JPH0720245A - ポジトロンct装置 - Google Patents

ポジトロンct装置

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JPH0720245A
JPH0720245A JP18875493A JP18875493A JPH0720245A JP H0720245 A JPH0720245 A JP H0720245A JP 18875493 A JP18875493 A JP 18875493A JP 18875493 A JP18875493 A JP 18875493A JP H0720245 A JPH0720245 A JP H0720245A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間で空間分解能の高い吸収補正データを
得て、正確な吸収補正を行なう。 【構成】 ポジトロンCT装置のガントリ1とX線CT
装置のガントリ2とを並べ、一つのベッド3を共通に使
用することによって、ベッド3上の患者の同一断層面に
ついての同時計数データとCT画像とを得、CT画像デ
ータをエネルギー補正した後フォワードプロジェクショ
ンし、これを同時計数データに作用させて吸収補正を行
ない、この吸収補正後のデータから画像再構成してポジ
トロン放出性物質の分布像を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、所定断層面における
ポジトロン放出性核種の分布像(断層像)を計算によっ
て求めるポジトロンCT装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ポジトロンCT装置では、ポジトロンの
消滅時に180゜反対方向に放出されるγ線を検出して
核種の位置に関する情報を得る。すなわちポジトロン放
出性核種の放射性物質が投与された被検体(患者)の周
囲に多数の検出器をリング型に配置し、それらの2つに
同時に放射線が入射したこと(コインシデンス)をとら
え、その2つの検出器の位置に関して計数する。その計
数データを演算処理すれば検出器のリング型配列が位置
している面(断層面)での被検体内の放射性物質の分布
像(断層像)を再構成することができる。
【0003】ところで、こうして体内の放射性物質から
放射される放射線を体外で検出してデータ(PETデー
タ)を収集する場合、その放射線が体外に出てくるまで
の間に体内で吸収されることがある。そのためこの吸収
を補正しなければ正確なデータは得られたことにならな
いし、またそのデータを用いて再構成した画像は不正確
なものとなってしまう。
【0004】そこで、従来より、被検体内に投与された
ものと同じ線源(たとえばGe−68)を用いて吸収測
定を行ない、得られた吸収補正データでPETデータの
補正を行なっている。つまり、補正用線源を被検体外に
配置してポジトロンCT装置による測定を行なえば、得
られるPETデータは、放射線が被検体を透過すること
によって吸収されるという影響を受けたものとなってい
る。被検体が存在せず線源のみが配置された状態のPE
Tデータと上記のPETデータとを比較することによ
り、ある位置・方向に関する吸収補正データを得る。こ
の吸収補正データを、おなじ位置・方向のものとして、
実際の被検体について収集されたPETデータに作用さ
せれば、そのPETデータの吸収補正ができることにな
る。この場合、同じ線源を用いているので、同一エネル
ギー(Ge−68の場合511keV)のγ線に対する
正確な吸収補正が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように、吸収補正データの収集のためにポジトロンCT
装置を用いる場合には、その構成上必然的にデータ収集
に長時間を要するという問題がある。すなわち、ポジト
ロンCT装置を用いて吸収補正データを収集する場合
も、被検体の外部に配置されたポジトロン放出性核種か
らの放射線の同時計数を行なうので、計数率特性が有限
であるからである。さらに、たとえ補正用の線源として
放射能の高いものを用いても、偶発同時計数率が高くな
り過ぎてS/N比が劣化してしまうことも、吸収補正デ
ータの収集に長時間を要する理由の一つである。
【0006】一方、実際には、実用的な時間で吸収補正
データの収集を済してしまわなければならない、という
要請が強い。その場合、短時間では統計変動の大きなデ
ータしか得られないので、空間分解能を落したり、スム
ージング処理を行なったりして、統計変動を抑える必要
が生じる。しかし、このようにしても、吸収補正データ
の収集に10分前後の時間は必要である。そして、その
程度の時間の場合、10mmFWHM以上の空間分解能
の吸収補正データしか得られない。
【0007】この発明は、上記に鑑み、短時間で空間分
解能の高い吸収補正データを得て、正確な吸収補正を行
なうことができるようにした、ポジトロンCT装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明によるポジトロンCT装置においては、被
検体内のポジトロン放出性物質から被検体外部に放射さ
れる放射線を検出し、被検体の所定断層面について2つ
の放射線の同時計数データを収集するとともに、X線C
T装置を用いて上記の断層面と同一の断層面に関してX
線吸収係数の分布データを得、このX線吸収係数の分布
データを上記ポジトロン放出性物質からの放射線の吸収
係数の分布データに補正し、さらにこの補正後の吸収係
数分布データをフォワードプロジェクションし、このォ
ワードプロジェクションされたデータを用いて上記の同
時計数データの吸収補正演算を行ない、この吸収補正演
算後のデータをバックプロジェクションして画像を再構
成することが特徴となっている。
【0009】
【作用】X線吸収係数の分布データは、X線CT装置の
断層像として求められる。そこで、ポジトロンCT装置
で撮像する断層面と同一の断層面についてX線断層像が
得られるように、ガントリ(X線管、X線検出器、およ
びこれらをスキャンさせる機構が納められたもの)に対
して被検体を位置決めし、ポジトロンCT装置で撮像す
る断層面と同一の断層面についてX線吸収係数の分布デ
ータを求める。X線CT装置による撮像はきわめて高速
であり、数秒のうちにこのX線吸収係数の分布データが
得られる。このX線吸収係数の分布データは、通常平均
エネルギーが80keV前後のX線についてのものであ
り、ポジトロンCT装置で通常用いられる線源のエネル
ギー(たとえば511keV)とは異なっている。そこ
で、X線吸収係数の分布データを補正して使用されてい
る線源のエネルギーについての吸収係数の分布データに
変換する。この吸収係数の分布データはフォワードプロ
ジェクションによって投影データに変換される。一方、
ポジトロンCT装置で収集するデータは同時計数データ
であって投影データとなっている。そのため、X線CT
像から求めてきた投影データを、このポジトロンCT装
置で収集したデータに作用させることにより吸収補正を
行うことが可能となる。この吸収補正後のデータをバッ
クプロジェクションすることによりポジトロン放出性核
種の分布像を再構成でき、この再構成画像は吸収を補正
した正確なものとなる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の好ましい一実施例について
図面を参照しながら詳細に説明する。まず、ポジトロン
CT装置で撮像する断層面と同一の断層面についてのX
線CT像を得る必要があるため、たとえば図1に示すよ
うに、ポジトロンCT装置のガントリ1とX線CT装置
のガントリ2とを並べ、一つのベッド3を共通に使用で
きる構成とする。ガントリ1にはリング型に配列された
多数の放射線検出器が納められ、ガントリ1にはX線
管、X線検出器、およびこれらをスキャンさせる機構が
納められている。このベッド3の上に被検体(患者、図
示しない)をのせてベッド3を移動させることにより、
被検体の同じ断層面についてPETデータとX線CTデ
ータとを収集する。
【0011】なお、被検体の同じ断層面についてPET
データとX線CTデータとが収集できればよいので、ポ
ジトロンCT装置のガントリ1とX線CT装置のガント
リ2とをまったく別個・独立に配置し、データ収集する
断層面および画像サイズが同一になるように調整しても
よい。またポジトロンCT装置のリング型検出器配列と
X線CT装置のX線管や検出器等とを一つのガントリに
納めたものを用いてもよい。さらに図1のような位置関
係にポジトロンCT装置のガントリ1とX線CT装置の
ガントリ2とベッド3を配置し、ガントリ1、2をベッ
ド3に対して移動させる構成としてもよい。
【0012】図1に示したような構成によって、被検体
の同じ断層面についてPETデータとX線CTデータと
を収集し、X線CT装置によって画像再構成処理を行
い、X線CT像を得る。こうして得られたX線CT像、
つまりX線吸収係数の分布データは、図2に示すように
エネルギー補正演算装置4に入力される。X線吸収係数
の分布データは、通常平均エネルギーが80keV前後
のX線についてのものであり、ポジトロンCT装置で通
常用いられる線源のエネルギー(たとえば511ke
V)とは異なっている。そこで、エネルギー補正演算装
置4により、X線吸収係数の分布データを補正して使用
されている線源のエネルギーについての吸収係数の分布
データに変換する。
【0013】γ線またはX線の吸収係数とこれらのエネ
ルギーEとの関係は、光電効果に関してはつぎの数式1
で表わされる。
【数1】 ここでkは原子数、原子番号などで決まる定数である。
したがってたとえば80keVのX線で得られたX線C
T画像の吸収係数から、Ge−68の511keVのエ
ネルギーのγ線についての吸収係数を上記の数式1から
求めることが可能となる。すなわち、つぎの数式2で表
わされる演算を行うことにより求められる。
【数2】 同様に、コンプトン散乱に対する吸収補正もKlein
−仁科の式から求めることができる。
【0014】エネルギー補正演算装置4ではこれらの式
に基づく演算が行われて使用する線源の放射線エネルギ
ーについてのものにエネルギー補正された吸収係数の分
布データが得られる。つぎに、このエネルギー補正され
た吸収係数の分布データはフォワードプロジェクタ5に
よりフォワードプロジェクション処理を受け、投影デー
タとされる。この投影データは吸収補正データとして吸
収補正演算装置6に送られる。
【0015】この吸収補正演算装置6にはガントリ1に
よって収集された同時計数データが送られてきており、
この同時計数データは投影データであるから、上記の吸
収補正データを作用させることにより、被検体内での吸
収の影響を補正することができる。こうして補正された
PETデータはバックプロジェクタ7によってバックプ
ロジェクション処理を受け、画像が再構成される。この
画像は、吸収補正されたデータより再構成されたもので
あるため、吸収の影響のない正確なものとなる。
【0016】なお、こうして得られた吸収補正されたP
ET画像は図示しない画像表示装置により表示される
が、その画像とともに、上記のX線CT画像あるいはエ
ネルギー補正されたCT画像を、並列に並べ、あるいは
重ね合わせるようにして表示させてもよい。X線CT画
像あるいはエネルギー補正されたCT画像は解剖学的情
報を含むので、これをも表示することにより診断の制度
を向上させることができる。
【0017】上記では、エネルギー補正演算装置4にお
ける演算により、X線吸収係数の分布データを補正して
使用されている線源のエネルギーについての吸収係数の
分布データを求めているが、その演算の代わりに、あら
かじめ変換前後のデータを求めてテーブル化し、そのテ
ーブルを参照するテーブルルックアップ法によってもよ
い。
【0018】
【発明の効果】以上、実施例について説明したように、
この発明のポジトロンCT装置によれば、X線CT装置
を用いて吸収補正データを得ているのできわめて短い時
間で吸収補正データが得られ、吸収補正した正確なポジ
トロン放出性核種の分布像を得ることができる。また、
そのように短い時間であるにもかかわらず、X線CT画
像の空間分解能に応じた高い空間分解能の吸収補正デー
タを得ることができるとともに、この吸収補正データの
S/N比も高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の位置関係を示す模式的な
斜視図。
【図2】同実施例のデータ処理系統を示すブロック図。
【符号の説明】
1 ポジトロンCT装置のガントリ 2 X線CT装置のガントリ 3 ベッド 4 エネルギー補正演算装置 5 フォワードプロジェクタ 6 吸収補正演算装置 7 バックプロジェクタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体内のポジトロン放出性物質から被
    検体外部に放射される放射線を検出し、被検体の所定断
    層面について2つの放射線の同時計数データを収集する
    手段と、上記の断層面と同一の断層面に関して得たX線
    吸収係数の分布データを、上記ポジトロン放出性物質か
    らの放射線の吸収係数の分布データに補正する手段と、
    該補正後の吸収係数分布データをフォワードプロジェク
    ションする手段と、該フォワードプロジェクションされ
    たデータを用いて上記の同時計数データの吸収補正演算
    を行なう手段と、この吸収補正演算後のデータをバック
    プロジェクションして画像を再構成する手段とを有する
    ことを特徴とするポジトロンCT装置。
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