JPH06308243A - シンチレーションカメラ及びそれを用いた放射線診断方法 - Google Patents

シンチレーションカメラ及びそれを用いた放射線診断方法

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JPH06308243A
JPH06308243A JP158194A JP158194A JPH06308243A JP H06308243 A JPH06308243 A JP H06308243A JP 158194 A JP158194 A JP 158194A JP 158194 A JP158194 A JP 158194A JP H06308243 A JPH06308243 A JP H06308243A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検体内の所定の放射性同位元素を含む物質
以外の物質及び被検体以外の吸収体の少なくとも一方の
吸収による影響を補正し、更には、収集されたデータか
ら短時間かつ高精度に散乱成分を補正することによっ
て、より正確な被検体のRI分布を画像化するシンチレ
ーションカメラを提供すること。 【構成】 被検体に投与された放射性同位元素から発生
するガンマ線を検出して、検出データを出力する検出手
段(12)と、前記検出手段から出力された検出データ
の散乱線成分を除去する除去手段(30)と、前記被検
体と前記検出手段との間に位置する放射線吸収体の放射
線吸収データを記憶する記憶手段(42)と、前記除去
手段で散乱線成分が除去された検出データを前記記憶手
段から供給される放射線吸収データに基づいて補正する
補正手段(40)と、前記補正手段によって補正された
検出データを出力する出力手段(60)と備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二次元画像の散乱線の
補正と、被検体内の構成物質及び被検体以外の物質の少
なくとも一方によるγ線の吸収の補正とを行うシンチレ
ーションカメラ及びそれを用いた放射線診断方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の核医学機器システムにおいては、
放射性同位元素(以下、RIと称す)を被検体に投与
し、そのRI分布状態をシンチレーションカメラにより
画像化し診断に供している。断層像撮影装置として、シ
ングル・フォトン・エミッション・コンピュータ断層撮
影装置(以下、SPECT装置と称す)が広く普及発展
してきている。この種の核医学機器システムにおける診
断機能を向上するために、被検体内のRIから放射され
るγ線が受ける吸収と散乱の影響を取り除き、正確なR
Iの分布状態を得ることが要求される。
【0003】上記のような従来装置において、被検体自
身の吸収の補正については考えられてきている。しか
し、被検体の周囲にある被検体以外の放射線吸収体(以
下、単に「吸収体」と称する)の吸収については極力そ
の吸収を小さくする措置は採られているが、被検体以外
の吸収体の吸収の影響を取り除く手段は講じられていな
い。しかし、実際には、被検体の周囲には、被検体を載
せるベッドなど、画像に影響する吸収体が存在してい
る。そのため、ベッドなどの吸収体を含む投影像により
再構成した断層像は、ベッドなどの余分な吸収を含む。
しかし、従来は、このベッドなどの吸収の影響は、その
画像を観察して診断する時点で医師等がそのことを考慮
して診断する以外に有効な方法がない。
【0004】上記の問題点を解決するために、予めベッ
ドの形状を記憶しておくことにより、このベッドによる
放射線の吸収を補正する装置が提案されている(特開昭
63−85481)。この装置によれば、投影方向が決
まれば、予め記憶されたベッドの吸収を補正することが
できる。
【0005】しかし、この装置では、ベッドの吸収は基
本的には補正可能であるが、具体的な吸収補正方法に関
する手段は開示されていない。この装置では、散乱線成
分を取り除く手段は考慮されていない。更に、被検体以
外の吸収補正をベッドのみに限っているので、ベッド以
外の吸収に関しては、その吸収補正を行うことができな
い。
【0006】更に、散乱補正及び吸収補正を行うことが
可能な場合にも、散乱補正を行ってから吸収補正を行う
ようにしないと、正確な被検体の断層像を得ることがで
きない。例えば、被検体がドーナツ状である場合を考慮
する。被検体の中心部はRIが存在しないので、断層像
も中心が存在しないような像が得られなければならな
い。しかし、吸収補正を行ってから散乱補正を行うよう
に構成すると、被検体の中心部にはRIが存在しないに
もかかわらず、吸収補正によって放射線量がシフトされ
るので、その後に散乱補正を行ってもあたかも被検体の
中心部にRIが存在するような像が得られるという不具
合がある。
【0007】被検体のみの吸収の影響を考慮した場合に
は、例えば、再構成された断層像から被検体の中心付近
がくぼんでいるのを見込んで診断することも可能であ
り、又は、CHANG法等により吸収の補正も可能であ
る。しかしながら、実際には、被検体以外にベッド等の
局所的な吸収の影響があると共に、被検体自身において
も、例えば、骨部等の放射性同位元素を含まない被検体
内の物質の吸収がある。従って、従来の方法では、これ
らの吸収が考慮に入れられていないので、再構成された
断層像自体が歪んだ画像となり、画像の正確な評価が困
難である。
【0008】上記のように、従来のシンチレーションカ
メラは、被検体以外の吸収体による吸収の影響を考慮し
ていない。ベッドの吸収を考慮した技術も開示されてい
るが、その具体的な解決方法に関する知見が欠けると共
に、散乱線成分の除去、更には、被検体内の所定の放射
性同位元素を含む物質以外の物質による吸収の影響を除
去する手段は開示されていない。従って、再構成された
断層像が歪んだ画像となるので、画像の評価が難しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、被検体内の
所定の放射性同位元素を含む物質以外の物質及び被検体
以外の吸収体の少なくとも一方の吸収による影響を補正
し、更には、収集されたデータから短時間かつ高精度に
散乱成分を補正することによって、より正確な被検体の
RI分布を画像化するシンチレーションカメラを提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために次のような手段を講じた。本発明の第1
局面に係るシンチレーションカメラは、被検体に投与さ
れた放射性同位元素から発生するガンマ線を検出して、
検出データを出力する検出手段と、前記検出手段から出
力された検出データの散乱線成分を除去する除去手段
と、前記被検体と前記検出手段との間に位置する放射線
吸収体の放射線吸収データを記憶する記憶手段と、前記
除去手段で散乱線成分が除去された検出データを前記記
憶手段から供給される放射線吸収データに基づいて補正
する補正手段と、前記補正手段によって補正された検出
データを出力する出力手段とを具備することを特徴とす
る。
【0011】本発明の第2局面に係るシンチレーション
カメラは、被検体に投与された放射性同位元素から発生
するガンマ線を検出して、検出データを出力する検出手
段と、前記被検体と前記検出手段との間に位置する放射
線吸収体の放射線吸収データを記憶する記憶手段と、前
記検出手段によって検出された検出データを前記記憶手
段から供給される放射線吸収データに基づいて補正する
補正手段と、前記補正手段によって補正された検出デー
タを出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
本シンチレーションカメラは、前記検出手段から出力さ
れた検出データに含まれる前記放射線吸収体に起因する
散乱線成分を除去する除去手段を更に具備する。
【0012】本発明の第1及び第2局面のシンチレーシ
ョンカメラは、前記放射線吸収体の位置及び形状データ
を含む吸収体分布を作成する吸収体作成手段を更にを具
備し、前記記憶手段は、前記放射線吸収体の前記吸収体
分布を記憶することを特徴とする。
【0013】本発明の第1及び第2局面のシンチレーシ
ョンカメラは、前記被検体と前記検出手段との間で相対
的な回転運動を行うことにより、前記検出手段が前記被
検体を走査する走査手段を更に具備し、前記記憶手段
は、前記記憶手段が、前記走査手段による所定の回転角
度毎の放射線吸収データを記憶することを特徴とする。
【0014】上記のシンチレーションカメラの望ましい
実施態様としては、 (a)前記放射線吸収体は、天板及び頭蓋骨の少なくと
も1つからなること。 (b)前記記憶手段が、前記放射線吸収体による放射線
吸収データを、前記被検体の放射線吸収データで換算し
た等価吸収量で記憶すること。 (c)前記除去手段が、前記検出されたガンマ線のエネ
ルギーウィンドウを一つの光電ピークに関して少なくと
も1つ設定する手段と、前記エネルギーウィンドウにお
ける散乱成分補正係数を求める手段と、前記散乱成分補
正係数を用いて前記検出データからガンマ線の散乱線成
分を除去する手段と、を有すること。がある。
【0015】更に、本発明の放射線診断方法は、前記被
検体と前記検出器との間に位置する放射線吸収体の放射
線吸収データを予め記憶するステップと、前記被検体に
投与された放射性同位元素から発生するガンマ線を前記
検出器により検出して、検出データを出力するステップ
と、前記検出データを前記放射線吸収データに基づいて
補正するステップと、前記補正された検出データを出力
するステップとを具備することを特徴とする。
【0016】
【作用】上記手段を講じた結果、次のような作用が生じ
る。本発明によれば、被検体内の所定の放射性同位元素
を含む物質以外の例えば頭蓋骨等の物質、或いは被検体
以外の例えばベッド等の吸収体(以下、「被検体等」と
称する)による吸収を補正する手段を備えたので、断層
像の画像の歪みを解消できる。加えて、本発明によれ
ば、被検体による部分的な吸収が除かれるので、画像の
分解能が向上する。更に、本発明は吸収を補正する手段
に加え散乱成分を補正する手段も備えたので、画質が向
上する。従って、診断精度が向上すると共に、吸収の影
響等を医師等が判断する必要がなくなるので、オペレー
タの負担が軽減され、人的誤差がなくなる。
【0017】
【実施例】図面参照して本発明の実施例を説明する。以
下、図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。本
発明の基本構成を図1に示す。図1は、本発明の一実施
例に係るシンチレーションカメラの主要部のブロック図
を示す。
【0018】本発明のシンチレーションカメラは、基本
的に、ガンマカメラ10と、被検体走査装置20と、散
乱線補正装置30と、吸収体作成装置40と、画像再構
成装置50と、表示装置60と、を備えた。本発明のシ
ンチレーションカメラは、必要に応じて図示しない磁気
ディスク等の記憶部を有し、その記憶部はガンマカメラ
10によって収集されたデータ及び画像再構成装置50
によって再構成された画像を記録する。
【0019】ガンマカメラ10は、図示しない被検体に
投与されたRIから放出されるγ線のエネルギーとγ線
の入射位置等を検出する。被検体走査装置20は、図示
しないガンマカメラの検出器と被検体とが、相対的な回
転運動を行うように被検体を走査する。この場合におい
て、被検体走査装置20による被検体の回転走査は、ガ
ンマカメラの検出器が被検体の周囲を回転することによ
って行っても良いし、被検体が回転することによって被
検体が回転走査されるようにしても良い。
【0020】散乱線補正装置30は、このガンマカメラ
10で収集された被検体内のRIの分布を示す二次元画
像(投影像)データに対する散乱線を補正する。吸収体
作成装置40は、ベッド等の被検体以外の物質の位置及
び形状データに基づいて吸収体の分布を作成する。吸収
体作成装置40は、図示しないベッド等の吸収体の形
状、厚さ及び吸収係数等を記憶する記憶部42を含む。
この場合において、記憶部42は、吸収体の吸収係数を
被検体の吸収係数とし、吸収体の厚さを被検体の吸収係
数で換算した厚さで保持しても良い。この場合は、吸収
体を被検体とを1つの物質として散乱線補正及び吸収補
正が可能となるので、補正を簡単に行うことができる。
【0021】画像再構成装置50は、前記散乱線補正装
置30の出力と前記吸収体作成装置40の吸収体分布と
に基づいて、散乱線補正された画像に吸収補正を更に行
い、画像を再構成する。
【0022】表示装置60は、画像再構成装置50によ
って再構成された画像を表示する。本発明の原理につい
て、図2から図5を参照して説明する。被検体内のある
位置から放射されたγ線は検出器であるガンマカメラ1
0に検出されるまでに被検体等を通過する。このため、
検出されたγ線は通過したそれぞれの物質によって散乱
及び吸収を受けている。
【0023】簡単なモデルを用いてγ線の吸収を説明す
る。図2に示すように、被検体80を構成する均質なn
個の物質に放射線源70から強度I0 のγ線を入射さ
せ、透過してきたγ線の強度Iを図示しない検出器で測
定すると、
【0024】
【数1】 の関係が成り立つ。(1)式において、μi (i=1、
2、3、・・・、n)はi番目の物質の減衰係数(c
m-1)、ti (i=1、2、3、・・・、n)はi番目
の物質の厚さ(cm)を示す。(1)式において、予め、
各物質の減衰係数μi と、その厚さti が分かっていれ
ば、(2)式により、IからI0 を求めることができ
る。
【0025】
【数2】
【0026】しかしながら、シンチレーションカメラで
は、図2に示したモデルをこのまま応用することはでき
ない。例えば、図3(a)に示すように、X線診断装置
はある一定の位置の配置されたX線源72からX線を被
検体80に照射し、その透過X線を図示しない検出器で
検出して被検体80のX線減衰の分布を求める。これに
対し、図3(b)に示すように、ガンマカメラ10は被
検体80内の様々な位置のRI74から放射されたγ線
を検出して、RI74の位置と量を求める。このため、
被検体80内の各位置から放射されたγ線の減衰は、そ
れぞれの被検体内80のRI74の位置により変わって
くる。これを式で表すと、
【0027】
【数3】 となる。
【0028】(3)式において、gはガンマカメラ10
により検出されるγ線、fは被検体内より放射されるγ
線(RI分布)を示す。μは、被検体によるγ線の減衰
係数(cm-1)、Lは被検体の中心線(X軸)から被検体
を外部と隔てる輪郭線までの距離(cm)である。
【0029】ところで、収集したデータには、散乱線成
分が含まれているので、(3)式を適用するには、散乱
成分を取り除くことが必要である。散乱成分は3ウィン
ドウ法を用いて除去する。
【0030】3ウィンドウ法は、被検体のγ線分布を示
す二次元画像を収集する際に、エネルギーウィンドウを
1つの光電ピークに関して複数設定し、その設定した各
エネルギーウィンドウ内の画像データを収集することに
より、二次元画像からγ線散乱成分を除去する方法であ
る。3ウィンドウ法の概略について図4を参照して説明
する。
【0031】図4において、縦軸が計数値G、横軸がエ
ネルギー(keV)であり、そのエネルギースペクトル
は、γ線の入射位置(x,y)で異なる。この時、上限
値WU、下限値WLとにウィンドウを設定した場合、γ
線の全エネルギースペクトルをG(x,y)とし、ウィ
ンドウ内の全データによる面積をP(x,y)、γ線散
乱成分を除去した光電ピークのみの面積をNPA(x,
y)、γ線散乱成分の面積をB(x,y)とすると、モ
ンテカルロ推定法により次の2式が成り立つ。
【0032】
【数4】 図4よりγ線散乱成分B(x,y)は、台形で近似でき
るので、B(x,y)は次の式で求められる。
【0033】
【数5】
【0034】上記の各式より、所望の光電ピークのみの
面積NPAが求められ、実際上のγ散乱成分を除去する
ことができる。上記のようにして、散乱成分の補正を行
った後に、被検体等に対する減衰の補正を行う。
【0035】被検体等による減衰の補正は以下に示すよ
うに行う。SPECT装置で収集したデータを上記の3
ウィンドウ法により散乱成分を取り除き、被検体の断面
を求めた後に、(3)式において投影方向の情報が含ま
れる式、
【0036】
【数6】 を解くことにより被検体断面のRIの分布状態fが求め
られる。
【0037】γ線源を含む被検体の外側に他の吸収体が
ある場合を考える。外側の吸収体の減衰係数μμA と、
通過する厚さtA が分かっているものとし、被検体自体
の減衰係数μ、Lは図5に示すように被検体80の形状
による。簡単のため、μA =μとすれば、(3)式は、
【0038】
【数7】 となる。(5)式を変形すると、
【0039】
【数8】 が得られる。(6)式において、後ろの項 exp{−μ
(L+tA )}はγ線放射位置に関係しないので、 exp
{μ(L+tA )}を両辺にかけることにより、(6)
式を
【0040】
【数9】 と変形できる。(7)式において、変数Xに関して1次
元のフーリエ変換を行うと、
【0041】
【数10】 式(9)において、複素数で表された周波数空間を、実
数の周波数空間に置き換えることによって、
【0042】
【数11】 が得られる。式(10)の逆フーリエ変換を行うと、
【0043】
【数12】 でfが求められるので、このfによって被検体内の正確
なRI分布状態が求められる。従来のフィルタード・バ
ックプロジェクション法などでは、被検体等の吸収を考
慮していないので、このfを正確に求めることができ
ず、減衰を考慮しない再構成が行われている。従って、
従来の装置では、本発明のような正確な被検体内のRI
分布が得られない。
【0044】一方、放射性同位元素を含んでいなけれ
ば、被検体等の減衰係数が被検体の減衰係数と違う場合
(μA ≠μ)でも、tA は(4)式のYとは無関係であ
るため、
【0045】
【数13】 となるtA ′を求めることで、tA の代わりにこのt
A ′を(4)式で用い、上記に則ってfを求めることが
できる。(6)式から吸収体以外の吸収成分だけに着目
して exp(−μtA )を両辺にかけると、
【0046】
【数14】 が導かれ、これから通常のフィルタードバックプロジェ
クション法などにより被検体以外の吸収について補正さ
れた断層像を得ることができる。
【0047】上記の原理について、本発明装置の各部に
ついて、その機能をまとめて図1を参照して説明する。
ガンマカメラ10で検出された二次元画像データをg
(x,θ)とする。このg(x,θ)は、散乱線補正装
置30で、上記の3ウィンドウ法により散乱線が補正さ
れ、gs(x,θ)になる。
【0048】このgs(x,θ)が画像再構成装置50
に入力する。一方、吸収体作成装置40は、被検体等の
位置及び形状等のデータから、吸収体を作成する。被検
体自身の吸収の長さをL1 (x,θ)、被検体以外の吸
収の長さをL2 (x,θ)とする。この場合、被検体と
被検体以外の吸収体を合わせた見かけ上の吸収の長さL
(x,θ)を吸収体作成装置40で求める。この時、L
(x,θ)は、次の式で表される。
【0049】
【数15】 となる。ここで、μB は被検体以外の吸収体の減衰係
数、μは被検体の減衰係数である。
【0050】上記のようにして、被検体と被検体以外の
吸収体を合わせた見かけ上の長さL(x,θ)が吸収体
作成装置40によって得られ、散乱線が補正されたデー
タgs(x,θ)を用いて、画像再構成装置50により
画像が再構成されてf(x,y)が求められる。
【0051】このようにして求められた画像が表示装置
60で表示される。図6及び図7を参照して、被検体の
外部の吸収体による吸収の影響を補正する方法について
説明する。
【0052】肝臓、心臓など胴体の一部の断層診断を行
う場合には、被検体はベッド(天板)の上に乗り、その
周りをガンマカメラ10が回転することにより、投影像
データが収集される。この際、図6に示すように、被検
体80内から放射されたγ線は、それぞれの角度でベッ
ド90を通過し、減衰してガンマカメラ10(検出器)
に到達する。ここで、所望の断層位置を各角度方向の投
影像からスライスすると、このスライスは投影したそれ
ぞれの方向でベッド90の吸収を受ける。投影方向とベ
ッド90の位置及び形状並びにベッド90の減衰係数
は、予め求められているものとして、この吸収を補正す
ることができる。
【0053】図7を参照して、投影角度d(ラジアン)
の投影像の補正方法について説明する。図7に示すよう
に検出器12のスタート位置での座標系をx−y、dラ
ジアンだけ回転したときの座標系をx′−y′とする。
ベッド90の内側及び外側の表面のラインがそれぞれO
in(x)、Oout (x)で表わされているもの仮定とす
る。座標を−dだけ回転させたOin′、Oout ′を求め
る。そうすると検出器12の位置においてγ線がベッド
90を到達する位置と通過する位置、
【0054】
【数16】 がそれぞれ求められるので、通過した距離、
【0055】
【数17】 を得る。このt(x′)と、予め求めておいたベッド9
0の減衰係数μとを用いて投影像に、
【0056】
【数18】 を乗算ことにより減衰を補正する。この補正された投影
像に基づいて公知の各種再構成法を使って断層像を再構
成する。
【0057】上記のように、本発明によれば、2次元画
像の散乱線の除去及び被検体の外部の吸収体による吸収
の補正ができるので、正確な断層像を簡易に得ることが
できる。
【0058】本発明は、吸収補正すべき物質が被検体の
外部でなく内部にある場合であっても適用可能である。
図8を参照してその実施例を説明する。頭部断層診断に
おいて、被検体の脳内部82にRIが分布するような場
合、脳内部82から放射されたγ線は、脳の周囲に位置
する頭蓋骨84を通過して検出器12に検出される。頭
蓋骨84はγ放射体(脳内部)82の外側に位置するの
で、本発明を適用して頭蓋骨による減衰の補正を施すこ
とができる。
【0059】具体的には、CT等で頭蓋骨84の形が抽
出され、頭蓋骨84の減衰係数が求められる。そして、
吸収補正すべき物質が被検体の外部にある場合と同様に
して、本発明を適用し、各角度方向によるγ線の通過距
離を算出し、投影像に補正を加え、各種再構成法により
断層像を再構成する。
【0060】上記より、本実施例の場合には、被検体の
外部の物質による吸収のみならず、被検体中の所定の放
射性同位元素を含まない物質による望ましくない吸収
(本実施例においては、頭蓋骨による吸収)を補正する
ことができる。従って、本発明は、被検体の外部の吸収
体のみならず、より広い範囲に適用することが可能であ
り、散乱線が除去され、被検体等の吸収体の影響が正確
に補正された画像が得られる。本発明は、上記実施例に
限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範
囲で種々変形して実施できるのは勿論である。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果が得られ
る。本発明によれば、被検体内の所定の放射性同位元素
を含む物質以外の例えば頭蓋骨等の物質、或いは被検体
以外の例えばベッド等の吸収体(以下、「被検体等」と
称する)による吸収を補正する手段を備えたので、断層
像の画像の歪みを解消できる。加えて、本発明によれ
ば、被検体による部分的な吸収が除かれるので、画像の
分解能が向上する。更に、本発明は吸収を補正する手段
に加え散乱成分を補正する手段も備えたので、画質が向
上する。従って、診断精度が向上すると共に、吸収の影
響等を医師等が判断する必要がなくなるので、オペレー
タの負担が軽減され、人的誤差がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るシンチレーションカ
メラの主要部のブロック図。
【図2】 γ線の吸収を説明するためのモデル図。
【図3】 X線診断装置とシンチレーションカメラの原
理の違いを説明するための図。
【図4】 3ウィンドウ法の原理を説明するための図。
【図5】 被検体による吸収補正を行う様子を示す図。
【図6】 被検体の外部の吸収体の吸収の影響を補正す
る方法について説明するための図。
【図7】 被検体の外部の吸収体の吸収の影響を補正す
る方法について説明するための図。
【図8】 吸収補正すべき物質が被検体の内部にある場
合に、その吸収の影響を補正する方法について説明する
ための図。
【符号の説明】
10…ガンマカメラ、12…検出器、20…被検体走査
装置、30…散乱線補正装置、40…吸収体作成装置、
42…記憶部、50…画像再構成装置、60…表示装
置、70…放射線源、72…X線源、80…被検体、8
2…脳内部、84…頭蓋骨、90…ベッド。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に投与された放射性同位元素から
    発生するガンマ線を検出して、検出データを出力する検
    出手段と、 前記検出手段から出力された検出データの散乱線成分を
    除去する除去手段と、 前記被検体と前記検出手段との間に位置する放射線吸収
    体の放射線吸収データを記憶する記憶手段と、 前記除去手段で散乱線成分が除去された検出データを前
    記記憶手段から供給される放射線吸収データに基づいて
    補正する補正手段と、 前記補正手段によって補正された検出データを出力する
    出力手段と、を具備することを特徴とするシンチレーシ
    ョンカメラ。
  2. 【請求項2】 被検体に投与された放射性同位元素から
    発生するガンマ線を検出して、検出データを出力する検
    出手段と、 前記被検体と前記検出手段との間に位置する放射線吸収
    体の放射線吸収データを記憶する記憶手段と、 前記検出手段によって検出された検出データを前記記憶
    手段から供給される放射線吸収データに基づいて補正す
    る補正手段と、 前記補正手段によって補正された検出データを出力する
    出力手段と、を具備することを特徴とするシンチレーシ
    ョンカメラ。
  3. 【請求項3】 前記放射線吸収体は、天板及び頭蓋骨の
    少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1ない
    し請求項2記載のシンチレーションカメラ。
  4. 【請求項4】 前記放射線吸収体の位置及び形状データ
    を含む吸収体分布を作成する吸収体作成手段を更に具備
    することを特徴とする請求項1ないし請求項2記載のシ
    ンチレーションカメラ。
  5. 【請求項5】 前記記憶手段が、前記放射線吸収体の前
    記吸収体分布を記憶することを特徴とする請求項4記載
    のシンチレーションカメラ。
  6. 【請求項6】 前記記憶手段が、前記放射線吸収体によ
    る放射線吸収データを、前記被検体の放射線吸収データ
    で換算した等価吸収量で記憶することを特徴とする請求
    項1、請求項2ないし請求項5記載のシンチレーション
    カメラ。
  7. 【請求項7】 前記被検体と前記検出手段との間で相対
    的な回転運動を行うことにより、前記検出手段が前記被
    検体を走査する走査手段を更に具備することを特徴とす
    る請求項1ないし請求項2記載のシンチレーションカメ
    ラ。
  8. 【請求項8】 前記記憶手段が、前記走査手段による所
    定の回転角度毎の放射線吸収データを記憶することを特
    徴とする請求項7記載のシンチレーションカメラ。
  9. 【請求項9】 前記検出手段から出力された検出データ
    に含まれる前記放射線吸収体に起因する散乱線成分を除
    去する除去手段を更に具備することを特徴とする請求項
    2記載のシンチレーションカメラ。
  10. 【請求項10】 前記除去手段が、前記検出されたガン
    マ線のエネルギーウィンドウを一つの光電ピークに関し
    て少なくとも1つ設定する手段と、前記エネルギーウィ
    ンドウにおける散乱成分補正係数を求める手段と、前記
    散乱成分補正係数を用いて前記検出データからガンマ線
    の散乱線成分を除去する手段と、を有することを特徴と
    する請求項1ないし請求項9記載のシンチレーションカ
    メラ。
  11. 【請求項11】 シンチレーションカメラを用い、被検
    体に投与された放射性同位元素から放出されたガンマ線
    を検出器で検出して前記被検体内の放射性同位元素の分
    布を得る放射線診断方法において、 前記被検体と前記検出器との間に位置する放射線吸収体
    の放射線吸収データを予め記憶するステップと、 前記被検体に投与された放射性同位元素から発生するガ
    ンマ線を前記検出器により検出して、検出データを出力
    するステップと、 前記検出データを前記放射線吸収データに基づいて補正
    するステップと、 前記補正された検出データを出力するステップと、を具
    備することを特徴とする放射線診断方法。
  12. 【請求項12】 前記検出器から出力された検出データ
    に含まれる前記放射線吸収体に起因する散乱線成分を除
    去するステップを更に具備することを特徴とする請求項
    11記載の放射線診断方法。
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