JPH07201324A - ニッケル極用水酸化ニッケルの製造方法、およびその水酸化ニッケルを用いたニッケル極、ならびにそれを組込んだアルカリ二次電池 - Google Patents

ニッケル極用水酸化ニッケルの製造方法、およびその水酸化ニッケルを用いたニッケル極、ならびにそれを組込んだアルカリ二次電池

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JPH07201324A
JPH07201324A JP5351807A JP35180793A JPH07201324A JP H07201324 A JPH07201324 A JP H07201324A JP 5351807 A JP5351807 A JP 5351807A JP 35180793 A JP35180793 A JP 35180793A JP H07201324 A JPH07201324 A JP H07201324A
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nickel
hydroxide
electrode
nickel hydroxide
salt
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JP5351807A
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English (en)
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Noriyasu Iwane
典靖 岩根
Haruo Sawa
春夫 澤
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Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Battery Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Battery Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易で、電池の放電特性や充放電サイ
クル寿命特性に優れているニッケル極用水酸化ニッケル
の製造方法を提供する。 【構成】 この水酸化ニッケルの製造方法では、ニッケ
ル塩とアルカリとを、ニッケル塩1モルに対して20モ
ル以下の水分存在量の下で混合することによりニッケル
塩とアルカリの反応を進めたのち、副生した不要な塩を
除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はニッケル極用水酸化ニッ
ケルの製造方法に関し、更に詳しくは、アルカリ二次電
池用の正極であるニッケル極の活物質として有用な水酸
化ニッケルを製造する方法、およびその水酸化ニッケル
を用いたニッケル極、ならびにそのニッケル極が組込ま
れることにより、放電特性とサイクル寿命特性が優れて
いるアルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ二次電池の正極として
は、ニッケルめっきされた穿孔鋼板にニッケル粉末を焼
結して成る多孔質基材を、ニッケル塩水溶液とアルカリ
水溶液に交互に複数回浸漬し、そのことによって、前記
多孔質基材の穿孔部に水酸化ニッケルを析出させるも
の、いわゆる焼結式ニッケル極が使用されてきた。
【0003】しかしながら、この焼結式ニッケル極は多
孔度が低いため活物質の充填密度は低くなり、アルカリ
二次電池の高容量化という最近の要求に対し充分対応で
きないという問題がある。また、前記した水酸化ニッケ
ルの析出・充填工程は複雑かつ煩雑になるため、製造に
要するコストが高くなるという問題もある。このような
ことから、正極としては、例えば発泡ニッケルのような
多孔度の高い3次元多孔質集電体に、予め合成された水
酸化ニッケルを主体とする活物質ペーストを充填して成
る非焼結式ニッケル極の開発が進められている。
【0004】上記したニッケル極の製造に用いられる水
酸化ニッケルは、通常、硫酸ニッケルや硝酸ニッケルの
ようなニッケル塩を水に溶解して所定濃度のニッケル塩
水溶液を調製し、このニッケル塩水溶液とアルカリ水溶
液とを混合したのち、反応水溶液から水酸化ニッケル濾
取し、それを水洗することにより不要な塩を溶解除去し
て製造されている。
【0005】しかしながら、上記した方法においては、
中和反応で生成した水酸化ニッケルはゲル状を呈し、濾
取が非常に困難になるとともに、副生した不要の塩の水
洗除去も非常に困難であるという問題がある。このよう
な問題に対しては、例えば、特開昭61−239564
号公報では、有機溶媒の中にニッケル塩とアルカリを懸
濁させて水酸化ニッケルを製造する方法が、特開昭62
−35455号公報では、同じく有機溶媒と水との混合
系の中で水酸化ニッケルを製造する方法が提案されてい
る。
【0006】これらの方法で製造した水酸化ニッケル
は、水溶液の中和反応で製造した水酸化ニッケルに比べ
て粗大になっているので濾過性は向上している。しかし
ながら、有機溶媒を用いているので、水洗時における洗
浄性が悪く、しかも、得られた水酸化ニッケルの嵩密度
は極端に低くなる。そのため、集電体に充填したとき
に、活物質としての水酸化ニッケルの充填密度は低くな
る。したがって、電池の高容量化を達成するという点で
は、上記した水酸化ニッケルは好適な活物質であるとは
いいがたい。
【0007】上記した問題に対しては、高密度球状水酸
化ニッケルが提案されている。この水酸化ニッケルは、
ニッケル塩を弱塩基性のアミン水溶液に溶解してニッケ
ルイオンをアミン錯体として安定化させ、溶液全体を弱
アルカリ性に保持したまま、ここにアルカリ水溶液を徐
々に滴下することによって合成される。この水酸化ニッ
ケルは、内部空孔は発達せず嵩密度であるとともに、濾
過性,洗浄性はいずれも優れており、電池の高容量化の
達成にとって非常に有用である。
【0008】しかしながら、上記水酸化ニッケルを用い
たニッケル極が正極として組込まれている電池において
は、充放電サイクルを反復すると、ニッケル極の膨潤が
引き起こされ、電池の変形やサイクル寿命の低下などが
発生してくる。このような問題に対しては、例えば特開
平2−30061号公報では、水酸化ニッケルにZnや
Cdなどの異種金属のイオンを固溶添加することが提案
されている。上記した処理を施すと、たしかに、充放電
時における正極の膨潤や電池の変形を抑制することはで
きるが、他方では、電池の放電容量が低下するという問
題が新たに起こってくる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルカリ二
次電池のニッケル極の正極活物質として用いられる水酸
化ニッケルにおける上記した問題を解決し、製造時の濾
過性と洗浄性が良好で、充放電サイクル時においてニッ
ケル極の膨潤を引き起こすこともなく、また単位重量当
りの放電容量も高い水酸化ニッケルを製造する方法と、
その水酸化ニッケルを用いたニッケル極と、そのニッケ
ル極を正極として組込んだアルカリ二次電池の提供とを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、ニッケル塩とアルカリと
を、前記ニッケル塩1モルに対して20モル以下の水分
存在量の下で混合することにより前記ニッケル塩と前記
アルカリの反応を進めたのち、副生した不要な塩を除去
することを特徴とするニッケル極用水酸化ニッケルの製
造方法が提供される。とくに、ニッケル塩として無水ま
たは含水のニッケル塩を用い、またアルカリとして無水
または含水のアルカリを用いるニッケル極用水酸化ニッ
ケルの製造方法が提供される。
【0011】また本発明においては、上記方法で得られ
た水酸化ニッケルを主成分とする活物質ペーストを集電
体に担持させることを特徴とするニッケル極が提供さ
れ、更には、上記ニッケル極を正極として組込んだアル
カリ二次電池が提供される。最初に、水酸化ニッケルの
製造方法について説明する。まず、ニッケル塩とアルカ
リが原料として用意される。ニッケル塩としては、例え
ば、酢酸ニッケル四水塩(Ni(CH3 COO)2 ・4
2 O),硫酸ニッケル六水塩(NiSO4 ・6H
2 O),硝酸ニッケル六水塩(Ni(NO3 2・6H
2 O),塩化ニッケル六水塩(NiCl・6H2 O),
塩化ニッケル無水塩(NiCl2 )など、水に可溶性の
ものをあげることができる。これらは、単独で用いても
よく、また適宜に2種以上を混合して用いてもよい。こ
れらのうち、酢酸ニッケル四水塩は、放電容量が高い電
池の製造を可能にするので好適なニッケル塩である。
【0012】アルカリとしては、格別限定されるもので
はなく、例えば水酸化カリウム(KOH),水酸化ナト
リウム(NaOH),水酸化リチウム(LiOH・H2
O)をあげることができ、これらは単独で用いても混合
して用いてもよい。用いるニッケル塩やアルカリの純度
は工業用級以上であればよく、また形状も格別限定され
るものではないが、小塊状,顆粒状,フレーク状,粉末
状のいずれかの形状であればよい。
【0013】上記したニッケル塩とアルカリを前者1モ
ルに対し後者2モルを基準にして、撹拌機が取付けられ
ている反応容器に投入し、全体を撹拌機で混合して反応
を進める。場合によっては、この反応系内に水を添加し
てもよい。水分存在下で反応を進める場合には、用いる
ニッケル塩の結晶水も含めて、水分存在量は全体とし
て、ニッケル塩1モルに対し20モル以下に制御され
る。
【0014】混合は室温下で行えばよく、このときに、
湿度,圧力などの条件制御は全く不要である。上記した
条件下でニッケル塩とアルカリを混合すると、互いの水
溶液を混合した場合と異なり、ニッケル塩とアルカリ、
とくにアルカリは溶解することなく、水酸化ニッケルに
変質していく。このような反応で生成した水酸化ニッケ
ルは、濾過性と洗浄性が優れていて、水に投入したとき
の沈降速度は極めて速いものになる。
【0015】反応容器内での撹拌と反応を円滑に進め、
かつ生成した水酸化ニッケルの均一性を向上させ、その
粒径分布のばらつきを小さくするためには、この反応系
内に、ニッケル塩やアルカリが溶解しない程度の少量の
水を添加することが好適である。その場合の水分量は前
記したように、ニッケル塩やアルカリに含まれている結
晶水の量も含めて、ニッケル塩1モルに対して20モル
量以下となるように制御する。系内の水分存在量がニッ
ケル塩1モルに対して20モル量より多い場合は、得ら
れる水酸化ニッケルは、水溶液反応の場合とおなじよう
にゲル状になってしまい、濾過性や洗浄性が悪くなる。
【0016】反応終了後、反応容器の内容物を水中に投
入して分散させたのち、その分散液を濾過して生成した
水酸化ニッケルを分離する。そして分離した水酸化ニッ
ケルを水洗する。この過程で、未反応のニッケル塩やア
ルカリ、更には反応時に副生した不要な塩は水に溶解し
て、水酸化ニッケルから除去される。水洗後、水酸化ニ
ッケルを乾燥し、必要に応じては粉砕して所定の粒径に
整粒する。
【0017】このようにして製造された本発明の水酸化
ニッケルは、その2軸平均粒径が27〜40μm程度で
あり、従来のものに比べてかなり粗大になっている。ま
た、例えば3gの乾燥粉末を自然落下状態でメスシリン
ダに緩充填し、500回のタッピングを行ったときのタ
ップ密度が1.4〜1.8g/ccであるような嵩密度を有し
ている。
【0018】本発明の水酸化ニッケルに、Zn2+,Co
2+,Cd2+,Ca2+,Al3+,Mg2+,Mn2+,Cu2+
のような金属イオンを固溶添加すると、その水酸化ニッ
ケルを活物質とするニッケル極は、充放電時における膨
張や変形が抑制されるので好適である。これら金属イオ
ンの含有量は、水酸化ニッケルの全量に対し、10重量
%以下となるように設定されることが好ましい。この含
有量が10重量%より多くなると、その水酸化ニッケル
を活物質とする電池の放電容量が著しく低下してしまう
からである。
【0019】このような異種金属イオンを含有する水酸
化ニッケルを製造する場合には、ニッケル塩とアルカリ
の混合時に、上記した金属の塩を所定量共存させればよ
い。つぎに、本発明のニッケル極の製造方法を説明す
る。まず、上記したようにして製造された水酸化ニッケ
ルの粉末と、ニッケル粉末,コバルト粉末,カーボン粉
末のような導電材と、ポリテトラフルオロエチレン粉末
のような結着剤とをそれぞれ所定量混合し、ここに例え
ば所定量のカルボキシメチルセルロース水溶液を添加し
て活物質ペーストを調製する。
【0020】ついで、この活物質ペーストを多孔質の集
電体、例えばニッケル発泡体やパンチングメタルシート
などに充填または塗布したのち、乾燥,加圧成形するこ
とにより、集電体に活物質を担持させてニッケル極とす
る。このニッケル極においては、活物質である水酸化ニ
ッケルが前記したようにして製造されたものであるた
め、水酸化ニッケルの充填密度を高めることができる。
また、電池に正極として組込んだときに、充放電時にお
ける膨張や変形が小さく、同時に電池の放電容量の低下
を抑制することができる。
【0021】
【発明の実施例】
実施例1〜18,比較例1〜4 表1で示したいずれも顆粒状である固体ニッケル塩と固
体アルカリを1:2のモル比で反応容器に入れ、室温下
で約30分間撹拌・混合した。反応終了後、全体を水中
に投入した。投入後に、水と沈澱物が完全に分離するに
要した時間を測定しそれを表1に示した。
【0022】沈澱物を濾取し、水洗したのち乾燥した。
得られた乾燥粉末の元素分析を行ったところ、いずれも
Ni(OH)2 であることが確認された。ついで、各粉
末の2軸平均粒径を顕微鏡で測定し、また各粉末の3g
を秤量し、それを自然落下状態でメスシリンダに緩充填
したのち500回のタッピングを行ってタップ密度を測
定した。それらの結果も表1に示した。
【0023】各粉末とニッケル粉末(導電材)とポリテ
トラフルオロエチレン粉末(結着剤)とを、重量比で4
0:57:3となるように混合し、この混合粉末に1%
カルボキシメチルセルロース水溶液を添加・混合して活
物質ペーストを調製した。ついで、それぞれの活物質ペ
ーストを多孔度97%の発泡ニッケル板に充填したの
ち、全体をプレスして、直径20mm,厚み0.6mmの極板
を成形した。
【0024】なお、このときの活物質ペーストの充填量
から水酸化ニッケルとしての充填量を換算して、それぞ
れの極板における水酸化ニッケルの充填密度を算出し
た。その結果も表1に示した。これらの極板を、濃度3
0%の水酸化カリウム水溶液に浸漬し、ニッケル板を対
極とし、充填されている活物質ペースト中の水酸化ニッ
ケル1g当り50mAの電流で充放電を行い、放電容量を
測定した。なお、放電終止電位は、Hg/HgOの単極
電位に対し+0.15Vとした。
【0025】また、充放電開始前の極板の厚み(t0)
と、充放電12サイクル後における極板の厚み(t)と
を測定し、式:100×(t−t0 )/t0 (%)に基
づいて厚み膨張率を算出した。以上の結果を一括して表
1に示した。比較のために、濃度30重量%の硫酸ニッ
ケル水溶液1リットルに濃度30重量%の水酸化カリウ
ム水溶液2リットルを加え、両液を撹拌して水酸化ニッ
ケル(比較例1)を合成した。この水酸化ニッケルにつ
き、実施例と同様の性状を調べた。結果を表1に示し
た。
【0026】また、エタノール100mlに硫酸ニッケ
ル無水塩(NiSO4 )15.5g(0.1モル)を分散さ
せ、ここに顆粒状の水酸化カリウム13g(0.2モル)
を投入し、全体を撹拌して水酸化ニッケル(比較例2)
を合成した。この水酸化ニッケルについても、実施例と
同様にして性状を調べた。その結果を表1に示した。更
に、市販の高密度球状水酸化ニッケルの無添加品を比較
例3とし、Znが5重量%添加されている市販の高密度
球状水酸化ニッケルを比較例4とし、これらについて
も、実施例と同様にして性状を調べ、その結果を表1に
示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1で示した結果から明らかなように、実
施例方法で製造された水酸化ニッケルは水との分離状態
が極めて良好である。そして、タップ密度も比較的高
く、極板への充填密度も比較例3,4の高密度球状水酸
化ニッケルと遜色がない。したがって、実施例の水酸化
ニッケルは高容量電池の製造にとって有用である。ま
た、極板の厚み膨張率は小さく、極板の充放電サイクル
寿命を高めている。更には、単位重量当りの放電容量も
高く、高容量電池の製造にとって一層有用である。
【0029】実施例19〜23、比較例5,6 実施例7の反応系において、硫酸ニッケル無水塩1モル
に対し表2で示したモル数の水を添加して反応を進め
た。得られた各水酸化ニッケルにつき、実施例7と同様
にしてその性状を調べ、その結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、反応系内の水分
存在量がニッケル塩1モルに対し20モルを超えると、
濾過性が非常に悪くなる。 実施例24〜30 硝酸ニッケル・六水塩に、表3で示した各金属の硝酸塩
をそれら金属の含有量が5重量%となるように固溶して
成る混合塩を調製し、その混合塩をニッケル塩として用
い、またアルカリとして固体水酸化カリウムを用いるこ
とにより、外部から水を添加することなく、実施例1〜
18と同様にして水酸化ニッケルを製造した。
【0032】各水酸化ニッケルを用いて、実施例1〜1
8と同様な極板を製造し、それらの放電容量,厚み膨張
率を測定した。その結果を表3に示した。
【0033】
【表3】
【0034】表3の結果から明らかなように、金属イオ
ンを含有せしめた水酸化ニッケルを活物質とするニッケ
ル極は、表1で示した実施例1〜18の極板に比べて、
放電容量は低下するが、他方では充放電サイクル時にお
ける厚み膨張率が一層小さくなっている。 実施例31 実施例7,実施例19〜23および比較例5,6の反応
において、系内のpH変化を測定することにより、反応
終了までに要する時間を測定した。その結果を表4に示
した。
【0035】また、各反応で得られた水酸化ニッケルに
つき、画像処理によって、それぞれの粒径分布を測定
し、その結果も表4に示した。
【0036】
【表4】 表4から明らかなように、反応系内の水分量が増加する
につれて、反応終了までの時間は短くなり、同時に得ら
れる水酸化ニッケルの粒径のばらつきも小さくなってい
る。
【0037】実施例32 実施例1の反応で製造した水酸化ニッケル,実施例20
の反応で製造した水酸化ニッケル、および比較例3の水
酸化ニッケルを用いて、3種類の正極を製造した。この
正極を用い、負極として水素吸蔵合金電極を用いてAA
サイズ,設定容量1100mAhのアルカリ二次電池を
組立てた。
【0038】これら3種類のアルカリ二次電池につき、
電流1100mA,充電時間1.2hr,放電終止電圧1.
00Vの条件で充放電サイクル試験を行った。その結果
を、充放電サイクル数と放電容量との関係図として図1
に示した。図中、1は実施例1の反応で製造した水酸化
ニッケルを用いた場合,2は実施例20の反応で製造し
た水酸化ニッケルを用いた場合,3は比較例3の水酸化
ニッケルを用いた場合を表す。
【0039】図1から明らかなように、本発明方法で製
造した水酸化ニッケルを用いた電池は、高い放電容量を
長期に亘って保持している。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法によれば、タップ密度が高く、集電体への充填密度も
高く、また充放電サイクル時における極板の膨張や変形
を小さくすることができ、更には、単位重量当りの放電
容量も高い水酸化ニッケルを製造することができる。そ
して、その製造時にあっては、水との分離が迅速に進
み、洗浄も短時間で行うことができる。
【0041】したがって、本発明方法は、放電容量が大
きく、充放電サイクル寿命の長いアルカリ二次電池の正
極に用いる水酸化ニッケルの製造方法としてその工業的
価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】充放電サイクル数と放電容量との関係を示すグ
ラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ二次電池の正極として
は、ニッケルメッキされた穿孔鋼板にニッケル粉末を焼
結して成る多孔質基材を、ニッケル塩水溶液とアルカリ
水溶液に交互に複数回浸漬し、そのことによって、前記
多孔質基材の穿孔部に水酸化ニッケルを析出させるも
の、いわゆる焼結式ニッケル極が使用されてきた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】上記した問題に対しては、高密度球状水酸
化ニッケルが提案されている。この水酸化ニッケルは、
ニッケル塩を弱塩基性のアミン水溶液に溶解してニッケ
ルイオンをアミン錯体として安定化させ、溶液全体を弱
アルカリ性に保持したまま、ここにアルカリ水溶液を徐
々に滴下することによって合成される。この水酸化ニッ
ケルは、内部空孔は発達せず密度であるとともに、濾
過性,洗浄性はいずれも優れており、電池の高容量化の
達成にとって非常に有用である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また本発明においては、上記方法で得られ
た水酸化ニッケルを主成分とする活物質ペーストを集電
体に担持させることを特徴とするニッケル極が提供さ
れ、更には、上記ニッケル極を正極として組込んだアル
カリ二次電池が提供される。最初に、水酸化ニッケルの
製造方法について説明する。まず、ニッケル塩とアルカ
リが原料として用意される。ニッケル塩としては、例え
ば、酢酸ニッケル四水塩(Ni(CH3 COO)2 ・4
2 O),硫酸ニッケル六水塩(NiSO4 ・6H
2 O),硝酸ニッケル六水塩(Ni(NO3 2・6H
2 O),塩化ニッケル六水塩(NiCl 2 ・6H
2 O),塩化ニッケル無水塩(NiCl2 )など、水に
可溶性のものをあげることができる。これらは、単独で
用いてもよく、また適宜に2種以上を混合して用いても
よい。これらのうち、酢酸ニッケル四水塩は、放電容量
が高い電池の製造を可能にするので好適なニッケル塩で
ある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】ついで、この活物質ペーストを例えば発泡
ニッケルのような多孔質の集電体或いはパンチングメタ
ルシートなどの集電体に充填または塗布したのち、乾
燥,加圧成形することにより、集電体に活物質を担持さ
せてニッケル極とする。このニッケル極においては、活
物質である水酸化ニッケルが前記したようにして製造さ
れたものであるため、水酸化ニッケルの充填密度を高め
ることができる。また、電池に正極として組込んだとき
に、充放電時における膨張や変形が小さく、同時に電池
の放電容量の低下を抑制することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル塩とアルカリとを、前記ニッケ
    ル塩1モルに対して20モル以下の水分存在量の下で混
    合することにより前記ニッケル塩と前記アルカリの反応
    を進めたのち、副生した不要な塩を除去することを特徴
    とするニッケル極用水酸化ニッケルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ニッケル塩が無水または含水のニッ
    ケル塩であり、前記アルカリが無水または含水のアルカ
    リである請求項1のニッケル極用水酸化ニッケルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記ニッケル塩には、Zn,Co,C
    d,Ca,Al,Mg,Mn,Cuの群から選ばれる少
    なくとも1種の金属が固溶されている、請求項1または
    2のニッケル極用水酸化ニッケルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ニッケル塩が酢酸ニッケル四水塩で
    ある、請求項1、2または3のニッケル極用水酸化ニッ
    ケルの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4の方法で得ら
    れた水酸化ニッケルを主成分とする活物質ペーストを、
    多孔質の集電体に担持させて成ることを特徴とするニッ
    ケル極。
  6. 【請求項6】 請求項5のニッケル極が正極として組込
    まれていることを特徴とするアルカリ二次電池。
JP5351807A 1993-12-29 1993-12-29 ニッケル極用水酸化ニッケルの製造方法、およびその水酸化ニッケルを用いたニッケル極、ならびにそれを組込んだアルカリ二次電池 Pending JPH07201324A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001189153A (ja) * 1999-11-29 2001-07-10 Hc Starck Gmbh & Co Kg 再充電可能な電池のための活物質

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