JPH07205611A - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用ラジアルタイヤ

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JPH07205611A
JPH07205611A JP6005307A JP530794A JPH07205611A JP H07205611 A JPH07205611 A JP H07205611A JP 6005307 A JP6005307 A JP 6005307A JP 530794 A JP530794 A JP 530794A JP H07205611 A JPH07205611 A JP H07205611A
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JP
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belt
tire
carcass ply
divided
center
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JP6005307A
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Inventor
Yoshirou Sumiya
吉朗 住矢
Hiroshi Mizutani
浩 水谷
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベルト構造の改善によって、成型工程で発生
するカーカスプライのコード配列の蛇行に起因するショ
ルダー部の肩落ち等の変形を防止して、偏摩耗や耐久性
の低下を防ぎ、バランスのよい重荷重用ラジアルタイヤ
を提供する。 【構成】 両端がビードコアで折返されたカーカスプラ
イ1の外側に3層以上のベルト層Bが配され、これらを
取り囲むようにトレッドおよびサイドウォール等のゴム
層が付設されたラジアルタイヤにおいて、内層側から第
2のベルトB2を幅方向略センターで2分割して、カー
カスプライ1のラジアル方向へのコード配列の復元作用
により両分割ベルトb2 ,b2 に生じる張力を小さくす
る。さらに両分割ベルトb2 ,b2 のコード方向を、幅
方向略センターで交叉方向にし、それぞれ成型工程にお
いて発生するカーカスプライの蛇行による傾斜方向に対
して逆向きの傾斜方向にし、前記コード配列の復元作用
により生じる張力がゴム層に発生する反力と反対方向に
作用するようにして、これら張力と反力の合成による力
を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3層以上のベルトを有
する重荷重用ラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ラジアルタイヤは、図7に示すように、
両端がビード部(22)のビードコア(23)で折返さ
れて支持されたラジアル方向のコード配列層よりなるカ
ーカスプライ(21)を有し、トレッド部(24)にお
けるカーカスプライ(21)の外側にスチールコード等
よりなるベルト層(B)が配されている。バス、トラッ
ク等の重荷重用のラジアルタイヤの場合、ベルト層
(B)としては、通常図のように3層以上のベルトが配
されている。そしてこれらカーカスプライ(21)およ
びベルト層(B)の外側にトレッドゴム(25)、サイ
ドウォールゴム(26)等のゴム層が付着成型されて一
体化されている。
【0003】このようなラジアルタイヤの製造工程にお
ける成型は、一般にはいわゆる2段階成型法で行なわれ
ている。
【0004】その成型法について説明すると、まず第1
段階成型において、円筒状の成型ドラムを回転させなが
ら、該ドラム上にインナーライナーゴム、カーカスプラ
イを巻付け、このカーカスプライの幅方向両端部の所定
位置に、ビードコアにビードフィラーを付着成形して部
品化したビード部材を打込んだ後、カーカスプライの両
端部を外側に折返してビード部材を包み込み、さらにサ
イドウォールゴムを貼り合わせて、1次成型体としての
ケース(グリーンケース)を成型する。
【0005】次に、第2段階成型として、前記のケース
のビード部を保持した状態で、内部に高空気圧を導入し
てケースをトロイダル形状に膨脹させ、次にその外面中
央部周上に、ベルト層および板状のトレッドゴムを貼り
付け成型して、未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を完成
させるか、あるいは予め成形されたベルト・トレッドゴ
ム組立成型体を、これより径小の1次成型によるケース
の外面中央部周上に位置させておいて、ケース内部に高
空気圧を導入してケースを拡張させることにより、両者
を貼り合わせて成型一体化し、未加硫タイヤを完成させ
る。
【0006】前記のケースを成型する第1段階の成型
と、ベルト層およびトレッドゴムを貼り付ける第2段階
の成型とを、外径が拡縮可能な1台の成型ドラム上で連
続して行なう場合と、ケースを1次成型ドラム上で成型
し、次にケースを別の2次成型ドラムに移して第2段階
の成型を行なう場合とがある。
【0007】いずれにしても、前記の第2段階の成型の
ために、例えば図8のような回転式の成型ドラム(3
0)を用いており、1次成型体としてのケース(20)
を、ビード部(22)で成型ドラム両端部のクランプ部
(31)に固定するとともに、その内部(エアバッグや
エアブラダーによる室)への高空気圧導入とクランプ部
(31)の接近作用により、ケース(20)を膨脹させ
た状態(図8の状態)で、カーカスプライ(21)のク
ラウン部外面にベルト層(B)を貼り付け、さらに板状
のトレッドゴム(25)を圧着して貼り付ける。
【0008】このトレットゴム(25)をベルト層
(B)の上から圧着し成型する工程においては、その内
部に圧縮空気を導入することにより、ベルト層(B)に
十分なる張力を付与して剛性を確保するとともに、成型
ドラム(30)を回転させながら、トレッドゴム(2
5)のクラウンセンター(C)から、両側のショルダー
部(27)、サイドウォール部(28)までの範囲にわ
たって、ステッチャーローラ(32)を高圧力下で移動
させつつ外面から押圧して圧着させている。
【0009】ステッチャーローラ(32)の使用目的
は、1次成型体であるケース(20)の外面部のベルト
層(B)とトレッドゴム(25)、さらにはケース(2
0)とベルト層(B)との接合面を外面から強く押圧し
て充分圧着することによって、この接触面に内在してい
る空気溜まりを除去すると同時に、より強く積層状態を
形成し接合面の接着効果を上げるためである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、ケース
(20)を回転させながらステッチャーローラ(32)
で高圧力(約5.5kg/cm2 )で押圧した場合に
は、成型ドラム(30)に固定したビード部(22)よ
り加わる回転力と、ステッチャーローラ(32)の圧力
との抵抗により高い剛性をもつベルト層(B)は、成型
ドラムの回転方向とは逆の方向に反力を受ける。
【0011】成型ドラム(30)の内部の圧力空気(約
2kg/cm2 )による内圧を受けて十分なる剛性を有
することになるので変形は少ないが、ベルト層端部付近
の領域では、ラジアルタイヤのベルトのタガ効果が急激
に低下する上、ベルト全体を覆うトレッドゴム(25)
はベルト幅よりもその幅は広く、しかもその幅は剛性の
低いサイドウォール部(28)にまで及ぶこととなり、
ステッチャーローラ(32)の使用範囲も当然ながらト
レッド部(24)の幅より広くなる。
【0012】そのため、変形し易い未加硫タイヤのカー
カスプライ(21)では、ステッチャーローラ(32)
の力を受けてバットレス部(29)にて著しい変形が強
いられ、未加硫下では十分な復元力を有さない結果、成
形時においては正しくラジアル方向に配列していたカー
カスプライ(21)もコードが蛇行状に変形した状態で
次工程に移送され、これがそのままの状態で加硫されて
製品化されることとなる。
【0013】すなわち、カーカスプライ(21)はその
回転トルクにより抵抗を受ける反作用となってコードの
配列がゴム中で乱れることとなる。
【0014】この状態を図9について説明する。図9の
(a)(b)は、それぞれカーカスプライ(21)の上
にベルト層(B)として3層のベルト、すなわち内層側
から第1、第2および第3の各ベルト(B1 )、(B2
)および(B3 )を積層した状態を示す図である。こ
のうち(a)図は、ステッチャーローラをかける前のカ
ーカスプライ(21)のコードが正常な配列、すなわち
ラジアル方向(実線)に配列されている状態を示し、ま
た(b)図は、これがステッチャーローラ(32)の押
圧成形によって、カーカスプライ(21)のコード配列
が両サイドウォール部に相当する部分で成型ドラムの回
転方向とは反対側へ傾斜して蛇行現象を呈し、正常なラ
ジアル方向(破線)に対し乱れた状態を示し、他方、ベ
ルト層(B)は剛性が大きいので殆ど乱れていない状態
を示している。これが次の加硫工程でそのままの状態で
加硫されることになる。
【0015】上記のごとき成型工程における一連の現象
によりもたらされるコード配列の乱れたカーカスプライ
を用いた製品タイヤ(加硫タイヤ)は、品質上のバラツ
キ等の発生の原因となる。
【0016】すなわち、前記のように成型時にカーカス
プライの蛇行現象を起した状態で加硫され、製品化され
たタイヤに規定内圧を充填すると、その張力によって蛇
行したカーカスプライのコード配列が、再び図9(b)
の点線のラジアル方向の配列に戻る復元現象を呈する。
【0017】この復元力によって、タイヤのバットレス
部(29)及びショルダー部(27)が変形し、その張
力を受けるタイヤ踏面部となるトレッド部(24)で
は、ショルダー部(27)が肩落ちを起し(図7の鎖
線)、トレッド端からほぼ1/4 幅の点(24a)が突出
した状態になる。
【0018】この結果、(1) トレッドの曲率半径、接地
形状が崩れ、ショルダー部の接地圧力が減衰したり、偏
摩耗を発生する、(2) また、左右不均一によりショルダ
ー部の温度上昇を招き、これに伴うベルト層にも歪が発
生し易くなってタイヤの耐久性の低下にも影響する、
(3) カーカスプライとゴムとの接着剥離(セパレーショ
ン)発生の原因となり易い、(4) ラジアルランアウト
(偏芯)により走行安定性阻害の原因となる、等の問題
が生じる。
【0019】この点について、図10を参照してさらに
詳細に検討すると、内圧によって、カーカスプライ(2
1)のコードが蛇行状態(実線)からラジアル方向に配
列(破線)する結果、加硫されたゴム層がその変形を押
える反力(A)(A′)を発生し、同時にベルト層
(B)に張力(E)(E′)が発生する。この張力は、
大きな拘束力つまりタガとして大きな張力を負担する第
2ベルト(B2 )で特に大きくなる。
【0020】ベルト層(B)両端のカーカスプライとの
接点付近では、前記の反力と張力のベクトルが図10の
ように合成される結果、周方向成分の間で力(F)
(F′)がそれぞれ生じるが、この力はF′<<Fとな
り、カーカスプライのコード配列の蛇行による傾斜と同
じ傾斜方向のベルト端側の力(F)が大きくなる。
【0021】ベルト層(B)上のトレッド(24)の踏
面部は、この力(F)(F′)によって、特に前記の大
きい力(F)が生じる側ショルダー部(27)に過大な
変形が起こることになる。このため、タイヤ左右が不均
一になってショルダー部の変形が発生し、耐久性や偏摩
耗等の問題が生じる。
【0022】本発明は、上記に鑑みてなしたもので、ベ
ルト構造の改善によって、成型工程で発生するカーカス
プライのコード配列の蛇行に起因するトレッドショルダ
ー部の変形を矯正あるいは防止して、上記の問題を解決
しようとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明は、両端がビードコアで折返されて支持されたカー
カスプライの外側に3層以上のベルト層が配され、これ
らを取り囲むようにトレッドおよびサイドウォール等の
ゴム層が付設されてなる重荷重用ラジアルタイヤであっ
て、特に内層側から第2のベルトを、幅方向略センター
で2分割した構成としたものである。
【0024】前記幅方向略センターで2分割した第2ベ
ルトは、両分割ベルトのコード方向が、幅方向略センタ
ーで互いに交叉方向をなし、それぞれ成型工程において
発生するカーカスプライのコード配列の蛇行によるサイ
ドウォール寄りの傾斜方向に対して逆向きの傾斜方向を
なしているものが特に好適である。
【0025】
【作用】上記の本発明のラジアルタイヤによれば、タイ
ヤに内圧を充填することにより蛇行状態のカーカスプラ
イのコードがラジアル方向の配列に戻る復元作用によっ
てベルトに発生する張力は、タガとして大きな張力を負
担する第2ベルトが幅方向略センターで2分割されてい
るために、従来の非分割ベルトの場合に比して小さくな
る。また同時に、トレッドやサイドウォール等のゴム層
には前記の復元力に対する反力が発生するが、この反力
と前記張力との合成による力も小さくなりるもので、特
にカーカスプライのコード配列の蛇行による傾斜と同じ
傾斜方向のベルト端側においても小さくなる。
【0026】さらに、前記の第2ベルトの両分割ベルト
のコード方向を、それぞれ成型工程で生じるカーカスプ
ライのコード配列の蛇行による傾斜方向に対し逆向きの
傾斜方向となるようにセンター部で互いに交叉方向にし
てある場合、カーカスプライのラジアル方向へのコード
配列の復元作用によりゴム層に発生する反力に対して、
前記の分割ベルトに生じる張力が前記反力と反対方向に
作用し、そのためこの張力と反力とのベクトルの合成に
よる力が左右共に小さくかつ略等しくなる。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0028】図1は本発明の1実施例に係る空気入りラ
ジアルタイヤの概略を示す断面図であり、このラジアル
タイヤは、両端がビード部(2)に配されたビードコア
(3)の周りを巻上げられ支持された実質的にラジアル
方向のコード配列層からなるカーカスプライ(1)を有
し、トレッド部(4)におけるカーカスプライ(1)の
外側に、スチールコード等にトッピングゴムを被覆して
なる3層以上のベルト層(B)、例えば内層側から順に
第1、第2、第3および第4のベルト(B1 )(B2 )
(B3 )および(B4 )が配されている。そしてこれら
カーカスプライ(1)およびベルト層(B)の外側に、
トレッドゴム(5)、サイドウォールゴム(6)等のゴ
ム層が付着成型されて一体化されている。(7)はショ
ルダー部、(8)はサイドウォール部、(9)はバット
レス部を示す。
【0029】前記の第1ベルト(B1 )は、第2ベルト
(B2 )の幅より狭くする場合〔図2および図3の
(a)〕と、広幅にする場合〔図2および図3の
(b)〕とがある。また第1ベルト(B1 )のコード角
度は、タイヤ周方向のクラウンセンター(C)に対して
15〜65°、第2ベルト(B2 )および第3ベルト
(B3 )は15〜25°とする。エンド数は第1ベルト
(B1 )を、第2および第3ベルト(B2 )(B3 )と
略同じか、あるいは50%までの範囲で少なく設定す
る。
【0030】このベルト層(B)のうち、最内層の第1
ベルト(B1 )は、タイヤ周方向のクラウンセンター
(C)に対して15°〜65°のコード角度を持ち、そ
の他のベルトは15°〜25°のコード角度を持ってい
る。そしてこれら各層は、互い違いの方向に交叉してい
るか、あるいは第1および第2ベルト(B1 )(B2 )
が同方向で、第2ベルト(B2 )と第3番ベルト(B3
)とが交叉しているのが一般的である。
【0031】本発明のラジアルタイヤの場合は、タガと
して大きな張力を負担する第2ベルト(B2 )は、幅方
向略センター、例えばクラウンセンター(C)において
2分割されて、この分割ベルト(b2 )(b2 )同士
が、前記センター(C)で相互に隣接するように突き合
せ状態で配されている。このセンター(C)で一部を重
ね合せ状態で配することも可能であるが、段差を生じさ
せないように図のように突き合せて配するのが好まし
い。
【0032】分割された第2ベルト(B2 )の両分割ベ
ルト(b2 )(b2 )は、双方のコード方向を、従来と
同様に双方とも同じ方向にして、図2のように第1ベル
ト(B1 )と同じ傾斜方向にして配するほか、第1ベル
ト(B1 )とは逆の傾斜方向にして配することも可能で
ある。
【0033】また、図3のように、前記の両分割ベルト
(b2 )(b2 )のコード方向を、センター(C)で互
いに交叉方向をなし、それぞれ成形工程において発生す
るカーカスプライ(1)のコード配列の蛇行によるサイ
ドウォール寄りの傾斜方向に対し逆向きの傾斜方向をな
すものとすることができる。
【0034】上記構造のタイヤは、従来と同様に成型さ
れた後、加硫されて製品タイヤとなるもので、成型工程
におけるステッチャーロールによる圧着と成型ドラムの
回転によって、カーカスプライのコード配列に蛇行が生
じた状態のままで加硫されることになる。
【0035】そして、この製品タイヤの規定内圧の充填
によってカーカスプライ(1)のコードに張力が作用し
て、ラジアル方向のコード配列に復元すると、この復元
作用に対する反力がトレッドおよびサイドウォール等の
ゴム層に発生し、またベルト層(B)にはコード方向の
張力が生じ、両ベルト端付近ではこれら反力と張力との
合成による力が生じるが、本発明の場合、前記のように
タガとして大きな張力を負担する第2ベルト(B2 )が
クラウンセンター(C)で2分割されているため、両分
割ベルト(b2 )(b2 )に発生する張力が非分割ベル
トによる場合に比して小さくなる。
【0036】それゆえ、前記反力と張力との合成による
力が、特にカーカスプライのコード配列の蛇行による傾
斜と同じ傾斜方向のベルト端側においても小さくなり、
ショルダー部(7)が過度に大きく変形したり、肩落ち
したりすることがなく、左右のバランスが大きく崩れる
ことはない。
【0037】特に、図3の実施例の場合は、内圧充填に
よるカーカスプライ(1)のラジアル方向へのコード配
列の復元作用によりゴム層に生じる反力(A)
(A′)、および第2ベルト(B2 )の両分割ベルト
(b2 )(b2 )のコードに発生する張力(E)
(E′)がそれぞれ図4のようになり、これら反力
(A)(A′)と張力(E)(E′)とベクトルの合成
によって生じる力(F)(F′)が左右共に小さく、か
つ略等しくなる。それゆえタイヤトレッドの踏面部およ
びショルダー部に対して与える変形が著しく減少し、左
右のバランスも図2の実施例の場合よりもさらによくな
る。
【0038】図5は、図6の(a)のベルト構造を有す
る本発明の実施例タイヤと、図6の(b)のベルト構造
を有する従来品のタイヤについて、所定の内圧充填
(0.5→7.7kg/cm2 )によるタイヤ左右のベ
ルト層(B)上のトレッド部〔ベルト層(B)上のトレ
ッドゴムを切除した面上〕の内側、中間および外側の各
点(P1 )(P2 )(P3 )と、タイヤ最大幅のサイド
ウォール部外面の点(P4)とにおける変形量(ラジア
ル方向の線に対する変形量)を測定した結果を示し、図
の実線は従来品、破線は本発明の実施例を表している。
【0039】ここで、測定に供したタイヤは、本発明の
実施例および従来品とも、タイヤサイズ:285/75
R24.5であり、ベルト層については、第1〜第3ベ
ルトは「3+6」の撚構造、第4ベルトは「1×5」の
撚構造のスチールコードからなるものとし、そのうち第
2、第3番ベルトのエンド数は12本/インチ、第1ベ
ルトのエンド数は7本/インチのベルトとした。
【0040】図5の測定結果から明らかなように、本発
明の実施例の場合、ベルト層上のトレッドショルダー部
およびサイドウォール部の変形量が従来品よりも大幅に
減少している。
【0041】そのため、変形に起因する偏摩耗が生じた
り、ベルト端部における歪の発生や発熱によるセパレー
ションの発生および耐久力の低下を防止できる。
【0042】なお、第2ベルト(B2 )を幅方向略セン
ターで2分割した構造であっても、、ベルト層(B)は
3層以上からなるものであって、前記第2ベルト(B2
)の分割部分が外側の第3ベルト(b3 )によりカバ
ーされ、しかもセンター部では動きが小さいために、分
割構造としたことによる問題は特に生じず、センター部
でのセパレーションの発生等の心配はない。
【0043】さらに、上記のいずれの実施例において
も、第3ベルト(b3 )の幅は、第2ベルト(B2 )の
幅の95〜85%とした場合、第2ベルト(B2 )と第
3ベルト(B3 )とにベルト幅のステップを設けること
で、ベルト間の歪をさらに軽減できることにな、実施上
より好ましいものとなる。
【0044】また第4ベルトを配さない3層構造のベル
ト層とすることもできるが、図6の(a)のように第4
ベルト(B4 )を配して、このベルト幅を第3ベルト
(B3)の85〜50%とすることができる。これによ
り、左右で異なったベルトコードの傾きの組合せ、ある
いは各層交叉が可能になり、ベルトの拘束力がさらに向
上する。
【0045】
【発明の効果】上記したように本発明のラジアルタイヤ
によれば、特にタガとして最も大きな張力を負担する第
2番ベルトを幅方向略センターで2分割したことによ
り、内圧充填により蛇行状態のカーカスプライがラジア
ル方向のコード配列に戻る復元作用により両分割ベルト
に生じる張力が、非分割ベルトの場合に比して小さくな
り、この張力とゴム層に発生する反力との合成による力
も小さくなるため、ショルダー部における肩落ち等の変
形が従来品に比して減少する。またその結果、ショルダ
ー部の偏摩耗の発生を防止でき、また左右のバランスも
よくなり、ショルダー部の温度上昇やベルト層の歪の発
生、さらにはセパレーションの発生を防ぎ、タイヤの耐
久力を向上できる。
【0046】特に、請求項2の発明のように、前記第2
ベルトの両分割ベルトのコード方向を、カーカスプライ
のコード配列の蛇行による傾斜方向とは逆向きの傾斜方
向をなすように配してある場合、前記コード配列の復元
作用により両分割ベルトに生じる張力がゴム層に生じる
反力と反対の方向に作用して、これら張力と反力の合成
による力が左右共に小さくかつ略等しくなるので、ベル
ト上の踏面部およびショルダー部に対して与える変形が
著しく減少し、左右のバランスもさらによくなり、ショ
ルダー部の変形防止の効果に優れ、偏摩耗防止および耐
久性向上に一層優れた効果を発揮でき、さらに直進走行
性も安定したものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例のタイヤの概略をしめす断面
図である。
【図2】(a)(b)それぞれカーカスプライとベルト
層構造をしめす略示平面図である。
【図3】(a)(b)それぞれ分割ベルトのコード方向
を交叉させた場合のカーカスプライとベルト層構造をし
めす略示平面図である。
【図4】内圧充填時のカーカスプライコードの復元作用
に伴うゴム層の反力とベルト張力の説明図である。
【図5】従来タイヤと本発明タイヤのベルト層上のトレ
ッド部の変形量の比較を示すグラフである。
【図6】図5の変形量の測定位置と、実施例と従来品の
ベルト層構造をしめす略示断面図である。
【図7】従来のタイヤの概略をしめす断面図である。
【図8】同上タイヤの成型時の断面説明図である。
【図9】同上のトレッドゴムの圧着前のベルト層構造
と、圧着後のベルト層構造の略示平面図である。
【図10】従来タイヤの内圧充填時のカーカスプライの
復元作用に伴うゴム層の反力とベルト張力の説明図であ
る。
【符号の説明】
(1) カーカスプライ (2) ビードコア (3) ビード部 (4) トレッド部 (5) トレッドゴム (6) サイドウォールゴム (7) ショルダー部 (8) サイドウォール部 (9) バットレス部 (B) ベルト層 (B1 ) 第1ベルト (B2 ) 第2ベルト (B3 ) 第3ベルト (B4 ) 第4ベルト (C) クラウンセンター

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端がビードコアで折返されて支持された
    カーカスプライの外側に3層以上のベルト層が配され、
    これらを取り囲むようにトレッドおよびサイドウォール
    等のゴム層が付設されてなるラジアルタイヤであって、 内層側から第2のベルトが、幅方向略センターで2分割
    されてなることを特徴とする重荷重用ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】内層側から第2のベルトが幅方向略センタ
    ーで2分割されるとともに、両分割ベルトのコード方向
    が、幅方向略センターで互いに交叉方向をなし、それぞ
    れ成型工程において発生するカーカスプライのコード配
    列の蛇行による傾斜方向に対し逆向きの傾斜方向をなし
    ていることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用ラジ
    アルタイヤ。
JP6005307A 1994-01-21 1994-01-21 重荷重用ラジアルタイヤ Withdrawn JPH07205611A (ja)

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JP (1) JPH07205611A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007118856A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ及びそのタイヤの装着方法
US20120138205A1 (en) * 2010-12-02 2012-06-07 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. Pneumatic tire
JP2016501776A (ja) * 2012-12-21 2016-01-21 ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー 可変ベルト構造
US20220402303A1 (en) * 2019-11-27 2022-12-22 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Tire

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