JP4507916B2 - 医用画像診断装置 - Google Patents

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Description

この発明は、医用画像診断装置に関し、とくに癌などを早期発見するのに好適な医用画像診断装置に関する。
癌を早い段階で発見することはその治療のためにきわめて重要である。癌の早期発見のための手法・装置として種々のものが知られているが、そのうち、PET(ポジトロン・エミッション・トモグラフィ)検査は癌細胞がかなり小さい段階での発見が容易であることおよび放射線被曝の問題が生じないことから有望視されている。
PET検査は、被検者の特定の断面におけるポジトロン放出性核種の分布像(断層像)を計算によって求めるものである。癌の病巣に集まる性質を有する薬剤にポジトロン放出性核種で標識した上で、この薬剤を人体内に投与する。ポジトロン消滅時に180°反対方向にガンマ線が放出されるので、これを人体の360°周囲において検出し、その2つのガンマ線の同時入射をとらえる。それらの入射位置を結ぶ線上に核種が位置するのであるから、それら入射位置を結ぶ線のデータを位置データとして得る。こうした位置データを一定時間収集し、演算処理することにより、核種の分布像を再構成する。この分布像(断層像)は、癌病巣そのものの大きさ・形状を表わしているため、直接的な診断が可能である。
ところが、このPET画像は核種の集積・分布状態を表わすのみであるため、それが人体内組織のどこに存在するかについては、示すものではない。そこで、従来より、人体内の組織の形状を求めるものとして、X線吸収係数の分布を画像化するX線CT検査が併用され、これらPET画像とCT画像とから確実な診断を行うようにしている。
ところでX線CT画像を撮影する場合、被検者の体型や検査部位(スライス位置)などに応じて各々最適なX線撮像条件を定める必要がある。従来では、このX線CT撮像条件の設定入力は、操作者の手作業に任されていた。そのため、操作者には熟練や経験が要求されるとともに、その設定には相当な手間や時間を要するという問題があり、簡易かつ迅速にX線CT撮像を行うことは困難であった。
なお、PET装置とX線CT装置とこれらに共通な検査台とを用いるシステムも、下記の特許文献1のように知られているが、このシステムでは、X線CT装置によって得るデータはPETデータの吸収補正に使用しようというものであって、X線CT装置から診断のためのCT画像を得ようというものではない。
特開平7−20245号公報
この発明の課題は、PET検査とX線CT検査とを併用することが可能で、かつX線CT検査の際のX線撮像条件の最適な設定を自動的に行うことができるようにした、医用画像診断装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1記載の医用画像診断装置においては、エミッションデータおよびトランスミッションデータの取得可能なPETデータ収集部と、該PETデータ収集部に並置されたCTデータ収集部と、これら2つのデータ収集部に共通な、被検者用ベッド天板を有する検査台と、上記収集したPETデータによりPET画像を再構成するとともに取得したトランスミッションデータにより該PET画像の吸収補正を行うPET画像再構成部と、上記のトランスミッションデータを用いてCTデータ収集部における撮像条件設定を行う制御部と、上記収集したCTデータよりCT画像を再構成するCT画像再構成部とが備えられることが特徴となっている。
請求項2記載の医用画像診断装置では、上記のエミッションデータおよびトランスミッションデータの取得可能なPETデータ収集部は、空間的に並置されたエミッションデータ用放射線検出器およびトランスミッションデータ用放射線検出器と、該トランスミッションデータ用放射線検出器の内側に配置された外部線源とからなることが特徴となっている。
請求項3記載の医用画像診断装置では、エミッションデータおよびトランスミッションデータの取得可能なPETデータ収集部は、エミッションデータ収集とトランスミッションデータ収集とに兼用される放射線検出器と、該放射線検出器の内側に、トランスミッションデータの収集時にのみ選択的に配置されエミッションデータ収集時には配置されない外部線源とからなることが特徴となっている。
請求項1記載の医用画像診断装置において、PETデータ収集部は、エミッションデータおよびトランスミッションデータを取得することが可能に構成されており、このPETデータ収集部により被検者の検査部位に対するエミッションデータ収集し、このデータを画像再構成処理することにより、PET画像を再構成する。PETデータ収集部ではトランスミッションデータも取得できるので、このトランスミッションデータを用いることにより、PET画像の吸収補正を行うことができる。引き続いてCTデータ収集およびCT画像再構成を行う場合、上記のトランスミッションデータを用いて各部の最適X線CT撮像条件を求め、これにしたがってX線CT撮像条件を定めてCTデータ収集を行う。そのため、良好なCT画像を再構成することができるとともに、CTデータ収集時の被検者に対する余分なX線被曝を避けることができる。また、トランスミッションデータを用いて最適X線CT撮像条件を求めるようにしているため、別途X線透過像を撮像した上で、そのX線透過像からX線CT撮像条件を求める場合よりも、被検者に対するX線被曝量を減少させることができる。
請求項2記載の医用画像診断装置では、PETデータ収集部は、エミッションデータ用放射線検出器およびトランスミッションデータ用放射線検出器とが空間的に並置されて構成されており、一方の放射線検出器でエミッションデータを、他方の放射線検出器でトランスミッションデータを、それぞれ、同時に取得することができる。そのため、エミッションデータを収集しながら同時にトランスミッションデータも収集できるので、全体のデータ収集時間を短縮することができる。
請求項3記載の医用画像診断装置では、PETデータ収集部は、エミッションデータ用放射線検出器およびトランスミッションデータ用放射線検出器がいわば時分割的に構成されており、放射線検出器はエミッションデータ収集とトランスミッションデータ収集とに兼用されていて、外部線源が放射線検出器の内側に配置された時にトランスミッションデータを収集でき、この外部線源が配置されない時にはエミッションデータを収集することができる。したがって、エミッションデータとトランスミッションデータとを同時に収集することはできないが、同じ放射線検出器をこれらのデータ収集に兼用することができるため、構成が簡単になるとともに、すべての放射線検出器でトランスミッションデータを収集できるので、多数の断層面でのトランスミッションデータ収集を同時に行うことができる。
つぎに、この発明を実施した医用画像診断装置について図面を参照して説明する。
図1に示すように、この発明の第1の実施例にかかる医用画像診断装置では、検査台10と、PETガントリ20と、CTガントリ30と、コンソール40とが備えられている。PETガントリ20はPETデータ収集部を構成するもので、中央部にトンネル部21が設けられ、このトンネル部21を囲むようにそれぞれリング型に配列されたエミッションデータ収集用の放射線検出器22とトランスミッションデータ収集用の放射線検出器23とが、トンネル部21の中心軸方向(そのなかに挿入される被検者13の体軸の方向)に空間的に並置されている。エミッションデータ収集用の放射線検出器22は、多数の放射線検出器をリング型に配列したもので、ここではそのリングのなす平面に直角な方向(トンネル部21の中心軸方向)に多層に積層され、全体では円筒型となっている。トランスミッションデータ収集用の放射線検出器23も同様に多数の放射線検出器のリング型配列からなるが、ここでは1層(または数層)に形成されており、エミッションデータ収集用放射線検出器22ほどの層数を有していない。
放射線シールド板24、25、26はリング型に形成されており、放射線検出器22、23を挟むように配置され、放射線検出器22、23を放射線に関して相互に分離するようにしている。トランスミッションデータ収集用の放射線検出器23のリング型配列の内側には点状(ないし被検者13の体軸に平行なライン状となっていて放射線検出器23のリング型配列が形成する平面では点とみなし得る)放射線源27が配置され、図では省略している機構によって、図2に示すように、放射線検出器23のリング型配列に沿った円周軌道上に移動(回転)するようにされている。
PETガントリ20のトンネル部21は、そのなかに放射性薬剤が投与された被検者13を挿入するためのものである。放射性薬剤が投与された被検者13がトンネル部21内に挿入されているとき、被検者13の体内の放射性薬剤から放出される放射線がその周囲にリング型に配置された放射線検出器22で検出される。ポジトロン放出性核種が消滅するときに180°反対方向に放出されるガンマ線がリング型に配置された放射線検出器22の2つに同時に入射したことを検出し、その2つの放射線検出器22を結ぶ直線に関して計数する。こうして計数されるデータは、この2つの放射線検出器22を結ぶ直線上に放射性薬剤が存在していることを表すエミッションデータである。ここでは放射線検出器22は上記の通り被検者13の体軸方向に多数層に形成されているため、各層ごとにエミッションデータを収集することができ、各層が位置する多数のスライス面でのエミッションデータ収集を同時に行うことができる。
また、トランスミッションデータ収集用の放射線検出器23でも同様にデータ収集がなされる。この放射線検出器23のリング型配列の内側には、放射線源27が置かれているため、図2に示すようにこの線源27から180°反対方向に放出される2つのガンマ線がリング型に配置された放射線検出器23の2つに同時に入射したことが検出され、その同時入射した2つの放射線検出器23の位置ごとに計数される。180°反対方向に放出される2つのガンマ線の一方は被検者13を通り吸収を受けるので、計数されたデータは吸収量を表すトランスミッションデータということになる。線源27が一箇所に止まっているときその線源27を中心とする各方向のトランスミッションデータが収集される。線源27は放射線検出器23のリング型配列に沿って回転し、その位置が順次動いていくため、被検者13の周囲の各点を中心とする各方向のトランスミッションデータが収集されることになる。こうしたトランスミッションデータが放射線検出器23が配置されている平面内で収集され、放射線検出器23が1層だけ形成されているときはその層が位置する一つのスライス面でデータ収集され、複数層形成されているときはそれらの層がそれぞれ位置する複数のスライス面でデータ収集される。
CTガントリ30はX線CTデータを収集するデータ収集部となっており、中央にトンネル部31が形成され、このトンネル部31の周囲にX線管32とX線検出器33を回転させる回転機構(図では省略)が備えられている。X線検出器33は回転平面内で所定の長さを持った1次元の検出器で、このX線検出器33とX線管32とが回転することによって、トンネル部31のなかに挿入された被検者13の断面に対するX線によるスキャンを行い、各方向からのX線吸収分布データを収集する。
検査台10は、これらPETガントリ20およびCTガントリ30に対して共通に使用されるようになっている。検査台10に対して、PETガントリ20、CTガントリ30の順でこれらガントリ20、30が並置され、それらのトンネル部21、31にベッド天板11に載置された被検者13が挿入されるような位置関係とされている。コンソール40には、これら検査台10、PETガントリ20およびCTガントリ30をコントロールする制御部が設けられるとともに、キーボードやマウスなどの入力装置や画像モニター装置が備えられる。さらにここでは、このコンソール40のなかにPET画像再構成部とCT画像再構成部とが収められている。
このコンソール40のキーボードなどを操作することによって検査開始の指令を入力すると、制御部の動作によって、図3のフローチャートで示すように、まずステップ51で検査が開始され、ステップ52でPETデータ収集部が作動し、エミッションデータとともにトランスミッションデータが収集される。このとき、被検者13にはあらかじめFDGなどのポジトロン放出性核種で標識された薬剤が投与されており、40分から60分ほど経過して、この薬剤が癌病巣に集積した状態となっている。そして、被検者13は検査台10のベッド天板11上に横たえられ、制御部によって検査台10が制御されてベッド天板11が移動し、被検者13が頭部から脚部へとその全身がトンネル部21に通され、被検者13の全身に対してトランスミッションデータおよびエミッションデータの収集(スキャン)がなされる。
図1の左方向に被検者13が移動していくとき、被検者13の各スライス面について、トランスミッションデータがまずトランスミッションデータ用放射線検出器23で収集され、つぎにエミッションデータがエミッションデータ用放射線検出22で収集される。このエミッションデータから、被検者13の体内各スライス面での放射性薬剤の濃度分布を表すPET画像を再構成することができる。なお、ここでは、この左方向への移動はステップ的に行い、その停止時に線源27を1回転させてトランスミッションデータを収集し、各スライス面でのデータ収集を順次行うようにしている。停止させずに移動させながらトランスミッションデータ収集を連続的に行うこともできるが、その場合螺旋形にデータ収集することになる。
このエミッションデータは、被検者13の身体内の放射性薬剤からの放射線がその体内で吸収されることの影響を受けている。一方、上記のようにトランスミッションデータは各方向からのガンマ線が被検者13の体内を透過するときの吸収を表している。そこで、ここでは、エミッションデータから吸収の影響を除去する補正処理をトランスミッションデータを用いて行い、吸収補正後のエミッションデータからPET画像を再構成するようにしている。この吸収補正と画像再構成の演算処理は、コンソール4に収められたPET画像再構成部により行われる。
なお、この吸収補正は、ここでは、画像再構成前のエミッションデータについて行うようにしているが、エミッションデータから再構成したPET画像に対して、トランスミッションデータから再構成した吸収係数の分布画像を用いた吸収補正を行うようにしてもよい。また、トランスミッションデータ用放射線検出器23によりトランスミッションデータを収集するとき、被検者13中の放射性薬剤からのガンマ線入射によるエミッションデータも同時に収集されてしまうので、たとえばエミッションデータ用放射線検出器22で収集したエミッションデータを引き算する等の処理を行うことにより、トランスミッションデータに含まれている混入エミッションデータをあらかじめ取り除いておくことが望ましい。
こうして被検者13の全身の各スライス面におけるPET画像が再構成されると、各スライス面についてSUV画像が作成されてこれが表示される(ステップ53)。このSUV値は、癌化を示す指標となる値であってPET画像の画素値と対応関係がある。SUV画像は、画素値としてこのSUV値を有する画像である。このSUV画像は制御部で作成してもよいし、PET画像再構成部において作成してもよい。
つぎにこのSUV画像に基づいて制御部において自動診断を行う(ステップ54)。これはSUV画像の画素値を所定のしきい値と比較することにより行い、そのしきい値を超える部分があれば癌の疑いが濃い部分であると判定して、その部分を明確に色分けして表示するとともに、たとえば「癌の疑いあり」、「CT検査に進む」、「Yes」、「No」などのメッセージを表示する。しきい値を超える部分がない場合にはステップ59に移り検査終了する。
しきい値を超える部分がある場合、上記のような画像表示とメッセージ表示により、医師に、確認とCT検査に進むかどうかの入力を促す(ステップ55)。医師は、画面に表示されたSUV画像を観察してCT検査に進むか否かを判断し、画面の「Yes」、「No」部分のいずれかをマウスなどでクリックしたり、あるいはコンソール40に設けられたキーなどのスイッチ操作を行ってその判断結果を入力する。「No」(CT検査に進まない)が入力されたときはステップ59に移り検査終了する。
「Yes」(CT検査に進む)を入力したときは、さらにX線CT検査を行う範囲を、たとえばSUV画像を参照しながら、入力する。また、スライス厚などの撮像条件も入力する。つぎに、検査台10が制御されてベッド天板11が移動し、被検者13がCTガントリ30のトンネル部31に挿入された状態となる(ステップ56)。この状態で被検者13に対するCTデータ収集およびCT画像再構成が行われるよう、制御部がCTデータ収集部の管電流などの撮像条件およびCT画像再構成部を制御する(ステップ57)。なお、CTデータ収集および画像再構成する範囲は、被検者13の全身としてもよいが、上記のSUV値の高い部分の近傍のみとする方がX線被曝を抑える点で望ましい。このようなCT検査範囲の限定は、上記のように操作者に入力させてもよいが、制御部によってSUV画像に基づいて自動的に行うこともできる。
こうしてCT画像が得られると、制御部においてCT画像と先のPET画像とが重ね合わせ合成された融合画像が作成されて表示され、検査は終了する(ステップ59)。医師はこの融合画像をじっくり観察することにより精密な診断を行うことができる。
ここで、X線CT検査に入る前に、制御部が、PETデータ収集部により収集したトランスミッションデータを用いて、部位(スライス位置)ごとに最適なX線管32の電流を算出し、その管電流の設定を行っている。こうして、たとえば図4のように、被検者13の各スライス位置で異なる管電流が自動的に設定される。
たとえば肺臓では空気の成分が多いためX線吸収が少ないので線量を少なくすべきである。これに対して、腹部では胃、肝臓、腎臓などの臓器によりX線吸収が多くなるので線量を多くすべきである。このように、良好な画像を得るためには人体の各部のX線吸収量に応じてX線量を異ならせる必要がある。トランスミッションデータあるいはこれから画像再構成された各スライス面での吸収係数の分布画像データは各部のX線吸収量を表しているので、上記のようにこのデータに基づき各部で最適な管電流を自動的に設定して、各部での最適線量に対応させることができる。
この管電流の設定については、たとえば、CTデータ収集およびCT画像再構成する各スライスの厚さでの1回転分のトランスミッションデータから得られる吸収量とそのような吸収量を持つスライスについての最適な管電流との関係をあらかじめ求め、データベース化しておくことが考えられる。このようなデータベースを用いれば、各スライス位置ごとの1回転分のトランスミッションデータから吸収量を求めることにより、各スライス位置ごとの最適管電流をデータベースから取り出すことができる。
また、人体の場合一般に左右方向に幅広で前後方向には薄いので、このことを考慮し、方向によって厚さが異なることに対応させることも考えられる。つまり、被写体厚が厚いとX線吸収量が多くなることから、左右方向からX線を照射するときは前後方向からX線を照射するときよりはX線量を多くした方が良好なデータを得ることができる。PETデータ収集部では、上記のように線源27が被検者13の周囲を回転して各照射方向での放射線吸収データ(トランスミッションデータ)を収集しているため、このトランスミッションデータを用いてX線量を照射方向ごとに最適なものとするための、各方向での最適なX線管電流を求めることが可能である。こうして管電流を各方向で異なる値に設定してCTデータ収集することにより、より適切なCTデータの収集ができる。
このように最適管電流とすることにより、適切なCTデータの収集ができて良好なCT画像を得ることができるが、それに加えて、最適管電流とすることは余分なX線被曝を減少させることを意味し、被検者13に対するX線被曝線量を全体として低減させることができるという効果をも生み出す。また、X線吸収を求めるためPETデータ収集部によりトランスミッションデータを収集しているので、X線管32等からX線を照射してX線透過像を得てこのX線透過像からX線吸収を求める場合よりも、被検者13に対する被曝線量を減少させることができる。
なお、この例では、被検者13が左側に移動し、同じスライス位置については先にトランスミッションデータが収集され、後でエミッションデータが収集されるが、トランスミッションデータ収集用の放射線検出器23をエミッションデータ収集用の放射線検出器22の左側に配置して、収集順序を逆にしてもよい。
つぎにこの発明の第2の実施例について図5を参照しながら説明する。図5において、放射線検出器22は基本的にはエミッションデータを収集するためのものであるが、トランスミッションデータの収集にも兼用されるようになっている。ここでは、第1の実施例のように両データを同時に収集することはできないが、ある時にはエミッションデータを収集し他の時にはトランスミッションデータを収集するというように時分割的にそれぞれのデータを収集することができる。この放射線検出器22は、第1の実施例の放射線検出器22と同じであって、多数の放射線検出器をリング型に配列したもので、そのリングのなす平面に直角な方向(トンネル部21の中心軸方向)に多層に積層され、全体では円筒型となっている。この各層が位置するスライス面ごとに放射線同時計数データの収集がなされる。
そして、この円筒型の放射線検出器22の内側にロッド状の放射線源28が選択的に挿入されるようになっている。つまりロッド状放射線源28が、図示しない進退機構によって円筒型放射線検出器22の内側に挿入されたりそこから退避させられたりする。ロッド状放射線源28は図示のように挿入されているとき、図2で示したのと同様に、図示しない回転機構によって被検者13の周囲を移動するよう回転させられる。そのため、このときにはトランスミッションデータを収集することができる。ロッド状放射線源28が退避させられ、取り除かれたときには、被検者13の身体内放射性薬剤からの放射線によるエミッションデータの収集がなされる。
被検者13がトンネル部21内に挿入され、ある位置で静止しているとき、ロッド状放射線源28が挿入された状態と退避させられた状態の両方で放射線検出器22によるデータ収集がなされる。上記のように、挿入された状態ではトランスミッションデータが収集され、退避させられた状態ではエミッションデータの収集がなされる。いずれのデータを先に収集するかの先後関係はどちらでもよい。したがって被検者13がトンネル部21内のある位置で静止しているとき、多層の放射線検出器22の各層に対応する位置のスライス面でのトランスミッションデータとエミッションデータの収集がなされる。放射線検出器22の体軸方向の幅の分だけ、両データが収集されるので、この体軸方向幅分だけ被検者13を移動させ静止させることを繰り返し、その静止時に両データを収集するようにすれば、被検者13の全身をスキャンすることができる。
その他の構成および動作は第1の実施例と同様であるから説明は繰り返さない。この第2の実施例では、同じ放射線検出器22がエミッションデータの収集とトランスミッションデータの収集とに兼用されていて、構成が簡単になっている。また、両データを同時に収集することはできないが、エミッションデータおよびトランスミッションデータとも、放射線検出器22の体軸方向の幅内のすべてのスライス面で同時に収集できる。
以上2つの実施例について説明してきたが、これらは例示にすぎず、その具体的構成等は、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々に変更可能であることはいうまでもない。たとえば、上記では被検者13に放射性薬剤を投与した状態でトランスミッションデータとエミッションデータとを収集するようにしているが、投与前にトランスミッションデータを収集するようにしてもよい。その場合は最初にエミッションデータを一切含まないトランスミッションデータのみが収集されることになる。
また、外部放射線源27、28は、放射性薬剤として被検者13に投与したものと同じポジトロン放出性ラジオアイソトープで構成することもできるが、シングルフォトン放出性のラジオアイソトープで構成することもできる。この場合、放射線源27、28が回転移動していくときの各位置を別途検出して、その線源位置と放射線が入射した検出器とを結ぶ線に関して放射線入射事象を計数することになる。
さらに、上記の説明では、検査台10に対してPETガントリ20、CTガントリ30の順番でこれらが並置されているとしたが、逆の順番でもよいし、別の筐体ではなく一つの筐体にPETデータ収集部とCTデータ収集部とを収めた一体型のガントリとして構成することもできる。また、PET画像再構成部とCT画像再構成部とをコンソール40内に収めることとしたが、別々に構成することもでき、その場合は、個別に構成されたPET装置とCT装置とを制御部で結合したシステムということになる。
また、上記では、SUV画像を作成して医者の判断を支援するようにしたが、より簡易には、これを省略し、再構成されたPET画像を表示するとともに、その画像を観察した医者のCT検査へと進むか否かの入力を促すメッセージを表示するだけの構成とすることも可能である。この場合SUV値の高い部分が色分けして表示されるわけではなく、PET画像そのものが表示されるだけであるから、このPET画像から医者が癌とおぼしき部分を見つけ出す作業の負担が増えるが、経験等を積めばかえって正確な判断が期待できる。
PET検査とCT検査とを併用した場合には、PET検査、CT検査をそれぞれ単独で行う場合よりも高い確率で癌などの悪性腫瘍を発見できる。PET検査時にエミッションデータに加えてトランスミッションデータをも収集し、このトランスミッションデータを用いてCT検査時の最適X線撮像条件を定めることができるので、余分なX線被曝を減少させて良好なX線CT画像を得ることができる。また、X線CT撮像条件を定めるためにトランスミッションデータを用いることは、X線透過像を用いる場合に比べて、被曝線量を減少させることができるので、この点でも患者のX線被曝線量の減少に役立つ。このような医用画像診断装置が比較的簡単な構成で安価に実現可能である。
この発明の第1の実施例を側面より示すブロック図。 同実施例のPETガントリ部分のとくにトランスミッションデータ収集部の正面図。 同実施例の動作説明のためのフローチャート。 スライス位置ごとの最適X線管電流を示すグラフ。 この発明の第2の実施例を側面より示すブロック図。
符号の説明
10 検査台
11 ベッド天板
13 被検者
20 PETガントリ
21 トンネル部
22 エミッションデータ収集用放射線検出器
23 トランスミッションデータ収集用放射線検出器
24、25、26 リング型放射線シールド板
27 トランスミッションデータ収集用点状放射線源
28 トランスミッションデータ収集用ロッド状放射線源
30 CTガントリ
31 トンネル部
32 X線管
33 X線検出器
40 コンソール

Claims (3)

  1. エミッションデータおよびトランスミッションデータの取得可能なPETデータ収集部と、該PETデータ収集部に並置されたCTデータ収集部と、これら2つのデータ収集部に共通な、被検者用ベッド天板を有する検査台と、上記PETデータ収集部により収集したエミッションデータからPET画像を再構成するとともに取得したトランスミッションデータにより該PET画像の吸収補正を行うPET画像再構成部と、上記のトランスミッションデータを用いてCTデータ収集部における撮像条件設定を行う制御部と、上記収集したCTデータよりCT画像を再構成するCT画像再構成部とを備えることを特徴とする医用画像診断装置。
  2. エミッションデータおよびトランスミッションデータの取得可能なPETデータ収集部は、空間的に並置されたエミッションデータ用放射線検出器およびトランスミッションデータ用放射線検出器と、該トランスミッションデータ用放射線検出器の内側に配置された外部線源とからなることを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
  3. エミッションデータおよびトランスミッションデータの取得可能なPETデータ収集部は、エミッションデータ収集とトランスミッションデータ収集とに兼用される放射線検出器と、該放射線検出器の内側に、トランスミッションデータの収集時にのみ選択的に配置されエミッションデータ収集時には配置されない外部線源とからなることを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
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