JPH0720638B2 - インサート射出成形法及び成形品 - Google Patents

インサート射出成形法及び成形品

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JPH0720638B2
JPH0720638B2 JP63127539A JP12753988A JPH0720638B2 JP H0720638 B2 JPH0720638 B2 JP H0720638B2 JP 63127539 A JP63127539 A JP 63127539A JP 12753988 A JP12753988 A JP 12753988A JP H0720638 B2 JPH0720638 B2 JP H0720638B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、インサート部における気密性、密着性、接着
性に優れたインサート成形品を得るための改良されたイ
ンサート射出成形法及びこれにより得られるインサート
成形品に関する。
〔従来の技術とその課題〕
インサート射出成形は、予め目的とする形状に加工され
たインサート材を金型にセットし、これに熱可塑性樹脂
を射出成形することにより、インサート材と熱可塑性樹
脂が一体化した成形品を得る成形法であり、主として金
属製であるインサート材と樹脂の特徴を最大限に有効利
用する方法として広く用いられている。
しかしながら、このようにして得られた成形品は一般に
インサート材と樹脂との界面の気密性、密着性、接着性
の面では完全とは言えず、特に気密性等が要求される用
途には使用できないという欠点がある。この傾向は、ポ
リアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等、固化速度が速
く、固化温度付近で弾性率が急激に変化し成形収縮の大
きい結晶性樹脂において著しく、特に問題となる場合が
多いが、非晶性樹脂においても多かれ少なかれこのよう
な傾向があり、高度の気密性、密着性、接着性が要求さ
れる用途においてはこの問題は避けられない。
インサート成形における斯かる気密性等の問題点を改良
する手段として、使用するインサート材の表面に合成ゴ
ム等による被覆を行い、インサート成形する方法が知ら
れている。また、特開昭53−42251号公報には、表面に
有機高分子材料皮膜を設けたインサート材を用いるイン
サート成形法が開示されており、具体的にはエポキシ樹
脂或いはナイロンでインサート材を被覆することが示さ
れている。
従来より公知の斯かる方法でもインサート成形品の気密
性等はかなり改善されるが、高圧下での使用等、より苛
酷な条件下における気密性、密着性、接着性の点ではな
お不十分である。また、高温、低温或いはこれらの繰り
返しにさらされる場合においては、気密性、密着性、接
着性の耐久性の面でも不十分である。
斯かる如く、熱可塑性樹脂のインサート成形により気密
性等が良く、しかもその耐久性に優れたインサート成形
品が得られないことは、機能部品の樹脂化にとって大き
な障害であり、その改善が切望されていた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは斯かる課題を解決し、インサート部におけ
る気密性、密着性、接着性及びこれらの耐久性に優れた
インサート成形品を得るべく検討を重ねた結果、インサ
ート材の表面に特定成分を含有してなる皮膜を設けるこ
とが極めて有効であることを見出し、本発明に到達し
た。
即ち本発明は、熱可塑性樹脂のインサート射出成形にお
いて、スピロオルソエステル系化合物、スピロオルソカ
ルボナート系化合物、トリオキサシクロオクタン系化合
物及びケタールラクトン系化合物からなる群より選ばれ
た1種又は2種以上の化合物を有機高分子化合物に配合
してなる被覆剤によりインサート材の表面に皮膜を付与
したインサート材を用いることを特徴とするインサート
射出成形法及びこれによって得られるインサート成形品
に関するものである。
本発明においては、まずインサート材の表面に特定成分
からなる皮膜が付与される。
本発明の特徴である皮膜の構成成分について以下説明す
る。
まず、皮膜の構成成分として有機高分子化合物(以下、
(A)成分とする)の存在が必須である。かかる有機高
分子化合物(A成分)は、インサート材と成形樹脂の間
に高粘着性で弾性のある皮膜を形成するための基体とな
るものであり、例えばブタジエン系ゴム、イソプレンゴ
ム、ニトリル系ゴム、クロロプレンゴム、アクリル系ゴ
ム等の各種ゴム、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポ
リアミド系、ポリオレフィン系等の各種エラストマー、
熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポ
リビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル
等の各種熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化
性樹脂等から任意に選択することができる。好ましくは
ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、エラストマー及び合成ゴム等である。
尚、上記の如き成分だけによるインサート材の被覆で
は、インサート成形品の気密性等の改善に対して十分な
効果が得られないことは前述した通りであり、本発明に
おいては、更にスピロオルソエステル系化合物、スピロ
オルソカルボナート系化合物、トリオキサシクロオクタ
ン系化合物及びケタールラクトン系化合物からなる群よ
り選ばれた1種又は2種以上の化合物(以下、(B)成
分とする)が配合されることを特徴とし、かかる構成よ
りなる皮膜を付与したインサート材を用いることによ
り、気密性等は飛躍的に向上する。
斯かる(B)成分は主に皮膜に非収縮性を与えるもので
あり、カチオン性触媒の存在下で分子内不可逆開環する
ことにより架橋構造を呈して膨張し、インサート成形品
のインサート材と成形樹脂の間にあって、両者との密着
性を良くすると共に外部応力を緩和し、歪を削減する効
果を有すると考えられるものである。斯かる(B)成分
として特に好ましいのは、スピロオルソエステル系化合
物であり、その代表例としては2,2−ビス〔4−(2,3−
エポキシプロポキシ)フェニル〕プロパン・6−ヘキサ
ノリド重付加物、8,10,19,20−テトラオキサトリスピロ
〔5.2.2.5.2.2〕ヘネイコサン−2,14−ジエン等があげ
られる。中でも好ましいのは、スピロオルソエステル化
度が250〜500g/eq、より好ましくは300〜400g/eq程度
で、且つエポキシ価が0〜5.0g/eq、特に好ましくは4.6
5g/eq程度のスピロオルソエステル系化合物である。ま
た、別の好ましい物質としては、スピロオルソカルボナ
ート系化合物があげられ、その具体例としては次式で示
されるものがあげられる。
尚、上記の如き化合物(B成分)の開環は反応系中のカ
チオン成分により起こる。通常はメチル・ヘキサヒドロ
フタリック・アンハイドライド、ジ−n−ブチル・スズ
・ジラウレート等の触媒を共存させることによって開環
反応を促進させるのが好ましいが、系中に存在する−CO
OH、−SO3H基等又は酸性水酸基を有するフィラー(アル
ミニウムシリケート系、マグネシウムシリケート系、表
面カルボキシル型有機形マイクロゲル等)の影響でも開
環するものである。この開環反応は常温では起こり難い
ため、インサート材への皮膜付与の段階から成形品を使
用するまでの任意の段階で少なくとも一度の加熱を行
い、開環反応を促進する必要がある。通常は成形時に必
然的に加えられる樹脂の熱によっても十分開環膨張し効
果を発揮するため、これ以外にあえて加熱する必要はな
いが、所望によりインサート材表面に皮膜を付与した
後、乾燥、固着も兼ねて加熱し、(B)成分の開環膨張
を行わせても良く、また成形後、後加熱を行っても良
い。
斯かる如く(B)成分を反応させ、開環膨張させる時期
について特に制約はなく、インサート材の表面に付与さ
れた皮膜中において(B)成分は開環膨張した形で存在
しても良く、また、その一部又は全部が開環した状態で
存在していても良い。
本発明において、インサート材の表面に付与される皮膜
は、上記の如き(A)及び(B)成分を主たる構成成分
とするものであり、これだけで気密性、接着性等の向上
のため十分な効果を発揮するが、これに更にセルロース
誘導体及び水酸基含有界面活性剤からなる群より選ばれ
た1種又は2種以上の化合物を配合することにより、そ
の効果は一段と向上する。ここでセルロース誘導体(以
下、(C)成分とする)は、造膜性(熱流動性)及び膜
の硬度を与えるものであり、セルロース誘導体の中でも
特に本発明の目的に適したものの例としては、セルロー
スアセテート、セルロースプロピオネート、セルロース
ブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セ
ルロースアセテートブチレート、セルロースナイトレー
ト等のセルロースエステル類があげられる。特にブチル
化度又はプロピル化度が17〜55%で、ブチル化度又はプ
ロピル化度の高いセルロースアセテートブチレート、セ
ルロースアセテートプロピオネートがより好ましく、水
酸基濃度が1.0〜3.0個、より好ましくは1.0個程度(4
無水グルコース単位当たり)、粘度が0.01〜20.0sec、
より好ましくは0.2sec程度(規格落球粘度)のものであ
る。
また、水酸基含有界面活性剤(以下、(D)成分とす
る)は、膜の表面調整及びインサート材と成形樹脂との
層間接着性の向上に寄与するものであり、中でも弗素系
及びシリコン系の水酸基含有界面活性剤が好ましい。具
体例としては、弗素系としては水酸基導入パーフロロア
ルキル、シリコン系として水酸基導入オルガノシロキサ
ン等があげられ、共に水酸基価の高いものが有効であ
る。この水酸基の一部が未結合状態で皮膜表面に露出
し、成形樹脂に対して良好な付着性を与える。
本発明において上記の如き皮膜形成成分は、以下述べる
組成範囲となるように配合するのが好ましい。
まず、必須成分である(A)成分及び(B)成分につい
ては、(A)成分/(B)成分=99〜50重量%/1〜50重
量%の範囲で配合するのが好ましい。
(B)成分の配合量が1重量%未満では、十分な膨張性
や可塑化効果が得られず、皮膜の表面平滑性も劣り、イ
ンサート成形品の気密性、接着性等の改善は軽微なもの
となる。また、(B)成分が50重量%を越え(A)成分
が50重量%未満になると、高接着性を与える粘着層が不
足し、インサート材及び成形樹脂との密着が不十分なも
のとなる場合がある。
(A)成分及び(B)成分の配合量として特に好ましい
のは、(A)成分97〜65重量%、(B)成分3〜35重量
%である。
次に(C)成分の配合量は、インサート材及び成形樹脂
との密着性の点から全被覆剤組成物中0〜15重量%とす
るのが好ましい。特に好ましくは0.5〜10重量%であ
る。
また(D)成分は、添加量が過大になると皮膜に欠陥
(クレーター等)が生じる場合があるため、その配合量
は0〜5重量%(全被覆剤組成物中)とするのが好まし
い。より好ましくは0.05〜3重量%である。
本発明において、インサート材の表面に付与される皮膜
は上記の如き組成よりなるものであるが、かかる皮膜組
成中には、目的に応じ更に安定剤、核剤等の各種添加剤
を加え、皮膜性能を高めることも可能である。
本発明においては、インサート材表面に、通常行われて
いる任意の方法で皮膜を付与することができる。一例を
あげれば、皮膜形成成分を溶剤に溶解し粘度を調整した
後、ハケ塗り法、噴霧塗装法、浸漬塗装法、エアレス塗
装法、ローラー塗装法、シャワー塗装法等により塗布す
る方法であり、(A)成分として溶剤可溶性の熱可塑性
樹脂、ゴム等を含有する皮膜の付与に適する。また、別
の例としては、反応性低分子化合物を含有する塗布液を
塗布後、重合、架橋等を行う方法であり、(A)成分と
して熱硬化性樹脂等を含有する皮膜の付与に適する。
斯かる皮膜の付与方法において、皮膜形成成分を含有し
てなる塗布液をインサート材表面に塗布した後、溶剤除
去のため、或いは重合、架橋等を行わせるため、目的に
応じた条件で加熱するのが好ましい。例えば乾燥、溶剤
除去等が目的であれば、40〜160℃で2〜60分間が好ま
しく、特に好ましくは80〜140℃で5〜30分間である。
また、本発明においてはインサート材に組成の異なる2
層以上の皮膜を付与することも可能であり、その内の少
なくとも一層が本発明の規定に合ったものであればよ
い。
また、本発明において皮膜はインサート材全面に設ける
ことが最も容易であり、かつ効果的であるが、一部のみ
に皮膜を設けることも可能である。付与される皮膜の厚
さとしては5〜300μmが好ましい。5μm未満では気
密性、接着性向上の効果が小さく、逆に300μmを越え
ると皮膜の平滑性が低下し、気密性がやや不十分となる
のみならず、皮膜成分によってはインサート材と成形樹
脂の固定力が低下する場合がある。特に好ましい皮膜厚
さは10〜200μmである。
本発明は上記の如く、インサート材の表面に特定成分か
らなる皮膜を設けインサート成形することを特徴とする
ものであり、ここで用いられるインサート材の材質とし
ては特に制約はなく、金属、セラミック、木材、プラス
チック等がいずれも使用できる。一般には金属が用いら
れる場合が多く、また、金属の如く熱膨張係数、熱伝導
度等が成形樹脂と大きく異なるものをインサート材とし
て用いた場合、本発明の効果はより顕著に現れる。
斯かる如くして、皮膜の付与されたインサート材は次に
金型にセットされ、熱可塑性樹脂を射出成形することに
より、目的とするインサート成形品が得られる。インサ
ート成形法としては公知の方法がいずれも可能である。
本発明において、前述した如き皮膜を付与したインサー
ト材を用いたインサート成形品が高度の気密性、密着
性、接着性及びこれらの耐久性を有する理由について、
本発明者らは次の如く考えている。
即ち、インサート材に皮膜を設けない従来法において
は、ゲートより注入された樹脂はインサート材、例えば
金属に接し、表面が固化しながら充填の進行と共にイン
サート材表面をすべり、或いは複雑な動きをとりながら
移動する。この過程において、インサート材に接する樹
脂面には微小かつ複雑な凹凸ができる。この凹凸は充填
完了後の樹脂の固化、収縮によりインサート材に圧接さ
れることにより幾分かは減少するが、完全には消滅しな
いで界面に間隙となって残存し、これが気密性等不良の
要因となる。
斯かる凹凸の残存は、固化速度が速く、収縮が大きく、
しかも固化温度付近で粘度或いは弾性が急変する結晶性
樹脂において著しく、また、強化材を含む樹脂において
も凹凸が生じやすい。
これに対し本発明のインサート材は、表面に熱伝導度の
低い有機高分子化合物を含有する皮膜が存在することに
よりインサート材表面での固化が妨げられるため、一旦
は凹凸が生じても、その内の一部には未固化又は半固化
樹脂が圧接充填され、凹凸が減少することにより気密性
等は向上する。また、本発明においては、皮膜中にさら
に(B)成分が含まれており、その開環膨張により上記
の如き成形過程に生ずる凹凸が一層有効に充填され、そ
の結果、気密性、接着性等が飛躍的に向上するものと考
えられる。
更に、このような(B)成分を含有する皮膜がインサー
ト材と樹脂の界面に存在することにより、高温、低温或
いはその繰り返し等の熱履歴が加えられたとき、インサ
ート材と樹脂との熱膨張、収縮等の違いによる界面での
剥離、間隙の生成が抑制され、優れた気密性、接着性等
の保持が可能になるものと推定される。
本発明により得られるインサート成形品は、斯かる機構
により優れた効果が発現すると推定されるものであり、
固化速度が速く、固化温度付近で粘度又は弾性率が急増
する樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアセター
ル、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプ
ロピレン等の結晶性樹脂を用いたインサート成形に特に
著しい効果がある。
また、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭
素繊維、金属繊維等の強化材が充填された樹脂に対して
も効果が顕著である。尚、非強化の非晶性樹脂の場合、
本来、気密性等は比較的良いため、本発明の効果は相対
的には小さいものとなるが、高度の気密性を得るために
は、本発明の方法の適用が有効である。
本発明のインサート成形方法は、気密性等の向上に有効
な他の方法と併用することも可能である。例えば、イン
サート材の表面にローレットやリング状の凹凸等を設け
ることは、インサート材と成形樹脂との固定をより強固
にする目的で一般的に行われている方法であるが、この
方法を併用すればインサート材と樹脂との接触面積が増
し、密着性が良くなると共に気体等のもれ流路が長くな
るため、気密性の面でも一層向上する。また、O−リン
グの利用も有効である。
〔実 施 例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜8及び比較例1〜2 第1表に示す組成よりなる皮膜を付与した真鍮製インサ
ート材を用い、ポリアセタール樹脂〔ポリプラスチック
ス(株)製ジュラコンM90〕をインサート成形した。
尚、インサート成形品の形状は第1図の通りである。
得られたインサート成形品は下記の方法で気密性の評価
を行った。結果を第1表に示す。
また、比較のため、皮膜を付与しないインサート材を用
いたもの及び本発明以外の組成の皮膜を付与したインサ
ート材を用いたものについても同様にして評価した。結
果を第1表に併せて示す。
冷熱衝撃処理後の気密性 熱衝撃試験機を用いて−40℃で30分間の冷却、120℃で3
0分間の加熱を500回繰り返した後のインサート成形品を
治具に固定し、水中下にてエアーコンプレッサーで3.0k
g/cm2まで除去に加圧し、インサート部から気泡がもれ
始める圧力(評価A)を測定した。また、3.0kg/cm2
圧力下における気泡の発生状況(評価B)を次の5段階
で評価した。
高温処理後の気密性 120℃で48時間加熱した後のインサート成形品について
上記と同様にして評価した。
低温処理後の気密性 −40℃で48時間冷却した後のインサート成形品について
上記と同様にして評価した。
加熱、冷却処理なしの場合の気密性 上記〜の如き加熱及び/又は冷却処理を行わない成
形品について、上記評価Aによる気密性の測定を行っ
た。尚、圧力は5.0kg/cm2まで加えた。
実施例9〜14及び比較例3〜6 成形樹脂としてポリアセタール樹脂(POM)にガラス繊
維20重量%又は炭素繊維20重量%を配合したものを用
い、またインサート材に付与する皮膜組成を第2表の如
く変化させて、実施例1〜8と同様にしてインサート成
形し、評価した。
また比較のため、皮膜を付与しないインサート材を用い
たもの及び本発明以外の組成の皮膜を付与したインサー
ト材を用いたものについても同様にして評価した。結果
を第2表に示す。
実施例15〜21及び比較例7〜8 インサート材に付与する皮膜成分及び組成を第3表の如
く変化させ(但し、皮膜厚さは80〜100μm)、成形樹
脂として前述のポリアセタール樹脂を用い、実施例1〜
8と同様にしてインサート成形し、評価した。
また比較のため、インサート材に皮膜を設けないもの及
び本発明以外の組成の皮膜を設けたものについても同様
にして評価した。結果を第3表に示す。
実施例22〜25及び比較例9〜12 成形樹脂としてポリブチレンテレフタレート(PBT)及
びポリフェニレンサルファイド(PPS)にガラス繊維を
配合したものを用い、インサート材には第4表に示す組
成の皮膜を付与し(皮膜厚さ80〜100μm)、インサー
ト成形し、評価した。
また比較のため、インサート材に皮膜を付与しないもの
及び本発明以外の組成の皮膜を付与したものについても
同様にして評価した。結果を第4表に示す。
〔発明の効果〕 以上の説明並びに実施例により明らかな如く、本発明に
従い、特定成分からなる皮膜を付与したインサート材を
用い、これに熱可塑性樹脂を射出成形して得られるイン
サート成形品は、優れた気密性、密着性、接着性を有
し、さらに高温、低温或いはこれらの繰り返しにさらさ
れる条件下での気密性等の耐久性にも優れたものであ
り、しかも、その他の特性、例えばインサート部での固
定強度、接着力等をも損なうことのないものであり、イ
ンサート成形品として極めて好ましいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例及び比較例において、気密性の評価の
ため成形したインサート成形品の形状を示す略示図であ
り、(A)は平面図、(B)は正面図である。 1……インサート材。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂のインサート射出成形におい
    て、スピロオルソエステル系化合物、スピロオルソカル
    ボナート系化合物、トリオキサシクロオクタン系化合物
    及びケタールラクトン系化合物からなる群より選ばれた
    1種又は2種以上の化合物を有機高分子化合物に配合し
    てなる被覆剤によりインサート材の表面に皮膜を付与し
    たインサート材を用いることを特徴とするインサート射
    出成形法。
  2. 【請求項2】被覆剤が更にセルロース誘導体及び水酸基
    含有界面活性剤からなる群より選ばれた1種又は2種以
    上の化合物を配合してなるものである請求項1記載のイ
    ンサート射出成形法。
  3. 【請求項3】有機高分子化合物がポリウレタン系樹脂、
    ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エラストマー
    及び合成ゴムから選ばれたものである請求項1又は2記
    載のインサート射出成形法。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂が結晶性熱可塑性樹脂である
    請求項1、2又は3記載のインサート射出成形法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4記載のインサート
    射出成形法によって得られるインサート成形品。
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