JPH07198369A - ストリップ連続処理ラインにおけるストリップの形状推定方法 - Google Patents

ストリップ連続処理ラインにおけるストリップの形状推定方法

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JPH07198369A
JPH07198369A JP5337176A JP33717693A JPH07198369A JP H07198369 A JPH07198369 A JP H07198369A JP 5337176 A JP5337176 A JP 5337176A JP 33717693 A JP33717693 A JP 33717693A JP H07198369 A JPH07198369 A JP H07198369A
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strip
meandering
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line
steering
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JP5337176A
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Takumi Imayado
匠 今宿
Hiroshi Yoshimura
洋 吉村
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ストリップ形状計を設置することなく、蛇行
検出器の出力によりストリップの形状(耳波の深さ)を
推定することを可能にしたストリップ連続処理ラインに
おけるストリップの形状推定方法。 【構成】 ストリップ連続処理ラインにおいて、ストリ
ップの蛇行は上流側ステアリングロールで一旦修正され
てもその下流側で再び増加し、その蛇行方向は一致する
ので、搬送途中のストリップのある部位に注目すると、
その部位はライン内の搬送ロール上では常に同一方向に
蛇行しようとする傾向がある。本発明はこのことを利用
したものであり、蛇行検出器よって検出された蛇行量及
び蛇行方向に基いてストリップに存在する耳波の深さ及
びその位置を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストリップ連続処理ラ
インにおけるストリップの形状推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板、プラスチックフィルムなどのス
トリップを多数の搬送ロールで支持しながら連続的に搬
送し、熱処理や表面処理を施すストリップ連続処理ライ
ンにおいては、処理前のストリップの形状不良や処理中
に発生するストリップの形状不良、更にはストリップの
接続不良などに起因して、ストリップが搬送パスライン
の中央からはずれる蛇行現象がしばしば発生する。この
ような蛇行は、ストリップの正常な搬送を阻害し、その
蛇行量が一定値を越えるとストリップの破断など様々な
問題を生じ、搬送不能となることもある。
【0003】従って、従来から、ストリップの連続処理
ラインにおいて、ストリップの蛇行を修正する様々な方
法が考案されている。その代表的な方法は以下の2つで
ある。
【0004】第1の方法は、一般にクラウンロールと呼
ばれる搬送ロールの中央部の半径が端部より大きな搬送
ロールを用いて蛇行修正を行う方法である。図8はクラ
ウンロールによる蛇行修正機構を表した図であり、図中
に実線で示すように、ストリップ10が蛇行した状態で
クラウンロール11に入ると、ストリップのクラウンロ
ール11に対する入角βが直角でなくなる。このため、
ストリップ10が搬送されるにつれて、図中に破線で示
すように、ストリップ10がロール11の中央部によっ
てくるので蛇行が修正される。このような修正方法で
は、ロール11の中央の半径と端部の半径との差を大き
くすると蛇行修正能力が大きくなるが、幅が広く薄いス
トリップ10の搬送時には、ストリップ10の幅方向中
央部近傍に座屈変形が生じ易くなり製品品質を損ねるた
め、半径の差はなるべく小さくしなければならないとい
う制約条件がある。この修正方法では、ロール1本では
大きな蛇行修正能力は期待できないものの、比較的安価
に実現できる方法であるから、例えば連続焼鈍ラインの
ように多数の搬送ロールがある連続処理ラインに適用す
ると効果が期待できる。
【0005】第2の方法は、一般にステアリングロール
と呼ばれる搬送ロールとそれを旋回させる機能との組合
せからなるストリップの蛇行修正装置を用いて蛇行修正
を行う方法である。図9び図10はそれぞれステアリン
グロールの一構成例を示した図であり、これらの装置に
おいては、図示のように支点12を中心に傾動する架台
13にロール14を固定、支持し、そのロール14にス
トリップ10を周回させた状態で架台13ごと傾動さ
せ、その傾動動作によりストリップ10の幅方向通過位
置を変化させる。例えば連続焼鈍ラインの過時効炉にお
いては、図11に示すように、ステアリングロール(上
流側1、下流側2)は搬送ロール5〜10本につき一箇
所の割合で、蛇行検出器3,4とともに設置される。そ
して、このような構成においては、まず、各蛇行検出器
3,4により実際の蛇行を検出し、各ステアリングロー
ル1,2毎に、蛇行検出器3,4の検出値とパスライン
中心との偏差を演算装置5,6により演算してその偏差
をステアリングロール傾動装置15に入力し、偏差がゼ
ロになるようにステアリングロール1,2を傾動するフ
ィードバック制御が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ストリップ
の蛇行量は、通常パスライン下流に行けば行くほど増大
することになる。従って、蛇行量が小さい場合は下流側
のステアリング装置での蛇行修正が可能であるが、蛇行
量が大きい場合は下流側のステアリング装置での蛇行修
正能力が不足し、蛇行修正が十分行えない場合が多々あ
った。更に、ある蛇行が下流側に伝播する過程におい
て、その蛇行が下流側のステアリング装置に達する前に
蛇行量が過大になり、上下流のステアリングロール間で
ストリップがロールからはみ出すロールアウトや、スト
リップ破断等の事故が発生し、生産性を大きく低下させ
る原因となっていた。
【0007】この一例として、上述の図11に示した連
続焼鈍ラインの場合を用いて説明すると、ストリップの
厚さ1.0mm、幅1500mm、その搬送速度5m/
s、ステアリングロールの最大蛇行修正量100mm、
ロール幅2000mmの条件では、ストリップの蛇行状
況は図1に示すようになる。なお、同図において、実線
Aはステアリングロールを使用した場合の蛇行状況、点
線Bはステアリングロールを使用しなかった場合の蛇行
状況を、一点鎖線Cはストリップ幅1500mmの場合
にロールアウトが発生する蛇行量、二点鎖線Dはストリ
ップ幅1800mmの場合にロールアウトが発生する蛇
行量を、また、は上流側のステアリングロール1、
は下流側のステアリングロール2の位置を示している。
図示のように、ステアリングロール1の入側では、蛇行
量が40mmとわずかである。上流側のステアリングロ
ール1を使用しない場合の蛇行状況を見ると、上述した
ようにパスラインの下流側に向かって蛇行量が増大する
傾向にあり、下流側のステアリングロール2の入側では
蛇行量が220mmと大きく、ロールアウト発生寸前の
通板上危険な状態にある。次に、同一のストリップの通
板において、上流側のステアリングロール1を使用した
場合の蛇行状況を見ると、上流側のステアリングロール
1入側の蛇行量は40mmであり、最大蛇行修正能力1
00mmに対して十分小さいのでそのステアリングロー
ル1においてはストリップはパスラインの中央に蛇行修
正されている。しかし、上流側のステアリングロール1
の下流側では、蛇行量が再び増加する傾向にあり、下流
側ステアリングロール2の入側での蛇行量は180mm
である。下流側ステアリングロール2の最大蛇行修正量
は上流側のそれと同じ100mmであるので、その蛇行
修正能力が不足し、ステアリングロール2の出側に80
mmの蛇行が発生している。
【0008】更に、上述の例においてストリップ幅が1
800mmであった場合には、上流側のステアリングロ
ール1の使用・不使用に関わらずステアリングロール
1,2間でストリップ蛇行量がロールアウト限界の10
0mmを越えるため、ロールアウトが発生する。
【0009】上述の例のようなステアリングロールの蛇
行修正能力を超える蛇行が発生した場合には、ラインの
運転員はライン張力の増加、及びストリップ搬送速度の
低下等の対策をとり、蛇行の拡大の防止に務める。しか
しながら、運転員は蛇行検出器の設置されているステア
リングロール上での蛇行状況しか知ることができず、ス
テアリングロール間での蛇行状況を知る手段を有しない
ため、ステアリングロール間でロールアウトを起こすよ
うな大きな蛇行が発生した場合には、上述のような蛇行
拡大防止のための操作をとることができず、ストリップ
破断等の事故が発生することが多い。
【0010】このような問題に対して、ライン中にステ
アリングロールを多数増設してステアリングロール間の
距離を短くすることや、蛇行検出器をライン中に多数増
設してステアリングロール間の蛇行状況を計測すること
も考えられるが、ステアリングロール及び蛇行検出器は
高価であるのでその設置個数に制約がある。また、既存
のラインに新たに上述の設備を追加する場合は、その設
置場所等にも制約があり、上記の問題の解決を図るのは
現状では困難となっている。従って、蛇行状況を推定す
る方法も考えられるが、蛇行はストリップ形状に依存す
る性質をもっておりストリップ形状を、何らかの装置に
よって計測する必要がある。しかし、この場合も装置の
設置場所等に制約を受けることが多く、更に、連続焼鈍
ライン炉内のような高温の悪環境下では、ストリップの
形状を性格に測定することは困難であった。
【0011】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、ストリップ形状計を設置することなく、
蛇行検出器の出力によりストリップの形状(耳波の深
さ)を推定することを可能にしたストリップ連続処理ラ
インにおけるストリップの形状推定方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のストリップの形
状推定方法は、ストリップ連続処理ラインにおいて、ラ
インに配設された蛇行検出器によって検出された蛇行量
及び蛇行方向に基いてストリップの耳波の深さ及びその
位置を求めるものであり、それは次式による。
【数1】 MDr=|kyi |,MOp=0 (0≦yi ) …(1) MDr=0 ,MOp=|kyi | (0>yi ) 但し、ライン駆動側方向の蛇行を正値とし、 yi :ストリップの或る部位の蛇行値 MDr:ラインの駆動側ストリップ端に存在する耳波の深
さ MOp:ラインの操作側ストリップ端に存在する耳波の深
さ k:補正係数
【0013】
【作用】図2に示したように、ストリップの蛇行は上流
側ステアリングロールで一旦修正されてもその下流側で
再び増加し、その蛇行方向は一致する。つまり、搬送途
中のストリップのある部位に注目すると、その部位はラ
イン内の搬送ロール上では常に同一方向に蛇行しようと
する傾向がある。この原因は、その部位における蛇行を
誘発するストリップの形状不良が保たれたまま、ライン
下流に搬送されているためにほかならない。この点を考
慮すると、逆に或るロール上における蛇行状況を計測す
ることにより、ロールを通過したストリップに存在する
耳波等の形状不良部の深さ及び位置の推定が可能であ
る。本発明においては、上式によりストリップに存在す
る耳波の深さ及び位置を推定しており、ストリップの或
る部位が或るロール上を通過する際に、yi なる値の蛇
行が観測された場合には、その蛇行と同方向のストリッ
プ端部に|kyi|なる深さの耳波がその部位に存在する
ものとモデル化することにより耳波の深さを求めてい
る。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明する。な
お、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではな
い。図1は本発明の一実施例に係る方法を適用した連続
焼鈍ライン過時効炉内の一装置構成例を示す概要図であ
り、図において、符号1は上流側ステアリングロール、
2は下流側ステアリングロール、3,4は蛇行検出器、
5,6はステアリングロール傾動用演算装置、7は搬送
ロール、9は本発明によるストリップの形状推定、蛇行
解析及び警報発令を行う演算装置、10はストリップで
ある。
【0015】蛇行検出器3,4は、それぞれ上流側ステ
アリングロール1及び下流側ステアリングロール2の出
側に配設されている。演算装置9は、ステアリングロー
ル1出側での蛇行量、ステアリング操作量のほか、スト
リップの寸法、ライン張力、ストリップ搬送速度等の情
報を常時収集し、上記の(1)式及び次の(2)〜
(8)式を演算することによりストリップの形状及びス
テアリングロール1,2間の蛇行状況を解析し、その蛇
行量が下流側ステアリングロール2の蛇行修正能力を超
えるような大きな値になると、警報を発するように構成
されている。なお、ステアリングロール1,2及び搬送
ロール7はすべてクラウンロールであり、その形状は既
知である。
【0016】演算装置9の演算処理を説明するに際し
て、例えば複数のステアリングロールを有するストリッ
プ連続処理ラインにおいて、ステアリングロール間の蛇
行状況を解析・予測する場合について説明する。演算装
置9は、上記の(1)式に基いて耳波の深さ及び位置を
求めた後に、ストリップの蛇行量を次の(2)〜(8)
式に基いて推定する。即ち、演算装置9は(1)式に基
づいてストリップ形状を求めるので、ストリップの蛇行
を推定する場合にはそのストリップの形状を考慮するこ
とができるので、その推定精度が高められる。具体的に
は、演算装置9はライン上のある搬送ロールの位置にお
けるストリップの蛇行の時間的変化を求めるものであ
り、これはロール間を走行するストリップの横方向弾性
変形を表すモデル式である下式(2)、或るロール上で
のストリップの横方向の移動を表すモデル式である下式
(3)、及びストリップ形状(上述の演算により求めら
れた)を考慮したクラウンロールによる蛇行修正機構を
表すモデル式である下式(4)を解くことにより求めら
れる。
【0017】
【数2】
【0018】但し、K2 =T/EI x:パスライン方向長さ[m] y:ロール上のストリップの蛇行量[m] E:ストリップのヤング率 T:ライン張力[N] I:ストリップの断面二次モーメント[m4 ] I=hW3 /12 h:ストリップの厚さ[m] W:ストリップの幅[m]
【0019】
【数3】
【0020】但し、t:時間[sec] V:ストリップの搬送速度[m/sec] θR :ロール傾動角度[rad]
【0021】
【数4】
【0022】但し、H:クラウンロールの中央フラット
部長さ[m] α:クラウンロールのテーパー部角度[rad] m:定数 M:ストリップの幅方向端部にそれぞれ存在する耳波の
深さの差[m] M=MDr−MOp(処理装置駆動側方向へのストリップの
蛇行を正値とした場合) MDr:処理装置駆動側ストリップ端に存在する耳波の深
さ[m] MOp:処理装置操作側ストリップ端に存在する耳波の深
さ[m]
【0023】即ち、上記の式(2)は、搬送ロールiと
搬送ロールi+1との間を走行するストリップを長手方
向に張力Tのかかった弾性体とみなして導き出したもの
である。また、上記の式(3)は、パスライン鉛直方向
にθR の傾きを持つロールに対して、搬送速度V、パス
ライン方向にdy/dxの傾きを持って進入するストリ
ップのロール上での横方向の移動を表す式である。ま
た、上記の式(4)は、クラウンロールによる蛇行修正
機構を表す式であり、ストリップの幅Wからストリップ
の両端部にそれぞれ存在する耳波等の形状不良部を除い
た部分を仮想のストリップとして、この仮想ストリップ
の中心がパスライン中央からはずれた場合にこれを修正
する方向に作用する仮想のロール傾動角θR が生じるも
のとしてモデル化している。なお、定数mはロールとス
トリップ間の摩擦力に依存し、ロール表面粗さ、ストリ
ップ表面粗さ、ロールとストリップ間の摩擦係数及びラ
イン張力より与えられる定数である。
【0024】ロールi、i+1について下式(5)に示
すよう定めると、上述の式(2)ないし(4)より下式
(6)に示すストリップの横方向の移動に関する運動方
程式が得られる。
【数5】 y(x=0)=yi θR (x=0)=θRi y(x=L)=yi+1 θR (x=L)=θRi+1 …(5) ただし、yi :ロールiにおけるストリップのパスライ
ンからの偏差[m] θRi:ロールiの傾動角[rad] yi+1 :ロールi+1におけるストリップのパスライン
からの偏差[m] θRi+1:ロールi+1の傾動角[rad] L:ロールiとロールi+1の間の距離[m]
【0025】
【数6】
【0026】ここで、a1 〜a6 は、それぞれT、E、
W、h、V、Lの関数である。上述の式(5)を時間
t、変位yに関して時間増分Δtにより前進差分で離散
化すると、下式(7)が得られる。
【0027】
【数7】 yi+1 (j+2)=b1 i+1 (j+1)+b2 i+1 (j) +b3 i (j+1)+b4 i (j)+b5 …(7) 但し、y1 (j):時間ステップjにおける、ロールi以
下でのストップのパスラインからの偏差この式におい
て、b1 〜b5 は、それぞれT、E、W、h、V、L、
θRi、θRi+1、及び離散化時の時間増分Δtの関数であ
る。また、j、j+1、j+2は時間ステップを示し、
i (j)とは時間ステップjにおける、ロールi上で
のストリップのパスライン中心からの偏差を示す。
【0028】また、ステアリングロールの入側、出側で
のストリップの位置yIN、YOUT は、ステアリングロー
ルで与えられる蛇行修正量をΔyとすると下式(8)が
成り立つ。
【0029】
【数8】 yOUT =yIN+Δy …(8) 但し、yIN:ステアリングロール入側でのストリップの
位置[m] yOUT :ステアリングロール出側でのストリップの位置
[m] Δy:ステアリングロールで与える蛇行修正量[m] 従って、或るロールi上において常時ストリップの蛇行
が蛇行検出器により測定され、yi (j)、yi (j+
1)が既知であり、且つ、下流側のロールn(n=i+
1,i+2,…)において適当な初期条件yn (j),
n (j+1)を与えれば、式(7)及び(8)を用い
て、時間j+2における下流側のロールnでの蛇行yn
(j+2)が順次計算できることになる。
【0030】図3は蛇行実測値と本実施例による蛇行量
解析値とを示した特性図である。実施条件は、ストリッ
プの厚さ1.4mm、幅900mm、その搬送速度2m
/sec、ステアリングロールの最大蛇行修正量100
mm、ロール幅2000mmとなっている。図3におい
て、横軸は時間であり、縦軸はパスライン中心からのス
トリップ偏差、即ち蛇行量である。図において、細線E
及び太線Fで示すのは、それぞれ下流側ステアリングロ
ール2の入側での蛇行量の実測値と解析値である。な
お、下流側ステアリングロール2の入側での蛇行量の実
測値は、式(8)より得ることができる。同図よれば本
実施例の蛇行状況の解析は正確に行われていることが分
かる。
【0031】次に、図1の実施例において、ステアリン
グロール1,2間での蛇行量が過大になり、実際に警報
が発令された例を図4〜図6に示す。本実施例はストリ
ップの耳波によって発生した蛇行の例であり、その実施
条件はストリップの厚さ0.8mm、幅1600mm、
その搬送速度5m/sec、ステアリングロールの最大
蛇行修正量100mm、ロール幅2000mmとなって
いる。図4〜図6において、横軸はパスライン方向の長
さであり、縦軸はパスライン中心からの偏差、すなわち
蛇行量である。また、図中の記号Δは搬送ロールの位置
を示し、記号、はステアリングロールの位置を示
す。図の実線Gは、本実施例により得られたステアリン
グロール1,2間の蛇行状況を示している。一点鎖線H
は、ストリップ幅1600mmの場合の蛇行許容値であ
る120mmを示しており、蛇行量がこの値を超えると
警報が発令される。図の二点鎖線Iは、ストリップ幅1
600mmの場合にロールアウトを起こす蛇行量限界値
200mmを示しており、蛇行量がこの値を越えた場合
はロールアウト、ストリップ破断等の事故発生が予想さ
れる。また、ストリップの搬送方向は図中の矢印の方向
である。
【0032】図4は警報が発令された瞬間の蛇行状況を
示した特性図である。ストリップ長手方向途中より発生
した耳波によりステアリングロール1,2間で蛇行が急
激に拡大し、蛇行許容値である120mmを超えたた
め、警報が発令された。図5は警報発令後、なにも対策
を行わなかった場合の蛇行状況を示した特性図である。
下流側ステアリングロール2入側での蛇行量は160m
mにも拡大し、ロールアウト寸前である。また、蛇行修
正後も下流側ステアリングロール2出側での蛇行量はな
お60mmも残っており、操業上大変危険な状態であ
る。本実施例が適用されなかった場合は、このような状
態になって初めてライン運転員がライン張力の増加、ス
トリップ搬送速度の低下等の操作を行うため、操作が手
遅れになり、ロールアウト、ストリップ破断等の事故を
招くことが多々ある。
【0033】図6は警報発令後、運転員がライン張力の
増加、ストリップ搬送速度の低下の操作をとった場合の
蛇行状況を示した特性図である。運転員が迅速に適切な
処置を行ったため、蛇行が減少し、下流側ステアリング
ロール2入側での蛇行量は110mmとなり、操業上安
全な範囲に収まっている。
【0034】以上のような特性は、連続焼鈍ラインの過
時効炉だけでなく、他の箇所においても同様に認められ
た。図7は連続焼鈍ラインの概略図であるが、同図中の
入側ループタワー部分、加熱帯部分、冷却帯部分、出側
ループタワー部分においても試験した結果、ストリップ
の搬送速度に関わらず、ストリップサイズ変更時、ライ
ン張力変更時、ストリップ搬送速度変更時、及び焼鈍温
度変更時にも、ストリップの蛇行によるロールアウト、
ストリップ破断等の事故を従来の約1/4に減少させる
ことができ、ラインの操業能率が約5%向上した。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ラ
インに配設された蛇行検出器によって検出された蛇行量
及び蛇行方向に基いてストリップに存在する耳波の深さ
及びその位置を求めるようにしたので、ストリップ形状
計を配置しなくともストリップ形状が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る方法を適用した連続焼
鈍ライン過時効炉内の一装置構成を示す概略図である。
【図2】ストリップ蛇行状況を示す特性図である。
【図3】図1の構成において、下流側ステアリングロー
ル入側における蛇行量実測値と本実施例による蛇行量解
析値とを示す特性図である。
【図4】図1の構成において、実際に警報が発令された
瞬間のステアリングロール間の蛇行状況を示す特性図で
ある。
【図5】図1の構成において、警報が発令されたもにか
かわらず、適切な処置をとらなかった場合の蛇行状況を
示す特性図である。
【図6】図1の構成において、警報が発令された直後に
適切な処置をとった場合の蛇行状況を示す特性図であ
る。
【図7】連続焼鈍ライン全体を示す概略図である。
【図8】クラウンロールによる蛇行修正機構を表す図で
ある。
【図9】ステアリングロールの一装置構成を示す図であ
る。
【図10】ステアリングロールの一装置構成を示す図で
ある。
【図11】連続焼鈍ライン過時効炉における従来のステ
アリングロールの配置を示す概要図である。
【符号の説明】
1:上流側ステアリングロール 2:下流側ステアリングロール 3,4:蛇行検出器 5,6:ステアリングロール傾動用演算装置 7:搬送ロール 9:蛇行解析おび警報発令用演算装置 10:ストリップ 11:クラウンロール 12:ステアリングロール傾動支点 13:ステアリングロール架台 14:ロール 15:ステアリング傾動装置 実線A:ステアリングロールを使用した場合の蛇行状況 破線B:テアリングロールを使用しなかった場合の蛇行
状況 一点鎖線C:ストリップ幅1500mmの場合にロール
アウトが発生する蛇行量 二点鎖線D:ストリップ幅1800mmの場合にロール
アウトが発生する蛇行量 細線E:ステアリングロール2入側での蛇行量実測値 太線F:ステアリングロール2入側での蛇行量解析値 実線G:本実施例により得られたステアリングロール
1,2間の蛇行状況 一点鎖線H:ストリップ幅1500mmの場合の蛇行許
容値 二点鎖線I:ストリップ幅1600mmの場合にロール
アウトが発生する蛇行量

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストリップ連続処理ラインにおいて、ラ
    インに配設された蛇行検出器によって検出された蛇行量
    及び蛇行方向に基いてストリップの耳波の深さ及びその
    位置を求めることを特徴とするストリップの形状推定方
    法。
  2. 【請求項2】 耳波の深さを次式に基いて求めることを
    特徴とする請求項1記載のストリップの形状推定方法。 MDr=|kyi |,MOp=0 (0≦yi ) MDr=0 ,MOp=|kyi | (0>yi ) 但し、ライン駆動側方向の蛇行を正値とし、 yi :ストリップの或る部位の蛇行値 MDr:ラインの駆動側ストリップ端に存在する耳波の深
    さ MOp:ラインの操作側ストリップ端に存在する耳波の深
    さ k:補正係数
JP5337176A 1993-12-28 1993-12-28 ストリップ連続処理ラインにおけるストリップの形状推定方法 Pending JPH07198369A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001058612A1 (en) * 2000-02-07 2001-08-16 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Company Limited Rolling strip material
CN102688902A (zh) * 2011-03-24 2012-09-26 上海宝钢工业检测公司 轧机平整机轧辊倾斜引起带钢缺陷位置的检测方法

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