JPH0719926Y2 - シート装置のバックル収納構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、例えばリヤシート装置にリヤシートベルト装
置のバックルを収納するシート装置のバックル収納構造
に関する。

（従来の技術） 車両には、衝突時における乗員保護を目的として、シー
ト装置に着座した乗員の身体を拘束するシートベルト装
置が備えられている。すなわち、第８図はリヤシート装
置１およびこのリヤシート装置１に装備された２点式リ
ヤシートベルト装置２を示し、上記リヤシート装置１は
シートクッション３と、シートバック４およびこのシー
トバック４の両側に設けられたシートバックサイド部５
とからなる。このシートバックサイド部５は、第９図に
示すように、リヤホイールハウス６を覆うように取付け
られている。また、上記リヤシートベルト装置２は、帯
状のウエビング７にバックル８を取付けてなるバックル
本体９と、同じく帯状のウエビング10にタング11を取付
けてなるタング本体12とからなる。上記バックル本体９
は、ボルト13によってフロア14に固定されている。ま
た、上記バックル本体９およびタング本体12は、シート
クッション３とシートバック４との間隙からリアシート
装置１の表面側に引出されている。しかして、乗員がシ
ートクッション３に着座した後、バックル本体９のバッ
クル８にタング本体12のタング11を差込んで係止するこ
とにより、乗員の身体にリヤシートベルト装置２が装着
されるようになっている。

ところで、上記バックル本体９の非使用時（リヤシート
ベルト装置２の非装着時）においては、このバックル本
体９はシートクッション３の上面に放置されがちであ
る。そのため、外観上の見栄えが悪かった。また、この
バックル本体９が邪魔になり、乗員はバックル本体９を
退かせてからシートクッション３に着座しなければなら
ず、あるいはバックル本体９が尻の下敷きになった場合
には、腰を浮かせるなどして取出さなければならなかっ
た。さらに、乗員が降車する際、乗員の身体にバックル
本体９がまとわりつき、このバックル本体９をドア（図
示しない）に挾むという不具合もあった。加えて、リヤ
シート装置１が可動式のものであった場合、例えばシー
トクッション３が前ヒンジでその後側がはね上げ可能な
ものであった場合には、このシートクッション３をはね
上げると、バックル本体９がフロア14に落下する不具合
があり、この状態でシートクッション３を元の状態に戻
すと、バックル本体９がシートクッション３の下敷きに
なり、バックル本体９を取出すことが困難となる問題が
あった。

そこで、第10図に示すように、リヤシート装置１のシー
トバックサイド部５にホルダ収容部15を設けるととも
に、このホルダ収容部15にバックルホルダ16を取付け、
バックル本体９の非使用時にはこのバックル本体９を上
記バックルホルダ16に収納する構造のものが案出されて
いる。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記第10図に示した従来構成のものによ
ると、バックルホルダ16に長い帯状のバックル本体９を
人手により収納しなければならない。また、シートバッ
クサイド部５には、リヤホイールハウス６の張出しによ
ってバックルホルダ16を取付けるに十分な厚みを確保す
ることが難しく、したがってシートバックサイド部５に
バックルホルダ16を設けることは困難である。

本考案は上記事情に着目してなされたもので、その目的
とするところは、バックル本体が邪魔にならず、しかも
このバックル本体のバックルを自動的に収納できるシー
ト装置のバックル収納構造を提供することにある。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） そこで、本考案は、リヤシートのシートバックの側部に
設けられ、同シートバックより車両前方かつ外方に向け
て伸びた表面を有するシートバックサイド部と、同シー
トバックサイド部の上記表面側下部に形成された収納凹
部と、同収納凹部に収納されると共に、一端にバックル
を有し、他端が車体側に固定されたバックル本体とを具
備し、上記バックル本体は上記収納凹部から上記バック
ルを挿脱自在に湾曲可能となるよう弾力性を有する構造
としたから、使用時には湾曲して上記バックルを上記収
納凹部から取出し可能としたものである。

（作用） このような構成によれば、バックル本体の非使用時に
は、このバックル本体はその弾力性によって自立し、そ
のためバックルはシート装置の収納凹部に収納される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第７図にもとづ
き説明するが、基本的構成は第８図および第９図に示し
た従来例と同様なため、これと同一な構成部分には同一
の符号を付してその説明を省略し、本考案に係わる部分
のみを説明する。

第１図ないし第３図において、リヤシート装置１のシー
トバックサイド部５の表面側下部には収納凹部21が設け
られている。そして、この収納凹部21には、後述する自
立式のバックル本体22のバックル23が挿脱自在に収納さ
れるようになっている。

上記バックル本体22は、第４図ないし第７図に示すよう
に構成されている。すなわち、24はボルト13によってフ
ロア14に固定されたＬ字状のアンカプレートであり、こ
のアンカプレート24の取付孔24aと上記バックル23の取
付孔23aとの間には帯状のウエビング25が巻かれてい
る。このウエビング25は糸26によって縫着されており、
これによりアンカプレート24とバックル23とは相互に連
結されている。また、これらアンカプレート24、バック
ル23、ウエビング25の外周部には樹脂ブーツ27が被包さ
れており、これによりバックル本体22は弾力性を有し、
その自由状態においては自立するが、その弾力性に抗し
て力を加えることにより、湾曲可能となっている。さら
に、上記ウエビング25の内側には樹脂プレート28が設け
られているとともに、上記アンカープレート24のコーナ
ー部には一対のリブ29が立設されており、バックル本体
22の剛性が高められている。

しかして、バックル本体22の非使用時には、このバック
ル本体22はその弾力性によって自立し、そのためバック
ル23はシートバックサイド部５の収納凹部21に収納され
ている。この状態で、乗員がシートクッション３に着座
した後、バックル本体22のウエビング25をその弾力性に
抗して湾曲させてバックル23を上記収納凹部21から取出
し、このバックル23にタング本体12のタング11（第８図
に示す）を差込んで係止することにより、乗員の身体に
リヤシートベルト装置（図示しない）が装着されるよう
になっている。

このような構成によれば、バックル本体22の非使用時に
は、このバックル本体22は自立するので、バックル23は
シートバックサイド部５の収納凹部21に自動的に収納さ
れる。そのため、バックル23は上記収納凹部21に隠れ、
外観上の見栄えを良くすることができる。また、バック
ル本体22が邪魔にならず、乗員は何等支障なくシートク
ッション３に着座することができる。さらに、乗員が降
車する際、乗員の身体にバックル本体22がまとわりつい
てこのバックル本体22をドア（図示しない）に挾むとい
うことも防止できる。加えて、リヤシート装置１が可動
式のものであった場合、例えばシートクッション３が前
ヒンジでその後側がはね上げ可能なものであった場合に
は、このシートクッション３をはね上げても、バックル
本体22がフロア14に落下することはなく、したがってバ
ックル本体22がシートクッション３の下敷きになってバ
ックル本体22を取出すことが困難となるようなこともな
い。しかも、バックル23はシートバックサイド部５の収
納凹部21に収納されるので、バックル23はシートクッシ
ョン３のはね上げ軌跡から逃れ、したがってシートクッ
ション３のはね上げ作業時にバックル23が邪魔になるこ
とはない。

また、バックル23はシートバックサイド部５の収納凹部
21に自動的に収納されるので、第10図に示した従来例の
ように、バックル本体22を人手により収納する面倒な作
業を省略することができる。さらに、シートバックサイ
ド部５には、バックル23のみを収納できるだけの厚みが
あればよく、したがってこのシートバックサイド部５に
バックル23を何等支障なく収納することができる。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、バックル本体の非
使用時には、このバックル本体は自立してそのバックル
をシート装置の内側面に設けた収納凹部に収納するの
で、このバックル本体が邪魔にならない。しかも、バッ
クルは上記収納凹部に自動的に収納されるので、バック
ル本体を人手により収納する面倒な作業を省略すること
ができるという効果を奏する。

さらに、シートバックサイド部の車両前方かつ外方に向
けて延びた表面側下部にバックル本体の収納凹部を設け
ているため、乗員が着座した時に乗員によって収納凹部
が塞がれることがなく、バックル本体が常に着座状態の
乗員の略側方に位置して取り出し易く、シートベルトの
装着性を向上できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図は本考案の一実施例を示すもので、
第１図は要部の断面図、第２図はリヤシート装置の斜視
図、第３図はシートバックサイド部の取付け方を示す分
解斜視図、第４図はバックル本体の斜視図、第５図はバ
ックル本体の一部を断面して示す正面図、第６図および
第７図はバックル本体の一部を断面して示す側面図、第
８図ないし第10図は従来例を示すもので、第８図はリヤ
シート装置の斜視図、第９図はシートバックサイド部の
取付け方を示す分解斜視図、第10図は他の従来例を示す
シートバックサイド部の斜視図である。 １……リヤシート装置、21……収納凹部、22……バック
ル本体、23……バックル。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 金子 勉 愛知県岡崎市橋目町字中新切１番地 日本 自動車エンジニアリング株式会社岡崎事業 所内 (56)参考文献 実開 昭62−110053（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭50−49819（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リヤシートのシートバックの側部に設けら
   れ、同シートバックより車両前方かつ外方に向けて延び
   た表面を有するシートバックサイド部と、同シートバッ
   クサイド部の上記表面側下部に形成された収納凹部と、
   同収納凹部に収納されると共に、一端にバックルを有
   し、他端が車体側に固定されたバックル本体とを具備
   し、上記バックル本体は上記収納凹部から上記バックル
   を挿脱自在に湾曲可能となるよう弾力性を有することを
   特徴とするシート装置のバックル収納構造。