JP3851575B2 - Pet検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、陽電子放出型CT(Positron Emission Computed Tomography、以下PETと記載する)を用いて放射線検査を行う装置、即ち、PET検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PET検査とは、陽電子放出核種(例えば11C,13N,15O,18F等)を混入し、検査対象となる患部(病巣)で代謝される性質を付与したPET用の放射性薬剤(以下、PET用薬剤という)を被検者に投与し、所定時間後、PET用薬剤が被検者体内のどの部位に集積しているか(どの部位で多く消費されているか)を、患部に集積したPET用薬剤に起因して放出されるγ線を検出することにより特定するものである。PET用薬剤から放出された陽電子は、付近の電子と結合して陽電子消滅し、その際、一対のγ線を放出する。これら一対のγ線(以下、γ線対と記載する)は、互いにほぼ正反対(厳密には180°±0.6°)の方向に放射されるので、そのγ線の検出信号を基に、そのγ線の発生源位置(患部位置)を通る直線を特定することができる。
【0003】
PET検査では、こうして患部に集積したPET用薬剤に起因して体内から放出されるγ線対を多数検出し、そのデータを基にPET用薬剤を多く消費する箇所(患部位置)を含む被検者の断層像(以下、PET像という)を作成する。このようなPET検査を行うPET検査装置としては、例えば特開2000−321357号に記載の核医学診断装置等、既に多数のものが提唱されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常、PET検査装置は、γ線を検出する放射線検出器を複数備えており、どの放射線検出器がγ線を検出したかを割り出して患部を含むPET像を作成する。医者がそのPET像を見て患部の位置を特定する。γ線は、放射線検出器に入射してもそのまま透過してしまうこともあるが、この場合を除き、放射線検出器に入射して減衰する。γ線が減衰した放射線検出器は、そのγ線の減衰エネルギーに相当する検出信号(電荷)を出力する。また、検出された(減衰した)γ線は、全減衰する場合を除き、その放射線検出器内で散乱する。散乱したγ線(以下、散乱γ線と記載する)は、進行方向を変え、異なる入射角で他の放射線検出器に入射する。勿論、散乱γ線は、その後減衰せずに入射した各放射線検出器を透過する場合もあるし、他の放射線検出器にて全減衰、或いは再び散乱し検出されることもある。つまり、放射線検出器により検出されるγ線には、散乱前の(放射線検出器により散乱していない状態の)γ線(以下、非散乱γ線と記載する)と散乱γ線とが混在することになる。
【0005】
ここで上記のように、散乱γ線は、発生時と進行方向が異なるため、散乱γ線のベクトルの延長上には、そのγ線の発生源は存在しない。即ち、散乱γ線の検出信号を基にしたPET像のデータは、誤った情報となりノイズの原因となる。そこで、従来、散乱γ線が、散乱時にエネルギー減衰することを考慮し、設定したエネルギーしきい値以下のエネルギーのγ線を散乱γ線と判定して除去するのが一般的であった。ところがこの場合、実際には非散乱γ線であっても、そのエネルギーが上記エネルギーしきい値を越えないために散乱γ線と見なされてしまう場合も多く、PET像のデータ収集効率が低下する場合があった。
【0006】
これに対し、上記特開2000−321357号に記載の核医学診断装置においては、複数のγ線が検出された場合、これらγ線の検出信号を同時計数し、ほぼ同時に検出されたγ線の発生源を同一と見なし、算出したそれらのトータルエネルギーが設定範囲内の値かどうかを見て、それらの中に非散乱γ線が含まれているかを判定している。そして、非散乱γ線を含むと判定した場合、検出したγ線の中から、統計的に非散乱γ線である確率が高いものを1つ選定することにより、γ線の初期入射位置を選定している。しかしながら、この従来技術において、特定した初期入射位置は確率的に選定されたもので、それが誤認である可能性も少なくなく、検出精度向上には限界がある。
【0007】
本発明の目的は、非散乱γ線を効率良く特定し、精度の高いPET像を作成することができるPET検査装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、γ線を検出する複数の放射線検出器と、前記複数の放射線検出器から検出信号が入力される同時計数装置とを備え、設定時間範囲内に前記複数の放射線検出器のうち3つの放射線検出器から検出信号が前記同時計数装置に出力された場合、前記同時計数装置は、検出信号を出力した前記3つの放射線検出器の位置情報から前記3つの放射線検出器間の距離をそれぞれ算出し、これら算出距離と散乱γ線の飛程距離以下に設定した設定距離を基に前記3つの放射線検出器から前記算出距離が前記設定距離以下となる2つの放射線検出器を散乱γ線を発生した放射線検出器の候補とし、残り1つの放射線検出器を全減衰したγ線を検出した放射線検出器であると特定し、前記2つの放射線検出器の位置情報から想定される散乱γ線の想定散乱角度を算出し、前記想定散乱角度と前記2つの放射線検出器が検出したγ線のエネルギー検出値を、散乱γ線の散乱前後におけるエネルギー値と散乱角度の関係を示す相関データと比較し、前記2つの放射線検出器が検出したγ線の正当な減衰順序を特定し、前記2つの放射線検出器から非散乱γ線を検出した放射線検出器を特定する。
【0009】
(2)上記目的を達成するために、本発明は、γ線を検出する複数の放射線検出器と、前記複数の放射線検出器から検出信号が入力され、散乱した状態のγ線の散乱前後におけるエネルギー値と散乱角度の関係を示す相関データを記憶している同時計数装置とを備え、設定時間範囲内に前記複数の放射線検出器のうち3つの放射線検出器から検出信号が前記同時計数装置に出力された後に、前記同時計数装置が、検出信号を出力した前記3つの放射線検出器の位置情報から前記3つの放射線検出器間の距離をそれぞれ算出し、これら算出距離と散乱γ線の飛程距離以下に設定した設定距離を基に前記3つの放射線検出器から前記算出距離が前記設定距離以下となる2つの放射線検出器を散乱γ線を発生した放射線検出器の候補として特定し、かつ前記2つの放射線検出器が検出したγ線のエネルギー検出値の合計値が設定値となることから前記2つの放射線検出器においてγ線対の一方のγ線が2回減衰したと特定した場合、前記同時計数装置は、残り1つの放射線検出器を全減衰したγ線を検出した放射線検出器であると特定し、前記2つの放射線検出器の位置情報から想定される散乱γ線の想定散乱角度を算出し、この想定散乱角度と前記2つの放射線検出器が検出した前記一方のγ線のエネルギー検出値を前記相関データと比較して前記想定散乱角度の正当性を評価することにより、前記一方のγ線の正当な減衰順序、初期入射位置、及び初期入射方向を特定することで前記2つの放射線検出器から非散乱γ線を検出した放射線検出器を特定する。
【0010】
本発明においては、γ線対の一方のγ線の減衰順序(散乱順序)を、他方のγ線の位置情報を利用して特定し、γ線の放射線検出器への初期入射位置、初期入射方向を特定する。具体的には、同時計数装置が、検出信号を出力した前記3つの放射線検出器の位置情報から前記3つの放射線検出器間の距離をそれぞれ算出し、これら算出距離と散乱γ線の飛程距離以下に設定した設定距離を基に前記3つの放射線検出器から前記算出距離が前記設定距離以下となる2つの放射線検出器を散乱γ線を発生した放射線検出器の候補とし、残り1つの放射線検出器を全減衰したγ線を検出した放射線検出器であると特定し、前記2つの放射線検出器の位置情報から想定される散乱γ線の想定散乱角度を算出し、前記想定散乱角度と前記2つの放射線検出器が検出したγ線のエネルギー検出値を、散乱γ線の散乱前後におけるエネルギー値と散乱角度の関係を示す相関データと比較し、前記2つの放射線検出器が検出したγ線の正当な減衰順序を特定し、前記2つの放射線検出器から非散乱γ線を検出した放射線検出器を特定すると、全減衰したγ線を検出した放射線検出器と非散乱γ線を検出した放射線検出器とを結ぶ直線(初期入射方向)上に、γ線の発生源(患部)が存在すると同定することができる。従って、確率的にγ線の初期入射位置を特定する場合と異なり、非散乱γ線を効率良く特定し、精度の高いPET像を作成することができる。
【0011】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、更に、前記複数の放射線検出器の前面に配置され、γ線を通過させるコリメータを備える。
【0012】
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、更に好ましくは、前記複数の放射線検出器は略環状に配設され、かつ軸方向に複数配列されると共に、径方向に多層に配置されていること。
【0014】
(5)上記(4)において、好ましくは、前記放射線検出器からの検出信号をパルス信号に変換し出力するγ線弁別装置を備える。
【0015】
(6)上記(5)において、また好ましくは、前記同時計数装置はγ線を検出した放射線検出器の位置情報、及びその放射線検出器の検出信号に基づいた前記パルス信号の計数情報を出力する。
【0016】
(7)上記(6)において、更に好ましくは、前記全減衰したγ線を検出した放射線検出器及び前記非散乱γ線を検出した放射線検出器の位置情報及び前記計数情報に基づいてPET像のデータを作成するPET像作成装置と、前記PET像のデータを表示する表示装置とを更に備える。
【0017】
(8)上記(1)において、好ましくは、前記全減衰したγ線を検出した放射線検出器及び前記非散乱γ線を検出した放射線検出器の位置情報、及び前記全減衰したγ線を検出した放射線検出器及び前記非散乱γ線を検出した放射線検出器の出力である検出信号に基づいて、PET像のデータを作成するPET像作成装置を備える。
【0018】
(9)上記(4)〜(8)のいずれか1つにおいて、更に好ましくは、X線を放射するX線源を更に備える。
【0019】
(10)上記(9)において、多層配置した前記放射線検出器のうち、少なくとも最も内側に配列された複数の放射線検出器はγ線及びX線の検出に共用され、これら共用の放射線検出器で検出されたγ線及びX線の検出信号を弁別する信号弁別装置を更に備える。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のPET検査装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明のPET検査装置の第1の実施の形態の全体構造を表す概略図、
図2はこの図1中II−II断面による断面図である。これら図1及び図2に示すように、PET検査装置1は、撮像装置2と、信号処理装置7と、断層像作成装置10と、被検者保持装置14と、X線源周回装置37と、駆動制御装置35とを備えている。
【0024】
上記撮像装置2は、ケーシング3と、多数(例えば合計10000個)の放射線検出器4と、検出器支持板5とを有している。ケーシング3は、孔部(貫通孔)6を有する略筒状の形状をしており、放射線検出器4は、この孔部6の周囲に軸方向に配置されている。また、これら放射線検出器4は、図2に示すように、最も内側に環状配置された放射線検出器4を基点として、放射状に多層配置(この例では3層配置)されている。なお、代表的な放射線検出器として、例えば半導体放射線検出器やシンチレータ等といったものがあるが、シンチレータは、放射線検出部であるクリスタル(BGO、NaI等)に光電子増倍管等を配置する必要があり、多層配置にはあまり適していない。従って、本実施の形態のように多層配置する放射線検出器4としては、光電子増倍管等が不要な半導体放射線検出器が好ましい。半導体放射線検出器を用いる場合、放射線検出器4の検出部は、カドミウムテルル(CdTe)やガリウムヒ素(GaAs)、カドミウムテルル亜鉛(CZT)等で構成すると良い。
【0025】
図3は、放射線検出器4の詳細な取付構造を表す斜視図である。この図3に示すように、上記の検出器支持板5は略半割れリング状の部材で、上記孔部6の軸方向(図1中左右方向)に複数枚列設され、それぞれケーシング3に固定されている。各放射線検出器4は、これら検出器支持板5の側面に放射状に取付けられている。また、この図3には特に図示しないが、こうした放射線検出器4を取付けた複数の検出器支持板5が、上記孔部6を介し、もう1組上部側に対向するよう、ケーシング3に固定されている(図1及び図2も参照)。但し、検出器支持板5の形状は、これに限られず、例えば一体的なリング状としてもよい。
【0026】
図4はPET検査装置1における配線状態を表す概略図、図5は後述の信号弁別装置61の詳細構造を表す概略図である。前述したように、本実施の形態において各放射線検出器4は、孔部6の半径方向において多層(本例では3層)に配列されており、便宜上、各放射線検出器4の列を図4に示すように、内側から検出器列4X,4Y,4Zとする。また、図4に示すように、上記の信号処理装置7は、検出器列4Y,4Zに含まれる各放射線検出器4毎に設けられた多数(繁雑防止のため図4には2つのみ図示)のγ線弁別装置8と、検出器列4Xに含まれる各放射線検出器4毎に設けられた多数の信号弁別装置61と、これらγ線弁別装置8及び信号弁別装置61内のγ線弁別装置8に接続した同時計数装置9とを備えている。最も内側の検出器列4Xを除く検出器列4Y,4Zを構成する各放射線検出器4は、配線13を介し対応するγ線弁別装置8に接続されている。また、最も内側の検出器列4Xを構成する各放射線検出器4は、配線13を介し対応する信号弁別装置61に接続されている。
【0027】
各信号弁別装置61は、図5に示すように、切替スイッチ62と、γ線弁別装置8と、X線信号処理装置66とを有している。切替スイッチ62は、可動端子63と、固定端子64,65とを有している。そして、検出器列4Xの放射線検出器4は、配線13を介し可動端子63に接続されている。また、固定端子64はγ線弁別装置8に、固定端子65は先のX線信号処理装置66にそれぞれ接続され、γ線弁別装置8は、検出器列4Y,4Zの各放射線検出器4に接続したものと同様、同時計数装置9に接続している。また、この信号弁別装置61は電源68に接続しており、詳細には、この電源68のプラス端子は抵抗67を介して配線13に、マイナス端子は放射線検出器4に接続されている。また、同時計数装置9及びX線信号処理装置66は、演算処理装置11(後述)に接続されている。
【0028】
図1に戻り、上記断層像作成装置10は、演算処理装置11と、この演算処理装置11にそれぞれ接続した記憶装置12及び表示装置13とを備えている。また、上記被検者保持装置14は、被検者17が横たわるベッド16と、このベッド16を上記孔部6内に挿入可能に支持する支持部材15とを備えている。上記X線源周回装置37は、略リング状(図1ではその断面を図示している)のガイドレール28と、このガイドレール28に沿って円形の軌跡を描いて走行するX線源装置29とを備えている。ガイドレール28は、孔部6を取囲むようにケーシング3の被検者保持装置14側の側面に取付けられる。また、X線源装置29は、ガイドレール28に対し走行可能に取付けたX線源駆動装置30と、このX線源駆動装置30に取付けた水平方向に伸縮可能なアーム38と、このアーム38の先端部に取付けたX線源31とを有する。なお、図1において、69は線源制御装置である。
【0029】
本実施の形態のPET検査装置1の構成は以上説明した通りであるが、以上のPET検査装置1を用いた検査手順を具体的に説明する前に、以下に放射線検出の原理について説明しておく。放射線検出器4は、その内部で放射線が減衰した場合、その減衰エネルギーに応じた電荷を出力するものであるが、上記検出器列4Y,4Zに含まれる各放射線検出器4はγ線の検出に用いられ、上記検出器列4Xに含まれる各放射線検出器4はγ線及びX線の検出に共用される。つまり、検出器列4Xの放射線検出器4は、時間的なずれはあるがX線の検出信号及びγ線の検出信号の両方を出力する。このため、精度の良いX線CT像(X線CTによって得られた被検者の断層像)を作成するためには、X線を検出している放射線検出器4(以下において、便宜上、検出器列4Xに含まれる放射線検出器4のうち、X線を検出している放射線検出器4を第1検出器4、γ線を検出している放射線検出器4を第2検出器4と適宜記載する)が、X線検出の際に、γ線を検出しないようにする必要がある。
【0030】
ここで、被検者17体内のPET用薬剤の放射線強度をN[Bq]、発生するγ線の体内通過率をA、各放射線検出器4の立体角から求めた入射率をB、各放射線検出器4の感度をCとすると、1つの放射線検出器で検出するγ線の検出率α[個/sec]は、以下のようになる。
α=2NABC ・・・(1)
また、X線の照射時間をT[sec]とすると、照射時間T内にある放射線検出器4でγ線が検出される確率Wは、以下のようになる。
W=1−exp(−Tα) ・・・(2)
従って、この確率Wを小さくするよう、照射時間Tを設定すれば、X線CT検査時に、X線を検出している放射線検出器4に入射するγ線は極微量となり、その影響を無視できる程度にすることができる。
【0031】
具体的には、被検者17体内のPET用薬剤の放射線強度Aは、最大で370[MBq]程度、また、仮に被検者17の断面を半径15[cm]の水と仮定すれば、γ線の体内通過率Aは0.6程度である。そして、例えば一辺5[mm]の放射線検出器4を半径50[cm]の環状に配置する場合を考えると、1つの放射線検出器の立体角から求めた入射率Bは8×10-6、半導体放射線検出器を使用した場合、放射線検出器4の検出感度Cは最大で0.6程度である。従って上式(1)より、1つの放射線検出器4のγ線の検出率αは2000[個/sec]程度となり、X線の照射時間Tを例えば1.5[μsec]とすれば、1つの放射線検出器4がX線検出中にγ線を検出する確率Wは0.003となる。即ち、体内投与放射線の強度を370[MBq]以下とした場合、X線の照射時間を1.5[μsec]以下にすれば、γ線の検出確率は0.3%以下となりほとんど無視できるものとなる。
本実施の形態では、以上のような原理によりX線およびγ線を共用の放射線検出器4により検出するようになっている。
【0032】
次に、上記構成のPET検査装置1を用いた検査手順を説明する。PET検査及びX線検査時には、予め被検者17に検査目的に応じたPET用薬剤を投与(例えば注射)した後、PET用薬剤が被検者17の体内に拡散して患部(例えば癌の患部)に集積するまで、被検者17は、所定時間の間待機する。その後、被検者17が横たわったベッド16を撮像装置2に挿入し、被検者17の周囲が放射線検出器4で囲まれた状態とする。
【0033】
X線CT検査の際、駆動制御装置35は、X線源駆動装置30をガイドレール28に沿って走行させ、X線源31を被検者17の周囲を周回させる。このとき、線源制御装置69は、所定のエネルギー(例えば80[keV])を有するX線をパルス状に繰り返し放出するよう、X線源31からのX線の放出時間を制御する。X線は、上式(1)及び(2)に基づき、周回するX線源31から、例えば1[μsec]の照射が間欠的に繰り返されるように設定され、被検者17は周囲よりX線を照射される。このX線は、被検者17を透過した後、孔部6を介してX線源31とほぼ対向する所定範囲内に存在する複数個の第1検出器4によって検出される。これら第1検出器4は、そのX線の検出信号(以下、X線撮像信号という)を配線13を介し信号弁別装置61に出力する。
【0034】
一方、PET用薬剤に起因して前述のように被検者17の体内からは、所定のエネルギーのγ線が放出されており、第1検出器4以外の放射線検出器4のうち、検出器列4Y,4Zに含まれる各放射線検出器4は、こうしたγ線を検出し、配線13を介しγ線弁別装置8に検出信号(以下、γ線撮像信号という)を出力する。このとき、検出器列4Xに含まれる第1検出器4からのX線撮像信号は切替スイッチ62の可動端子63及び固定端子65をX線信号処理装置66に、検出器列4Xに含まれる第2検出器4からのγ線撮像信号は切替スイッチ62の可動端子63及び固定端子64を経てγ線弁別装置8に出力される。なお、切替スイッチ62の可動端子63を固定端子64または固定端子65に接続する切替操作は、駆動制御装置35により行われる。具体的には、駆動制御装置35は、X線源駆動装置30内のエンコーダー(図示せず)の信号を基にX線源31の位置を随時算出し、その時点でこのX線源31の位置と対向する複数の放射線検出器4を第1検出器4として選択し、これらに接続する可動端子63を固定端子65に接続する。勿論、X線源31の周回に伴い、第2検出器4となった放射線検出器4に接続された可動端子63は、固定端子64に接続される。
【0035】
X線信号処理装置66は、入力されたX線撮像信号を基に、X線撮像信号の強度を算出し、演算処理装置11に出力する。一方、γ線弁別装置8は、入力されたγ線撮像信号を基に、その信号を出力した放射線検出器4におけるγ線の減衰エネルギーに応じたパルス信号を同時計数装置9に出力する。即ち、そのパルス信号のパルスの波高がその減衰エネルギーに相当している。γ線弁別装置8には、エネルギーフィルタが設けられている。このエネルギーフィルタはノイズレベル以上のγ線撮像信号信号を全て通過させ、γ線弁別装置8はエネルギーフィルタを通過したγ線撮像信号に対するパルス信号を同時計測装置9に出力する。そのエネルギーフィルタは、ノイズレベルより低いレベルのγ線撮像信号を除去する。
【0036】
同時計数装置9は、各γ線弁別装置8から出力されたパルス信号のうち、設定時間(例えば10[nsec])以内に入力したパルス信号を基に、放射線検出器4内で散乱していない状態のγ線(以下、非散乱γ線という)の検出信号を出力した2つの放射線検出器4を特定し、それらの各放射線検出器4のそれぞれの位置(初期入射位置)及び初期入射方向を含むPET像のデータ信号を演算処理装置11に出力する(詳細は後述する)。更に、同時計数装置9は、上記した設定時間内に入力した、特定された2つの放射線検出器4からのγ線撮像信号に起因して発生した2つのパルス信号を計数し、得られた計数値を演算処理装置11に出力する。演算処理装置11は、PET用薬剤が集積した位置(患部位置)を特定された一対の放射線検出器4を結ぶ直線上の位置に同定し、こうした直線を特定された多数対の放射線検出器4に基づいて数多く得ることより、精度の高いPET像を再構成できる。同時計数装置9は、被検者17の体内で散乱したγ線の検出信号を除去するために、入力した各パルス信号を発生させた各γ線撮像信号に対する減衰エネルギー量の合計(トータルエネルギー)が、所定のエネルギーしきい値よりも高い(被検者17の体内で散乱したγ線でない)かを判定し、仮にエネルギーしきい値以下であった場合、そのγ線撮像信号に基づいたパルス信号の計数値を除去する。初期入射位置とは、換言すれば、被検者17の体内から放出されたγ線対のそれぞれのγ線を最初に検出した2つの放射線検出器4のそれぞれの位置である。
【0037】
ここで、図6は、演算処理装置11による断層像の作成手順を表すフローチャートである。この図6に示すように、演算処理装置11は、まずステップ110にて、同時計数装置9からのγ線撮像信号の計数値及びそれらの検出点の位置情報と、X線信号処理装置66からのX線撮像信号の強度を入力する。ステップ120では、これら各情報を記憶装置12に記憶し、ステップ130に移る。ステップ130では、被検者17の横断面の断層像を、別途算出した該当する位置でのX線撮像信号の減衰率を用いて再構成する(再構成した断層像をX線CT像という)。このとき、本例では詳細な説明は省略するが、例えば、γ線撮像信号の計数値を補正する場合もある。方法としては、例えば、得られたX線CT値から見積もった物質組成データを基に、例えばいわゆるフォワードプロジェクション法により各位置での線減弱係数を求め、その逆数をγ線撮像信号の計数値に掛け合わせることにより、体内減衰によるデータ差を補正することができる。
【0038】
ステップ140では、患部(例えば癌等の病巣)を含む、被検者17の横断面の断層像を、記憶装置12に記憶した同時計数装置9からのデータ信号を用いて再構成する(再構成した断層像をPET像という)。次にステップ150に移り、PET像のデータとX線CT像のデータとを合成し、両データを含む合成断層像のデータを求め、記憶装置12に記憶させる。そして、最後にステップ160にて、記憶装置12から呼び出した合成断層像のデータを表示装置13に出力し、表示装置13に合成断層像を表示させ、図6の手順を終了する。
【0039】
なお、X線CT像は2次元画像であるため、実際にはアーム38を伸縮させることで、X線源31を孔部6の軸方向に順次移動させ、上記手順(ステップ110〜130)を繰り返して複数のX線CT像を再構成し、これらの2次元断面データを積み重ねることによって、3次元的なX線CT像のデータを得る。
【0040】
ここで、ある放射線検出器4で検出されたγ線は、そこで散乱する場合がある。散乱γ線は、発生時と進行方向が異なるため、仮に同時計数装置9でγ線対として検出された2つのγ線のどちらか一方、又は両方が散乱γ線である場合、実際には、これらを検出した放射線検出器4を結ぶ直線は検出したγ線の発生源を通らない。そのため、PET検査において、撮像したPET像に対する信頼性をより向上させるためには、検出されたγ線撮像信号が、散乱γ線か非散乱γ線のいずれを検出したものであるかを精度良く判定し、散乱前のγ線対を検出した放射線検出器4を数多く特定する必要がある。
【0041】
そこで、以上説明してきたPET検査装置1における大きな特徴として、本実施の形態においては、後述する特定手順に従って、γ線対の初期入射位置及び初期入射方向を特定する。本実施の形態においては、前述の同時計数装置9により、設定された時間範囲(例えば10[nsec])内に検出信号(γ線撮像信号)を出力した放射線検出器4が3つ以上ある場合と、2つ以下の場合とを区別して考える。特徴的な手順は、同時計数されたγ線撮像信号が3つ以上ある場合のγ線の初期入射位置及び初期入射方向を特定する処理手順である。
【0042】
まず、同時計数された放射線検出器4が3つ以上ある場合の初期入射位置及び初期入射方向を特定する処理手順を説明する。図7に、放射線検出器4内に入射した後に非散乱γ線が放射線検出器4内で散乱して生じたγ線(以下、散乱γ線という)の散乱前後におけるエネルギーと散乱角との関係を示す。本実施の形態においては、このことを考慮し、例えば、γ線対の一方のγ線が検出された放射線検出器4内で散乱した場合(即ち、散乱γ線を含め、発生源を同一とするγ線があたかも3つ以上存在する場合)、散乱γ線の発生源となる一方の非散乱γ線と対をなす他方の非散乱γ線のデータを利用して散乱γ線の散乱角度を用いて、非散乱γ線を検出した放射線検出器4(初期入射位置)と初期入射方向とを特定する。散乱γ線は、非散乱γ線がこの非散乱線を検出した放射線検出器4内で散乱することによって発生する。
【0043】
ここで、例えば、PET検査により癌検査を行う場合を考えると、通常、まず糖の一種で癌細胞に集積する性質を持つフルオロデオキシグルコース(18FDG)をPET用薬剤として被検者17に投与する。投与された18FDGは陽電子を放出し、陽電子消滅により所定のエネルギー(18FDGの場合511[keV])の一対のγ線を放射する。この同一発生源から放射された散乱前のγ線対は、互いにほぼ正反対(180°±0.6°)の方向に放射される。また、放射線検出器4に入射した非散乱γ線のエネルギーは、放射線検出器4に入射する前に被検者17の体内等で散乱した場合を除けば511[keV]のままである。
【0044】
このように18FDGをPET用薬剤として用いた場合、それぞれ511[keV]のエネルギーを持つγ線対が体内から放出され、先の図2において、その一方の非散乱γ線が、放射線検出器4eで100[keV]減衰し、放射線検出器4eでその非散乱γ線に基づいて発生した散乱γ線が放射線検出器4fで100[keV]減衰し、他方の非散乱γ線が放射線検出器4dにて全減衰したとする(放射線検出器4d〜4fの位置をそれぞれ位置O,A,Bとする)。γ線が減衰した放射線検出器4d〜4fがそれぞれγ線撮像信号を出力する。この場合、γ線対は患部に集積したPET用薬剤に起因して互いにほぼ反対の方向に放出されているため、γ線対の進行方向(厳密には他方の非散乱γ線の進行方向)は、ベクトルOAとベクトルAO又はベクトルOBとベクトルBOのいずれかの組み合わせである。このとき、仮に、非散乱γ線の方向がベクトルOAであれば(初期入射位置が位置Aであれば)、散乱γ線のエネルギーは411[keV]、非散乱γ線の方向がベクトルOBであれば(初期入射位置が位置Bであれば)、散乱γ線のエネルギーは100[keV]であることになる。これは言い換えると、非散乱γ線が位置Aに初期入射したなら散乱γ線の方向はベクトルAB、位置Bに初期入射したならベクトルBAであることになる。また、非散乱γ線のエネルギーは、位置Aに初期入射した場合でも、位置Bに初期入射した場合においても、両方で減衰したエネルギー和、つまり411+100=511[keV]である。上記の各減衰エネルギー値は、γ線弁別装置8から出力されるパルス信号のパルスの波高に対応しているので、該当する各γ線弁別装置8で検出されたものであると言える。
【0045】
本実施の形態においては、同時計数装置9は、上記の各γ線に対して検出された各減衰エネルギー値と、それらのγ線が入射された各放射線検出器4の位置情報とを用いて、図8に示すスッテプ200〜250の処理を行うことによって、γ線の初期入射位置及び初期入射方向を特定する。γ線撮像信号を出力した各放射線検出器4の位置情報は、それらの放射線検出器4に対応して設けられた各γ線弁別装置8によってパルス信号に変換されて同時計数装置9に伝えられる。まず、同時計数装置9は、ステップ200によって、散乱γ線を発生した放射線検出器の候補を特定する。同時計数装置9は、前述の設定時間内に入力したパルス信号が3以上ある場合、それらのパルス信号を発生させた各γ線撮像信号を出力した3以上の放射線検出器4のうち、散乱γ線を発生した放射線検出器4を特定する。この特定は、該当する放射線検出器4のそれぞれの間の距離に基づいて行う。即ち、設定距離より短い距離だけ離れて位置する放射線検出器4は散乱γ線を発生した放射線検出器4である。散乱γ線の飛程距離は短いので、設定距離は例えば5[cm]とする。図2に示す例では、設定時間内にそれぞれγ線撮像信号を出力した放射線検出器4d,4e及び4fのうち、放射線検出器4e,4f間の距離が5[cm]以下であるとすると、放射線検出器4e,4fのいずれかが散乱γ線を発生した放射線検出器4である。放射線検出器4e,4fが散乱γ線を発生した放射線検出器の候補として特定される。このため、同時計数装置9は、残りの1つの放射線検出器4dが、非散乱γ線を検出した放射線検出器であることを認識する。
【0046】
次に、ステップ210にて、散乱γ線を発生した放射線検出器の候補として特定された放射線検出器4e、4fのうち、検出器4e、即ち位置Aが初期入射位置である場合の散乱角(ベクトルOA,ABのなす角)を算出する。ステップ220にて、放射線検出器4f、即ち位置Bが初期入射位置である場合の散乱角(ベクトルOB,BAのなす角)を算出する。このとき、例えばベクトルOA,ABのなす角θは、以下のように算出できる。
【0047】
次に、ステップ230において、非散乱γ線の入射エネルギー及び散乱γ線のエネルギーを算出する。即ち、同時計数装置9は、放射線検出器4e,4fにおけるγ線の減衰エネルギーを、それぞれの放射線検出器から出力された各γ線撮像信号に起因して発生した各パルス信号のパルスの波高に基づいて、それぞれ算出する。初期入射位置の放射線検出器4dに入射したγ線の減衰エネルギーは、該当するパルス信号の波高に基づいて511[keV]と算出される。放射線検出器4eに入射したγ線の減衰エネルギーも、該当するパルス信号の波高に基づいて100[keV]と算出される。放射線検出器4fに入射したγ線の減衰エネルギーも同様に411[keV]と算出される。放射線検出器4e,4fのうち、一方が散乱γ線を発生した放射線検出器であり、他方が非散乱γ線を検出した放射線検出器である。非散乱γ線の入射エネルギーは、放射線検出器4e,4fの各減衰エネルギーの和であり、511[keV]と算出される。
【0048】
次に、放射線検出器4e,4fのそれぞれで散乱γ線が発生したと仮定して散乱γ線のエネルギーを算出する。放射線検出器4eで散乱γ線が発生した場合には、その散乱γ線のエネルギーは、411[keV](=511[keV]−100[keV])となる。この場合、散乱γ線は最終的に放射線検出器4fで減衰する。放射線検出器4fで散乱γ線が発生した場合には、その散乱γ線のエネルギーは、100[keV](=511[keV]−411[keV])となる。この場合、散乱γ線は最終的に放射線検出器4fで減衰する。なお、例えば、算出された非散乱γ線のエネルギーが511[keV]よりかなり低い(例えば350[keV]以下)の場合は、被検者17の体内で既に散乱したγ線であると考えられるため、除去する。
【0049】
ステップ240にて、初期入射位置が位置A,Bのいずれの場合において、ステップ210〜230でそれぞれ演算した入射γ線エネルギー、散乱γ線エネルギーと散乱角との関係が、図7の関係とほぼ照合するものかを比較し、いずれの減衰順序(散乱順序)が正当なものであるかを特定する。例えば、散乱角で比較を行う場合、図7より入射γ線エネルギー、散乱γ線エネルギーを用いて理想的な散乱角を算出し、理想的な散乱角が実際の散乱角とどの程度誤差が生じているかを算出する。そして、演算結果と図7の関係との誤差に所定割合(例えば10%)のしきい値を設け、誤差がしきい値以内であれば、その事象が起こり得る(正当な減衰順序である)と判定する。そして、複数の事象のうち(例えば本例では2事例)起こり得ると判定された事象が1例ならばその事象を選択する(複数の事象が起こりえると判断された場合は後述する)。この結果、γ線対の初期入射位置が特定され、最後にステップ250において、非散乱γ線対の1対の初期入射位置、及びこれらを結ぶ直線(初期入射方向)を含むPET像のデータ信号を演算処理装置11に出力し、この手順を終了する。
【0050】
演算処理装置11は、前述のように、こうして入力されたPET像のデータを記憶装置12に多数記憶し、これらを再構成して、PET像を作成し表示装置13にて表示する。
【0051】
なお、以上の3つ以上の検出信号が計数された場合の手順において、例えば初期入射位置が、位置Aの場合も位置Bの場合も、いずれも起こり得るという結果になった場合、そのγ線撮像信号は除去しても良いし、図7の関係との誤差がより小さい方の減衰順序を選択するよにしても良い。更に、上記では、γ線対の片方のγ線が2つの放射線検出器4で減衰(2回減衰)した場合(即ち、2通りの減衰順序から選択する簡単な例)を説明したが、発生したγ線対の双方のγ線が、放射線検出器4の内部で複数回散乱した場合等も、考えられるパターンを全て挙げ、各パターンに関し、以上の特定手順を適用することにより、正当な減衰順序を特定することができる。また、各放射線検出器4の配列により、物理的に同時計数され得ない放射線検出器4の位置関係を設定しておき、この位置関係に当てはまるパルス信号を除去するようにしておいても良い。
【0052】
一方、同時計数したγ線撮像信号が2つである場合、同時計数装置9は、それらをγ線対と判定し、それらを検出した放射線検出器4の位置情報、及びそれらを結ぶ直線方向を含むPET像のデータ信号を演算処理装置11に出力する。また、計数したγ線撮像信号が1つの場合、それを除去する構成としても良いし、従来のように、その信号を検出した放射線検出器4と、それに180°対向する放射線検出器4とを結ぶ直線の方向を含むデータ信号を演算処理装置11に出力する構成としても良い。
【0053】
以下、本実施の形態により得られる作用効果を順次説明する。
(1)PET像の精度向上
本実施の形態によれば、図8に示した所定の特定手順に従い、γ線対の初期入射位置及び初期入射方向をより効果的に特定することができる。これにより、演算処理装置11に信頼性の高いデータを出力することができ、更に精度の高いPET像を作成することができる。なお、本実施の形態においては、18FDGをPET用薬剤として用いた場合を説明したが、上記のγ線の初期入射位置及び初期入射方向の特定手順は、他の放射性核種を含むPET用薬剤を用いた場合にも適用可能であることは言うまでもない。
【0054】
(2)エネルギー分解能の向上
従来のPET検査装置は、本実施の形態のように放射線検出器を多層配置とせず、内部に反射材をそれぞれ備えた放射線検出器を単層配置するのが一般的であった。こういった従来のPET検査装置においては、信号伝達物質が光電子増倍管に到達したパターンを基に、孔部の半径方向においてγ線入射位置の位置情報を求めていた。そのため、反射材により信号伝達物質の一部が放射線検出器内で減衰したり、放射線検出器外へ反射してしまうことがあり、信号伝達物質が減少し、エネルギー分解能が低下する場合があった。それに対し本実施の形態は、放射線検出器4として半導体放射線検出器を用い、これらを多層配置することにより、信号伝達物質を減らさずに、検出範囲としても孔部6の半径方向に奥行きを持たせることができ、孔部6の半径方向においてγ線が到達した正確な位置情報(検出信号を出力した放射線検出器4の位置情報)を得ることができ、エネルギー分解能を向上させることができる。
【0055】
(3)X線CT検査と並行したPET検査の実現
従来、透過X線を検出する撮像装置と、γ線を検出する撮像装置とはそれぞれ独立して設けられるのが一般的であったが、本実施の形態においては、共用の放射線検出器4によりX線及びγ線を検出することができるので、上記撮像装置2は、簡単かつコンパクトな構造でX線CT検査とPET検査の両方を単体で実施することができる。
【0056】
(4)患部位置の特定精度向上
上記のPET像及びX線CT像は、共用の放射線検出器4からの撮像信号を基に再構成されるので、互いに精度良く照合させることができ、両者の合成断層像から、内臓及び骨との関係で、患部の位置を正確に知ることができ、被検者17の患部位置を精度良く特定することができる。
【0057】
(5)被検者の負担軽減
本実施の形態は、X線撮像信号及びγ線撮像信号を共用の放射線検出器4から得ることができるため、短時間でそれらX線撮像信号及びγ線撮像信号を得ることができる。これにより、検査に要する時間(検査時間)を短縮することができ、被検者17の精神的及び肉体的負担を大きく低減することができる。また、従来のようにX線CT検査とPET検査を分けて行う場合と比べ、X線を検出する撮像装置からγ線を検出する別の撮像装置まで移動させる必要がなく、これによっても検査時間は短縮される。更に、検査時間が短縮されることにより、検査中、被検者17が動いてしまう確率を低減することができ、それだけ質の高いX線CT像及びPET像を得ることができる。
【0058】
次に、非散乱γ線及び散乱γ線のエネルギーと散乱角とを基に、γ線の減衰順序を特定する他の実施の形態として、2次元計測型のPET検査装置における単γ線検出による検出効率の向上を図る本発明の第2の実施の形態を説明する。2次元計測においては、放射線検出器の体軸方向(上記孔部6の軸方向に相当)に対し、角度を持って初期入射するγ線をコリメータにより除去し、体軸方向に対して垂直に初期入射するγ線のみを検出する。一般的に、この2次元計測では、角度を持って入射するγ線を除去することから単位時間あたりのγ線対カウント数が減るが、散乱γ線の影響が非常に少なくなるといったメリットがある。
【0059】
図9は本発明のPET検査装置の第2の実施の形態の全体構造を表す概略図、図10はこの図9中X−X断面による断面図である。これら図9及び図10に示すように、本実施の形態のPET検査装置1Aは、その2次元計測PET検査に用いられるもので、撮像装置2にコリメータ50を設けた点を除いて先に説明したPET検査装置1と同様の構成である。このコリメータ50は、最も内側に配置される上記検出器列4X(図4参照)を構成する放射線検出器4の前面(内周側)に位置するよう、検出器支持板5に取付けられている。
【0060】
本実施の形態のPET検査装置1AによるPET検査及びX線CT検査の手順は、γ線の初期入射位置及び初期入射方向の特定を除いて、先に説明した第1の実施の形態と同様である。本実施の形態においては、コリメータ50を通過して放射線検出器4に入射したγ線が、任意の放射線検出器4で3回以上散乱した場合、その減衰順序を特定する。ここでは、説明の簡略のために、例えば、図10に示すように放射線検出器4に入射したγ線が、放射線検出器4g〜4iにおいて任意の順番で減衰し、かつこれら3箇所で全減衰したとする。但し、放射線検出器4g〜4iのそれぞれの位置を位置A〜C、これら位置A〜Cで減衰したエネルギーをそれぞれEA,EB,ECとする。なお、繁雑防止のため、この説明では位置A〜Cが同一平面内に存在している場合を図示するが、位置A〜Cが図10のように同一平面内にない場合も、以下に説明する手順は適用できる。
【0061】
まず、図10においてγ線の減衰順序として考えられるのは、(▲1▼B→A→C)(▲2▼C→A→B)(▲3▼A→B→C)(▲4▼C→B→A)(▲5▼A→C→B)(▲6▼B→C→A)の6通りである。また、位置A〜Cの3箇所で全減衰したことから、初期入射時のγ線のエネルギー(トータルエネルギー)Eは、EA+EB+ECである。従って、2番目に減衰した位置に入射する散乱γ線のエネルギーは、トータルエネルギーEから1番目に減衰したエネルギー(EA〜ECのいずれか)を減算したエネルギー、2番目の位置で散乱した散乱γ線のエネルギーは、3番目に減衰した位置に入射する散乱γ線のエネルギー(EA〜ECのいずれか)となる。
【0062】
従って、先の6通りの減衰順序に関し、2番目の減衰位置における散乱γ線の散乱角と、2番目の減衰位置で見た入射エネルギー及び出射エネルギーをそれぞれ算出し、各結果を先の図7の関係と照らし合わせ、6通りの減衰順序の中から実際に起こり得た正当な減衰順序を特定する。
【0063】
次に、こうして特定された減衰順序を基に、初期入射位置における散乱角度を特定する。ここで、仮に上記6通りの減衰順序の中から、(▲3▼A→B→C)が正当な減衰順序と特定された場合、1番目の減衰位置Aで見た入射エネルギーはEA+EB+EC、出射エネルギーはEB+ECとなり、これらを図7の関係と照らし合わせると、位置Aでの散乱角が一義的に求められる。従って、2次元測定PET検査において、体軸方向に垂直なγ線のみが放射線検出器4に入射することを考慮すると、γ線の初期入射時の方向が、例えば図10中の矢印97a,97bのいずれかであることになる。この場合、図10に示すように、検出したγ線の線源(発生源)の存在範囲から矢印97bは物理的にあり得ないので、必然的にγ線が初期入射した放射線検出器4(初期入射位置)は放射線検出器4g、その初期入射方向は矢印97aと一義的に特定される。
【0064】
なお、同時計数されたγ線撮像信号が2つ以下である場合(即ち放射線検出器4での減衰回数が2回以下の場合)、そのデータは除去し利用しないか、又は線源の存在する範囲から均一に入射すると仮定し、この仮定の下、1回目の減衰位置を特定する。
【0065】
以上の本実施の形態のγ線の初期入射位置及び初期入射方向の特定は、同時計数装置9で行われる。前述のように、γ線弁別装置8は、例えば所定のエネルギーしきい値以上のγ線撮像信号を、パルス信号に変換して同時計数装置9に出力する。このとき、勿論、パルス信号と共に、γ線撮像信号を検出した放射線検出器4の位置情報も同時計数装置9に出力する。同時計数装置9は、γ線撮像装置8から入力したパルス信号を基に、γ線の初期入射位置及び初期入射方向を特定し、これらを含むPET像のデータ信号を演算処理装置11に出力する。本実施の形態においては、同時計数したパルス信号が3つ以上のとき、同時計数装置9は、上記の初期入射位置及び初期入射方向の特定手順を実行するが、それ以外の場合、状況に応じて以下のような手順を実行する。
【0066】
図11は、同時計数装置9における信号の入出力の一例を表す図である。但し、この図11において、()内の数字は信号の入力数(又は出力数)を表している。この図11に示すように、例えば、図中ウ、オ、カのケースのように、入力したパルス信号からγ線の初期入射位置及び初期入射方向が特定されたら、同時計数装置9は、その特定した初期入射位置及び初期入射方向を含むPET像のデータ信号を演算処理装置11に出力する。パルス信号の入力数がゼロの場合(ア)や、全減衰したγ線のパルス信号が1つ入力された場合(イ)、また例えば、放射線検出器4の配置上、同一発生源からのγ線であり得ない任意のパルス信号が3つ計数された場合(キ)等は、同時計数装置9は、それらパルス信号を除去し、PET像のデータ信号を出力しない。また、全減衰したγ線のパルス信号が2つ計数された場合(エ)は、その信号を検出した放射線検出器4の位置情報、及びこれらを結ぶ直線を含むデータ信号を演算処理装置11に出力する。
【0067】
演算処理装置11では、前述の第1の実施の形態と同様、入力したPET像のデータ信号を記憶装置12に記憶する。また、前述の各γ線撮像信号に対する計数値も、演算処理装置11により記憶装置12に記憶される。なお、3つ以上の信号が計数された場合(キ)においては、その入射方向が分かっていれば、その方向に応じたデータを出力しても良い。このようにして得られたデータを演算処理装置11にて再構成して、表示装置13に表示する。
【0068】
本実施の形態においても、前述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。またこれに加え、第1の実施の形態においては、γ線対の片方又は双方のγ線が散乱した場合、着目した一方の非散乱γ線の減衰順序を、もう一方の非散乱γ線の検出信号を基に特定したが、本実施の形態は、2次元測定PET検査において、γ線対のうちの他方が被検者の体内で全減衰した(吸収された)場合でも、もう一方のγ線の散乱状態を考慮して非散乱γ線の初期入射位置とその方向性(即ち初期入射方向)を特定することにより、効率的に非散乱γ線のデータを収集でき、PET像の精度向上を図ることができる。また、これにより、2次元測定PET検査における単位時間当りのカウント数が向上し、それだけ検査時間の短縮が可能となり、被検者17の負担低減や、被検者数のスループット向上等といったメリットも期待できる。なお、本実施例のように、2次元測定型のPET検査装置に対しても、γ線対の双方の入射が確認できれば、第1の実施の形態の散乱γ線の減衰順序の特定は適用できる。
【0069】
以上のように説明してきた第1及び第2の実施の形態においては、X線CT像の作成時、アーム38を順次伸縮させ、被検者17の各断面の断層像を作成する例を示したが、X線源31の周回とアーム38の伸縮とを並行して行うことにより、X線のヘリカルスキャンを行う場合にも、上記第1及び第2の実施の形態は適用可能である。また、アーム38を伸縮させる代わりに、ベッド16を孔部6の軸方向に移動させる構成としても構わない。
【0070】
また、上記手順のPET及びX線検査は、被検者17の全身に渡って実施する場合もあるし、被検者17の患部の位置が予め他の検査によってある程度特定されている場合には、その特定された患部の位置の近傍に対し実施することもある。更に、検査によっては、被検者17に予めPET用薬剤を投与せず、PET用薬剤をベッド16上に横たわった被検者17に投与することもあるし、投与しながら検査を行うこともある。また、以上の第1及び第2の実施の形態では、特に説明しなかったが、PET検査装置1,1Aに較正線源を別途設け、トランスミッション像の撮影を行う構成としても良い。これらの場合も同様の効果を得る。
【0071】
また、第1及び第2の実施の形態においては、同時計数装置9でγ線の減衰順序、初期入射位置、及び初期入射方向を、所定の手順に従って特定しているが、本処理を実行する回路を別に設けて本処理を高速に行ってもよい。また、同時計数を回路では同時事象の選択のみを行いその後ソフトウェアで処理しても良い。つまり同時計数装置9においては、例えば3つの信号が入力された場合、それらの信号が同時であることを示すデータを付加して演算処理装置11に送り、演算処理装置11にて減衰順序、初期入射位置、及び初期入射方向を、所定の手順に従って特定する。さらには、例えば放射線検出器毎に記憶領域を具備し、その記憶領域にγ線が入射した時刻と、γ線がその放射線検出器で減衰したエネルギーを書き込み、書き込んだデータを後で演算処理装置11にて同時か否かを判定するような収集法においても、演算処理装置11にて減衰順序、初期入射位置、及び初期入射方向を、所定の手順に従って特定することが可能である。この場合も同様の効果を得る。
【0072】
また、第1及び第2の実施の形態において、片方のγ線が放射線検出器内で散乱し、もう片方のγ線が放射線検出器で検出できなかった場合でも、入射散乱角を求めることは可能である。この性質を利用して、そのγ線がある領域(例えば平面内)から放出されたものであることが分かっていれば、その散乱角で入り得る領域内のいずれかから発生したことがわかる。このようなデータを有効活用することにより放射線検出器の検出効率が向上し患者の負担を軽減することが可能となる。
【0073】
また、以上の第1及第2の実施の形態では、図2及び図10に示したように、多層配置した放射線検出器4を、一番内側のものを基点として半径方向に直線状に配置したが、これに限られず、半径方向に千鳥配置する構成としても構わない。また、以上においては、対をなして放出されるγ線を検出するPET検査において説明したが、例えば、α線とγ線、又はβ線とγ線が対を成して放出される場合もある。このような場合、α線やβ線は透過力が弱いが、γ線が複数回散乱する場合があるので、以上で説明した減衰順序の特定が適用可能である。以上においては、同時計数装置9にて、γ線の初期入射位置の特定を行う場合を説明したが、例えば各放射線検出器4の位置、エネルギー検出値、及び検出時刻のデータを演算処理装置11に出力し、演算処理装置11により、説明した処理手順を実行することも可能である。これらの場合も勿論同様の効果を得ることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、設定時間内に出力された3つの検出信号と、これら検出信号を出力した3つの放射線検出器の位置情報とを基に、γ線の初期入射位置、初期入射方向を特定することにより、確率的にγ線の初期入射位置を特定する場合と異なり、非散乱γ線を効率良く特定し、精度の高いPET像を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPET検査装置の第1の実施の形態の全体構造を表す概略図である。
【図2】図1中II−II断面による断面図である。
【図3】放射線検出器の詳細な取付構造を表す斜視図である。
【図4】本発明のPET検査装置の第1の実施の形態における配線状態を表す概略図である。
【図5】信号弁別装置の詳細構造を表す概略図である。
【図6】演算処理装置による断層像の作成手順を表すフローチャートである。
【図7】散乱前後のγ線のエネルギーと散乱角の関係を表す図である。
【図8】本発明のPET検査装置の第1の実施の形態におけるγ線の初期入射位置及び初期入射方向の特定手順を表すフローチャートである。
【図9】本発明のPET検査装置の第2の実施の形態の全体構造を表す概略図である。
【図10】図9中X−X断面による断面図である。
【図11】本発明のPET検査装置の第2の実施の形態における同時計数装置の信号の入出力の一例を表す図である。
【符号の説明】
1,1A PET検査装置
4 放射線検出器
8 γ線弁別装置
9 同時計数装置
10 断層像作成装置
11 演算処理装置
12 記憶装置
13 表示装置
31 X線源
50 コリメータ
61 信号弁別装置
Claims (10)
- γ線を検出する複数の放射線検出器と、前記複数の放射線検出器から検出信号が入力される同時計数装置とを備え、
設定時間範囲内に前記複数の放射線検出器のうち3つの放射線検出器から検出信号が前記同時計数装置に出力された場合、前記同時計数装置は、検出信号を出力した前記3つの放射線検出器の位置情報から前記3つの放射線検出器間の距離をそれぞれ算出し、これら算出距離と散乱γ線の飛程距離以下に設定した設定距離を基に前記3つの放射線検出器から前記算出距離が前記設定距離以下となる2つの放射線検出器を散乱γ線を発生した放射線検出器の候補とし、残り1つの放射線検出器を全減衰したγ線を検出した放射線検出器であると特定し、前記2つの放射線検出器の位置情報から想定される散乱γ線の想定散乱角度を算出し、前記想定散乱角度と前記2つの放射線検出器が検出したγ線のエネルギー検出値を、散乱γ線の散乱前後におけるエネルギー値と散乱角度の関係を示す相関データと比較し、前記2つの放射線検出器が検出したγ線の正当な減衰順序を特定し、前記2つの放射線検出器から非散乱γ線を検出した放射線検出器を特定することを特徴とするPET検査装置。 - γ線を検出する複数の放射線検出器と、前記複数の放射線検出器から検出信号が入力され、散乱した状態のγ線の散乱前後におけるエネルギー値と散乱角度の関係を示す相関データを記憶している同時計数装置とを備え、
設定時間範囲内に前記複数の放射線検出器のうち3つの放射線検出器から検出信号が前記同時計数装置に出力された後に、前記同時計数装置が、検出信号を出力した前記3つの放射線検出器の位置情報から前記3つの放射線検出器間の距離をそれぞれ算出し、これら算出距離と散乱γ線の飛程距離以下に設定した設定距離を基に前記3つの放射線検出器から前記算出距離が前記設定距離以下となる2つの放射線検出器を散乱γ線を発生した放射線検出器の候補として特定し、かつ前記2つの放射線検出器が検出したγ線のエネルギー検出値の合計値が設定値となることから前記2つの放射線検出器においてγ線対の一方のγ線が2回減衰したと特定した場合、
前記同時計数装置は、残り1つの放射線検出器を全減衰したγ線を検出した放射線検出器であると特定し、前記2つの放射線検出器の位置情報から想定される散乱γ線の想定散乱角度を算出し、この想定散乱角度と前記2つの放射線検出器が検出した前記一方のγ線のエネルギー検出値を前記相関データと比較して前記想定散乱角度の正当性を評価することにより、前記一方のγ線の正当な減衰順序、初期入射位置、及び初期入射方向を特定することで前記2つの放射線検出器から非散乱γ線を検出した放射線検出器を特定することを特徴とするPET検査装置。 - 請求項1又は2記載のPET検査装置において、
更に、前記複数の放射線検出器の前面に配置され、γ線を通過させるコリメータを備えることを特徴とするPET検査装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載のPET検査装置において、
前記複数の放射線検出器は略環状に配設され、かつ軸方向に複数配列されると共に、径方向に多層に配置されていることを特徴とするPET検査装置。 - 請求項4記載のPET検査装置において、
前記放射線検出器からの検出信号をパルス信号に変換し出力するγ線弁別装置を備えたことを特徴とするPET検査装置。 - 請求項5記載のPET検査装置において、
前記同時計数装置はγ線を検出した放射線検出器の位置情報、及びその放射線検出器の検出信号に基づいた前記パルス信号の計数情報を出力することを特徴とするPET検査装置。 - 請求項6記載のPET検査装置において、
前記全減衰したγ線を検出した放射線検出器及び前記非散乱γ線を検出した放射線検出器の位置情報及び前記計数情報に基づいてPET像のデータを作成するPET像作成装置と、前記PET像のデータを表示する表示装置とを更に備えたことを特徴とするPET検査装置。 - 請求項1記載のPET検査装置において、
前記全減衰したγ線を検出した放射線検出器及び前記非散乱γ線を検出した放射線検出器の位置情報、及び前記全減衰したγ線を検出した放射線検出器及び前記非散乱γ線を検出した放射線検出器の出力である検出信号に基づいて、PET像のデータを作成するPET像作成装置を備えたことを特徴とするPET検査装置。 - 請求項4〜8のいずれか1項記載のPET検査装置において、
X線を放射するX線源を更に備えたことを特徴とするPET検査装置。 - 請求項9記載のPET検査装置において、
多層配置した前記放射線検出器のうち、少なくとも最も内側に配列された複数の放射線検出器はγ線及びX線の検出に共用され、これら共用の放射線検出器で検出されたγ線及びX線の検出信号を弁別する信号弁別装置を更に備えたことを特徴とするPET検査装置。
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