JPH07211187A - キーボードスイッチおよびその製造方法 - Google Patents

キーボードスイッチおよびその製造方法

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JPH07211187A
JPH07211187A JP6012067A JP1206794A JPH07211187A JP H07211187 A JPH07211187 A JP H07211187A JP 6012067 A JP6012067 A JP 6012067A JP 1206794 A JP1206794 A JP 1206794A JP H07211187 A JPH07211187 A JP H07211187A
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JP
Japan
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push button
intermediate layer
key top
keyboard switch
pressed
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Application number
JP6012067A
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English (en)
Inventor
Naoki Ando
直樹 安藤
Mitsuru Oba
充 大庭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BAAD PROD KK
JSR Corp
Original Assignee
BAAD PROD KK
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
Application filed by BAAD PROD KK, Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical BAAD PROD KK
Priority to JP6012067A priority Critical patent/JPH07211187A/ja
Publication of JPH07211187A publication Critical patent/JPH07211187A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Switches (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表示部が摩耗してその機能が減失することが
なく、しかも、薄型化が可能なキーボードスイッチおよ
びこれを有利に製造する方法を提供すること。 【構成】 キーボードスイッチは、被押圧部、可変形部
および基盤部が一体に形成された押しボタン部材と、被
押圧部上に設けられたキートップ部材と、被押圧部とキ
ートップ部材との間に設けられた、熱硬化性インクまた
は熱硬化性塗料が硬化されてなる表示部を形成する中間
層とを具えてなり、中間層によって、被押圧部とキート
ップ部材とが接合されている。製造方法は、中間層材が
設けられたキートップ部材片よりなる複合部材を製造す
る第1工程と、複合部材をインサート射出成形用金型内
に装填し、キャビテイ内に溶融された熱可塑性ポリエス
テルエラストマー材料を注入することにより、被押圧部
が中間層を介してキートップ部材に接合された状態で押
しボタン部材が成形される第2工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キーボードスイッチお
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーディオ機器、ビデオ機器、OA機
器、プッシュホンやコードレスホンなどの電話機器、電
卓、その他の装置に用いられるキーボードスイッチとし
ては、基盤部に弾性によるスプリング機能を有する可変
形部を介して被押圧部が一体に形成されてなる押しボタ
ン部材を具えてなるものが知られている。
【0003】図9は、従来のキーボードスイッチの一例
の構成を示す説明図である。このキーボードスイッチに
おいては、一対の導電端子部86が形成された基板85
上に、複数の被押圧部81が、各々その外周縁から外方
に伸びる肉厚の小さい可変形部82を介して共通の基盤
部83に一体に形成されてなる押しボタン部材80が配
置され、押しボタン部材80の被押圧部81の各々の上
面には、個々の被押圧部81を他の被押圧部81から識
別するための表示部(図示省略)が形成されると共に、
押しボタン部材80の被押圧部81の底面には、導電端
子部86に対応する短絡用接点部材84が設けられてい
る。また、押しボタン部材80上には、被押圧部81を
突出させる開口88を有するカバー部材87が配置され
ている。そして被押圧部81を押圧することにより、短
絡用接点部材84によって導電端子部86が短絡され
る。
【0004】このようなキーボードスイッチは、被押圧
部81を押圧可能な状態が得られるよう弾性的に保持す
るものがスカート状の可変形部82であるため、例えば
独立したバネ部材を利用した押しボタン部材を具えてな
るキーボードスイッチに比較して、薄型化を図ることが
できるため、携帯型装置のキーボードスイッチとして好
適である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のキーボードスイ
ッチの押しボタン部材80の素材としては、従来、主に
シリコーンゴム等のゴムが用いられているが、ゴムは柔
軟性が高いものであるため、指で被押圧部81を押圧す
るときに良好な操作感触が得られないという問題があ
る。また、被押圧部81上に形成された表示部は、長期
間の使用により摩耗して表示部としての機能が減失して
しまうという問題がある。
【0006】このような問題を解決するため、図10に
示すように、押しボタン部材80の被押圧部81上に、
透明性樹脂よりなるキートップ部材90を配置し、この
キートップ部材90の頭部91をカバー部材87の開口
88から突出させるよう構成したキーボードスイッチが
知られている。
【0007】しかしながら、この構成においては、キー
トップ部材90において、開口88より小さい径の頭部
91の下部に、開口88より大きい径の鍔部92を形成
して当該キートップ部材90が開口88から離脱するこ
とを防止する必要があるため、当該キートップ部材90
に必要な最小厚みが大きくなり、その結果、一体成形型
の押しボタン部材80を用いることによるキーボードス
イッチの薄型化の効果が大きく減殺される、という問題
がある。
【0008】また、押しボタン部材80の被押圧部81
上にキートップ部材90が設けられたキーボードスイッ
チを製造するためには、キーボードスイッチの各部材の
組立を行う際に、押しボタン部材80の各被押圧部81
上に小さなキートップ部材90を個々に配置する必要が
あるため、組立作業が煩雑となり生産性が低い、という
問題がある。
【0009】一方、厚みの小さいキートップ部材と押し
ボタン部材80の被押圧部81とを一体化することも考
えられるが、通常、透明性樹脂とシリコーンゴムとの接
着性が低いため、キートップ部材と押しボタン部材80
の被押圧部81とを十分な強度で直接接合することは困
難であり、実用上有用なものを得ることはできない。
【0010】本発明は以上のような事情に基づいてなさ
れたものであって、その目的は、表示部が摩耗してその
機能が減失されるようなことがなく、しかも、薄型化が
可能であって、携帯型装置などに好適に用いることがで
きるキーボードスイッチを提供することにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、上記のキーボ
ードスイッチを有利に製造することができる方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のキーボードスイ
ッチは、熱可塑性ポリエステルエラストマー材料を成形
することにより得られる、被押圧部と、この被押圧部の
外周縁から外方に伸びる肉厚の小さい可変形部と、この
可変形部を介して連続する基盤部とが一体に形成されて
なる押しボタン部材と、この押しボタン部材の被押圧部
上に設けられた、透明性樹脂よりなるキートップ部材
と、前記押しボタン部材の被押圧部と前記キートップ部
材との間に設けられた、熱硬化性インクまたは熱硬化性
塗料が硬化されてなる表示部を形成する中間層とを具え
てなり、前記中間層によって、前記押しボタン部材の被
押圧部とキートップ部材とが接合されていることを特徴
とする。
【0013】また、本発明のキーボードスイッチにおい
ては、前記中間層を形成するための熱硬化性インクまた
は熱硬化性塗料が、ウレタン硬化性またはエポキシ硬化
性のものであることが好ましい。
【0014】更に、本発明のキーボードスイッチにおい
ては、前記キートップ部材を形成する透明性樹脂が、ア
クリルニトリル、ブタジエンおよびスチレンより得られ
る樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂また
はアクリル系樹脂であることが好ましい。
【0015】本発明のキーボードスイッチの製造方法
は、上記のキーボードスイッチを、インサート射出成形
用金型を用いて製造する方法であって、中間層材が設け
られたキートップ部材片よりなる複合部材を製造する第
1工程と、前記複合部材を前記中間層材の外面がキャビ
ティに露出するようインサート射出成形用金型内に装填
し、当該インサート射出成形用金型のキャビテイ内に溶
融された熱可塑性ポリエステルエラストマー材料を注入
することにより、被押圧部が中間層を介してキートップ
部材に接合された状態で押しボタン部材が成形される第
2工程とを含むことを特徴とする。
【0016】また、本発明のキーボードスイッチの製造
方法の第1工程において、透明性樹脂を射出成形するこ
とにより、押しボタン部材における各被押圧部の配列に
対応して配置された複数のキートップ部材片が連結部を
介して互いに一体に連結されてなる連結体を製造し、こ
の連結体におけるキートップ部材片の一面に中間層材を
設けることにより、複数のキートップ部材片が連結され
てなる複合部材が製造されることが好ましい。
【0017】また、以上の第1工程において、透明性樹
脂シート上に押しボタン部材における被押圧部の配列に
対応して配置された中間層材を設けることにより、複数
のキートップ部材片が連結されてなる複合部材が製造さ
れてもよい。
【0018】
【作用】本発明のキーボードスイッチによれば、透明性
樹脂よりなるキートップ部材と熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー材料よりなる押しボタン部材の被押圧部との
間に中間層が介在するため、当該中間層の接着性によ
り、キートップ部材と押しボタン部材の被押圧部とが十
分に接合されて一体化されたものが得られるので、キー
トップ部材に必要とされる最小厚みを小さいものとする
ことができ、その結果、キーボードスイッチの全体の厚
みを十分に小さくすることができ、薄型化が可能とな
る。しかも、この中間層により、押しボタン部材の被押
圧部を識別するための表示部が形成されているので、当
該表示部が磨耗することがなく、従って、表示部として
の機能が減殺されることを防止することができる。
【0019】本発明の製造方法によれば、注入された溶
融熱可塑性ポリエステルエラストマー材料の熱により、
被押圧部が中間層に接着された状態の押しボタン部材を
単一の工程で成形することができ、その結果、煩雑な作
業が要求されるキートップ部材の組立が不要となり、所
期のキーボードスイッチを容易に製造することができ
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明のキーボードスイッチの一例の具体的構成
を示す説明用断面図である。
【0021】このキーボードスイッチにおいては、導電
端子部11が形成された基板10上に、複数(例えば携
帯型電話用のキーボードスイッチなどを構成する場合に
は、3行4列で合計12個)の被押圧部21の各々がそ
の外周縁から外方下方に斜めに伸びる肉厚の小さい可変
形部22を介して板状の基盤部23に一体に形成されて
なる押しボタン部材20が配置されており、この押しボ
タン部材20の各被押圧部21上には、特定の中間層4
0を介して透明性樹脂よりなるキートップ部材30が設
けられている。すなわち、押しボタン部材20の各被押
圧部21の上面とこれに係るキートップ部材30の下面
との間には、熱硬化性インクまたは熱硬化性塗料を塗布
して硬化することにより、押しボタン部材20の各被押
圧部21を識別するための表示部を形成する中間層40
が設けられており、この中間層40によって、押しボタ
ン部材20の各被押圧部21とキートップ部材30とが
互いに一体的に接合されている。
【0022】また、押しボタン部材20の各被押圧部2
1の底面には、一対の導電端子部11に対向する位置に
例えば導電性インクを印刷することにより形成された、
導電端子部11に対応する短絡用接点部材25が設けら
れている。更に、押しボタン部材20の基盤部23上に
は、カバー部材15が配置されており、このカバー部材
15に形成された開口16を介して、少なくともキート
ップ部材30の上部が上方に突出する状態とされてい
る。
【0023】押しボタン部材20の可変形部22の肉厚
は、0.05mm〜0.4mm、特に、0.1mm〜
0.2mmであることが好ましい。可変形部22の肉厚
が0.05mm未満の場合には、可変形部22の耐屈曲
疲労性が小さいものとなり、また、当該押しボタン部材
20を成形すること自体が困難なものとなる。一方、可
変形部22の肉厚が0.4mmを超える場合には、当該
押しボタン部材20は、スイッチング操作感覚が重いも
のとなる。
【0024】また、押しボタン部材20における基盤部
23に対する可変形部22の角度は、30〜60度であ
ることが好ましい。
【0025】押しボタン部材20は、熱可塑性ポリエス
テルエラストマー材料を成形して得られるものである。
この熱可塑性ポリエステルエラストマー材料としては、
熱可塑性ポリエステルエラストマー(以下、「(A)成
分」ともいう。)単体、あるいはこの(A)成分に、ジ
エン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムよりなるゴム
成分(以下、「(B)成分」ともいう。)、可塑剤(以
下、「(C)成分」ともいう。)およびシリコーンオイ
ル(以下、「(D)成分」ともいう。)の全部または一
部が含有されてなる熱可塑性ポリエステルエラストマー
組成物を用いることができる。
【0026】(A)成分である熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーは、ポリエステルブロック共重合体であり、
その重合体連鎖中に、主として芳香族ポリエステル単位
からなる高融点結晶性セグメントと、主として脂肪族ポ
リエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位
からなる低融点重合体セグメントとを有するものであ
る。
【0027】ハードセグメントである高融点性結晶セグ
メントの芳香族ポリエステル単位は、酸成分とポリオー
ル成分とから形成される。
【0028】芳香族ポリエステル単位を形成する酸成分
は、芳香族ジカルボン酸であることが好ましく、特に、
テレフタール酸および/または2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸であることが好ましい。また、テレフタール酸
および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸のほか
にイソフタール酸などの他の芳香族ジカルボン酸、ある
いはアジピン酸、セバチン酸、シクロヘキサン−1,4
−ジカルボン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸
を少量併用してもよい。
【0029】芳香族ポリエステル単位を形成するポリオ
ール成分は、炭素数2〜12のグリコールであることが
好ましく、例えばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ヘキサンジオール、デカンジオールなどであ
る。
【0030】高融点結晶性セグメントの融点の下限は特
に限定されないが、一般的には、そのホモポリマーの融
点が150℃以上、好ましくは170℃以上、さらに好
ましくは190℃以上のものである。
【0031】ソフトセグメントである低融点重合体セグ
メントを構成する脂肪族ポリエーテル単位は、ポリアル
キレングリコールにより形成されるが、その具体例とし
ては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチ
レングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共
重合体などが挙げられ、特にポリテトラメチレングリコ
ールが好ましい。これらのポリアルキレングリコール
は、その炭素数と酸素数の比が2〜4.5のものである
ことが好ましく、また、これらは単独で若しくは2種類
以上組み合わせて用いることができる。
【0032】低融点重合体セグメントを構成する他の単
位である脂肪族ポリエステル単位は、主として脂肪族ジ
カルボン酸とポリオールとにより形成される。
【0033】脂肪族ポリエステル単位を形成する脂肪族
ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、
セバチン酸、デカンジカルボン酸などが挙げられ、これ
ら脂肪族ジカルボン酸のほかにイソフタール酸などの芳
香族ジカルボン酸を少量併用してもよい。
【0034】また、脂肪族ポリエステル単位を形成する
ポリオール成分は、炭素数2〜12のグリコール成分で
あることが好ましく、その具体例としては、高融点結晶
性セグメントの芳香族ポリエステル単位を形成するポリ
オール成分として例示したものと同様のものが挙げられ
る。
【0035】脂肪族ポリエステル単位は、上記の脂肪族
ジカルボン酸とポリオール成分とを通常の方法で重縮合
させることより得られるものであり、ホモポリエステル
でも共重合ポリエステルでもよく、あるいは環状のラク
トンを開環重合して得られる、例えばポリ−ε−カプロ
ラクトンなどのポリラクトンでもよい。
【0036】低融点重合体セグメントの融点の上限は特
に限定されないが、一般的には、そのホモポリマーの融
点が130℃以下、好ましくは100℃以下のものであ
る。また、低融点重合体セグメントの分子量は、通常4
00〜6000である。
【0037】熱可塑性ポリエステルエラストマー中の高
融点結晶性セグメントと低融点重合体セグメントとの組
成比は、好ましくは重量比で95/5〜5/95であ
り、さらに好ましくは70/30〜30/70である。
また、熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、軟
化点が100℃以上であるものが好ましい。
【0038】熱可塑性ポリエステルエラストマーとして
特に好ましく用いられるポリエステルブロック共重合体
は、高融点結晶性セグメントがポリテトラメチレンテレ
フタレートまたはポリトリメチレンテレフタレート−
2,6−ナフタレートにより形成され、かつ、低融点重
合体セグメントがポリテトラメチレングリコールなどの
ポリエーテル、ポリテトラメチレンアジペート、ポリ−
ε−カプロラクトンなどのポリエステルにより形成され
るものである。
【0039】また、ジカルボン酸やグリコールの一部と
してポリカルボン酸や多官能性ヒドロキシ化合物、オキ
シ酸などが共重合されたものを用いることもできる。こ
れらの多官能性成分は、3モル%以下の範囲で共重合さ
せることにより、高粘度化成分として有効に作用する。
このような多官能性成分としては、例えばトリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、またはこれらのエステル、
酸無水物などを挙げることができる。
【0040】熱可塑性ポリエステルエラストマーは、通
常の重合方法によって製造することができる。好適な重
合方法としては、芳香族ジカルボン酸またはそのアルキ
ルエステルと低融点セグメント形成性ジオールとを、触
媒の存在下に約150〜260℃に加熱し、エステル化
反応またはエステル交換反応を行い、次いで真空下に過
剰の低分子ジオールを除去しつつ重縮合反応を行うこと
により熱可塑性エラストマーを得る方法、あらかじめ調
製した高融点ポリエステルセグメント形成性プレポリマ
ーおよび低融点重合体セグメント形成性プレポリマー
に、それらのプレポリマーの末端基と反応する2官能性
の鎖延長剤を混合し、反応させたのち、系を高真空に保
ち、揮発成分を除去することにより熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーを得る方法、高重合度の高融点ポリエス
テルとラクトン類とを加熱混合し、ラクトンを開環重合
させつつエステル交換反応させることにより熱可塑性ポ
リエステルエラストマーを得る方法などが挙げられる。
【0041】(B)成分であるゴム成分は、ジエン系ゴ
ムおよびアクリル系ゴムの両方または少なくとも一方よ
りなるものである。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、
ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
クロロプレンゴム、n−ブチルアクリレート−ブタジエ
ンゴム、n−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−
ブタジエンゴムが挙げられる。
【0042】アクリル系ゴムとしては、アクリル酸エス
テルゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴム
が挙げられ、これらのアクリル系ゴムは、架橋点を形成
するエポキシ基、活性塩素基、カルボキシル基などの反
応性基を有するモノマーが共重合されたものであっても
よい。
【0043】これらの中で好ましいものは、アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム、n−ブチルアクリレート−ブ
タジエンゴム、n−ブチルアクリレート−アクリロニト
リル−ブタジエンゴム、アクリル系ゴムであり、特に好
ましいものはアクリロニトリル−ブタジエンゴムであ
る。
【0044】また、以上の(B)成分としては、極性基
が導入されたものを用いることが好ましい。このような
(B)成分が含有されてなる熱可塑性ポリエステルエラ
ストマー材料によって得られる押しボタン部材20は、
中間層40との接着性が高いものとなる。
【0045】また、熱可塑性ポリエステルエラストマー
材料としては、上記の(B)成分が、(A)成分である
熱可塑性ポリエステルエラストマー中に分散混合されて
いるものを用いることが好ましい。
【0046】(C)成分である可塑剤の例としては、プ
ロセスオイル、またはエクステングオイルと呼ばれる鉱
物油系ゴム用軟化剤、ジオクチルフタレート、ジブチル
フタレート、ジエチルフタレート、ブチルベンジルフタ
レート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデ
シルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジイソノニ
ルフタレートなどのフタル酸エステル類、トリクレジル
ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホ
スフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、
トリメチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェ
ート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・ジ
クロロプロピルホスフェート、縮合リン酸エステル、ト
リフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフ
ェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホ
スフェート、トリラウリルホスフェート、トリセチルホ
スフェート、トリステアリルホスフェート、トリオレイ
ルホスフェートなどのリン酸エステル類、トリメリット
酸オクチルエステル、トリメリット酸イソノニルエステ
ル、トリメリット酸イソデシルエステルなどのトリメリ
ット酸エステル類、ジペンタエリスリトールエステル
類、ジオクチルアジペート、ジメチルアジペート、ジ−
2−エチルヘキシルアジペート、ジイソブチルアジペー
ト、ジブチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ
ブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチルヘキシ
ルアゼレート、ジオチクルアゼレート、ジオクチルセバ
ケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチルア
セチルリシノレートなどの脂肪酸エステル類、ピロメリ
ット酸オクチルエステルなどのピロメリット酸エステル
類、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ
化脂肪酸アルキルエステル(例えばエポキシ化脂肪酸オ
クチルエステル)などのエポキシ系可塑剤、アジピン酸
エーテルエステル、ポリエーテルエステル、ポリエーテ
ルなどのポリエーテル系可塑剤などが挙げられ、これら
の可塑剤は単独でまたは2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。
【0047】(C)成分である可塑剤は、熱可塑性ポリ
エステルエラストマー材料の流動性を向上させると共
に、硬度を下げる目的などで使用されるが、可塑剤の使
用目的に応じて、(A)成分に選択的に作用するもの、
(B)成分に選択的に作用するもの、または(A)成分
および(B)成分の両成分に作用するものなどを適宜選
択することができる。
【0048】また、可塑剤を用いる場合には、他の成分
との親和性の観点から、フタル酸エステル類、リン酸エ
ステル類、エポキシ系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、
トリメリット酸エステル類などを用いることが好まし
く、特に、フタル酸エステル類、トリメリット酸エステ
ル類およびポリエーテル系可塑剤を用いることが好まし
い。このような可塑剤を用いることによって、得られる
成形体にブリードが生じることを抑止することができ
る。
【0049】(D)成分であるシリコーンオイルは、押
しボタン部材20を射出成形により製造する際におい
て、金型からの離型性を向上させる効果を有するもので
ある。
【0050】シリコーンオイルの具体例としては、ジメ
チルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、メチルフ
ェニルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロ
キサン、またはこれらのポリシロキサンの一部をエポキ
シ基やアミノ基で変性したものが挙げられる。これらの
中で好ましいものは、ジメチルポリシロキサンであり、
特に好ましいものは、25℃における粘度が10〜30
000csのジメチルポリシロキサンよりなるシリコー
ンオイルである。
【0051】以上において、(A)成分と(B)成分と
(C)成分との使用割合は、(A)成分:(B)成分:
(C)成分が60〜100重量%:0〜20重量%:0
〜30重量%であり、好ましくは60〜95重量%:5
〜15重量%:0〜25重量%、さらに好ましくは70
〜95重量%:5〜10重量%:0〜20重量%であ
る。
【0052】(A)成分の割合が60重量%未満の場合
には、当該熱可塑性ポリエステルエラストマー材料は、
加工性が低いものとなり、しかも、当該熱可塑性ポリエ
ステルエラストマー材料より得られる押しボタン部材2
0は機械的強度が小さいものとなる。
【0053】(B)成分の割合が20重量%を超える場
合には、当該熱可塑性ポリエステルエラストマー材料
は、加工性が低いものとなり、しかも、当該熱可塑性ポ
リエステルエラストマー材料より得られる押しボタン部
材20は機械的強度が小さいものとなる。
【0054】(C)成分の割合が30重量%を超える場
合には、当該熱可塑性ポリエステルエラストマー材料よ
り得られる押しボタン部材20には、可塑剤のブリード
アウトが生ずるため、当該押しボタン部材20は中間層
40との接着性が低いものとなる。
【0055】また、(D)成分の使用割合は、(A)成
分、(B)成分および(C)成分の混合成分100重量
部に対して0〜1重量部であり、好ましくは0.01〜
1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、特
に好ましくは0.01〜0.2重量部である。
【0056】(D)成分の割合が1重量部を超える場合
には、当該熱可塑性ポリエステルエラストマー材料より
得られる押しボタン部材20には、(D)成分のブリー
ドアウトが生するため、当該押しボタン部材20は中間
層40との接着性が低いものとなる。
【0057】上記の熱可塑性ポリエステルエラストマー
材料には、必要に応じて、種々の添加剤、例えば公知の
結晶核剤や滑剤などの成形助剤、公知の酸化防止剤、紫
外線吸収剤などの耐熱・耐候性の安定剤、帯電防止剤、
離型剤、染料や顔料などの着色剤等を加えることができ
る。
【0058】本発明において、熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー材料として、上記の各成分が、各種押出機、
バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール、さ
らにこれらを組み合わせたものなどによって、溶融混練
されたものを用いることが好ましい。溶融混練する際に
おいては、各成分の添加順序は特に限定されず、例えば
全成分を同時に混練することもでき、また、任意の成分
を混練した後、他の成分を添加して混練することもでき
る。
【0059】また、(D)成分については、例えば
(A)成分、(B)成分および(C)成分を溶融混練し
たものに、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、タ
ンブラーなどにより混合する方法、(A)成分の重合工
程中若しくは終了時に添加する方法などにより添加する
ことができる。また、予め(D)成分を(A)成分に高
濃度に配合したマスターバッチを作製し、これを最終的
な割合となるよう混合する方法により添加してもよい。
【0060】また、以上のようにして得られる熱可塑性
ポリエステルエラストマー材料は、JIS A硬度が6
0〜100のものであることが好ましい。JIS A硬
度が60未満の場合には、当該熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー材料より得られる押しボタン部材20は、ク
リック感が不足し、スイッチとしての応答性が低いもの
となる。JIS A硬度が100を超える場合には、当
該熱可塑性ポリエステルエラストマー材料より得られる
押しボタン部材20は、当該押しボタン部材20の被押
圧部21を押圧するために必要な荷重が大きくなるた
め、スイッチとしての応答性が低いものとなる。
【0061】また、熱可塑性ポリエステルエラストマー
材料は、MFR(メルトフローレート)が20g/10
min以上のものであることが好ましい。ここに、MF
Rとは、JIS K7210(230℃,2.16k
g)に準拠して測定されるものをいう。MFRが20g
/10min未満の場合には、当該熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー材料は溶融された状態の流動性が低いも
のであるため、肉厚の小さい可変形部22を成形するこ
とが困難となる。
【0062】キートップ部材30を構成するための透明
性樹脂材料としては、アクリル系樹脂、透明性を有す
る、アクリルニトリル、ブタジエンおよびスチレンより
得られる樹脂(透明性ABS樹脂)、透明性ポリエステ
ル樹脂またはポリカーボネート樹脂を用いることができ
る。
【0063】本発明において、中間層40は、熱硬化性
インクまたは熱硬化性塗料により形成されることが必要
であり、これにより、熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー材料よりなる押しボタン部材20の被押圧部21と、
透明性樹脂よりなるキートップ部材30との両者に対し
て良好な接着性が得られ、両者を接合する接合部として
十分な機能を有するものとなる。
【0064】中間層40を形成するための熱硬化性イン
クまたは熱硬化性塗料としては、ウレタン硬化性または
エポキシ硬化性のものを用いることが好ましい。ここ
に、ウレタン硬化性とは、ウレタン結合の形成が硬化に
関与するものをいい、また、エポキシ硬化性とは、エポ
キシ基の開環反応が硬化に関与するものをいう。
【0065】また、中間層40は、押しボタン部材20
の被押圧部21の上面において、特定の形状で形成され
ることにより、押しボタン部材20における個々の被押
圧部21を他の被押圧部21から識別するための表示部
としての機能を有するものとして形成される。例えば中
間層40は、「0」から「9」までの数字、「#」、
「*」などの記号、その他文字等を表す形状で形成され
るが、具体的には、図3に示すように、当該形状を取り
囲む状態の、いわゆる中抜き文字または白抜き文字が表
された状態で設けられている。
【0066】この中間層40は、押しボタン部材20の
被押圧部21の上面において、その付着面積が60%以
上を占めるよう形成されていることが好ましく、この観
点から、中間層40は、中抜き文字または白抜き文字を
形成する状態とすることが好ましい。また、中間層40
の厚みは、5〜30μmであることが好ましい。このよ
うな条件を満足することにより、押しボタン部材20の
被押圧部21とキートップ部材30とが確実に接合され
る。
【0067】以上のキーボードスイッチによれば、熱可
塑性ポリエステルエラストマー材料よりなる押しボタン
部材20の被押圧部21の上面と透明性樹脂よりなるキ
ートップ部材30の下面との間に、両者に接着性を有す
る中間層40が設けられ、この中間層40によって押し
ボタン部材20の被押圧部21とキートップ部材30と
が互いに十分な強度で接合されて一体化された状態が得
られるので、キートップ部材30の厚みを小さいものと
することができ、その結果、キーボードスイッチの全体
の厚みを十分に小さくすることができ、キーボードスイ
ッチの薄型化が可能となる。また、押しボタン部材20
の被押圧部21とキートップ部材30とが一体化されて
いることにより、各部材の組立作業においては、基本的
には、単に基板10、押しボタン部材20およびカバー
部材15の組立を行えばよいので、製造が容易となる。
しかも、押しボタン部材20の被押圧部21を識別する
ための表示部が、中間層40において形成されており、
このため、キートップ部材30によって中間層40が保
護され、直接触れられることがないので、摩耗すること
がなく、その結果、表示部としての機能が減失されるこ
とがない。
【0068】また、中間層40を形成するための熱硬化
性インクまたは熱硬化性塗料として、ウレタン硬化性ま
たはエポキシ硬化性のものを用いることにより、キート
ップ部材30と押しボタン部材20の被押圧部21との
接合強度を十分に高いものとすることが容易である。
【0069】また、キートップ部材30を形成する透明
性樹脂材料として、透明性ABS樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂またはアクリル系樹脂を用い
ることにより、機械的強度が高く、しかも、中間層40
との接着性が高いキートップ部材30が得られる。
【0070】以上において、押しボタン部材20の被押
圧部21の下方に、例えば発光ダイオードよりなる発光
部材18を設けることにより、照光式のキーボードスイ
ッチとして構成することができる。この場合には、押し
ボタン部材20の被押圧部21が透光性を有することが
必要である。そのため、被押圧部21の厚みは1〜3m
mであることが好ましく、これにより、被押圧部21
は、十分な強度を有し、しかも、透光性も十分なものと
なる。
【0071】次に、本発明のキーボードスイッチの製造
方法について説明する。本発明の製造方法においては、
その第1工程において、キートップ部材の材料であるキ
ートップ部材片の一面に、中間層の材料である中間層材
を設けてなる複合部材を製造する。この複合部材は、単
一のキートップ部材に対応した単一のキートップ部材片
よりなるものとしてもよいが、通常、目的とするキーボ
ードスイッチの複数の押しボタンの配列、具体的には、
押しボタン部材の各被押圧部の配列に従って、複数のキ
ートップ部材片が互いに連結部を介して連結されてなる
ものとすることが好ましい。
【0072】例えば図2に示すように、透明性樹脂材料
を射出成形することにより、押しボタン部材の各被押圧
部の配列に対応した配列、この例では4つのキートップ
部材片31が2行2列となる状態で配置され、これらが
互いに連結部32を介して連結されてなる連結体34を
製造する。そして、図3に示すように、この連結体34
の各キートップ部材片31の、製品において下面または
内面となる一面に、表示部として機能する形態の熱硬化
性インク層または熱硬化性塗料層を形成し、その後、硬
化処理を行って中間層材41を形成することにより、複
合部材35が得られる。この例では、中間層材41は、
数字「1」〜「4」が中抜き文字として形成されてい
る。
【0073】このような方法により複合部材35を得る
場合には、透明性樹脂材料として、特に、アクリル系樹
脂または透明性ABS樹脂を用いることが好ましい。
【0074】熱硬化性インク層または熱硬化性塗料層を
形成する手段としては、スクリーン印刷、パッド印刷な
どを利用することができる。
【0075】複合部材35のキートップ部材片31に形
成された中間層材41は、完全に硬化された状態であっ
てもよく、また、半硬化の状態であってもよい。ただ
し、後述するインサート射出成形において注入された熱
可塑性ポリエステルエラストマー材料により、当該中間
層40に変形などが生じない程度に硬化されている必要
がある。
【0076】本発明の製造方法においては、その第2工
程において、上記の第1工程によって製造された複合部
材35をインサート射出成形用金型内に装填し、前述の
熱可塑性ポリエステルエラストマー材料を用いてインサ
ート射出成形を行う。
【0077】図4は、本発明の製造方法に用いることが
できるインサート射出成形用金型の一例における一部の
構成を示す説明用断面図である。このインサート射出成
形用金型は、射出成形機の固定盤(図示省略)に取り付
けられる固定側金型50と、射出成形機の可動盤(図示
省略)に取り付けられる可動側金型60とよりなり、更
に、固定側金型50がランナーストリッパープレート5
2を具えた固定側受板51と固定側型板55とにより構
成されると共に、可動側金型60が可動側型板61とイ
ンサート受板65とにより構成される、いわゆる4枚型
の金型として構成されている。
【0078】具体的には、インサート受板65の一面側
(図で右側)に可動側型板61が離接可能に設けられ、
この可動側型板61の一面側(図で右側)に固定側型板
55が配置され、固定側型板55の一面側(図で右側)
にランナーストリッパープレート52を具えた固定側受
板51が離接可能に設けられている。図4は、固定側受
板51、固定側型板55、可動側型板61およびインサ
ート受板65の全部が開いた状態を示している。また、
二点鎖線で示すように、可動側型板61が固定側型板5
5に閉じた状態において、固定側型板55および可動側
型板61により囲まれる空間によって押しボタン部材2
0に対応した形態のキャビティCが形成され、固定側受
板51およびランナーストリッパープレート52には、
それぞれの中央部を貫通するようスプルー53が形成さ
れ、固定側型板55には、スプルー53に連通してラン
ナー56が形成され、さらにランナー56からキャビテ
ィCまで連通するようゲート57が形成されている。そ
して、インサート受板65の一面には、装填される複合
部材35の形状に適合する形状を有する装填溝66が形
成され、可動側型板61の他面には、装填された複合部
材35における連結部32をキートップ部材片31との
境界において切断する切断部材62が設けられている。
また、図示しないが、インサート受板65には、その一
端が突き出されることにより成形品を離型させるエジェ
クターピンが設けられている。
【0079】キャビティCを形成する部分例えば固定側
型板55を構成する材料としては、多孔質金属材料を用
いることが好ましい。これにより、キャビティC内の空
気や成形材料から発生するガスが多孔質金属よりなる部
分を介して外部に排出されるので、キャビティC内のガ
ス抜きが十分に行われ、その結果、押しボタン部材の肉
厚の小さい可変形部の成形が容易となる。
【0080】上記のようなインサート射出成形用金型を
用いることにより、以下のようにして、被押圧部上にキ
ートップ部材が設けられた押しボタン部材が得られる。
すなわち、インサート射出成形用金型が取り付けられた
射出成形機において、金型におけるインサート受板65
の装填溝66内に、一点鎖線で示すように、複合部材3
5を、その中間層材41が形成された一面が可動側型板
61に対向するよう装填した後、当該金型を閉じること
により、複合部材35におけるキートップ部材片31と
連結部32との間が切断部材62によって切断され、中
間層材41の外面がキャビティCに露出した状態とな
る。一方、ホッパーに投入された熱可塑性ポリエステル
エラストマー材料を、スクリューを回転させることによ
り溶融させてシリンダーの先端部に充填した後、スクリ
ューをピストン駆動させることにより、溶融した熱可塑
性ポリエステルエラストマー材料を前記金型のキャビテ
ィC内に注入する。
【0081】そして、この金型によってキャビティC内
の熱可塑性ポリエステルエラストマー材料を冷却固化し
て、成形された押しボタン部材が中間層材41に接着さ
れた状態とし、その後、固定側型板55から可動側型板
61を開いて成形品を取り出すことによって、被押圧部
上に中間層を介してキートップ部材が一体的に接合され
た押しボタン部材が得られる。一方、可動側型板61か
らインサート受板65を開くことにより、インサート受
板65の装填溝66から、切断された複合部材35の連
結部32が取り除かれる。
【0082】このような第2工程によって製造された、
被押圧部上にキートップ部材が設けられた押しボタン部
材と、その他の部材とを組み立てることにより、キーボ
ードスイッチが得られる。
【0083】以上の製造方法によれば、注入された溶融
している熱可塑性ポリエステルエラストマー材料の熱に
より、当該熱可塑性ポリエステルエラストマー材料がキ
ートップ部材片31の一面に形成された中間層材41に
接着され、この状態で押しボタン部材20が成形される
ので、押しボタン部材20の成形および押しボタン部材
20の被押圧部21とキートップ部材30との一体化の
両方を単一の工程で行うことができ、その結果、キート
ップ部材30の組立作業が不要となる。従って、簡単な
工程により、押しボタン部材20の被押圧部21上にキ
ートップ部材30が設けられたキーボードスイッチを容
易に製造することができる。
【0084】また、複数のキートップ部材片31が連結
されてなる複合部材35を用いることにより、複合部材
35をインサート受板65の装填溝に装填する際には、
1回の装填作業で押しボタン部材20の被押圧部21の
数に応じた数のキートップ部材片31の装填が達成され
るので、更に有利にキートップ部材が設けられたキーボ
ードスイッチを製造することができる。
【0085】本発明のキーボードスイッチの製造方法に
おいては、その第1工程において、図5に示すように、
透明性樹脂製のシートS上に、押しボタン部材の各被押
圧部の配列に従って、表示部として機能する形態の熱硬
化性インク層または熱硬化性塗料層を形成し、その後、
硬化処理を行って中間層材41を形成することにより、
複合部材を製造してもよい。この場合には、第2工程に
おいて中間層材41が形成されたシートSをそのまま複
合部材36として用いることもでき、このときには、シ
ートSにおける中間層材41が形成された部分がキート
ップ部材片であり、その他の部分が連結部である。ま
た、中間層材41が形成されたシートSに対して打ち抜
き加工を施すことにより、図6に示すようなキートップ
部材片31と連結部32とよりなる複合部材37を製造
することもできる。
【0086】このように、透明性樹脂製シートSから複
合部材を作製する場合には、透明製樹脂として、アクリ
ル系樹脂、透明ABS樹脂またはポリエチレンテレフタ
レート(PET)樹脂、特にゴム含有アクリル系樹脂を
用いることが好ましい。また、透明性樹脂製シートSと
しては、厚みが0.2〜1mmのものを用いることが好
ましい。このような透明性樹脂製シートSを用いること
により、第2工程において、キートップ部材片の切断分
離を確実に行うことができる。
【0087】また、中間層材41が形成されたシートS
を、そのまま複合部材36としてインサート射出成形を
行う場合には、図7に示す構成のインサート射出成形用
金型を用いることが好ましい。
【0088】図7のインサート射出成形用金型において
は、インサート受板65の一面に形成された装填溝67
が、複合部材36のキートップ部材片に対応する機能部
分67a(シートSにおける中間層材41が形成された
部分に対応する部分)がシートSの厚みに適合する厚み
を有し、それ以外の周辺部分67bがシートSよりも大
きい厚み例えばシートSの2倍の厚みを有するものとさ
れ、可動側型板61におけるインサート受板65と対向
する面には、周辺部分67bに対向する部分に、例えば
シートSの厚みに適合する厚みを有する突出部分63が
形成されている。そして、可動側型板61とインサート
受板65とが閉じた状態において、突出部分63が装填
溝67の周辺部分67bに進入し、周辺部分67bと突
出部分63との距離がシートSの厚みに適合するものと
される。また、固定側金型50は図4のインサート射出
成形用金型と同様の構成である。
【0089】このような金型を用いることにより、複合
部材36がシート状であっても、可動側金型61の突出
部分63により、複合部材36において必要とされるキ
ートップ部材片を機能部分67aに残した状態で、不要
な他の部分を確実に切断分離することができる。
【0090】また、図7に示すように、インサート受板
65における装填溝66の周辺部分67bの位置に通気
孔68を設け、複合部材を装填する際にインサート受板
65の他面側から吸引し、インサート射出成形後インサ
ート受板65が可動側型板61から開く際にインサート
受板65の他面側から圧縮空気を送り込むことにより、
複合部材の装填と、切断された複合部材の連結部の取り
外しとを確実に行うことができる。
【0091】以下、本発明の具体的な実施例について説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 <実施例1> 〔インサート射出成形用金型の作製〕図4に示す構成に
従い、金型の材料として、固定側型板には、平均空孔率
25%、平均空孔径7μm、硬度HRC40の多孔質金
属「ポーセラックスIIPM40(新東工業社製)」を用
い、これ以外の部分には、S55C系の一般金属鋼を用
いて、キャビティにおける可変形部に対応する部分(図
4においてC1で示す)の厚みが0.13mm、被押圧
部に対応する部分の厚みが2mm、基盤部に対応する部
分(図4においてC2で示す)に対する可変形部に対応
する部分の角度が51度である金型Aを作製した。
【0092】〔熱可塑性ポリエステルエラストマー材料
の調製〕熱可塑性ポリエステルエラストマー「PIBI
FLEX 35M(エニケム・ポリメリ社製)」75重
量部と、アクリロニトリルブタジエンゴム「JSR/N
230S(日本合成ゴム社製)」5重量部と、シリコー
ンオイル「シリコーンオイルSH(東レダウコーニング
シリコーン社製)」0.05重量部とを、ヘンシェルミ
キサーにより混合した後、2軸押出機により、加熱温度
200℃、スクリュー回転数150r.p.m.の条件
で混練し、混練中に2軸押出機の途中から可塑剤「サン
ソサイザーDUP(新日本理科社製)」20重量部を添
加し、熱可塑性ポリエステルエラストマー材料を調製し
た。この熱可塑性ポリエステルエラストマー材料のJI
S A硬度は86であり、MFRは102g/10mi
nであった。上記の熱可塑性ポリエステルエラストマー
「PIBIFLEX 35M」は、芳香族ポリエステル
(ポリブチレンテレフタレート)のハードセグメントと
ポリエーテル(ポリテトラメチレングリコール)のソフ
トセグメントとが複数交互に連結したマルチブロックポ
リマーであり、分子量が100000〜150000、
軟化点が175℃、JIS A硬度が93のものであ
る。
【0093】〔第1工程〕耐熱性透明性ABS樹脂「J
SR−ABS 58(日本合成ゴム社製)」を射出成形
することにより、各キートップ部材片の厚みが1mmで
ある図2に示す構成の連結体を作製した。この連結体の
各キートップ部材片の一面に、ウレタン系熱硬化性イン
ク(標準硬化温度80℃)を用いて中抜き印刷し、その
後、70℃で3時間の硬化処理を行うことにより、厚み
が15μmの中間層材を形成して、図3に示す構成の複
合部材を得た。中間層材の付着面積は、押しボタン部材
の被押圧部の上面の面積の95%であった。
【0094】〔第2工程〕調製した熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー材料を十分に乾燥した後、これを用い
て、金型Aを取り付けた射出成形機において、金型Aの
インサート受板の装填溝に、第1工程によって得られた
複合部材を装填し、成形温度210℃、金型冷却時間2
0秒間の条件で成形することにより、被押圧部にキート
ップ部材が設けられた押しボタン部材を得た。
【0095】得られた押しボタン部材の被押圧部の底面
に、スクリーン印刷によりカーボンブラック型導電性イ
ンクを印刷した後80℃で200分間放置することによ
り接点部材を形成した。この押しボタン部材を用いて、
図1に示す構成のキーボードスイッチを製造した。
【0096】<実施例2>下記の点以外は実施例1と同
様にしてキーボードスイッチを製造した。 〔第1工程〕厚みが0.8mmのポリエチレンテレフタ
レート樹脂よりなるシートの一面に、目的とするキーボ
ードスイッチにおける押しボタン部材の被押圧部の配列
に従って、ウレタン系熱硬化性インク(標準硬化温度8
0℃)を用いて中抜き印刷し、70℃、3時間の条件で
硬化処理することにより、中間層材を形成した。この中
間層材が形成されたシートを打ち抜き加工を施すことに
より、図6に示す構成の複合部材を得た。中間層材の付
着面積は、押しボタン部材の被押圧部の上面の面積の9
5%であった。
【0097】<実施例3>下記の点以外は実施例1と同
様にしてキーボードスイッチを製造した。 〔インサート射出成形用金型の作製〕図7に示す構成に
従い、金型の材料として、固定側型板には、平均空孔率
25%、平均空孔径7μm、硬度HRC40の多孔質金
属「ポーセラックスIIPM40(新東工業社製)」を用
い、これ以外の部分には、S55C系の一般金属鋼を用
いて、キャビティにおける可変形部に対応する部分の厚
みが0.13mm、被押圧部に対応する部分の厚みが
1.5mm、基盤部に対応する部分に対する可変形部に
対応する部分の角度が51度であるである金型Bを作製
した。
【0098】〔第1工程〕厚みが0.8mmのゴム含有
アクリル樹脂よりなるシートの一面に、目的とするキー
ボードスイッチにおける押しボタン部材の被押圧部の配
列に従って、ウレタン系熱硬化性インク(標準硬化温度
80℃)を用いて中抜き印刷し、70℃、3時間の条件
で硬化処理することにより、中間層材を形成して、図5
に示す構成の複合部材を得た。中間層材の付着面積は、
押しボタン部材の被押圧部の上面の面積の95%であっ
た。
【0099】以上の実施例1〜3のインサート射出成形
において、エジェクタピンを突き出すことにより成形品
を容易に離型させることができ、ランナーおよびスプル
ーの部分は、取り出しロボットにより取り出すことがで
きた。また、キートップ部材片と連結部とは確実に切断
されており、実施例1〜2おいては、可動側型板からイ
ンサート受板を開く際に、切断された連結部が装填溝か
ら自然に落下し、実施例3においては、通気孔から圧縮
空気を送り込むことにより、切断された連結部を装填溝
から確実に取り外すことができた。
【0100】<比較例1>実施例1において、連結体を
ウレタン系熱硬化性インクの印刷をせずに金型Aのイン
サート受板の装填溝に装填し、被押圧部に直接キートッ
プ部材が接する状態で形成された押しボタン部材を得た
こと以外は同様にしてキーボードスイッチを得た。この
キーボードスイッチは、キートップ部材は僅かな引き剥
がし力で押しボタン部材の被押圧部から剥離するもので
あった。
【0101】実施例1〜3により得られたキーボードス
イッチの発光部材を点灯させたところ、押しボタン部材
の被押圧部が十分な透光性を有するものであることが確
認された。
【0102】<実験例>実施例1〜3により得られたキ
ーボードスイッチについて、下記の項目の評価を行っ
た。 〔スッチング操作感覚〕キーボードスイッチの押しボタ
ン部材の押圧荷重を測定した。ここに、押圧荷重および
クリック率とは、以下のようにして測定されるものをい
う。 押圧荷重 基板に設置された押しボタン部材の被押圧部を一定の速
度で押圧し、被押圧部の底面が基板に接触するまでに測
定される最大動作荷重を押圧荷重という。本実験例にお
いては、2mm/secの速度で押圧したときの押圧荷
重を求めた。 クリック率 押しボタン部材の被押圧部の押圧において、測定される
動作荷重とストロークとの間には、図8に示すような関
係が得られる。この図において、最大ピークにおける動
作荷重P1 に対する動作荷重P1 と最小ピークにおける
動作荷重P2 の差の比をクリック率という。すなわち、
クリック率αは、α=(P1 −P2 )/P1 ×100
(%)で求められる。本実施例においては、2mm/s
ecの速度で押圧したときのクリック率を求めた。以上
において、押圧荷重が300g以下で、かつクリック率
が30%以上のものがスイッチング操作感覚の良好なも
のである。 〔耐久性〕また、100万回の打鍵テストを行い、キー
トップ部材の剥離の有無を調べ、また、打鍵テスト後の
キーボードスイッチの押圧荷重および電気抵抗を測定
し、打鍵テスト前の値と比較した。なお、電気抵抗は、
くし型電極(電極幅0.3mm,間隔0.3mm)を用
い、被押圧部を荷重200gで押圧した状態で測定し
た。結果を表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】表1から明らかなように、実施例1、実施
例2および実施例3により得られたキーボードスイッチ
は、スイッチング操作感覚に優れ、しかも、100万回
の打鍵によっても、キートップ部材が押しボタン部材の
被押圧部から剥離することがなく、また、押圧荷重およ
び電気抵抗の変化が小さい、耐久性の高いものであっ
た。
【0105】
【発明の効果】本発明のキーボードスイッチによれば、
透明性樹脂よりなるキートップ部材と熱可塑性ポリエス
テルエラストマー材料よりなる押しボタン部材の被押圧
部との間に中間層が介在するため、当該中間層の接着性
により、キートップ部材と押しボタン部材の被押圧部と
が十分に接合されて一体化されたものが得られるので、
キートップ部材の厚みを小さいものとすることができ、
その結果、キーボードスイッチの薄型化が可能となる。
しかも、この中間層により、押しボタン部材の被押圧部
を識別するための表示部が形成されているので、中間層
がキートップ部材によって保護されるため、当該表示部
が磨耗することがなく、従って、表示部としての機能が
減殺されることを防止することができる。
【0106】本発明の製造方法によれば、注入された溶
融している熱可塑性ポリエステルエラストマー材料の熱
により、当該熱可塑性ポリエステルエラストマー材料が
キートップ部材片の一面に形成された中間層材に接着さ
れ、この状態で押しボタン部材が成形されるので、押し
ボタン部材の成形および押しボタン部材の被押圧部とキ
ートップ部材との一体化の両方を単一の工程で行うこと
ができ、その結果、キートップ部材の組立作業が不要と
なる。従って、簡単な工程により、押しボタン部材の被
押圧部上にキートップ部材が設けられたキーボードスイ
ッチを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキーボードスイッチの一例の構成を示
す説明用断面図である。
【図2】連結体の一例を示す説明図であり、(イ)は中
間層材が形成される面側の説明図、(ロ)は説明用断面
図である。
【図3】複合部材の一例を示す説明図であり、(イ)は
中間層材が形成された面側の説明図、(ロ)は説明用断
面図である。
【図4】本発明の製造方法に用いられるインサート射出
成形用金型の一例における一部の構成を示す説明用断面
図である。
【図5】複合部材の他の例を示す説明図であり、(イ)
は中間層材が形成された面側の説明図、(ロ)は説明用
断面図である。
【図6】複合部材の更に他の例を示す説明図である。
【図7】本発明の製造方法に用いられるインサート射出
成形用金型の他の例における一部の構成を示す説明断面
図である。
【図8】被押圧部を押圧したときの動作荷重とストロー
クとの関係を示す特性曲線図である。
【図9】従来のキーボードスイッチの一例を示す説明用
断面図である。
【図10】従来のキートップ部材を具えたキーボードス
イッチの一例を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
10,85 基板 11,86 導
電端子部 15,87 カバー部材 16,88 開
口 18 発光部材 20,80 押
ボタン部材 21,81 被押圧部 22,82 可
変形部 23,83 基盤部 25,84 短
絡用接点部材 30,90 キートップ部材 31 キートッ
プ部材片 32 連結部 34 連結体 35,36,37 複合部材 40 中間層 41 中間層材 50 固定側金
型 51 固定側受板 52 ランナー
ストリッパープレート 53 スプルー 55 固定側型
板 56 ランナー 57 ゲート 60 可動側金型 61 可動側型
板 62 切断部材 63 突出部分 65 インサート受板 66,67 装
填溝 C キャビティ S 透明性樹脂
性シート 91 頭部 92 鍔部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステルエラストマー材料
    を成形することにより得られる、被押圧部と、この被押
    圧部の外周縁から外方に伸びる肉厚の小さい可変形部
    と、この可変形部を介して連続する基盤部とが一体に形
    成されてなる押しボタン部材と、 この押しボタン部材の被押圧部上に設けられた、透明性
    樹脂よりなるキートップ部材と、 前記押しボタン部材の被押圧部と前記キートップ部材と
    の間に設けられた、熱硬化性インクまたは熱硬化性塗料
    が硬化されてなる表示部を形成する中間層とを具えてな
    り、 前記中間層によって、前記押しボタン部材の被押圧部と
    キートップ部材とが接合されていることを特徴とするキ
    ーボードスイッチ。
  2. 【請求項2】 中間層を形成するための熱硬化性インク
    または熱硬化性塗料が、ウレタン硬化性またはエポキシ
    硬化性のものであることを特徴とする請求項1に記載の
    キーボードスイッチ。
  3. 【請求項3】 キートップ部材を形成する透明性樹脂
    が、アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンより
    得られる樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹
    脂またはアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載のキーボードスイッチ。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2および請求項3のい
    ずれかに記載のキーボードスイッチを、インサート射出
    成形用金型を用いて製造する方法であって、 中間層材が設けられたキートップ部材片よりなる複合部
    材を製造する第1工程と、 前記複合部材を前記中間層材の外面がキャビティに露出
    するようインサート射出成形用金型内に装填し、当該イ
    ンサート射出成形用金型のキャビテイ内に溶融された熱
    可塑性ポリエステルエラストマー材料を注入することに
    より、被押圧部が中間層を介してキートップ部材に接合
    された状態で押しボタン部材を成形する第2工程とを含
    むことを特徴とするキーボードスイッチの製造方法。
  5. 【請求項5】 複数の被押圧部が共通の基盤部に形成さ
    れてなる押しボタン部材を具えてなるキーボードスイッ
    チを製造する方法であって、 第1工程において、透明性樹脂を射出成形することによ
    り、押しボタン部材における各被押圧部の配列に対応し
    て配置された複数のキートップ部材片が連結部を介して
    互いに一体に連結されてなる連結体を製造し、この連結
    体におけるキートップ部材片の一面に中間層材を設ける
    ことにより、複数のキートップ部材片が連結されてなる
    複合部材が製造されることを特徴とする請求項4に記載
    のキーボードスイッチの製造方法。
  6. 【請求項6】 複数の被押圧部が共通の基盤部に形成さ
    れてなる押しボタン部材を具えてなるキーボードスイッ
    チを製造する方法であって、 第1工程において、透明性樹脂シート上に、押しボタン
    部材における被押圧部の配列に対応して配置された中間
    層材を設けることにより、複数のキートップ部材片が連
    結されてなる複合部材が製造されることを特徴とする請
    求項4に記載のキーボードスイッチの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003082494A (ja) * 2001-09-13 2003-03-19 Taisei Plas Co Ltd 樹脂鍍金物とその使用方法
CN110406117A (zh) * 2019-08-23 2019-11-05 固特科工业塑料件科技(深圳)有限公司 一种剪刀脚的装配夹具
US10636590B2 (en) 2017-12-25 2020-04-28 Olympus Corporation Waterproof switch device

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