JPH07206402A - 牛の初乳を肝臓保護用調剤として使用する方法 - Google Patents

牛の初乳を肝臓保護用調剤として使用する方法

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JPH07206402A
JPH07206402A JP6269923A JP26992394A JPH07206402A JP H07206402 A JPH07206402 A JP H07206402A JP 6269923 A JP6269923 A JP 6269923A JP 26992394 A JP26992394 A JP 26992394A JP H07206402 A JPH07206402 A JP H07206402A
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colostrum
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ウオルフガング・メーラー
Reinhard Lissner
ラインハルト・リッスナー
Dietrich Nitsche
ディートリッヒ・ニッチエ
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Biotest Pharma GmbH
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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    • A61P1/16Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for liver or gallbladder disorders, e.g. hepatoprotective agents, cholagogues, litholytics
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    • C07KPEPTIDES
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肝臓疾病に際しての肝機能障害の予防及び処
置のための肝臓保護用調剤、中でも肝臓疾病の結果症、
例えば門脈性脳症等の処置に有効な調剤を提供する。 【構成】 牛科動物の初乳又は初乳調剤、或いはこれか
ら作った免疫グロブリン含有分画を肝臓保護用調剤とし
て用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は牛科の動物の初乳又は初
乳の調剤、或いはこれから作った免疫グロブリン含有分
画を種々の肝臓病における肝臓機能障害の予防及び処置
のために、中でもこれらの疾病の結果症、例えば門脈性
脳疾病を回避するために使用する方法に関する。
【0002】肝臓は人の物質代謝において多面的な機能
を有する。これらの機能には、なかでも胆汁の分泌、単
糖類のグリコーゲンへの転化、グリコーゲン分解、各種
蛋白質からの糖新生、脂肪酸分解、アミノ酸類の利用と
脱アミノ化、種々の血漿蛋白質の生成及び有毒な物質代
謝生成物の解毒並びに排除が含まれる。特に有毒な物質
代謝生成物の一つはアンモニアであり、これはまず、腸
内での種々の蛋白質の細菌による分解に際して、また肝
臓自身の中での各種アミノ酸の分解に際して生ずる。ア
ンモニアは健康な肝臓の中で尿素サイクルにより尿素に
分解されるか、又はグルタミン酸により解毒される。
【0003】工業化した諸国においては人工の少なくと
も1ないし2%は肝臓の柔組織障害に基づいて慢性的に
肝不全にかかっている。この場合に急性及び慢性の肝炎
に加えて、中でも脂肪肝及び肝硬変が際立っている。
【0004】肝炎は全ての肝細胞疾病を包含するが、こ
れらは肝臓組織の、例えばウィルスや細菌による感染或
いは医薬やアルコールによる中毒に基づく炎症性反応と
関連している。急性肝炎の一部は慢性的な肝炎に移行
し、これはまた更に肝硬変を導くことがある。
【0005】肝硬変は慢性的な肝臓病の1つであって、
柔組織の壊疽によって結合組織の増殖を含む柔組織置換
に至る。ウィルス性肝炎に加えて、アルコール乱用は肝
硬変出現の主原因である。
【0006】肝硬変は種々の型に分けられる。不活性な
代償型においては中程度の肝細胞不全しか存在しない。
活性型は急性異栄養的病勢増悪又は前昏睡又は昏睡まで
に達する重症の肝細胞不全によって特徴付けられる。最
も重症の型、すなわち非代償性の硬変においては門脈高
血圧、食道静脈瘤及び腹水が観測される。肝臓機能の崩
壊を含む末期段階においてはほとんどの場合、食道静脈
瘤からの出血により、又は肝性昏睡において死が訪れ
る。
【0007】
【従来の技術】肝臓病及び中でも肝硬変の末期段階の最
近の処置方法はこの数年間において患者の平均余命がま
すます上昇し、そしてより重症の肝臓柔組織障害を有す
る患者がますます門脈高血圧の末期段階に達する結果を
もたらしている。このような門脈鬱血においては肝臓内
の機械的な血流阻害に基づいて門脈系内の高い圧力が生
ずる。従って次に食道静脈瘤の出血及び門脈性脳症の臨
床的症状に至る。
【0008】食道静脈瘤からの出血は外科的に処置する
ことができ、そして同様に門脈高血圧を外科的処置によ
るバイパスの設置によって軽減することができるけれど
も、この方式によっては門脈性脳症が強められる。門脈
性脳症においてはアンモニア及び他の蛋白質分解生成物
による中毒に基づいて神経学的及び神経病理学的障害に
至り、これらは中でもうつ病、疲労、発動性虚弱、失神
にまで及ぶ意識障害において肝臓性昏睡が現れる。肝硬
変疾病の30ないし40%は肝臓性昏睡において死亡す
る。
【0009】完全な肝臓機能を有する人の場合には通
常、腸内で消化に際して生ずるアンモニア及び他の蛋白
質分解生成物は肝臓の中で解毒される。門脈性高血圧の
ために周辺循環路が自然に形成されるか、又は外科的に
バイパスとして形成されたときは、これらの有毒物質は
肝臓を迂回して直接循環系内に達し、そしてそれにより
直接脳に達する。結果として現れる欠落症状は外因性肝
性欠落昏睡と呼ばれる。
【0010】内因性肝臓崩壊昏睡は、例えばウィルス性
肝炎又は中毒による自然の解毒機能の損失を伴う広がっ
た肝臓壊疽によって特徴付けられる。健康人のアンモニ
ア水準は血漿100ml当り約30ないし80μgに過
ぎないが、この有毒物質は肝硬変疾病に際しては血漿1
00ml当り500μgにまで上昇する。このように高
い、従来治療の可能性がまったくなかった濃度において
は既に最も重症の神経学的欠落症状が観測される。
【0011】ほとんどの場合に慢性的な肝臓病の原因療
法は不可能であって、その治療計画において本質的に栄
養摂取の切り換え及び障害的な毒素(例えばアルコー
ル)の排除に限定される。いわゆる肝臓保護用調剤は肝
臓をその残余の物質代謝機能において負荷軽減し、それ
によって肝臓がその解毒作用をその生体のためにできる
だけ利用できるようにするものである。
【0012】肝臓保護用調剤には、例えば炭水化物であ
るラクツロースや生きているラクトバシラスビヒズス菌
を含むミルク等があげられるが、これらは腸内バクテリ
アによるアンモニアの生成を抑制し、そしてそのように
して肝臓の負荷を軽減するものである。これらの食事的
処置の副作用は、放屁及び下痢である。ラクツロースの
高い炭水化物含有量も問題である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】別な食事的方法とし
て、アンモニア低下性のアミノ酸であるオルニチン及び
アスパラギン酸を投与することにより尿素サイクル及び
クエン酸サイクルに影響を与え、そして物質代謝生成物
として生じたアンモニアの除去を助けることが研究され
ている。アミノ酸であるアスパラギン酸及びグルタミン
酸もアミド化によりアンモニアを解毒することができ
る。しかしながらこのようなアミノ酸による治療は肝臓
障害の早期の段階においてしか見込みがない。
【0014】更に、肝臓障害に際してアンモニアの生成
を低下させるために、栄養摂取の枠内でアミノ酸のトレ
オニン、セリン、トリプトファン、ヒスチジン、グルタ
ミン及びグリシンをできるだけ排除するか、又は必須ア
ミノ酸のトレオニン及びヒスチジンを最も必要なだけに
限定することが研究されており、と言うのはこれらのア
ミノ酸は分解してアンモニアを生じ、そして血漿内のア
ンモニア水準を上昇させるからである。
【0015】アミノ酸及び蛋白質により食事的に処置す
ることは常に、アンモニアの強い上昇を伴う窒素の供給
と患者に必須アミノ酸を供給する必要性との間のバラン
スの行動である。患者はほとんどの場合、高カロリーの
栄養摂取を指示されており、これには蛋白質も含まれて
いる必要がある。従って、肝硬変患者はできるだけ長期
間、特に蛋白質に富んだ栄養摂取を行ない、その際なか
でも凝乳(ミルクのカゼイン)が好ましい。けれどもこ
れらの患者の場合、柔組織障害の進行に際して蛋白質許
容値はますます強く低下しているので、これはまた血漿
内のアンモニア水準の上昇をもたらす。従って、例えば
正常牛乳(1kgのKGW当り0.5gの粉乳)の摂取
は健康人及び肝硬変患者における血中アンモニア水準の
上昇をもたらす〔Gorski,M.等:“Pol.A
rch.Med.Wewn”44(2),115−9
(1970)〕。
【0016】
【課題を解決するための手段】牛科動物の初乳からのほ
ぼ同量の蛋白質を与えることにより、又はこの初乳から
の乳清によって、肝硬変患者において血中アンモニア水
準が劇的に低下することが見出されたのは驚くべきこと
であった。このアンモニアの低下は部分的には自然の水
準をもなお著しく下回る程である。
【0017】初乳とは牛の出産の後最初の5日間の牛乳
である。好ましくはこの初乳は牛の出産の後最初の3日
間のもの、そして特に好ましくは最初の日のものであ
り、と言うのはこの場合に免疫グロブリンの含有量が最
も多く、そして初乳の中の種々の抗体にその有効性につ
いての特別な意味があるからである。
【0018】初乳又は初乳の各種蛋白質分画を治療のた
めに用いることは従来は本質的に、例えばE.Col
i、ロタウィルス又はクリプトスポリジウムのようなバ
クテリア、ウィルス又は原生動物により引き起こされる
下痢疾病の治療又は予防だけに限定されていた。例えば
Tacket,C.等:“The New Engla
nd Journal of Medicin”31
,1240 − 12043(1988)、Davi
dson,G.等“The Lancet”23.9.
1989, 709−712及びRump,J.等“C
lin.Investig.”70,588−594
(1992)等に記述されている。
【0019】Prokopiv,M.:“Vrach
Delo”,100 − 102(1988)によ
り、中枢神経系の炎症的疾病の多発性硬化症を有する患
者において6週間にわたり人の初乳を1日2回500m
lづつ与えることによって、肝臓酵素アラニン−アミノ
トランスフェラーゼ、アスパラギン酸−アミノトランス
フェラーゼ及びソルビット−デヒドロゲナーゼの血漿中
濃度を容易に低下できたことが示された。これらの患者
においては肝臓疾病についての兆候はまったくなく、こ
の膜に固定した肝臓酵素は、一般に多発性硬化症に際し
て見出される高められた膜透過性に基づいて血漿の中に
放出される。他の点ではその組成において牛の初乳と大
きく異なっている人の初乳は、従って多発性硬化症に際
しての膜欠陥の防止のための種々の支持療法に適してい
る。膜透過性の上昇のみならず、大きな細胞変性及び細
胞崩壊がもたらされるような種々の肝臓病における牛科
動物の初乳の治療的作用及び、なかでも、蛋白質分解生
成物の有毒な効果に対抗する治療的作用はこれまで記述
されていない。
【0020】しかしながら、牛科動物の初乳を経口投与
又は腸内投与することにより、例えばアンモニアのよう
な有毒な蛋白質代謝生成物を減少させることが可能であ
り、またこれらの物質に対する肝臓の解毒機能を改善で
きると言う発見はこれまで知られておらず、驚くべきこ
とであった。
【0021】これによって、例えばアンモニアのような
蛋白質分解生成物が血中に多量に現れるような、蛋白質
供給の有害作用を恐れる必要なく、患者に大量の蛋白
質、また従って必須アミノ酸を供給することが可能にな
る。
【0022】本発明に従う処置は、例えばヨーロッパ特
許出願EP0338229及びEP471890に記述
されているように、好ましくは牛科動物の初乳又は初乳
の乳清を用いて行なわれる。
【0023】最適の保護作用を発揮させるためにはその
調剤は細菌類を含まないか、又は少なくとも細菌類の存
在が少なくなければならない。そうでなければその初乳
のバクテリアによる汚染により、またその際放出される
有毒物質によってその治療効果が無効になることがある
であろう。
【0024】初乳の滅菌及び細菌の除去に際してはその
初乳の中の各種蛋白質の原始性に注意する必要があり、
と言うのは無垢で生のままの蛋白質のみが肝臓に対する
保護作用を発揮できるからである。好ましくは細菌の除
去を滅菌濾過によって達成するのがよく、と言うのはそ
の場合に各種の細菌類がその菌体から有毒物質の遊離さ
れる危険を生ずることなく確実に分離されるからであ
る。
【0025】場合によっては、例えば低分子量蛋白質及
び他の、100000Dよりも小さな分子量を有する成
分を限外濾過により除去する追加的な分画によって初乳
を精製してもよい。
【0026】患者の処置は好ましくは1日に何度も行な
い、その際その初乳調剤を100ml当り2gないし2
0g、好ましくは100ml当り10gの蛋白質含有量
を有する溶液として飲用する。特別な場合にはまた、胃
内ゾンデ又は十二指腸ゾンデを介して適用を行なうこと
もできる。重症の肝硬変の場合の治療的投与量としては
1日あたり10%濃度溶液の100ないし600mlの
投与がほとんどの場合に充分であるが、比較的軽い経過
型においてはより少ない量を投与することもできる。
【0027】本発明に従い処置することのできる肝臓病
は、肝臓炎症、ウィルス性肝炎、中毒性肝細胞障害、肝
繊維症、肝硬変、鬱血肝、肝臓異栄養、肝臓細胞の脂肪
性変性又は脂肪肝である。これらの疾病によりもたらさ
れる、処置することのできる障害及び損傷は肝臓の解毒
機能障害、排泄機能障害、肝臓の接合機能障害、肝臓の
合成機能障害、肝臓病によりもたらされる門脈高血圧又
は肝性欠落昏睡並びに蛋白質分解生成物やアンモニアに
よる中毒である。すなわち、例えば門脈大動脈吻合の際
のような門脈バイパス形成手術後の容態におけるアンモ
ニアによる中毒等を処置することができる。
【0028】本発明に従う初乳調剤の使用方法は予防的
にも可能である。なかでもウィルス性肝炎や肝臓柔組織
障害に基づく肝不全の初期において肝臓の負担が軽減さ
れ、そしてその解毒機能は肝臓の接合機能及び排泄機能
の改善によって改善され、それにより肝臓の壊疽性変質
は遅延される。診断的にはこれは、なかでもビリルビン
の血漿中濃度及び肝臓酵素である細胞内酵素γ−グルタ
ミルトランスフェラーゼ(GGT)の血漿中濃度の明ら
かな低下において現れるが、これは種々のアミノ酸やペ
プチド類の物質代謝に際して重要な役割を演じ、そして
肝細胞崩壊に際して血漿中へ移る。更に、例えばトラン
スフェリンのような血漿蛋白質の合成の上昇が見出され
る。このようにして門脈性脳症の末期段階を引き伸ばす
ことができる。
【0029】同様に、肝繊維症、鬱血肝、肝臓異栄養及
び肝臓の脂肪性変性を処置することができる。本発明に
従う初乳調剤の使用によって肝臓の負荷が軽減される。
一般にこの血中アンモニア含有量の上昇の遅延又は回避
は神経学的な欠落の改善又は回避を伴って現れる。
【0030】肝臓既往症を有する患者の対応的な予防処
置によって血中アンモニアの上昇を避けることができ、
それによりこのような欠落症状を防止することができ
る。肝臓移植に際しての術前処置及び術後処置のために
もこの牛科動物の初乳を肝臓保護調剤として使用するこ
とが可能であり、それによりその障害を受けた肝臓の移
植前の解毒機能や、障害性代謝生成物による移植後の新
しい肝臓の負荷を軽減することができる。
【0031】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。例1 肝硬変のもとに門脈高血圧に罹っている45才の男性を
重症の食道静脈瘤のために入院させた。出血に基づく循
環ショックの結果としてこの患者に肝機能故障が現れ
た。血中アンモニア水準は170μg/dlに上昇し
た。この患者は門脈性脳症の症状を示した。
【0032】次にこの患者に胃ゾンデにより、15gの
凍結乾燥した牛の初乳の乳清調剤を毎日4回投与した。
この調剤は牛の出産の後の最初の搾乳からの初乳より遠
心分離により脱脂し、pH4.5において塩酸によりカ
ゼインを沈殿させ、この乳清を限外濾過及び滅菌濾過
し、そして次に乾燥することによって得られたものであ
る。この調剤を0.9%濃度食塩水溶液の中の10%濃
度溶液として適用した。24時間以内に血中アンモニア
水準は10μg/dlまで低下し、そして5日間の治療
の間、正常範囲(30ないし80μg/dl)に留まっ
た。
【0033】患者の容態はこの初乳蛋白質の投与のもと
に目に見えて改善された。患者は1日後に既にもはやな
んらの神経学的欠落症状を示さず、そして正常に応答す
ることができた。血中アンモニアはこの初乳調剤による
治療のもとで低く留まっていた。
【0034】副作用は起こらなかった。このことは、こ
のような型の患者の場合に通常はアンモニア水準の上昇
とともに蛋白質許容値の低下が観測されるはずであると
いうことを考えると特に驚くべきことであった。
【0035】同じ病状を有するが初乳調剤の投与を受け
るかわりに従来法でラクツロースにより処置された21
人の患者よりなる対照群の患者においては、全観察期間
にわたり変わらない200ないし300μg/dlの高
いアンモニア水準が見出された。例2 肝硬変を有する58才の男性を同様に重症の食道静脈瘤
のために処置した。この患者は例1におけると同様に出
血の結果として肝臓機能故障を伴う出血性ショックを起
こした。血中アンモニア水準は入院の直後には270μ
g/dlであった。
【0036】例1と同じ初乳調剤の毎日3回15gを用
いた治療のもとに血液のアンモニア含有量は90μg/
dlに低下し、そして4日間の治療の間中、この標準範
囲をかろうじてわずかに超える水準に留まった。例3 肝硬変に基づき術後に重症の肝機能故障を起こした50
才の婦人はこの時点において350μg/mlの非常に
高い血中アンモニア水準を示した。
【0037】この患者に例1の初乳調剤を5日間にわた
り1日3回、15gづつ投与した。この治療のもとに2
4時間以内に120μg/100mlへのアンモニアの
明瞭な低下が観測された。肝臓機能障害の臨床的徴候は
初乳治療のもとにプラスの影響を受け、そして患者の治
療前の非常に悪い精神状態はこの初乳調剤の投与のもと
に急速に改善された。例4 48才の男性の場合に、手術的治療の3日後に高い血漿
中アンモニア値を含む固執的な肝硬変とともに肝不全を
起こした。
【0038】この患者に胃ゾンデを介して、例1の初乳
調剤を毎日4回、15gづつ4日間にわたり投与した。
この治療のもとに17時間以内に既に、254μg/1
00mlから126μg/100mlへの急速で明瞭な
アンモニアの低下が観測された。4日間の初乳調剤によ
る治療の後で血中アンモニア水準は108μg/100
mlであった。肝機能障害の臨床的徴候は初乳調剤によ
る治療のもとにプラスの影響を受けた。初乳調剤の中止
によって血中アンモニアは2日間以内に再び250μg
/100mlに上昇した。
【0039】この省略試験は治療の時点に限定された血
中アンモニア水準の低下によって牛の初乳による治療の
有効性を印象深く示している。例5 44才の患者の場合に、術後に固執的な肝硬変に基づき
肝不全を起こした。
【0040】例1と同様な初乳の乳清調剤をそれぞれ2
00mlの水に溶解させたもの20gの3回による3日
間の治療の治療の前、第1日目及び第3日目に下記の表
1にあげた実験室パラメータを測定した。 GGTはこの治療のもとに低下するが、一方肝臓の合成
性能はトランスフェリン水準の上昇に見ることができる
ように再び上昇する。例6 9才の少年が肝炎により血漿中の病的に高いGGT値を
有した。例1と同様な10%濃度の初乳の乳清溶液を毎
日2回100mlづつ投与した後で数日間以内にこの肝
臓酵素についての値はGGTについて53U/mlから
21U/mlに低下し、そしてこの療法のもとにこの範
囲内に比較的一定に留まった。
【0041】この調剤を廃止した後、10週間後にその
値は再び68U/mlに上昇した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディートリッヒ・ニッチエ ドイツ連邦共和国、24105 キール、ビス マルクアレー、18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 種々の肝臓病における肝臓機能障害及び
    /又は肝臓柔組織障害の系列の障害の予防及び処置のた
    めに牛の初乳を使用する方法。
  2. 【請求項2】 初乳が牛の出産の後の最初の5日間の間
    に採取される、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 初乳が牛の出産の後の最初の3日間の間
    に採取される、請求項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】 初乳が牛の出産の後の最初の24時間の
    間に採取される、請求項1ないし3のいずれかの方法。
  5. 【請求項5】 初乳の調剤がバクテリア及び毒素を充分
    に除去してある、請求項1ないし4のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】 脱脂された初乳を用いる請求項1ないし
    5のいずれかの方法。
  7. 【請求項7】 脱脂し、そしてカゼインを充分に分離し
    た、初乳を用いる請求項1ないし6のいずれかの方法。
  8. 【請求項8】 脱脂し、カゼインを充分に分離し、そし
    て100000Dよりも小さな分子量を有する蛋白質を
    充分に分離した、初乳を用いる請求項1ないし7のいず
    れかの方法。
  9. 【請求項9】 初乳の調剤を細菌の少ない状態のもとに
    得て加工し、そして最後に滅菌濾過する、請求項1ない
    し8のいずれかの方法。
JP6269923A 1993-11-04 1994-11-02 牛の初乳を肝臓保護用調剤として使用する方法 Withdrawn JPH07206402A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
DE4337654:1 1993-11-04
DE4337654A DE4337654C2 (de) 1993-11-04 1993-11-04 Verwendung boviner Kolostralmilch von nicht mit Viren hyperimmunisierten Tieren als Leberschutzpräparat

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JPH07206402A true JPH07206402A (ja) 1995-08-08

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ID=6501794

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JP6269923A Withdrawn JPH07206402A (ja) 1993-11-04 1994-11-02 牛の初乳を肝臓保護用調剤として使用する方法

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