JPH0720810B2 - エレベータの自動放送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、エレベータの乗客に適切なアナウンスを行
うエレベータの自動放送装置に関するものである。

［従来の技術］ 近年、音声合成集積回路の普及に伴い、エレベータにお
いてもこの音声合成集積回路を使用して乗客に各種情報
をアナウンスするものが増加しており、このアナウンス
によってその使用が便利になってきている。そして、こ
の乗客に与える情報の内容も、緊急時の案内から到着
後、運転方向を知らせるもの等種々行われている。この
乗客に与えるアナウンス情報の中で、到着を知らせるも
のは、他の交通機関と同じように、乗客に停止した場所
（エレベータの場合は階床）を示す目的であるが、かか
るアナウンス情報は必要でない場合或いは極めて煩わし
く聞こえる場合がある。これは、エレベータにおいては
インジケータによる表示によって、停止階を示すことが
既に行われていることと、エレベータにおいて各停止階
をアナウンスすると、停止間隔が短いので休みなく放送
しているという印象になるからであろう。

このような問題を解決するものとしては、例えば、実開
昭57−23761号公報に、かごが乗場呼びの登録された階
に停止した時だけ、乗場及びかご内にその停止階を放送
するようにしたエレベータの自動放送装置が提案されて
いる。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記構成によるエレベータの自動放送装
置は、乗場呼びのみに応答して停止階をアナウンスする
ために、不必要なアナウンスが防止されて煩わしさが軽
減されるが、間違えて自分が降りるべきでない階に降り
てしまうのを防ぐことができない問題点を有している。

一方、例えば、特開昭57−141372号公報には、乗場及び
かご内にその停止階を放送するようにしたエレベータの
自動放送装置を、その放送内容に応じてスピーカの音量
を変化する技術が開示されている。しかし、放送内容に
応じてスピーカの音量を変化させると、常に乗降してい
る乗客に対しては対応できるが、何れの内容の放送内容
においてはスピーカの音量が大きくなり、また、小さく
なるかが不明な場合、または注意力のある者にとって
は、全放送に聞耳を立て、結果的に、全放送内容を耳に
入れることになり、その効果が疑問視される。

そこで、この発明は上記のような問題点を解消するため
になされたもので、降り間違わないように適切なタイミ
ングで乗客に到着階を放送することができるエレベータ
の自動放送装置を得ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この発明に係るエレベータの自動放送装置は、かご内に
登録された行先呼びと乗場で登録された乗場呼びとに応
答してかごを停止させる停止手段と、行先呼びのある階
に近い手前の階の乗場呼びのみに応答してかごが停止す
ることを検出するかご条件停止検出手段と、前記かご条
件停止検出手段の検出出力発生時に作動して所定の内容
をかご内に放送する放送手段とを具備するものである。

［作用］ この発明におけるエレベータの自動放送装置は、かご内
の乗客が間違って降りてしまう可能性の高い場合のみ、
停止階のアナウンスを放送することになるから、乗客の
降り誤りを防止し、繰返しアナウンスが騒音となり、そ
れを聞く煩わしさが生じないように乗客に対して気配り
のあるサービスを行う。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例のエレベータに自動放送装置
を図面について詳細に説明する。

図は６階のビルに設置されているエレベータに自動放送
装置を装備した場合を示す回路構成図である。

図において、１は本実施例の停止手段としての停止回路
であって、上方運転方向信号UP,下方運転方向信号DN,1
〜６階行先呼び信号C1〜C6,1〜６階かご位置信号P1〜P
6,2〜６階下り呼び信号D2〜D6,1〜５階上り呼び信号U1
〜U5を入力して停止指令STPと乗場呼びのみ停止指令HCS
TPを発生する。

また、2a〜2fはオアゲートであって、オアゲート2aは３
階行先呼び信号C3と４階行先呼び信号C4を入力とし、オ
アゲート2bは２階行先呼び信号C2と３階行先呼び信号C3
を入力とし、オアゲート2cは５階行先呼び信号C5と６階
行先呼び信号C6を入力とし、オアゲート2dは３階行先呼
び信号C3と４階行先呼び信号C4を入力とし、オアゲート
2eは１階行先呼び信号C1と２階行先呼び信号C2を入力と
し、オアゲート2fは３階行先呼び信号C3と４階行先呼び
信号C4を入力としている。

3a〜3hはアンドゲートであって、アンドゲート3aは上方
運転方向信号UPと６階行先呼び信号C6とを入力とし、ア
ンドゲート3bは下方運転方向信号DNとオアゲート2aの出
力を入力とし、アンドゲート3cは上方運転方向信号UPと
オアゲート2bの出力を入力とし、アンドゲート3dは下方
運転方向信号DNとオアゲート2cの出力を入力とし、アン
ドゲート3eは上方運転方向信号UPとオアゲート2dの出力
を入力とし、アンドゲート3fは下方運転方向信号DNとオ
アゲート2eの出力を入力とし、アンドゲート3gは上方運
転方向信号UPとオアゲート2fの出力を入力とし、アンド
ゲート3gは下方運転方向信号DNと１階行先呼び信号C1と
を入力としている。4a〜4dはオアゲートであって、オア
ゲート4aはアンドゲート3a,3bの出力を入力とし、オア
ゲート4bはアンドゲート3c,3dの出力を入力とし、オア
ゲート4cはアンドゲート3e,3fの出力を入力とし、オア
ゲート4dはアンドゲート3g,3hの出力を入力としてい
る。5a〜5dはアンドゲートであって、アンドゲート5aは
乗場呼のみ停止指令HCSTP,5階かご位置信号P5,オアゲー
ト4aの出力信号を入力とし、アンドゲート5bは乗場呼の
み停止指令HCSTP,4階かご位置信号P4,オアゲート4bの出
力信号を入力とし、アンドゲート5cは乗場呼のみ停止指
令HCSTP,3階かご位置信号P3,オアゲート4cの出力信号を
入力とし、アンドゲート5dは乗場呼のみ停止指令HCSTP,
2階かご位置信号P2,オアゲート4dの出力信号を入力とし
ている。そして、これらは行先呼びのある階に近い手前
の階の乗場呼びのみに応答してかごが停止することを検
出するかご条件停止検出手段８を構成していることにな
る。６は各アンドゲート5a〜5dから発生される５〜２階
用アナウンス指令A5〜A2を入力すると、各アナウンス指
令に対応した音声信号をスピーカ７に送出する放送装置
であり、本実施例の放送手段として機能する。

このように構成されたエレベータの自動放送装置におい
て、かごが１階から出発して２階に乗客呼びで停止する
場合を考える。

本実施例の停止手段としての停止回路１は詳細に示さな
いが、かご位置と運転方向（乗場呼びのとき）と呼びが
共に「Ｈ」となれば停止指令STPが出力される。ここで
は、かごが２階に停止することができる位置に達する
と、２階かご位置信号P2が「Ｈ」となり、上方運転方向
信号UP,2階上り呼び信号U2が共に「Ｈ」であるため、停
止指令STPが「Ｈ」となってかごが停止する。また、乗
場呼びでのみ停止した時、即ち、行先呼びがなくて停止
した時は、乗場呼びのみ停止指令HCSTPが「Ｈ」とな
る。

このとき、３階の行先呼びがあったとすると、３階の行
先呼び信号C3が「Ｈ」となってオアゲート2fの出力を
「Ｈ」とする。ここで、上方運転方向信号UPが「Ｈ」状
態となっていることから、アンドゲート3gを通してオア
ゲート4dの出力を「Ｈ」にする。ここで、２階かご位置
信号P2及び乗場呼びのみ停止指令HCSTPが共に「Ｈ」と
なっていることから、アンドゲートA2から、２階用アナ
ウンス指令2Aが発生される。そして、この２階用アナウ
ンス指令A2は放送装置６に供給されることから、この放
送装置６はスピーカ７に２階用アナウンス信号を供給す
ることにより、「２階ですよ。」なるアナウンスを行わ
せる。

ここで、３階の行先呼びはなく、５階及び６階の行先呼
びがあった場合には、オアゲート2fの出力が「Ｈ」とな
らないことから、かごが２階に到着しても停止階を示す
アナウンス放送はされない。また３階の行先呼びだけで
なく、２階の行先呼びもあったとすると、乗場呼びのみ
停止指令HCSTPが「Ｈ」とならないため、アンドゲート5
dの出力、つまり２階用アナウンス指令A2が発生されな
いために、停止階のアナウンス放送は行われない。

このように、本実施例のエレベータの自動放送装置によ
れば、かご内に登録された行先呼びと乗場で登録された
乗場呼びとに応答してかごを停止させる停止回路１から
なる停止手段と、行先呼びのある階に近い手前の階の乗
場呼びのみに応答し、かごが停止することを検出するか
ご条件停止検出手段８の検出出力により所定の内容をか
ご内に放送する放送手段としての放送装置６とを具備す
るものである。

なお、上記実施例においては、行先呼びのある階から２
階床以内の手前の階の乗場呼びのみに停止するとき、間
違えて降車してしまう可能性有として放送するようにし
たが、２階床以内には限らず規定階床以内や走行時間が
規定時間以内でもよい。また、上記実施例に於いては、
停止指令が出たときに本実施例の放送手段としての放送
装置６によって放送する場合を示し、回数や正確なタイ
ミングを示さなかったが、通常は停止指令で停止してド
アが開く頃に１階放送するのが最良と考えられるが、こ
れには限らないことは当然である。また、アナウンス放
送の内容については「○階です」としたが、これには限
定されるものではなく、「ホールの呼びで止まりまし
た。」や、「乗ってこられる方があります。」でもよ
い。但し、この場合は、停止した階の区別は要らないこ
とになる。

［発明の効果］ 以上のように、この発明のエレベータの自動放送装置に
よれば、かご内に登録された行先呼びと乗場で登録され
た乗場呼びとに応答してかごを停止させる停止手段と、
行先呼びのある階に近い手前の階の乗場呼びのみに応答
し、かごが停止することを検出するかご条件停止検出手
段の検出出力により所定の内容をかご内に放送する放送
手段とを具備し、行先呼びのある階の近い手前の階の乗
場呼びのみに応答して停止するときのみ、所定の内容を
かご内に放送するようにしたので、かご内の乗客が間違
って降りそうな場合のみ注意することができ、アナウン
ス騒音を聞く煩しさを軽減することができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の一実施例によるエレベータの自動放送装
置を示す回路図である。 図において、 １…停止回路、2a〜2f,4a〜4d…オアゲート、3a〜3h,5a
〜5d…アンドゲート、６…放送装置、７…スピーカ、８
…かご条件停止検出手段である。 なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】かご内に登録された行先呼びと乗場で登録
   された乗場呼びとに応答してかごを停止させる停止手段
   と、 行先呼びのある階に近い手前の階の乗場呼びのみに応答
   してかごが停止することを検出するかご条件停止検出手
   段と、 前記かご条件停止検出手段の検出出力によって作動して
   所定の内容をかご内に放送する放送手段と を具備することを特徴とするエレベータの自動放送装
   置。