手段とイン
クタンクとを一体化したディスポーザブルタイプの記録
手段を使用する場合を例に挙げて説明したが、本発明
は、記録手段とインクタンクとを別々に設け、これらを
インク供給管で接続する構成のものなど、その他の記録
手段およびインクタンクの構成形態を有するインクジェ
ット記録装置においても、例えば前述したような交換式
の吐出回復処理装置を用いれば、実施可能であり、同様
の効果が得られるものである。
【0114】さらに、前述のように、記録装置が記録で
きる被記録材(記録媒体)の最大幅に対応した長さを有
するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても、本発明
は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、
複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす
構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでもよい。加えて、上例のようなシリアル
タイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、
あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気
的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交
換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッ
ド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0115】また、本発明による記録装置に各インク色
に対応した吐出回復手段あるいはその予備的な手段等を
付加することは、本発明の効果を一層安定させることが
できる点で好ましいことである。また、搭載される記録
手段の種類や個数についても限定されるものではなく、
例えば複数色を一つの手段に有するマルチカラー手段で
も良い。さらに加えて、本発明によるインクジェット記
録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器
の画像出力端末として用いられるものの他、リーダと組
み合わせた複写装置、更には送受信機能を有するファク
シミリ装置の形態を採るものであっても良い。
【0116】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を
用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用で
きるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出
する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置
において優れた効果をもたらすものである。かかる方式
によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるから
である。
【0117】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜
沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一に対応し液
体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0118】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0119】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行なうことができるようにな
るからである。
【0120】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、記録手段から被記録材へインクを吐
出して記録を行うインクジェット記録装置であって、記
録手段の吐出口面を覆うためのキャップと、記録手段よ
りキャップ内にインクを吸引する吸引力を作用させるた
めの吸引手段とを備えたインクジェット記録装置におい
て、少なくとも前記吸引力を作用させた時に、該吸引力
を与えられるキャップ内を大気開放状態とする大気開放
手段を設ける構成としたので、インク混合による不具合
を防止でき、常に良好な記録を行い得るインクジェット
記録装置が提供される。
【0121】請求項2〜請求項7の発明によれば、請求
項1の構成に加えて、前記大気開放手段は前記キャップ
と前記吐出口面との当接部を環状とせず該当接部の不連
続部分で形成される構成、前記大気開放手段は、前記キ
ャップと前記吐出口面が当接した時に少なくとも一部が
該キャップによる密閉領域内に位置するように配置され
る第1の開口部と、該第1の開口部と連通しかつ少なく
とも一部が該キャップによる密閉領域外に位置するよう
に配置される第2の開口部とを有する構成、前記大気開
放手段は前記キャップと前記吐出口面とを当接させない
ための当接回避手段である構成、前記大気開放手段は、
前記キャップと前記吐出口面が当接した時に、記録手段
の吐出口を前記キャップの少なくとも前記吸引力が与え
られる部分では覆わないか、あるいは記録手段の吐出口
を前記吸引手段による吸引力が作用しない第2のキャッ
プにより覆うものである構成、前記大気開放手段の大気
連通部位に、少なくとも該大気連通部位に吸引力を作用
させた時には開放状態となる弁が設けられている構成、
前記大気開放手段の大気連通部位にインク吸収体を設け
る構成、あるいは、前記第1の開口部と第2の開口部と
は一連の溝により形成されている構成としたので、一層
効率よくインク混合による不具合を防止でき、常に良好
な記録を行い得るインクジェット記録装置が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するのに好適なインクジェット記
録装置の一実施例を示す模式的斜視図である。
【図2】図1中のヘッドカートリッジの模式的外観斜視
図である。
【図3】図2のヘッドカートリッジの模式的分解斜視図
である。
【図4】図3中の天板の模式的斜視図である。
【図5】図2のヘッドカートリッジのインク吐出部の構
造を模式的に示す部分斜視図である。
【図6】図1中の吐出回復処理装置の模式的分解斜視図
である。
【図7】図6中のキャップの構造を示す模式図である。
【図8】図6の吐出回復処理装置を駆動するカム装置の
カムチャートである。
【図9】図6中の吸引ポンプの主要動作状態を示す模式
的縦断面図である。
【図10】本発明を適用したインクジェット記録装置に
おける記録手段とワイピング部材との位置関係を示す模
式図である。
【図11】本発明を適用したインクジェット記録装置に
おける吐出回復処理のシーケンスを示すフローチャート
である。
【図12】本発明による大気開放手段の第1実施例の模
式的縦断面図である。
【図13】本発明による保管箱の構成例を示す模式的斜
視図である。
【図14】本発明における記録装置のキャップと保管箱
のキャップとを比較して示す模式的正面図である。
【図15】本発明における保管箱による吐出回復処理動
作の一例を示す模式的縦断面図である。
【図16】本発明を適用したインクジェット記録装置の
記録処理手順を例示するフローチャートである。
【図17】記録手段の有無を検知するための回路の一例
を示す回路図である。
【図18】記録中における空吸引の手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図19】インクジェット記録装置の制御系の構成例を
示すブロック図である。
【図20】本発明による大気開放手段の第2実施例を示
す模式的斜視図である。
【図21】本発明による大気開放手段の第2実施例の保
管箱のキャップを示す模式的斜視図である。
【図22】本発明による大気開放手段の第3実施例を示
す模式的斜視図である。
【図23】本発明による大気開放手段の第4実施例を示
す模式的斜視図である。
【図24】本発明による大気開放手段の第4実施例の保
管箱のキャップを示す模式的斜視図である。
【図25】本発明による大気開放手段の第6実施例を示
す模式的正面図および模式的縦断面図である。
【図26】本発明による大気開放手段の第7実施例を示
す模式的正面図および模式的縦断面図である。
【図27】本発明による大気開放手段の第9実施例を示
す模式的縦断面図である。
【図28】本発明による大気開放手段の第10実施例を
示す模式的斜視図である。
【図29】本発明による大気開放手段の第11実施例を
示す模式的正面図および模式的縦断面図である。
【図30】本発明による大気開放手段の第12実施例に
おける記録装置の吐出口面およびキャップと保管箱の吐
出口面およびキャップとの大きさを比較して示す模式図
である。
【図31】本発明による大気開放手段の第13実施例を
示す模式的縦断面図である。
【図32】本発明による大気開放手段の第14実施例を
示す模式的縦断面図である。
【符号の説明】
9 記録手段(ヘッドカートリッジ) 9a 吐出ユニット 9b インクタンク 11 キャリッジ 23 ガイド軸 27 タイミングベルト 31 キャリッジモータ 33 搬送ローラ(プラテンローラ) 35 搬送モータ 39 フィードローラ 41 排紙ローラ 51 キャップ(記録装置) 51a リブ 51c 突起部 53 吸引ポンプ 55 廃インクタンク 57 廃インクチューブ 59 ブレード(ワイピング部材) 61 回復系モータ 63 カム装置 65 回復系ホームセンサ 221 吐出口面 221d 突起部 222 吐出口 223 共通液室 224 液路 225 電気熱変換体 501 インク吸収体 505 キャップレバー 525 ピストン 527 ピストン軸 535 ブレードレバー 549 カム 940 天板 1000 MPU 1001 ROM 1002 RAM 1003 タイマ 3000 大気開放孔 3002 第1の大気開放管 3004 大気取入孔 3006 第2の大気開放管 3008 大気開放弁 3010 インク吸収体 3012 蓋 3014 大気開放管 3050 保管箱 3100 上ケース 3109 黒インク記録ヘッド 3110 廃インクタンク 3151 キャップ 3151a リブ 3151c 突起部 3153 ポンプ 3200 溝 3202 切欠き(空気流出入部分) 3221 吐出口面 3300 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/165 B41J 3/04 102 N

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行うインクジェット記録装置であって、記録
    手段の吐出口面を覆うためのキャップと、記録手段より
    キャップ内にインクを吸引する吸引力を作用させるため
    の吸引手段とを備えたインクジェット記録装置におい
    て、少なくとも前記吸引力を作用させた時に、該吸引力
    を与えられるキャップ内を大気開放状態とする大気開放
    手段を設けることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記大気開放手段は、前記キャップと
    前記吐出口面との当接部を環状とせず、該当接部の不連
    続部分で形成されることを特徴とする請求項1のインク
    ジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記大気開放手段は、前記キャップと
    前記吐出口面が当接した時に少なくとも一部が該キャッ
    プによる密閉領域内に位置するように配置される第1の
    開口部と、該第1の開口部と連通しかつ少なくとも一部
    が該キャップによる密閉領域外に位置するように配置さ
    れる第2の開口部と、を有することを特徴とする請求項
    1のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記大気開放手段は、前記キャップと
    前記吐出口面とを当接させないための当接回避手段であ
    ることを特徴とする請求項1のインクジェット記録装
    置。
  5. 【請求項5】 前記大気開放手段は、前記キャップと
    前記吐出口面が当接した時に、記録手段の吐出口を前記
    キャップの少なくとも前記吸引力が与えられる部分では
    覆わないか、あるいは記録手段の吐出口を前記吸引手段
    による吸引力が作用しない第2のキャップにより覆うも
    のであることを特徴とする請求項1のインクジェット記
    録装置。
  6. 【請求項6】 前記大気開放手段の大気連通部位に、
    少なくとも該大気連通部位に吸引力を作用させた時には
    開放状態となる弁が設けられていることを特徴とする請
    求項2または請求項3のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記大気開放手段の大気連通部位にイ
    ンク吸収体を設けることを特徴とする請求項2または請
    求項3のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の開口部と第2の開口部と
    は、一連の溝により構成されていることを特徴とする請
    求項3のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項1のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録手段が、前記電気熱変換体
    が発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を
    利用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴と
    する請求項8のインクジェット記録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0867295A2 (en) * 1997-03-25 1998-09-30 Seiko Epson Corporation Ink jet recording apparatus and ink suction method of the recording head
EP0867295A3 (en) * 1997-03-25 1999-01-27 Seiko Epson Corporation Ink jet recording apparatus and ink suction method of the recording head

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