JPH07214547A - 熱可塑性樹脂ペレットの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂ペレットの製造方法

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JPH07214547A
JPH07214547A JP1240994A JP1240994A JPH07214547A JP H07214547 A JPH07214547 A JP H07214547A JP 1240994 A JP1240994 A JP 1240994A JP 1240994 A JP1240994 A JP 1240994A JP H07214547 A JPH07214547 A JP H07214547A
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thermoplastic resin
screw
group
kneading
extruder
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JP1240994A
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English (en)
Inventor
Hideji Matsumura
松村  秀司
Yasuhiko Ota
靖彦 太田
Naohiro Kokado
尚広 古角
Shigeru Yano
滋 矢野
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 嵩密度および/または粒径の小さい微細な粉
体状熱可塑性樹脂を原料とする場合でも、押出量を増加
することができる熱可塑性樹脂ペレットの製造方法をを
提供する。 【構成】 螺旋状フライト部とニーディングディス部を
有するスクリューが装着された同方向回転二軸押出機を
用いて、熱可塑性樹脂を混練、溶融押出した後、切断す
る熱可塑性樹脂ペレットの製造方法であって、粉体状熱
可塑性樹脂をスクリューの螺旋状フライト部に供給、加
熱し、次いで、スクリューのニーディングディス部にお
いて混練、溶融するに際し、押出機バレルの原料供給口
からニーディングディス部までの螺旋状フライト部の長
さが7〜19Dであるスクリューを用いることを特徴と
する熱可塑性樹脂ペレットの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂ペレット
の製造方法に関する。詳しくは、特定の形状を有するス
クリューが装着された二軸押出機を用いる熱可塑性樹脂
ペレットの製造方法であって、原料である熱可塑性樹脂
の嵩密度が低く、粒径が小さい場合でも押出量を増加し
得る熱可塑性樹脂ペレットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱可塑性樹脂の押出機として、螺
旋状フライト部とニーディングディスク部を有するスク
リューが装着され、そのスクリューが同方向に回転する
回転噛み合い型二軸押出機が広く採用されている。該二
軸押出機を用いて押出する際に、原料である熱可塑性樹
脂の嵩密度および/または粒径が小さい場合には、螺旋
状フライト部に供給された熱可塑性樹脂が、押出機バレ
ル内を搬送されるとき多量の空気を同伴する。そのた
め、ニーディングディスク部において熱可塑性樹脂が溶
融される際に、該空気が逆流し、螺旋状フライト部を搬
送される樹脂と逆流空気が衝突して、樹脂の搬送が妨害
され、その結果押出量が低下する。
【0003】このような問題を解決する方法として、例
えば、特開昭54ー146854号公報には、粉体原料
に水や油等の液体を混ぜてスクリューへの食い込み量を
増大させる方法が開示されている。また、特開平5ー2
37914号公報には、サイドフィーダーにより粉体原
料に圧力をかけながら押出機のバレル内に原料粉体を供
給し、バレルに開けられた脱気孔より同伴空気の一部を
系外に放出する方法が開示されている。しかし、これら
の方法を用いても嵩密度が0.7g/cm3以下、平均
粒径が40μm以下の微細な粒子状原料を押出成形する
場合には、満足し得る程度まで押出量を増加することが
できない。
【0004】さらに、本出願人は、特願平4−3188
12号に係わる特許出願において、熱可塑性ポリイミド
を平均粒径が50〜10000μmの顆粒状にして押出
機に供給する方法を提案している。しかし、該方法は、
押出量を増加させる点では有効であるが、粉体樹脂を顆
粒状に調製するための設備が必要となり、固定費の増加
を伴うので必ずしも好ましい方法とはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
技術課題を解決し、嵩密度および/または粒径の小さい
微細な粉体状熱可塑性樹脂を原料とする場合でも、押出
量を増加することができる熱可塑性樹脂ペレットの製造
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、螺旋状フライト部と
ニーディングディス部を有するスクリューが装着された
二軸押出機を用いて、熱可塑性樹脂を混練、溶融押出し
する際に、樹脂の供給部である螺旋状フライト部の長さ
を特定の範囲とすることにより、上記目的が達成できる
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明により、螺旋状フライト部と
ニーディングディス部を有するスクリューが装着された
二軸押出機を用いて、熱可塑性樹脂を混練、溶融押出し
た後、切断する熱可塑性樹脂ペレットの製造方法であっ
て、粉体状熱可塑性樹脂をスクリューの螺旋状フライト
部に供給、加熱し、次いで、スクリューのニーディング
ディス部において混練、溶融するに際し、押出機バレル
の原料供給口からニーディングディス部までの螺旋状フ
ライト部の長さが7〜19D(D:バレル内径)である
スクリューを用いることを特徴とする熱可塑性樹脂ペレ
ットの製造方法が提供される。
【0008】本発明の概要は、粉体状熱可塑性樹脂を後
述する二軸押出機のスクリューの螺旋状フライト部に供
給して、該箇所で加熱し、スクリューのニーディングデ
ィス部において混練、溶融して、これに続く2段目の螺
旋状フライト部を経て、押出機先端に装着されたストラ
ンドダイへ供給して、溶融樹脂をストランド状に押出し
た後、所定の形状に切断してペレットを製造する方法で
ある。
【0009】本発明によれば、嵩密度および/または粒
径の小さい微細な熱可塑性樹脂粉体を溶融押出してペレ
ットを製造する際に、押出量を増加することができる。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に使用する二軸押出機の種類は特に問わない。同方
向回転型であっても、異方向回転型であってもよい。好
ましくは前者である。二軸押出機に装着される一対のス
クリューの形状に特徴がある。図を示して、本発明に用
いる二軸押出機について説明する。
【0011】〔図1〕は、螺旋状フライト部およびニー
ディングディス部を有するスクリューが装着された二軸
押出機の一実施例の側面断面図である。図において、押
出機のバレル1内に、押出機の下流側から順に、螺旋状
フライト部2、ニーディングディス部3および2段目の
螺旋状フライト部4を有するスクリューが装着される。
該スクリューは、2本一対で装着され、互いに同方向、
または異方向に回転する。一対のスクリューは、フライ
トの山と谷が互いに噛み合うように設置される。
【0012】原料である粉体状熱可塑性樹脂は、供給口
5から押出機に供給され、スクリューの螺旋状フライト
部2によりニーディングディス部3へ搬送される。この
間、粉体状熱可塑性樹脂は、バレル1に配設された熱供
給装置により加熱され、樹脂の一部は溶融する。加熱さ
れた粉体状熱可塑性樹脂は、ニーディングディス部3に
おいて、混練され完全に溶融する。この際、粉体状熱可
塑性樹脂に同伴して系内に入った空気は、螺旋状フライ
ト部2を逆流して供給口5から系外に放出される。ニー
ディングディス部3において完全に溶融した樹脂は、2
段目の螺旋状フライト部4により加圧され、押出機出口
6を経て、押出機先端に設置されるストランドダイへ搬
送される。
【0013】螺旋状フライト部2の長さは、すなわち、
〔図1〕における点2a〜点2b間の距離は、粉体状熱
可塑性樹脂に同伴された空気を逆流させて原料供給口5
から系外に放出する効果、粉体状熱可塑性樹脂の加熱効
果等に関係する。該部分の長さが短いと、同伴された空
気が系外に充分に放出され難く、押出量が低下する。ま
た、同伴された空気が系外に充分に放出されないと、空
気が押出機バレルと樹脂間の伝熱を阻害し、該部分にお
いて原料樹脂の加熱が充分に行われず、その結果、ニー
ディングディス部3における樹脂の混練、可塑化、溶融
が不充分となるため、ニーディングディス部3の圧力が
不安定となり、原料樹脂が他の添加剤を含む樹脂組成物
である場合、または、ニーディングディスク部3以降に
サイドフィーダー等を設置し、副資材を投入する場合に
は均一に混練されない傾向を示す。かかる観点から、螺
旋状フライト部2の長さは、7〜19D(D:バレル内
径)であることが好ましい。さらに好ましくは、10〜
15Dである。
【0014】ニーディングディス部3の長さは、原料樹
脂の混練、溶融効果に関係する。かかる点を考慮すると
その長さは、1〜5Dであることが好ましい。さらに好
ましくは3〜4Dである。また、2段目の螺旋状フライ
ト部4の長さは、ストランドダイへの溶融樹脂の供給圧
力に関係するので、3D以上であることが好ましい。本
発明に使用するスクリューの好ましい態様は上記の如く
であるが、螺旋状フライト部2およびニーディングディ
ス部3が、2〜3段の対になった多段式のスクリューで
もよい。この場合、後段の螺旋状フライト部2に相当す
る部分の長さは、螺旋状フライト部2の長さの50〜8
0%程度であってもよい。本発明に使用するスクリュー
の他の態様として、螺旋状フライト部2に圧縮部を設け
ることもできる。
【0015】バレルの内腔断面の形状は特に問わない。
通常、メガネ状である。しかし、混練効果を良くするた
めには、ニーディングディス部3に対応するバレルの内
腔断面の形状は連結した多角形、例えば、ナフタレン環
のような形状であってもよい。
【0016】上記のようなスクリューが装着された二軸
押出機を用いることにより、押出機内のニーディングデ
ィス部3において熱可塑性樹脂の完全な可塑化が行わ
れ、且つ、ニーディングディスク部3以降における圧力
が均一に維持できるため、ペレット化に際し、樹脂また
はその他の副資材を含む樹脂組成物の混合性または混練
性に優れ、均一な組成を有するペレットが得られる。本
発明によれば、熱可塑性樹脂の嵩密度が0.7g/cm
3以下であり、且つ、平均粒径が40μm以下であるよ
うな微細な粒子であっても効果的に溶融押出ができる。
本発明が効果的に適用できる熱可塑性樹脂の嵩密度の下
限は0.2g/cm3程度、また、平均粒径の下限は2
μm程度である。
【0017】押出機先端に設置されるストランドダイの
形状は特に制限はなく、公知のものが使用される。ま
た、ストランドの切断方法にも特に制限はなく、切断の
後冷却するホットカット法、水冷等による冷却の後に切
断するストランドカット法等、公知の方法が適用でき
る。得られるストランドの大きさにも特に制限はない。
【0018】本発明が適用し得る熱可塑性樹脂の種類に
は、特に制限はない。ペレット化される公知の熱可塑性
樹脂全てに適用できる。熱可塑性樹脂は1種類であって
もよいし、また、2種類以上の混合樹脂であってもよ
い。熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着
色剤、滑剤等公知の添加剤を配合することができる。ま
た、ガラス繊維、カーボン繊維等を添加することもでき
る。これらは、予め熱可塑性樹脂に添加混合し、樹脂組
成物として用いてもよい。また、押出機バレルの途中に
サイドフィーダーを設置して添加してもよい。公知のペ
レット化方法では、嵩密度が0.7g/cm3以下であ
り、且つ、平均粒径が40μm以下であるような微細な
形状を有する熱可塑性樹脂粉体のペレット化に際し、高
押出量を得ることが困難とされていたが、本発明の方法
はこの様な微細な粒子であっても、押出圧力の変動幅を
少なくし、且つ、高押出量を得ることができる。嵩密度
が0.2〜0.7g/cm3以下であり、且つ、平均粒
径が2〜40μm以下である粉体状熱可塑性樹脂とし
て、例えば、式(1)〔化2〕
【0019】
【化2】 (式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、
単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接
または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香
族基からなる群より選ばれた4価の基を示し、Xは単結
合、硫黄原子、スルホン基、カルボニル基、イソプロピ
リデン基またはヘキサフルオロイソプロピリデン基、
α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレン基の2価
の基を示す)で表される繰り返し構造単位を有するポリ
イミドが好ましいものとして挙げられる。
【0020】さらに、好ましく使用される熱可塑性ポリ
イミドとして、式(1)〔化2〕において、Rが式
(2)〔化3〕
【0021】
【化3】 式(3)〔化4〕
【0022】
【化4】 式(4)〔化5〕
【0023】
【化5】 式(5)〔化6〕
【0024】
【化6】 または式(6)〔化7〕
【0025】
【化7】 である熱可塑性ポリイミが挙げられる。
【0026】上記熱可塑性ポリイミドの内、最も好まし
く用いられるものとして、式(7)〔化8〕
【0027】
【化8】 で表される繰り返し構造単位を有する熱可塑性ポリイミ
ドが挙げられる。
【0028】これらの熱可塑性ポリイミドは、芳香族テ
トラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの脱水縮合
反応によって得ることができる。これらの熱可塑性ポリ
イミドを得るために用いる芳香族テトラカルボン酸二無
水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水
物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメ
リット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカ
ルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレン
テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラ
センテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェ
ナントレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二
無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホ
ン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ス
ルホン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプ
ロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロ
パン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフ
ェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシ
フェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニ
レンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−
フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−
ジフェニルスルフィドジオキシビス(4−フタル酸)二
無水物、4,4’−ジフェニルスルホンジオキシビス
(4−フタル酸)二無水物、メチレンビス−(4−フエ
ニレンオキシ−4−フタル酸)二酸無水物、エチリデン
ビス−(4−フエニレンオキシ−4−フタル酸)二酸無
水物、イソプロピリデンビス−(4−フエニレンオキシ
−4−フタル酸)二酸無水物、ヘキサフルオロイソプロ
ピリデンビス−(4−フエニレンオキシ−4−フタル
酸)二酸無水物等が挙げられる。
【0029】また、芳香族ジアミンとしては、例えば、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフ
ィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]
スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ケトン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)
ビフェニル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルフイド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、1,1−ジ(p−アミノ
フェニル)エタン、2,2−ジ(p−アミノフェニル)
プロパン、2,2−ジ(p−アミノフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等が挙げ
られる。これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物また
は芳香族ジアミンはそれぞれ単独で、または2種以上を
混合して使用できる。
【0030】本発明が適用し得る熱可塑性ポリイミド
は、これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族
ジアミンとを、通常の公知の方法、例えば、モノマー同
志またはモノマーを有機溶媒中に懸濁または溶解させた
後、加熱または化学的に脱水し、生成物を分離、精製す
る一般的な方法により得ることが出来る。これらのポリ
イミドは、耐熱性熱可塑性樹脂であり、240℃以上の
高いガラス転移温度(以下、Tgという)を持つため、
特に本発明の方法が有効である。
【0031】押出機バレルの設定温度は、熱可塑性樹脂
の種類により適宜選定し得る。熱可塑性樹脂の流動開始
温度以上であればよい。具体的には、熱可塑性樹脂が結
晶性である場合は、樹脂の融点以上の温度〜樹脂の分解
温度未満の温度範囲、好ましくは、融点+10〜分解温
度未満の温度範囲である。また、熱可塑性樹脂が非晶性
である場合は、樹脂のTg以上の温度〜樹脂の分解温度
未満の温度範囲、好ましくは、Tg+30〜分解温度未
満の温度範囲である。
【0032】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明する。なお、実施例において示した嵩密度および平
均粒径の測定は下記方法により測定した。
【0033】(1)嵩密度(g/cm3) JIS K−6721に規定される嵩比重測定用円筒形
ステンレス容器(内径:40mm、深さ:80mm、容
積:50ml)に、該容器側面最上端から約40mm上
方に離れた位置から試料を自然落下させ、該容器から盛
り上がった試料をガラス棒ですり落とす。以降、JIS
K−6721に規定される方法に従って測定する。
【0034】(2)平均粒径(μm) プレパラート上に数百個の試料粒子を広げ、これを顕微
鏡(100)により観察して画像解析を行い、円相当
径の数平均を求める。
【0035】実施例1〜4、比較例1〜2 〔図1〕に示したスクリューと同形式のスクリュー(螺
旋状フライト部2の長さ:〔表1〕に示す、ニーディン
グディス部3の長さ:2D、2段目の螺旋状フライト部
4の長さ:6D)2本が装着された同方向回転二軸押出
機(バレル内径:45mm)を用いて、式(7)で表さ
れる繰り返し構造単位を有するポリイミドパウダー(三
井東圧化学(株)製、商品名:オーラム、嵩密度および
平均粒径:〔表1〕に示す)を混練、溶融し、該押出機
先端に装着されたストランドダイから押出し、水冷した
後、切断し、ポリイミドペレットを製造した。尚、製造
条件は、押出機バレル温度およびストランドダイを40
0℃とし、スクリュー回転数を200rpmとした。そ
の結果、実施例1〜4における吐出圧力の変動が少な
く、押出量も多かった。得られた結果を〔表1〕に示
す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例5〜7 式(7)で表される繰り返し構造単位、および、式
(8)〔化9〕
【0038】
【化9】 式(9)〔化10〕
【0039】
【化10】 または、式(10)〔化11〕
【0040】
【化11】 で表される繰り返し構造単位を含むポリイミドパウダー
(三井東圧化学(株)製、商品名:オーラムM、オーラ
ムSまたはオーラムL、繰り返し構造単位の比率、嵩密
度および平均粒径は〔表2〕に示す)を用いた以外、実
施例3と同様にしてポリイミドペレットを製造した。得
られた結果を〔表2〕に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、粉体状熱可塑性樹脂の
嵩密度および平均粒径が微細であっても、二軸押出機の
螺旋状フライト部2(供給部)において、原料樹脂に同
伴された空気が効率よく系外に放出され、また、該箇所
における押出機バレル内壁面から熱可塑性樹脂への伝熱
が効率よく行われる。その結果、吐出圧力の変動が少な
く、且つ、押出量を多くすることができる。また、ニー
ディングディスク部3における均一混練をも可能とす
る。このような効果は、原料である粉体状熱可塑性樹脂
の嵩密度が高ければ高い程、また、平均粒径が大きけれ
ば大きい程顕著に現れるが、本発明を適用することによ
り、たとえ嵩密度が0.2〜0.7g/cm3であり、
且つ、平均粒径が2〜40μmであるような微細な粒子
形状を有する熱可塑性樹脂であっても、顕著な効果を奏
するものである。そのため、微細な形状を有する熱可塑
性樹脂をペレット化する方法として極めて有用な方法で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、螺旋状フライト部およびニーディングディ
ス部を有するスクリューが装着された同方向回転二軸押
出機の一実施例の側面断面図である。
【符号の説明】
1 バレル 2 螺旋状フライト部 2a 螺旋状フライト部の点 2b 螺旋状フライト部の点 3 ニーディングディス部 4 2段目の螺旋状フライト部 5 供給口 6 押出機出口6
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 滋 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 螺旋状フライト部とニーディングディス
    部を有するスクリューが装着された二軸押出機を用い
    て、熱可塑性樹脂を混練、溶融押出した後、切断する熱
    可塑性樹脂ペレットの製造方法であって、粉体状熱可塑
    性樹脂をスクリューの螺旋状フライト部に供給、加熱
    し、次いで、スクリューのニーディングディス部におい
    て混練、溶融するに際し、押出機バレルの原料供給口か
    らニーディングディス部までの螺旋状フライト部の長さ
    が7〜19D(D:バレル内径)であるスクリューを用
    いることを特徴とする熱可塑性樹脂ペレットの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 螺旋状フライト部の長さが10〜15D
    であることを特徴とする請求項1項記載の熱可塑性樹脂
    ペレットの製造方法。
  3. 【請求項3】 粉体状熱可塑性樹脂が、嵩密度0.2〜
    0.7g/cm3、平均粒径2〜40μmの微細粒子で
    あることを特徴とする請求項1項記載の熱可塑性樹脂ペ
    レットの製造方法。
  4. 【請求項4】 粉体状熱可塑性樹脂が、嵩密度0.2〜
    0.7g/cm3、平均粒径2〜40μmの微細粉体状
    ポリイミドであることを特徴とする請求項1記載の熱可
    塑性樹脂ペレットの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリイミドが、一般式(1)〔化1〕 【化1】 (式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、
    単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接
    または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香
    族基からなる群より選ばれた4価の基を示し、Xは単結
    合、硫黄原子、スルホン基、カルボニル基、イソプロピ
    リデン基またはヘキサフルオロイソプロピリデン基、
    α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレン基の2価
    の基を示す)で表される繰り返し構造単位を有するポリ
    イミドであることを特徴とする請求項4記載の熱可塑性
    樹脂ペレットの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002292626A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂ペレットの製造方法
JP2014180765A (ja) * 2013-03-18 2014-09-29 Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd 二軸スクリュ押出機における脱水装置

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