JPH07211558A - 静止誘導電器の磁気シールド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】静止誘導電器の磁気シールド５をステー４に対
応する位置に、取付板６によって、タンク３に固定す
る。 【効果】取付板に大きな力が加わらないので、破壊を防
ぐことができ、また、磁気シールドの取付けが容易であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は静止誘導電器の磁気シー
ルドに係り、特に、巻線から発生する漏れ磁束がタンク
に流れぬように取付けられた静止誘導電器の磁気シール
ドに関する。

【０００２】

【従来の技術】静止誘導電器、例えば、変圧器は鉄心
と、鉄心に巻回された巻線と、鉄心及び巻線を収納する
タンクを含み、タンクを補強するためステーが横方向に
設けられており、そして、巻線より発生した磁束が鉄心
に流れる構造になっている。しかし、鉄心を通らない漏
れ磁束が有り、これがタンクに流れて、うず電流が発生
し、大きな損失となる。

【０００３】これを防ぐためタンクには磁気シールドが
設けられている。この磁気シールドをタンクに取付ける
従来の構造として図３，図４に示すようなものが有る。
これは磁気シールド５のタンク３の側壁に固定された取
付座１１へ取付金具９，取付ボルト１１を介し固定す
る。この構造は取付ボルト１１の突起部と巻線との絶縁
のためタンクを大きくしていた。タンクを小形，軽量化
するため、磁気シールド取付部の突起を無くした構造が
図５，図６である。これは磁気シールド５をタンク３の
側壁と直角方向に積層し、導電性の固定部材の支持枠１
２を介し固定し、タンク３に直接溶接したものである。
この方法は特公昭60−40164 号公報に記載されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この構造では
タンク３と支持枠１２、または支持枠１２と磁気シール
ド５の溶接部が多いので作業量も多いという欠点があっ
た。また、タンク３が磁気吸引力などによって変位した
とき、溶接部に大きな力が加わり、磁気シールド取付部
の破壊が起こる恐れがあった。

【０００５】本発明の目的は、磁気シールドの取付作業
を容易にし、且つ、磁気シールドを固定する溶接部に加
わる力を小さくし、その部分の破壊を防ぐことができる
静止誘導電器の磁気シールドを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴は磁気シー
ルドをステーに対応する位置に取付板によって固定した
ことにあり、タンクと磁気シールドの距離をタンクの変
位幅より広くとることにある。

【０００７】

【作用】本発明の構成とすることにより、タンクと磁気
シールドをつなぐ溶接部が少ないので作業が容易であ
り、タンクが変位しても取付部がステーに対応する位置
にあるので大きな力が加わらず破壊が起こらない。しか
も、タンクと磁気シールドの距離がタンクの変位幅より
広いので、タンクが変位してもタンクと磁気シールドが
触れることは無く、取付部に大きな力が加わらず破壊が
起こらない。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の静止誘導電器タンクの磁気シ
ールドの実施例を図１を用いて説明する。鉄心１に巻線
２が巻回されており、締金具７は鉄心１を両側から締付
けている。それらはタンク３で収納されており、タンク
３はステー４により横方向に補強されている。本来、巻
線２より発生した磁束は鉄心１を通り、励磁するが、鉄
心１を通らない磁束８がある。これを漏れ磁束といい、
これらは主にタンク３や締金具７といった鉄心１以外の
金属部を通り、うず電流を発生させ、大きな損失を生み
出す。これを防ぐためにタンク３の内側には磁気シール
ド５が取付板６によって取付けられている。図２は、図
１をＡから見た磁気シールドの実施例である。本実施例
では、この取付板６はステー４の対応する位置に溶接さ
れており、タンク３と磁気シールド５の距離を取付板６
の厚さをタンクの変位幅より厚くしてタンクの変位幅よ
り広くとっている。

【０００９】このような構成とすることによりタンク３
と磁気シールド５をつなぐ溶接部が少ないので作業が容
易であり、タンク３が変位しても取付板６がステー４に
対応する位置にあるので取付部に大きな力が加わらず破
壊が起こらないという利点がある。更に、タンク３と磁
気シールド５の距離がタンクの変位幅より広くとること
により、タンク３が変位してもタンク３と磁気シールド
５が触れることは無くなり、取付部に大きな力が加わら
ず破壊が起こらない。また、磁気シールド５の取付方法
を溶接にすることにより、取付部がより頑丈になる。

【００１０】上記実施例は、磁気シールド５の取付方法
を溶接にする場合について述べたが、溶接の代わりに溶
着剤を用いてもよい。この場合は、溶接のような特別な
技術が不要であるという利点がある。

【００１１】また、溶接の代わりにねじ類を用いても、
タンク３が変位しても取付部に大きな力が加わらず破壊
が起こらないという利点は同じである。この場合は、作
業が容易である。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、静止誘導電器の磁気シ
ールドの取付部分の破壊を防ぐことができる静止誘導電
器の磁気シールドを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の静止誘導電器の磁気シールドの実施例
を取付けた変圧器の断面図。

【図２】図１のＡ矢視部の側面図。

【図３】従来の静止誘導電器の磁気シールドの実施例の
Ａ矢視部の側面図。

【図４】図３のIV−IV矢視部の断面図。

【図５】従来の静止誘導電器の磁気シールドの実施例の
Ａ矢視部の側面図。

【図６】図５のVI−VI矢視部の断面図。

【符号の説明】

１…鉄心、２…巻線、３…タンク、４…ステー、５…磁
気シールド、６…取付板、７…締金具、８…漏れ磁束。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鉄心と、前記鉄心に巻回された巻線と、前
   記鉄心及び前記巻線を収納するタンクと、前記タンクを
   横方向に補強するステーと、前記タンクの内側に短冊状
   に設けられた磁気シールドを備えた静止誘導電器におい
   て、前記磁気シールドがステーに対応する位置に取付板
   によって固定されていることを特徴とする静止誘導電器
   の磁気シールド。
2. 【請求項２】請求項１において、前記タンクと前記磁気
   シールドの距離を前記タンクの変位幅より広くとった静
   止誘導電器の磁気シールド。