JP3404080B2 - ポジトロンct装置 - Google Patents

ポジトロンct装置

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JP3404080B2 JP18875493A JP18875493A JP3404080B2 JP 3404080 B2 JP3404080 B2 JP 3404080B2 JP 18875493 A JP18875493 A JP 18875493A JP 18875493 A JP18875493 A JP 18875493A JP 3404080 B2 JP3404080 B2 JP 3404080B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、所定断層面における
ポジトロン放出性核種の分布像(断層像)を計算によっ
て求めるポジトロンCT装置の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】ポジトロンCT装置では、ポジトロンの
消滅時に180゜反対方向に放出されるγ線を検出して
核種の位置に関する情報を得る。すなわちポジトロン放
出性核種の放射性物質が投与された被検体(患者)の周
囲に多数の検出器をリング型に配置し、それらの2つに
同時に放射線が入射したこと(コインシデンス)をとら
え、その2つの検出器の位置に関して計数する。その計
数データを演算処理すれば検出器のリング型配列が位置
している面(断層面)での被検体内の放射性物質の分布
像(断層像)を再構成することができる。 【0003】ところで、こうして体内の放射性物質から
放射される放射線を体外で検出してデータ(PETデー
タ)を収集する場合、その放射線が体外に出てくるまで
の間に体内で吸収されることがある。そのためこの吸収
を補正しなければ正確なデータは得られたことにならな
いし、またそのデータを用いて再構成した画像は不正確
なものとなってしまう。 【0004】そこで、従来より、被検体内に投与された
ものと同じ線源(たとえばGe−68)を用いて吸収測
定を行ない、得られた吸収補正データでPETデータの
補正を行なっている。つまり、補正用線源を被検体外に
配置してポジトロンCT装置による測定を行なえば、得
られるPETデータは、放射線が被検体を透過すること
によって吸収されるという影響を受けたものとなってい
る。被検体が存在せず線源のみが配置された状態のPE
Tデータと上記のPETデータとを比較することによ
り、ある位置・方向に関する吸収補正データを得る。こ
の吸収補正データを、おなじ位置・方向のものとして、
実際の被検体について収集されたPETデータに作用さ
せれば、そのPETデータの吸収補正ができることにな
る。この場合、同じ線源を用いているので、同一エネル
ギー(Ge−68の場合511keV)のγ線に対する
正確な吸収補正が可能となる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように、吸収補正データの収集のためにポジトロンCT
装置を用いる場合には、その構成上必然的にデータ収集
に長時間を要するという問題がある。すなわち、ポジト
ロンCT装置を用いて吸収補正データを収集する場合
も、被検体の外部に配置されたポジトロン放出性核種か
らの放射線の同時計数を行なうので、計数率特性が有限
であるからである。さらに、たとえ補正用の線源として
放射能の高いものを用いても、偶発同時計数率が高くな
り過ぎてS/N比が劣化してしまうことも、吸収補正デ
ータの収集に長時間を要する理由の一つである。 【0006】一方、実際には、実用的な時間で吸収補正
データの収集を済してしまわなければならない、という
要請が強い。その場合、短時間では統計変動の大きなデ
ータしか得られないので、空間分解能を落したり、スム
ージング処理を行なったりして、統計変動を抑える必要
が生じる。しかし、このようにしても、吸収補正データ
の収集に10分前後の時間は必要である。そして、その
程度の時間の場合、10mmFWHM以上の空間分解能
の吸収補正データしか得られない。 【0007】この発明は、上記に鑑み、短時間で空間分
解能の高い吸収補正データを得て、正確な吸収補正を行
なうことができるようにした、ポジトロンCT装置を提
供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために次のような構成をとる。ポジトロンCT装
置であって、被検体内のポジトロン放出性物質から被検
体外部に放射される放射線を検出し、被検体の所定断層
面について2つの放射線の同時計数データを収集する手
段と、X線管、X線検出器およびこれらをスキャンさせ
る機構により被検体についてのX線CTデータを収集し
て画像再構成処理を行ない被検体の断層面におけるX線
吸収係数の分布データを得るX線CT手段と、これら放
射線同時計数データ収集手段とX線CTデータを収集し
画像再構成処理によりX線吸収計数の分布データを得る
手段とで共用される被検体載置用検査台と、放射線同時
計数データ収集手段でデータ収集した被検体の断層面と
同じ断層面に関してX線CT装置によって得たX線吸収
係数の分布データを、上記ポジトロン放出性物質からの
放射線の吸収係数の分布データに補正する手段と、該補
正後の吸収係数分布データをフォワードプロジェクショ
ンする手段と、該フォワードプロジェクションされたデ
ータを用いて上記の同時計数データの吸収補正演算を行
なう手段と、この吸収補正演算後のデータをバックプロ
ジェクションして画像を再構成する手段とを有し、前記
同時計数データを収集する手段と前記X線CT手段は前
記被検体載置用検査台が被検体を移動させる方向に配設
されていることを特徴とする。 【0009】 【作用】X線CT手段により断層像が得られる。この断
層像はX線吸収係数の分布データである。このX線断層
像のデータを吸収補正に用いるためには、X線断層像が
ポジトロンCT装置で撮像する断層面と同一の断層面に
ついてのものである必要がある。被検体載置用検査台
は、このX線CT手段と、ポジトロンCT装置の放射線
同時計数データ収集手段とで共用されているので、両方
の断層面を一致させることが容易である。X線CT手段
による撮像はきわめて高速であり、数秒のうちにこのX
線吸収係数の分布データが得られる。このX線吸収係数
の分布データは、通常平均エネルギーが80keV前後
のX線についてのものであり、ポジトロンCT装置で通
常用いられる線源のエネルギー(たとえば511ke
V)とは異なっている。そこで、X線吸収係数の分布デ
ータを補正して使用されている線源のエネルギーについ
ての吸収係数の分布データに変換する。この吸収係数の
分布データはフォワードプロジェクションによって投影
データに変換される。一方、ポジトロンCT装置で収集
するデータは同時計数データであって投影データとなっ
ている。そのため、X線CT像から求めてきた投影デー
タを、このポジトロンCT装置で収集したデータに作用
させることにより吸収補正を行うことが可能となる。こ
の吸収補正後のデータをバックプロジェクションするこ
とによりポジトロン放出性核種の分布像を再構成でき、
この再構成画像は吸収を補正した正確なものとなる。ま
た、ポジトロンCT像は、ポジトロン放出性核種の分布
像であって、病変部にその核種が集積するため病変部の
みが示された画像となり、その病変部の、他の組織・臓
器などとの位置関係がわかりにくいが、上記のように被
検体載置用検査台をポジトロンCT装置とX線CT手段
とで共用して両者で正確に同じ位置の断層面についての
データを収集することが容易にできるため、ポジトロン
CT像と位置ずれのほとんどないX線CT像を得て、ポ
ジトロンCT像では分かりにくかった周囲の臓器などを
確認し、病変部の正確な位置を特定することが容易にで
きるようになる。 【0010】 【実施例】以下、この発明の好ましい一実施例について
図面を参照しながら詳細に説明する。まず、ポジトロン
CT装置で撮像する断層面と同一の断層面についてのX
線CT像を得る必要があるため、たとえば図1に示すよ
うに、ポジトロンCT装置のガントリ1とX線CT装置
のガントリ2とを並べ、一つのベッド3を共通に使用で
きる構成とする。ガントリ1にはリング型に配列された
多数の放射線検出器が納められ、ガントリ2にはX線
管、X線検出器、およびこれらをスキャンさせる機構が
納められている。このベッド3の上に被検体(患者、図
示しない)をのせてベッド3を移動させることにより、
被検体の同じ断層面についてPETデータとX線CTデ
ータとを収集する。 【0011】なお、被検体の同じ断層面についてPET
データとX線CTデータとが収集できればよいので、ポ
ジトロンCT装置のガントリ1とX線CT装置のガント
リ2とをまったく別個・独立に配置し、データ収集する
断層面および画像サイズが同一になるように調整しても
よい。またポジトロンCT装置のリング型検出器配列と
X線CT装置のX線管や検出器等とを一つのガントリに
納めたものを用いてもよい。さらに図1のような位置関
係にポジトロンCT装置のガントリ1とX線CT装置の
ガントリ2とベッド3を配置し、ガントリ1、2をベッ
ド3に対して移動させる構成としてもよい。 【0012】図1に示したような構成によって、被検体
の同じ断層面についてPETデータとX線CTデータと
を収集し、X線CT装置によって画像再構成処理を行
い、X線CT像を得る。こうして得られたX線CT像、
つまりX線吸収係数の分布データは、図2に示すように
エネルギー補正演算装置4に入力される。X線吸収係数
の分布データは、通常平均エネルギーが80keV前後
のX線についてのものであり、ポジトロンCT装置で通
常用いられる線源のエネルギー(たとえば511ke
V)とは異なっている。そこで、エネルギー補正演算装
置4により、X線吸収係数の分布データを補正して使用
されている線源のエネルギーについての吸収係数の分布
データに変換する。 【0013】γ線またはX線の吸収係数とこれらのエネ
ルギーEとの関係は、光電効果に関してはつぎの数式1
で表わされる。 【数1】 ここでkは原子数、原子番号などで決まる定数である。
したがってたとえば80keVのX線で得られたX線C
T画像の吸収係数から、Ge−68の511keVのエ
ネルギーのγ線についての吸収係数を上記の数式1から
求めることが可能となる。すなわち、つぎの数式2で表
わされる演算を行うことにより求められる。 【数2】 同様に、コンプトン散乱に対する吸収補正もKlein
−仁科の式から求めることができる。 【0014】エネルギー補正演算装置4ではこれらの式
に基づく演算が行われて使用する線源の放射線エネルギ
ーについてのものにエネルギー補正された吸収係数の分
布データが得られる。つぎに、このエネルギー補正され
た吸収係数の分布データはフォワードプロジェクタ5に
よりフォワードプロジェクション処理を受け、投影デー
タとされる。この投影データは吸収補正データとして吸
収補正演算装置6に送られる。 【0015】この吸収補正演算装置6にはガントリ1に
よって収集された同時計数データが送られてきており、
この同時計数データは投影データであるから、上記の吸
収補正データを作用させることにより、被検体内での吸
収の影響を補正することができる。こうして補正された
PETデータはバックプロジェクタ7によってバックプ
ロジェクション処理を受け、画像が再構成される。この
画像は、吸収補正されたデータより再構成されたもので
あるため、吸収の影響のない正確なものとなる。 【0016】なお、こうして得られた吸収補正されたP
ET画像は図示しない画像表示装置により表示される
が、その画像とともに、上記のX線CT画像あるいはエ
ネルギー補正されたCT画像を、並列に並べ、あるいは
重ね合わせるようにして表示させてもよい。X線CT画
像あるいはエネルギー補正されたCT画像は、PET画
像と異なり、解剖学的情報を含むので、これをも表示す
ることにより診断の精度を向上させることができる。す
なわち、PET画像はポジトロン放出性核種の分布像で
あり、その核種は病変部に集積するため、病変部のみを
表す画像となって、周辺の他の組織や臓器などが表れて
いないので、その病変部の位置を把握することが難し
い。ところが、X線CT画像は、骨などの組織や臓器等
を映し出すため、この画像を観察することは病変部の位
置把握に役立つ。とくにここでは、ベッド3がポジトロ
ンCT装置のガントリ1とX線CT装置のガントリ2と
で共用されているため、両者でまったく同じ位置の断層
面についての画像を得ることが容易にできるため、位置
ずれのない、性質の異なる2つの画像を参照することに
よって、病変部の位置を正確に特定することが容易とな
って、診断精度を高めることができる。 【0017】上記では、エネルギー補正演算装置4にお
ける演算により、X線吸収係数の分布データを補正して
使用されている線源のエネルギーについての吸収係数の
分布データを求めているが、その演算の代わりに、あら
かじめ変換前後のデータを求めてテーブル化し、そのテ
ーブルを参照するテーブルルックアップ法によってもよ
い。 【0018】 【発明の効果】以上、実施例について説明したように、
この発明のポジトロンCT装置によれば、X線CT装置
を用いて吸収補正データを得ているのできわめて短い時
間で吸収補正データが得られ、吸収補正した正確なポジ
トロン放出性核種の分布像を得ることができる。また、
そのように短い時間であるにもかかわらず、X線CT画
像の空間分解能に応じた高い空間分解能の吸収補正デー
タを得ることができるとともに、この吸収補正データの
S/N比も高いものとなる。しかも、被検体載置用検査
台をポジトロンCT装置とX線CT装置とで共用してい
るため、両者でまったく同じ位置の断層面についてのデ
ータを収集することが容易にでき、正確な吸収補正を行
うことができるだけでなく、性質の異なる、ポジトロン
CT像とX線CT像とを、まったく同じ断層面について
得ることができるので、これらを参照することによっ
て、病変部の位置を正確に特定することが容易となっ
て、診断精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施例の位置関係を示す模式的な
斜視図。 【図2】同実施例のデータ処理系統を示すブロック図。 【符号の説明】 1 ポジトロンCT装置のガントリ 2 X線CT装置のガントリ 3 ベッド 4 エネルギー補正演算装置 5 フォワードプロジェクタ 6 吸収補正演算装置 7 バックプロジェクタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−57283(JP,A) 実開 昭57−138077(JP,U) 欧州公開526970(EP,A2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 被検体内のポジトロン放出性物質から被
    検体外部に放射される放射線を検出し、被検体の所定断
    層面について2つの放射線の同時計数データを収集する
    手段と、X線管、X線検出器およびこれらをスキャンさ
    せる機構により被検体についてのX線CTデータを収集
    して画像再構成処理を行ない被検体の断層面におけるX
    線吸収係数の分布データを得るX線CT手段と、これら
    放射線同時計数データ収集手段とX線CTデータを収集
    し画像再構成処理によりX線吸収計数の分布データを得
    る手段とで共用される被検体載置用検査台と、放射線同
    時計数データ収集手段でデータ収集した被検体の断層面
    と同じ断層面に関してX線CT装置によって得たX線吸
    収係数の分布データを、上記ポジトロン放出性物質から
    の放射線の吸収係数の分布データに補正する手段と、該
    補正後の吸収係数分布データをフォワードプロジェクシ
    ョンする手段と、該フォワードプロジェクションされた
    データを用いて上記の同時計数データの吸収補正演算を
    行なう手段と、この吸収補正演算後のデータをバックプ
    ロジェクションして画像を再構成する手段とを有し、前
    記同時計数データを収集する手段と前記X線CT手段は
    前記被検体載置用検査台が被検体を移動させる方向に配
    設されていることを特徴とするポジトロンCT装置。
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