JPH07208797A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天井内部の有効利用とダクト配設工事を容易
とする。 【構成】 空気調和機のダクト分岐装置５０Ａは、外周
壁にその垂直方向に開口を有する分岐ダクト接続管６０
ａを形成すると共に、外周縁に連結部６０ｂ，６０ｃを
形成する中空の円筒体６０を複数個それぞれ回動可能に
連結部によって連結して連結体を成している。そして、
連結体の一端側円筒体６０に形成される連結部に一端側
円筒体６０が回動可能となるように円筒蓋体６２を連結
し、さらに、他端側円筒体６０に形成される連結部に主
ダクト接続管を有する円筒体６３を他端側円筒体が回動
可能となるように連結するようにして、分岐ダクト接続
管６０ａを任意の方向の分岐ダクトに接続可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、各部屋へ給気
等を分配するために主ダクトから複数のダクトへ分岐す
るダクト分岐装置を備える空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一戸建住宅や集合住宅のセントラル空気
調和機では、一ケ所の空気調和機によって調温された空
気を複数のそれぞれの部屋へ給気を行っており、空気調
和機で発生した給気は主ダクトから送られ建物の天井内
部に設けられるダクト分岐装置で分岐ダクトによって各
部屋へ給気するようになっている。

【０００３】図６は、この種の従来の空気調和機に備え
るダクト分岐装置の概略図である。

【０００４】図において、５０は一般に天井内部に配置
され、一ケ所の空気調和機で発生した給気を各部屋へ分
配するためのダクト分岐装置で、長方形箱状の本体５１
の短手方向の側面５１ａに設けられる主ダクト接続管５
２と長手方向の一方の側面５１ｂに設けられる３ケの分
岐ダクト接続管５３とが連通する内部空間を形成してお
り、側面５１ｂと対応する側面（図示省略）４か所には
取付け金具５４が付設されて構成されている。

【０００５】この構成のダクト分岐装置５０では、取付
け金具５４に吊りボルト５５が取付けられ、図示省略す
る天井等に引っ掛けられ取付けられている。そして、主
ダクト５６が主ダクト接続管５２に接続されると共に、
分岐ダクト５７Ａが分岐ダクト接続管５３へ接続され、
分岐ダクト５７Ｂが分岐ダクト接続管５３へ接続され、
接続されない分岐ダクト接続管５３には盲栓５８がされ
ている。

【０００６】このようにダクト分岐装置５０は、天井内
部に吊りボルト５５等によってダクト経路上に固定され
る一方、主ダクト５６が主ダクト接続管５２に固定さ
れ、分岐ダクト５７Ａ，５７Ｂが分岐ダクト接続管５３
に固定されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の空気調和機に備えるダクト分岐装置５０では、
建物内の間取り等の状況に応じた天井内のダクト配設工
事が容易でなく、また、充分に天井内のスペースを有効
に利用した工事がされていないという問題がある。

【０００８】まず、天井内で上下方向に分岐ダクト５７
Ａ，５７Ｂが重なって配設されているという、いわゆる
分岐ダクトの重なりが生じ、このために、個別にダクト
の経路の設計変更や個別にダクト分岐装置５０の製作を
しなければならないことがあるという問題があった。す
なわち、住宅の天井内部空間は、年々減少する傾向にあ
って限られ、その限られた空間は給気ダクトのみなら
ず、還気ダクトや排気ダクト、さらに、電気系統、給排
水管にも利用され、自由に給気ダクトのみを施工するこ
とは困難なことが多い。

【０００９】例えば、図６に示すように、図示Ａ方向へ
分岐ダクト５７Ｂを配設するためには、本体５１の側面
５１ｂに設けられる分岐ダクト接続管５３に接続される
分岐ダクト５７Ｂを手前から一旦上方向に延ばし、折れ
曲がって本体５１の上方を渡るようにして分岐ダクト５
７Ｂを配設せざるを得なかった。このような場合に、分
岐ダクト５７Ｂを個別に製作する必要があり、コストア
ップの原因となっていた。

【００１０】また、天井内の状況によって図６に示す分
岐ダクト５７Ｂのように図示Ａ方向に配設できないとき
には、分岐ダクトの重なりが生じないように、例えば、
反対の側面に分岐接続管を設けたダクト分岐装置を特別
に製作しなければならなかった。

【００１１】そこで、本発明は天井内の状況に応じて任
意の方向に分岐ダクトを配設可能としてダクト工事を容
易にすると共に、天井空間の有効利用を図るダクト分岐
装置を備えた空気調和機を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、熱交換器及び
この熱交換器へ室内空気を供給するための送風機を有す
る空気調和機本体と、主ダクトの接続部及び分岐ダクト
の接続部を有するダクト分岐装置とを備え、前記空気調
和機と前記ダクト分岐装置の主ダクトの接続部とをダク
トでつなぐと共に、ダクト分岐装置の分岐ダクトの接続
部と被調和室の通風口部とを分岐ダクトとでつないだ空
気調和機において、前記ダクト分岐装置を略円筒体に形
成すると共に、円周方向に回動可能な側面を設け、この
側面に前記分岐ダクトの接続部を設けるようにしたもの
である。

【００１３】

【作用】本発明は、略円筒体に形成すると共に、円周方
向に回動可能な側面に分岐ダクトの接続部を設けるダク
ト分岐装置としたために円筒体に形成される分岐ダクト
接続部の方向を自由に定めることができ、天井空間の状
況によって分岐ダクトの方向が制限されることが少なく
施工することができる。従って、従来のような分岐ダク
トの重なりや交差を解消することができ、天井内部の有
効利用が図られる。また、天井の状況や間取りに合わせ
て個別に分岐ダクトの線路設計変更することもなくダク
ト工事が容易となる。その上、一種類のダクト分岐装置
を用意すればよく、天井や部屋の状況に合わせて特殊な
ダクト分岐装置を個別に製作する必要がなくなり、コス
トの低減が図れる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１５】図１は、本発明の一実施例を示す空気調和
機の概略構成図、図２は、図１に示す建物内の概略構成
図である。

【００１６】図中、１は空気調和機で、主に室内機２と
室外機３とで構成されている。室外機３には冷媒圧縮機
４や室外熱交換器５や四方弁（図示省略）等が設けられ
ている。

【００１７】室内機２には、室外機３に冷媒配管６で接
続されている空調用熱交換器７やこの空調用熱交換器７
へ室（空調領域）からの空気（室内循環空気）を通過さ
せ再び室へ送るための循環用ファン８や室内へ導入する
室外空気と室外へ排出する室内空気とを熱交換させる熱
回収用熱交換器９や室外空気を室内へ導入するためのフ
ァン１０や室内空気を室外へ排出するためのファン１１
等が設けられている。

【００１８】また、室内機２には、外気処理フィルタ１
２や微細な埃を除去する静電式の集塵フィルタ１３およ
びこの集塵フィルタ１３の風下側に配置された脱臭フィ
ルタ１４や空調用熱交換器７の風下側に配置された加湿
器１６等も設けられている。

【００１９】１７，１８は室内空気の排気流路、１９は
室外空気の導入流路、２０は熱回収用熱交換器９を経て
熱回収された室外空気を空調用熱交換器７に導く通風
路、２１は室内空気の還流路、２２は通風路２０に設け
られた還流路２１との接続部である。

【００２０】２６は建物２７の１階側の空調領域２８の
空調用給気吹出口２９とつなぐ調温された空調用給気の
分岐ダクトで、この分岐ダクト２６は後述するダクト分
岐装置５０Ａに接続されており、３１は空調領域２８の
室内還気取入口３２と排気口３３とをつなぐ室内排気用
ダクト、３４は空調領域２８の空調用還気取入口３５と
還気口３６とをつなぐ空調用還気ダクトである。

【００２１】３９は建物２７の２階側の空調領域４０の
空調用給気吹出口４１とつなぐ温調された空調用給気の
分岐ダクトで、この分岐ダクト３９は後述するダクト分
岐装置５０Ａに接続されており、４３は空調領域４０の
室内還気取入口４４と排気口４５とをつなぐ空調用還気
ダクトである。

【００２２】ここで、ダクト分岐装置５０Ａについて図
３乃至図５を参照して説明する。

【００２３】ダクト分岐装置５０Ａは、それぞれ中空の
円筒体６０の外周壁に分岐ダクト接続口６０ａを形成す
ると共に、それぞれの一端側外周縁には環状の連結部６
０ｂを形成し、さらに、他端側外周縁には環状の連結部
６０ｃを形成し、それぞれの連結部６０ｂの環状の部分
に他の円筒体６０の連結部６０ｃの環状の部分が回動可
能に継合し，連結部６０ｂと連結部６０ｃとが重なって
形成される環状凹部６０ｄにシール部材としてＯリング
６１が装着され、３個の円筒体６０が連結されてそれぞ
れその円周方向に回動自在としている。

【００２４】そして、先端側の円筒体６０には、円筒蓋
体６２が連結部６２ａによって連結されると共に、入口
側の円筒体６０には、主ダクト接続のための円筒体６３
が連結部６３ａと連結部６０ｂによって連結されて、こ
れらが連通空間を有する連結本体を成し、円筒体６３と
円筒蓋体６２には、図５に示す形状の吊りボルト穴６４
ａを有する取付け金具６４がそれぞれ設けられ、上記し
た連結本体は断熱材６５によって覆われている。

【００２５】このダクト分岐装置５０Ａは、円筒体６３
の接続口に主ダクト３０が接続される一方、図示Ａ方向
の分岐ダクト２６が円筒体６０の分岐ダクト接続口６０
ａに接続され、さらに、図示Ｂ方向の分岐ダクト３９が
円筒体６０の分岐ダクト接続口６０ａにそれぞれ接続さ
れ、これらが取付け金具６４に固定される吊りボルト６
６によって天井に吊り固定されている。

【００２６】このように構成された空気調和機１では、
導入された新鮮な室外空気が熱回収用熱交換器９を経た
通風路２０から接続部２２で室内からの還気と混ざった
後、空調用熱交換器７で加熱もしくは冷却され、調温さ
れた給気が主ダクト３０によって天井内に配置されるダ
クト分岐装置５０Ａへ送られる。

【００２７】ダクト分岐装置５０Ａでは、一階の空調領
域２８への分岐ダクト２６と二階の空調領域４０への分
岐ダクト３９とそれぞれ異なる方向へ分岐されている。
この場合に、ダクト分岐装置５０Ａは、図３および図４
に示すように、それぞれの円筒体６０が円周面方向、つ
まり、主ダクト３０の中心軸を軸として３６０°の回動
可能となるように構成され、図３に示す如く、施工時に
分岐ダクト２６の方は、分岐ダクト接続口６０ａが図示
Ａ方向となるように円筒体６０を回転させ、分岐ダクト
３９の方は分岐ダクト接続口６０ａが図示Ｂ方向となる
ように回転させてそれぞれ接続して、分岐ダクトの重な
りや交差を生じないように配設される。

【００２８】上記したダクト分岐装置５０Ａから分岐さ
れた分岐ダクト２６は、一階の空調領域２８に配置され
る空調用給気吹出口２９へ接続されており、調温された
給気が複数の空調用給気吹出口２９から室内へ放出され
る。

【００２９】一方、ダクト分岐装置５０Ａからの分岐ダ
クト３９は、二階の空調領域４０に配置される空調用給
気吹出口４１へ接続されており、調温された給気が複数
の空調用給気吹出口４１から室内へ放出される。

【００３０】また、一階の空調領域２８および二階の空
調領域４０から吸込まれた室内空気が室内排気用ダクト
３１および空調用還気ダクト４３により室内機２に導か
れ、熱回収用熱交換器９で室外空気と熱交換した後屋外
へ排出される。

【００３１】このように、空調用熱交換器７一つで主ダ
クト３０から給気を送り、ダクト分岐装置５０Ａで分岐
して分岐ダクト２６と分岐ダクト３９によって一階と二
階の一つの建物２７の調温および換気をすることができ
る。

【００３２】また、ダクト分岐装置５０Ａでは、円筒体
６０を複数連結した連結体として各円筒体６０を任意に
回動可能とし、円筒体６０に形成する分岐ダクト接続口
６０ａの方向を自由に定めることができるため、天井空
間の状況によって分岐ダクトの方向が制限されることが
なく施工することができ、円筒体６０は分岐ダクトの数
に応じて複数個現場で連結することができる。

【００３３】従って、従来のような分岐ダクトの重なり
や交差を解消することができ、天井内部に余裕が生じて
天井内部の有効利用が図られる。また、天井の状況や間
取りに合わせて個別に分岐ダクトの経路設計変更をする
こともなくダクト工事が容易となる。その上、一種類の
ダクト分岐装置を用意すればよく、天井や部屋の状況に
合わせて特殊なダクト分岐装置を個別に製作する必要が
なくなり、コストの軽減が図れる。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、略
円筒体に形成すると共に、この円筒体の円周方向に回動
可能な側面に分岐ダクトの接続部を設けるダクト分岐装
置としたために分岐ダクトの接続部の方向を自由に定め
ることができ、天井空間の状況によって分岐ダクトの方
向が制限されることが少なく施工することができる。従
って、天井内部の有効利用が図られ、また、個別に分岐
ダクトの経路設計変更することもなく、一種類のダクト
分岐装置を用意すればよく、空気調和機のダクト工事が
容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すダクト分岐装置を適用
する空気調和機の概略系統図。

【図２】図１の空気調和機の建物内の概略系統図。

【図３】図１のダクト分岐装置の外観斜視図。

【図４】図３のダクト分岐装置の断面図。

【図５】図３のダクト分岐装置に備える取付け金具の斜
視図。

【図６】従来のダクト分岐装置の外観斜視図。

【符号の説明】

１ 空気調和機 ２ 室内機 ３ 室外機 ７ 空調用熱交換器 ２６ 分岐ダクト ２７ 建物 ２８ 空調領域 ２９ 空調用給気吹出口 ３０ 主ダクト ３９ 分岐ダクト ４１ 空調用給気吹出口 ５０Ａ ダクト分岐装置 ６０ 円筒体 ６０ａ 分岐ダクト接続口 ６０ｂ，６０ｃ 連結部 ６０ｄ 環状凹部 ６１ Ｏリング ６２ 円筒蓋体 ６２ａ 連結部 ６３ 円筒体 ６３ａ 連結部 ６４ 取付け金具 ６５ 断熱材 ６６ 吊りボルト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱交換器及びこの熱交換器へ室内空気を
   供給するための送風機を有する空気調和機本体と、主ダ
   クトの接続部及び分岐ダクトの接続部を有するダクト分
   岐装置とを備え、前記空気調和機と前記ダクト分岐装置
   の主ダクトの接続部とをダクトでつなぐと共に、ダクト
   分岐装置の分岐ダクトの接続部と被調和室の通風口部と
   を分岐ダクトとでつないだ空気調和機において、前記ダ
   クト分岐装置を略円筒体に形成すると共に、円周方向に
   回動可能な側面を設け、この側面に前記分岐ダクトの接
   続部を設けたことを特徴とする空気調和機。