JPH07204723A - 搬送時のストリップの捲れ上がり抑制装置 - Google Patents

搬送時のストリップの捲れ上がり抑制装置

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JPH07204723A
JPH07204723A JP1322194A JP1322194A JPH07204723A JP H07204723 A JPH07204723 A JP H07204723A JP 1322194 A JP1322194 A JP 1322194A JP 1322194 A JP1322194 A JP 1322194A JP H07204723 A JPH07204723 A JP H07204723A
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JP1322194A
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Hisashi Honjo
恒 本城
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膨大な設備費を要さずに実施でき、ランナウ
トテーブルでのストリップ冷却性を悪化させずに、高速
搬送時のストリップ先端の捲れ上がりを抑制できる装置
を提供する。 【構成】 仕上圧延ミル5を通過して搬送されるストリ
ップ2の先端の上方に配置されるストリップ先端ガイド
板1と、ストリップ先端ガイド板1を保持するとともに
ストリップ2とともにストリップ搬送方向に走行する走
行台車7と、さらに、ストリップ先端ガイド板1の設置
位置を調整する設置位置調整装置を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、搬送時のストリップの
捲れ上がり抑制装置に関し、例えば、熱延仕上ミルの下
流に位置する熱延ストリップ冷却用のランナウトテーブ
ルを高速で搬送されるストリップの先端において発生す
る捲れ上がり現象を抑制することができる搬送時のスト
リップの捲れ上がり抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱延仕上ミルにより最終仕上圧延を行わ
れて所定の板厚に圧延された熱延ストリップは、通常は
100m前後の長さにわたって設置されるランナウトテ
ーブルにより高速で搬送されながら冷却水を噴射されて
所定の温度まで強制冷却され、その後搬送方向を切り替
えるピンチロールを介して2基または3基並列して設置
された巻取機に順次送られ、巻取機によりコイルに巻き
取られる。
【0003】ところで、図5に示すように、連設された
多数の搬送ロール3により構成されるランナウトテーブ
ル3´上を搬送される熱延ストリップ2の先端は、高速
走行時に受ける空気抵抗により捲れ上がったり(図5の
実線参照)浮き上がったり(図5の破線参照)する。か
かる現象は、熱延ストリップ2の板厚が小さいほど、ま
た熱延ストリップ2の走行速度が大きいほど顕著に発生
するが、一端発生すると、ランナウトテーブル3´上に
おける走行性を悪化させるとともに巻取機での巻き取り
失敗・不良をも誘発し、ライン停止原因の一つになって
しまう。
【0004】そこで、従来は熱延ストリップの先端が巻
取機に到達して熱延ストリップが巻取機のマンドレルに
巻き付くまでの間は、熱延ストリップの先端の捲れ上が
り現象が発生しない程度の低速でストリップを搬送し、
ストリップ先端が巻き付いてからはストリップ搬送速度
を低速から高速に切り替えて搬送を行うこととしてい
た。このため、前述のように長大な長さのランナウトテ
ーブルを熱延ストリップが通過する時間をある一定時間
以下に短縮することができず、そのためにランナウトテ
ーブルに直結する圧延工程の圧延速度を増加することが
できず、圧延工程全体の生産性の低下を解消することは
できなかった。
【0005】そこで、近年に至り、巻取機への巻き付き
完了までの間における熱延ストリップの搬送速度を低下
せずに高速としたままでも、熱延ストリップの先端の捲
れ上がりを抑制する技術が提案されている。
【0006】例えば、特開平4−138813号公報や
実開平5−16735号公報には、ランナウトテーブル
の上方にストリップ搬送方向についてリニアモータを連
続して多数吊り下げておき、搬送される熱延ストリップ
の先端をリニアモータの電磁力により吸引・固定するこ
とにより、熱延ストリップの先端の捲れ上がりを抑制し
ながら熱延ストリップを搬送するストリップ搬送装置が
提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのリニ
アモータを用いたストリップ搬送装置では、約100m
にも及ぶランナウトテーブルのほぼ全長にリニアモータ
を多数設置する必要があるために設備費が膨大になるこ
と、およびランナウトテーブルの上方を覆うようにして
リニアモータを設置する必要があるためにランナウトテ
ーブルの上方に多数連設された冷却水噴射ノズルから噴
射される冷却水が熱延ストリップに噴射されることを妨
害して熱延ストリップの冷却性を低下することになり、
最終製品である熱延鋼板の機械的特性に影響する熱延ス
トリップの巻取温度の管理が不十分になることといった
問題があり、その実現は容易ではなかった。
【0008】本発明はこのような従来の技術の有する問
題点に鑑みてなされたものであり、膨大な設備費を要さ
ずに実施することができるとともにランナウトテーブル
でのストリップの冷却性に影響を与えることがなく、高
速で搬送してもストリップ先端の捲れ上がりを抑制する
ことができる搬送時のストリップの捲れ上がり抑制装置
を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明にかかる搬送時のストリップの捲れ上がり抑
制装置(以下、単に「本発明にかかる装置」という。)
は、仕上圧延ミルを通過して搬送されるストリップの先
端の上方に配置されるストリップ先端ガイド部材と、当
該ストリップ先端ガイド部材を保持するとともに前記ス
トリップとともにストリップ搬送方向に走行する走行装
置とを組み合わせて備えることを特徴とするものであ
る。
【0010】さらに、本発明にかかる装置は、上記の構
成に加えて、ストリップ先端ガイド部材の設置位置を調
整する設置位置調整装置を備えるように構成する。
【0011】
【作用】本発明にかかる請求項1記載の装置は、仕上圧
延ミルを通過して搬送されるストリップの先端の上方に
配置されるストリップ先端ガイド部材と、当該ストリッ
プ先端ガイド部材を保持するとともに前記ストリップと
ともにストリップ搬送方向に走行する走行装置とを組み
合わせて備えるため、搬送時のストリップ先端の上方に
常にストリップ先端ガイド部材が配置される。そのた
め、高速搬送時に受ける空気抵抗によりストリップ先端
が上方へ捲れ上がろうとすると、その上方に配置された
ストリップ先端ガイド部材により上方から押さえ付けら
れ、ストリップ先端の捲れ上がりが抑制される。
【0012】ストリップ先端ガイド部材は、上方へ捲れ
上がろうとするストリップ先端に接触してこれを押さえ
付けることができる大きさであるため、ランナウトテー
ブルの上方を覆うのは一瞬であって極めて短時間とな
る。そのため、搬送時のストリップへ噴射される冷却水
の妨害量が極めて少ない。
【0013】走行装置は、搬送されるストリップととも
にストリップ搬送方向に走行可能なものであればよく、
公知の走行装置を用いて構成する。そのため、膨大な設
備費を要さずに設置される。
【0014】本発明にかかる請求項2記載の装置は、さ
らにストリップ先端ガイド部材の設置位置調整装置を備
えるため、搬送されるストリップの先端の捲れ上がりの
高さや向きといった捲れ上がりの程度に応じてストリッ
プ先端ガイド部材の設置位置を調整し、ストリップ先端
にストリップ先端ガイド部材が接触する際の力を緩和す
る。そのため、ストリップ先端またはその近傍に生じる
当り傷を解消する。また、本発明の装置を使用しない場
合には設置位置調整装置によりストリップ先端ガイド部
材を上限位置に退避して搬送されるストリップとの距離
を充分に確保することによりストリップとの干渉が防止
される。
【0015】
【実施例】本発明にかかる装置を、熱延ストリップの仕
上圧延ミルの下流工程に位置するランナウトテーブルに
適用した一実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明
する。
【0016】図2は、本発明の装置を熱延ストリップ2
の仕上圧延ミル5の下流工程に位置するランナウトテー
ブルに適用した状況を示す説明図である。
【0017】仕上圧延ミル5により最終仕上圧延を行わ
れて所定の板厚とされた熱延ストリップ2は、約100
mの長さにわたって設置されるストリップ冷却用のラン
ナウトテーブル3´を経て、ピンチロール6により搬送
方向を切替えられて、図示しない複数の巻取機に順次送
られる。
【0018】このように、仕上圧延ミル5の下流工程に
は熱延ストリップ2を載置してピンチロール6へ搬送す
る多数連設された搬送ロール3からなるランナウトテー
ブル3´が設置されており、このランナウトテーブル3
´の上方には多数の冷却水噴射ノズル4がストリップ搬
送方向に連設される。
【0019】各搬送ロール3の中心軸方向の両側には、
ランナウトテーブル3´の入側および出側に配置された
スプロケット8と駆動モータ13付のスプロケット9と
により環状に巻張された2本のチェーン10、10が配
置される。これら2本のチェーン10、10に本発明に
おける走行装置の一例としての走行台車7が接続され
る。走行台車7の構造は図1を参照しながら後述する。
【0020】図2において、駆動モータ13を正転する
ことにより熱延ストリップ2の搬送方向との平行を維持
しつつ走行台車7が原位置Oを起点として熱延ストリッ
プ2の搬送速度とほぼ同じ速度で同期して移動し、また
駆動モータ13を逆転することにより熱延ストリップ2
の搬送速度との平行を維持しつつ走行台車7が原位置O
に向けて駆動モータ13の回転数に応じた任意の速度で
移動する。なお、図2における符号11は仕上圧延ミル
5の主モータであり、この主モータ11の回転速度から
算出される熱延ストリップ2の搬送速度が走行装置加減
速停止指令装置12に出力され、走行装置加減速停止指
令装置12では入力された熱延ストリップ搬送速度に基
づいて走行台車7の起動タイミング、走行速度および停
止タイミングを演算し、この演算結果に基づく起動およ
び走行指令信号を駆動モータ13に出力し、スプロケッ
ト9を所望の起動タイミングおよび回転速度で動作させ
るとともに、前述の演算結果に基づく停止指令信号を駆
動モータ13に出力し、スプロケット9を所望の停止タ
イミングで停止し、その後にランナウトテーブル3´の
長さに等しい回転数だけスプロケット9を逆転させる。
【0021】ランナウトテーブルの下流には、図3を参
照しながら後述するストリップの浮遊搬送装置14が設
置されており、ランナウトテーブル3´〜ピンチロール
6間における熱延ストリップ2の捲れ上がりが抑制さ
れ、熱延ストリップ2はピンチロール6に確実に噛み込
む。
【0022】次に、図1を参照しながら走行装置の構造
を詳細に説明する。本実施例において走行装置の一例と
して走行台車7を用いるが、この走行台車7は、前述し
たようにストリップ搬送方向に熱延ストリップ2の搬送
速度とほぼ同じ速度で往復移動するとともに、熱延スト
リップ2の上方に配置されて搬送時の熱延ストリップ2
の先端を完全に覆うことができる大きさのストリップ先
端ガイド板1をストリップ先端ガイド部材の一例として
保持する。
【0023】走行台車7は、対向する二つの中空の本体
15、15それぞれに車輪16が二つずつ軸支され、こ
れらの車輪16は、多数連設された搬送ロール3により
搬送される熱延ストリップ2の両側に平行に配置された
レール18、18にそれぞれ案内される。2本のワイヤ
10、10は二つの本体15、15に接続され、走行台
車7を熱延ストリップ2の搬送方向およびこれと逆行す
る方向の2方向に牽引する。
【0024】各本体15それぞれの上辺には鉛直下方に
向けて穿設された二つの貫通孔が設けられており、これ
らの貫通孔にはそれぞれL字型に屈曲した形状のハンド
ル17、17が挿設される。ハンドル17の貫通孔の上
端部および下端部に相当する部分には環状のつば17a
および17bが設けられて、本体15に対するハンドル
17の上下方向位置を規制する。本体15の中空部内に
位置するハンドル17の下端部にはネジ部17cが螺刻
される。
【0025】このハンドル17の下端部に螺刻されたネ
ジ部17cと噛合する内面形状を有する中空円柱状の支
持部材19が4つのハンドル17の下端側に設置されて
おり、これら4つのの支持部材19の熱延ストリップ2
側には継手20を介して上下方向に移動自在に、本発明
におけるストリップ先端ガイド部材としてのストリップ
先端ガイド板1が支持される。ストリップ搬送方向の後
端側を支持する二つの支持部材19、19、または先端
側を支持する二つの支持部材20、20とそれぞれ噛合
するハンドル17、17を回動することにより、二つの
支持部材がハンドルに対して、上下方向に移動し継手2
0を介して支持されるストリップ先端ガイド板1も前端
側または後端側別々に上下方向に移動し、熱延ストリッ
プ2の搬送方向を含む垂直断面において、熱延ストリッ
プ2に対するストリップ先端ガイド板1の角度が任意に
調整される。本実施例ではこのように、ハンドル17、
つば17aおよび17b、支持部材19および継手20
により設置位置調整装置が構成される。
【0026】本実施例における走行台車7は以上のよう
に構成される。次に、図3を参照しながらランナウトテ
ーブル3´の下流のランナウトテーブル3´〜ピンチロ
ール6間に設置されて、この間における熱延ストリップ
2の捲れ上がりを抑制するストリップの浮遊搬送装置2
1(図1における符号14)について説明する。
【0027】前述のように、図1において、ランナウト
テーブル3´を通過した熱延ストリップ2のピンチロー
ル6への噛み込みをさらに確実にするため、ピンチロー
ル6とランナウトテーブル3´との間に浮遊搬送装置1
4が設置される。
【0028】図3において、浮遊搬送装置21は、圧延
材2の搬送レベル23よりも僅かに高い位置に、ほぼ水
平な圧延材案内面24を構成する圧延材案内板25が配
置され、搬送ライン方向には、全長に渡り、しかも、圧
延材2の幅方向には1列もしくは複数列、例えば図3
(b)に示すような2列設けられる。
【0029】この圧延材案内板25の圧延材2の中央部
には、圧延ライン方向に空気ヘッダ26が設けられてお
り、図示しない圧縮空気供給装置と連結されて圧縮空気
が供給されるようになっている。
【0030】そして、圧延材案内板25の圧延材2の幅
方向両側には、空気ヘッダ26内から圧延材2の幅方向
外側に向けて高速空気流を形成するためのスリット状の
ノズル27、27が一対形成されており、互いに反対方
向に高速空気流を形成できるようにしてある。
【0031】次に、このようにして構成した浮遊搬送装
置21を備えた、図1に示す熱延ストリップ2の搬送装
置の動作について説明する。
【0032】図1において、熱延仕上ミル5を通過して
搬送される熱延ストリップ2の先端がランナウトテーブ
ル3´に到達すると、ランナウトテーブル3´内の図面
向かって最左部に二点鎖線で囲って示した原位置Oで待
機していた走行台車7が走行装置加減速停止指令装置1
2から出力される起動および走行指令信号により駆動さ
れる駆動モータ13付のスプロケット9に噛合するチェ
ーン10が作動するため、チェーン10に接続される走
行台車7が起動して熱延ストリップ2の先端部と同調し
て移動し、走行台車7により保持されるストリップ先端
ガイド板1はストリップ先端を覆うことができるように
急加速し、熱延ストリップ2にほぼ同期して走行する。
【0033】熱延ストリップ2は高速で搬送されるため
に先端が捲れ上がろうとするものの、ほぼ同期して走行
するストリップ先端ガイド板1により上方から押え付け
られて捲れ上がらずに高速で搬送される。
【0034】この時のストリップ先端ガイド部材1と、
熱延ストリップ2の先端との位置を図4に抽出して示
す。図4に示すように、熱延ストリップ2の先端は高速
搬送時の空気抵抗により浮き上がろうとしても、ストリ
ップ先端ガイド板1により確実に押さえ付けられるため
に走行時に浮き上がることがない。このようにして、熱
延ストリップ2の先端はストリップ先端ガイド板1によ
り確実に押さえ付けられて、ランナウトテーブル3´を
搬送される。
【0035】このようにして熱延ストリップ2はランナ
ウトテーブルを通過するが、走行台車7がランナウトテ
ーブルの搬送方向側の端部に近付くと、仕上圧延ミル5
を熱延ストリップ2の先端が通過した時点からの経過時
間により算出された停止指令信号が、走行装置加減速停
止指令装置12から駆動モータ13に出力されて駆動モ
ータ13が停止し、スプロケット9も停止し、走行台車
7が停止する。一旦停止した駆動モータ13は逆転して
スプロケット9を逆転させ、走行台車7を原位置Oに戻
し、次の熱延ストリップを待機する。
【0036】熱延ストリップ2は、走行台車7が急減速
・停止してもさらに同じ速度で搬送され、浮遊搬送装置
14に送られる。図3に示す浮遊搬送装置22では、空
気ヘッダ26に圧縮空気を供給し、圧延材案内板25に
設けられた一対のノズル27、27から圧延材案内面2
4の下面と圧延材2の上面との間に圧延材2の幅方向両
側に向かって、互いに反対方向に流れる高速空気流(図
3中の矢印参照)を形成する。
【0037】すると、一対のノズル27、27の間の圧
延材案内板24と圧延材2との間の空気が高速空気流に
巻き込まれて排出され、エゼクタ効果によりこの部分の
圧力が大気圧に比べて低下する。
【0038】このため、圧延材2の下面に加わる大気圧
と、圧延材2の上面の圧力との差圧に基づく吸引力が発
生し(図3(a)の圧力線図参照)、圧延材2は圧延材
案内面24側に吸引されるように浮上する。そして、圧
延材1が圧延材案内面24にある程度近付くと、前者の
間隔が狭くなって一対のノズル27、27から吹き出す
高速の空気流の空気抵抗が増大するため、この抵抗に相
当する分だけ、圧延材2上面の圧力が高くなって差圧力
に基づく吸引力がなくなり、圧延材2に作用する重力と
圧延材2に加わる大気圧との差圧による吸引力とが釣り
合った状態で安定して浮遊・保持される。
【0039】この場合の圧延材2を浮遊状態で支持する
圧延材案内板25は、吸引保持される圧延材2の姿勢を
定める機能と、圧延ライン方向前後の外部の空気入り込
めない部分を積極的に形成して、ノズル27、27から
の高速空気流による吸引保持効率を向上するとともに、
必要な吸引保持面積を確保する機能を果たしている。
【0040】このように、浮遊状態で保持された圧延材
2は、圧延材案内板24の圧延材案内面24に沿ってほ
ぼ平面上となって圧延ライン方向の剛性が高まるととも
に、圧延ライン方向には、摩擦抵抗が殆どないことか
ら、加えられる搬送力を伝達して高速で搬送することが
可能となり、ピンチロールに一層円滑かつ確実に噛み込
ませることができる。
【0041】
【変形例】ストリップ先端ガイド部材としては、本実施
例で用いたストリップ先端ガイド板だけに限定されな
い。高速搬送時の空気抵抗により浮き上がろうとするス
トリップ先端を上方から押さえ付けることができる部材
であればよい。角材やパイプ等をストリップ先端ガイド
部材として用いてもよい。また、本実施例で用いたスト
リップ先端ガイド板のストリップ搬送方向長さと同じ長
さになるように角材またはパイプを離間して連設するこ
とにより、ストリップ先端ガイド部材を構成してもよ
い。熱延ストリップに噴射される冷却水の妨害量をより
低減でき、望ましい。
【0042】また、本実施例では、走行台車に設けたハ
ンドルを手動操作することにより、走行台車に設けたス
トリップ先端ガイド部材が設置位置を調整自在になるよ
うに構成したが、ハンドル駆動用の動力源(例えばモー
タ)を設置して、この動力源を遠隔操作することとして
もよい。
【0043】本実施例では、走行台車の駆動源として、
一対のスプロケット、前記スプロケット間に巻張された
チェーンおよび前記スプロケットの駆動モータを用いた
場合を示したが、本発明はかかる態様のみには限定され
ない。停止状態にある走行装置を高速で搬送されるスト
リップの搬送速度とほぼ同じ速度まで急速に加速して略
同じ速度で移動させ、短時間で急速に減速して停止でき
る機能を備えた駆動源であればよい。
【0044】なお、本実施例では、熱延ストリップの搬
送ラインに適用した場合を例にとって説明を行ったが、
本発明にかかる装置は、冷延ストリップに対しても等し
く適用することが可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明にかかる装置は、搬送されるスト
リップの先端の上方にストリップ先端ガイド部材を配置
し、このストリップ先端ガイド部材を走行装置によりス
トリップ搬送方向に走行自在に保持するため、高速搬送
時のストリップ先端の捲れ上がりを抑制することができ
る。
【0046】本発明にかかる装置は、ストリップ先端の
捲れ上がりを抑制するのに、ストリップ先端を追走する
小型のストリップ先端ガイド部材をストリップの上方に
往復移動させるだけであるため、ストリップの上方にス
トリップ搬送方向に多数連設される冷却水噴射ノズルか
らの冷却水の噴射を妨害する量が必要最少限に抑制され
るため、例えば熱延ストリップのランナウトテーブルが
有するストリップ冷却性を可及的維持できる。
【0047】本発明にかかる装置は、小型のストリップ
先端ガイド部材と、このストリップ先端ガイド部材をス
トリップ搬送方向に往復移動自在に支持する走行装置と
により構成するため、設備全体を小型・軽量にすること
ができるとともに既存のストリップ搬送工程に設置して
も過大な設備費を必要とせずに設置することが可能とな
る。
【0048】さらに、本発明にかかる装置では、例えば
搬送されるストリップの端部を保持するといったストリ
ップとの直接の接触を必要としない。そのため、ストリ
ップ端部に傷等の発生を生じる可能性がなく、また、走
行装置を搬送されるストリップに正確に同期させて走行
させる必要がなく、設備の精度を余り高める必要がな
い。この点からも、例えば走行台車にストリップ保持装
置を搭載して搬送時のストリップを保持する捲れ上がり
防止装置と比較すると、コストおよび運用の観点から有
利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる装置の構造を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明にかかる装置を熱延ストリップの仕上圧
延ミルの下流工程に位置するランナウトテーブルに適用
した状況を示す説明図である。
【図3】浮遊搬送設備の構造を示す説明図であり、図3
(a)はストリップ搬送方向と直交する平面の縦断面図
であり、図3(b)はストリップ搬送方向と直交する平
面の縦断面の全体図である。
【図4】本発明にかかる装置におけるストリップ先端ガ
イド部材とストリップとを抽出して示す説明図である。
【図5】連設された多数の搬送ローラにより構成される
ランナウトテーブル上を高速で搬送されるストリップの
先端の状況を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ストリップ先端ガイド部材(ストリップ先端ガイド
板) 2 ストリップ(熱延ストリップ) 3 搬送ロール 3´ ランナウトテーブル 4 冷却水噴射ノズル 5 仕上圧延ミル 6 ピンチロール 7 走行装置(走行台車) 8 スプロケット 9 スプロケット 10 チェーン 11 主モータ 12 走行装置加減速停止指令装置 13 駆動モータ 14 浮遊搬送装置 15 本体 16 車輪 17 ハンドル 17a、17b つば 17c ネジ部 18 レール 19 支持部材 20 継手 21 浮遊搬送装置 23 搬送レベル 24 圧延材案内面 25 圧延材案内板 26 空気ヘッダ 27 ノズル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕上圧延ミルを通過して搬送されるスト
    リップの先端の搬送速度と同じ速度またはほぼ同じ速度
    で走行する走行装置と、当該走行装置に支持され、搬送
    されるストリップ上面と対向して捲れ上がりを抑制し得
    る上方に設けられるストリップ先端ガイド部材とを備え
    ることを特徴とする搬送時のストリップの捲れ上がり抑
    制装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記ストリップ先端ガイド部材
    の設置位置を調整する設置位置調整装置を備えることを
    特徴とする請求項1記載の搬送時のストリップの捲れ上
    がり抑制装置。
  3. 【請求項3】 さらに、前記走行装置を急加速および急
    減速させる装置を備えることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の搬送時のストリップの捲れ上がり抑制
    装置。
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