JP4207661B2 - 核医学イメージング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、核医学イメージング装置に関し、とくにシングルイベント収集による吸収補正機能を有する核医学イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
核医学イメージング装置は、被検体(患者)の体内に放射性薬剤を投与し、その薬剤から放出される放射線を体外で検出することにより、その薬剤の患者体内での分布イメージ(エミッション画像)を得るものである。放射性同位元素で標識した特定の薬剤を人間などの生体内に投与すると、その薬剤は特定の臓器や癌細胞などの特定病巣に集積する。そこで、その臓器等に集積した薬剤から放出される放射線を、生体外部で検出し、収集したエミッションデータを再構成することによりエミッション画像(放射性同位元素の分布イメージ)を得ることができ、臓器や病巣などの形状を知ることができて、診断に役立つ。この核医学イメージング装置では、体内の放射性同位元素から放出される放射線を体外で検出するため、その放射線が体内の組織で吸収され、その結果、収集されたエミッションデータに誤差が含まれることが避けられない。
【0003】
そのため、定量画像を得るためにはこのエミッションデータの吸収による誤差を補正することが必要不可欠である。その補正方法がさまざまに提案されているが、基本的には、エミッションデータ(以下Eデータという)の収集とは別にトランスミッションデータ(Tデータという)を収集し、このTデータでEデータを補正するものである。Tデータは、被検体の外部に線源を置き、この線源からの放射線を被検体に透過(トランスミット)させて得るデータである。このTデータは被検体中での放射線の吸収を表すので、これによりEデータの吸収誤差を補正することができる。
【0004】
このTデータの収集のためのスキャンとして、近年、検査時間の短縮を図るよう、エミッション薬剤投与後にシングルイベントデータを収集する方法が行われるようになってきている(なお、この方法では、シングルフォトン放出性の核種を用いることができるため、半減期の長いラジオアイソトープを選択することができ、コスト削減できるという利点もある)。ところが、エミッション薬剤投与後にTデータを収集するのでは、収集したTデータにEデータが混入してきてしまう。そこで、従来では、下記の非特許文献1,2のように、Tデータの収集のためのスキャンのほかに、トランスミッション線源を取り除いた状態で短時間スキャン( "mock scan" という)を行って、エミッション線源からの混入成分のみを測定し、この混入成分をTデータから差し引くことにより、吸収補正の精度を高めるようにしている。
【非特許文献1】
【0005】
"Single Transmission Scans Performed Post-Injection for Qiantitative Whole Body PET Imaging", R. J. Smith, et.al., IEEE Trans. Nucl. Sci., vol.44, No.3, pp.1329-1334, 1997る。
【非特許文献2】
【0006】
"A Comparison of Segmentation and Emission Subtraction for Singles Transmission in PET", R. J. Smith, et.al., IEEE Trans. Nucl. Sci., vol.46, No.3, pp.1212-1216, 1998る。
【0007】
この方法では、図4に示すように断層面内で被検体30の周囲に点状のトランスミッション線源31を回転させてTデータの収集を行う。線源31からのガンマ線が検出点Pkに入射したとすると、その線源31とPkとを結ぶ直線に関してカウントする。この直線( LOR; Lines Of Response )は、角度θとそれに直角なFOV( Field Of View ;測定領域)中心を通る直線上の位置rとによって表される。線源31が図の位置にあるとき、この直線は(ri,θj)で表され、この直線についてのデータ(カウント値)はT(ri,θj)と表される。
【0008】
ところが、被検体30へのエミッション薬剤投与後にこの測定を行うので,被検体31中のエミッション線源51からのガンマ線も検出点Pkに入射し、これもT(ri,θj)としてカウントされてしまう。つまり、T(ri,θj)=n(カウント)であるとすると、n=nt+ne(ntはトランスミッション線源31からのガンマ線のカウント、neはエミッション線源51など被検体30内のエミッション線源からのガンマ線のカウント)となる。エミッション薬剤投与前であれば、被検体31内からガンマ線は放射されないため、T(ri,θj)=ntとなり、線源31から放射され直線(ri,θj)を通って被検体30を透過したガンマ線のカウント値であるからその直線(ri,θj)上でのガンマ線吸収に対応するので、このTデータを用いて直線(ri,θj)についてのEデータの吸収補正をすることが可能になるが、上記のようにエミッション線源からのガンマ線のカウントneが誤差として含まれるので、その分だけ吸収補正が不正確になる。
【0009】
トランスミッション線源31を取り除いた状態で "mock scan" を行うと、同じ位置関係で直線(ri,θj)上のデータT(ri,θj)としてneのみが得られる。そのため、このneを上記のnから差し引けばT(ri,θj)=ntとなり、被検体30内のエミッション線源からのガンマ線による誤差をなくしたTデータが得られ、正確な吸収補正が可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のようにTデータの収集のためのスキャンのほかに "mock scan" を行うのでは、2回の測定を異なる時間に行わなければならないことになり、その間に薬剤分布が変化して、TデータのEデータ混入による誤差の補正を精度高く行うことができないおそれがある。また、測定時間短縮のためにも、別途の "mock scan" に時間を費やすことは望ましくない。
【0011】
この発明は、上記に鑑み、Tデータの収集のためのスキャンを1回行うだけで、Tデータとともに被検体内のエミッション線源からのガンマ線による誤差分のみのデータをも得、これによってTデータに混入したEデータによる誤差を取り除き、この誤差を含まないTデータを用いることによりEデータの正確な吸収補正を行うことができるように改善した、核医学イメージング装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明による核医学イメージング装置においては、測定領域に置かれた被検体のなかから放出される放射線を該測定領域の周囲の全周で検出する放射線検出手段と、該放射線検出手段の2つの位置への放射線の同時入射を検出するコインシデンス手段と、該コインシデンス手段により同時入射がとらえられた2つの入射位置を結ぶ直線に関してエミッションデータを収集するエミッションデータ収集手段と、トランスミッションデータ収集時にのみ上記放射線検出手段により取り囲まれる空間内で上記測定領域の周囲に回転させられる放射線発生手段と、トランスミッションデータ収集時にのみ該放射線発生手段とともに回転させられる、該放射線発生手段からの放射線が測定領域方向以外には放出されないように遮蔽するコリメート手段と、上記回転させられる放射線発生手段の位置情報を出力する回転位置検出手段と、上記放射線発生手段の位置情報からコリメート手段の非遮蔽領域であることがわかる上記放射線検出手段により検出された放射線入射を、その入射位置と上記放射線発生手段の位置とを結ぶ直線に関してカウントすることによりトランスミッションデータを収集するトランスミッションデータ収集手段と、上記放射線発生手段の位置情報からコリメート手段の遮蔽領域であることがわかる上記放射線検出手段により検出された放射線入射を、その入射位置に関してカウントすることによりトランスミッション誤差データを収集するトランスミッション誤差データ収集手段と、上記各直線ごとのトランスミッションデータから、その直線が通る入射位置でのトランスミッション誤差データを差し引いてトランスミッションデータを補正するトランスミッションデータ補正手段と、この補正されたトランスミッションデータを用いて上記のエミッションデータの吸収補正を行う吸収補正手段と、吸収補正後のエミッションデータから画像を再構成する画像再構成手段とが備えられることが特徴となっている。
【0013】
トランスミッションデータ収集時には、放射線発生手段とコリメート手段とが測定領域の周囲に回転させられるが、その回転位置が検出されているため、その回転位置情報から、放射線発生手段からの放射線がコリメート手段によって遮蔽される領域と遮蔽されない領域とがわかる。非遮蔽領域に入射した放射線に関しては、その入射位置と上記放射線発生手段の位置とを結ぶ直線に関してカウントすることによりトランスミッションデータを収集する。遮蔽領域に入射した放射線に関しては、その入射位置に関してカウントすることによりトランスミッション誤差データを収集する。
【0014】
トランスミッションデータは、非遮蔽領域に入射した放射線に関するデータであるから、回転させられる放射線発生手段からの放射線によるものと、被検体内からの放射線によるものとの和となっている。他方、トランスミッション誤差データは、遮蔽領域に入射した放射線に関するデータであるから、回転させられる放射線発生手段からの放射線によるものはなく、被検体内からの放射線によるものだけとなっている。そこで、トランスミッションデータからトランスミッション誤差データを差し引けば、トランスミッションデータに含まれる被検体内からの放射線によるデータを除いて、回転させられる放射線発生手段からの放射線によるデータのみとなり、これは純粋に被検体の外部で発生させられ被検体を透過した放射線のデータとなるので、吸収分布を正確に反映したものとなっている。そのため、この補正後のトランスミッションデータを用いることにより、エミッションデータの正確な吸収補正が可能となる。コリメート手段の遮蔽領域では被検体内からの放射線によるものだけとなっていることに着目して、非遮蔽領域でのデータ収集と同時に遮蔽領域でのデータ収集を行うことにより、被検体内からの放射線によるデータを含むトランスミッションデータの収集と、被検体内からの放射線によるデータのみのトランスミッション誤差データの収集とを同時に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示す実施の形態では、多数の放射線検出器11が円周上に配列されて検出器リング型配列10が形成されている。このリング型配列10の中央の円形領域がFOVとなっており、このFOV内に配置された被検体30を検出器リング型配列10が形成する平面で横断した断層面での画像が撮影されるようになっている。被検体30に投与されたポジトロン放出性のエミッション薬剤から180°反対方向に2つのガンマ線が放出されて2つの検出器11に同時に入射したとき、その同時性をコインシデンス回路12でとらえ、アドレス変換器13によってそれらの入射位置情報からアドレス(r,θ)への変換がなされ、そのアドレス(r,θ)でEデータ収集メモリ14におけるデータ収集が行われる。
【0016】
ここでは、ある検出器11から出力が生じたとき、その検出器11の位置でガンマ線が入射したものととらえるようになっている(分解能は検出器11の各々の検出幅によって定まる)。この場合、2つの検出器11から同時に検出信号が生じたことがコインシデンス回路12でとらえられると、それらの検出器11からの検出信号がアドレス変換器13に送られ、それら信号を発した2つの検出器11の位置を結ぶ直線を表すアドレス(r,θ)に変換され、Eデータ収集メモリ14のそのアドレスにおいてカウントアップがなされる。こうしてFOV内のすべてのアドレス(r,θ)でEデータE(r,θ)の収集が行われ、この収集したEデータE(r,θ)を吸収補正装置18(後述する)を経て画像再構成装置19に送り、逆投影法などの画像再構成アルゴリズムで処理するとエミッション線源の上記の断層面での分布画像(PET; Positron Emission Tomography 画像)が得られ、ディスプレイ装置20により表示することができる。
【0017】
こうして収集したEデータE(r,θ)には吸収による誤差が含まれているので、これを補正するためのTデータT(r,θ)を、線源31を回転させて収集する。この線源31はシングルフォトン放出性の核種からなり少なくとも断層面において点状となっている。そして、FOV方向にのみ放射線を放出するようコリメータ32が設けられている。線源31はコリメータ32と一体になって回転させられ、その回転位置が回転位置読み取り装置33によって読み取られる。なお、回転機構は図では省略しているが適宜な機構を採用でき、回転位置読み取り装置33はロータリーエンコーダなどで構成できる。
【0018】
なお、このTデータ収集は、Eデータ収集と同様にエミッション薬剤が被検体30内に投与されている状態で行われるが、どちらが先でもよい。ただし、Eデータ収集時には、線源31およびコリメータ32は、少なくとも画像を再構成する断層面からは退避させておき、線源31からのガンマ線がいずれかの検出器11に入射したり、あるいは被検体30内のエミッション線源からのガンマ線がコリメータ32で遮蔽されて検出器11への入射が妨げられたりすることがないようにする。
【0019】
Tデータ収集は、シングルイベントの収集によるものであるから、このときコインシデンス回路12は無効化され、多数の検出器11のいずれかでとらえたシングルイベント信号をそのままアドレス変換器13に送る。アドレス変換器13には回転読み取り装置33からの回転位置情報が入力されており、この回転位置情報に基づき、線源31からのガンマ線が入射する領域Uに属する検出器11でシングルイベントがとらえられた場合と、線源31からのガンマ線がコリメータ32によって遮られて入射しない領域Vに属する検出器11でシングルイベントがとらえられた場合とで異なるデータ収集を行うようにする。領域Uでシングルイベントがとらえられた場合にはTデータ収集メモリ15においてデータ収集が行われ、領域Vで検出されたシングルイベントについてのデータはT’eデータ収集メモリ16で収集される。
【0020】
図2に示すような位置に線源31があるときに、領域Uの検出点Pkでシングルイベントが検出されたとする。この場合、アドレス変換器13は、回転読み取り装置33からの位置情報と、シングルイベント検出信号を出力した検出器11が位置Pkに位置しているものであることから、線源31とPkとを結ぶ直線を表すアドレス(ri,θj)を求めて、Tデータ収集メモリ15のこのアドレスに「1」を計数させる。このPkには、トランスミッション線源31からのガンマ線だけでなく、被検体30内のエミッション線源51等からのガンマ線も入射するので、線源31が回転してつぎの位置に移るまでの時間でnがカウントされたとして、T1(ri,θj)はつぎのようになる。
T1(ri,θj)=T1t(ri,θj)+T1e(ri,θj)
ここで、T1t(ri,θj)は線源31によるデータ(カウントnt)であり、T1e(ri,θj)は被検体30内のエミッション線源によるデータ(カウントne)である。
【0021】
一方、図2の位置関係において、領域Vには、線源31からのガンマ線は入射せず、被検体30内のエミッション線源からのガンマ線しか入射しない。そこで、この領域Vに属する検出器11からシングルイベント検出信号が得られたとき、その信号はT’eデータメモリ16に送られてその検出器11の位置でのカウントがなされる。たとえば、線源31とPkとを結ぶ直線の延長が交差する検出点Pgでは、被検体30内のエミッション線源52などからのガンマ線入射がカウントされる。この点Pgで検出する検出器11を含めて領域Vに属する各々の検出器11では、線源31が回転して領域Vから外れるまでこのようなデータ収集を行うので、それらでの収集時間は、検出点Pkを含む領域Uの各検出点でのデータ収集時間とは一致しない(通常長くなる)。このデータ収集により、T’eデータメモリ16のPgに対応するアドレスでMがカウントされたとすると、M=Meとなり、エミッション線源によるカウントMeのみとなる。
【0022】
つぎに回転が進んで図3のように、線源31が同じ直線(ri,θj)上に位置するようになったとする。このとき領域Uに属することになったPgでのデータ収集がTデータ収集メモリ15で行われ、データT2(ri,θj)=m(カウント)が得られる。ただし、Pgには線源31からのガンマ線が入射するだけでなく、被検体30内のエミッション線源53などからのガンマ線も入射するため、つぎのようになる。
T2t(ri,θj)=mt(カウント)は線源31によるものであり、T2e(ri,θj)=me(カウント)は被検体30内のエミッション線源によるものである。
【0023】
さらに、この図3の位置関係において、領域Vに属することになったPkについては、T’eデータ収集メモリ16のPkに対応するアドレスにおいて被検体30内のエミッション線源(たとえば線源54)からのガンマ線入射のみのカウントがなされる。このアドレスでのカウントは、Pkが領域Vから外れるまで行われ、N=Ne(Neはエミッション線源によるカウント)が得られる。
【0024】
ここで、図2の状態でPkにおいてカウントされるエミッション線源によるデータ;カウント値neは、線源31が図2の位置にあった時間において、入射方向を問わずPkに入射したガンマ線の計数値である。他方、図3の時点およびPkが領域Vとなっている時間でPkに関するものとしてカウントされた値Neは、入射方向を問わずPkに入射したガンマ線の計数値である。したがって、これらneとNeとは測定時間の長さが異なるだけであるから、Neに適当なスケーリングを施せば同じ値となる。つまり、スケーリングの定数をβ(r)とすれば、つぎの関係が成り立つ。
ne=β(r)・Ne
そのため、
T1(ri,θj)−β(r)・Ne=T1t(ri,θj)
となる。
【0025】
同様に、図3の状態でPgでのエミッション線源によるカウント値meと、図2の時点およびその前後の期間(Pgが領域Vとなっている時間)でのカウント値Meとは測定時間の長さが異なるだけの関係にあり、つぎの関係となっている。
me=β(r)・Me
そのため、
T2(ri,θj)−β(r)・Me=T2t(ri,θj)
となる。
【0026】
ところで、図2と図3とでは、同じ直線(ri,θj)に関してデータ収集したわけであるから、Tデータ収集メモリ15においては実際にはつぎのように加算されていることになる。
【0027】
線源31が1回転すると、Tデータ収集メモリ15においてFOVを横切るすべての直線に関してのTデータ;T(r,θ)が収集される。また、T’eデータ収集メモリ16では、線源31の1回転が終わったとき、Pk、Pgを含むすべて検出点に対応するアドレスでエミッション線源によるカウント値が得られていることになる。
【0028】
Tデータ補正装置17においては、各々のT(r,θ)につき、つぎのような操作が行われる。たとえば、T(ri,θj)について説明すると、T’eデータ収集メモリ16から直線(ri,θj)が通る検出点Pk、Pgに対応するアドレスより、上記のNeとMeとを読み出してきて加算し、スケーリング定数を乗算した上、これをT(ri,θj)から減算する。
T(ri,θj)−β(r)・(Ne+Me)
=nt+mt
=Tt1(ri,θj)+Tt2(ri,θj)
=Tt(ri,θj)
となって、被検体30内のエミッション線源による誤差成分を除いた、トランスミッション線源31からのガンマ線によるトランスミッションデータTt(ri,θj)のみが得られることになる。つまり、Ne+Meが直線(ri,θj)についてのエミッション線源による誤差成分T’e(ri,θj)を表していると考えれば、
T(ri,θj)−β(r)・T’e(ri,θj)
によりLORごとに補正したともいえる。このようなLORごとの補正がすべてのLORについて行われる。
【0029】
こうして、Tデータ補正装置17からトランスミッション線源31からのガンマ線のみによるTデータが得られるので、これによって吸収補正装置18において、被検体30内のエミッション線源による誤差のない正確な吸収補正をEデータに対して行うことが可能となる。
【0030】
なお、上記ではTデータ補正装置17や吸収補正装置18等はハードウェア的に表現しているがソフトウェアで実現することも可能である。また、上記のような、多数の検出器11をリング型に配列し、その各々の検出器11の位置を検出点とするリング型PET装置以外に、それぞれ大きな検出面を持ち、その検出面の中でガンマ線入射位置を検出するような6個の検出器を六角形に配置したようなPET装置などにも、この発明を適用することができることはもちろんである。さらに、上記では、E、T両データを収集できるPET装置においてTデータを収集する場合を例として説明しているが、コインシデンス回路を介さないでデータ収集するTデータ収集専用の構成をPET装置に搭載する場合にもこの発明を適用することができる(Eデータは通常通りコインシデンス回路を用いて収集する)。また、上記では1つの断層面(検出器リング型配列10が規定する平面)でのみT(およびT’e)データを収集することとして説明しているが、ベッドを連続的に移動しながら線源31およびコリメータ32を回転させてT(およびT’e)データを収集(ヘリカルスキャン)し、適切な補間処理を施すことにより多数の断層面でのT(およびT’e)データを得るようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の核医学イメージング装置によれば、Tデータの収集のためのスキャン中に、Tデータとともに被検体内のエミッション線源からのガンマ線による誤差分のみのデータをも得ることができるので、この誤差分のデータによってTデータを補正し、その補正後のTデータに基づきEデータの吸収補正を行うことによって、吸収補正の影響を除いた、定量性の高い核医学イメージを得ることができる。Tデータ収集のための1回のスキャンを行うだけで、Tデータとそれに混入する誤差分のデータとを同時に得ることができるので、これらを異なるスキャンで得る場合の、両スキャン間での被検体の動きの問題がなくなり、しかも1回のスキャンだけでよいので、全体の検査時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すブロック図。
【図2】線源31のある位置でのデータ取得を説明するための説明図。
【図3】同じLORについてのデータを得る位置に線源31が位置しているときのデータ取得を説明するための説明図。
【図4】従来例のデータ取得を説明するための説明図。
【符号の説明】
10 検出器リング型配列
11 検出器
12 コインシデンス回路
13 アドレス変換器
14 Eデータ収集メモリ
15 Tデータ収集メモリ
16 T’eデータ収集メモリ
17 Tデータ補正装置
18 吸収補正装置
19 画像再構成装置
20 ディスプレイ装置
31 トランスミッション線源
32 コリメータ
33 回転読み取り装置
U コリメータで遮蔽されない検出領域
V コリメータで遮蔽される検出領域
Pg,Pk 検出点
Claims (1)
- 測定領域に置かれた被検体のなかから放出される放射線を該測定領域の周囲の全周で検出する放射線検出手段と、該放射線検出手段の2つの位置への放射線の同時入射を検出するコインシデンス手段と、該コインシデンス手段により同時入射がとらえられた2つの入射位置を結ぶ直線に関してエミッションデータを収集するエミッションデータ収集手段と、トランスミッションデータ収集時にのみ上記放射線検出手段により取り囲まれる空間内で上記測定領域の周囲に回転させられる放射線発生手段と、トランスミッションデータ収集時にのみ該放射線発生手段とともに回転させられる、該放射線発生手段からの放射線が測定領域方向以外には放出されないように遮蔽するコリメート手段と、上記回転させられる放射線発生手段の位置情報を出力する回転位置検出手段と、上記放射線発生手段の位置情報からコリメート手段の非遮蔽領域であることがわかる上記放射線検出手段により検出された放射線入射を、その入射位置と上記放射線発生手段の位置とを結ぶ直線に関してカウントすることによりトランスミッションデータを収集するトランスミッションデータ収集手段と、上記放射線発生手段の位置情報からコリメート手段の遮蔽領域であることがわかる上記放射線検出手段により検出された放射線入射を、その入射位置に関してカウントすることによりトランスミッション誤差データを収集するトランスミッション誤差データ収集手段と、上記各直線ごとのトランスミッションデータから、その直線が通る入射位置でのトランスミッション誤差データを差し引いてトランスミッションデータを補正するトランスミッションデータ補正手段と、この補正されたトランスミッションデータを用いて上記のエミッションデータの吸収補正を行う吸収補正手段と、吸収補正後のエミッションデータから画像を再構成する画像再構成手段とを備えることを特徴とする核医学イメージング装置。
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