JPH07203930A - 氷核剤およびその製造方法 - Google Patents

氷核剤およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シー・バックソーン(Hippophae
rhamnoides)由来の氷核剤およびその製造方
法。 【構成】 シー・バックソーン(Hippophae)
のベリーまたは葉を圧砕または磨砕し、特定有機物質含
有溶液により抽出し、製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の主題は氷核剤およびこの
ような剤の製造方法である。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ある
物は氷核剤の存在では、自然に凍結するより高い温度で
凍結できることが知られる。実際に、氷核剤が存在しな
い場合に氷結晶が形成される温度より高い温度で氷核剤
は氷結晶の形成を促進する。このような剤は今日まで
物、特に食品の凍結には必要なエネルギー量を低減する
ため、その冷凍過程で使用される(EP AI 0,4
24,771号明細書)。
【0003】氷核剤はある物の凍結中に氷結晶の大きさ
を増大することも知られる(Ryder,J.M.19
87,Thesis,p155,Rhode Isla
ndUniversity)。実際に、氷核剤の存在で
凍結した生成物中の氷結晶は、これらの剤が存在しない
場合に凍結した同じ物に存在するものより大きい。さら
に、これらの大きな氷結晶は凍結品のテクスチャーを改
変することによりその物のテクスチャーに痕跡を残こ
す。さらに、この改変は凍結品を凍結乾燥し続いて加熱
により安定化できる。したがって、最終食品に有利なテ
クスチャーを与えるために、氷核剤は今日まで物、特に
食品に、使用される(Agric.Biol.Che
m.,50(1),169〜175,1986)。
【0004】大部分の生物学的氷核剤は微生物または昆
虫に見出されている(EP 0,424,771号AI
明細書)。しかし、例えば食品の凍結、テクスチャー形
成または低温濃縮に使用する場合、植物、特に食用植物
から氷核剤を単離することは非常に有用である。
【0005】本発明の目的はこのニーズに応たえること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の氷核
剤はシー・バックソーン(sea buckthor
n)(Hippophae)から抽出した氷核剤であ
る。タン白部分および脂質部分を含む集合体である。さ
らに、シー・バックソーンは特にHippophae
rhamnoides,Hippophae sali
cifolia,Hippophae ribetan
aまたはHippophae neurocarpaが
よい。
【0007】Hippophae属に属するすべての植
物はシー・バックソーンである。さらに、この灌木はヨ
ーロッパおよびアジアに広く分布し、多くのオレンジ色
ベリーを生産する利点を有する。こうしてシー・バック
ソーンは氷核剤の豊富な資源である。
【0008】以下の記載では、「剤」または「核剤」と
は「氷核剤」の意味で使用する。本発明の氷核剤の製造
方法では、氷核剤を含有するシー・バックソーンベリー
または葉の抽出物を調製する。
【0009】好ましくは、熟したシー・バックソーン
ベリー(すなわち、オレンジ色になるまで熟したベリ
ー)、特に例えば80〜90%の水分含量を有するシー
・バックソーン ベリーが使用される。ベリーは圧搾ま
たは遠心分離により磨砕または圧砕でき、次に形成生ジ
ュースは例えば抽出物として回収できる。
【0010】ベリーの組織、特にその外皮は多量の氷核
剤を含有するので、ペクチン、モノ−、オリゴ−および
/またはポリサッカライドを含む抽出溶液、好ましく
は、例えば水中に0.0001〜2重量%のすべてのエ
ステル化度を有するペクチン、または0.0001〜2
重量%の少なくとも1つのサッカライドを含む少なくと
も1種のこれらの溶液により直接ベリーを抽出すること
もできる。
【0011】特に、抽出溶液はアルギネート、ポリガラ
クチュロン酸、アミロース、アミロペクチン、ポリマン
ナン、アラビノース、ガラクトース、ラクトース、グル
コース、フラクトースおよびシュクロース溶液から成る
群から選択される。
【0012】本抽出を行なうために、ベリーを例えば圧
砕または磨砕し、こうして得たベリー容量に1〜200
容量、好ましくは5〜100容量の少なくとも1つの抽
出溶液を添加し、次に4°〜35℃で1〜30分全体を
反応させ、最後に例えば混合物を遠心分離または濾過し
て固形部分を分離し、氷核形成活性を有する液体部分を
収得することができる。
【0013】ベリーまたは抽出混合物の固形部分を少な
くとも1回新しい上記抽出処理に供するのが望ましい。
そのため、ベリーまたは抽出混合物の固形部分は1つの
抽出溶液に毎回再懸濁し、次に固形部分は分離し、抽出
液を収得できる。各種連続抽出物の氷核形成活性は少な
くとも最初の25回の抽出中同一であることを認めるこ
とができた。しかし、最初にベリーから生ジュースを除
去し、その後氷核剤をそこから連続して数回抽出するの
が望ましい。実際に、この粗製ジュースは糖、フレーバ
付与成分および氷核形成活性に有害なタン白を含有す
る。
【0014】同様に、シー・バックソーンの葉抽出物を
製造する場合、葉は微粉砕し、次に例えばペクチン、モ
ノ−、オリゴ−および/またはポリサッカライドの少な
くとも1種の溶液により上記と同じ方法でそこから氷核
剤を抽出できる。
【0015】シー・バックソーンのベリーは食用に適
し、伝統的にリキュール酒およびジャムの製造に使用さ
れ、従ってシー・バックソーン ベリーの粗抽出物は食
品の製造に、例えば食品の凍結に、テクスチャーの形成
に、または低温濃縮の目的で天然添加物として直接使用
できる。
【0016】物の凍結方法では、凍結可能な物に氷核剤
を添加し、−5°〜−25℃でこの物を凍結できる。本
発明の氷核剤を使用する利点は、例えば−5°〜−10
℃の高温で凍結できること、添加物は完全に食用である
こと、および結晶形は大きいという点にあり、その結果
物のテクスチャーを改良できる。
【0017】最後に、コーヒー抽出液のような液体、果
汁または植物ジュースに、本発明の氷核剤を含む抽出液
を添加し、−5°〜−10℃で凍結し、次に結晶相を液
相から例えば遠心分離により分離することにより低温濃
縮することもできる。本発明の氷核剤を使用する利点
は、例えば−5°〜−10℃の高温で凍結を行ない、添
加物は完全に食用に適し、結晶は寸法が大きく、その結
果相の分離が改良され、結晶化速度が比較的高く、その
結果全体の低温濃縮方法が促進されることにある。
【0018】本発明の氷核剤は下記の特に各種試験を使
用して測定した各種性質に関し一層詳細に記載する。%
は特記しない限り重量で示す。
【0019】シー・バックソーン抽出物の氷核形成活性
の測定シー・バックソーン ベリー抽出物の製造 シー・バックソーン(Hippophae rhamn
oides)のベリーは成熟時に収穫し、−40℃で使
用時まで冷凍貯蔵する。抽出物は4℃で保存する。 −抽出物1(粗製ベリー抽出物):ベリーは解凍し、圧
砕し、次に20℃でエッペンドルフ管で遠心分離する
(5000gn、10分)。上澄は抽出物として使用す
る。 −抽出物2(磨砕ベリー):凍結ベリーは5分間ポリト
ロングラインダーで烈しく磨砕する。ベリーの皮を含有
する抽出物を使用する。 −抽出物3(磨砕ベリー上澄):磨砕ベリーは4℃で遠
心分離する(5000gn、10分)。上澄は抽出物と
して使用する。 −抽出物4(磨砕ベリーペレット):予め磨砕したベリ
ーの遠心分離後、ペレットは3容の水に採取し、これを
抽出物として使用する。 −抽出物5〜7:磨砕および遠心分離したベリーのペレ
ットは0.01、0.1または0.5%ペクチンを水中
に含む25容の溶液に採取し、全体は時々攪拌しながら
15分間反応させ、混合物は遠心分離し(10,000
gn、10分)、次に上澄は抽出物として使用する。 −抽出物8〜9:磨砕および遠心分離したペレットは抽
出物5〜7と同じ方法で水中に0.001%または0.
0001%ペクチンを含む2容の溶液で抽出する。 −抽出物10〜22:磨砕および遠心分離したペレット
は抽出物5〜7と同じ方法で、各種エステル化度(10
%、38%、75%)の0.1%ペクチンを含む各溶
液、または0.1%ポリガラクチュロン酸、0.1%ア
ミロース、0.1%アミロペクチン、0.01%アルギ
ネート、1%ポリマンナン(コーヒーのポリサッカライ
ド画分)、0.1%ガラクトース、0.1%グルコー
ス、0.01%アラビノースおよび0.01%シュクロ
ースを含む各溶液により抽出する。
【0020】氷核活性:生成物に含まれる氷核剤の氷核
形成活性は生成物が凍結する温度を測定することにより
測定する。この温度は氷核形成温度と呼ばれる。次にこ
の温度は氷核剤を含有しない生成物により得たもの(対
照)と比較する。氷核形成活性は氷核剤含有生成物の氷
核形成温度が対照生成物のものより高い場合認められ
る。氷核形成活性は3つの温度に従って特徴化できる:
氷核形成温度、T20℃、T50℃、T80℃はそれぞ
れ20%、50%および80%の試料がこの温度で凍結
することを示す。以下の記載では、「氷核形成点」とは
「50%の試料が凍結する氷核形成温度」、すなわちT
50値の意味で使用する。 小滴試験:上記抽出物1〜4(10°)を2回蒸留水ま
たはいちごジュースで10〜1000倍(10-1〜10
-3)に稀釈する。10個の10μl抽出物小滴をパラフ
ィン被覆のアルミニウムホイル上に置き、ホイルは1分
間に0.1℃の割合で冷却する水浴上に置く。すべての
稀釈物は同じホイル上に置く。T20、T50およびT
80値を測定する。いちごジュースは新鮮の、予め洗浄
したいちごを遠心分離し(家庭用遠心分離機)、次にジ
ュースを4℃で第2回遠心分離(10,000gn、1
5分)して調製する。次に上澄は−20℃で凍結貯蔵
し、解凍後モデルとして使用する。 ガラス管試験:2回蒸留水で10倍稀釈した100ml
の上記抽出物5〜22は薄肉ガラス管に入れ、次にこれ
は0.1℃/分の割合で冷却する水浴に入れる。T2
0、T50およびT80値を測定する。
【0021】表1は上記抽出物1〜4の小滴試験に従っ
て行なった試験結果を示す。分かるように、抽出物(1
-2まで稀釈)と氷核剤を含まない試料(対照)間の核
形成温度に顕著な差が認められ。対照的に、1/100
0稀釈の生のベリージュースの氷核形成活性は相対的に
低い。さらに、粗抽出物(10°)と稀釈抽出物の氷核
形成温度間に一般に変化が認められる。粗抽出物の糖の
高濃縮により恐らく氷核剤の氷核形成活性は破壊するの
であろう。
【表1】 下表2はガラス管試験に従って行なった抽出物5〜22
の試験結果を示す。
【表2】 上記表2で分かるように、ペクチン、ポリサッカライド
または糖溶液により調製した抽出物は−5.5℃のオー
ダの平均氷核形成温度を有する。比較のため、濾過また
は別の方法では0.45μmの多孔性膜(Sartor
ius)を使用したペクチン純粋溶液は−10℃未満の
氷核形成温度を有する。さらに、0.45μmの多孔性
膜を使用して濾過し、ペクチン溶液により調製したベリ
ー抽出物は−5.5℃の氷核形成活性を保有する。従っ
てこれはベリーの表面内または表面に存在する微生物の
存在に連合しないことを示唆する。最後に、磨砕および
遠心分離したベリーペレットの抽出は毎回0.1%ペク
チンを含む12.5容の水溶液を使用して15分、次に
遠心分離し、これを連続して数回反覆する場合、25回
抽出においてさえ尚良好な氷核形成活性が認められる。
下表3はガラス管試験に従って測定して得た連続抽出物
の氷核形成活性を示す。
【表3】
【0022】ベリーの熟度による氷核形成活性 トロンドハイム(ノールウエイ)の産地で収穫したシー
・バックソーン(Hippophae rhamnoi
des)ベリーからのジュースの季節的氷核形成活性を
測定する。最初に、7月中旬頃、ベリーは小さく、未熟
で、ごく僅かしかジュースを含有しない。従って、7月
および8月の試料はベリーと1容の脱イオン水とを混合
し、次に乳鉢で圧砕して調製するが、一方9月〜10月
のオレンジ色の試料はベリーを乳鉢で圧砕することによ
り(水を添加せずに)調製する。抽出物は調製試料を遠
心分離(5,000gn、10分)および0.45μm
多孔性のフィルターを通して上澄を濾過後得る。抽出物
の氷核形成点は上記方法に従って最後に測定する。図1
は上記ベリーの氷核形成点の変化を上記ベリーの収穫日
時の函数として説明する。最良の氷核形成活性は9月お
よび10月のオレンジ色のベリー、従って熟したベリー
に関することが観察される。ベリーの熟度は当業者に既
知の方法を使用してその水分含量を測定することにより
さらに正確に評価することもできる。この測定は7月か
ら10月の上記ベリーに対し行なった:最良の氷核形成
活性は80〜90%の水分含量を示す9月のベリーに見
出された。
【0023】シー・バックソーンの葉の氷核形成活性 シー・バックソーン(Hippophae rhamn
oides)の葉は磨砕し、氷核剤は上記5〜22のベ
リー抽出物の製造に記載した方法と同じ方法でペクチン
または糖溶液を使用してそこから抽出する。すべての場
合、ガラス管試験により測定した葉抽出物の平均氷核形
成活性は−5.5℃のオーダのものである。従ってシー
・バックソーンの葉と氷核形成剤の起源として無視でき
ない。精製、特徴シー・バックソーンからの氷核剤は例
えば下記方法により精製できる。次に氷核剤は各種方法
により特徴化できる。シー・バックソーン(Hippo
phae rhamnoides)ベリーは遠心分離に
より圧搾し、1/3容の蒸留水をジュースに添加する。
次に混合物は遠心分離し(5,000gn、10分)、
次に上澄は0.45μm多孔性膜(Minisart,
Sartorius)で濾過する。次に濾液はセファク
リルHR樹脂を含むゲル濾過カラム2.6×60cmに
加え、4℃でpH7.5の0.05Mトリス緩衝液で溶
離する。(240ml/時間)。第1溶離ピークは氷核
形成活性を有する(このタイプのカラムでは、第1溶離
ピークに相当する溶離液容量は非常に高分子量の分子を
含有することが知られる)。従って、氷核剤はシー・バ
ックソーンに由来し、ベリーに存在する細菌由来ではな
い(0.45μmの多孔性膜で濾過)。さらに、この剤
は非常に高分子量の分子である。氷核剤含有溶離液はポ
リアクリルアミドゲル電気泳動により分析する。SDS
−PAGE電気泳動(SDSの存在で)では見掛分子量
25×27kD(キロダルトン)を有するタン白の存在
が示される。最後に、多孔性ゲルによるPAGE電気泳
動(SDS不存在)はクロロホルムにより溶離液を前処
理してタン白から脂質を除去したにも拘らず、かつゲル
に非イオン洗浄剤(0.5%トリトンX−100)また
は7M尿素を使用したにも拘らず不可能であることが証
明される。この結果、氷核剤はタン白部分を含み、細胞
構造に結合でき、0.45μmフィルターに保留するに
は小さ過ぎ、非変性ポリアクリルアミドゲルに移行する
には大き過ぎる高分子量の集合体であろう。さらに、こ
れらの細胞構造は氷核形成活性にも関与できる。最後
に、タン白部分は見掛分子量25〜27kDを有するサ
ブユニットを含むタン白である。 不活性化 氷核剤は化学処理して氷核形成活性に必須の構造を決定
する。脂質除去処理は精製氷核剤で行なう。この場合、
2.5容のクロロホルムを1容の精製した剤と混合し、
混合物を攪拌し、4℃で24時間放置し、次いでクロロ
ホルムは空気泡の作用で抽出する。こうして脂質を含ま
ない剤を含む画分および脂質を含む画分を得る。精製し
た剤および脂質を含まない剤の氷核形成活性を比較する
場合、氷核形成点の4℃の減少は脂質除去処理の場合認
められる。従って、脂質は氷核形成活性で役割を演ずる
と思われる。さらに、脂質画分と脂質を含まない剤を含
む画分とを4℃で14日混合し、次に混合物および脂質
を含まない剤を含む画分の氷核形成活性を比較する場
合、3℃の氷核形成点の増加が認められる。その結果、
脂質は高氷核形成活性に寄与する。従って氷核剤は脂質
部分も含むことができる。メルカプトエタノールおよび
0.01M SDSの効果は粗ベリー抽出物により各種
pH値で測定する。メルカプトエタノールは氷核形成点
に全く効果がなく、これはジスルフィド架橋が氷核形成
に必須でないことを示す。氷核形成点に及ぼすSDSの
効果は比較的限定される(pHにより0〜1℃)。これ
は剤表面のプラス荷電は核形成活性に必須ではない(S
DSはたん白に過量のマイナス荷電を加え、そのためタ
ン白表面に存在するプラス荷電をマスクする)ことを示
す。同様に、pHは氷核剤の挙動に影響を及ぼさないら
しい。最後に、剤の核形成点に対するN−ブロモサクシ
ンイミド(NBS)の作用を分析する。精製氷核剤およ
びNBS(最終濃度0.001M)の混合物は少量の2
M HClを添加してpH3.0に調整し、次に25℃
で30分放置後少量のトリス緩衝液を添加してpH7.
5に再調整する。処理前および後の核形成点の測定では
2.8℃のこの点の減少を示す。これは芳香族アミノ酸
は氷核形成活性に重要であることを示す(NBSはイン
ドール基およびチロシンを酸化する)。
【0024】次例は本発明記載の氷核剤の、凍結しうる
生成物の凍結方法で、凍結しうる食品の凍結−テクスチ
ャー形成方法で、および液体食品の濃縮方法における各
種産業適用を説明する。例 1 熟したシー・バックソーン ベリーからの生ジュース
を、ベリーを磨砕し、次に遠心分離後そこから上澄を回
収して調製する。次にアイスクリームの伝統的製造中、
1容/600容アイスクリームの量でアイスクリームに
添加する。次にアイスクリームは−8℃で凍結する。比
較のため、シー・バックソーン ベリージュースを添加
せずに伝統的方法で製造したアイスクリームは−12℃
で凍結する。
【0025】例 2 シー・バックソーン ベリー抽出物は最初にベリーを磨
砕し、次にそこに10容の0.1%ペクチン溶液を添加
して15分間反応させ、次に混合物を10,000gで
10分遠心分離してそこから上澄を回収することにより
調製する。こうして調製したシー・バックソーン ベリ
ー抽出物は伝統的方法で製造中の肉ムースに1容/10
0容肉ムース量で添加する。肉ムースは−10℃で凍結
する。比較のため、シー・バックソーン ベリー抽出物
を添加せずに伝統的方法で製造した肉ムースは−15℃
で凍結する。
【0026】例 3 大豆タン白ペーストを、20%タン白を含有する分離大
豆タン白を70℃で10分加熱し、次に溶液を20℃に
冷却することにより調製する。例1記載のシー・バック
ソーン ベリー抽出物をこのペーストに1容/100容
ペーストの量で添加する。2〜5mm厚さの薄層のペー
ストは−20℃まで0.1℃/分のオーダの平均速度で
下げて凍結し、この温度は10時間維持する。最後に、
ペーストの改変テクスチャーを安定化するために、凍結
乾燥し、次に100℃で2分加熱する。大豆ペーストは
繊維性の板状テクスチャーを有する。このテクスチャー
は「コーンフレーク」のテクスチャーに非常によく似て
いる。比較のため、生ベリージュースを含まない同じペ
ースト組成物を凍結し、凍結乾燥し、次に上記と同じ條
件下で加熱する。「コーンフレーク」のテクスチャーと
全く異るスポンジ状の組織化されないテクスチャーを有
するペーストをこうして得る。
【0027】例 4 例1記載の0.03%シー・バックソーン ベリー抽出
物は10%乾物を含むコーヒー抽出物に添加する。混合
物は−6.5℃で30分凍結し、次に−5℃で15分
2,000gで遠心分離し、上澄は集める。液体層は混
合物の結晶層から分離し、15.3%乾物を含むコーヒ
ー抽出物をこうして得る。比較のため、10%乾物含量
を含む同じコーヒー抽出物は本発明記載の氷核剤を含ま
ない場合凍結しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベリーの氷核形成点をベリーの収穫日時の関数
として表わした説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペーター ニーデルベルガー スイス国エパリンゲ,ツェーハー.ボワ ドゥ メントン 16 (72)発明者 ミシェル リシャール スイス国ペニー − ル − ジョラ(番 地なし)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シー・バックソーン(Hippapha
    e)から抽出した氷核剤。
  2. 【請求項2】 シー・バックソーンはHippopha
    e rhamnoides,Hippophae sa
    licifolia,Hippophaetibeta
    naまたはHippophae neurocarpa
    である、請求項1記載の氷核剤。
  3. 【請求項3】 タン白部分および脂質部分を含む集合体
    である、請求項1記載の氷核剤。
  4. 【請求項4】 氷核剤を含有する、シー・バックソーン
    のベリーまたは葉の抽出物を調製する、氷核剤の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 ベリーおよび/または葉はペクチン、モ
    ノ−、オリゴ−および/またはポリサッカライド溶液に
    より抽出する、請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 溶液はアルギネート、ポリガラクチュロ
    ン酸、アミロース、アミロペクチン、ポリマンナン、ア
    ラビノース、ガラクトース、ラクトース、グルコース、
    フラクトースおよびシュクロースの溶液から成る群から
    選択する、請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 圧砕または摩砕葉および/またはベリー
    を抽出するために、これらは0.0001〜2重量%の
    ペクチンおよび/または0.0001〜2重量%の少な
    くとも1種のサッカライドを含む1〜200容の溶液と
    1〜30分混合し、次に固形部分は分離し、液体部分を
    収得する、請求項4記載の方法。
  8. 【請求項8】 混合物の固形部分は少なくとも1回新た
    な抽出を行なう、請求項7記載の方法。
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