JPH07201467A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JPH07201467A
JPH07201467A JP6236064A JP23606494A JPH07201467A JP H07201467 A JPH07201467 A JP H07201467A JP 6236064 A JP6236064 A JP 6236064A JP 23606494 A JP23606494 A JP 23606494A JP H07201467 A JPH07201467 A JP H07201467A
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transparent electrode
vacuum
indium oxide
layer
tin
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JP6236064A
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English (en)
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Hiroyuki Hara
裕幸 原
Tatsuo Nakano
辰夫 中野
Kazuo Kato
和男 加藤
Naoko Hikima
尚子 引馬
Asako Hasegawa
麻子 長谷川
Shinichiro Asai
新一郎 浅井
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/805Electrodes
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機電界発光素子において、電極からの電荷
の注入効率を向上させ、低い駆動電圧で高い輝度を実現
し、発光表面を改良する。 【構成】 電極の少なくとも一方が透明電極からなり、
(イ)陽極、(ロ)少なくとも一種類の有機化合物を含
む電界発光物質層及び(ハ)陰極の順序に構成された有
機薄膜電界発光素子において、透明電極が錫ドープ・酸
化インジウムからなる透明電極であり、且つ該透明電極
が真空中で加熱処理されたものであることを特徴とする
電界発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極間に少なくとも一
種類の有機化合物からなる電界発光物質層を設けた素子
で、平面光源や表示装置に利用される、低い駆動電圧で
高輝度が得られ、その発光表面が均一である有機電界発
光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、有機化合物を原料とした電界発光
素子は、安価な大面積のフルカラー表示装置を実現する
ものとして注目を集めている。例えば、アントラセンや
ペリレン等の縮合多環芳香族系化合物を原料として、L
B膜法や真空蒸着法で薄膜化した有機電界発光素子が開
発され、その発光特性が注目されている。最近、App
l.Phys.Lett、VOL 51、p.913、
(1987)にて、有機薄膜を2層構造にした新しいタ
イプの有機電界発光素子が報告されている。しかしなが
ら、これまで報告された有機電界発光素子は高輝度では
あるが、他の発光素子に比べ電力あたりの発光輝度が低
く、その結果寿命も短いという問題があった。また、透
明電極と電界発光物質層の接着性が不良で、その発光表
面が不均一であるという問題もあり、その改良策として
空気中での加熱処理が行われているが、空気中で加熱処
理を行うと、表面抵抗が増加するという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電極間に少
なくとも一種類の有機化合物からなる電界発光物質層を
設けた電界発光素子において、電極からの電荷の注入効
率を向上させ、また透明電極と電界発光物質層との接着
性を向上させることにより、低い駆動電圧で高輝度が得
られ、またその発光表面が均一である有機電界発光素子
を提供することを目的とするものである。
【0004】本発明者らは、従来の構成である、陽極、
少なくとも一種類の有機化合物からなる電界発光物質層
及び陰極からなる有機電界発光素子について、電極から
の電荷の注入効率を向上させ、透明電極と電界発光物質
層の接着性を向上させるべく、鋭意検討した結果、透明
電極を真空中で加熱処理することによって、電荷の注入
効率を向上させ、かつ、透明電極と電界発光物質層との
接着性を向上させ、低い駆動電圧で高い輝度を発現し、
その発光表面が均一である有機電界発光素子を見いだ
し、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の発明は、電極の少なくとも一方が透明電極からなり、
(イ)陽極、(ロ)少なくとも一種類の有機化合物から
なる電界発光物質層及び(ハ)陰極の順序に構成された
ことを特徴とする有機電界発光素子において透明電極が
錫ドープ・酸化インジウムからなる透明電極であり、且
つ該透明電極が真空加熱処理されたものであることを特
徴とする有機電界発光素子であり、第2の発明は、電極
の少なくとも一方が透明電極からなり、(イ)陽極、
(ロ)少なくとも一種類の有機化合物からなる電界発光
物質層及び(ハ)陰極の順序に構成された有機電界発光
素子において、透明電極が錫ドープ・酸化インジウムか
らなる透明電極であり、且つ該透明電極のイオン化ポテ
ンシャルが5.0 eV以上のものであることを特徴とする
有機電界発光素子である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
有機電界発光素子は、陽極、少なくとも一種類の有機化
合物からなる電界発光物質層及び陰極を基本構成として
いる。本発明の有機電界発光素子を構成する電界発光物
質層は、少なくとも一種類の有機化合物からなる電界発
光物質からなるものであり、必要に応じて、該電界発光
物質層の片側又は両側に、正孔輸送層又は/及び電子輸
送層を含むものであってもよい。さらに、電界発光物質
層は、電子輸送能を有する発光物質層又は正孔輸送能を
有する発光物質層であってもよい。
【0007】その構成としては、(1)1層型、(2)
2層型及び(3)3層型がある。(1)1層型は少なく
とも一種類の有機化合物からなる電界発光物質層をもつ
ものである。(2)2層型は2種類のタイプがあり、A
タイプは陽極に近い側に正孔輸送層をもち、陰極に近い
側に少なくとも一種類の有機化合物からなる電界発光物
質層をもつものであり、Bタイプは陽極に近い側に少な
くとも一種類の有機化合物からなる電界発光物質層をも
ち、陰極に近い側に電子輸送層をもつものである。
(3)3層型は陽極に近い側に正孔輸送層、陰極に近い
側に電子輸送層をもち、正孔輸送層と電子輸送層の間に
少なくとも一種類の有機化合物からなる電界発光物質層
をもつものである。
【0008】本発明の有機電界発光素子の構造は、
(イ)陽極、(ロ)電界発光物質層及び(ハ)陰極の順
序に構成されていることを基本としているが、具体的に
は、タイプ1の透明基板/陽極/電界発光物質層/陰極
の構造からなるもの及びタイプ2の透明基板/陰極/電
界発光物質層/陽極の構造からなるものがある。
【0009】図1に示す本発明のタイプ1の有機電界発
光素子の断面構造を用いて、具体的に説明する。ガラス
等の透明基板Dの上に、陽極Aとなる透明電極を形成す
る。この透明電極としては具体的には錫ドープ・酸化イ
ンジウムの薄膜が用いられる。薄膜の形成方法として
は、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法などが用
いられ、透明電極の膜厚としては10Å〜10,000
Åが好ましく、特に好ましくは100Å〜5,000Å
である。この錫ドープ・酸化インジウムの薄膜の加熱処
理法としては、真空中で、100℃〜1000℃の温度
で加熱処理することが好ましく、特に好ましくは200
℃〜900℃の温度で加熱処理することである。本願発
明においては、この真空中での加熱処理により透明電極
のイオン化ポテンシャルを5.0eV以上とすることが
好ましい。5.0eV未満では、駆動電圧の低下が見ら
れない。
【0010】真空中での加熱処理の前処理工程として、
空気中での加熱処理を行うことが好ましい。空気中での
加熱処理の効果としては錫ドープ・酸化インジウムの薄
膜の表面に付着した異物を除去し、有機電界発光素子の
発光表面を均一にする等がある。空気中での加熱処理温
度は100℃〜1000℃が好ましく、特に好ましくは
200℃〜900℃である。
【0011】また、必要に応じて陽極Aと少なくとも一
種類の有機化合物からなる電界発光物質層Bの間に高分
子膜を設置することができる。この高分子膜の作製方法
としては、錫ドープ・酸化インジウムの薄膜を形成し、
真空中で加熱処理する前に、錫ドープ・酸化インジウム
の薄膜上に高分子膜を作製する方法が用いられる。この
高分子膜としては、具体的にはエポキシ化合物やポリイ
ミド化合物等が挙げられるが、特にこれに限定されな
い。錫ドープ・酸化インジウムの薄膜上に高分子膜を作
製する効果としては錫ドープ・酸化インジウムの薄膜か
ら電界発光物質層への正孔の注入性が増し、更に耐電圧
が向上するため、電界発光素子の安定性が改良される。
【0012】真空中で加熱処理した陽極A上に電界発光
物質層Bを形成する。電界発光物質層Bとしては、例え
ば、(1)1層型は、有機化合物からなる電界発光物質
層から形成される。(2)2層型のAタイプは、正孔輸
送層として正孔輸送剤をもち、発光層として電子輸送能
を有する発光剤をもつもので形成され、Bタイプは、電
子輸送層として電子輸送剤、発光層として正孔輸送能を
有する発光剤をもつもので形成される。(3)3層型
は、正孔輸送層として正孔輸送剤、発光層として発光
剤、電子輸送層として電子輸送剤とする場合等の組合せ
から形成される。更に上記組合せからなる物質の混合物
または該組合せからなる物質層の層間で成分が連続して
変化する傾斜構造を示すもの等がある。また、正孔輸送
剤や電子輸送剤は無機半導体であってもよい。
【0013】本発明の少なくとも一種類の有機化合物か
らなる電界発光物質としては、一般的に使われている、
正孔輸送能を有する発光剤及び電子輸送能を有する発光
剤等が用いられる.正孔輸送能を有する発光剤として
は、トリフェニルアミン誘導体等があり、具体的には、
下記の式(4)に示すNSD等が挙げられる。電子輸送
能を有する発光剤としては、具体的には、トリス(8−
オキシキノリネート)アルミニウム(Alq3と略す)
等が挙げられる。
【0014】正孔輸送剤としては、芳香族アミン誘導
体、ポルフィン誘導体、フタロシアニン、ポリビニルカ
ルバゾール、および無定形P型シリコン、無定形P型炭
化シリコン等が用いられる。具体的には、下記の式
(1)に示す芳香族アミン誘導体である N,N'-ジフェニ
ル-N,N'-(3- メチルフェニル)-1,1'- ビフェニル-4,4'-
ジアミン(以下TPDと略す)等が用いられる。電子輸
送剤としてはオキサジアゾール誘導体、無定形n型シリ
コン等があり、具体的には、下記の式(2)及び式
(3)に示すPBD及びOXDが挙げられる。
【0015】
【化1】
【0016】これらの電界発光物質層Bの形成方法とし
ては、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスティ
ング法、ディッピング法等がある。なお、均一な薄膜を
形成するという点において、蒸着法及びスピンコーティ
ング法が好ましい。
【0017】電界発光物質層Bは、少なくともピンホー
ルが発生しないような膜厚である必要がある反面、余り
厚いと、高い駆動電圧が必要となり好ましくない。した
がって、電界発光物質層の膜厚は、好ましくは10Å〜
1μm、特に好ましくは50Å〜2000Åである。
【0018】本発明において、正孔輸送層として正孔輸
送剤、電子輸送層として電子輸送剤を設ける場合は、少
なくともピンホールが発生しないような膜厚である必要
がある反面、余り厚いと、高い駆動電圧が必要となり好
ましくない。したがって、これらの膜厚は、好ましくは
10Å〜1μm、特に好ましくは50Å〜2000Åで
ある。
【0019】ついで、電界発光物質層Bの上に陰極Cを
設けるが、陰極を形成する物質の具体例としてはAl、
In、Mg等の金属、Mg−Ag合金、In−Ag合
金、Mg−In合金、グラファイト薄膜等が挙げられ
る。真空蒸着やスパッタ膜が形成できる固体金属であれ
ば、単独金属薄膜でも共蒸着合金でも用いられる。この
中で仕事関数が小さいものが特に好ましい。以上の方法
にてタイプ1の有機電界発光素子が得られる。
【0020】次に、図2に示す本発明のタイプ2の有機
電界発光素子の断面構造を用いて説明する。ガラス等の
透明基板Hの上に、陰極Eとなる透明電極を形成する。
この透明電極としては具体的には錫ドープ・酸化インジ
ウムの薄膜が用いられる。薄膜の形成方法としては、真
空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法などが用いら
れ、透明電極の膜厚としては10Å〜10,000Åが
好ましく、特に好ましくは100Å〜5,000Åであ
る。この錫ドープ・酸化インジウムの薄膜の処理法とし
ては真空中で加熱処理を行う。この真空中での加熱処理
の温度としては100℃〜1000℃が好ましく、特に
好ましくは200℃〜900℃である。
【0021】真空中での加熱処理の前工程として、空気
中での加熱処理を行うことが好ましい。空気中での加熱
処理温度としては100℃〜1000℃が好ましく、特
に好ましくは200℃〜900℃である。また、必要に
応じて陰極Eと少なくとも一種類の有機化合物からなる
電界発光物質層Fの間に高分子膜を設置することができ
る。この高分子膜の作製方法としては、錫ドープ・酸化
インジウムの薄膜を形成し、真空中で加熱処理する前
に、錫ドープ・酸化インジウムの薄膜上に高分子膜を作
製する方法が用いられる。この高分子膜としては、具体
的にはエポキシ化合物やポリイミド化合物等が挙げられ
るが、特にこれに限定されない。
【0022】次に、陰極E上に電界発光物質層Fを形成
する。電界発光物質層Fとしては、例えば、(1)1層
型は、有機化合物からなる電界発光物質層から形成され
る。(2)2層型のAタイプは、正孔輸送層として正孔
輸送剤をもち、発光層として電子輸送能を有する発光剤
をもつもので形成され、Bタイプは、電子輸送層として
電子輸送剤、発光層として正孔輸送能を有する発光剤を
もつもので形成される。(3)3層型は、正孔輸送層と
して正孔輸送剤、発光層として発光剤、電子輸送層とし
て電子輸送剤とする場合等の組合せから形成される。更
に上記組合せからなる物質の混合物または該組合せから
なる物質層の層間で成分が連続して変化する傾斜構造を
示すもの等がある。また、正孔輸送剤や電子輸送剤は無
機半導体であってもよい。
【0023】本発明の少なくとも一種類の有機化合物か
らなる電界発光物質としては、一般的に使われている、
正孔輸送能を有する発光剤及び電子輸送能を有する発光
剤等が用いられる。正孔輸送能を有する発光剤として
は、トリフェニルアミン誘導体等があり、具体的には、
前記の式(4)に示すNSDが挙げられる。電子輸送能
を有する発光剤としては、具体的には、トリス(8−オ
キシキノリネート)アルミニウム(Alq3)等が挙げ
られる。
【0024】正孔輸送剤としては、芳香族アミン誘導
体、ポルフィン誘導体、フタロシアニン、ポリビニルカ
ルバゾール、および無定形P型シリコン、無定形P型炭
化シリコン等が用いられる。具体的には、前記の式
(1)に示す芳香族アミン誘導体のN,N'-ジフェニル-N,
N'-(3- メチルフェニル)-1,1'- ビフェニル-4,4'-ジア
ミン等が用いられる。電子輸送剤としてはオキサジアゾ
ール誘導体、無定形n型シリコン等があり、具体的に
は、前記の式(2)及び(3)に示すPBD及びOXD
が挙げられる。
【0025】これらの電界発光物質層Fの形成方法とし
ては、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスティ
ング法、ディッピング法等がある。なお、均一な薄膜を
形成するという点において、蒸着法及びスピンコーティ
ング法が好ましい。電界発光物質層Fは、少なくともピ
ンホールが発生しないような膜厚である必要がある反
面、余り厚いと、高い駆動電圧が必要となり好ましくな
い。したがって、電界発光物質層の膜厚は、好ましくは
10Å〜1μm、特に好ましくは50Å〜2000Åで
ある。
【0026】本発明において、正孔輸送層として正孔輸
送剤、電子輸送層として電子輸送剤を設ける場合は、少
なくともピンホールが発生しないような膜厚である必要
がある反面、余り厚いと、高い駆動電圧が必要となり好
ましくない。したがって、これらの膜厚は、好ましくは
10Å〜1μm、特に好ましくは50Å〜2000Åで
ある。
【0027】ついで、電界発光物質層Fの上に陽極Gを
設けるが、陽極を形成する物質の具体例としてはAu、
Pt、Cu等の金属、あるいはそれらの合金等が挙げら
れる。真空蒸着やスパッタ膜が形成できる固体金属であ
れば、単独金属薄膜でも共蒸着合金でも用いられる。こ
の中で仕事関数が大きいものが特に好ましい。以上のよ
うにして本発明の有機電界発光素子を製造する。
【0028】
【作用】本発明のタイプ1及びタイプ2の構造の有機電
界発光素子においては、透明電極である錫ドープ・酸化
インジウム膜を真空中で加熱処理することで、錫ドープ
・酸化インジウム膜のキャリヤ密度と仕事関数が増加
し、また錫ドープ・酸化インジウム膜を空気中で加熱処
理することで錫ドープ・酸化インジウム膜の濡れ性を向
上させ、錫ドープ・酸化インジウム膜と電界発光物質層
との接触障壁をさげるため、電界発光物質層への注入が
改良され駆動電圧が低下し、高輝度が得られ、また、錫
ドープ・酸化インジウム膜と電界発光物質層との接着性
が向上するため発光表面が均一になる。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳しく説明するが本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。 実施例1 ガラス基板として、1000ÅのITO(錫ドープ・酸
化インジウム)膜が形成された透明電極付きガラス基板
(松崎真空社製)をアセトン中で超音波洗浄し、0.0
03torrで800℃、30分間加熱した。このIT
Oのイオン化ポテンシャルを、理研計器製光電子分析装
置AC−1で測定したところ、5.2eVであった。
【0030】次に、透明電極付きガラス基板を真空装置
にセットし、8×10-6 torr の真空度で正孔輸送剤の
N,N'-ジフェニル-N,N'-(3- メチルフェニル)-1,1'- ビ
フェニル-4,4'-ジアミン(TPD)を650Å蒸着し、
引き続き発光剤のトリス(8- オキシキノリネート)ア
ルミニウム(Alq3)を650Å蒸着した。更に、マ
グネシウム(Mg)と銀(Ag)を10:1の原子比で
2870Å共蒸着し有機電界発光素子を作成した。この
有機電界発光素子を直流で駆動した結果、緑色の発光が
観察された。駆動電圧16V、発光輝度9,660cd
/m2 であった。また、発光表面も均一であった。
【0031】実施例2 ガラス基板として、1000ÅのITO(錫ドープ・酸
化インジウム)膜が形成された透明電極付きガラス基板
(松崎真空社製)をアセトン中で超音波洗浄し、空気中
で500℃で30分間加熱処理をする。その後、0.0
03torrで300℃で30分間加熱処理した。この
ITOのイオン化ポテンシャルを実施例1と同様にして
測定したところ、5.0eVであった。
【0032】透明電極付きガラス基板を真空装置にセッ
トし、8×10-6 torrの真空度で正孔輸送剤の N,N'-
ジフェニル-N,N'-(3- メチルフェニル)-1,1'- ビフェニ
ル-4,4'-ジアミン(TPD)を650Å蒸着し、次に発
光剤のトリス(8- オキシキノリネート)アルミニウム
(Alq3)を650Å蒸着した。更に、マグネシウム
(Mg)と銀(Ag)を10:1の原子比で2870Å
共蒸着し有機電界発光素子を作成した。この有機電界発
光素子を直流で駆動した結果、緑色の発光が観察され
た。駆動電圧16V、発光輝度8,610cd/m2
あった。また、発光表面も均一であった。
【0033】実施例3 ガラス基板として、1000ÅのITO(錫ドープ・酸
化インジウム)膜が形成された透明電極付きガラス基板
(松崎真空社製)をアセトン中で超音波洗浄し、空気中
で500℃で20分間加熱処理をする。その後、0.0
03torrで300℃で30分間加熱処理した。この
表面処理した透明電極付きガラス基板を真空装置にセッ
トし、2×10-5torrの真空中で、ITO膜上にビ
フェニルエポキシ化合物(商品名:YX4000H、油
化シェルエポキシ(株)製)と無水ピロメリット酸(半
井化学薬品(株))を重量比で2:1にて、650Åの
厚さに共蒸着した。その後、真空装置から取り出し、オ
ーブンに入れ、150℃で12時間、予備硬化処理し、
さらに、真空中で800℃で10分間熱処理し無水カル
ボン酸硬化型エポキシ系樹脂硬化物層を形成した。この
無水カルボン酸硬化型エポキシ系樹脂硬化物層のイオン
化ポテンシャルを実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、5,26eVであった。
【0034】この無水カルボン酸硬化型エポキシ系樹脂
硬化物層を設けた透明電極付きガラス基板を真空装置に
セットし、8×10-6torrの真空度で正孔輸送剤の
N,N-ジフェニル-N,N-(3-メチルフェニル)-1,1-ビフェニ
ル-4,4- ジアミン(TPD)を650Å蒸着し、次に発
光剤のトリス(8−オキシキノリネート)アルミニウム
(Alq3)を650Å蒸着した。更に、マグネシウム
(Mg)と銀(Ag)を10:1の原子比で2870Å
共蒸着し有機電解発光素子を作成した。この有機電解発
光素子を直流で駆動した結果、緑色の発光が観察され
た。駆動電圧14V、発光輝度10,130cd/m2
であった。また、発光表面も均一であった。
【0035】比較例1 実施例1において、真空中での加熱処理を行わない以外
は同様に行った。このときITOのイオン化ポテンシャ
ルを、実施例1と同様に測定したところ、4,8eVで
あった。この有機電解発光素子を直流で駆動した結果、
緑色の発光が観察された。駆動電圧20V、発光輝度
8,360cd/m2 であった。また、発光表面も均一
であった。
【0036】比較例1 実施例2において、空気中での加熱処理を行わない以外
は同様に行った。このときITOのイオン化ポテンシャ
ルを、実施例2と同様に測定したところ、4,9eVで
あった。この有機電解発光素子を直流で駆動した結果、
緑色の発光が観察された。駆動電圧20V、発光輝度
7,980cd/m2 であった。また、ダークスポット
と呼ばれる非発光部が多数出現した。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機電界
発光素子を構成する透明電極として、錫ドープ・酸化イ
ンジウム膜を真空中で加熱処理して得られる透明電極を
用いることにより、従来の有機電界発光素子に比較し
て、駆動電圧が低下し、最高輝度が向上し、発光の均一
性をより向上することができ、その工業的価値は高いも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイプ1の有機電界発光素子の断面構
造を示す。
【図2】本発明のタイプ2の有機電界発光素子の断面構
造を示す。
【符号の説明】
A : 陽極(透明電極) B : 電界発光物質層 C : 陰極 D : 透明基板 E : 陰極(透明電極) F : 電界発光物質層 G : 陽極 H : 透明基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 引馬 尚子 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 長谷川 麻子 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 浅井 新一郎 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極の少なくとも一方が透明電極からな
    り、(イ)陽極、(ロ)少なくとも一種類の有機化合物
    からなる電界発光物質層及び(ハ)陰極の順序に構成さ
    れた有機電界発光素子において、透明電極が錫ドープ・
    酸化インジウムからなる透明電極であり、且つ該透明電
    極が真空中で加熱処理されたものであることを特徴とす
    る有機電界発光素子。
  2. 【請求項2】 電極の少なくとも一方が透明電極からな
    り、(イ)陽極、(ロ)少なくとも一種類の有機化合物
    からなる電界発光物質層及び(ハ)陰極の順序に構成さ
    れた有機電界発光素子において、透明電極が錫ドープ・
    酸化インジウムからなる透明電極であり、且つ該透明電
    極のイオン化ポテンシャルが5.0 eV以上のものである
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0845925A3 (en) * 1996-11-27 1998-12-30 TDK Corporation Organic electroluminescent light emitting device
US7247074B2 (en) 2001-12-03 2007-07-24 Denso Corporation Organic electroluminescent element and process for its manufacture
JP2011091063A (ja) * 2011-02-09 2011-05-06 Inst Of Materials Research & Engineering Oledデバイスの性能を向上させるための改善された透明電極材料

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