JPH0720604B2 - 害虫忌避化粧単板 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は角材を任意幅、厚さあるいは長さに接着し得ら
れるフリッチをスライスして得られる害虫忌避剤で処理
した害虫忌避化粧単板に関する。

〔従来技術とその問題点〕 従来から、なら、桜、ケヤキなどの銘木原木を木取りし
た角材を、高含水率状態で複数個をその幅、厚さあるい
は長さ方向に、任意幅、任意厚さあるいは長さに積層接
着してフリッチとした後、 そのフリッチを接着層が現出するように薄板にスライス
して得られた化粧薄単板は、合板、繊維板、パーティク
ルボードなど基材に貼着したり、該基板を任意加工した
後貼着して、壁材、天井材、床材などの建材として用い
られている。

しかし、これら化粧薄単板は何等薬剤処理されていな
い。

一方、一般生活の中でゴキブリを中心とした蚊、ブヨ、
アブ、ハエ、ダニ、ノミ、ナンキンムシなどの生活害虫
は不衛生であるばかりか、人を咬む、刺すなどし、その
部分がはれたり、かゆくなったりするなど環境衛生上好
ましくなく、生活者に不快感を与えるものであった。

また、それらの生活害虫に対しては、はたき、殺虫剤を
用いて殺したり捕虫器で捕獲したりするなどをしてい
た。

しかし、そのいずれの場合においても事後の処理に手間
を必要とし不快感を伴なうものであった。

更に家具、荷物などの隅部、奥部または内部など事後の
処理ができない所で死んだ生活害虫の死骸が新たにカビ
を発生したり、生活害虫の餌となり繁殖するなど問題点
を有していた。

最近、家具の床上に施設したカーペット、ジュータンな
どがダニの温床となり、該ダニまたはダニの死骸、フン
を原因とする子供のゼンソクの発生が大きな社会問題と
なっている。

〔問題点を解決するための手段とその作用〕

本発明は上記のように従来の化粧単板の問題点を解決す
るため、 原木を木取りして得られる角材１を複数個その幅、厚さ
あるいは長さ方向に任意幅、あるいは長さに、害虫忌避
剤を混入してなる接着剤２を介して積層接着し、フリッ
チ３を得た後、該フリッチを切削単板面に接着層が現れ
る如く薄く切削４して求むる害虫忌避化粧単板５を得た
ものである。

このようにして得た害虫忌避化粧単板５は接着剤２が薄
単板の表裏面、側面に全域にわたり露出し、優れた害虫
忌避効果を長期間にわたり発揮する。したがって、この
ようにして得た化粧単板を基材６に貼着することによ
り、化粧板７全体が害虫忌避効果を有する。

〔実施例の説明〕

まづ、なら、桜、ケヤキなど銘木原木を木取りして高含
水率の角材１を得る。この角材１は積層すべき面を平滑
面とした後、複数固を幅、厚さあるいはは長さ方向に任
意幅、任意厚さあるいは長さに、害虫忌避剤の混入され
た接着剤２を介して積層させてフリッチ３とする。

角材１の積層においては該角材１は高含水率状態で行な
っても一定含水率に乾燥したものを用いても良く、また
その含水率状態に応じて使用される接着剤２も通常用い
られるもの、あるいは湿潤面の接着が可能なものなど常
温硬化タイプ、熱硬化タイプ、湿気硬化タイプなどから
選択される。

接着剤２中に混入される害虫忌避剤は液状、粉末あるい
は顆粒状または害虫忌避剤を内含するマイクロカプセル
タイプのものなどいずれのものでもよい。

接着剤２中には他に防カビ剤、着色剤を混入してもよ
い。

角材１は任意幅、任意厚さあるいは任意長さに積層した
後、コールドプレス、ホットプレス、ターンバックル、
高周波プレスなど圧締装置を用いて積層接着をしフリッ
チ３を得る。

次に該フリッチ３を切削装置を用いて切削単板面に接着
層が現れる如く導く切削４する。

このようにしてブロック模様状の害虫忌避化粧単板５が
得られる。

害虫忌避化粧単板５は接着層２に害虫忌避剤が内蔵さ
れ、該害虫忌避剤が徐々に外部に発散する。したがっ
て、害虫忌避は長時間効力が保持される。

マイクロカプセルタイプの場合、害虫忌避剤は封入され
てなるため、害虫忌避剤自体がその使用前、保存する
時、接着剤に混入し使用するまでの間に大気中に発散す
ることがなくその効果を低下することがない。

マイクロカプセルは圧締接着する時点、また切削時に外
殻が破壊され接着剤層に浸透し、徐々に外部に発揮され
てその効果が発揮される。

害虫忌避剤としては、後述する化学式（１）のトルアミ
ド系害虫忌避剤が好ましい。

たとえばその害虫忌避剤の一例としては大和化学工業株
式会社製、商品名“アニンセンＣ−EM"“アニンセンＣ
−140"、吉富製薬株式会社製“レッパーDET"などであ
る。

防カビ剤を混入することでカビの発生を防止、また着色
剤を混入することで接着層を意匠面として現し意匠性が
向上される。

以上の如くして害虫忌避剤が内蔵された接着層が現出す
る害虫忌避化粧単板が得られ、該化粧単板には生活害虫
は寄りつかなくなる。

害虫忌避化粧単板は必要に応じて乾燥した後、合板、繊
維板、パーティクルボードなど基材６に貼着し化粧板と
され壁材、床材、天井材などとして用いられる。

化学式（１）を次に示す。

（化学式１） 但し、R₁,R₂:H CH₃ C₂H₅ C₃H₇ C₄H₉ C₅H₁₁ C₆H₁₃ C₇H₁₅ C₈H₁₇ C₉H₁₉ C₁₀H₂₁ 〔発明の効果〕 害虫忌避化粧単板５は害虫忌避材が混入された接着層２
が現出され、該接着剤２中の害虫忌避剤が発散され、害
虫を寄せつけず、本発明害虫忌避化粧単板を用いて施工
された室内は害虫忌避がなされるとともにその忌避効果
は長期間にわたって発揮され快適環境下での生活が営め
る。

【図面の簡単な説明】

第１図：本発明害虫忌避化粧単板を製造するためのフリ
ッチの斜視図、 第２図：本発明害虫忌避化粧単板の斜視図、 1:角材、4:切削線、 2:接着剤、5:害虫忌避化粧単板、 3:フリッチ、6:基材、 7:化粧板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原木を木取りして得られる角材を複数個そ
   の幅、厚さあるいは長さ方向に任意幅、あるいは長さ
   に、 害虫忌避剤を混入してなる接着剤を介して積層接着しフ
   リッチを得た後 該フリッチを切削単板面に接着層が現れる方向に切削
   し、表裏面に害虫忌避剤の混入された接着層を現出して
   なる害虫忌避化粧単板。