JP3671283B2 - ポジトロンect装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多数の検出器をリング型に配列したポジトロンECT装置に関し、とくにマスクデータ収集手法によるエミッションデータ・トランスミッションデータ同時収集方式のポジトロンECT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポジトロンECT装置は、ポジトロン放出性の放射性核種を用い、その消滅ガンマ線を検出して核種の分布像を撮影するものである。たとえば人体にポジトロン放出性の放射性核種で標識された薬剤を投与すると、特定の臓器に集積する。そのとき人体の外部に放出されてくるガンマ線を、人体外に配置した検出器で検出してデータを収集する。消滅ガンマ線は180゜反対の方向に放出されるので、1対の検出器に同時に入射したことを検出し、その1対の検出器を結ぶ線上に核種が存在していることのデータを得る。このような同時計数によって収集したデータを所定のアルゴリズムで処理することにより、所定の断面での核種の濃度分布像を再構成する。この再構成画像は特定の臓器の診断のために用いられる。
【0003】
被検体外部でガンマ線を検出する検出器としてシンチレーション検出器などが用いられ、これが多数リング型に配列される。この検出器のリング型配列の平面に位置している核種からのガンマ線のうち上記の平面に平行に放出されたものがリング型に配列された検出器のどれかに入射して検出されるので、被検体のこの平面(スライス面)でのデータが収集されることになり、再構成画像はこのスライス面における核種の濃度分布像ということになる。
【0004】
一方、このポジトロンECT装置では、被検体の内部の核種からの放射線を外部において検出するため、その放射線が被検体の内部で吸収されてしまうことの影響を受けることが避けられない。そのため、再構成画像では被検体の中央部の濃度が異常に低いものとなったり、定量的な測定ができず精度が低いなどの問題が生じる。
【0005】
そこで、被検体における吸収分布を求めて、これによりエミッションデータにおける吸収の影響を補正しようという考えが登場する。この吸収分布はいわゆるトランスミッションデータを収集することにより求められる。ここでトランスミッションデータ(透過データ)とは、被検体の内部から放射される放射線によるデータであるエミッションデータ(放射データ)に対するもので、被検体の外部から放射され被検体を透過した放射線によるデータをいう。
【0006】
具体的には、検出器のリング型配列の内部に放射性薬剤の投与されていない被検体を配置するとともにポジトロン放出性の線源を配置し、これを検出器のリング型配列に沿って被検体の周囲に回転させ、その回転角度ごとに同時計数データを収集する。つぎに被検体を検出器のリング型配列内から取り出した上で、線源を同じように回転させながら同時計数データを収集する。前者のデータは放射線が被検体を通ることによる吸収の影響を受けたものであるのに対して、後者のデータにはこのような影響はない。そこで、これらのデータの関係から、吸収の影響がわかる。そこで、今度は被検体に放射性薬剤を投与して検出器のリング型配列内に配置してエミッションデータを収集する(このとき被検体外部の線源は取り除かれている)。このエミッションデータを上記の関係に応じて補正すれば、吸収の影響を除くことができる。
【0007】
従来では、このように被検体についてのトランスミッションデータとエミッションデータは、被検体に放射性薬剤を投与した状態と投与していない状態とで別々に収集していたため、検査時間がかかり、被検体(患者)を固定している時間が長くかかっていた。そこで、特開平4−168392号公報では、被検体に放射性薬剤を投与した状態でトランスミッションデータとエミッションデータとを同時に収集するようにして、検査時間の短縮、患者固定時間の短縮を図っている。
【0008】
すなわち、これは、被検体の周囲に回転させる外部線源の位置が容易に検出でき、その位置が分かれば、それからの放射線によるデータがアドレス上でどの領域に現れるかも分かることに着目したものである。その領域をマスクしてその領域ではデータ収集しないこととすれば、被検体に放射性薬剤を投与した状態で外部線源を回転させるようにしても、エミッションデータが得られ、また、これと同時に、一切マスクせずにデータ収集し、このデータから上記のエミッションデータを引けばトランスミッションデータを得ることができる、というのである。
【0009】
さらに本発明者等は、このマスクデータ収集手法によるエミッションデータ・トランスミッションデータ同時収集方式を発展させて、データの定量性を高めた提案も行っている(特願平7−353619号)。被検体の周囲に回転させる外部線源は放射能の高いものを用いるためその線源周囲に散乱線を生じ、それにより収集したデータに大きな誤差が含まれることになる。そこで、エミッションデータ収集用のマスクの遮蔽部(マスク部)の面積を、外部線源からの放射線によるデータが現れる領域よりは大きなものとしてその周囲に現れる散乱線ノイズを取り除いてエミッションデータ収集するとともに、トランスミッションデータ収集についてもマスクを用い、そのマスクの通過部(マスクされない領域)を狭くし、散乱線ノイズを排除して外部線源からの放射線によるデータのみを収集する。こうすることにより、外部線源の散乱線ノイズの影響をなくして、データの定量性を高めることができる、というのがこの提案である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のマスクデータ収集手法によるエミッションデータ・トランスミッションデータ同時収集方式では、いずれにしても定量性は完全ではない、という問題がある。すなわち、マスクを用いて選別しながらデータ収集する限り、アドレスごとの検出効率は均一にならず、マスクデータ収集における感度のばらつき(不均一性)の問題は不可避であり、これが原因となって定量性を高めることにも限界がある。
【0011】
この発明は、上記に鑑み、マスクデータ収集における感度不均一性を補正してデータの定量性を高めるようにした、マスクデータ収集手法によるエミッションデータ・トランスミッションデータ同時収集方式のポジトロンECT装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明によるポジトロンECT装置においては、多数の放射線検出手段がリング型に配列された放射線検出手段のリング型配列と、上記の多数の放射線検出手段のうちの2つから同時に出力が生じたことを検出する同時検出手段と、該2つの検出手段の対を、対応するアドレス信号に変換するアドレス変換手段と、該アドレス信号が生じたときそのアドレス信号で指定されるアドレスにおいてカウントすることによりデータ収集する手段と、上記リング型配列内に配置され、該リング型配列に沿って回転移動させられるポジトロン放出性放射線発生手段と、その回転位置情報を得る手段と、該回転位置情報に応じて変化させられる、上記アドレス上のマスク領域をマスクすることによりその領域内のアドレスではカウントさせないこととして、ポジトロン放出性物質を含む被検体が上記リング型配列内に配置されているときに上記データ収集手段においてトランスミッションデータとエミッションデータとを別個に同時収集させる手段と、上記収集されたデータのマスクデータ収集に起因して生じた感度不均一性を補正するマスク感度補正手段と、該トランスミッションデータと被検体が上記リング型配列内に配置されていないときのトランスミッションデータとの関係に応じて上記のエミッションデータの吸収補正を行う吸収補正手段とが備えられることが特徴となっている。
【0013】
ポジトロン放出性放射線発生手段は、検出器のリング型配列に沿って回転移動させられるので、その回転位置情報を得ることは容易である。そこで、このポジトロン放出性放射線発生手段がある位置にあるとき、それからの放射線によるデータがアドレス上でどの領域に現れるかが分かるので、その領域をマスクしてその領域ではカウントしないこととすれば、エミッションデータが得られ、同時に一切マスクせずにデータ収集したデータからこのエミッションデータを引けばトランスミッションデータを得ることができる。あるいは、ポジトロン放出性放射線発生手段からの放射線によるデータがアドレス上で現れる領域以外の領域を逆にマスクしてトランスミッションデータを収集することもできる。そして、上記のエミッションデータに対して、上記のトランスミッションデータと被検体が上記リング型配列内に配置されていないときのトランスミッションデータとの関係に応じて吸収補正を行えば、被検体による吸収を補正することができるのであるが、そのエミッションデータは、マスクデータ収集を行って得たものであるためにアドレスによって収集効率が異なるものとなっているため、この感度不均一性が補正される。したがって、マスクデータ収集を行うことにより不可避な感度不均一性の補正と、吸収補正とが併用されているため、データの定量性が高められる。
【0014】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この発明にかかるポジトロンECT装置では、図1に示すように、多数の放射線検出器11がリング型に配列されており、そのリング型配列10の中に被検体(患者)30が配置されるようになっている。これらの検出器11の各出力はコインシデンス回路12に導かれ、いずれか2つの検出器11に同時に放射線が入射してこれらから出力が同時に生じたことが検出される。そして、このように同時に2つの検出器11から出力が生じてこれがコインシデンス回路12により検出されると、そのコインシデンス回路12からの出力がアドレス変換器13に送られ、その2つの検出器11の組み合わせに応じたアドレス変換がなされる。
【0015】
このアドレス変換は、2つの検出器11から同時に出力が生じたとき、その2つの検出器11を結ぶ線に関する位置情報に変換するものである。この2つの検出器11を結ぶ線の位置を表す情報は、たとえば図1に示すように、角度θと中心からの距離dとで表されるものである。つまり、ある2つの検出器11で同時に検出信号が生じたとき、それらの検出器11を結ぶ線を表すθとdよりなるアドレスへの変換がなされる。
【0016】
こうして変換されて出力されたアドレス信号は2つのマスク処理回路14、15を経てそれぞれのデータ収集用のメモリ21〜25に送られて、各アドレスごとにカウントされる。すなわち、各データ収集用メモリ21〜25では、それぞれ、あるアドレス信号が入力されるとそのアドレスに「1」を加算することにより、(d、θ)で表わされるアドレスごとにガンマ線入射個数を示すカウント値を集積していく。
【0017】
一方、ライン線源18が、図では省略されている機構により、点線のように検出器リング型配列10内でこれに沿って所定の小さな角度ごとにステップ的に回転移動させられる。このライン線源18は、ライン状に形成された放射線源であり、スライス面(検出器リング型配列10が含まれる平面)に直交するよう配置される(図では紙面に直角に配置される)。このライン線源18はポジトロン放出性の核種により形成されている。
【0018】
そこで、ポジトロン放出性の核種により標識された薬剤の投与された被検体30を検出器11のリング型配列10中に配置し、ライン線源18をその周囲に回転させるときにメモリ21〜25で収集されるデータは、マスク処理回路14、15での処理を考えないものとすると、図3のようになるはずである。なお、図3のようにアドレス(d、θ)ごとにカウント値を集積したデータをサイノグラムという。
【0019】
図3の(a)〜(d)のサイノグラムは、ライン線源18が図2の(a)〜(d)のようにそれぞれ位置している時点で収集されたものを示している。実際には、ライン線源18が1回転していく期間で得られるアドレス信号が、すべて対応するアドレスに加算されていくので、図3の(a)〜(d)のようなサイノグラムが個別に得られるわけではなく、これらが加算された(重なった)ものとなる。図2の(a)のようにライン線源18が上方にあるとき、図3の(a)のサイノグラムのように、ライン線源18によるデータは角度0°で中央(dの中心)に集中し、角度90°で右端になり、角度180°で中央に位置する。そのため、図3の(a)では、ライン線源18によるデータは曲線42のようなものとなる。これに対して、被検体30は左右方向に偏平であるため、被検体30内の核種からのガンマ線によるデータは、角度0°と180°でd方向に広い領域で、角度90°でd方向に狭い領域で収集される。そのため、被検体30からのデータは砂目模様部分41のようになる。
【0020】
同様に、図2の(b)のようにライン線源18が左方にあるときは、ライン線源18からのデータは図3の(b)の曲線42の位置で収集され、図2の(c)のようにライン線源18が下方にあるときは、ライン線源18からのデータは図3の(c)の曲線42の位置で収集され、図2の(d)のようにライン線源18が右方にあるときは、ライン線源18からのデータは図3の(d)の曲線42の位置で収集される。これに対して、被検体30からのデータは、ライン線源18がどのような位置にあっても、被検体30は不変であるから、同じような形状の砂目模様部分41で収集される。
【0021】
そこで、ライン線源18の位置とともに動いていく、ライン線源18からのデータ収集領域42に対応した通過部を持つマスクをマスク生成器16から、ライン線源18からのデータ収集領域42に対応した遮蔽部(マスク部)を持つマスクをマスク生成器17から発生させる。マスク生成器16は図4に示すようなマスクを生成し、マスク生成器17は図5のようなマスクを生成する。このようなマスクによりマスク処理回路14、15が行う処理は、特定のアドレスは通過させ、他の特定のアドレスは遮蔽(マスク)して通過させないという処理であり、ここでのマスクとは、その通過させるアドレス部(通過部)と、遮蔽するアドレス部(遮蔽部)とを持つものをいうこととする。図4、図5では、砂目模様の部分が遮蔽部で、白抜き部分が通過部である。
【0022】
これらのマスクをライン線源18の位置に対応して生成するため、ライン線源18の位置情報がマスク生成器16、17に入力される。この位置情報は、ライン線源18の回転位置を読み取る回転位置読み取り装置19によって得られる。この回転位置読み取り装置19はたとえばパルスエンコーダとカウンタ等から構成される。
【0023】
ライン線源18が図2の(a)〜(d)の各位置にあるときに図4の(a)〜(d)のようなマスクがマスク生成器16で生成されてその白抜き部分のみがマスク処理回路14を通過させられるので、図3の領域42のデータのみが通過させられることになる。つまり、ライン線源18からの放射線によるTmデータ(トランスミッションデータ)が取り出される。このTmデータは、データ収集メモリ22に送られてデータ収集がなされる。このメモリ22をTmメモリといい、マスク生成器16はTマスク生成器、マスク処理回路14はTマスク処理回路ということにする。ライン線源18が回転し、それに伴いマスクが図4の(a)〜(d)のように変化し、1回転(360°)する期間にTmメモリ22の各アドレスで加算がなされることによりデータ収集が行われる。
【0024】
他方、ライン線源18が図2の(a)〜(d)の各位置にあるときに図5の(a)〜(d)のようなマスクがマスク生成器17で生成されてその白抜き部分のみがマスク処理回路15を通過させられる。この遮蔽部(砂目模様部分)は、図3の領域42に対応しているが、その幅が拡大されたものとなっている。そこで、ライン線源18からの放射線によるデータおよびその周辺のデータが遮蔽され、それ以外の領域のデータ、つまり被検体30中の核種からのEmデータ(エミッションデータ)のみが取り出される。このEmデータは、データ収集メモリ24に送られてデータ収集がなされる。このメモリ24をEmメモり、マスク生成器17をEマスク生成器、マスク処理回路15をEマスク処理回路という。Emメモリ24では、ライン線源18の回転に伴い図5の(a)〜(d)のように変化していくマスクの通過部を通ったデータを、そのアドレスごとに加算していく。
【0025】
ここで、図5のマスクの遮蔽部の幅が広いものとなっているため、Emメモリ24ではライン線源18からのデータのみならず、その周辺のアドレスのデータも収集されないことになる。そのため、強い放射能を持つライン線源18の周辺に生じる散乱線によるノイズは収集されないこととなる。このように遮蔽部の幅が広いが、この遮蔽部はライン線源18の回転とともに図5の(a)〜(d)のように動いていくので、ライン線源18の1回転の期間内ではつねに遮蔽されてしまう領域はなく、おおむね均等にデータ収集される。
【0026】
しかし、厳密にいうと各アドレスで均等な効率でデータ収集されるわけではない。このことはTマスク生成器16、Tマスク処理回路14およびTmメモリ22によるTmデータ収集についてもいえる。これは、ライン線源18の1回転の期間に変化する図4、図5のマスクによって遮蔽されている時間(あるいは通過部となっている時間)が、すべてのアドレスで同一でなく、アドレスによって異なることに原因がある。そのため、検出器11の各々の対から一様に検出出力を生じさせた場合、本来ならサイノグラムのどのアドレスでも均一なカウントとなるはずであるが、実際にはこれらのマスクの作用で図6や図7のようなカウントの高い部分と低い部分とが存在するサイノグラム(濃い部分はカウントが高く、淡い部分はカウントが低い)が得られる。図6は、図5のEマスクによりマスク処理して収集したサイノグラムを示し、d方向の両端に近い領域でカウントの低い領域が表れている。また、図7は、図4のTマスクによりマスク処理して収集したサイノグラムを示し、d方向の両端領域にでカウントの高い領域が表れている。
【0027】
そこで、このようなマスク処理によるサイノグラムのアドレス上での感度不均一を補正して定量性を高める。そのため、上記のような被検体30およびライン線源18を配置した状態でのデータ収集に先立って、検出器11の各々の対から一様に検出出力を生じさせ、TCDメモリ23、ECDメモリ25を用いてデータ収集する。すなわち、このとき、Tマスク生成器16、Eマスク生成器17から1回転分変化するTマスクとEマスクとを順次生成させ、その1回転分変化する期間において、Tマスク処理回路14、Eマスク処理回路15を通過したアドレス信号を、TCDメモリ23、ECDメモリ25にそれぞれ導いてデータ収集する。これにより、TCDメモリ23には図7で示すようなデータ(TCDデータ)が、ECDメモリ25には図6で示すようなデータ(ECDデータ)がそれぞれ収集される。
【0028】
TCDメモリ23、ECDメモリ25によるTCDデータおよびECDデータの収集が終わった後、上記のように被検体30およびライン線源18を配置した状態でデータ収集し、Tmメモリ22、Emメモリ24においてTmデータおよびEmデータを得たとき、Eマスク感度補正回路27により、まずECDデータの平均値が1となるようにこれをノーマライズしてECDNデータを求める。具体的には、サイノグラムの各アドレスごとに異なるECDデータの平均値を求め、この平均値で各アドレスのECDの値を割ることによりアドレスごとにECDNの各々の値を得る。つぎに、Eマスク感度補正回路27において、つぎの演算を行う。
Et=Em/ECDN
これをサイノグラムの各アドレスのEmについてそれぞれ行うことにより、Eマスク処理により生じた感度不均一性を補正した真のエミッションデータEtが求められる。
【0029】
Tマスク感度補正回路26では、つぎのような演算が各アドレスごとに行われる。
Tt=Tm−(Em/ECD)・TCD
ここで(Em/ECD)はEmメモリ24、ECDメモリ25から読み出して作る。Tmデータには、線源18からの真のトランスミッションデータのみならず、Tマスク(図4)を通った被検体30からのエミッションデータも重畳している。このエミッションデータはTマスクの作用による感度不均一性の影響を受けたもので、TCDに比例したものとなっている。一方Emメモリ24で収集されたEmデータは、同一対象を同一時間測定したものであるから、上記のTmデータに含まれるエミッションデータと基本的には同じものであるはずであるが、EマスクによってECDに比例した値となる。そこで、Emに、TマスクとEマスクとの間の収集効率の比(TCD/ECD)を乗じれば、Tmデータに含まれるエミッションデータの真の値を得ることができる。ところが、線源18からの放射線によるデータはすべてTマスクを通過するので、Tマスクによる収集効率のばらつきの影響を受けない。そのため、上記の演算で、Tmから、Tmデータに含まれるエミッションデータの真の値を引くこととなり、真のトランスミッションデータTtを得ることができる。
【0030】
このTtデータは吸収算出回路28に送られて、Tメモリ21から読み出されたTデータと比較される。このTデータは、被検体30を配置しない状態でライン線源18のみを回転させたときTメモリ21で収集したデータであり、被検体30が存在しないため、被検体30による吸収をまったく受けていないものである。そのため、各アドレスごとに求めたそれらの比(Tt/T)は、アドレス(d、θ)ごとの、被検体30における吸収割合を表わすことになる。なお、このTメモリ21におけるTデータの収集は、線源18からの放射線によるデータのみを収集することであるため、上記と同様にTマスクによる収集効率のばらつきの影響を受けないので、Tマスク処理回路14によるマスク処理を省いて無条件に通過させてもよいし、Tmデータと同様にTマスク処理回路14によるマスク処理を行ってもよい。
【0031】
そこで、吸収補正回路29において、Eマスク感度補正回路27から得られるアドレスごとのEtデータに、対応するアドレスの(Tt/T)比を作用させれば、吸収の影響を補正したエミッションデータを得ることができる。このエミッションデータは画像再構成装置31によって画像再構成演算を受け、再構成された画像はディスプレイ装置32で表示され、あるいは図示しない記録装置で記録される。
【0032】
なお、上記において、メモリ21〜25を個別メモリとして表現したが、これらはいずれも単にサイノグラムのアドレスに対応したアドレスを持つデータ収集用の加算メモリであれば足り、大きな容量の単一のメモリの一部ずつを利用するよう構成することもできる。また、アドレスの所定領域をマスクする処理を一種のゲート回路であるマスク処理回路14、15で行うとしたが、マスクされた領域に含まれるアドレスでは加算をしなければよいのであるから、マスク生成器16、17で生成されるマスクに関する情報で直接メモリを制御するようにしてもよいし、アドレス変換器13が、マスクされる領域のアドレスの変換自体を行わないように構成することもできる。後者の場合、アドレス変換器13を2系統設けて、それぞれにTマスク生成器16、Eマスク生成器17の機能を持たせることもできる。
【0033】
また、TCDデータとECDデータは、検出器11のすべての対から一様に出力を生じさせたときにマスク処理して収集するデータであるから、TマスクとEマスクのパターンが分かっていることを利用してコンピュータシミュレーションによって求めてもよい。この場合には、さらにECDNおよび(TCD/ECD)も各アドレスごとに求めておいてデータメモリ等に保持させておき、Eマスク感度補正回路27、Tマスク感度補正回路26がそれらのデータを読み出して補正するよう構成することもできる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のポジトロンECT装置によれば、マスクデータ収集に不可避な感度不均一性を補正しながらのマスクデータ収集により、被検体に放射性薬剤を投与した状態で外部線源を回転させてエミッションデータとトランスミッションデータとを同時収集し、吸収補正することができるため、データの定量性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるポジトロンECT装置のブロック図。
【図2】ライン線源18の各位置を示す模式図。
【図3】ライン線源18の各位置でのサイノグラムを示す図。
【図4】ライン線源18の各位置でのTマスクを示す図。
【図5】ライン線源18の各位置でのEマスクを示す図。
【図6】一様な検出出力をEマスク処理して得たサイノグラムを示す図。
【図7】一様な検出出力をTマスク処理して得たサイノグラムを示す図。
【符号の説明】
10 検出器リング型配列
11 検出器
12 コインシデンス回路
13 アドレス変換器
14 Tマスク処理回路
15 Eマスク処理回路
16 Tマスク生成器
17 Eマスク生成器
18 ライン線源
19 回転位置読み取り装置
21 Tデータ収集用メモリ
22 Tmデータ収集用メモリ
23 TCDデータ収集用メモリ
24 Emデータ収集用メモリ
25 ECDデータ収集用メモリ
26 Tマスク感度補正回路
27 Eマスク感度補正回路
28 吸収算出回路
29 吸収補正回路
30 被検体
31 画像再構成装置
32 ディスプレイ装置
41 被検体30からのデータ
42 ライン線源18からのデータ

Claims (1)

  1. 多数の放射線検出手段がリング型に配列された放射線検出手段のリング型配列と、上記の多数の放射線検出手段のうちの2つから同時に出力が生じたことを検出する同時検出手段と、該2つの検出手段の対を、対応するアドレス信号に変換するアドレス変換手段と、該アドレス信号が生じたときそのアドレス信号で指定されるアドレスにおいてカウントすることによりデータ収集する手段と、上記リング型配列内に配置され、該リング型配列に沿って回転移動させられるポジトロン放出性放射線発生手段と、その回転位置情報を得る手段と、該回転位置情報に応じて変化させられる、上記アドレス上のマスク領域をマスクすることによりその領域内のアドレスではカウントさせないこととして、ポジトロン放出性物質を含む被検体が上記リング型配列内に配置されているときに上記データ収集手段においてトランスミッションデータとエミッションデータとを別個に同時収集させる手段と、上記収集されたデータのマスクデータ収集に起因して生じた感度不均一性を補正するマスク感度補正手段と、該トランスミッションデータと被検体が上記リング型配列内に配置されていないときのトランスミッションデータとの関係に応じて上記のエミッションデータの吸収補正を行う吸収補正手段とを備えることを特徴とするポジトロンECT装置。
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