JPH07201528A - サーミスタ用磁器組成物及びその製造方法 - Google Patents
サーミスタ用磁器組成物及びその製造方法Info
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- JPH07201528A JPH07201528A JP6315761A JP31576194A JPH07201528A JP H07201528 A JPH07201528 A JP H07201528A JP 6315761 A JP6315761 A JP 6315761A JP 31576194 A JP31576194 A JP 31576194A JP H07201528 A JPH07201528 A JP H07201528A
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Abstract
・還元の両雰囲気に使用できる特性を示すサーミスタ用
磁器組成物及びその製造方法を提供する。 【構成】 YCrO3 系材料で、Yの一部/または全部
をSr、Smに置き換え、Crの一部をFe、Tiに置
き換えたサーミスタ用磁器組成物であり、また該組成物
を製造するに際して、該組成中の高温で気化し易い組成
成分の雰囲気を形成するように磁器製容器内で焼成する
ことにより、広い温度範囲で実用的な抵抗値をなし、か
つサーミスタの環境条件の変化に対して安定なサーミス
タ用磁器組成物及びその製造方法である。
Description
歴現象の少ないサーミスタ用磁器組成物及びその製造方
法に関するものである。
従来から、(a)Al2 O3 、Cr2O3 を主成分とす
るコランダム型結晶構造を主体とする材料(例えば特開
昭50−118294号公報)、(b)MgAl
2 O4 、MgCr2 O4 、MgFe2O4 等よりなるス
ピネル型結晶構造を有する化合物を主体とした材料(例
えば特開昭49−63995号公報)、(c)高融点で
導電性をもつペロブスカイト型結晶構造を有する化合物
を主体とした材料、例えばLa(Al1-X CrX )O3
系の組成をもつ材料(例えば特開昭51−108298
号公報)、絶縁基板上にLaCrO3 を薄膜化して用い
る材料(例えば特開昭61−161701号公報)、L
aCrO3 とMgAl2 O4 とを混合した材料(例えば
特開昭51−95297号公報、特開昭51−2369
1号公報)等が使用されてきた。
ンダム型結晶構造を主体とする材料は温度−抵抗特性に
バリエーションをもたせるために種々の元素を添加する
が、その添加量を多くすると被熱による抵抗値の履歴が
大きくなる等の問題があった。又、本材料の焼成温度は
1670℃と高いためリード線として用いる白金線が脆
化してしまうという問題もある。(b)スピネル型結晶
構造を有する化合物を主体とした材料は、温度勾配定数
(β)が大きいため広い温度域で使用できない等の問題
があった。また、NiAl2 O4 系材料(特開昭49−
29493号公報等)、CoAl2O4 系材料(特開昭
48−705号公報等)があるが、いずれも耐熱性が低
くく高温で使用できないという問題があった。
合物系材料は、Laの酸化物が未反応のまま残っている
ことがあり、その場合には、その未反応物が大気中の水
分と反応して不安定なLa(OH)3 となり、素子が崩
壊してしまうとか、抵抗値が不安定になる等の問題や、
原料成分中に高温で気化し易い酸化クロム等を含んでい
るため、焼成中にその成分が気化して減少してしまい組
成の精密な調整が困難となり、抵抗値とか、耐久性能に
バラツキが発生してしまうという問題があった。
し、材料の組成を正確に調整することにより使用目的に
適した抵抗値を有するサーミスタ、広い範囲の抵抗値を
有するサーミスタ、吸湿性のない、雰囲気の湿度とか熱
履歴による特性の劣化が少なく、リード線の強度の強
い、又、室温から1100℃までの広い温度域で使用可
能なサーミスタ用磁器組成物を提供することにある。
又、抵抗値のバラツキが少ないサーミスタを大量に効率
的に生産することのできる。
の結果、次の発明をなした。即ち、第1の発明は、Aを
元素周期表の第2a族及びLaを除く第3a族に属する
元素から選ばれた少なくとも1つの元素、M1 をCr、
Mn、Co及びNiから選ばれた少なくとも1つの元
素、M2 をFeまたは(Fe+Al)とし、Y、Zは、
0.05≦Y/(1−Y−Z)≦0.4 及び、0.0
25≦Z≦0.35、を満たすものとしたとき、化学式
A(M1 1-Y-Z M2 Y TiZ )O3 で表されるサーミス
タ用磁器組成物。第2の発明は、前記第1の発明におい
て、AをY及びランタニドから選ばれた少なくとも1つ
の元素としたことを特徴とする磁器組成物である。な
お、ここでランタニドとはLaを除いたランタノイド、
即ち、原子番号58番Ceから同71番Luまでの14
種の元素を示す。第3の発明は、前記第1ないし第2の
発明において、サーミスタ用磁器組成物に対して0.5
重量%から10重量%の焼結助剤相を有するサーミスタ
用磁器組成物である。
r1-Y-Z FeY TiZ )O3 、但し、Qは元素周期表の
第2a族及びLaを除く第3a族に属する元素から選ば
れた少なくとも1つの元素であって、かつ、X、Y、Z
は、0.351≧X≧0.01、0.4≧Y/(1−Y
−Z)≧0.05及び0.35≧Z≧0.025で表さ
れるサーミスタ用磁器組成物である。
QをSr及びランタニドから選ばれた少なくとも1つの
元素であることを特徴としたサーミスタ用磁器組成物で
ある。第6の発明は、化学式〔(Y1-W RW )
1-X QX 〕(Cr1-Y-Z FeY TiZ )O3 、但し、Q
は元素周期表の第2a族に属する元素の内の少なくとも
1つの元素、Rは元素周期表の第3a族に属する元素の
内の少なくとも1つの元素であり、W、X、Y、Zは、
1.0≧W≧0、0.351≧X≧0.01、0.4≧
Y/(1−Y−Z)≧0.05及び、0.35≧Z≧
0.025 で表されるサーミスタ用磁器組成物であ
る。
QはSrであり、RはSmであることを特徴とするサー
ミスタ用磁器組成物である。第8の発明は、Aを元素周
期表の第2a族及びLaを除く第3a族に属する元素か
ら選ばれた少なくとも1つの元素、M1 をCr、Mn、
Co及びNiから選ばれた少なくとも1つの元素、M2
をFeとし、X、Y、Zは、0.05≦Y/(1−Y−
Z)≦0.4 及び、0.025≦Z≦0.35、を満
たすものとしたとき、化学式A(M1 1-Y-Z M2 Y Ti
Z )O3 で表される組成物となるように各元素を含む無
機化合物を混合し、仮焼した未焼成成形体を、前記無機
化合物の内で気化し易い無機化合物を磁器製容器内に有
する該磁器製容器内に入れて焼成するサーミスタ用磁器
組成物の製造方法である。
カイト型結晶構造を有する組成物であり、イオン半径が
近い原子同士でお互いに容易に置換できる組成物であ
り、副生成物の生成がなく、置換された組成が安定に存
在するため広い範囲で連続的に組成比を変えてサーミス
タの抵抗値や抵抗値の温度係数(β)を調整することが
できる。又、本願発明のサーミスタ用磁器組成物からな
るサーミスタは1570℃以下の温度で焼成することで
製造できるため、サーミスタに用いるリード線の脆化も
なく、高い強度のリード線とすることができるという利
点もある。
はLaを含んでいないため吸湿により変質することがな
く、サーミスタの抵抗値の被熱による履歴現象が少な
く、高温安定性が高いため、300℃以上の環境におい
ても長時間安定して使用することができる。本願発明の
サーミスタ用磁器組成物A(M1 1-Y-Z M2 Y TiZ )
O3 又は、(Y1-X QX )(Cr1-Y-Z FeY TiZ )
O3 の組成比を0.4≧Y/(1−Y−Z)≧0.05
の範囲とすることにより使用目的に適するようなサーミ
スタの温度−抵抗値特性を得ることができる。また、Z
の範囲を0.1≧Z≧0.05の範囲とすることにより
サーミスタ用磁器組成物中に副生成物の生成を殆どなく
することができる。Zの値がこの範囲を外れると固溶体
の固溶限界を越えてしまい熱的にも、経時的にも不安定
な磁器となってしまうものと考えられる。サーミスタの
抵抗値を調整するためにFeの一部をAlで置換して、
抵抗値を増加させることもできる。Xの範囲を0.15
≧X≧0.01の範囲とすることにより300℃から9
00℃において使用するに適した抵抗値特性を得ること
ができ、高温に曝したときのサーミスタの抵抗値の履歴
現象が少なくセンサ用サーミスタ用磁器組成物として好
適なものとなる。
半導体とn型半導体を混合したものであり、熱に対して
不安定な酸素イオンとか金属イオンの格子欠陥が少なく
なっており、熱履歴を受けてもサーミスタの抵抗値の履
歴現象が少なく、また、p型半導体とn型半導体の酸素
分圧に対する依存性が逆であり、この両者を混合するこ
とにより、お互いにその特性が相殺されて酸素分圧に対
して安定な特性をなすサーミスタとなった。また、Aに
おいて第2a族の成分を増やしても酸素分圧に対する依
存性を低下できる。p型半導体としてはAがYとかラン
タニア等の第3a族の場合、例えばACrO3 、AMn
O3 、ACoO3 、ANiO3 等があり、n型半導体と
してはAがSr等の第2a族の場合、例えばAFe
O3 、ATiO3 系がある。従って、雰囲気の酸素分圧
による影響を受けることが少なくなり、還元雰囲気にな
りやすい部位とか金属チューブ内にサーミスタを組み込
んで使用する自動車用センサとして広く使用することが
できる。
には各金属元素無機化合物として取り扱いの容易な酸化
物、炭酸塩等の粉末を用いるとよいが、混合を十分に行
うため各金属元素の水溶液又は微量成分をなす各金属元
素の水溶液、例えば、硝酸塩〔例:Fe(NO3 )3 、
Cr(NO3 )3 、Sr(NO3 )3 等〕を用いること
もよい。本願発明のサーミスタ用磁器組成物を焼成して
得るとき、これらのサーミスタ用磁器組成物に焼結助剤
を加えれば、焼結性が向上し、1550℃以下で焼成す
ることができて、強度の高いサーミスタやリード線の強
度の劣化していないサーミスタを得ることができる。焼
結助剤としては、粒界に液相を生成し、マトリックスを
成して磁器の焼結性を高めるものであれば良く、例えば
シリカ、ムライト、ケイ酸カルシウム又はケイ酸ストロ
ンチウムの内のいずれか又はこれらを組合せて使用する
とよい。焼結助剤の添加量はサーミスタ用磁器組成物に
対して0.5〜10重量%がよいが、特に好ましくは
0.8〜3重量%が良い。焼結助剤の添加量が0.5重
量%未満では焼結性の向上が少なく、焼結助剤の添加量
が10重量%を越えると粒界における焼結助剤相が増加
して抵抗値の温度特性が変動してくるため好ましくな
い。
1-Y-Z M2 Y TiZ )O3 で表される組成物となるよう
に各元素を含む無機化合物を混合し、仮焼した粉末から
成形された未焼成成形体を、前記無機化合物の内で気化
し易い無機化合物を磁器製容器内に有する該磁器製容器
内に入れて焼成してサーミスタ用磁器組成物を得ると抵
抗値のバラツキの少ないサーミスタ用磁器組成物とする
ことができる。前記無機化合物の内で気化し易い成分を
配置するには該成分を含む粉末若しくは該粉末を成形し
た成形品を該容器内に置く、該粉末をスラリーにして該
容器の内面に被覆する、又は該粉末を該容器内に入れ該
成分が気化する温度に曝す等の方法がよい。気化し易い
成分を含む粉末として未焼成の本願発明のサーミスタ用
磁器組成物又はその類似品を使用してもよい。これは、
例えば、酸化クロムの如く高温で気化し易い物質が焼成
中に未焼成サーミスタ磁器組成物から一方的に排出する
ことがなくなり、製造工程中なかんずく焼成中における
磁器組成成分の組成比の変動を殆どなくすることができ
るからである。磁器製容器の材質は高温で安定で、望ま
しくは気密なもの、例えば、アルミナ、ジルコニア、マ
グネシア、窒化珪素等がよい。
000℃〜1200℃で100〜500時間放置して安
定化処理を行い、抵抗値をより一層安定化させることが
できる。焼成温度は1570℃〜1400℃で行うが、
1570℃〜1480℃が好ましく、より好ましくは1
500℃〜1550℃がよい。
ず、純度が99.9%以上で平均粒径が1μmのY2 O
3 と、純度が98.5%以上で平均粒径が1μm以下の
SrCO3 と、純度が98.5%以上で平均粒径が1μ
m以下のCr2 O3 と、純度が98.5%以上で平均粒
径が1μm以下のFe2 O3 、及び、純度が98.5%
以上で平均粒径が1μm以下のTiO2 を、(Y1-X S
rX )(Cr1-Y-Z FeY Tiz )O3 と表したとき、
X、Y、Zが表1の組成の欄に示す割合になるように秤
量し、湿式により混合する。混合は鉄心入ポリアミド被
覆の玉石とポリアミド製トロンメルを使用した。この他
に、玉石やトロンメルは玉石、トロンメルの磨耗による
不純物の混入を避けるためジルコニア製若しくは窒化珪
素製の玉石やトロンメルとか、PTFE若しくはポリア
ミド等で被覆したアルミナ若しくは鉄心の玉石やトロン
メルを使用するとよい。PTFE又はポリアミド等は微
量混入しても混入したPTFEやポリアミドは焼成時に
除去されてしまうためこれらを使用してもこれらが不純
物として磁器組成物中に残ることはないからこれらを使
用することができる。混合されたスラリーを−40℃で
凍結させた後、0.1〜0.2Torrに減圧し30℃
前後で昇華させて乾燥した。乾燥方法は各金属元素無機
化合物の比重の違いによるスラリー乾燥時の分離を防ぐ
方式がよく、前記の凍結乾燥方法の他、噴霧乾燥式でも
よい。なお、表1中、試料番号1、3、17および33
は比較例である。
て1400℃で2時間保持して仮焼する。仮焼温度は各
原料成分が固溶する温度で行うがよく、1250℃ない
し1450℃、好ましくは1350℃から1400℃で
2時間ないし5時間保持することにより仮焼するとよ
い。1500℃以上で仮焼すると各原料成分が焼結して
しまい後工程の粉砕工程で十分に粉砕されないため好ま
しくない。仮焼された粉末に平均粒径0.6μm のシ
リカを1重量%加えて湿式により粉砕、混合する。混合
したスラリーの粒度は1μm以下となることが好まし
い。この粉砕された粉末のスラリーを200メッシュの
篩を通してから乾燥する。乾燥後PVBが15重量部、
DBPが10重量部、MEKが50重量部及びトルエン
が25重量部よりなるバインダーを添加して、プレス成
形用粉末を造粒する。造粒は噴霧乾燥による方法で行う
と流動性の良い粉末を得ることができて好ましい。粒子
の粒度は100〜400メッシュとするとよい。
mの白金線を金型中心から各0.6mm空けた、即ち、
リード線間1.2mmの間隙を空けて2本平行に配置し
た金型に充填して1000Kg/cm2 の圧力でプレス
して、直径が3mm、厚みが2mmで2本のリード線を
有する図1に示す形状に成形する。なお、リード線の材
質は白金の他白金−ロジウム合金としてもよい。別途、
アルミナ磁器製の厚み3mm、縦横の外寸50mm、深
さ40mmの有底角筒状容器と厚み3mm、一辺50m
mの角板を作成し、該容器に焼成されるサーミスタ用磁
器組成物とほぼ同一組成の粉末、又は、その粉末をプレ
ス成形した成形品を約0.2gないし10g入れ、該容
器に前記角板を被せてサーミスタ用磁器組成物の焼成温
度と同程度の温度に曝すことにより、該組成中の気化し
易い成分を容器内面および角板の内側に付着ないしは浸
透させておく。
を入れその上に前記角板を被せて、1550℃の大気中
で焼成してサーミスタを製造した。更に、試料番号2、
4、5および6については大気中1100℃で200時
間放置して安定化処理を行った。
0℃、350℃、500℃及び900℃の大気中におけ
るサーミスタのリード線間の抵抗値を測定し、その測定
値からβを算出した。その結果を表1の抵抗値およびβ
の欄に併せて示す。次に、各試料を1000℃の大気中
で300時間保持し、その保持前後の300℃、350
℃、500℃及び900℃におけるサーミスタの抵抗値
を測定して耐久性能を調べた。その結果を表2に示す。
化率(ΔR率)を示す。ここで、lnは常用対数を示
し、R及びR0 は各々大気中で絶対温度K及びK0にお
けるサーミスタの抵抗値、Rt は耐久試験においては耐
久試験後の大気中の絶対温度Kt (t=300℃、35
0℃、500℃又は、900℃) におけるサーミスタの
抵抗値を示す。300−500及び500−900とあ
るは各々300℃と500℃、及び500℃と900℃
間におけるβを示す。
R温度換算値は次の式で定義される。 ΔR温度換算値=β×K0 /(ln(Rt /R0 )×K
0 +β)−K0 更に、試料番号7、8、12、23、24、25および
27を、大気中で1100℃の雰囲気中に2時間放置
し、その放置の前後のサーミスタの抵抗値を測定して高
温耐久試験を行った。その結果はいずれもΔR温度換算
値は15℃以内と良好な結果を得た。
FeY Tiz )O3 と表される組成において、各元素の
組成比を選定することにより、抵抗値を大幅に調整する
ことができることがわかる。また、本願発明のサーミス
タ用磁器組成物は、単純な置換固溶反応によるものを主
体とするものであるため副生成物の生成がなく、特にS
rの置換量が30%以下の場合には単純な置換固溶反応
によるものとなり、副生成物の生成がなく、1570℃
以下の温度で焼成することができて、サーミスタに埋込
んだリード線の劣化を防ぐことができるとともに、機械
的強度の高いサーミスタとすることができる。
置換量が1〜35.1モル%、及び、Crに対するFe
の置換量はFe/Cr=0.05〜0.40とし、Ti
の置換量を2.5〜35モル%とした組成比とした磁器
組成物からなるサーミスタの抵抗値は、300℃ないし
は900℃において温度センサ用サーミスタとして実用
できる範囲となり、かつ耐久性能においてもΔR率が小
さく、ΔR温度換算値が小さくなっており、前記の各々
の置換量としたサーミスタ用磁器組成物は300℃から
1000℃において使用するに好適なサーミスタ用磁器
組成物といえる。
z )O3 と表される組成において、Sr、Fe、Ti、
のいずれかの置換量が少ない若しくは置換のない(試料
番号1、3、17)または、Sr、Tiの置換量が多い
(試料番号33)と、耐久性能において、500℃また
は900℃のΔR温度換算値が15℃を越えて変化して
おり、500℃以下での使用では問題ないが、500℃
より高い温度で使用するには適さないといえる。
は、耐久試験の結果からわかるとおり熱履歴に対して非
常に安定な特性を示している。これは、本願発明のサー
ミスタ用磁器組成物はp型半導体とn型半導体との混合
物であるため熱履歴に対して不安定な酸素イオン欠陥や
金属イオン欠陥が少なくなっていることによるものと考
えられる。また、Tiの置換量を2.5%より少なくす
ると、焼結性がやや劣ったものとなる。
び、純度が99.9%以上で平均粒径が1μm 以下の
Sm2 O3 を用いて、〔(Y1-W SmW )1-X SrX 〕
(Cr1-Y-Z FeY Tiz )O3 と表したとき、W、
X、Y、Zの値が表3の組成の欄に示す割合になるよう
に秤量し、実施例1と同様の方法で試料を作成し、得ら
れたサーミスタの抵抗値および耐久性能を実施例1と同
様の方法により行い測定した。その結果を表3および表
4に併せて示す。
〔(Y1-W SmW )1-X SrX 〕(Cr1-Y-Z FeY T
iz )O3 と表される組成物において、YをSmに置換
するとサーミスタの抵抗値は小さくなり、低温で使用す
るに適したサーミスタとなり、同時に耐久性能も優れた
サーミスタとすることができる。さらに、試料番号4
2、43について、大気中で1100℃の雰囲気中に2
時間放置して、その放置の前後のサーミスタの抵抗値を
測定して、高温耐久試験を行った結果、いずれもΔR温
度換算値が15℃以内と良好な結果を得た。この実施例
より化学式〔(Y1-W SmW )1-X SrX 〕(Cr
1-Y-Z FeY Tiz )O3 と表される組成物からなるサ
ーミスタは、300℃から1100℃の温度範囲で使用
しても温度−抵抗値特性の変動が少なく、実用的に好適
に使用でき、熱履歴の少ない抵抗値の安定したサーミス
タを提供することができることがわかった。
により、広い温度範囲で使用しても温度−抵抗値特性の
変動が少なく、実用的に好適に使用でき、熱履歴に対し
て抵抗値の履歴現象の少ない安定したサーミスタを提供
することができたものである。また、機械的強度が強
く、例えば自動車の排気ガスの浄化用触媒の過熱検知装
置とか、排気ガス還流装置の還流ガス温の検知装置等高
温のガス温の測定装置又は振動の激しい場所での測定装
置、その他各種の炉の温度検出装置として使用できるサ
ーミスタ用磁器組成物を提供することができた。
Claims (8)
- 【請求項1】 Aを元素周期表の第2a族及びLaを除
く第3a族に属する元素から選ばれた少なくとも1つの
元素、M1 をCr、Mn、Co及びNiから選ばれた少
なくとも1つの元素、M2 をFeまたはFeの一部をA
lで置換したものとし、Y、Zは、0.05≦Y/(1
−Y−Z)≦0.4 及び、0.025≦Z≦0.3
5、を満たすものとしたとき、化学式A(M1 1-Y-Z M
2 Y TiZ )O3 で表されるサーミスタ用磁器組成物。 - 【請求項2】 請求項1において、AはY及びランタニ
ドから選ばれた少なくとも1つの元素であることを特徴
とするサーミスタ用磁器組成物。 - 【請求項3】 請求項1ないし請求項2のいずれかにお
いて、サーミスタ用磁器組成物に対して0.5重量%か
ら10重量%の焼結助剤相を有するサーミスタ用磁器組
成物。 - 【請求項4】 化学式(Y1-X QX )(Cr1-Y-Z Fe
Y TiZ )O3 、但し、Qは元素周期表の第2a族及び
Laを除く第3a族に属する元素から選ばれた少なくと
も1つの元素であって、かつ、X、Y、Zは0.351
≧X≧0.01、0.4≧Y/(1−Y−Z)≧0.0
5 及び0.35≧Z≧0.025で表されるサーミス
タ用磁器組成物。 - 【請求項5】 請求項4において、QはSr及びランタ
ニドから選ばれた少なくとも1つの元素を含むことを特
徴とするサーミスタ用磁器組成物。 - 【請求項6】 化学式〔(Y1-W RW )1-X QX 〕(C
r1-Y-Z FeY TiZ )O3 、但し、Qは元素周期表の
第2a族に属する元素から選ばれた少なくとも1つの元
素、Rは元素周期表のLaを除く第3a族に属する元素
から選ばれた少なくとも1つの元素であって、かつ、
W、X、Y、Zは1.0≧W≧0、0.351≧X≧
0.01、0.4≧Y/(1−Y−Z)≧0.05 及
び0.35≧Z≧0.025で表されるサーミスタ用磁
器組成物。 - 【請求項7】 請求項6において、QはSrであり、R
はSmであることを特徴とするサーミスタ用磁器組成
物。 - 【請求項8】 Aを元素周期表の第2a族及びLaを除
く第3a族に属する元素から選ばれた少なくとも1つの
元素、M1 をCr、Mn、Co及びNiから選ばれた少
なくとも1つの元素、M2 をFeとし、X、Y、Zは、
0.05≦Y/(1−Y−Z)≦0.4 及び、0.0
25≦Z≦0.35、を満たすものとしたとき、化学式
A(M1 1-Y-Z M2 Y TiZ )O3 で表される組成物と
なるように各元素を含む無機化合物を混合し、仮焼した
未焼成成形体を、前記無機化合物の内で気化し易い無機
化合物を磁器製容器内に有する該磁器製容器内に入れて
焼成するサーミスタ用磁器組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31576194A JP3331447B2 (ja) | 1993-11-25 | 1994-11-24 | サーミスタ用磁器組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32142893 | 1993-11-25 | ||
JP5-321428 | 1993-11-25 | ||
JP31576194A JP3331447B2 (ja) | 1993-11-25 | 1994-11-24 | サーミスタ用磁器組成物の製造方法 |
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JPH07201528A true JPH07201528A (ja) | 1995-08-04 |
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Family Applications (1)
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