JPH07205335A - シリコーンゴムローラ - Google Patents

シリコーンゴムローラ

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JPH07205335A
JPH07205335A JP519194A JP519194A JPH07205335A JP H07205335 A JPH07205335 A JP H07205335A JP 519194 A JP519194 A JP 519194A JP 519194 A JP519194 A JP 519194A JP H07205335 A JPH07205335 A JP H07205335A
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JP
Japan
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silicone rubber
platinum
carbon
formula
atom
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Withdrawn
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JP519194A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Fujimoto
哲夫 藤本
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Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ロール芯軸、その外周を囲むシリコーンゴム
組成物の発泡硬化体、それを囲むフッ素系ポリマー層を
有するシリコーンゴムローラにおいて、上記シリコーン
ゴム組成物が、シラノール基含有ポリオルガノシロキサ
ン、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンおよび白金
または白金化合物を含むことを特徴とするシリコーンゴ
ムローラ。 【効果】 シリコーンゴム発泡体層とフッ素系ポリマー
層との間の接着耐久性に優れた、低硬度のローラが得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙送りローラに適するシ
リコーンゴムローラに関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ、複写機、コンピュータな
どにおける給紙は、通常、ゴムローラによって行われて
いる。このゴムローラは、その表面硬度(JIS K6
301;以下同じ)が50以上のものは紙との接触面積
(通称ニップ幅と言われている)が減少するために、一
般に硬度50以下、特に25〜40の範囲のものが使用
されている。しかしながら、最近、これらファクシミ
リ、複写機などの小型化、軽量化が進み、それにつれて
紙送り機構、定着機構におけるローラの圧着力が低減さ
れる傾向にある。そのため、ゴムローラは、低い圧着力
でもスリップせず、定速で紙送りができるように、また
十分なニップ幅がもてるように、ますます低硬度化の傾
向が強まってきている。
【0003】一方、シリコーンゴムは離型性、耐熱性に
優れていることから、紙送りローラ、複写機の定着ロー
ラをはじめ、種々のローラとして使用されている。その
中で前述の低硬度ローラにおいては、プライマーを施し
た金属芯金の外周に、ジメチルシリコーンオイルを多量
に配合した室温硬化型の液状シリコーンゴムを硬化させ
たローラが使われている。しかしながら、この場合は、
配合したシリコーンオイルがブリードし、紙に移行して
品質を損なうほか、ローラ表面がべたついて紙の巻きつ
きが発生し、そのつど運転を止めてこれを除去しなけれ
ばならないという不利があった。
【0004】そのような欠点を解消するために、過酸化
物加硫型シリコーンゴム、特に未硬化の該過酸化物加硫
型シリコーンゴム組成物にアゾビスイソブチロニトリル
のような発泡剤を添加して加熱し、発泡硬化させたシリ
コーンゴム発泡体の表面にフッ素樹脂またはフッ素ゴム
を被覆する方法がとられているが、この種のシリコーン
ゴムは、未硬化状態で流動性がなく、また高温に加熱し
て硬化させる必要があるため、型への挿入と成形が煩雑
であるうえ、得られたローラは、紙送りの累積回転数の
増加に伴い、シリコーンゴムとフッ素樹脂層またはフッ
素ゴム層との間が剥離する傾向があり、低硬度で紙送り
性に優れ、しかも耐久性のあるゴムローラは、今なお得
られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決して、低硬度で紙送り性に優れ、層間剥離
を生じない、紙送りローラとして好適なシリコーンゴム
ローラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題を
解決するために研究を重ねた結果、特定のシリコーンゴ
ム発泡体からなる内層と、フッ素樹脂もしくはフッ素ゴ
ムのコーティング層ないしフィルム層、またはフッ素樹
脂製チューブ被覆層からなる外層とを組み合わせること
によって、課題を解決できることを見出して、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、 (1)ロール芯軸; (2)該芯軸の外周を囲むシリコーンゴム組成物の発泡
硬化体である内層;および (3)該内層の外周を囲むフッ素樹脂もしくはフッ素ゴ
ムのコーティング層ないしフィルム層、またはフッ素樹
脂製チューブ被覆層である外層 を有するシリコーンゴムローラにおいて、上記シリコー
ンゴム組成物が、 (A)1分子中に少なくとも2個の、一般式:
【化3】 (式中、R1 はたがいに同一でも相異なっていてもよ
く、脂肪族性不飽和炭素−炭素結合を含まない置換また
は非置換の1価の炭化水素基を表し;aは1または2を
表し;bは0、1または2を表し;a+bは1、2また
は3である)で示される単位を有し、分子中の他の単位
においても脂肪族性不飽和炭素−炭素結合を含まないシ
ラノール基含有ポリオルガノシロキサン; (B)1分子中に少なくとも3個の、一般式:
【化4】 (式中、R2 はたがいに同一でも相異なっていてもよ
く、脂肪族性不飽和炭素−炭素結合を含まない置換また
は非置換の1価の炭化水素基を表し;cは0、1または
2を表し;dは1または2を表し;c+dは1、2また
は3である)で示される単位を有し、分子中の他の単位
においても脂肪族性不飽和炭素−炭素結合を含まないポ
リオルガノハイドロジェンシロキサンを、(A)成分の
水酸基1個に対してケイ素原子に結合した水素原子が
1.0〜100個になる量;および (C)白金または白金化合物を、白金原子として(A)
成分に対して0.1〜1,000ppm になる量を含むこ
とを特徴とするシリコーンゴムローラに関する。
【0008】本発明で用いられる(1)のロール芯軸
は、機械的強度が十分であれば、鉄、アルミニウム、ス
テンレス鋼など、いずれの材質のものでもよく、またそ
の外周を囲む内層との接着性を向上させるために、プラ
イマー処理されたものであってもよい。
【0009】本発明で用いられる(2)のシリコーンゴ
ム発泡硬化体は、下記の(A)〜(C)成分を含むシリ
コーンゴム組成物を、硬化とともに発泡させたものであ
る。
【0010】このような(A)〜(C)成分を含むシリ
コーンゴム組成物から得られる発泡硬化体を用いること
により、外層との間に良好な接着性が得られ、耐久性に
優れ、ニップ幅など、紙送りローラとして優れた性能を
有するシリコーンゴムローラが得られる。
【0011】本発明でシリコーンゴム組成物の(A)成
分として用いられるシラノール基含有ポリオルガノシロ
キサンは、該組成物のベースポリマーであり、一般式:
【化5】 (式中、R1 、aおよびbは前述のとおり)で表される
単位を1分子中に少なくとも2個有する。また、分子中
の他の単位においても脂肪族性不飽和炭素−炭素結合を
含まない。それ以外には分子構造に特に制限はなく、従
来公知の直鎖状または分岐状のものを使用でき、1種で
も2種以上を併用してもよいが、硬化後の組成物に優れ
た機械的強度を与える点から、上記のシラノール基含有
単位が両末端にある直鎖状のものが好ましい。粘度は、
25℃において100cP〜1,000,000cPが好ま
しく、1,000〜10,000cPのものが特に好まし
い。粘度が100cP未満では硬化物の機械的強度が十分
でなく、1,000,000cPを越えると、ロールの作
製方法によっては取扱いが困難となるためである。
【0012】R1 は、脂肪族性不飽和炭素−炭素結合を
有しない置換または非置換の1価の炭化水素基であり、
このような基としては、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、デシルのようなアルキル
基;シクロヘキシルのようなシクロアルキル基;2−フ
ェニルエチル、2−フェニルプロピルのようなアラルキ
ル基;フェニル、トリル、キシリル、ナフチルのような
アリール基;クロロメチル、3,3,3−トリフルオロ
プロピル、クロロフェニルのような置換された1価の炭
化水素基が挙げられる。R1 はたがいに同一であっても
相異なっていても差し支えないが、特に合成のしやすさ
から、R1 がすべてメチル基であることが好ましい。
【0013】(A)成分において、上記のシラノール基
含有単位以外のケイ素原子に結合した有機基としては、
上述のR1 と同様なものが例示され、合成および取扱い
が容易で、硬化後に、シリコーンゴムの特徴的な性質で
ある耐熱性および耐寒性を典型的に示すことから、R1
を含めた含有機基の85%以上がメチル基であることが
好ましく、実質的にすべてがメチル基であることが、さ
らに好ましい。ただし、特に耐熱性、耐放射線性または
耐寒性が要求される場合は、それに応じた量のフェニル
基を;また耐油性、耐薬品性が要求される場合は、3,
3,3−トリフルオロプロピル基などを、必要に応じて
用いることができる。
【0014】本発明でシリコーンゴム組成物の(B)成
分として用いられるポリオルガノハイドロジェンシロキ
サンは、一般式:
【化6】 (式中、R2 、cおよびdは前述のとおり)で表される
単位を1分子中に少なくとも3個有し、ケイ素原子に直
接結合した水素原子が、(A)成分のシラノール基との
脱水水素反応により、水素ガスを発生するとともに、架
橋を行うのに寄与する成分である。
【0015】この(B)成分は、上述の単位の存在によ
り、1分子中にケイ素原子に直接結合した水素原子を3
個以上有するものであれば、分子中に脂肪族不飽和炭素
−炭素二重結合を有しないこと以外に、その分子構造に
特に制限はなく、従来公知の直鎖状、環状または分岐状
のものを使用でき、1種でも2種以上を併用してもよい
が、合成のしやすさから、直鎖状のものか、またはR2
HSiO1/2 単位とSiO2 単位とからなるポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサンが好ましい。合成および取
扱いが容易なことから、粘度は、25℃において5〜5
00cPが好ましく、10〜200cPがさらに好ましい。
【0016】R2 は、脂肪族性不飽和炭素−炭素結合を
含まない置換または非置換の1価の炭化水素基であり、
このような基としては、前述のR1 と同様なものが例示
され、R1 の場合と同様な理由で、R2 がすべてメチル
基であることが好ましい。
【0017】その他のシロキサン単位のケイ素原子に結
合した有機基は、たがいに同一であっても相異なってい
ても差し支えなく、R2 と同様の基が例示されるが、特
に合成のしやすさから、すべてメチル基であることが好
ましい。
【0018】(B)成分の使用量は、(A)成分の水酸
基1個に対して、ケイ素原子に結合した水素原子が1.
0〜100個、好ましくは2.0〜50個となるような
量が良い。水素原子が1個未満では発生する水素ガス量
が少なく、また架橋が少なくて機械的強度が弱くなり、
100個を越えると硬化後の物性の変化(特に耐熱性の
低下)が大きくなるからである。
【0019】本発明でシリコーンゴム組成物の(C)成
分として用いられる白金または白金化合物は、(A)成
分と(B)成分の間の脱水素縮合反応により、本発明の
組成物を硬化とともに水素を発生させるための触媒であ
る。これには、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコールか
ら得られる錯体、白金オレフィン錯体、白金ケトン錯
体、白金ビニルシロキサン錯体などの白金化合物;なら
びにアルミナやシリカ担体に保持した白金、白金黒など
の形態の担体白金が例示される。
【0020】(C)成分は、上記の脱水素反応の触媒と
しての必要量が用いられるが、この量は(A)成分に対
して白金原子に換算して0.1〜1,000ppm となる
範囲であり、好ましくは0.5〜200ppm である。
0.1ppm 未満では触媒濃度が低いため発泡硬化が不十
分となる。また1,000ppm を越えて配合してもそれ
以上の効果はなく、(C)成分が貴金属を含み、一般に
高価であるために、経済的に好ましくはないからであ
る。
【0021】本発明において、上述の(A)〜(C)成
分を含むシリコーンゴム組成物に、必要に応じて、煙霧
質シリカ、沈降法シリカ、石英粉末、けいそう土、酸化
チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セ
リウム、マイカ、クレイ、炭酸カルシウム、カーボンブ
ラック、グラファイトのような充填剤や顔料;炭酸亜
鉛、炭酸マンガンのような難燃化剤;水酸化セリウムの
ような耐熱性向上剤などを配合することができる。ま
た、本発明の効果を損なわない範囲で、チキソトロピッ
ク化剤、および/または(A)、(B)成分以外のポリ
オルガノシロキサンを併用して、組成物に流動性を向上
させたり、チクソトロピー性を付与したりしてもよい。
【0022】上述のシリコーンゴム組成物は、一般に、
(A)および(C)成分、さらに必要に応じて上記の充
填剤を配合したものを調製して主剤とし、(B)成分を
硬化剤として別容器に収容する二包装形態で保存し、該
主剤と該硬化剤を所定の配合比で混合することによって
調製する。得られた該組成物は、室温で速やかに発泡硬
化が進行する。また、100℃以下の比較的低温に加熱
することで、きわめて短時間に発泡硬化させることもで
きる。発泡硬化により、見掛け比重0.05〜0.25
のシリコーンゴム発泡体が得られる。
【0023】本発明において、(3)の外層は、内層の
外周面をフッ素樹脂またはフッ素ゴムでコーティングし
たり、フィルムを巻き付けてシリコーン系接着剤で固定
したりして得られるコーティング層ないしフィルム層、
またはフッ素樹脂チューブで被覆させて得られる被覆層
である。
【0024】外層に使用するフッ素樹脂の例としては、
四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−パーフルオ
ロビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−六フッ
化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−エチレン共
重合体、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられ、フッ素
ゴムの例としては、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピ
レン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロ
エチレン共重合体などが挙げられ、これらは熱収縮チュ
ーブ、フィルム、水性塗料などの形で入手できる。フッ
素樹脂製チューブにおいては、その内面をナトリウム・
ナフタレン法、スパッタエッチング法、コロナ放電処理
法などにより処理されたものが、シリコーンゴムとの接
着をより強固にし、有用である。
【0025】本発明のシリコーンゴムローラは、次のよ
うにして作製できる。たとえば、まず、円筒状の金型の
中央部に、必要に応じてプライマー処理を施した金属製
のロール芯軸をセットした後、前述の(A)〜(C)成
分を含むシリコーンゴム組成物を注入し、ついで前述の
ようにして発泡硬化させて、シリコーンゴム発泡硬化体
からなる内層を形成する。ついで、その外周面に、必要
に応じてプライマー処理を施した後、フッ素樹脂もしく
はフッ素ゴムを含む塗料、たとえば水性塗料をスプレー
などの方法によって塗布し、乾燥後、加熱によって硬化
させて、フッ素樹脂もしくはフッ素ゴムのコーティング
層からなる外層を形成する。または、塗料を塗布する代
わりに、内層の外周面に、フッ素樹脂もしくはフッ素ゴ
ムのフィルムを巻きつける。あるいは、フッ素樹脂の熱
収縮チューブを装着し、加熱によって収縮させて、内層
の外周面にフッ素樹脂製チューブを密着させてもよい。
【0026】あるいは、前記の芯軸を中心に、空間部を
設けて前記のフッ素樹脂の熱収縮チューブを置き、その
空間部に前記のシリコーンゴム組成物を注入した後、加
熱により、シリコーンゴム組成物の発泡硬化と熱収縮チ
ューブの収縮を同時に行って、シリコーンゴム発泡硬化
体からなる内層と、フッ素樹脂からなる外層を同時に形
成してもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明のシリコーンゴムローラは、内層
のシリコーンゴム発泡硬化体と、外層のフッ素樹脂また
はフッ素ゴムとの間の接着耐久性に優れ、剥離しにく
い。また、これらの被覆部分の硬さが低く、大きなニッ
プ幅が得られるほか、シリコーンゴムやフッ素系ポリマ
ー固有の耐熱性に優れている。
【0028】本発明のシリコーンゴムローラは、これら
の特徴を生かして、各種の工業用ローラとして有用であ
る。とくに複写機、ファクシミリなどの事務機に用いら
れる定着用ローラをはじめ、紙送りを必要とするローラ
として有用である。
【0029】
【実施例】以下、本発明を調製例、実施例および比較例
によってさらに詳細に説明する。これらの例で、部はい
ずれも重量部を示す。本発明は、これらの実施例によっ
て限定されるものではない。
【0030】調製例1 (A)成分として、25℃における粘度が20,000
cPのα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン(A
−1)100部、(B)成分として、25℃における粘
度が40cPの、末端がトリメチルシリル基で封鎖され、
残余がすべてメチルハイドロジェンシロキシ単位である
ポリメチルハイドロジェンシロキサン(B−1)6部、
(C)成分として、白金ビニルシロキサン錯体を白金原
子としてA−1に対して100ppm 、および充填剤とし
て煙霧質シリカ粉末20部をプラネタリーミキサーに仕
込み、均一に分散するまで常温で混合して、シリコーン
ゴム組成物S−1を調製した。組成物中、B−1のケイ
素原子に結合した水素原子の数は、A−1のシラノール
基1個に対して25個であった。
【0031】調製例2 A−1の代わりに、25℃における粘度が20,000
cPのα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(A−
2)100部を用いたほかは調製例1と同様にして、比
較のためのシリコーンゴム組成物S−2を調製した。B
−1のケイ素原子に結合した水素原子の数は、A−2の
末端ビニル基1個に対して25個であった。
【0032】調製例3 (A)成分として、25℃における粘度が5,000cP
のα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン(A−
3)100部、(B)成分として、25℃における粘度
が20cPの、末端がトリメチルシリル基で封鎖され、残
余がすべてメチルハイドロジェンシロキシ単位であるポ
リメチルハイドロジェンシロキサン(B−2)5部、
(C)成分として、白金ビニルシロキサン錯体を白金原
子としてA−3に対して50ppm 、および充填剤として
煙霧質シリカ粉末10部をプラネタリーミキサーに仕込
み、均一に分散するまで常温で混合して、シリコーンゴ
ム組成物S−3を調製した。組成物中、B−2のケイ素
原子に結合した水素原子の数は、A−3のシラノール基
1個に対して15個であった。
【0033】調製例4 A−3の代わりに、25℃における粘度が5,000cP
のα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(A−4)
100部を用い、B−2の配合量を0.5部としたほか
は調製剤3と同様にして、比較のためのシリコーンゴム
組成物S−4を調製した。B−2のケイ素原子に結合し
た水素原子の数は、A−4の末端ビニル基1個に対して
1.5個であった。
【0034】実施例1 内径16mm、長さ250mmの円筒状キャビティおよびそ
の両端に各10mmの芯軸端収容部を有する金型内に、あ
らかじめシリコーンゴム用プライマーME151(東芝
シリコーン(株)製、商品名)を塗布した直径6mm、長
さ270mmのアルミニウム製芯軸をセットした後、シリ
コーンゴム組成物S−1を注入し、50℃で5分間加熱
することにより、発泡硬化させて、外径16mmの円筒状
のシリコーンゴム発泡体からなる内層を形成させた。つ
いで、その外周面に、フッ化ビニリデン−六フッ化プロ
ピレン共重合体をベースポリマーとして含むフッ素ゴム
系水性塗料を30μm の厚さに塗布し、170℃で3分
間加熱して硬化させ、フッ素ゴムからなる外層を形成さ
せた。このようにして、JIS A硬さが10の、外周
にフッ素ゴム層を有するシリコーンゴムローラが得られ
た。
【0035】このローラについて、PPC複写機の定着
ローラとしての実装試験を行った。すなわち、これを定
着ローラとしてPPC複写機に組み込み、ローラ間圧力
3kgf/cm2 で、A4サイズの普通紙により10万枚の連
続複写を行ったところ、ローラになんらの異常は認めら
れず、良好な複写物が得られた。
【0036】実施例2 直径8mm、長さ300mmのアルミニウム製芯軸の表面
に、シリコーンゴム用プライマーME151(東芝シリ
コーン(株)製、商品名)を塗布した。実施例1に用い
たのと同様の内径28mm、長さ280mmのキャビティを
有する金型を用いて、該芯軸の外周に、その両端部を除
く長さ280mmにわたって円筒状にシリコーンゴム組成
物S−3の層を形成し、70℃で5分間加熱することに
より、発泡硬化させて、外径28mmの円筒状のシリコー
ンゴム発泡体からなる内層を形成させた。ついで、その
外周面に、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重
合体をベースポリマーとして含むフッ素ゴム系水性塗料
を40μm の厚さに塗布し、170℃で3分間加熱して
硬化させ、フッ素ゴムからなる外層を形成させた。この
ようにして、JIS A硬さが15の、外周にフッ素ゴ
ム層を有するシリコーンゴムローラが得られた。
【0037】このローラについて、実施例1と同様の実
装試験を行ったところ、10万枚の連続複写後も、ロー
ラになんらの異常は認められず、良好な複写物が得られ
た。
【0038】比較例1 シリコーンゴム組成物S−1の代わりにS−2を用いた
以外は、実施例1と同様にして、外周にフッ素ゴム層を
有する、実施例1と同一の寸法のシリコーンゴムローラ
を得た。ただし、ローラのJIS A硬さは25であっ
た。
【0039】このローラについて、実施例1と同様の実
装試験を行ったところ、約3.5万枚を印刷したところ
で、異常音とともに紙じわが発生した。そこで、ローラ
を観察したところ、外層のフッ素ゴムの一部が内層より
剥離していた。
【0040】比較例2 シリコーンゴム組成物S−3の代わりにS−4を用いた
以外は、実施例2と同様にして、外周にフッ素ゴム層を
有する、実施例2と寸法が同一で、ローラのJIS A
硬さが15のシリコーンゴムローラを得た。
【0041】このローラについて、実施例1と同様の実
装試験を行ったところ、約6.2万枚を印刷したところ
で、異常音とともに紙じわが発生した。そこで、ローラ
を観察したところ、外層のフッ素ゴムの大部分が内層よ
り剥離していた。
【0042】比較例3 実施例1と同様の金型内に、あらかじめシリコーンゴム
用プライマーME21(東芝シリコーン(株)、商品
名)を塗布した直径6mm、長さ270mmのアルミニウム
製芯軸をセットした後、有機過酸化物系加硫剤TC−8
(東芝シリコーン(株)、商品名)を3重量%とアゾビ
スイソブチロニトリルを2重量%混合した未硬化の熱加
硫型シリコーンゴム混和物TSE260−4U(東芝シ
リコーン(株)、商品名)を入れ、180℃で10分間
加熱することにより、発泡硬化させて、外径16mmの円
筒状のシリコーンゴム発泡体からなる内層を形成させ
た。ついで、その外周面に、フッ化ビニリデン−六フッ
化プロピレン共重合体をベースポリマーとして含むフッ
素ゴム系水性塗料を30μm の厚さに塗布し、170℃
で3分間加熱して硬化させ、フッ素ゴムからなる外層を
形成させた。このようにして、JIS A硬さが15
の、外周にフッ素ゴム層を有するシリコーンゴムローラ
が得られた。
【0043】このローラについて、実施例1と同様の実
装試験を行ったところ、約5.4万枚を印刷したところ
で、異常音とともに紙じわが発生した。そこで、ローラ
を観察したところ、外層のフッ素ゴムの一部が内層より
剥離していた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ロール芯軸; (2)該芯軸の外周を囲むシリコーンゴム組成物の発泡
    硬化体である内層;および (3)該内層の外周を囲むフッ素樹脂もしくはフッ素ゴ
    ムのコーティング層ないしフィルム層、またはフッ素樹
    脂製チューブ被覆層である外層を有するシリコーンゴム
    ローラにおいて、 上記シリコーンゴム組成物が、 (A)1分子中に少なくとも2個の、一般式: 【化1】 (式中、R1 はたがいに同一でも相異なっていてもよ
    く、脂肪族性不飽和炭素−炭素結合を含まない置換また
    は非置換の1価の炭化水素基を表し;aは1または2を
    表し;bは0、1または2を表し;a+bは1、2また
    は3である)で示される単位を有し、分子中の他の単位
    においても脂肪族性不飽和炭素−炭素結合を含まないシ
    ラノール基含有ポリオルガノシロキサン; (B)1分子中に少なくとも3個の、一般式: 【化2】 (式中、R2 はたがいに同一でも相異なっていてもよ
    く、脂肪族性不飽和炭素−炭素結合を含まない置換また
    は非置換の1価の炭化水素基を表し;cは0、1または
    2を表し;dは1または2を表し;c+dは1、2また
    は3である)で示される単位を有し、分子中の他の単位
    においても脂肪族性不飽和炭素−炭素結合を含まないポ
    リオルガノハイドロジェンシロキサンを、(A)成分の
    水酸基1個に対してケイ素原子に結合した水素原子が
    1.0〜100個になる量;および (C)白金または白金化合物を、白金原子として(A)
    成分に対して0.1〜1,000ppm になる量を含むこ
    とを特徴とするシリコーンゴムローラ。
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