JPH07198563A - 漏洩探知機に於ける漏洩検査用ガス収集装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 漏洩検査用ガスと大気からダストを除去して
検査装置へ供給すること、検出感度を向上させること、
迅速に漏洩検査用ガスを収集して検査装置に送り検出時
間を短縮すること 【構成】 被検査物から漏洩した漏洩検査用ガスの濃度
を分析測定する漏洩探知機４のガス収集装置２を、地表
に向けられた下方の吸気開口部５及び該吸気開口部から
吸引ファン８により導入した漏洩検査用ガス及び大気の
混合気体を外部へ排出する上方の排気開口部６とを備え
たケーシング７と、該吸気開口部の前方の周囲を囲む柔
軟な材料で形成されたスカート１０と、該吸気開口部と
スカートとの間に設けたメッシュフィルター１１と、該
ケーシングの内部に仕切板１２を設けて形成した該上方
の排気開口部に向かう該気体の滞留部１７とで構成し、
該排気開口部の前方に検査装置２へ該気体の一部を導く
導入口１８を設けた

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地下に埋設された上水
道管、下水道管、ガス管、燃料輸送管等、或いはガソリ
ンスタンド等の地下埋設タンク等の周囲から隔絶された
密閉地下埋設物の被検査体からの輸送流体や貯蔵流体の
漏洩を主として希ガスの漏洩検査用ガスを利用して探知
する漏洩探知機に使用される漏洩検査ガス収集装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上下水道管等の密閉地下埋設物の
漏洩箇所を探査する場合、地下の漏水音を人間の聴覚を
頼りにして行なわれており、その作業は、自動車の走行
振動音等のノイズの少ない夜間に行なわれている。しか
し、この漏水音を調べる方法では、夜間でも自動車の走
行音、自動販売機等のコンプレッサー音等がノイズとし
て入ってくるので、これらのノイズを漏出音と誤認する
こともあり、調査の確実性が乏しく、また、作業環境も
悪く作業能率が良くない欠点がある。

【０００３】こうした欠点を解消するために、出願人は
図１に示すような、水道管等の密閉地下埋設物の被検査
物ａにヘリウムガス等の希ガスの漏洩検査用ガスを注入
しておき、該被検査物に生じた亀裂等の漏洩箇所から漏
洩する希ガスをその上方の地表上を走行する台車ｂに搭
載した漏洩探知装置ｄの漏洩検査用ガス収集装置ｃで掃
引し、その収集した気体の一部を該台車に搭載した検査
装置ｅに導入して希ガスの濃度を測定することによりそ
の漏洩箇所を発見することを考えた。該検査装置ｅとし
て、例えば図２に示すように、希ガス導入口ｉをテスト
ポートｊ及びロータリーバルブｋを備えた排気管ｌを介
して真空ポンプｍへ接続し、更に該テストポートｊから
スロットルバルブｎ、ターボ分子ポンプｏおよびフォア
ラインバルブｐを介して該真空ポンプｍへ接続し、該ス
ロットルバルブｎとターボ分子ポンプｏの間に分析管ｑ
を接続した公知のヘリウムリークディテクターが使用さ
れる。ｒはピラニー真空計、ｓはペニング真空計であ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記漏洩検査用ガス収
集装置として、図１に示したような、地表上の気体を吸
入するダクトｆとその先端に設けた緩衝用ゴムマットｇ
とで構成し、該ダクトｆ内に設けた検査装置ｅのノズル
ｈで該ダクトｆ内に進入した地表付近の気体を吸引する
ようにしたが、該ダクトｆ内には地表付近の砂やほこり
等のダストが侵入し、これがノズルｈから検査装置ｅへ
侵入して分析を妨げる欠点が見られた。また、該検査装
置ｅが備えるロータリーポンプ等の真空ポンプの吸入量
はわずかであり、多くの地表付近の気体を収集できない
ので、検出装置ｅの希ガス検出感度が風等の影響を受け
て正確さを欠き、吸入量が少ないため大きな地表面積の
気体を導入できず、吸引範囲が狭いために迅速な広範囲
の漏洩探査が難く、更には地表付近の気体が検査装置ｅ
へ到達する速度が遅く、その結果、検出時間が長引く不
都合が生じる。検出時間が長いと、漏洩探知装置ｄを移
動させて探査を行なうときに、希ガス吸引場所と希ガス
検出場所との位置ずれが生じて漏洩地点の特定が困難に
なる。

【０００５】本発明は、漏洩検査用ガスと大気からダス
トを除去して検査装置へ供給することを第１の目的と
し、その第２の目的は、検出感度を向上させることにあ
り、迅速に漏洩検査用ガスを収集して検査装置に送り検
出時間を短縮することを第３の目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、地下に埋設
された被検査物に注入した漏洩検査用ガスの漏れを地表
において大気と共に漏洩探知機のガス収集装置により収
集し、その収集した気体の一部を該漏洩探知機の検査装
置に導入して該漏洩検査用ガスの濃度を分析測定する装
置に於いて、該ガス収集装置を、該地表に向けられた下
方の吸気開口部及び該吸気開口部から吸引ファンにより
導入した漏洩検査用ガス及び大気の混合気体を外部へ排
出する上方の排気開口部とを備えたケーシングと、該吸
気開口部の前方の周囲を囲む柔軟な材料で形成されたス
カートと、該吸気開口部とスカートとの間に設けたメッ
シュフィルターと、該ケーシングの内部に仕切板を設け
て形成した該上方の排気開口部に向かう該気体の滞留部
とで構成し、該排気開口部の前方に該検査装置へ該気体
の一部を導く導入口を設けることにより、上記の目的を
達成するようにした。該吸気開口部と該排気開口部に通
過流量を制御する流量制御装置を設けておくことが好ま
しい。

【０００７】

【作用】該漏洩探知機を例えば台車に搭載して漏洩検査
用ガスを注入した被検査物の埋設場所の上方の地表上を
走行させ、該被検査物に漏洩箇所があると、そこから漏
れた漏洩検査用ガスは地表上の気体と共にガス収集装置
のケーシング内の吸引ファンにより下方の吸気開口部か
ら上方の排気開口部を介して外部へ放出され、検査装置
は該排気開口部の前方に設けた導入口から該ケーシング
内へ吸入した気体の一部を導入して検査用ガスの濃度を
測定する。該検査用ガス等の気体は地表付近のダストと
共に収集されるが、吸気開口部の前方に設けたメッシュ
フィルターで粒径の大きなダストが除去され、更に該気
体が滞留部に於いて流速が小さくなったときに比較的粒
径の小さいダストがその自重で気体から分離されるの
で、導入口から検査装置へ侵入するダスト量が少なくな
る。また、該吸気開口部の前方に設けた該吸気開口部の
周囲を囲むスカートが気体吸入空間を限定し、その空間
内の気体を吸引ファンで排気開口部へと強制的に輸送す
るので、風の影響もなく気体の流速と吸入量が増大する
ので検査装置で迅速に測定を行なえ、吸引ファンで気体
に多くの攪拌を与えることなく効率良く輸送できる。吸
気開口部に設けた流量制御装置を作動させて吸入量を減
少させると、ケーシング内部に溜まり込む気体のクリー
ンアップを行なえ、また、排気開口部の流量制御装置を
作動させることでケーシング内部の気体の溜まり具合を
調整でき、これら両流量制御装置を操作して吸引ファン
による一定流量の吸引を行ない、検出感度を正確にする
ことができる。

【０００８】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明すると、
図３に於いて符号１は図１に示したものと同様の地下に
埋設された水道管、下水道管、ガス管、燃料輸送管等の
周囲から隔絶された密閉地下埋設物の被検査物であって
ヘリウムガス等の漏洩検査用ガスを注入した被検査物の
上方の地表を走行する自走式或いは牽引式の台車を示
し、該台車１にはその後方のガス収集装置２と、これで
収集した気体の一部を導入して漏洩検査用ガスの濃度を
測定する台車１上の検査装置３とで構成した漏洩探知機
４が搭載される。該漏洩検査用ガスがヘリウムガスであ
る場合、図２に示したような構成で複数の導入口を備え
たヘリウムリークディテクターが検査装置３として使用
される。

【０００９】該ガス収集装置２は被検査物から地表に漏
れる漏洩検査用ガスを大気と共に収集するもので、その
詳細は図４及び図５に示す如くであり、地表に向けた下
方の長い長方形の吸気開口部５と上方の長方形の排気開
口部６を備えたケーシング７を該台車１に取付け、該吸
気開口部５から排気開口部６へ気体を輸送する吸引ファ
ン８を該ケーシング７の内部に該吸気開口部５に面して
設けるようにした。該吸引ファン８としては、回転軸方
向に長く且つ半径方向に延びる多数の羽根８ａを有する
例えばシロッコファンが使用され、該吸気開口部５から
排気開口部６へ気体に多くの攪拌を与えずに迅速に輸送
する。該吸気開口部５の前方にはその開口幅を有する延
長ケーシング９を設けてこれの先端の周囲にゴム等の柔
軟な材料で形成されたスカート１０を取付け、該延長ケ
ーシング９の該吸気開口部５とスカート１０との間の位
置にメッシュフィルター１１を取付けした。該スカート
１０は地表に接近して位置し、これで囲まれた風の影響
を受けない空間内の気体を吸引ファン８が排気開口部６
へと輸送する。

【００１０】該ケーシング７の内部にはその内部を複数
に区画する仕切板１２を設けて上方において互いに連通
した上下方向の複数の区画室１３ａ、１３ｂを形成し、
図示の例では２室に区画してその前方の区画室１３ａの
下方に吸引ファン８からの流入口１４を形成すると共に
滞留部１７となる後方の区画室１３ｂの上方に排気開口
部６を形成した。該排気開口部６の前方に検査装置３へ
の気体の導入口１８の複数個を下方に長方形の開口１５
を有する遮蔽板１６で囲って設け、横流ファン８から送
られる気体は前方の区画室１３ａを上昇して後方の区画
室１３ｂの滞留部１７に於いて滞留し、そこで気体中の
ダストをその自重で沈下させたのち排気開口部６から外
部へ放出され、その際、該排気開口部６の前方で導入口
１８からダストの少ない気体の一部が検査装置３へ送ら
れ、該気体中の漏洩検査用ガスの濃度が分析測定される
ようにした。該導入口１８にはフィルターを設けて検査
装置３の真空系にダストが侵入することを防止してお
り、このフィルターは気体中のダストが多いと短時間に
目詰まりして漏洩探知を中止しなければならないが、上
記のようなガス収集装置２の構成とすることにより、該
気体中のダストの多くが除去され、長時間の漏洩探知を
行なえる。

【００１１】該吸気開口部５及び排気開口部６には、シ
ャッターで構成した流量制御装置１９、２０を設けて通
過流量を制御するようにし、吸気開口部５を流量制御装
置１９で閉じて該ケーシング７内をクリーニングするよ
うに排気すること、該吸気開口部と排気開口部６の開口
面積を流量制御装置１９、２０で制御して一定の流量を
流すことにより、ケーシング７内での気体の溜まり具合
を調整して漏洩検査用ガス濃度の調整を行なえるように
した。

【００１２】図示実施例のガス収集装置２を備えた漏洩
探知機４を台車１に搭載し、被検査物の上方の地表を走
行させると、ガス収集装置２はスカート１０で囲まれた
領域の漏洩検査用ガス及び大気の混合気体を吸引ファン
８で多くの攪拌を伴わずにしかもメッシュフィルター１
１と滞留部１７でダストを除去して排気開口部６へと迅
速に放出され、その前方の気体の流速が弱まったところ
に設けた導入口１８から検査装置３へダストの少ない漏
洩検査用ガスが混入した気体の一部を導いて漏洩探知を
行なうので漏洩検査用ガスを捕える確率が向上するた
め、該検査装置３の感度が向上する。該ケーシング７の
内部に溜まり込む大気を吸気開口部５の流量制御装置１
９を閉じて排気することによりクリーンアップすると、
検出装置３の残留気体による検出感度の変化を防げて正
確な測定を行なえ、吸気開口部５及び排気開口部６の流
量制御装置１９、２０を調整してムラなく一定流量を流
すことにより検出装置２で正確な測定を行なえる。

【００１３】

【発明の効果】以上のように本発明によるときは、漏洩
検査用ガスを収集して被検査物の漏洩を検査する漏洩探
知機のガス収集装置を、下方の吸気開口部と上方の排気
開口部とを備えたケーシングと、該吸気開口部の前方の
メッシュフィルター及びスカートと、該ケーシングの内
部の仕切板で形成した該気体の滞留部とで構成し、該排
気開口部の前方に該検査装置へ該気体の一部を導く導入
口を設けたので、該吸気開口部から吸入した漏洩検査用
ガスと大気からダストを除去して検査装置へ供給するこ
とができ、該検査装置の耐久性が向上し、該滞留部によ
って漏洩検査用ガスの濃度が向上して検査装置の検出感
度を向上させることができ、吸引ファンにより迅速に漏
洩検査用ガスを収集して少ない攪拌で検査装置に送れる
ので検出時間を短縮することができると共に検出感度も
良好になる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 希ガスにより密閉地下埋設物の漏洩を探知す
る装置の説明図

【図２】 漏洩探知機の検査装置の線図

【図３】 本発明の実施例の要部の側面図

【図４】 図３のガス収集装置の側面図

【図５】 図４の５−５線断面図

【符号の説明】

１ 台車 ２ ガス収集装置 ３
検査装置 ４ 漏洩探知機 ５ 吸気開口部 ６
排気開口部 ７ ケーシング ８ 吸引ファン １０
スカート １１ メッシュフィルター １２ 仕切板 １７
滞留部 １８ 導入口 １９、２０ 流量制御装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 英二郎 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地下に埋設された被検査物に注入した漏
   洩検査用ガスの漏れを地表において大気と共に漏洩探知
   機のガス収集装置により収集し、その収集した気体の一
   部を該漏洩探知機の検査装置に導入して該漏洩検査用ガ
   スの濃度を分析測定する装置に於いて、該ガス収集装置
   を、該地表に向けられた下方の吸気開口部及び該吸気開
   口部から吸引ファンにより導入した漏洩検査用ガス及び
   大気の混合気体を外部へ排出する上方の排気開口部とを
   備えたケーシングと、該吸気開口部の前方の周囲を囲む
   柔軟な材料で形成されたスカートと、該吸気開口部とス
   カートとの間に設けたメッシュフィルターと、該ケーシ
   ングの内部に仕切板を設けて形成した該上方の排気開口
   部に向かう該気体の滞留部とで構成し、該排気開口部の
   前方に該検査装置へ該気体の一部を導く導入口を設けた
   ことを特徴とする漏洩探知機に於ける漏洩検査用ガス収
   集装置。
2. 【請求項２】 上記吸気開口部と上記排気開口部に通過
   流量を制御する流量制御装置を設けたことを特徴とする
   請求項１に記載の漏洩探知機に於ける漏洩検査用ガス収
   集装置。