JP2535762B2 - 陽電子断層撮影装置におけるγ線吸収体による散乱同時計数測定法及び陽電子断層撮影装置 - Google Patents

陽電子断層撮影装置におけるγ線吸収体による散乱同時計数測定法及び陽電子断層撮影装置

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JP2535762B2 JP5256985A JP25698593A JP2535762B2 JP 2535762 B2 JP2535762 B2 JP 2535762B2 JP 5256985 A JP5256985 A JP 5256985A JP 25698593 A JP25698593 A JP 25698593A JP 2535762 B2 JP2535762 B2 JP 2535762B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陽電子断層撮影装置の
測定方法の改良を提案するもので、被写体を通る線上に
一対の検出器を多数対リング状に対向配置し、該検出器
内にγ線吸収体を被写体を取囲む同心円周上に回転させ
ながら、被写体中に注入された陽電子放出核種で標識さ
れた薬剤より放出される陽電子と被写体中の電子と結合
して互に正反対方向に放出されるγ線を検出し、散乱同
時計数値のみを散乱同時計数値と真の同時計数値とを含
む測定値より分離して、両測定値より真の同時計数値を
求める測定方法に係る。
【0002】
【従来の技術】陽電子断層撮影装置は、陽電子と生体内
の電子とが結合し陽電子消滅するに際し、180 度正反対
の2つのγ線を放出する特性を利用してγ線を検出する
ことによって、陽電子の分布画像を求める装置である。
陽電子放出核種で薬剤等を標識して生体内に注入し、陽
電子断層撮影装置で陽電子分布画像の時間的の変化等を
測ることによって、細胞の新陳代謝等の機能を定量的に
調べることを目的とする。このため、陽電子分布画像に
は、定量性が要求される。
【0003】図1は従来の陽電子断層撮影装置1の構成
の概略を示す説明図である。図1において、2はサイク
ロトロン、3は標識化合物自動合成装置で、標識薬剤自
動合成装置3中に循環する化合物にサイクロトロン2よ
り高エネルギーの放射線を当て陽電子標識薬剤4を造
り、この陽電子標識薬剤4を被写体5内に注入し、この
薬剤より発せられる陽電子が生体内の電子と結合して消
滅する時に発せられるγ線を同一線上の互に反対位置の
円周上に多数設けた検出器リング6により計測し、この
計測値をデータ収集システム7及びデータ処理システム
8により収集処理し、陽電子分布画像を求めるのが陽電
子断層撮影装置の原理である。
【0004】被写体5内に陽電子標識薬剤4を注入する
のは、例えばぶどう糖等に担持させて注入できる。被写
体内に注入された薬剤より放出される陽電子は生体内の
電子と結合し一緒に消滅して、一対のγ線を生成する性
質を持つ。これら2つのγ線は、互いに180 度方向に放
出されるので、2つのγ線検出器で図2のように測定す
ると、2つのγ線が同時に計数される。図2において、
9は生体内に放出された陽電子、10は生体内の電子で、
11はγ線、12はγ線検出器、13はタイムピックオフ回
路、14は同時計回路を示す。ここで陽電子が生体内の電
子と衝突すると一対のγ線が生ずるのである。放出され
るγ線の同時の程度は、検出器系の時間分解能によって
異なり、通常は数ナノ(n)秒以内の時間である。逆
に、図2のように配置された2つの検出器12,12が同時
計数すれば、陽電子はこの2つの検出器の対向線上にあ
ったことになる(これを、真の同時計数と呼び、この対
向線をコインシデンス線と呼ぶ)。
【0005】従って、γ線検出器をリング状に並べ、リ
ング内にある陽電子からのγ線を測定すれば、陽電子の
分布関数の情報が得られることになる。従来の陽電子断
層撮影装置は、図3のようにγ線検出器12が円周上に多
数並べられたガントリーと言われるγ線検出部15と、ガ
ントリー15からのデータを収集分析するデータ収集シス
テム7、そのデータで画像を作り出し、また画像の解析
を行なうデータ処理システム8からなる。
【0006】図3において、データ収集システム7は円
周上に対称に配置された多数対のγ線検出器12により検
出器リング6を形成し、この検出器リング6を設けた部
分をガントリー部15といい、この検出器リング6内に被
写体5の例えば頭部又は胸部或は腹部その他を位置させ
て、γ線の検出を行なうのである。
【0007】従来の陽電子断層撮影装置はサイクロトロ
ンからの高エネルギーの放射線により生成された陽電子
放出核種と注入すべき薬剤又は化合物(例えばブドウ
糖)を合成することにより陽電子標識して被写体内に注
入して、この陽電子標識を付した薬剤より放出された陽
電子が生体内の所要電子(例えば脳腫瘍又は癌細胞等)
と衝突し消滅した際、生成されるγ線を検出するので、
サイクロトロンで陽電子放出核種を生成して薬剤に陽電
子標識を付与するためにはサイクロトロンを所有する研
究所等の近傍にないとサイクロトロンを利用できない。
本邦では十数台の陽電子断層撮影装置があるだけである
が、この装置による測定値は真の同時計数値に散乱同時
計数値が混入し偽像を生ずる欠点がある。従って、従来
の装置が散乱同時計数値と真の同時計数値とを分けて測
定できるとその価値は天文学的に飛躍したものとなる。
【0008】従来の陽電子断層撮影装置は、図4のよう
に、ある方向について同時計数の分布S0 (x,θ)
(これをシノグラムと言う)を求め、計算機を用いて次
式により、陽電子分布関数ρ(X,Y)を画像として求
める。
【数1】 ここで、A(x,θ)は被写体中でのγ線の吸収の効果
を補正する因子、f(x)はフィルター関数と呼ばれる
画像再構成のための数学的因子である。S0 (x,θ)
は、ρ(X,Y)と次式で関係づけられている。
【数2】
【0009】さらに、検出器リング6を幾重にも重ね合
わせて、各々のリング内の平面又は2つの検出リングの
間の平面の陽電子分布画像を同時に測り、陽電子の空間
分布ρ(X,Y,Z)が求められる。
【0010】以上は、従来の陽電子分布の平面画像再構
成法によって陽電子の分布画像を得る原理と装置につい
て概略説明したものであるが、検出器リングが幾重にも
重ね合わせて設けられた陽電子断層撮影装置は、陽電子
を含む断面の平面方向だけでなく3次元的に放出された
γ線も捕らえて同時計数している。従って、平面ではな
く従来装置では3次元の同時計数から陽電子分布画像を
再構成して、検出効率を飛躍的に上げるように設計され
ており、これによって、体内に投与する放射性同位体の
量を少なくしている。しかしながら、3次元同時計数測
法による測定値は真の同時計数値に散乱同時計数が多く
混入し偽像(誤差)の生ずる可能性を大きくしている欠
点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の陽電子断層撮影
装置で得られた陽電子濃度は、陽電子放出核種で標識さ
れた薬剤による細胞の新陳代謝の度合を表す。陽電子分
布濃度を定量的に測定し解析して、器官の機能を診断す
るので、陽電子分布画像には定量性が要求される。この
定量性を損なう主要な原因として、散乱同時計数があ
る。すなわち、対向する2つの検出器でγ線を同時計数
したからといって、必ずしもその対向線上にあった陽電
子からのγ線のみを計測しているとは言えない。真の同
時計数でないものとして主として、次の同時計数があ
る。
【0012】(A)散乱同時計数;- 被写体内で発せられたγ線は、被写体内の電子によって
散乱されることがある。この散乱をコンプトン散乱と呼
んでいる。図5(B)に示した散乱では、検出器12A,
12Cが同時計数し、陽電子が一対の検出器12A,12Cの
対向線上にあったように測定される。これは誤作動であ
る。真の同時計数が検出器リングの平面にある陽電子の
みを測定するものであるのに対して、この散乱同時計数
はその平面を含んだある体積内にある陽電子からのγ線
も測定するのでその寄与すなわち、散乱同時計数の値は
真の同時計数に比べて無視できない。
【0013】現在、この散乱同時計数に対する補正方法
として、次の方法が考えられている。 (1)セプタムの使用 検出器リングの検出器が、検出器リングのつくる平面内
にある陽電子以外からのγ線を検出しないように、多層
型陽電子断層撮影装置(以下ポジトロンCT装置と言
う)においては、図6に示すようにコリメーター23を検
出器リングの両側に取り付ける。図6で24は層間同時計
数のイメージ、25は層内同時計数のイメージを示す。こ
のコリメーター23はセプタムと呼ばれており、これは一
種のスライドシールド板とも称されているもので検出器
リング平面以外からの散乱同時計数を遮断して取り除く
ことはできるが、リング平面内からの散乱同時計数を取
り除くことはできない。またこのセプタムを設けてコリ
メートするため、感度が落ちる。特に3次元画像再構成
の陽電子断層撮影装置では、3次元空間で同時計数でき
る検出器の組み合わせを排除してしまうので使用できな
い。
【0014】(2)シュミュレーション法 散乱同時計数を含んだ同時計数から得られた画像から、
計算によって散乱同時計数の影響を求める方法である
が、これは測定値が実測値でないので、その信頼度は低
い。
【0015】(3)γ線のエネルギーの選別による方法 陽電子から発生したγ線のエネルギーは511 keVであ
るが、散乱すると511keVより小さくなる。そこで、
ある閾値以上のエネルギーを持つγ線の同時計数を採る
ことによって、散乱同時計数を少なくしている。γ線の
エネルギーの範囲を2つに分けて測定すると、散乱同時
計数と真の同時計数(散乱されなかった同時計数)とを
分けることができる。しかし、この方法においては、測
定回路は非常に複雑になり、その弁別は検出器のエネル
ギー分解能に大きく左右される。従って、現在の検出器
の精度では、良く弁別できない。
【0016】(B)偶発同時計数;- 散乱同時計数と同様に真の同時計数でない同時計数とし
て偶発同時計数がある。これは、2つの陽電子が同時に
(測定システムの時間分解能内に)消滅し、図5(C)
のように4つのγ線のうち2つが検出され、他の2つは
検出されなかった場合で、検出器12A,12Bの対向線上
に陽電子が一つあったように測定される同時計数であ
る。しかし、この偶発同時計数は、測定システムが同時
でないと判断できる時間間隔で2つのγ線を同時計数す
ることによって測定できる。この方法が現在偶発同時計
数の測定に一般に用いられている。
【0017】(C)散乱同時計数が陽電子画像に与える
影響;- 散乱同時計数の寄与をBsc(x,θ)とすると、実際に
測定される同時計数の分布S(x,θ)は次式で与えら
れる。
【数3】 ここで、偶発同時計数は、上述した方法でハード的に取
り去ることができるので、 (3)式はその寄与が取り除か
れた同時計数とする。また、Bsc(x,θ)は被写体内
での吸収の効果も含んでいるものとする。
【0018】従って、このS(x,θ)から求めた陽電
子分布画像ρ1 (X,Y)は
【数4】 となる。ここで、Δρ(X,Y)は
【数5】 で与えられる散乱同時計数による偽像である。
【0019】陽電子断層撮影装置を用いた研究及び診断
では、画像の定量性が重要であるので、この偽像は大き
な障害であり、これを取り除くために多くの努力が払わ
れ、上述した方法が考え出されている。
【0020】ここでは、2次元画像再構成法を例にとっ
て、散乱同時計数の影響を説明したが、3次元画像再構
成法においては、より一層画像に対する偽像の影響は大
きくなる。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、円周上に配置
した互に対称の位置にある多数対の検出器リングの各一
対の検出器の間にγ線吸収体を置きこれを検出器リング
と同心円上に沿い回転することによって、陽電子断層撮
影装置の陽電子画像における散乱同時計数を、簡単に精
度良く測定する方法であり、測定された同時計数から散
乱同時計数を取り除いて、真の同時計数を求め、定量性
の高い陽電子画像を与えるものである。
【0022】本発明は、陽電子断層撮影装置の検出器と
検出器の対向線上にγ線吸収体を位置させて適当な支持
装置に支持させこのγ線吸収体を被写体を取囲む同心円
周上に回転させながら被写体中の陽電子から発せられる
γ線のうち、真の同時計数値を排除して散乱同時計数値
のみを測定すると同時に、真の同時計数値と散乱同時計
数値の和を同時計数し、両者の差より真の同時計数を求
めることを特徴とする陽電子断層撮影装置におけるγ線
吸収体による散乱同時計数測定法である。
【0023】本発明は、被写体中の陽電子から発せられ
るγ線を多数対のγ線検出器リングにより検出するよう
にした陽電子断層撮影装置のγ線検出部において、対向
配置された多数対の検出器リングの内方に位置するγ線
吸収体を装着した回転体を設け、該γ線吸収体を前記検
出器リングの内方に同心円上で回転するようにしたこと
を特徴とする陽電子断層撮影装置にある。
【0024】
【作用】以下図について、本発明の構成及び作用につき
説明する。本発明は、図7に示すように、リング状に配
列されたγ線検出器リング6の内側に、γ線吸収体26を
置きこれを検出器リング6と同心の円周上を回転させ、
被写体からの2つのγ線を同時計数する。検出器リング
6が幾重にも重ね合わされている多重型陽電子断層撮影
装置では、図7(B)のように例えば棒状のγ線吸収体
26を回転させて、被写体からの2つのγ線を同時計数す
る。2つのγ線を同時計数した2つの検出器12A,12B
の対向線上にγ線吸収体26があった場合、これを散乱同
時計数とラベルして記録保存する。γ線吸収体26がなか
った場合は、通常の同時計数として記録し保存する。γ
線吸収体26を回転することによって、散乱同時計数と通
常の同時計数を同時に測定する。
【0025】図8に示すように、2つのγ線を同時計数
した2つの検出器12A,12Bの対向線上にγ線吸収体26
があった場合、これは明らかに、検出器12A,12Bの対
向線上にあった陽電子消滅からのγ線でなく、検出器の
対向線以外の場所にあった陽電子からのγ線がコンプト
ン散乱(C)したため検出されたものである。このよう
にして得られた散乱同時計数を用いて、散乱同時計数を
含まない真の同時計数からの画像を再構成する。
【0026】本発明のγ線吸収体を使用した陽電子断層
撮影装置は、多層型陽電子断層撮影装置において、図6
に示すようなコリメーター(遮蔽板)23を全て使用しな
い構成とし、かつ、γ線吸収体を検出器リング6の内側
の同心円上に回転させ、検出器リング6の各一対の検出
器12A,12Bの対向線がγ線吸収体を通るとき、この一
対の検出器12A,12Bによる同時計数値を散乱同時計数
であるとして測定するものである。本発明装置による同
時計数測定で得られた散乱同時計数を用いて、散乱同時
計数を含まない真の同時計数の画像再構成する原理は次
の通りである。
【0027】(1)2次元画像再構成 本発明の方法によって、得られた散乱同時計数をB
(x,θ)とすると、これは、
【数6】 で表される。ここで、右辺の第2項はγ線吸収体が吸収
しきれなかったか又は対向線上にある検出器をγ線吸収
体が隠しきれなかったため測定した真の同時計数S
0 (x,θ)の一部分である。α,βは、計算又はファ
ントムを測定して求められる幾何学的因子である。Bac
(x,θ)は、偶発同時計数である。Bac(x,θ)の
測定値を用いてそれを取り除いた散乱同時計数を改めて
B(x,θ)とすると、
【数7】 (3)と (6)式より、散乱同時計数と真の同時計数が次式
で求められる。
【数8】 この真の同時計数を用いて、散乱同時計数による偽像の
ない正しい画像が得られる。
【0028】(2)3次元画像再構成 上述した散乱同時計数法は2次元画像再構成に関するも
のであるが、3次元画像再構成に対しては、図7(B)
のようになる。つまり、棒状のγ線吸収体26を検出器リ
ング6と同心円で回転させて被写体からのγ線の同時計
数を行なう。同時計数及び散乱同時計数は3次元なので
例えば、S(x,θ,N1 ,N2 )とB SC(x,θ,N
1 ,N2 )にそれぞれ表せられ、 (8)と (9)に対応した
式が次式で表せられる。
【数9】 ここで、N1 ,N2 は検出器のリング番号を表す。θは
0度から360 度までである。N1 =N2 のときは、θは
0度から180 度までである。
【0029】図7は図1に示す本発明に使用する陽電子
断層撮影装置の検出器リング6を設けたガントリー部の
詳細を示すもので、本発明においては、陽電子断層撮影
装置の検出器リング6の内方にγ線吸収体26を片持梁の
ように回転体27により支持して、γ線吸収体26を検出器
リング6の内方で、これと同心円上を回転するように支
持し、γ線吸収体26を回転しながら、γ線吸収体26の位
置をアングルエンコーダー28により測定し、検出器リン
グ6に360 度に多数円環状に配置した1番ないしN番の
多数の検出器をそれぞれの各回線により同時計数回路16
に送られるよう配線し、γ線吸収体の円周上の位置を位
置エンコーダ28よりのγ線吸収体の位置情報と合せて同
時計数回路16に送り、ここで、同時計数と、散乱同時計
数とを測定し、このようにして同時データ収集プロセッ
サーシステム7で同時計測データを収集し、得られたデ
ータをデータ処理システム8においてデータ処理し、デ
ータを分類し、メモリーし、画像再構成するのである。
【0030】本発明では、γ線吸収体26を鉛を主成分と
する合金(例えば90%鉛−10%タンタル合金)あるいは
ビスマスを主成分とする合金(例えば90%ビスマス−10
%タンタル合金)で構成することが、特に、有効であ
る。更に、またγ線吸収体26の機械的強度を保持する目
的でステンレスパイプ(厚さ0.1 〜0.2 mm)に鉛を充填
してγ線吸収体26を形成することもできる。
【0031】γ線吸収体26を回転体27に取付装着するに
際し、γ線吸収体26の取付位置を回転体27の半径方向に
調整可能に装着できる構成をする。即ち、γ線吸収体26
を被写体(例えば生体の頭部、胸部、腹部等)の大きさ
に応じて接近又は離間可能に装置する。
【0032】図8は本発明装置によるγ線吸収体を設け
た検出器リング6におけるγ線吸収体26の回転位置は一
対の検出器12−N1 と12−N2 とを結ぶγ線吸収体の回
転中心を通る線によりγ線吸収体の位置の座標が図7
(B)に示すように、γ線吸収体の位置エンコーダー28
により測定できる。一対の検出器12−N1 と12−N2
を結ぶ線上にγ線吸収体26が来た場合、陽電子を含んだ
被写体30のうち点29に陽電子があったとすると、被写体
に含まれる陽電子が被写体の電子(例えば患部の組織)
と衝突し、γ線を180 度に配置された検出器12−N1
12−N2 との方向に放出しても、一方の検出器12−N1
の方向ではγ線吸収体26に衝突して吸収され、他方の検
出器12−N2 の方向に向ったγ線のみが検出器12−N2
で検出される。従って、真の同時計数値(A)は測定で
きないが、31に示す散乱同時計数値(B)が、両検出器
12−N1 と12−N2 とで測定できる。リングの平面内だ
けでなく、検出器リング6は図7に示すように1,2,
3,4層の如く、多重層並列して円形リング状に配列さ
れるので隣の順位の電子から来る3次元的な散乱同時計
数値も測定される。
【0033】従来の陽電子断層撮影装置においては上述
のように、各検出器リングの間に鉛できた鉛コリメータ
ー又はセプタムと呼ばれスライドシールド板を各層間に
嵌挿して、散乱同時計数値の同時測定による偽像(すな
わち測定誤差)の発生を防止するようにしていたが、上
述のように、このセプタムを設けてコリメートすると、
散乱同時計数を遮断して或る程度取り除くことができる
が、検出器リング平面内からの散乱同時計数を完全には
取り除くことができない共に測定感度が落ちる欠点があ
る。
【0034】本発明では測定感度をあげて鮮明な画像情
報を作るためにセプター等の鉛コリメーターで検出器リ
ング間を遮断することをやめて、検出器リングの円環状
に配置した円座標上の位置がγ線吸収体の移動に応じて
測定できるようにし、真の同時計数値Rと散乱同時計数
値Sとの和と散乱同時計数Sのみの測定値を差引するこ
とにより真の同時計数値Rが求められるようにしたもの
である。
【0035】すなわち、検出器12−N1 ,12−N2 の対
向線上をγ線吸収体26が通るときこの2つの検出器12−
1 ,12−N2 による同時計数は散乱同時計数である。
【0036】例えば頭部のポジトロンCTをする場合に
は、γ線吸収体の径を小さくして被写体の周りを回転す
るようにし、例えば生体の胸部又は腹部をポジトロンC
Tで測定するときは、その径を大きくして測定する必要
がある。従って、γ線吸収体を支持する固定位置をγ線
吸収体の回転の半径方向に移動できるようにし、γ線吸
収体の固定位置を変えて、γ線吸収体が被写体になるべ
く近づけるように回転半径を変えられるよう構成するこ
とが大切である。これは測定上の感度を向上するため
と、偽像の作成をできるだけ防止するためである。
【0037】図9は本発明の陽電子断層撮影装置のガン
トリの一部断面を示すものである。図9において、5は
検査する生体の被写体を示し、被写体5は架台53上に乗
せられて、ガントリー部32の検出器リング54の円形空洞
中に出入できるようにし、アングルエンコーダー28を取
り付けた回転支持部56に棒状のγ線吸収体26を検出器リ
ング6より内方の同心円上を回転するよう片持梁状に突
設して支持する。本発明の装置においては、検出器リン
グ6を構成する多重層状に配置した検出器の対間に鉛コ
リメーター(セプタム)の如きγ線遮断板を設けず各層
間においても散乱同時計数が測定されるようにし、真の
同時計数値と散乱同時計数値との和より散乱同時計数値
を差引いて、真の同時計数値を求めるようにしたもので
ある。
【0038】従来は散乱同時計数を少しでも除去したい
ために、γ線検出器の閾値エネルギーを高くして測定し
ている。従って、検出器に入ったγ線は必ずしもそのエ
ネルギーがすべて電気信号に変換されないために、閾値
エネルギー以上のγ線でも閾値以下となり信号が出力さ
れない。従って、真の同時計数も除去されることがあ
り、検出感度が落ちる欠点がある。
【0039】本発明の方法によると、γ線のエネルギー
に関係なく散乱同時計数を測定できるので、閾値を下げ
て検出できるので装置の感度が高くなる。
【0040】従来のX−線CT装置及びMRI−CT装
置が形態画像を与えるのに対して、本発明の陽電子断層
撮影装置は、生体の器官の機能画像を与えることができ
る画期的装置である。しかし、機能画像を得るには定量
性のあるデータを収集しなければならない。この画像の
定量性の問題で、取り残されていたのが、散乱同時計数
に因る偽像を如何にして除くかである。本発明は、この
問題を解決し、しかも、効率良く簡単にできる方法で偽
像を取除き真の同時計数値のみが得られる測定方法及び
装置を提案するものである。
【0041】また、体内被曝の軽減及び統計精度の高い
画像を得るために、従来の2次元画像再構成の陽電子断
層撮影装置より、数倍から十数倍感度が高くなる3次元
画像再構成ができる陽電子断層撮影装置が開発されてい
る。しかし、この装置は3次元のデータを収集して3次
元画像を得るため散乱同時計数が2次元より、大きな偽
像(誤差)となってあらわれ、画像の定量性は期待でき
ないと言う大きな問題を持っている。本発明を利用する
ことによって、この問題が解決されるので、本発明によ
ると3次元画像再構成用陽電子断層撮影装置の測定精度
を天文学的に飛躍に改良できることになり、その開発に
大なる寄与が行なわれることが期待される。
【0042】
【実施例】本発明の陽電子断層撮影装置(以下ポジトロ
ンCTと言う)は、γ線を検出するための検出器、検出
器を動かし充分な数のデータを収得するための走査機
構、同時計数を行いデータをコンピュータに転送するた
めの電子回路、送られてきた同時計数データを処理し、
画像を表示するためのコンピュー・システムなどからな
る。
【0043】(1)検出器 ポジトロンCTで用いられるγ線検出器は、無機結晶を
シンチレータとして用いるシンチレーション検出器を使
用できる。シンチレーション検出器22は図10に示すよう
に、γ線を可視光に変えるシンチレータ22Aと、可視光
を電気信号に変える光電子増倍管22Bよりなる。図10で
22Gは光電面、22Cは前置増幅器、22Dはパルス出力端
子、22Eは高電圧入力端子である。
【0044】ポジトロンCTでは扱うγ線のエネルギー
が通常の核医学機器に比べて高く、また同時計数のため
に高速性が要求される。そのため、γ線検出器として多
用されているNaI(Tl)のほかに、Bi4 Ge3
12(BGO)やCsFが使用される。これらの特性を表
1に示す。BGOはNaI(Tl)に比べて511 keV
光子に対する吸収係数が大きく(約2.7 倍)、このため
高感度である。
【0045】
【表1】
【0046】また、結晶を小さくしても感度の低下が少
ないため、小さい寸法の結晶が利用でき、空間分解能を
よくすることができる。しかし、比蛍光出力が小さく発
光減衰時間も比較的長いので、同時計数を行う際のタイ
ム・ウインドウの幅を余り小さくできない。タイム・ウ
インドウの幅は2〜20ns位にできる。
【0047】CsFは蛍光減衰時間が5nsと非常に速
いことに特徴がある。このため、検出器の時間分解能は
0.5 ns程度にすることができる。しかし、このような
高速検出器では、消滅光子の飛行時間も考慮せねばなら
ず、タイム・ウインドウの幅は2ns程度より小さくは
できない。それにしても、タイム・ウインドウの幅は、
BGOに比べて1/5〜1/10程度であるため、偶発同
時計数の影響を減らすことが可能で高計数特性をよくす
ることができる。また、検出器自身の時間分解能がγ線
光子の飛行時間よりも小さいことから、2つのγ線光子
の飛行時間差の計測が可能で、CTの原理によらないポ
ジトロン陽電子放出核種(RI)分布の測定(飛行時間
法−time of flight method,TOF法)の可能性が考え
られる。しかし、CsFの吸収係数はNaI(Tl)程
度であり、結晶を小さくして、高い空間分解能を実現す
るには適していない。ポジトロンCT用のシンチレータ
は、現在、高感度高分解能装置用のBGOと、高計数率
特性に優れ、TOF法の可能なCsFとに分かれてきて
いる。
【0048】シンチレータには光電子倍増管が接続され
ており、発生する光を電気的パルスに変換する。X線C
Tなどで用いられている他の光電変換素子(光ダイオー
ド等)は、同時計数に要求される高速性や忠実性の点で
光電子倍増管に劣るため使用できない。
【0049】(2)電子回路 通常のγ線計測では、1つのγ線光子により発生する電
気パルスを1μs(10-6s)程度の時間で計数すればよ
い。しかし、ポジトロンCT装置では、同時計数をする
必要があり、電子回路には格段の正確さと高速性が要求
される。蛍光効率の小さいBi4 3 12(BGO)を
シンチレータとして使用するときや、CsFを用いて飛
行時間差の計測を行うときは特に条件がきびしい。前者
は一つ一つの光電子パルス(γ線光子によるパルスはこ
の集まりである)を区別することが可能なほどの正確さ
が必要である。また後者では、時間計測に0.1 ns(1
nsは10-9s)の桁の精度が必要である。
【0050】図11はポジトロンCT装置の電子回路の概
念図をブロックダイアグラムで示したものである。検出
器12A,12Bより発生した信号は前置増幅器33に入る。
通常、光電子増倍管29の出力信号は充分大きく増幅の必
要はない。しかし、一般に出力抵抗が大きいため、前置
増幅器33A,33Bをインピーダンス変換器として使い出
力抵抗を小さくするために使用する。
【0051】前置増幅器33A,33Bを出たパルス信号に
対してその発生した時間を同定するためにそれぞれタイ
ム・ピックオフ回路34A,34B、遅延回路35A,35B及
びこれと並列にエネルギー弁別回路36A,36B及びこれ
らのゲート回路37A,37Bを介して時間信号をゲートし
て同時計数回路38に送る共に、パルスが雑音によるもの
ではなく、確かに511 keVのγ線光子によるものであ
ることを、エネルギー弁別回路36A,36Bにより判定す
る。エネルギー弁別回路36A,36Bは、パルス信号を積
分し、積分値がある一定値以上の信号のみを選択するこ
とにより行われ、蛍光減衰時間(BGOの場合は300 n
s)程度の時間を必要とする。一方、時間信号はタイム
・ピックオフ回路34A,34Bによりパルスの立ち上がり
と同時に発生する。時間信号が発生した段階では、エネ
ルギー弁別は完成していないため、時間信号は遅延回路
35A,35Bにより一定の遅延を受ける。一定時間経過
後、エネルギーがしきい値に達しているときは、ゲート
37A,37Bが開き、信号は同時計数回路38に入る。一
方、エネルギーがしきい値以下のときはゲートが開かず
以後の処理は行われない。タイム・ピックオフ回路34
A,34Bでの分解時間は同時計数回路38のタイムウイン
ドウ幅を決める重要な因子であり、可能な限り短くする
必要がある。BGOの場合、比蛍光効率が小さく蛍光減
衰時間が長いため、光電子パルスは数nsに一つしか発
生しない。そこで、最初の光電子パルスのみで時間信号
を発生させた場合、タイム・ピックオフ回路34A,34B
の分解時間は、そのパルスの到達時間のゆらぎによって
決まり最小2〜3nsである。CsFの場合には、光電
子パルスは非常に早く発生するため、タイム・ピックオ
フ回路の分解時間は0.5 ns以下にすることができる。
【0052】同時計数回路38では、2つの検出器12A,
12Bからの時間信号が同時にきたものであるかを判定
し、“同時”にきた場合にはアドレス・エンコーダー39
に信号を送る。しかし、陽電子消滅によるγ線からの時
間信号は全く同じ時間に同時計数回路38に入るわけでは
ない。そこで、同時計数回路38では、ある一定時間内に
入ってきた信号は“同時”であると判定している。この
時間をタイムウインドウ幅と言う。タイムウインドウ幅
は、BGOの場合はタイム・ピックオフ回路の分解時間
や遅延回路の誤差などのため、10〜20nsが必要であ
る。一方、CsFの場合は、主として、飛行時間差のた
め2ns程度が必要である。
【0053】同時計数回路38は、原理的には検出器12の
対の数だけ必要であり、その出力はすべてアドレス・エ
ンコーダー39に結線される。アドレス・エンコーダー39
は、同時計数を行った検出器12の対のアドレスを2進数
として出力し、図12に示すコンピュータ40に送る。しか
し、各検出器対ごとに同時計数回路38を付加すると、そ
の数は膨大なものとなる。そこで、実際には、同時計数
回路38を節約するため、検出器12をいくつかのグループ
に分け、グループごとの同時計数を取るよう構成するよ
うにしてもよい。
【0054】(3)コンピュータ・システム ポジトロンCT装置のコンピュータ・システムはX線C
T装置やシンチレーションカメラに付属するコンピュー
タ・システムとよく似ていて両者の特徴を兼ねそなえた
ものである。
【0055】図12はポジトロンCT装置のコンピュータ
・システムの概念図を示したものである。ガントリー部
41には、検出器12、電子回路(図11に示すもの等)が内
蔵され、走査機構も付加されている。ガントリー部41か
らは同時計数した検出器対のアドレスが出力される。
【0056】ポジトロンCTでは、高速かつ大量のデー
タ収集を行い、また次に述べるように、検出器アドレス
の変換等もデータ収集の際に行う必要がある。このた
め、通常の汎用計算機の命令実行速度では対応できない
ことがあり、ガントリー41を出たアドレス情報は一時的
に外部のバッファメモリー42に記憶させる。
【0057】バッファメモリー42に一時、記憶され、ア
ドレス変換等の処理を受けた計測データは、データ収集
の終了と同時にコンピュータ40に送られる。計測データ
はコンピュータ40内でいくつかの前処理を受けた後、上
述の計算法により図15に示すようなポジトロンCT画像
に変換される。この手法を画像復元と言うが、画像復元
には大量の計算処理が必要である。従って、高速演算装
置43は画像復元計算を短時間で行うために付加されたも
のであり、マトリックス・サイズが128 ×128の画像で
あれば、秒単位で計算が行える。専用の演算装置を設け
ない場合でも、最低でも分単位の時間で計算することが
可能なようにする必要がある。
【0058】復元された画像はイメージ表示装置44にデ
ィスプレイされ診断に供される。イメージ表示装置44に
は、通常CRTモニタ(ブラウン管)が使用され、白黒
(グレースケール)の場合には、16〜32レベル程度の階
調認識能がある。X線CTと同様に表示装置の階調はウ
インド及びレベルにより制御される。
【0059】表示された画像は、マルチフォーマット・
カメラ等でフィルム上に記録される。磁気ディスク46に
は、計測データや画像データが一時的に記憶されてい
て、必要に応じてコンピュータ40から即時に呼び出され
る。磁気テープ装置47はこれらのデータを記録して保存
するものである。従って、画像データはフィルム上に人
間の目に見えるように変換できる形で、また磁気テープ
上にコンピュータ40の理解できる形で、二重に記録保存
される。コンソール48はこのようなシステム全体をオペ
レータが制御するためのもので、対話のためのキーボー
ド、キャラクタディスプレイ及び専用のファンクション
キー等からなる。
【0060】データ処理;- ポジトロンCT装置におけるデータ処理は、すべて装置
に付属するコンピュータシステムにより行われ、データ
収集、前処理、画像復元、復元された画像の処理及びフ
ァイル管理等からなる。ファイル管理は、画像データや
投影データを効率よく蓄積、利用するために重要であ
る。 (1)データ収集 データ収集とは、ガントリー41内の電子回路から送られ
てくる同時計数した検出器のアドレスを、コンピュータ
処理に便利な形に変換し蓄積することを言う。データ収
集の方式は通常のシンチレーションカメラと同様に、リ
ストモード収集と、フレームモード収集との2つが考え
られる。
【0061】リストモード収集とは、ガントリーより出
てくる同時計数アドレスをコンピュータ経由でそのまま
磁気ディスク内に蓄積する方式である。アドレスデータ
はデータ収集終了後、コンピュータにより投影データに
変換される。この方式では、データ収集中はデータ転送
以外の処理を行わないため高速の収集ができ、データ変
換はデータ収集後、一括してソフト的に行うため柔軟性
がある。しかし、アドレスデータをすべてディスク内に
蓄積するため、余り大量の計数は扱えない。
【0062】一方、フレームモード収集では、アドレス
データがガントリーより出てくる度に、測定系の座標に
変換し、その座標に対応するメモリーの内容に1を加え
る。データ収集の終了と同時にメモリー内には投影デー
タが2次元の配列として得られる。フレームモード収集
では必要なメモリー容量は、フレームサイズ(128 ×12
8 くらい)でよく、計数値によらないため、大量のデー
タを収集できる。しかし、データ収集と同時に比較的複
雑なデータ変換処理を行う必要があり、ソフトウェア的
に行う場合には相当の時間を要する。例えば、従来装置
の場合、一つの同時計数を収集する時間は30μs程であ
り、収集できる計数率の上限はこれにより決められる。
この欠点は、大容量かつ高速のバッファメモリーを用
い、データ変換処理を専用のハードウェアで行うことに
より克服される。この場合、設計値では1μsで一つの
計数を収集できる。
【0063】最後に、アドレスデータから投影データへ
の変換処理の概要をリング型検出器をもった本発明の陽
電子断層撮影装置について述べる。図13はアドレスデー
タから測定系座標への変換の一例を示したものである。
図で検出器12kと検出器12lとが同時計数している。コ
ンピュータ40にはアドレス対(k,l)が送られる。コ
ンピュータ44では、まず(k,l)から2つの検出器12
k,12lを結ぶ直線の座標(tkl,θkl)を求める。次
いで、検出器12の系全体の位置情報(回転角など)を付
加することにより測定系の座標(t,θ)を求め、それ
に対応する2次元配列に1を加える。データ収集中に得
られたすべてのアドレスデータに対して、この変換処理
を行うと、配列の各要素は直線(t,θ)で観測した陽
電子放出核種(RI)分布の積算値(線和)となる。リ
ストモード収集では、このような処理をデータ収集後に
行っているのに対し、フレームモード収集では収集と並
行して行っている。
【0064】(2)前処理 一般に被写体から直接測定される投影データは、検出器
の感度のばらつき、被写体でのγ線の吸収、偶発同時計
数、散乱同時計数等を含んでいて、被写体内の陽電子放
出核種(RI)分布を積分しただけの理想的な投影とは
大きく異なっている。このような測定データの歪みを除
去するのが前処理である。前処理は測定された投影デー
タに対して行われ、画像データに対して行われる後処理
(狭い意味での画像処理)と区別される。
【0065】ポジトロンCTの検出器配列と走査方式に
は多くの形式が考えられる。画像の質をよくし定量性を
向上するためにはそれぞれの装置に適した前処理を行う
必要がある。そのため、前処理の方法や順序は装置によ
り微妙に異なる。
【0066】散乱同時計数は、復元画像の定量性に大き
な影響を与えるが、現在のところその除去法は確立して
いない。従来、行っている方法は1)エネルギー弁別の
しきい値を高くし、ハードウェア的に除去する。2)視
野の端(被写体の存在しないところ)の計測データを散
乱線成分として差し引きする2つであり、完全なものと
は言えない。
【0067】本発明ではγ線吸収体を検出器リングの内
方でこれと同心円状に回転することによりこの散乱同時
計数値を分離して測定できるようにしたもので、従来分
離不能としていたものを分離できるようにした点で企期
的発明であると言える。
【0068】これに対し、偶発同時計数はハードウェア
的に推定できる。すなわち、タイムウインドウの位置を
“同時”ではなく一定時間ずらした同時計数回路を作る
と、ここでの計数はすべて偶発同時計数に由来するもの
を測定することになる。従って、偶発同時計数を除去す
るには、この計数を別に求めておき通常の同時計数回路
の出力から差し引けばよい。
【0069】被写体内でのγ線の吸収と検出器の感度の
ばらつきは、外部線源により測定されるトランスミッシ
ョン陽電子放出核種データ及び較正用のブランクデータ
により補正される。いま、被写体に陽電子放出核種(R
I)を投与したときの計測データをエミッションデータ
E(t,θ)とし、トランスミッションデータをT
(t,θ)、ブランクデータをB(t,θ)とする(図
14参照)。図14において、49は外部線源、50は被写体、
51は陽電子放出核種(RI)を投与された被写体を示
す。ここで、θは投影角であり、tは線和の位置座標で
ある。これらの測定データは真の線和P(t,θ)、被
写体の吸収A(t,θ)、検出器の感度のばらつきD
(t,θ)及び外部線源の投影R(t)により
【数10】 のようにあらわされる。ここで、外部線源49は通常、円
形でありその投影Rは投影角θに依存しない。
【0070】真の線和P(t,θ)は式 (12) 〜 (14)
より
【数11】 のように測定データ(t,θ),T(t,θ)及び外部
線源49の半径から算出可能なR(t)で表現される。こ
のように、トランスミッションデータだけで吸収補正が
可能なことがポジトロンCTの著しい特色の一つであ
る。
【0071】しかし、T(t,θ)は一般に統計が非常
に悪く、式 (15) のP(t,θ)をそのまま復元する
と、得られる結果の画質は非常に悪くなる。そこでT
(t,θ)をB(t,θ)で較正した後、平滑化する処
理が必要である。この前処理により平滑化した画像が得
られ、画質は格段に向上する。
【0072】(3)画像復元 画像復元は、X線CTの画像復元と全く同様な方法によ
り行われる。この計算法は重畳積分と逆投影の2つの処
理に分けることができる。
【0073】逆投影は、図15に示すように投影をそれぞ
れ元の方向に戻すことにより行われる。この操作により
作られる分布を逆投影像と言うが、逆投影像はもとの画
像そのものではなく、それをぼかしたものとなる。ぼけ
ない正しい画像を得るためには、あらかじめ図16に示す
ように投影データにある種の高周波強調処理を施してお
けばよい。これは数学的にはフィルター関数を重畳積分
することにより行われる(数1参照)。重畳積分された
投影を逆投影することで正しい分布を求めることができ
る。また、補正関数の形を変化させると、画像の輪郭を
強調しその鮮鋭度を上げたり、逆に平滑化してなめらか
な画像が得られる。
【0074】(4)画像の後処理 できあがった画像に対して、コンソールでの操作を介し
て、種々の処理をコンピュータにより行うことを後処理
または画像処理と言う。後処理は他の画像機器(X線C
T,シンチレーションカメラ等)と共通のものも多い
が、ポジトロンCTに特有のものもある。画像処理に
は、極めて多数の種類があるが、ここでは代表的なもの
のみをあげる。
【0075】1.他の画像と共通の処理 (単一画像に対する処理) 画像の表示(レベルとウインドウの調節) 画像の拡大、縮小 画像の平行移動、回転、左右(上下)反転 画像の平滑化、輪郭強調 ROI(region of interest)の設定 ROI内の統計量(平均値、分散、面積等)の計測 (複数画像に対する処理) 複数画像の多フレーム表示 複数画像の重畳表示(異なる核種の画像を色を変えて表
示するなど) 画像間の演算(加減乗除及び定数倍) ROI内の統計量の画像間変化のグラフ(特に時間変化
する画像から動態曲線を求めるなど)
【0076】2.ポジトロンCT画像特有の処理 (単一画像に対する処理)18F−フルオロデオキシグル
コース(18FDG)画像より、グルコース代謝率分布を
求める。 (複数画像に対する処理)局所血流量(C 152
像)と152 画像より、酸素代謝率分布を求める。時間
的に変化する18FDG画像より、デオキシグルコースの
代謝速度定数を求める。ポジトロンCTでは、生理的、
生化学的研究が重要なため、この種の画像処理が他の画
像機器にもまして要求される。特に、ポジトロンCT画
像に特有な画像処理は、研究の進展に伴い、今後、ます
ます、改良されていくものと思われる。
【0077】
【発明の効果】従来法では、散乱同時計数を少しでも除
去したいために、γ線検出器の閾値エネルギーを高くし
て測定している。しかし、検出器に入ったγ線は必ずし
もそのエネルギーがすべて電気信号に変換されないため
に、閾値エネルギー以上のγ線でも閾値エネルギー以下
となり信号が出力されない。従って、真の同時計数も除
去されることがあり、検出感度が落る欠点がある。
【0078】本発明によると、γ線吸収体を検出器リン
グの内方でこれと同心円をなすように回転することによ
りγ線のエネルギーの大小に関係なく散乱同時計数を測
定できるので、閾値を下げて検出できるために装置の感
度が非常に高くなる。また従来のX−線CT装置及び陽
電子断層撮影装置(MRI−CT)が形態画像を与える
のに対して、本発明の陽電子断層撮影装置は、生体の器
官の機能画像を与えることができる画期的装置である。
しかし、機能画像を得るには定量性のあるデータを収集
しなければならない。この画像の定量性の問題で、取り
残されていたのが、散乱同時計数に因る偽像であった。
本発明は、この偽像の発生を防止するようにして、この
問題を解決し、しかも、効率良く簡単にできる方法であ
る。現在、主として使われている2次元画像再構成の陽
電子撮影装置の画像に定量性を与えることができる。
【0079】また、生体内被曝の軽減及び統計精度の高
い画像得るために、従来の2次元画像再構成の陽電子撮
影装置より、数倍から十数倍感度が高くなる3次元画像
再構成ができる陽電子断層撮影装置を更に改良したもの
が開発できる。しかし、この3次元画像再構成装置は3
次元のデータを収集して3次元画像を得るため散乱同時
計数が2次元より、大きな誤差となってあらわれ、画像
の定量性は期待できないと言う大きな課題があった。本
発明のγ線吸収体を検出器リング内方で同心円上に回転
し、その位置のデータと同時計数値とを測定することに
よって、この問題が解決されたので、3次元画像再構成
用陽電子断層撮影装置の改良及び開発がこれから益々行
なわれることになる工業上大なる効果がある。
【0080】本発明の方法によると、感度が高くなるの
で、3次元画像再構成法で偽像(誤差)の生じないよう
に改良がされるので、感度が数十倍にも向上される方式
の開発が容易となる。本発明の陽電子断層撮影装置を利
用すると、肝機能検査においては、腫瘍性病変の検出に
利用されるだけでなく、深部の腫瘍検出能が向上でき、
肝動態イメージング、脳腫瘍、脳梗塞、精神分裂病、髄
膜腫等の治療に応用して顕著な医療上の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は従来の陽電子断層撮影装置のシステム説
明用図である。
【図2】図2は従来の陽電子断層撮影装置の原理説明用
図である。
【図3】図3は従来の陽電子断層撮影装置の原理説明用
図である。
【図4】図4は従来の陽電子断層撮影装置の原理説明用
図である。
【図5】図5は従来の陽電子断層撮影装置の原理説明用
図である。
【図6】図6は従来の陽電子断層撮影装置の検出リング
の断面図である。
【図7】図7(A)は本発明の陽電子断層撮影装置のシ
ステム説明用図であり、図7(B)は同装置の検出器リ
ング及び同時計測回路の概略を示す回路図である。
【図8】図8は本発明による散乱同時計数の測定原理を
示す原理説明図である。
【図9】図9は本発明による陽電子断層撮影装置のガン
トリー部の説明図である。
【図10】図10は本発明装置に使用するシンチレーショ
ン検出器の一例を示す断面図である。
【図11】図11は本発明装置の電子回路のブロック・ダ
イヤブラム図である。
【図12】図12は本発明装置のコンピュータシステムの
概略説明用概念図である。
【図13】図13は本発明装置におけるアドレスデータか
ら測定系座標への変換方法を示す説明図である。
【図14】図14は本発明の装置における計測データの
(a)ブランクデータ、(b)トランスミッションデー
タ、(c)エミッションデータを示す説明図である。
【図15】図15は本発明装置による逆投影法による2次
元画像の作成方法を示す説明図である。
【図16】図16は本発明装置において、重量積分による
投影の補正特性を示す説明図である。
【符号の説明】
1 従来の陽電子断層撮影装置 2 サイクロトロン 3 標識化合物自動合成装置 4 陽電子標識薬剤 5 被写体 6 検出器リング 7 データ収集システム 8 データ処理システム 9 陽電子 10 生体中の電子 11 γ線 12 γ線検出器 12N1 ,12N2 一対の検出器 12A,12B 一対の検出器 12k,12l 一対の検出器 13 タイムピックオフ回路 14 同時計数回路 15 γ線検出部(ガントリー部) 16 同時計数回路 17 コインシデンス線決定回路 18A シノグラム収集メモリー 18B 画像再構成プロセッサー 18C 画像ディスプレイ 18D 電子計算機CPU 18E その他周辺機器 19 陽電子 20 被写体 21 他の陽電子 22 シンチレーション検出器 22A シンチレータ 22B 光電子増倍管 22C 前置増幅器 22D パルス出力端子 22E 高電圧力端子 22F γ線 22G 光電面 23 コリメーター(セプタム,Pb遮蔽板) 24 層間同時計数 25 層内同時計数 26 γ線吸収体 27 回転体 28 γ線吸収体の位置エンコーダー 29 陽電子 30 被写体 31 他の陽電子 32 ガントリー部 33A,33B 前置増幅器 34A,34B タイムピックオフ回路 35A,35B 遅延回路 36A,36B エネルギー弁別回路 37A,37B ゲート回路 38 同時計数回路 39 アドレスエンコーダー回路 40 コンピュータ 41 ガントリー 42 バッファメモリ− 43 高速演算装置 44 イメージ表示装置 45 マルチフォマットカメラ 46 磁気ディスク 47 磁気テープ 48 コンソル 49 外部線源 50 被写体 51 陽電子放出核種 52 投影 53 架台 54 検出器リング 55 回転体 56 回転支持部 56M モーター

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽電子断層撮影装置の検出器と検出器の
    対向線内にγ線吸収体を位置させて適当な支持装置に支
    持させこのγ線吸収体を被写体を取囲む同心円周上に回
    転させながら被写体中の陽電子から発せられるγ線のう
    ち、真の同時計数値を排除して散乱同時計数値のみを測
    定すると同時に、真の同時計数値と散乱同時計数値の和
    を同時計数し、両者の差より真の同時計数を求めること
    を特徴とする陽電子断層撮影装置におけるγ線吸収体に
    よる散乱同時計数測定法。
  2. 【請求項2】 被写体子中の陽電子から発せられるγ線
    を多数対のγ線検出器リングにより検出するようにした
    被写体の陽電子断層撮影装置において、対向配置された
    多数対の検出器リングの内方に位置するγ線吸収体を装
    着した回転体を設け、該γ線吸収体を前記検出器リング
    の内方に同心円上で回転するようにしたことを特徴とす
    る陽電子断層撮影装置。
  3. 【請求項3】 前記γ線吸収体を鉛を主成分とする合金
    で構成したことを特徴とする前記請求項2記載の陽電子
    断層撮影装置。
  4. 【請求項4】 前記γ線吸収体をビスマスを主成分とす
    る合金で構成したことを特徴とする前記請求項2記載の
    陽電子断層撮影装置。
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