JPH07206773A - 乳酸エステルの製造方法 - Google Patents

乳酸エステルの製造方法

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JPH07206773A
JPH07206773A JP6007040A JP704094A JPH07206773A JP H07206773 A JPH07206773 A JP H07206773A JP 6007040 A JP6007040 A JP 6007040A JP 704094 A JP704094 A JP 704094A JP H07206773 A JPH07206773 A JP H07206773A
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JP
Japan
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reaction
acid ester
alcohol
acetoxypropionaldehyde
ruthenium
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JP6007040A
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English (en)
Inventor
Shuji Ichikawa
修治 市川
Yuji Okago
裕二 大篭
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 α−アセトキシプロピオンアルデヒドをルテ
ニウム錯化合物触媒の存在下にアルコールと反応させα
−アセトキシプロピオン酸エステルとし、ついでこれを
含水アルコール中酸触媒の存在下で加熱して選択的脱ア
セチル化反応させることを特徴とする乳酸エステルの工
業的製造方法。 【効果】 酢酸ビニルからヒドロホルミル化反応により
容易に入手できるα−アセトキシプロピオンアルデヒド
を原料として、乳酸エステルを、温和な条件で、工業的
に有利に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−アセトキシプロピ
オンアルデヒドから乳酸エステルを製造する方法に関す
る。乳酸エステルは、医薬、農薬をはじめとする各種有
機化合物の中間体として、また半導体製造時の洗浄用溶
剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】α−アセトキシプロピオンアルデヒド
は、酢酸ビニルよりロジウム錯化合物および三置換ホス
フィン存在下、水素、一酸化炭素によるヒドロホルミル
化反応により工業規模に製造可能であることが報告され
ている(例えば、特開昭57-112351 号公報)。
【0003】α−アセトキシプロピオンアルデヒドから
乳酸エステルを製造する方法としては、ニッケル塩等の
酸化触媒存在下、酸素ガスにより酸化し、生じたα−ア
セトキシプロピオン酸を硫酸等の酸触媒の存在下にメタ
ノールと反応させ乳酸メチルを製造する方法が報告され
ている(特開昭57-156442 号公報)。しかしながら、こ
の方法では酸化反応において極度の発熱反応を伴うので
反応温度を制御することが必要なため、反応溶液中の原
料濃度を低濃度に保つ必要があること、危険な酸素ガス
を大量に必要とすること、α−アセトキシプロピオン酸
が熱的に不安定であることなどから、工業的な製造方法
として必ずしも満足できるものではない。
【0004】一方、ルテニウム多核錯体およびホスフィ
ンとヒドリドを配位子に有するルテニウム単核錯体存在
下、アルデヒド化合物とアルコール類との反応でエステ
ル化合物が生成する酸化エステル化反応はいくつか報告
されている(例えばY.Blum et al., Tetrahedron Lette
rs, Vol.22, p.1541(1981) / S.Murahashi et al., Jou
rnal of Organic Chemistry, Vol.52, p.4319(1987))。
しかしα−アセトキシプロピオンアルデヒドのように分
子内に熱的に脱離しやすい官能基を有するアルデヒドを
使用した例はこれまで知られていない。
【0005】また置換シクロペンタジエノン化合物を配
位子に有するルテニウム単核錯体を触媒として使用した
例もこれまで知られていない。さらに、α−アセトキシ
プロピオン酸エステルから選択的脱アセチル化反応によ
り乳酸エステルを製造する方法の例は現在まで知られて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、汎用
工業製品である酢酸ビニルから工業的有利に得られるα
−アセトキシプロピオンアルデヒドを原料に用い、温和
な条件で工業的に有利に乳酸エステルを製造する方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、α−アセトキ
シプロピオンアルデヒドをルテニウム錯化合物の存在下
にアルコールと酸化エステル化反応させてα−アセトキ
シプロピオン酸エステルとし、ついでこれを含水アルコ
ール中酸触媒の存在下で加熱して選択的脱アセチル化反
応させることを特徴とする乳酸エステルを高収率で得ら
れる方法を提供するものである。
【0008】(原料)原料のα−アセトキシプロピオン
アルデヒドは、例えば、酢酸ビニルを原料としてロジウ
ム錯化合物および三置換ホスフィン触媒存在下、水素、
一酸化炭素との反応により製造されており、容易に入手
できる工業製品をそのまま使用することができる。反応
に使用するアルコールは市販品で差し支えないが、常法
により脱水、脱気したものが特に好ましい。使用するア
ルコールは、所望の乳酸エステルに対応した任意のアル
コール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等の炭素数1〜20の脂肪族アルコー
ル、フェノール、ベンジルアルコール等の炭素数6〜3
0の芳香族アルコール類があげられる。アルコールの使
用量は原料のα−アセトキシプロピオンアルデヒドに対
して、当量(等モル)で十分であるが、通常、反応速度
を向上させるためには、1〜5倍(モル比)で使用す
る。
【0009】(ルテニウム触媒)触媒として使用するル
テニウム錯化合物としては、アルデヒドとアルコールと
よりエステルを生成する酸化エステル化能を有する従来
公知のルテニウム錯化合物が使用可能である。かかるル
テニウム化合物としては、単核および多核錯体で既に幾
つか知られており、ルテニウム単核錯体とはルテニウム
錯体1分子中、ルテニウム原子が1個存在するものを意
味し、ルテニウムの形式酸化数ならびに配位子である有
機基の種類、数は限定されない。
【0010】かかる単核ルテニウム錯体の配位子として
は一酸化炭素、ホスフィン、ヒドリド、クロライド、置
換シクロペンタジエノン化合物が好ましい。具体的に
は、公知のルテニウム錯化合物として、例えば、ジヒド
リドテトラキス(トリストリフェニルホスフィン)ルテ
ニウム等が、また、これまで酸化エステル化能が報告さ
れていないルテニウム単核錯体として、例えば、カルボ
ニルクロロヒドリド(トリフェニルホスフィン)ルテニ
ウム、ジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホス
フィン)ルテニウム、クロロヒドリドトリス(トリフェ
ニルホスフィン)ルテニウム、ヒドリドテトラキス(ト
リフェニルホスフィン)ルテニウムヘキサフルオロリン
酸塩等が挙げられる。
【0011】中でも、特に置換シクロペンタジエノン化
合物が配位子として存在しているものが好ましく、温和
な条件で効率よく酸化エステル化反応が進行する。この
ようなルテニウム単核錯体の例としては[(テトラキス
フェニル)シクロペンタジエノン]トリカルボニルルテ
ニウム、[テトラキス(4−クロロフェニル)シクロペ
ンタジエノン]トリカルボニルルテニウム、[2,5−
ジフェニル−3,4−ビス(4−メトキシフェニル)シ
クロペンタジエノン]トリカルボニルルテニウム、
[2,5−ジフェニル−3,4−ビス(4−フルオロフ
ェニル)シクロペンタジエノン]トリカルボニルルテニ
ウム等があげられる。
【0012】ルテニウム多核錯体とはルテニウム錯体1
分子中、ルテニウム原子が複数個、通常、2〜10個存
在するものを意味し、ルテニウムの形式酸化数ならびに
配位子である有機基の種類、数は限定されない。かかる
多核ルテニウム錯体の配位子としては、一酸化炭素、ホ
スフィン、ヒドリド等が好ましい。ルテニウム多核錯体
の具体例としては、例えば、ドデカカルボニル三ルテニ
ウム、ビス[(テトラサイクロン)ジカルボニル]ルテ
ニウム等があげられる。ルテニウム錯化合物の使用量
は、α−アセトキシプロピオンアルデヒドに対して、
0.0000001〜1(モル比)、好ましくは、0.
000001〜0.01の範囲である。
【0013】(反応溶媒等)本発明の反応は、特に溶媒
を使用せずに実施することができるが、使用するルテニ
ウム錯体がα−アセトキシプロピオンアルデヒドおよび
アルコールから成る反応系に難溶性の場合これを溶解す
るため、又その他の必要に応じて、適当な溶媒中で実施
することができる。これらの溶媒としては、例えばヘキ
サン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジエチルエ
ーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチ
ロラクトン等のエステル類などをあげることができる。
【0014】本発明の反応は、他に特別な添加物を用い
ることなく実施することができるが、α−アセトキシプ
ロピオンアルデヒドの水添還元物である2−アセチルプ
ロピレングリコールの副成を抑制するために、水素受容
体を添加して実施することができる。これらの水素受容
体としては、例えば、2−プロぺナール、メチルビニル
ケトン、ベンザルアセトン等のα,β−不飽和カルボニ
ル化合物、アセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
ジフェニルアセチレン等の2置換アセチレン類があげら
れる。水素受容体の添加量は、原料のα−アセトキシプ
ロピオンアルデヒドに対して、0.01〜100(モル
比)、好ましくは0.1〜10の範囲である。
【0015】(酸化エステル化反応)反応は、室温以下
でも十分に反応するが、より反応速度を向上させるため
に、通常加熱下で実施する。反応温度は0〜200℃、
好ましくは20〜150℃の範囲である。反応は触媒が
変化しない限り空気中でも実施できるが、一般には脱酸
素雰囲気下に実施され、真空に脱気するか、または、窒
素、アルゴン等の不活性ガス等で置換して行う。反応圧
力には特に制限はなく、常圧でも加圧下でも反応は円滑
に進行する。反応時間は反応温度にもよるが、通常0.
1〜200時間、好ましくは0.5〜100時間の範囲
である。本反応により得られる反応生成物は、α−アセ
トキシプロピオン酸エステルである。また、同時に原料
α−アセトキシプロピオンアルデヒドの水添物である2
−アセチルプロピレングリコールおよびこれから公知の
アシル転位により生じた1−アセチルプロピレングリコ
ール等も生成する。
【0016】(後処理)得られた反応混合物からの生成
物の分離は、蒸留、抽出、吸着等の公知の方法で行うこ
とができる。次工程で用いるα−アセトキシプロピオン
酸エステルの純度は90%程度で十分であり、反応副生
物の混在は脱アセチル化反応の進行に何等障害を与えな
い。反応生成物と分離されたルテニウム錯化合物は、酸
化エステル化反応の触媒として繰り返し使用することが
できる。また2−アセチルプロピレングリコールは脱水
素反応により原料α−アセトキシプロピオンアルデヒド
に再生することが可能である。
【0017】(脱アセチル化反応)脱アセチル化反応
は、含水アルコール中酸触媒の存在下で加熱することに
より行われる。含水アルコールはアルコールに必要量の
水を混合して使用する。水とアルコールの混合比は好ま
しくは1〜10(水に対するアルコールのモル比)、特
に好ましくは2〜5の範囲より選ばれる。1より小さい
場合アセチル基の加水分解により酢酸が生じたりアセチ
ル基のみならずエステル部位も加水分解され乳酸が副成
し好ましくない。10より大きい場合脱アセチル化反応
は著しく遅く好ましくない。
【0018】アルコールは酸化エステル化に使用したア
ルコールと同一であることが好ましい。使用するアルコ
ールが異なる場合には、同時に2種類の乳酸エステルが
生成する場合があり、単一乳酸エステルが所望の場合に
は分離等の操作を要する。使用する水も特に制限を受け
ず、井水、工業用水、水道水等の精製処理を加えない水
を使用しても反応は円滑に進行する。含水アルコールの
量は、水とアルコールの混合比により異なり、一概に規
定できないが、通常、α−アセトキシプロピオン酸エス
テルに対して、1〜1000(モル比)、好ましくは5
〜100の範囲である。
【0019】(酸触媒)本発明の方法では、脱アセチル
化反応の触媒として酸触媒を使用する。触媒としては硫
酸等の鉱酸、四塩化チタン等のルイス酸を使用して条件
を選択することによりアセチル基の選択的脱離反応の実
施が可能であるが、反応終了後、酸を中和して塩として
反応混合物から除去する操作が必要となるので、H型強
酸性陽イオン交換樹脂が好ましい。H型強酸性陽イオン
交換樹脂としては公知の陽イオン交換樹脂が使用可能で
あるが、好ましくはスルホン酸基を有するものが使用さ
れる。イオン交換樹脂の形状は、ビーズ状、短繊維状、
編物状、織物状等任意の形状で使用できる。イオン交換
樹脂の使用量は、α−アセトキシプロピオン酸エステル
に対して、0.01〜10(モル比)好ましくは0.1
〜5の範囲より選ばれる。尚、モル比はイオン交換樹脂
の水酸化ナトリウム交換容量から求められる。
【0020】(脱アセチル化反応方法)反応方法は、よ
り効果的に実施する次の2つの手法が挙げられる。その
一つは、α−アセトキシプロピオン酸エステルと含水ア
ルコールおよびイオン交換樹脂を同時に仕込み加熱撹拌
する手法であり、他はイオン交換樹脂を充填したカラム
に連続的にα−アセトキシプロピオン酸エステルと含水
アルコールを供給し、乳酸エステルを連続的に流出させ
る方法である。
【0021】反応温度は30〜150℃、好ましくは5
0〜120℃の範囲である。反応時間は、反応温度、使
用するイオン交換樹脂の量によって異なるが、実質的に
反応が終了するまでで、通常1〜30時間である。反応
は含水アルコールや生成物自身を溶媒として実施できる
が、含水アルコール以外の溶媒を使用しても差し支えな
い。使用する溶媒はα−アセトキシプロピオン酸エステ
ル、水およびアルコールから成る反応系を均一に溶解す
るものから選ばれ、さらには所望の反応温度に任意に調
節できるものであればその制限を受けない。
【0022】反応終了後、反応液から乳酸エステルを単
離するには陽イオン交換樹脂を反応液から分離し、次い
で残った混合物を蒸留すれば良い。場合によっては反応
混合物をそのまま蒸留しても良い。イオン交換樹脂は分
離後あるいは蒸留後の残留物を特に処理することなくそ
のまま再使用可能である。反応生成物は、α−アセトキ
シプロピオン酸エステルから脱アセチル化された目的物
乳酸エステルである。また、同時にアセチル基は酢酸エ
ステルとして乳酸エステルとほぼ等量副生する。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、α−アセトキシ
プロピオンアルデヒドを原料として乳酸エステルを温和
な条件で、工業的に有利に製造することができる。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。生成物は、ガスクロマトグラフィーを用い、ト
ルエンを内部標準物質とした内部標準法によって定量分
析し、下式により転化率および選択率を求めた。
【0025】
【数1】
【0026】*1)副生成物:2−アセチルプロピレン
グリコール、1−アセチルプロピレングリコール等 (酸化エステル化反応)
【0027】
【数2】
【0028】(脱アセチル化反応)
【0029】
【数3】
【0030】また例中で用いたターンオーバー数は下式
に従って計算した。
【0031】
【数4】
【0032】<実施例1〉 (酸化エステル化反応)内容積20mlのガラス製アンプ
ルに、アルゴン気流下、撹拌子、[(テトラキスフェニ
ル)シクロペンタジエノン]トリカルボニルルテニウム
40.6 mg (0. 0712 mmol ), α−アセトキシ
プロピオンアルデヒド2.45 g(21.09mmol)、
無水エタノール 1.14 g(24.18 mmol )およ
び分析用内部標準物質として、トルエン0. 17 gを仕
込んだ後、アンプルを封じ、90℃で0.5時間反応を
行なった。反応終了後、アンプルを開封し、内容物をガ
スクロマトグラフィーにより分析した。
【0033】その結果、α−アセトキシプロピオンアル
デヒド0. 004g(0.036mmol)、α−アセトキ
シプロピオン酸エチル1.46 g(9.13mmol)が生
成した。その他、2−アセチルプロピレングリコール、
1−アセチルプロピレングリコール等が生成していた。
原料α−アセトキシプロピオンアルデヒドの転化率は9
9.8%であり、α−アセトキシプロピオン酸エチルの
選択率は49.3%またターンオーバー数は128(mo
l/g-atom)であった。得られた反応液を、常圧蒸留して
エタノールを回収し、次いで残留液を減圧蒸留して沸点
37℃/0.8 mmHg の留分としてα−アセトキシプロ
ピオン酸エチル1.40g(8.76 mmol )を得、ル
テニウム錯化合物を残留物として回収した。
【0034】(脱アセチル化反応)内容積30mlの2口
フラスコに冷却管を付し、撹拌子、α−アセトキシプロ
ピオン酸エチル869mg(5.43mmol)、エタノール
7.63 g(0.17 mol)、水0.786 g(0.
044 mol)、H型強酸性イオン交換樹脂型[DAIAION
SK-1BH:三菱化成社製商品名]3.55g および分析用
内部標準物質として、トルエン87.9mgを仕込んだ
後、80℃で7時間反応を行なった。反応液を冷却後、
内容物をガスクロマトグラフィーにより分析した。その
結果、α−アセトキシプロピオン酸エチル30mg(0.
18mmol)および乳酸エチル585.6mg(4.96mm
ol)が生成した。その他、酢酸エチル409.4mg
(4.65mmol)が生成していた。原料α−アセトキシ
プロピオン酸エチルの転化率は96.5%であり、乳酸
エチルの選択率は94.6%であった。
【0035】さらにこの反応液を80℃で2時間加熱し
た。反応液を冷却後、内容物をガスクロマトグラフィー
により分析した。その結果、α−アセトキシプロピオン
酸エチルは完全に転化し乳酸エチル602.1mg(5.
10mmol)が生成した。その他、酢酸エチル425.9
mg(4.81mmol)が生成していた。原料α−アセトキ
シプロピオン酸エチルの転化率は100%であり、乳酸
エチルの選択率は94.4%であった。
【0036】<実施例2〉 (酸化エステル化反応)内容積20mlのシュレンク管
に、アルゴン気流下、撹拌子、[(テトラキスフェニ
ル)シクロペンタジエノン]トリカルボニルルテニウム
7.6 mg(0.013 mmol), α−アセトキシプロピ
オンアルデヒド 2.38 g(20.50mmol)、無水
エタノール 1.09 g(23.64 mmol )および分
析用内部標準物質として、トルエン0. 16 gを仕込ん
だ後,冷却管を付しアルゴン雰囲気下、70℃で2時間
反応を行なった。反応終了後、内容物をガスクロマトグ
ラフィーにより分析した。
【0037】その結果、α−アセトキシプロピオンアル
デヒド0. 458g (3.94mmol)、α−アセトキシ
プロピオン酸エチル1.22 g(7.61mmol)が生成
した。その他、2−アセチルプロピレングリコール、1
−アセチルプロピレングリコール等が生成していた。原
料α−アセトキシプロピオンアルデヒドの転化率は8
0.8%であり、α−アセトキシプロピオン酸エチルの
選択率は49.2%またターンオーバー数は571(mo
l/g-atom)であった。
【0038】さらにこの反応液を窒素雰囲気下20mlの
ガラス製アンプルに移し、無水エタノール 0.78 g
(16.9 mmol )を追加添加した後,アンプルを封
じ、90℃で2時間反応を行なった。反応終了後、アン
プルを開封し、内容物をガスクロマトグラフィーにより
分析した。
【0039】その結果、α−アセトキシプロピオンアル
デヒドは完全に消失し、α−アセトキシプロピオン酸エ
チル1.46 g(9.13mmol)が生成した。その他、
2−アセチルプロピレングリコール、1−アセチルプロ
ピレングリコール等が生成していた。原料α−アセトキ
シプロピオンアルデヒドの転化率は100%であり、α
−アセトキシプロピオン酸エチルの選択率は50.8%
またターンオーバー数は687(mol/g-atom)であっ
た。実施例1と同様に蒸留してα−アセトキシプロピオ
ン酸エチル1.41g(8.81 mmol )を得、ルテニ
ウム錯化合物を残留物として回収した。同様の操作を繰
り返してα−アセトキシプロピオン酸エチル約10gを
得た。
【0040】(脱アセチル化反応)内容積300mlの3
口フラスコに冷却管および誘導撹拌装置を設置し、α−
アセトキシプロピオン酸エチル 9.744 g(60.
8mmol)、エタノール 71.67 g(1.56 mo
l)、水10.55 g (0.586 mol)およびH型強
酸性イオン交換樹脂型[DAIAION SK-1BH:三菱化成社製
商品名]17.9g を仕込んだ後、20時間加熱還流さ
せることにより脱アセチル化反応を行った。反応液を冷
却後、イオン交換樹脂を濾別した後常圧蒸留しエタノー
ルおよび酢酸エチルを回収した。残留液を減圧蒸留し、
沸点76℃/30mmHgの留分として6.43g(5
4.4mmol)の乳酸エチルを得た。乳酸エチルの収率は
90.2%であった。
【0041】<実施例3〉実施例1において、[(テト
ラキスフェニル)シクロペンタジエノン]トリカルボニ
ルルテニウム1.5 mg (0. 0026 mmol )、α−
アセトキシプロピオンアルデヒド2.86 g(24.6
5mmol)、無水エタノール1.37 g(24.65 mmo
l )、及びトルエン0. 16 gを仕込み、反応時間を4
5時間とした他は実施例1と同様に酸化エステル化反応
を行った。
【0042】その結果、α−アセトキシプロピオンアル
デヒド0. 767g (6.598mmol)、α−アセトキ
シプロピオン酸エチル0.86 g(5.37mmol)が生
成した。その他、2−アセチルプロピレングリコール、
1−アセチルプロピレングリコール等が生成していた。
原料α−アセトキシプロピオンアルデヒドの転化率は7
3.2%であり、α−アセトキシプロピオン酸エチルの
選択率は50.6%またターンオーバー数は2040
(mol/g-atom)であった。
【0043】次いで、実施例1と同様にして脱アセチル
化反応を実施した結果、原料α−アセトキシプロピオン
酸エチルの転化率は100%であり、乳酸エチルの選択
率は94.3%であった。
【0044】<実施例4〉実施例1において、[(テト
ラキスフェニル)シクロペンタジエノン]トリカルボニ
ルルテニウム12.1 mg(0.021 mmol)、α−ア
セトキシプロピオンアルデヒド0.676 g(5.82
mmol)、無水エタノール 0.436 g(9.46 mmo
l)、2−プロペナール 0.871g (15.53mmo
l)、及びトルエン0. 145gを仕込み、反応時間を
3.5時間とした他は実施例1と同様に酸化エステル化
反応を行った。
【0045】その結果、α−アセトキシプロピオンアル
デヒド0. 216g(1.864mmol)、α−アセトキ
シプロピオン酸エチル0.300 g(1.88mmol)が
生成した。その他、2−アセチルプロピレングリコー
ル、1−アセチルプロピレングリコール等が生成してい
た。原料α−アセトキシプロピオンアルデヒドの転化率
は68.0%であり、α−アセトキシプロピオン酸エチ
ルの選択率は58.8%またターンオーバー数は88
(mol/g-atom)であった。
【0046】次いで、実施例1と同様にして脱アセチル
化反応を実施した結果、原料α−アセトキシプロピオン
酸エチルの転化率は99%であり、乳酸エチルの選択率
は95.1%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−アセトキシプロピオンアルデヒドを
    ルテニウム錯化合物の存在下にアルコールと反応させα
    −アセトキシプロピオン酸エステルとし、ついでこれを
    含水アルコール中酸触媒の存在下で加熱することを特徴
    とする乳酸エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 ルテニウム錯化合物が置換シクロペンタ
    ジエノン化合物を配位子に有するルテニウム単核錯体で
    ある請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸触媒がH型強酸性陽イオン交換樹脂で
    ある請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 α−アセトキシプロピオン酸エステルと
    含水アルコールおよびイオン交換樹脂を同時に仕込み加
    熱撹拌する請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 イオン交換樹脂を充填したカラムに連続
    的にα−アセトキシプロピオン酸エステルと含水アルコ
    ールを供給し、乳酸エステルを連続的に流出させる請求
    項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 α−アセトキシプロピオン酸エステルを
    含水アルコール中で加熱する温度が30〜150℃の範
    囲である請求項1に記載の方法。
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