JPH0415556Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用シートベルトバツクルの格
納構造に関する。

（従来技術） 一般にシートベルトの遊端部に設けたタングプ
レートを係止するシートベルトバツクルは、例え
ば実開昭57−188558号公報に示されているごと
く、ボデイ側にブラケツトを固定して、シートベ
ルトの不使用時に、前記ブラケツトを介して前記
バツクルをボデイに係止するようにするか、ある
いは、自立式のシートベルトバツクルと成して、
シートの側方に立設させるようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで前記バツクルを前記ブラケツトを介し
て前記ボデイに係止するにしても、該ブラケツト
が前記公報に示されているごとく、乗員の目に付
き易い位置に設けられていると、前記ブラケツト
及び該ブラケツトに係止されるシートベルトバツ
クルが車室内に露呈して、車室内の美観を損なう
し、また自立式にしてもバツクルが車室内に突出
して、見栄えが悪いだけでなく、乗員の乗降時、
体を前記バツクルに引つ掛ける虞もある。

本考案は以上の実情に鑑みて開発したもので、
前記シートを、車室内に突出する左右ホイールハ
ウスカバー間に配置して、且つ前後方向荷移動自
由に設けた場合には、該シートの移動を許容する
ために、前記ホイールハウスカバーと前記シート
のシートクツシヨンとの間に、乗員の目からは見
えにくい隙間が生じることに着目し、該隙間の有
効利用を図つたのである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は以上の目的を達成するために、車室内
に突出する左右ホイールハウスカバー間にシート
を配置して、該シートを前後方向移動自由に設け
ると共に、前記シートにおけるシートクツシヨン
の車幅方向両側部を前記ホイールハウスカバーの
前部上方に配置した自動車において、前記シート
クツシヨンの車幅方向両側部で覆われる前記ホイ
ールハウスカバーの上面に、前記シートベルトバ
ツクルを係止するホイールを設けると共に、前記
シートベルトバツクルに取付けたバツクル保持ベ
ルトを、前記シートクツシヨンで覆われる車体静
止側部材に固定したのである。

（作用） 本考案によれば、前記シートベルトバツクルを
前記ホイールハウスカバーと前記シートクツシヨ
ンとの隙間内に格納することが出来るので、該バ
ツクルが、乗員の目に入ることはないし、又シー
トの移動時に、前記バツクルをシートの下に挾み
込むなどして傷付けたりすることもない。

（実施例） 以下本考案にかかるシートベルトバツクルの格
納構造の一実施例を図面に基づいて説明する。

図において１，１は左右のリヤホイールをそれ
ぞれ収容するホイールハウスカバーであつて、該
ホイールハウスカバー１，１は、車室内において
フロアパネル２よりも上方に円弧状に突出してい
る。

３は前記フロアパネル２上における前記ホイー
ルハウスカバー１，１間に、車両の進行方向前後
方向に所定量移動自由に設けたリヤシートであつ
て、該リヤシート３におけるシートクツシヨン３
ａの両側前端部位を車幅方向外方に膨出させて、
該膨出部３０を、第５図に示すごとく、前記ホイ
ールハウスカバー１の前壁１１上方に所定の隙間
Ｓを開けて配置している。

又４は前記リヤシート３に装備するシートベル
トであつて、該シートベルト４の一端を前記シー
トクツシヨン３ａに固定し、該シートベルト４
を、前記シートクツシヨン３ａとシートバツク３
ｂとの間から引出し自由に設けると共に、該シー
トベルト４の遊端にタングプレート５を取付けて
いる。

又６は、前記タングプレート５を係止するシー
トベルトバツクルであつて、該バツクル６に取付
けたバツクル保持用ベルト６０の遊端部を、前記
シートクツシヨン３ａの車幅方向側部で覆われる
前記ホイールハウスカバー１の内側壁に固定して
いる。

しかして本考案は前記シートベルトバツクル６
の格納構造に関し、図に示す実施例では、前記シ
ートクツシヨン３ａの膨出部３０に対し所定の隙
間Ｓを開けて対向する前記ホイールハウスカバー
１，１の前壁１１上面にホルダー７を固定して、
該ホルダー７に前記バツクル６を係止すること
で、該バツクル６を前記隙間Ｓ内に格納するごと
く成したものである。

前記ホルダー７は、合成樹脂より一端が開口す
る箱型に形成したもので、その下面に係合突起７
１を一体形成して、該係合突起７１を、前記ホイ
ールハウスカバー１の前壁１１に形成した貫通孔
１２に挿通して、その挿通端部を熱でかしめるこ
とで、該ホルダー７を前記前壁１１に固定して、
その開口を斜め後方に向ける一方、第４図に示す
ごとく、該ホルダー７の上壁７２と前記ホイール
ハウスカバー１の前壁１１とで、前記バツクル６
を挾持するごとく成している。

本考案は以上の構成からなり、前記シートベル
ト５を使用しない時には、第１図に示すごとく、
前記シートベルトバツクル６を、前記シートクツ
シヨン３ａの膨出部３０と前記ホイールハウスカ
バー１の前壁１１との間の隙間Ｓ内に挿入して、
前記ホルダー７内に挿嵌すればよく、これによ
り、前記シートベルトバツクル６及び前記バツク
ル保持用ベルト６０は、乗員の目に入ることがな
いし、又該バツクル６が乗降の障害になることも
ない。

一方、前記シートベルト５を使用する場合に
は、前記シートベルトバツクル６を前記ホルダー
７から抜き外して、第１図に示すごとく、前記隙
間Ｓからシートクツシヨン３ａ上に取り出して用
いればよいである。

（考案の効果） 以上のごとく本考案は、車室内に突出する左右
ホイールハウスカバー間にシートを配置して、該
シートを前後方向移動自由に設けると共に、前記
シートにおけるシートクツシヨンの車幅方向両側
部を前記ホイールハウスカバーの前部上方に配置
した自動車において、前記シートクツシヨンの車
幅方向両側部で覆われる前記ホイールハウスカバ
ーの上面に、前記シートベルトバツクルを係止す
るホルダーを設けると共に、前記シートベルトバ
ツクルに取付けたバツクル保持ベルトを、前記シ
ートクツシヨンで覆われる車体静止側部材に固定
するようにしたことにより、シートベルトの不使
用時には、前記シートベルトバツクルを、前記ホ
イールハウスカバーの前部上面と前記シートクツ
シヨンの車幅方向両側部下面との間に形成される
車室内からは見え難い隙間内に前記ホルダーを介
して確実に格納することが出来て、車室内の美観
を損なうことがないし、しかも前記ホルダーに保
持した前記シートベルトバツクルが前記シートの
移動に支障を来すような虞もなく、該シートを前
後にスムーズに移動させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるシートベルトバツクル
の格納構造の一実施例を平面的に示す説明図、第
２図は同概略斜視図、第３図はリヤシートを省略
して示す要部の概略斜視図、第４図は要部の概略
断面図、第５図は第３図−線拡大断面図であ
る。 １……ホイールハウスカバー、３……リヤシー
ト、３ａ……シートクツシヨン、４……シートベ
ルト、６……シートベルトバツクル、７……ホル
ダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室内に突出する左右ホイールハウスカバー間
   にシートを配置して、該シートを前後方向移動自
   由に設けると共に、前記シートにおけるシートク
   ツシヨンの車幅方向両側部を前記ホイールハウス
   カバーの前部上方に配置した自動車において、前
   記シートクツシヨンの車幅方向両側部で覆われる
   前記ホイールハウスカバーの上面に、前記シート
   ベルトバツクルを係止するホルダーを設けると共
   に、前記シートベルトバツクルに取付けたバツク
   ル保持ベルトを、前記シートクツシヨンで覆われ
   る車体静止側部材に固定していることを特徴とす
   る自動車用シートベルトバツクルの格納構造。