JPH0721075U - 卓球用ラケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピンポン玉の衝撃を受けても変形することな
く、ピンポン玉打撃の安定性及び制御性に優れ、軽量か
つ低コストの卓球用ラケットを提供することである。 【構成】 本考案の卓球用ラケットのラケット板１０
は、木材又は合板製の芯板１と、これの両面又は片面に
貼り付けられた表面板２とからなり、この表面板はカー
ボン、ボロン、又はカーボンとボロンとの複合材料から
なる。これにより、軽量で高剛性のラケット板１０が得
られ、打撃時に変形が少なく打撃の威力に優れた卓球用
ラケットが得られた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は卓球つまりピンポンに使用されるラケットに関し、ピンポン玉を打っ た時における打撃の安定性を向上させるようにした卓球用ラケットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

卓球に使用されるラケットのラケット板つまり打板は、従来、図５に示される ように、木材製の芯板Ｗの表裏両面に面板Ｗ１を中間層Ｇを介して接着すること により形成されている。このような従来のラケット板Ｐは、例えばピンポン玉を 打った時の衝撃により外力Ｆ２を受けると、比較的大きな歪が発生して、図５に おいて符号ｄ２で示されるような比較的大きな変形が生じることになり、打撃の 安定性が悪くなることを意味する。また、ラケット板Ｐが不安定な振動を起し、 ピンポン玉がラケット板に当った後のピンポン玉の運動経路に影響が出ることに なり、思う通りに玉を操ることが難しく、試合の成績又は興味が落ちる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記従来の卓球用ラケットにおける問題点に鑑みてなされたものであ り、ピンポン玉が接触ないし衝突した際におけるラケット板の変形ないし歪みを 無くすことにより、打撃の際のピンポン玉の安定性及び制御性を良好にすること を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案は、柄部と当該柄部と一体となったラケット 板とを有する卓球用ラケットにおいて、前記ラケット板を木材又は合板製の芯板 と、当該芯板の両面又は片面に接着剤により接着された弾性係数の高い剛性材料 の表面板とにより形成したことを特徴とする卓球用ラケットである。 また本考案は、上記構造の卓球用ラケットであって、カーボン、ボロン、或い はカーボンとボロンとの複合材料により前記表面板を形成したことを特徴とする 卓球用ラケットである。 更に本考案は、上記構造の卓球用ラケットであって、前記芯板を単一層の木材 、又は単一層ないし複数層の合板により形成したことを特徴とする卓球用ラケッ トである。

【０００５】

【作用】

上記構造の本考案の卓球用ラケットにおいては、ラケット板の両面又は片面に は、弾性係数の高い高剛性材料の表面板が貼り付けられているので、ピンポン玉 の衝撃を受けたときに、ラケット板はあまり変形することなく、不安定な振動が 発生しない。これにより、制御性が優れた卓球用のラケットが得られた。

【０００６】

【実施例】

以下、図示する本考案の一実施例に係る卓球用ラケットについて詳細に説明す る。 図１は図２に示されたペンホルダー型のラケットを示し、図３はシェイクハン ド型のラケットを示す。何れのタイプのラケットも、ラケット板１０とこれに一 体となった柄部２０とを有している。 図１に示されるように、ラケット板１０は木材又は合板製の芯板１と、この芯 板１の両面に接着剤３により接着され、弾性係数が高い剛性材料からなる表面板 ２とにより形成されている。この剛性材料としては、カーボン（石墨）又はボロ ン或いはこれらのカーボンとボロンの複合材料からなる素材が使用されている。 図示する場合には、芯板１の両面に表面板２が接着されているが、芯板１の片面 のみに表面板２を接着するようにしても良い。 芯板１の素材としては、単一層の木材を使用しても良く、比較的厚みを有する 単一層の合板を使用しても良く、更には、比較的薄い合板を複数層積層するよう にしても良い。

【０００７】 図３は本考案の卓球用ラケットに対して、図５に示される従来のラケットと同 様の外力が作用した場合のラケット板１０の変形状態を示す図である。本考案の ラケット板１０はその両面に表面板２が貼り付けられているので、構造上の強度 が高くなり、外力Ｆ１を受けてもあまり変形することなく、その変位量ｄ１は従 来のラケットＰに比較すると小さくなる。即ち、外力がＦ１＝Ｆ２の場合でも、 ｄ１＜ｄ２となる。 このようにして作られた本考案のラケットは、容易に変形することなく、あま り不安定な振動が生じないから、打撃の安定性が良好となり、思う通りにピンポ ン玉を操ることができ、従来のラケットに比べて以下に述べるような利点を有し ている。

【０００８】 まず、弾性係数の高いカーボン等の表面板２を有しているので、外力を受けた ときに、ラケット板１０はあまり変形することなく、不安定な振動が発生せず、 ピンポン玉を操ることが簡単になる。即ち、股の制御性が高くなり、技術と興味 が高められる。 更に、カーボン等からなる表面板２は、薄く、高弾性、及び超軽量となること から制御性が良好となるのみならず、製造コストを低くすることができ、経済性 と実用性が大幅に向上することになった。

【０００９】 また、表面板２はカーボン等で作られており、ラケットの剛性を増加させてラ ケットの強度を高め、打撃の威力を高く発揮することができると共に、芯板１は 軟質材料で振動吸収体となり、打撃の際の振動力が充分に吸収されることから、 不安定な振動がなくなり、結果的にピンポン玉の制御性を高めることが可能とな る。かくして、正面板２と芯板１とが相俟って、球技の微妙な特性の違いが生じ ることなる。

【００１０】 尚、本考案は実用新案登録請求の範囲内において適宜に変形することができ、 例えば、ラケットの持ち心地や人間工学的に合致したラケットの柄部の形状等に ついて、図２及び図３に示された形状以外に種々の形状や構造のラケットとする ことが可能であり、図示する実施例に限られることはない。

【００１１】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、ピンポン玉の衝撃力が作用しても、あまり変形 することなく、打撃の安定性に優れたピンポン用のラケットが得られた。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本考案の一実施例に係る卓球用ラケットの断
面図、

【図２】は本考案の一実施例に係る卓球用ラケットの斜
視図、

【図３】は本考案の他の実施例に係る卓球用ラケットを
示す斜視図、

【図４】は本考案のラケットが外力を受けた場合におけ
る変形状態を示す断面図、

【図５】は従来のラケットが外力を受けた場合における
変形状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１…芯板、２…表面板、３…接着剤、１０…ラケット
板、２０…柄部。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柄部と当該柄部と一体となったラケット
   板とを有する卓球用ラケットにおいて、前記ラケット板
   を木材又は合板製の芯板と、当該芯板の両面又は片面に
   接着剤により接着された弾性係数の高い剛性材料の表面
   板とにより形成したことを特徴とする卓球用ラケット。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の卓球用ラケットであっ
   て、カーボン、ボロン、或いはカーボンとボロンとの複
   合材料により前記表面板を形成したことを特徴とする卓
   球用ラケット。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の卓球用ラケットであっ
   て、前記芯板を単一層の木材、又は単一層ないし複数層
   の合板により形成したことを特徴とする卓球用ラケッ
   ト。