JP3790712B2 - 放射線検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線を利用した放射線検査装置、特にポジトロン放出核種を利用した、陽電子放出型CT(Positron Emission Computed Tomography,以下PETという)検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、X線CT、単光子放出型CT(SPECT)や、上記PET等のような、被検者体内の状態を切開せずに検査する放射線検査技術が急速に進歩してきている。これらの技術は、被検者体内から放出される放射線、又は被検者を透過した放射線を検出し、検出した放射線のエネルギー、入射方向、入射位置等を基に、被検者体内の状態を演算し画像化する技術である。これらの技術は膨大なデータを処理する必要があり、近年のコンピュータ技術の急速な発達に伴い、高速・高精細画像を提供できるようになってきた。特にPETにおいては、X線CT等では困難である被検者の代謝機能を検出し、画像化することが可能である。
【0003】
このPETとは、被検者に投与したPET用薬剤(放射性薬剤)の分布を計測して画像化する手法である。PET用薬剤は、例えば18F,15O,11C等といったポジトロン(β+)を放出する放射性核種(ポジトロン放出核種)を含有しており、放出されたポジトロンは、付近の電子と結合し消滅の際に所定のエネルギー(では511keV)を持つ1対のγ線(γ線対)を放出する。このγ線対は、互いにほぼ反対方向(180±0.6°)に放射されるので、それぞれを検出した放射線検出器の間で陽電子が放出されたことになる。PET検査では、こうしたγ線対を多数検出することで、放射性薬剤が集積した位置を特定する。例えば、PETを癌検査に適用する場合、癌細胞が糖を多量に代謝することから、糖の一種であるフルオロデオキシグルコース(18FDG)等をPET用薬剤として用い、このPET用薬剤が高集積する位置を検出することにより、癌病巣位置を特定することが可能である。こうしたPET検査を行う装置としては、例えば特開2001−33556号公報に記載の放射線画像装置等、多数のものが既に提唱されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常、PET検査装置においては、検査時、ベッドに横たわる被検者の周囲を取り囲むよう、放射線を検出する放射線検出器が略リング状に配置されている。そして、放射線検出器から出力されたγ線の検出信号のうち、同時計数回路等の演算処理装置により同時判定された検出信号をγ線対の検出信号と判定し、これらγ線対の検出信号を出力したそれぞれの放射線検出器の位置情報を含む同時検出データを元に放射線の発生頻度の空間分布を表す画像データを作成し、放射線発生頻度分布画像、即ちPET像を再構成して表示する。なお、本願明細書において、「同時」とは、設定時間(例えば10[nsec])以内であることを意味し、先の場合、設定時間内に出力された2つの検出信号を、γ線対の検出信号と判定したことになる。
【0005】
ところで、現在、こうしたPET検査装置を始めとする放射線検査装置は、画像の空間分解能の向上や被検者への負担軽減への配慮から検査時間短縮を図るため、放射線検出器の数が著しく増加する傾向にある。その結果、放射線検出器からの信号を伝送する配線も増加し、これにより、内部配線が複雑かつ長尺となり、データの処理応答性の低下を招く可能性がある。
【0006】
そこで、上記従来技術においては、演算した同時検出データを一時的に記憶する複数の一時記憶部と、各一時記憶部にそれぞれ接続し各一時記憶部からの同時検出データを元に、画像データを作成しPET像を再構成する複数のコンピュータ(画像作成装置)とを設け、最終的にLANを介して各コンピュータのPET像をいずれかのコンピュータに取り込み、合成して表示する例が開示されている。この従来技術においては、このように同時検出データを一時的に記憶し、PET像を再構成する回路を複数設けることにより、最終的に画像データを生成しPET像の再構成処理をする部分においては効率化が図られている。
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、PET像を再構成する回路の前段において、各放射線検出器からの検出信号を1つの処理装置(信号処理装置)に集約し、そこで全ての検出信号を同時判定している。こうした検出信号の量は、同時判定後の同時検出データ量に比べて極めて大きく、γ線の被検者体内における通過率や放射線検出器の感度にもよるが、一般的には、検出信号の総量は、画像データのおよそ数十〜百倍程度と言われている。加えて、前述のように、PET像の高精度化、検査時間の短縮等を図るために、今後、放射線検出器の設置数が更に増加することも十分に考えられる。このことを考慮すると、上記従来技術のように、全検出信号を1つの信号処理装置に集約させる構成とした場合、信号処理装置へのデータ伝送能力や信号処理装置の処理能力が十分に確保されない可能性が生じる。
【0008】
本発明の目的は、情報の処理をより速やかに行うことができる放射線検査装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成する第1の発明の特徴は、被検体からのγ線を検出して検出信号を出力する複数の放射線検出器と、前記検出信号を入力して、少なくとも前記検出信号を出力した前記放射線検出器の位置情報及び前記検出信号に対する時刻情報を含む検出データを出力する複数の検出信号処理手段と、前記検出信号処理手段から出力される前記検出データに基づいて、同時判定処理を並列して行う複数の同時計数装置と、切替動作により、ある時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データをある一つの前記同時計数装置に伝送し、他の時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データを他の一つの前記同時計数装置に伝送する複数の切替手段とを備えることにある。
また、上記目的を達成する第2の発明の特徴は、被検体からのγ線を検出して検出信号を出力する複数の放射線検出器と、前記検出信号を入力して、少なくとも前記検出信号を出力した前記放射線検出器の位置情報及び前記検出信号に対する時刻情報を含む検出データを出力する複数の検出信号処理手段と、これら複数の検出信号処理手段がグループ分けされて形成される複数の検出信号処理手段群毎に設けられ、前記各検出信号処理手段からそれぞれ出力された各々の前記検出データを前記検出信号処理手段群毎に記憶する複数の記憶手段と、これら複数の記憶手段に記憶された前記検出データを基に、同時判定処理を並列して行う複数の同時計数装置と、切替動作により、ある時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データをある一つの前記同時計数装置に伝送し、他の時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データを他の一つの前記同時計数装置に伝送する複数の切替手段とを備えることにある
【0010】
第1の発明においては、同時計数装置が複数設けられているので、同時検出データの演算処理速度を向上させることができ、画像作成までに要する時間を短縮できる。
また、第2の発明においては、複数の記憶装置、複数の同時計数装置及び複数の切替手段を設けることによって、各検出信号処理手段からそれぞれ出力された各々の検出データを検出信号処理手段群毎に対応する記憶手段に記憶させ、複数の記憶手段に設定期間内に記憶されたそれぞれの検出データを、複数の切替手段によって設定期間毎に切り替えて交互に1つの同時計数装置に対して伝送できる。即ち、ある設定期間内では1つの記憶手段からある1つの同時計数装置に検出データが伝送され、次の設定期間内では別の記憶装置から上記のある1つの同時計数装置に検出データが伝送される。このため、設定期間内に同時計数装置に伝送される情報量が著しく減少し、情報を伝送する伝送路として情報伝送容量のより小さい伝送路を用いることができる。また、複数の検出信号処理手段群の各検出信号処理手段からそれぞれ出力された検出データが、実質的に時間分割されて上記のある1つの同時計数装置に伝送されることになるため、情報伝送容量のより小さい伝送路を用いても、結果的に、上記のある1つの同時計数装置に伝送される検出データの伝送速度を増大できる。上記のある1つの同時計数装置は、ある設定期間内に複数の記憶手段内に記憶された各検出データに基づいて、被検体の断層像データの作成に用いられる情報を短時間に得ることができる。同時計数装置が複数設けられているため、検出データの処理速度も増大できる。従って、断層像の作成までに要する時間も短縮できる。第2発明によれば、情報伝送容量より小さい伝達路を用いても検出データの伝送速度を増大でき、ある一つの同時計数装置は被検体の断層像データの作成に用いられる情報を短時間に得ることができる。
【0011】
このとき、ある設定期間内に複数の記憶手段に記憶された検出データは、最終的にいずれか1つの同時計数装置に集約され、その1つの同時計数装置で同時判定処理を受けるので、本発明をPET検査装置に適用しても、最終的に作成される断層像(PET像)のデータの信頼性が低下することはない。即ち、第2発明によれば、PET検査装置の放射線検出器数が今後更に増大した場合でも、同時計数装置に効率的にデータ伝送を行うことができ、同時計数装置は円滑に同時判定処理を行うことができる。この結果、画像作成装置に対して、断層像の作成に用いる情報を効率的に出力することができ、画像作成装置におけるデータ記憶容量を軽減することもできる。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記切替手段を前記設定期間毎に切り替える制御を行う制御装置を備える。
【0013】
(3)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記各検出信号処理手段に前記時刻情報を出力する時刻情報発生手段を備える。
【0014】
(4)上記(3)において、また好ましくは、前記制御装置は、前記時刻情報発生手段から出力された時刻情報に基づいて前記切替手段を前記設定期間毎に切り替える。
【0015】
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記検出信号処理手段は、エネルギーがエネルギー設定値未満である前記検出信号を除去すると共に、エネルギーが前記エネルギー設定値以上である前記検出信号に対し、少なくとも前記位置情報、前記時刻情報を前記検出データとして出力する。
【0016】
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つにおいて、更に好ましくは、前記複数の放射線検出器は、略環状に配置され、かつその径方向及び軸方向に多層に配置されている。
【0017】
(7)上記(6)において、好ましくは、前記略環状に配設された複数の放射線検出器は、それぞれの前記検出信号処理手段群に対応する複数の放射線検出器群に分割されている。
【0018】
(8)上記目的を達成する第3の発明の特徴は、被検体からのγ線を検出して検出信号を出力する複数の放射線検出器と、前記放射線検出器毎に設けられ、前記検出信号を入力して、少なくとも前記検出信号を出力した前記放射線検出器の位置情報及び前記検出信号に対する時刻情報を含む検出データを出力する複数の検出信号処理手段と、これら複数の検出信号処理手段がグループ分けされて形成される複数の検出信号処理手段群毎に設けられ、前記各検出信号処理手段からそれぞれ出力された各々の前記検出データを前記検出信号処理手段群毎に記憶する複数の記憶手段と、これら複数の記憶手段に記憶された前記検出データを入力し、これらの前記検出データを基に、同時判定処理を並列して行い、前記時刻情報の差が設定時間以内に入る複数対の前記検出データを用いて、前記被検体の断層像データの作成に用いる情報を作成し、作成されたその情報を出力する複数の同時計数装置と、前記複数の同時計数装置から出力された前記情報を基に、前記断層像データを作成する画像作成装置と、切替動作により、ある時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データをある一つの前記同時計数装置に伝送し、他の時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データを他の一つの前記同時計数装置に伝送する複数の切替手段とを備えることにある
【0019】
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、PET検査を行う。
【0020】
(10)上記(1)〜(9)のいずれか1つにおいて、更に好ましくは、X線発生器と、前記放射線検出器に接続したCT信号処理装置とを更に有し、CT検査を行う。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のPET検査装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1〜図3に示すように、この放射線検査装置に備えられた撮像装置2は、ケーシング3と、放射線を検出する多数(例えば合計10000個)の放射線検出器4と、この放射線検出器4を支持する複数の検出器支持板5とを有している。
【0022】
図3に示すように、上記の検出器支持板5は略半割れリング状の部材で、その孔部(内周部)6の軸方向(図1中でいう左右方向)に複数枚列設され、それぞれケーシング3に固定されている。放射線検出器4は、これら検出器支持板5の側面に取付けられ、軸方向に複数列設けられると共に、最も内側に環状配置された放射線検出器4を基点として、放射状に多層配置(この例では3層配置)されている。また、図3には特に図示しないが、こうした放射線検出器4を取付けた複数の検出器支持板5が、上記孔部6を介し、もう1組上部側に対向するよう、ケーシング3に固定され図2に示すように放射線検出器4が略環状に設けられている(但し、検出器支持板5そのものを、リング状に形成しても良い)。
【0023】
このとき、図1に示すように、被検体となる被検者30が検査時に横たわるベッド31は、上記孔部6に挿通されるよう、支持部材32によりスライド可能に支持されており、孔部6にベッド30が挿入されると、上記のように配設した多数の放射線検出器4が、被検者30の周囲を取り囲むようになっている。なお、本実施の形態においては、これら複数の放射線検出器4を上記孔部6の軸方向(図1中左右方向)ほぼ中央位置で、複数(この例では2つ)の放射線検出器群4A,4Bに区画している。
【0024】
ここで、代表的な放射線検出器として、例えば半導体放射線検出器やシンチレータ等といったものがあるが、シンチレータは、放射線検出部であるクリスタル(BGO、NaI等)に光電子増倍管等を配置する必要があり、多層配置にはあまり適していない。従って、本実施の形態のように多層配置する放射線検出器4としては、光電子増倍管等が不要な半導体放射線検出器が好ましい。半導体放射線検出器を用いる場合、放射線検出器4の検出部は、例えば、カドミウムテルル(CdTe)やガリウムヒ素(GaAs)、カドミウムテルル亜鉛(CZT)等で構成すると良い。そして、放射線検出器4は、放射線が入射して減衰した場合、その減衰エネルギー分の電荷を放射線の検出信号として出力するようになっている。
【0025】
図4は本実施の形態の放射線検査装置における信号の伝送回路を表す概略図である。この図4に示すように、上記放射線検出器群4A,4Bは、それぞれ対応する複数(この例では2つ)の信号処理装置(検出信号処理手段群)7A,7Bに接続されている。これら信号処理装置7A,7Bは、各放射線検出器4に対応して設けられたそれぞれのγ線弁別装置(検出信号処理手段)7の集合体である。各放射線検出器4は、入力したγ線が内部でエネルギー減衰したときに減衰エネルギーに対応したエネルギーを有する検出信号を出力する。各放射線検出器4から出力された検出信号は、対応するγ線弁別装置7に入力され、ここで設定したエネルギーしきい値に満たない信号は除去され、エネルギーしきい値以上のもののみが検出データとして出力されるようになっている。これらγ線弁別装置7には、タイマ(時刻情報発生手段)11に接続された制御装置12が接続しており、制御装置12はタイマ11から出力された時刻情報を入力して各γ線弁別装置7に出力する。そして、各γ線弁別装置7は、入力したγ線の検出信号の上記したエネルギーの値(エネルギー検出値という)と、その検出信号を出力した放射線検出器4の位置情報(アドレス)と、時刻情報(例えば、検出信号がγ線弁別装置7に入力されたときにγ線弁別装置7に入力された時刻情報)とを含む検出データを後段のバッファ(記憶手段)10a〜10fのいずれかに出力する。
【0026】
信号処理装置7A,7Bからのγ線の検出データは、それぞれ配線8A,8Bを経て集約され、切替スイッチ9A,9Bを介しバッファ10a〜10fのいずれかに入力されて、一時的に記憶される。切替スイッチ9Aは、信号処理装置7Aからの検出データの出力先をバッファ10a〜10cのいずれかに切替えるもので、その切替動作は、制御装置12により制御されるようになっている(詳細は後述)。切替スイッチ9Bは、信号処理装置7Bからの検出データの出力先をバッファ10d〜10fのいずれかに切替えるもので、その切替動作は、同様に、制御装置12により制御されるようになっている(詳細は後述)。なお、この図4において、繁雑防止のため、切替スイッチ9Bのみが制御装置12に接続した状態を示したが、実際には切替スイッチ9Aも制御装置12に接続している。
【0027】
バッファ10a〜10cの後段には、切替スイッチ13A,14Aが、バッファ10d〜10fの後段には、切替スイッチ13B,14Bが、それぞれ設けられている。切替スイッチ13A及び14A、切替スイッチ13B及び14Bは、それぞれ互いの可動端子が接続しており、これら4つの可動端子は、上記制御装置12により、タイマ11から出力される時刻情報(例えば、パルス信号)に応じて切替制御されるようになっている。また、切替スイッチ14A,14Bの後段には、配線15a〜15dを介してバス16A,16Bが接続されている。詳細には、切替スイッチ14Aは、それぞれ配線15a,15bを介してバス16A,16Bに接続しており、切替スイッチ14Bは、それぞれ配線15c,15dを介してバス16A,16Bに接続している。即ち、バッファ10a〜10fに記憶された検出データは、制御装置12による切替スイッチ13A,13B,14A,14Bの適宜の制御(詳細は後述)により、それぞれバス16Aにもバス16Bにも出力可能な構成となっている。
【0028】
バス16Aを経由した検出データは同時計数装置17Aに、バス16Bを経由した検出データは同時計数装置17Bにそれぞれ出力される。同時計数装置17Aは、入力された記憶データを一時的に記憶する補助メモリ18A(例えばDRAM等)と、この補助メモリ18Aの記憶データを基に同時検出データを演算処理する演算処理装置(CPU)19Aと、この演算処理装置19Aで得られた同時検出データを記憶する主メモリ20A(例えばハードディスクドライブ等)とを備えている。また、同時計数装置17Bも、同様に補助メモリ18Bと、演算処理装置19Bと、主メモリ20Bとを備えている。なお、演算処理装置19A,19Bでは、入力された各検出データが、それに含まれる時刻情報を基に同時判定され、ここで同時判定された検出データ同士が、体内で1つのポジトロン(陽電子)の消滅によって生じたγ線対のデータとして特定される。そして、演算処理装置19A,19Bは、こうしたγ線対のデータを多数特定し、特定したγ線対の2つのγ線を検出した各放射線検出器4の位置情報及びこれらの放射線検出器4が出力した検出信号の個数(計数値)を、PET像の作成に用いる情報(同時検出データ)として、主メモリ20A,20Bに出力する。各放射線検出器の位置情報は、図5に示したようなγ線対が入射した検出器位置の対を示すファイル形式でそれぞれ主メモリ20A,20Bに格納するようになっている。
【0029】
そして、主メモリ20A,20Bに記憶された同時検出データは、例えばLAN(Local Area Network)等といったネットワーク21を介し、画像作成装置22に出力される。画像作成装置22は、同時検出データを元に、放射線の発生頻度の空間分布を表す画像データ(被検者30に対する断層像データ)を作成し、PET像として再構成する。PET像は患部を含む断層像である。PET像のデータは表示装置23に出力され、表示される。なお、検出データ量が比較的少ない場合や、演算処理装置19A,19Bにおける同時判定の処理速度が特に要求されない場合には、補助メモリ18A,18Bを設けず、バッファ10a〜10fの記憶データを直接主メモリ20A,20Bに格納し、演算処理装置19A,19Bから主メモリ20A,20Bにアクセスして同時判定を行っても良い。
【0030】
ここで、詳細な説明は省略するが、本実施の形態の放射線検査装置は、PET検査に加え、CT検査(X線CT検査等)も併せて行うことができるようになっている。先の図1において、35はX線を放射するX線発生器で、このX線発生器35は、アーム36先端に取付けられている。そして、このアーム36は、X線発生器駆動装置37を介し、上記ケーシング3の側面に取付けた略リング状(図1ではその断面を図示している)のガイドレール38に対して走行可能に取付けられている。これにより、X線発生器駆動装置37を駆動力として、ガイドレール38に沿ってアーム36が移動することにより、X線発生器35が、孔部6に挿入されたベッド31に横たわる被検者30の周囲を周回するようになっている。また、X線発生器35から放射されたX線は、X線発生器35の周回時、被検者30を介してX線発生器35に対向する最も内側に配置された放射線検出器4により検出される。
【0031】
このとき、X線を検出する放射線検出器4(最も内側のもの)は、図4に示すように、上記信号処理装置7A又は7Bへの伝送経路と、X線検出信号処理装置61への伝送経路とを切替える切替えスイッチ60に接続している。これにより、最も内側の放射線検出器4は、X線の検出信号をγ線の検出信号として出力しないよう、X線発生器35が被検者30を介して対向位置に位置する僅かな時間だけ、X線検出信号処理装置(CT信号処理装置)61に検出信号を出力するようになっている。なお、こうした切替制御は、例えば、上記X線発生器駆動装置37に内蔵されたエンコーダ(図示せず)の出力信号を基にX線発生器35の位置を演算し、これに対向する幾つかの放射線検出器4を特定することにより可能となる。
【0032】
そして、X線検出信号処理装置61の演算結果(X線CT像の画像データ)は、最終的に画像作成装置22に出力され、X線CT像として再構成されると共に、上記PET像と合成されるようになっている。X線CT像は、臓器や骨格等を含めた被検者30の断層像を撮像したもので、このX線CT像に上記PET像を合成することにより、被検者30の体内における病巣の位置を視覚的に特定することができるようになっている。
【0033】
以上の構成の本実施の形態の放射線検査装置のPET検査時における動作を以下に説明する。
PET検査時には、予め被検者30に検査目的に応じたPET用薬剤を投与(例えば注射)した後、PET用薬剤が被検者30の体内に拡散して患部(例えば癌の患部)に集積するのを待つ。薬剤が十分拡散した頃、被検者30の横たわったベッド31を上記孔部6に挿入し、被検者30の周囲を放射線検出器4で取り囲む。
【0034】
例えば癌検査の場合を例に挙げて説明すると、通常、PET用薬剤として18FDGを用いる。この場合、被検者30の体内の癌病巣に集積したPET用薬剤からは511[keV]のエネルギーを持つ無数のγ線対が放出される。これらγ線は、任意の放射線検出器4に入射して減衰すると、γ線の入射した放射線検出器4は、γ線の減衰エネルギーに応じた検出信号を出力し、各検出信号は、対応するγ線弁別装置7に出力される。各γ線弁別装置7は、入力した検出信号に対して前述した処理を行い、エネルギー検出値、放射線検出器4の位置情報及び時刻情報を含む検出データを出力される。
【0035】
ここで、図6は、上記制御装置12による信号伝送の経路切替の一例を表すタイムチャートである。本実施の形態においては、制御装置12は、一例として以下のように上記切替スイッチ9A,9B,13A,13B,14A,14Bを切替える。まず、各切換スイッチ9A,9B,13A,13B,14A,14Bの切替えを指示する指令信号は、T[sec]周期(又はTの倍数[sec]周期)のタイミングで制御装置12から出力される。
【0036】
信号処理装置7Aの各γ線弁別装置7に入力された検出信号は、上記のように「検出された時刻・検出器位置・エネルギー検出値」の情報を有する検出データに変換されて出力される。このとき、切替スイッチ9Aは、制御装置12によりT[sec]周期で切替えられ、ほぼ同一時間帯における信号処理装置7Aからの検出データは、T[sec]周期で順次バッファ10a〜10cに割り振られる。その結果、図6(a)に示すように、バッファ10aには、時刻0〜Tの間に信号処理装置7Aからの検出データが記憶され、次のT秒間(時刻T〜2Tの間)は、信号処理装置7Aからの検出データは、バッファ10bに記憶される。そして、その次のT秒間(時刻2T〜3Tの間)は、信号処理装置7Aからの検出データは、バッファ10cに記憶され、時刻3T以降、以上の切替え動作を繰り返す。また、信号処理装置7Bに関しても、時刻0〜Tの間の検出データはバッファ10dに、時刻T〜2Tの間の検出データはバッファ10eに、時刻2T〜3Tの間の検出データはバッファ10fに記憶され、時刻3T以降、この切替え動作を繰り返す。
【0037】
次に、制御装置12の制御による切替スイッチ13A,13B,14A,14Bの切替動作を説明する。本例では、上記のようにバッファ10a〜10cに検出データが記憶された後、例えば、時刻T以降、例として切替スイッチ13Aを、T[sec]周期でバッファ10a→バッファ10b→バッファ10c→バッファ10a・・・と繰り返し接続が切替わるよう制御し、同時に切替スイッチ14Aを、T[sec]周期でバス16A→バス16B→バス16A・・・と繰り返し接続が切替わるよう制御する。また、同様に、バッファ10d〜10fに検出データが記憶された後、例えば、時刻2T以降、例として切替スイッチ13Bを、T[sec]周期でバッファ10d→バッファ10e→バッファ10f・・・と繰り返し接続が切替わるよう制御し、これと同時に切替スイッチ14Bを、T[sec]周期でバス16A→16B・・・と繰り返し接続が切替わるよう制御する。T[sec]は設定期間であり、切替スイッチ9A,9B,13A,13B,14A,14Bは、設定毎に関係する情報の送付先を切り替える。
【0038】
即ち、図6(b)に示すように、バス16Aに入力される検出データは、時刻T〜2Tの間はバッファ10a、時刻2T〜3Tの間はバッファ10d、時刻3T〜4Tの間はバッファ10c、時刻4T〜5Tの間はバッファ10f、時刻5T〜6Tの間はバッファ10b、時刻6T〜7Tの間はバッファ10eからの検出データが入力され、時刻7T以降、以上が繰り返される。また、バス16Bを見ると、図6(c)に示すように、時刻2T〜3Tの間はバッファ10b、時刻3T〜4Tの間はバッファ10e、時刻4T〜5Tの間はバッファ10a、時刻5T〜6Tの間はバッファ10d、時刻6T〜7Tの間はバッファ10cから、時刻7T〜8Tの間はバッファ10fから、検出データがそれぞれ入力され、時刻8T以降、以上が繰り返される。
【0039】
このとき、図6(a)〜図6(c)に示すように、例えば時刻0〜Tの間の検出信号に基づく検出データに注目すると、その間の検出データは全てバッファ10a,10dに一時的に記憶され、その後、時刻T〜3Tの間にバス16Aを介して同時計数装置17Aに出力される。また、例えば時刻T〜2Tの間の検出信号に基づく検出データは、全てバッファ10b,10eに一時記憶され、時刻2T〜4Tの間にバス16Bを介して同時計数装置17Bに出力される。即ち、以上の切替動作により、本実施の形態では、信号処理装置7A,7Bにおいて、同一時間帯に検出された検出信号に基づく検出データは、最終的に、それぞれ同一のバスを経由して同じ同時計数装置に入力される。
【0040】
その後、同時計数装置17A,17B(厳密には演算処理装置19A,19B)は、同時判定処理を漏れなく行い、それぞれ高精度なPET像の同時検出データを作成しネットワーク21を介して断層像作成装置22に出力する。そして、断層像作成装置22は、入力した同時検出データを基に放射線の発生頻度の空間分布を表す画像データを作成し、この画像データを元にPET像を再構成し表示装置23に表示出力する。なお、前述したように、以上のPET像の再構成と共に、本実施の形態においては、X線CT像も再構成され、最終的に表示装置23に表示される断層像は、PET像及びX線CT像の合成画像となる。
【0041】
以上のように、本実施の形態においては、各放射線検出器4から演算処理装置17A,17Bまでの伝送経路を複数設け、複数の放射線検出器4で同一時間帯に検出された検出信号に基づく検出データが、複数の伝送経路を介して演算処理装置17A及び演算処理装置17Bに設定期間毎に交互に入力されるようにする。これにより、特別に容量の大きな配線やバスを設けずとも実質的に演算処理装置までの信号伝送の容量及び速度を向上させることができる。従って、仮に放射線検出器4が飛躍的に増加しても、信号の伝送及び処理の速度の低下を防止し、速やかにPET像を再構成することができる。また、演算処理装置が複数設けられているので、同時検出データの演算処理速度も向上させることができ、画像作成までに要する時間を短縮できる。このとき、ほぼ同一時間帯に検出された検出データは、最終的には全て同一の演算処理装置17A又は17Bに集約され、そこで同時判定処理を受けるので、作成される同時検出データの信頼性が低下することはない。
【0042】
また、本実施の形態によれば、画像作成装置22に対し同時検出データを効率的に出力することができ、画像作成装置22におけるデータ記憶容量を軽減することもできる。また、画像作成装置22に送信される同時検出データは時間帯毎に区切られたパケットとして送信されるため、時間毎に区切られた再構成画像を容易に取得することができる。
【0043】
また具体的には、例えば、通常、γ線弁別装置から出力される検出データは、106〜107イベント/秒程度のオーダーであり、一般的に、バッファへの伝送速度は、約数十[Mbyte/sec]程度である。この場合、上記した切替周期Tを、数ミリ秒〜数百ミリ秒程度とすれば、1回当りに入力される検出データは、一般的なバッファの容量で十分に記憶できると共に、次に検出データが入力されるまでに、同時計数装置17A又は17Bに出力することが可能となる。
【0044】
また、同時計数装置17A,17Bへの検出データの伝送を、上記のように円滑に繰り返し行うためには、各同時計数装置17A,17Bへの検出データの伝送能力(バスの転送能力)が、信号処理装置7A,7Bからバッファ10a〜10fへの伝送速度と同等であれば足り、本実施の形態では、例えば汎用のデータ転送規格であるC−PCIバス等を用いれば十分足りる。これにより、ほぼ同一の時間帯の時刻情報を有するγ線検出に関する全データを、複数の伝送経路を経由させて同一の同時計数装置に転送することができる。従って、一般的な配線を用いても、実質的に伝送経路の容量を増大させることができ、特に容量の大きなバッファやメモリ等を用いなくとも、今後、放射線検出器の数が更に増加した場合にも、演算処理装置19A,19Bへのデータ伝送容量を十分に確保することができ、PET像の再構成処理を速やかに行うことができる。本実施の形態によれば、従来の一般的なPET検査装置に比べ、同時計数装置17A,17Bから画像作成装置22へのデータ転送時間、画像作成装置17A,17Bにおけるデータ保存容量が、共に著しく軽減された。
【0045】
本発明の放射線検査装置の第2の実施の形態を図7を用いて説明する。
図7は、本発明の放射線検査装置の第2の実施の形態における信号の伝送回路の概略を表すブロック図である。但し、この図7において先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。この図7に示すように、本実施の形態と上記題1の実施の形態との異なる点は、第1の実施の形態においては、独立した6つのバッファ10a〜10fを設けたのに対し、独立した2つのバッファ10A,10Bを設け、その保存領域をそれぞれ3つづつに区画し、6つの保存領域10Aa〜10Ac,10Ba〜10Bcを設けた点である。また、本実施の形態においては、上記切替スイッチ9A,9B,13A,13Bを省略している。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0046】
こうした構成の本実施の形態において、上記バッファ10Aa〜10Ac,10Ba〜10Bcは、それぞれ上記第1の実施の形態におけるバッファ10a〜10fに対応し、第1の実施の形態と同じ要領で、例えば図8(a)に示すように、信号処理装置7Aからの検出データは全てバッファ10Aに出力され、時刻0〜Tの間では保存領域10Aaに、時刻T〜2Tの間では保存領域10Abに、時刻2T〜3Tの間では保存領域10Acにそれぞれ記憶され、時刻3T以降、以上を繰り返す。また、信号処理装置7Bからの検出データは全てバッファ10Bに出力され、時刻0〜Tの間では保存領域10Baに、時刻T〜2Tの間では保存領域10Bbに、時刻2T〜3Tの間では保存領域10Bcに記憶され、時刻3T以降、これを繰り返す。
【0047】
また、こうして各保存領域10Aa〜10Acに記憶された検出データは、同時計数装置17A又は17Bに出力される。第1の実施の形態と同様、制御装置12による切替スイッチ14A,14Bの制御により、例えば図8(b)に示すように、時刻T〜2Tの間は保存領域10Aa、時刻2T〜3Tの間は保存領域10Ba、時刻3T〜4Tの間は保存領域10Ac、時刻4T〜5Tの間は保存領域10Bc、時刻5T〜6Tの間は保存領域10Ab、時刻6T〜7Tの間は保存領域10Bbから、検出データがバス16Aに出力され、同時計数装置17Aに出力される。時刻7T以降、以上が繰り返される。また、切替スイッチ14A,14Bの制御により、図8(c)に示すように、時刻2T〜3Tの間は保存領域10Ab、時刻3T〜4Tの間は保存領域10Bb、時刻4T〜5Tの間は保存領域10Aa、時刻5T〜6Tの間は保存領域10Ba、時刻6T〜7Tの間は保存領域10Ac、時刻7T〜8Tの間は保存領域10Bcから、それぞれ検出データがバス16Bに出力され、同時計数装置17Bに出力される。時刻8T以降、以上が繰り返される。
【0048】
このように、第1の実施の形態と同様の伝送を行う限りにおいては、必ずしも全て独立したバッファを設けずとも、バッファの保存領域を適宜分割して複数の保存領域に区画することによって実現できる。また、本実施の形態においては、第1の実施の形態における切替スイッチ9A,9B,13A,13Bを省略することができる。本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
本発明の放射線検査装置の第3の実施の形態を図9を用いて説明する。
図9は、本発明の放射線検査装置の第3の実施の形態における主記憶装置までの信号伝送経路の概略を表すブロック図である。この図9に示すように、本実施の形態と上記第1の実施の形態との異なる点は、信号処理装置7Aの出力先として独立したバッファ50a,50bを設け、これらバッファ50a,50bへの出力切替を行う切替スイッチ40Aを設けた点である。また、同様に、信号処理装置7Bの出力先として独立したバッファ50c,50dを設け、これらバッファ50c,50dへの出力切替を行う切替スイッチ40Bを設けている。切替スイッチ40A,40Bは、制御装置12により、タイマ11の時刻に基づき制御されるようになっている。そして、バス16Aには、配線15a,15cを介し、それぞれバッファ50a,50cに記憶された検出データが出力され、バス16Bには、配線15b,15dを介し、それぞれバッファ50b,50dに記憶された検出データが出力される。その他の構成は、前述の第1の実施の形態と同様である。
【0050】
本実施の形態において、切替スイッチ40A,40Bは、互いに同様の動きをするよう、例えば、切替周期Tで切替られるようにする。即ち、時刻0〜Tの間では、切替スイッチ40A,40Bは、それぞれバッファ50a,50cに接続して共にバス16Aに出力される検出データを信号処理装置7A,7Bから伝送する。そして、時刻T〜2Tの間でこれらバッファ50a,50cの検出データが、バス16Aに集約され、同時計数装置17Aに出力される。また、この時刻T〜2Tにおいて、切替スイッチ40A,40Bは、それぞれバッファ50b,50dに切替えられ、共にバス16Bに出力される検出データを信号処理装置7A,7Bから伝送する。そして、次の時刻2T〜3Tの間にこれらの検出データをバス16Bを介して同時計数装置17Bに出力すると共に、切替スイッチ40A,40Bの切替わりにより、時刻3T〜4Tの間に出力されるデータをバッファ50a,50cに伝送する。こうした動作の繰り返しにより、各バッファ50a〜50dは、周期Tでデータの記憶、出力を繰り返し、ほぼ同一時間帯のデータは、全て集約され、最終的に同一の同時計数装置17A又は17Bに入力されるようになっている。
【0051】
本実施の形態においても第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、予めバスとバッファとの対応を取っているため、第1及び第2の実施の形態に比べて同時計数装置17A,17Bまでの伝送経路を簡略化することができる。また、第2の実施の形態のように、データを受信するバッファ内部の保存領域を考慮する必要もない。
【0052】
本発明の放射線検査装置における放射線検出器群の分割に関する変形例を図10を用いて説明する。
図10は、本変形例における放射線検出器群の分割状態の一例を表す図で、先の図2に対応する図である。本変形例においては、この図10に示すように、多層のリング状に配設した各放射線検出器4を、周方向に4等分して放射線検出器群4a〜4dとし、各々対応する複数の(この例では4つの)信号処理装置(図示せず)に接続している(但し、この例では4つに分割する例を示したが、これに限られず、周方向に複数に分割すれば良い)。このように、リング状に配設した放射線検出器4を周方向に分割することにより、互いにほぼ反対方向(厳密には180±0.6°)に放射されるγ線対が、同一の放射線検出器群に入射することがなくなる。そのため、ある1つの放射線検出器群で検出された検出信号同士が、上記演算処理装置19A,19Bにて同時判定された場合、その事象として考えられるケースは、以下の3つである。
▲1▼被検者30体内の異なる発生源から放射されたγ線が、偶発的に同時(設定した時間範囲内)に検出された場合(偶発事象)
▲2▼被検者30体内での散乱により、進行方向が変わったγ線が同時(設定した時間範囲内)に検出された場合(散乱事象)
▲3▼一つのγ線が、同じ放射線検出器群内の複数の放射線検出器4で減衰した場合
以上3つのケースにおいて、▲1▼及び▲2▼のケースでは、同時判定されたデータはγ線対の検出結果に基づくものではなく、PET像のノイズとなる成分である。それに対し、▲3▼のケースは元々一つのγ線の検出結果による事象なので、真の成分である可能性がある。本変形例のように、リング状に配設した放射線検出器4を、周方向に複数の放射線検出器群に分割することにより、同一の放射線検出器群の検出結果が同時判定された場合、その事象が上記3つケースのいずれかによるものであると判定することができる。
【0053】
そこで、各放射線検出器群4a〜4dにそれぞれ対応して信号処理装置(図示せず)を複数(この例では4つ)設け、それら複数の信号処理装置内部で、予めそれぞれγ線の検出信号を同時判定することにより、後段の信号伝送回路に出力するデータ量を軽減することが可能となる。この場合、例えば各信号処理装置のγ線弁別装置に予めエネルギーしきい値を設定しておき、同時判定された検出信号のエネルギー検出値の合計が、しきい値の範囲内であれば上記▲3▼のケース、しきい値の範囲外であれば上記▲1▼又は▲2▼のケースと判定することができる。▲1▼又は▲2▼のケースと判定された場合、その信号を信号処理装置内で除去し、▲3▼のケースと判定された場合、その検出データを後段の信号伝送回路に出力する。また、▲3▼のケースと判定した場合、それぞれのエネルギー検出値を基に、初期入射したγ線の検出信号と推定される検出信号を出力するようにすることもできる。
【0054】
なお、以上の各実施の形態及び変形例において、信号処理装置数、バッファ数、バッファの保存領域の分割数等は、以上に限られず、例えばバスの集約本数や検出データの転送速度に応じて適宜変更して構わない。例えば、C−PCIバスを用いた場合、配線20本程度まで集約できるため、信号処理装置数もそれに応じて増設可能である。また、以上において、バス16A,16Bを同時計数装置17A,17Bに対応して備える構成を説明したが、バスを1つにまとめて構成しても良い。また、同時計数装置を2つ設けた場合を例に説明したが、更に多数設けても良いし、データ量が比較的少ない場合は、1つ設ける構成としても構わない。要するに、同時装置までの信号伝送経路を、振り分けてやることにより、伝送経路の許容値を超えることなく円滑に信号伝送を行うことができる構成とすれば良い。また、各切替スイッチの切替制御に関しても、必ずしも図6や図8に示したパターンに限られる必要はない。なお、以上の実施例では同時計数装置から断層像の再構成に用いられる同時検出データを画像作成装置に出力し、画像作成装置において同時検出データを基に画像データを作成しPET像を表示しているが、同時計数装置内部で同時検出データを作成するだけでなく、同時検出データから画像データを作成し、その画像データを基本データと見なして出力する機能を有しても良い。この場合画像作成装置の機能が軽減される。
【0055】
また、以上においては、X線CT像を作成し、PET像と合成可能な放射線検査装置を例として説明したが、X線CT像の作成機能は必ずしも必要なく、言うまでもなく単なるPET装置にも本発明は適用できる。勿論、本発明の信号伝送経路に関する思想は、一般的なX線CT検査装置等、他の種の放射線検査装置にも適用可能である。また、較正線源を備え、トランスミッション像の撮影を行う構成の放射線検査装置にも適用可能である。
【0056】
更に、上記のPET及びX線検査は、被検者30の全身に渡って実施する場合もあるし、被検者30の患部の位置が予め他の検査によってある程度特定されている場合には、その特定された患部の位置の近傍に対し実施することもある。更に、検査によっては、事前に被検者30にPET用薬剤を投与せず、PET用薬剤をベッド31上に横たわった被検者30に投与することもあるし、投与しながら検査を行うこともある。これらの場合も同様の効果を得る。また、図2に示したように、放射線検出器4を、一番内側のものを基点として半径方向に直線状に多層配置したが、これにも限られず、半径方向に千鳥配置する構成としても構わない。また、放射線検出器4を多層配置とせず、単に単層でリング状に配置する構成の放射線検査装置にも本発明は、勿論適用可能である。これらの場合も、同様の効果を得ることができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、同時計数装置が複数設けられているため、検出データの処理速度増大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線検査装置の第1の実施の形態の撮像装置の全体構造を表す概略図である。
【図2】図1中II−II断面による断面図である。
【図3】本発明の放射線検査装置の第1の実施の形態における放射線検出器の支持構造を表す斜視図である。
【図4】本発明の放射線検査装置の第1の実施の形態における信号の伝送回路を表す概略図である。
【図5】本発明の放射線検査装置の第1の実施の形態における、同時検出データの保存形式を概略的に表す概念図である。
【図6】本発明の放射線検査装置の第1の実施の形態における信号伝送の経路切替のタイムチャートの一例である。
【図7】本発明の放射線検査装置の第2の実施の形態における信号の伝送回路の概略を表すブロック図である。
【図8】本発明の放射線検査装置の第2の実施の形態における信号伝送の経路切替のタイムチャートの一例である。
【図9】本発明の放射線検査装置の第3の実施の形態における主記憶装置までの信号伝送経路の概略を表すブロック図である。
【図10】本発明の放射線検査装置における放射線検出器群の分割状態の一変形例を表す図で、図2に対応する図である。
【符号の説明】
4 放射線検出器
4a〜d 放射線検出器群
4A,B 放射線検出器群
7 γ線弁別装置(検出信号処理手段)
7A,B 信号処理装置(検出信号処理手段群)
10a〜f バッファ(記憶手段)
10A,B バッファ(記憶手段)
10Aa〜c 保存領域(記憶手段)
10Ba〜c 保存領域(記憶手段)
11 タイマ(時刻情報発生手段)
12 制御装置
13A,B 切替スイッチ(切替手段)
14A,B 切替スイッチ(切替手段)
19A,B 演算処理装置
22 画像作成装置
35 X線発生器
40A,B 切替スイッチ(切替手段)
50a〜d バッファ(記憶手段)
60 X線発生器
61 X線検出信号処理装置(CT信号処理装置)

Claims (11)

  1. 被検体からのγ線を検出して検出信号を出力する複数の放射線検出器と、
    前記検出信号を入力して、少なくとも前記検出信号を出力した前記放射線検出器の位置情報及び前記検出信号に対する時刻情報を含む検出データを出力する複数の検出信号処理手段と、
    前記検出信号処理手段から出力される前記検出データに基づいて、同時判定処理を並列して行う複数の同時計数装置と、
    切替動作により、ある時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データをある一つの前記同時計数装置に伝送し、他の時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データを他の一つの前記同時計数装置に伝送する複数の切替手段と
    を備えたことを特徴とする放射線検査装置。
  2. 被検体からのγ線を検出して検出信号を出力する複数の放射線検出器と
    記検出信号を入力して、少なくとも前記検出信号を出力した前記放射線検出器の位置情報及び前記検出信号に対する時刻情報を含む検出データを出力する複数の検出信号処理手段と、
    これら複数の検出信号処理手段がグループ分けされて形成される複数の検出信号処理手段群毎に設けられ、前記各検出信号処理手段からそれぞれ出力された各々の前記検出データを前記検出信号処理手段群毎に記憶する複数の記憶手段と、
    これら複数の記憶手段に記憶された前記検出データを基に、同時判定処理を並列して行う複数の同時計数装置と、
    切替動作により、ある時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データをある一つの前記同時計数装置に伝送し、他の時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データを他の一つの前記同時計数装置に伝送する複数の切替手段と
    を備えたことを特徴とする放射線検査装置。
  3. 請求項記載の放射線検査装置において、前記切替手段を前記複数の記憶手段に設定された設定期間毎に切り替える制御を行う制御装置を備えたことを特徴とする放射線検査装置。
  4. 請求項2又は3記載の放射線検査装置において、前記略環状に配設された複数の放射線検出器は、それぞれの前記検出信号処理手段群に対応する複数の放射線検出器群に分割されていることを特徴とする放射線検査装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の放射線検査装置において、前記各検出信号処理手段に前記時刻情報を出力する時刻情報発生手段を備えたことを特徴とする放射線検査装置。
  6. 請求項記載の放射線検査装置において、前記制御装置は、前記時刻情報発生手段から出力された時刻情報に基づいて前記切替手段を前記設定期間毎に切り替えることを特徴とする放射線検査装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項記載の放射線検査装置において、前記検出信号処理手段は、エネルギーがエネルギー設定値未満である前記検出信号を除去すると共に、エネルギーが前記エネルギー設定値以上である前記検出信号に対し、少なくとも前記位置情報、前記時刻情報を前記検出データとして出力することを特徴とする放射線検査装置。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載の放射線検査装置において、前記複数の放射線検出器は、略環状に配置され、かつその径方向及び軸方向に多層に配置されていることを特徴とする放射線検査装置。
  9. 被検体からのγ線を検出して検出信号を出力する複数の放射線検出器と、
    前記放射線検出器毎に設けられ、前記検出信号を入力して、少なくとも前記検出信号を出力した前記放射線検出器の位置情報及び前記検出信号に対する時刻情報を含む検出データを出力する複数の検出信号処理手段と、
    これら複数の検出信号処理手段がグループ分けされて形成される複数の検出信号処理手段群毎に設けられ、前記各検出信号処理手段からそれぞれ出力された各々の前記検出データを前記検出信号処理手段群毎に記憶する複数の記憶手段と、
    これら複数の記憶手段に記憶された前記検出データを入力し、これらの前記検出データを基に、同時判定処理を並列して行い、前記時刻情報の差が設定時間以内に入る複数対の前記検出データを用いて、前記被検体の断層像データの作成に用いる情報を作成し、作成されたその情報を出力する複数の同時計数装置と、
    前記複数の同時計数装置から出力された前記情報を基に、前記断層像データを作成する画像作成装置と、
    切替動作により、ある時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データをある一つの前記同時計数装置に伝送し、他の時間帯に検出された前記検出信号に基づく前記検出データを他の一つの前記同時計数装置に伝送する複数の切替手段と
    を備えたことを特徴とする放射線検査装置。
  10. 請求項1〜のいずれか1項記載の放射線検査装置において、PET検査を行うことを特徴とする放射線検査装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載の放射線検査装置において、X線発生器と、前記放射線検出器に接続したCT信号処理装置とを更に有し、CT検査を行うことを特徴とする放射線検査装置。
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