JPH0719873Y2 - 自動車の幌止め装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本考案は、自動車の幌止め装置に関する。

b.従来の技術とその課題 第４図および第５図は、従来の自動車の幌止め装置を示
すものである。

この装置では、自動車のセンターピラー１の後部にレー
ル部材２をボルト３によって固定した後、該レール部材
内に上方から手でもって幌本体４の前端部4aを差込むこ
とにより、幌本体４をセンターピラー１に固定するよう
にしている。なお、ボルト３はセンターピラー１の後部
に溶接されたナット５に締結され、また、センターピラ
ー１の後部のフランジ部1aはオープニングトリム６によ
ってカバーされる。

ところで、上記装置では、レール部材２をボルト３によ
って固定する作業、およびこの作業とは別に行なうオー
プニングトリム６の配設作業が別々に行なわれので煩雑
であり、その組立作業性を低下させていた。

本考案は、上記実情に鑑みてなされたもので、簡単な構
造により、組立作業性を向上させることができる自動車
の幌止め装置を提供することを目的とする。

c.課題を解決するための手段 本考案では、上記目的を達成するために、センターピラ
ーの後部に幌本体の前端部を固定する幌止め部材を配設
して成る自動車の幌止め装置において、上記幌本体の前
端部を保持するレール部材に対応するレール部と、上記
センターピラーの後部のフランジ部をカバーするオープ
ニングトリム部と、爪部とを樹脂によって一体成形して
幌止め部材を成し、さらに上記センターピラーの後部に
上記爪部を嵌着固定する孔を設けている。

d.実施例 以下、本考案に係る自動車の幌止め装置の一実施例を添
附図面を参照しながら詳細に説明する。

第１図〜第３図は、本考案の一実施例を示すものであ
る。

本実施例の幌止め装置では、自動車10のセンターピラー
11の後部にワンタッチで嵌着設置できる幌止め部材12を
用いている。この幌止め部材12は、幌本体13の前端部13
aを嵌入保持するレール部12aと、センターピラー11のア
ウターパネル14およびインナーパネル15の後部フランジ
部14a,15aをカバーするオープニングトリム部12bと、複
数の爪部12cとを有し、樹脂によって一体成形されてい
る。

幌本体13の前端部13aは、棒状の芯材16に巻き付けて縫
合されており、これによって、拡大断面形状となってい
る。

幌止め部材12のレール部12aは、幌本体13の前端部13aの
拡大断面形状に対応して上方から嵌入できるように湾曲
されている。

また、幌止め部材12の爪部12cは基部12dと拡開部12eと
から成る。拡開部12eの中央部には、前方に開くスリッ
ト12fが形成されている。さらに、爪部12cの基部12d
は、拡開部12eよりも幅が小さく略四角形断面形状に形
成されている。

センターピラー11のアウターパネル14の後部には、爪部
12cの基部12dに対応して略四角形状の孔17を複数設けて
いる。孔17は、爪部12の数に対応する数だけ設けられて
いる。

なお、第２図において、13bは幌本体の縫合部、11aはア
ウターおよびインナーパネル14,15のフランジ部14a,15a
を互いにスポット溶接した溶着部である。

本実施例の幌止め部材12は、その複数の爪部12cの拡開
部12eをその弾性力に抗してセンターピラー11の複数の
孔17にそれぞれ嵌入させれば、それらの基部12dのとこ
ろでセンターピラー11に固定される。これに伴ない、オ
ープニングトリム部12bがアウターおよびインナーパネ
ル14,15のフランジ部14a,15aに嵌着される。この状態に
おいては、爪部12cの拡開部12eが孔17の周縁部に掛か
り、幌止め部材12のセンターピラー11からの抜けが防止
されている。このように幌止め部材12は手でもってワン
タッチで迅速にセンターピラー11に組付けることがで
き、また、これと同時に、アウターおよびインナーパネ
ル14,15のフランジ部14a,15aがカバーされる。

e.考案の効果 以上説明したように、本考案に係る自動車の幌止め装置
によれば、幌本体の前端部を保持するレール部と、セン
ターピラーの後部のフランジ部をカバーするオープニン
グトリム部と、爪部とを樹脂によって一体成形して幌止
め部材を成し、さらにセンターピラーの後部に上記爪部
を嵌着固定する孔を設けた構成としているため、上記爪
部を上記孔に嵌着することによって、上記幌止め部材を
上記センターピラーにワンタッチで迅速に組付けること
ができるとともに、同時に上記センターピラーの後部の
フランジ部をカバーすることができる。したがって、部
品点数も少なくて済み、組立作業性を向上させることが
でき、製造コストの低減を図ることができる。

さらに、上記幌止め部材を樹脂で形成したため、錆の発
生を防止でき、また、錆による幌布の劣化も防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案に係る自動車の幌止め装置の一
実施例を示し、第１図はその自動車を示す斜視図、第２
図は第１図におけるＡ−Ａ線断面図、第３図はその幌止
め部材の要部を示す斜視図、第４図および第５図は従来
の自動車の幌止め装置を示し、第４図はその要部を分解
して概念的に示す斜視図、第５図はその要部の水平断面
図である。 10……自動車、11……センターピラー、12……幌止め部
材、12a……レール部、12b……オープニングトリム部、
12c……爪部、13……幌本体、13a……前端部、14……ア
ウターパネル、14a,15a……後方フランジ部、15……イ
ンナーパネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】センターピラーの後部に幌本体の前端部を
   固定する幌止め部材を配設して成る自動車の幌止め装置
   において、上記幌本体の前端部を保持するレール部と、
   上記センターピラーの後部のフランジ部をカバーするオ
   ープニングトリム部と、爪部とを樹脂によって一体成形
   して幌止め部材を成し、さらに上記センターピラーの後
   部に上記爪部を嵌着固定する孔を設けたことを特徴とす
   る自動車の幌止め装置。