JPH07201056A - 光ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ディスク面の傾斜に合わせて対物レンズを傾斜
させることにより光スポットに収差が発生することを防
止する光ディスク装置に於て、傾き制御の回転中心がデ
ィスクの焦点面にないことにより生じる光スポットの移
動をなくし、安定な再生信号を得る。 【構成】ディスク半径方向の傾き制御信号８ａを、トラ
ッキング制御信号４に加算した信号によりトラッキング
を制御し、対物レンズをディスク半径方向に傾き制御し
たとき、傾き制御の回転中心がディスク焦点面になるよ
うにトラッキング方向に対物レンズを移動させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業状の利用分野】本発明は光ディスクの記録再生に
用いられる光ディスク装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスクの記録再生のためには、レー
ザ光を対物レンズにより絞り光ディスク面に微小スポッ
トを得て、光ディスク面上の所定の位置に保つことが必
要である。そのため、アクチュエータ部に設けた対物レ
ンズを光軸方向に移動させ、焦点合わせをするためのフ
ォーカス制御及び対物レンズの光軸と直交する方向（光
ディスク半径方向）にアクチュエータ部を移動させ、信
号溝に追従させるためのトラッキング制御が行われる。

【０００３】また、光ディスクに反りがある場合には光
スポットが形成される際、光ディスクの傾斜によりコマ
収差が発生するため、期待されるスポット径が得られな
くなることがある。これを防止するために、光ディスク
の傾きに応じて対物レンズ（光ピックアップ）を傾斜さ
せ、対物レンズの光軸が光ディスク面と直交するように
制御することが行われる。このような制御はチルトサー
ボと呼ばれ、主に光ディスク半径方向の制御を行うこと
がレーザーディスクプレーヤなどで広く使われている。

【０００４】図３（ａ）、（ｂ）は、従来の光ピックア
ップの一例で光ピックアップ装置の概略構成図を示して
いる。図３（ａ）は制御機構の上面図、図３（ｂ）は側
面図である。図３（ａ）において、固定部１４には回転
軸１５を中心に回転できる光学装置１６に取り付けられ
たアクチュエータ１７には、対物レンズ１８と隣接した
位置に傾き検出素子１９を設けてある。図３（ｂ）にお
いて、光学装置１６に取り付けられたアクチュエータ１
７と光ディスク２０の傾きを傾き検出素子１９で検出し
た信号によって磁気回路２１とともに傾き駆動コイル２
２を駆動し、回転軸１５を中心に光学装置１６を回転さ
せて対物レンズ１８と光ディスク２０との角度を平行に
保つようにしていた。

【０００５】対物レンズ部に示した矢印と極性は、それ
ぞれの駆動コイルに流す電流の極性と対物レンズの移動
方向を示したものである。図４は、傾き制御コイル及び
対物レンズアクチュエータ駆動回路の一例を示す説明図
で、フォーカス制御信号２３をアンプ２４、トラッキン
グ制御信号２５をアンプ２６、傾き検出素子１９で検出
した傾き制御信号２７をアンプ２８で必要量を増幅し、
フォーカス制御コイル２９、トラッキング制御コイル３
０、傾き駆動コイル２２それぞれの駆動コイルに供給さ
れている。

【０００６】光ディスクの傾き制御は主に光ディスクが
傘状に反っている場合に対するもので、その応答速度は
光ディスクの回転周期より遅いのが普通である。しか
し、より高密度な光ディスクの記録再生に於ては、更に
小さな光スポットを必要とするため、開口数の大きい対
物レンズが用いられることがある。そして、対物レンズ
の開口数を大きくした場合には、光ディスクの傾斜によ
るコマ収差が発生し易くなるため、光ディスクの回転周
期に追従した対物レンズの傾き制御を行うことが必要と
なる。また、図３の傾き制御機構付き光ピックアップ装
置に示すように、回転軸２５を中心に傾き制御するため
傾き制御によりスポット位置が移動してしまう。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】光ディスクを再生した
状態ではスポット位置が移動しようとしてもトラッキン
グ制御によりスポット位置が正しい位置に保たれるが、
傾き制御の応答速度を速くした場合には、トラッキング
制御に大きな外乱を与えることとなり、トラック飛びし
やすくなる。この問題は傾き制御機構を、スポットの焦
点位置を中心に回転するようにすれば解決されるが、機
構が複雑化してしまう欠点があった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、光ディスク面
の傾斜とともに対物レンズを傾斜させ、レーザ光と対物
レンズの光軸とデイスク面とがほぼ直交するようにディ
スクの傾き制御を行う光ディスク装置において、ディス
ク面の傾斜を検出する傾き検出手段とレーザ光のスポッ
ト位置をディスク面上の信号溝上に保持するトラッキン
グ制御信号と、傾き検出手段で検出したスポット移動量
とトラッキング信号とを加算器で加算するトラッキング
制御手段を設けた光ディスク装置である。

【０００９】

【作用】対物レンズを光ディスク半径方向に傾き制御す
ると同時に、傾き制御によるスポットの移動方向と逆方
向に対物レンズを移動させるようにトラッキング制御の
スポット移動量をトラッキング制御信号に加算し制御し
たため、対物レンズの回転中心が光ディスクの焦点面と
なるように補正することができる。

【００１０】

【実施例】図１は本発明における一実施例で要部説明図
である。同図において、光ピックアップ（図示せず）よ
り得られるフォーカス制御信号１は、アンプ２を介して
フォーカス制御コイル３に送られフォーカス制御を行
う。また、トラッキング制御信号４は、加算器５、アン
プ６を介してトラッキング制御コイル７を制御する。そ
して、傾き検出素子８で検出した傾き制御信号８ａは、
アンプ９を介して傾き駆動コイル１０の制御、更に加算
器５に加えられ加算されて光ディスク（図示せず）の傾
き制御が行われる。

【００１１】傾き制御によるスポットの移動量は、光デ
ィスクの傾きの量と、傾き制御の回転中心とスポットの
焦点位置までの距離で決まる。図２（ａ）、（ｂ）は、
本発明における一実施例で本アクチュエータ制御の動作
説明図である。図２（ａ）は、光ディスク１１が傾斜し
ている場合の一例を示しており、傾きの量をθ＝１度、
傾き制御の回転中心とスポットの焦点位置までの距離Ｒ
をＲ＝１０ｍｍとすると、スポット１２の移動量Ｓ≒
０．１７ｍｍとなる。このように、傾き量１度に対して
対物レンズ１３がトラッキング方向に０．１７ｍｍ移動
すれば図２（ｂ）の傾き補正動作の一例に示すように、
矢印方向に対物レンズ１３が移動し光ディスク１１の傾
き制御によるスポット位置の移動を補正できる。

【００１２】光ディスク１１の傾き制御は、傾き検出素
子によって検出した光ディスク１１の傾き量の信号（傾
き制御信号）により行われる。従って動作状態ではこの
信号と対物レンズの傾き量は比例するのため、トラッキ
ングコイルに傾き制御信号を、傾き１度当り対物レンズ
が０．１７ｍｍ移動するように調整して加えれば、傾き
制御によるスポットの移動を防ぐことができる。

【００１３】本実施例では、対物レンズ１３の移動方向
の極性に基づいて、傾き制御信号を極性はそのままトラ
ッキング制御信号に加算しているが、トラッキング制御
コイル及び傾き制御コイルの極性により、傾き制御によ
るスポットの移動方向と、トラッキング制御のスポット
の移動方向が同じになる場合は、極性反転してから加算
すれば良い。

【００１４】

【発明の効果】トラッキング制御のスポットの移動方向
が傾き制御のスポットの移動方向と逆の極性で光ディス
ク半径方向の傾き制御信号をトラッキング制御信号に加
算し、トラッキングを制御するようにしたため、光ディ
スクの傾斜に合わせて対物レンズを傾斜させることがで
き、傾き制御の回転中心が光ディスク焦点面にないこと
による不安定な傾き制御によるトラッキング制御を防止
でき、音飛びのない安定な信号再生を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による一実施例の要部説明図。

【図２】（ａ）、（ｂ）は、本発明による一実施例の動
作説明図。

【図３】従来の光ピックアップの概略構成図。

【図４】従来の光ピックアップ駆動回路を示す説明図。

【符号の説明】

１，２３ フォーカス制御信
号 ２，６，９，２４，２６，２８ アンプ ３，１７，２９ フォーカス制御コ
イル ４，２５ トラッキング制御
信号 ５ 加算器 ７，１６，３０ トラッキング制御
コイル ８，１９ 傾き検出素子 ８ａ，２７ 傾き制御信号 １０，２２ 傾き駆動コイル １１，２０ 光ディスク １２ スポット １３，１８ 対物レンズ １４ 固定部 １５ 回転軸 １６ 光学装置 １７ アクチュエータ ２１ 磁気回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスク面の傾斜とともに対物レンズを
   傾斜させ、レーザ光と対物レンズの光軸とデイスク面と
   がほぼ直交するようにディスクの傾き制御を行う光ディ
   スク装置において、前記ディスク面の傾斜を検出する傾
   き検出手段と前記レーザ光のスポット位置を前記ディス
   ク面上の信号溝上に保持するトラッキング制御信号と、
   前記傾き検出手段で検出した前記スポット移動量と前記
   トラッキング信号とを加算器で加算するトラッキング制
   御手段を設けたことを特徴とする光ディスク装置。