JP4251038B2 - 圧延材の蛇行制御方法、装置および製造方法 - Google Patents

圧延材の蛇行制御方法、装置および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱間圧延における圧延材の蛇行を抑制することを可能にする蛇行制御方法及び蛇行制御装置に関する。
水平ロール圧延機において、作業側と駆動側(以下において圧延機の作業側と駆動側とを単に「左右」ということがある。)とで左右非対称な圧延をすれば、板中心線が圧延機中心線から幅方向にずれた状態、つまり板寄り(以下において「蛇行」という。)が生じる。蛇行を抑制するためには、例えば圧延機入り側にサイドガイドを設けることが考えられる。しかしサイドガイドを設けた場合、圧延材が薄板であると圧延材がサイドガイドに接した場合に、圧延材の幅方向端部が局所的に折れ曲がることがある。このように折れ曲がった局所部をそのまま圧延すると、いわゆる「2枚噛み」となって、ロール表面を傷つける事故(絞込み事故)が発生する。
また、複数の圧延機を直列に配置したタンデム圧延設備においては、蛇行を抑制する目的で、圧延機間にルーパーロールを設置して、板左右の張力を制御する方法があるが、最尾端部が上流圧延機を抜けた後は無張力状態になるために、その効果を全く発揮し得ない状態となる。
上記の左右非対称圧延の原因は、母材にもともと板厚差や板曲がり(「キャンバー」ともいう。)等がある場合と、圧延機の左右の圧下状態が異なる場合とがある。板圧延の操業において特に問題となるのが、タンデム圧延設備における圧延中に、中間圧延機で突発的に発生する尾端部の急激な蛇行である。この蛇行は、中間圧延機で突発的に発生することから考えて、圧延機の左右の圧下状態が異なることが原因となっている可能性が高いものと思われる。したがって、大きな蛇行が生じない定常部圧延中に、尾端部で突発的に蛇行発生する圧延機をあらかじめ特定できれば、上記絞込み事故等の発生を防止することができるものと考えられる。
圧延材の蛇行を防止する方法として特許文献1には、圧延機入り側における圧延材のずれ量を直接検出して、この量に応じて作業側、駆動側の圧下位置を制御して、作業側、駆動側のロールギャップを変更させることにより圧延材の蛇行を防止する方法が開示されている。
また、特許文献2には、タンデム圧延設備の、最上流側の圧延機入り側の蛇行量、各圧延機間の少なくとも一箇所の蛇行量、及び最下流側の圧延機出側の蛇行量を検出し、これらの蛇行量に基づいてそれぞれ隣り合う蛇行検出器間で上流側に対する下流側の蛇行偏差量を演算して、蛇行を生じた区間を特定し、該区間内に複数の圧延機があるときには、それらの荷重偏差率により蛇行を生じた圧延機を特定し、特定した圧延機の上流側のものから順に蛇行を矯正する方向に圧下設定値の左右差を制御する方法が開示されている。
特開昭59−191510号公報 特開平8−318304号公報
しかし特許文献1に開示された方法には以下の問題点があった。すなわち、定常タンデム圧延時の蛇行現象において、上流側圧延機のレベリング異常(左右ロール間隔差)が原因で生じた蛇行が上流側から下流側に伝播してゆき、下流側圧延機のレベリングが正常であっても、上流側で生じた蛇行量とほぼ同じ量の蛇行が生じることが知られている。したがって、単純に圧延機入り側での蛇行量を測定してレベリング異常の圧延機を探索するような手段では、下流側の圧下レベリングが正常な圧延機においてもレベリング異常であると、誤ってしまうという問題があった。
また、特許文献2に開示された方法によれば以下の問題点があった。すなわち各圧延機入り側および出側の蛇行量を測定してレベリング異常の圧延機を探索するような手段では、最終圧延機出側での蛇行量を測定しなければ最終圧延機および最終圧延機群を監視できない。また、図7に示すように、例えば3台のタンデム圧延機において、上流側から数えて2、3台目の圧延機入り側での蛇行偏差量を演算して、2台目の圧延機レベリング状態を調べる場合に、2台目と3台目にレベリング異常が発生していると、蛇行偏差量が零となり、2台目のレベリングは正常であると誤ってしまうという問題があった。つまり、2台目の圧延機レベリング状態を調べる上で、3台目の圧延機入り側の蛇行量には3台目の圧延機レベリング状態が外乱として含まれるため、正確な蛇行制御を実現することが困難であった。
そこで、本発明は、複数の水平ロール圧延機を直列に配置したタンデム圧延設備において、レベリング異常等の左右非対称な圧延機を他の圧延機レベリング状態にかかわらず的確に特定することが可能な圧延材の蛇行制御方法、装置および製造方法を提供することを課題とする。
本願発明者等は、3台の熱間圧延機を連続配置して、タンデム圧延設備を構成し、各種試験を実施して圧延材の蛇行現象の再現を試みた。以下の説明において、3台の圧延機をそれぞれ上流側から下流側に向けて、上流側圧延機、中間圧延機、下流側圧延機と呼ぶこととする。
図1は、中間圧延機のみレベリング異常が発生している状況において、左右で温度差や板厚差等のない母材を圧延した場合の定常部の蛇行現象を示すものである。上流側圧延機直下では中間圧延機のレベリング異常の影響をほとんど受けず、蛇行が生じていない。蛇行は上流側圧延機出側から徐々に生じている。この際、当該圧延機と上流側圧延機との間において、圧延機中心線に対する圧延材の傾きが生じる。
一方、中間圧延機出側においては、左右の速度差がほとんど発生することはないので、圧延機中心線に対する圧延材の傾きは生じない。つまり、中間圧延機入り側で生じた蛇行は下流側に伝わって行き、下流側のレベリング量が正常な圧延機においても、上流側で発生した蛇行量とほぼ同じ量の蛇行が生じる。このような現象が生じるのは中間圧延機直下で板が端部側に寄ろうとする力と中間圧延機前後に働く張力により板が圧延機中心線側に戻ろうとする力がつり合っているからであると考えられる。
図2は、中間圧延機のみレベリング異常が発生している状況において、尾端部の蛇行現象を示すものである。尾端部が上流側圧延機を抜けると、それ以降は中間圧延機入り側の張力が働かなくなるため、中間圧延機入り側における圧延機中心線に対する圧延材尾端部の傾きが生じるようになる。
以上の図1および図2に示した定常部及び尾端部における圧延材の挙動から、本願発明者らは、下流側圧延機のレベリング状態は、下流側圧延機入り側の蛇行量のみで判定すると中間圧延機のレベリング状態が外乱として含まれるため精度良く判定できないが、下流側圧延機入り側の圧延材の傾きで判定すると上記外乱が含まれないので、精度良く判定できること、また、圧延機入り側における圧延機中心線に対する圧延材尾端部の傾き角を検出することで中間圧延機のレベリング状態を判定することができることを見出し、これらの知見から本発明を完成するにいたった。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1の発明は、複数の圧延機からなるタンデム圧延設備における圧延材の蛇行制御方法であって、複数の圧延機の各入り側に設けた角度検出器により圧延材の圧延機中心線に対する水平方向傾き角を検出し、該傾き角に基づき複数の圧延機のレベリング状態を判定し、該判定によってレベリング量を修正すべきと判定された圧延機のレベリング量を操作し、該操作において、傾き角が予め定めた閾値を超えた圧延機が2台以上である場合には、上流側の圧延機から順にレベリング量が操作され、閾値を超えた圧延機が1台である場合には、該1台の圧延機のレベリング量が操作されることを特徴とする圧延材の蛇行制御方法を提供して前記課題を解決しようとするものである。ここに「圧延機中心線」とは、図8に示すように、圧延される板の幅方向中心が本来通る線をいう。また、「水平方向傾き角」とは、圧延材が圧延されているときに平面視した時の圧延材中心線が圧延機中心線に対してなす角度をいい、ルーパーロールなどにより生じる垂直方向の傾きは考えないものとする。
請求項2の発明は、複数の圧延機からなるタンデム圧延設備における圧延材の蛇行制御方法であって、少なくとも一の圧延機入り側で蛇行量を検出するとともに、蛇行量に基づいて一の圧延機のレベリング量の操作を行う工程と、一の圧延機より下流側に配置された複数の下流側圧延機の各入り側に設けた角度検出器により圧延材の圧延機中心線に対する水平方向傾き角を検出し、該傾き角に基づき複数の圧延機のレベリング状態を判定し、該判定によってレベリング量を修正すべきと判定された下流側圧延機のレベリング量を操作する工程と、を備え、下流側圧延機のレベリング量を操作する工程において、傾き角が予め定めた閾値を超えた下流側圧延機が2台以上である場合には、上流側の下流側圧延機から順にレベリング量が操作され、閾値を超えた圧延機が1台である場合には、該1台の圧延機のレベリング量が操作されることを特徴とする圧延材の蛇行制御方法を提供して前記課題を解決しようとするものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の圧延材の蛇行制御方法において、一の圧延機はタンデム圧延設備における最上流側圧延機であることを特徴とする。
請求項4の発明は、複数の圧延機からなるタンデム圧延設備における圧延材の蛇行制御装置であって、複数の圧延機の各入り側にそれぞれ設けた圧延材の圧延機中心線に対する水平方向傾き角を検出する角度検出器と、該傾き角に基づき圧延機のレベリング量を制御するレベリング制御装置とを備え、該レベリング制御装置は、傾き角が予め定めた閾値を超えた圧延機が2台以上である場合には、上流側の圧延機から順にレベリング量を操作し、閾値を超えた圧延機が1台である場合には、該1台の圧延機のレベリング量を操作し、閾値を超えた圧延機が存在しない場合には、レベリング量を操作しないことを特徴とする圧延材の蛇行制御装置を提供して前記課題を解決しようとするものである。
請求項5の発明は、複数の圧延機からなるタンデム圧延設備における圧延材の蛇行制御装置であって、少なくとも一の圧延機入り側に設けられ、蛇行量を検出する蛇行検出器と、前記一の圧延機より下流側に配置された複数の下流側圧延機の入り側に設けた圧延材の圧延機中心線に対する水平方向傾き角を検出する角度検出器と、前記蛇行量に基づいて前記一の圧延機のレベリング量を制御する一の圧延機レベリング量制御装置と、前記傾き角に基づいて前記下流側圧延機のレベリング量を制御する下流側圧延機レベリング制御装置とを備え、該下流側圧延機レベリング制御装置は、傾き角が予め定めた閾値を超えた下流側圧延機が2台以上である場合には、上流側の下流側圧延機から順にレベリング量を操作し、閾値を超えた圧延機が1台である場合には、該1台の圧延機のレベリング量を操作し、閾値を超えた圧延機が存在しない場合には、レベリング量を操作しないことを特徴とする圧延材の蛇行制御装置を提供して前記課題を解決しようとするものである。
上記蛇行制御装置において、一の圧延機のレベリング量を制御する一の圧延機レベリング量制御装置と、下流側圧延機のレベリング量を制御する下流側圧延機レベリング制御装置とは、同一のプロセスコンピュータ内に存在していても良い。
請求項6の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載された蛇行制御方法により圧延材の蛇行を制御して圧延を行う圧延材の製造方法を提供して前記課題を解決しようとするものである。
以下に説明するように、本発明によれば、連続圧延中の圧延機間の圧延機中心線に対する圧延材の傾き角を検出することにより、レベリング異常が発生している圧延機を特定することができ、定常圧延中に圧延機のレベリング異常を制御することによって尾端部の蛇行を未然に防止することができる。また、前段圧延機を抜けた尾端部の圧延機中心線に対する圧延材の傾き角を検出すれば、尾端部蛇行を抑制することができる。
すなわち本発明によれば、圧延機入り側のみの測定点でその圧延機のレベリング状態を判定することができる。複数の圧延機が直列に配置されたタンデム圧延機においては、各圧延機に角度計を設置することにより、直ちにレベリングが異常の状態にあるスタンドを特定することが可能となる。
また蛇行計による制御と比較した場合、nスタンドのタンデム圧延設備において、レベリング異常のスタンドを特定しようとする場合、蛇行計を使用するときは(n+1)台必要であるが、角度計を使用する場合にはスタンド数と同数のn台で足りる。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
本発明の第一の実施形態では、複数の圧延機からなるタンデム圧延設備において、圧延機入り側に設けた角度検出器により圧延材の圧延機中心線に対する水平方向傾き角を検出し、該傾き角に基づき圧延機のレベリング量を操作することを特徴とするものである。中間圧延機のレベリング状態は中間圧延機入り側の圧延機中心線に対する圧延材の傾き角を検出することで判定することができ、図1に示す状態にあるときは中間圧延機入り側の傾き角が零でないため、中間圧延機はレベリングが異常な状態にあると判定することができる。例えば、図3に示すように、全圧延機入り側に圧延機中心線に対する圧延材の傾き角を検出する角度検出器を設置すれば各圧延機のレベリング状態を判定することができ、即座に修正すべき圧延機を特定することが可能となる。
本発明の他の実施形態では、角度検出器とともに、圧延材の蛇行量を検出する蛇行量検出器を並行して使用する。蛇行量検出器を並行して使用するのは、最上流側圧延機入り側で蛇行が発生していても、各圧延機のレベリング量を調整すれば左右速度差が発生せずに、蛇行したまま、真っ直ぐな通板が最下流側圧延機までなされてしまうからである。このような蛇行が発生している場合、例えば各圧延機入り側に設置されたサイドガイドに圧延材が強く接触して、板折れ等の操業上のトラブルの発生原因となりかねない。そこで少なくとも一台の圧延機、好ましくは最上流側の圧延機の入り側で圧延材の蛇行量を検出し、圧延材中心を圧延機中心となるように通板することによって、蛇行のない真直通板が可能になる。
圧延材を例えば作業側に蛇行させる原因スタンドが上流側に、駆動側に蛇行させる原因スタンドが下流側にあり、両スタンドが隣接している場合、圧延材は上流側スタンドで一旦作業側に寄った後、下流側スタンドで元の位置に戻っているということが起こり得る。したがって、上流側スタンドの入り側に配置されている蛇行計Aと、両スタンドの間に配置されている蛇行計Bとがほぼ同じ値を示すことも有り得る。これは上流側スタンドのレベリングが不適正で、そこで生じるウエッジ(板厚の左右非対称)が下流側スタンドに影響する場合などであり、このようなケースは頻繁に発生し得るものである。このようなケースに対しては、蛇行計は無力であり、角度計を使用する意義がより大きい。
板折れが発生しにくい厚めの入り側板厚で、最上流側圧延機において例えば板幅方向を強く拘束するサイドガイドを設置していれば、圧延材中心が圧延機中心と一致するので、この場合には蛇行量を測定する必要がなく、第一の実施形態にかかる制御を行えば十分である。
次に、図4を参照しつつ、角度検出方法の一例を説明する。まず各圧延機の直上にそれぞれ一台ずつのCCDカメラを設置し、蛇行が生じても常に圧延材の両端が映り込むように画像の視野を設定する。得られた画像を数値計算器に取り込み数値処理すれば角度が得られる。すなわち画像内の圧延方向2箇所で両側エッジ位置より両側エッジ線を検出し、板中心線を算出すれば、圧延機中心線に対する圧延材の傾き角を算出することが可能となる。より簡易な方法として、片側のエッジ線のみを検出しても角度を算出することは可能であるが、両側エッジ線を検出するほうが、圧延方向での幅変動が生じたような場合でも精度良く傾き角を測定できる。また、板表面を動画撮影し、微小時間間隔の2画像模様を比較することで、圧延材の進行方向を特定することができるので、傾き角を検知することが可能である。
(実施例1)
3スタンドを直列に配置したタンデム圧延機により、左右で温度差や板厚差等のない母材を蛇行のない条件で圧延中に、中間圧延機のレベリングを変更して、故意に蛇行を発生させて、中間圧延機入り側の圧延機中心線に対する圧延材の傾き角を測定した。
図5に示されている実線、および左側スケールは、このときの圧延材の傾き角が時間経過に伴い変化する様子を表したグラフである。このグラフにおける時間軸は、圧延材が第1スタンドと第2スタンドとの間を通過する時間を「1」として表したものである。傾き角は、レベリング変更前に角度零でほぼ安定していたが、レベリングを変更した時点から徐々に変化が認められ、その後再び角度がほぼ安定する状態となった。傾き角が変化後に安定するのは、中間圧延機により蛇行しようとする力と、上流側圧延機による板拘束力とのバランスがつり合ったためであると推定される。また、尾端部が上流側圧延機を抜けた後、上流側圧延機による板拘束力がなくなるため、角度がそれまでとは反対向きに急激に変化する。すなわち、尾端部が上流側圧延機を抜ける寸前に角度が零以外であれば、尾端部の蛇行が予測できることになる。また、傾き角が大きいほど尾端部の蛇行量が大きくなる。また図5の鎖線、および右側スケールは、上記傾き角に対応するワークロール長手方向への蛇行量(mm)を圧延機中心線からの距離で示すものである。
従って、蛇行に影響を及ぼす蛇行影響因子、例えば板幅、入り出側張力、圧延材変形抵抗、温度、ワークロール径、圧延油供給量等の圧延条件の中から少なくとも一つの量により分類された傾き角度と、圧延機のレベリング異常量との関係をあらかじめ整理して把握しておけば、検出した角度に基づいて圧延機のレベリング異常量が推測でき、これに基づき圧延機のレベリング量を操作して蛇行を防止することが可能となる。
例えば、
ΔRi:レベレング操作量
Xi:傾き角度
fi:蛇行に影響を及ぼす蛇行影響因子(例えば板幅、入り出側張力、圧延材変形抵抗、温度、ワークロール径、圧延由供給量等の圧延条件の中の、少なくとも一つの量)
とするとき、添え字の「i」を上流側の圧延機から数えた圧延機の番号として、次式
ΔRi=Table(fi、Xi) (1)式
(1)式のTable(fi、Xi)は、fi、Xiのそれぞれの値の組合わせにより、圧延機のレベリング異常量が決定される関数と定義している。蛇行影響因子と傾き角度における圧延機のレベリング異常量との関係をあらかじめ整理しておけば、上記したように、蛇行影響因子と傾き角度との組合わせで関数値が一意に決定される。
Table(fi、Xi)は、fi、Xiにより連続性又は不連続性のいずれであってもかまわない。不連続性の例を下記表1に示す。表1では、蛇行影響因子に板幅を選択した場合に、180mmの板幅を圧延する際に、150〜200mm内の範囲(あらかじめ定めた区間)での板幅であれば、中央値の175mmを代表値として、傾き角度との組合せから、当該圧延機のレベリング異常量を決定できることを表している。例えば、板幅180mm、傾き角度0.35度であれば、レベリング操作量は、75μmであることが示されている。圧延機のレベリング異常量を示す右辺が、レベリング操作量を示す左辺と絶対量が等しく、かつ傾き角度Xiの正負の符号によりレベリング操作する方向を決定して蛇行を防止できる。
Figure 0004251038
(実施例2)
3スタンドを直列に配置したタンデム圧延機において、3スタンド連続圧延機のうち、後段2圧延機の各入り側で圧延機中心線に対する圧延材の傾き角を測定し、以下のような検出値を得た。
θ=+0.35度
θ=+0.50度
角度を表す「θ」の添え字は上流側の圧延機から数えた圧延機の番号であり、これら角度の正負を表す符号は、圧延機中心線に対して圧延材が駆動側に傾いていれば「正」、作業側に傾いていれば「負」であると定義した。この結果に基づき、レベリング異常の発生をあらかじめ定めた閾値との比較により探索した。ここでは閾値を全圧延機一律に0.1度と定めた。この閾値は、圧延機毎に異なる値を設定しても良い。
本実施例においては、上記閾値を超えた角度が検出された第2及び第3圧延機がレベリング異常であると特定することができた。特定された圧延機が2台以上ならば、上流側の圧延機から順にレベリングを操作することで、蛇行を制御してゆく。上流側及び下流側でレベリング異常が生じている圧延機が存在すると、上流側圧延機の下流側では蛇行が生じた圧延となるが、レベリングの修正を、上流側圧延機よりも先に下流側圧延機で行うと、下流側圧延機のレベリングが蛇行量を保持したまま、板が真直に通板される量に決定される。その後、上流側圧延機のレベリングが修正されれば、上記蛇行が消失する。つまり蛇行発生時に定めた下流側圧延機のレベリング量は、蛇行がなくなることで再び不適切なものとなってしまうのである。したがって上流側の第2圧延機のレベリング操作を先に行うのが適切である。
上流側の第2圧延機のレベリング操作は図6に示すように、第1圧延機F(i−1)とその下流側の第2圧延機F(i)間において圧延機中心線に対して圧延材が駆動側に傾いているので、第2圧延機F(i)のレベリングを現状のレベリング値から駆動側を閉じる方向に行った。このようなレベリング操作により次のような検出値を得た。
θ=−0.01度
θ=+0.49度
さらに第3圧延機のレベリングを操作して、以下の検出値を得た。
θ=−0.01度
θ=+0.02度
このようにして最終的には、レベリング異常を抑制することができ、尾端部が各圧延機に対し真直になるように圧延することができた。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う圧延材の蛇行制御方法、装置および製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
3スタンドのタンデム圧延設備において、中間圧延機がレベリング異常である場合に、定常部の圧延を示す図である。 3スタンドのタンデム圧延設備において、中間圧延機がレベリング異常である場合に、尾端部の圧延を示す図である。 各スタンドに角度検出器を設けた制御系を示す図である。 下流側圧延機のレベリングが異常である場合に、上下2スタンド間の定常部の圧延状態を拡大して示す図である。 3スタンドタンデム圧延機の、中間圧延機のレベリングを変更して蛇行を発生させたときの、左スケール(実線)は、圧延材の傾き角が時間経過に伴い変化する様子、右スケールは圧延材の蛇行量が上記時間経過に伴い変化する様子を示すグラフである。 下流側圧延機がレベリング異常である場合に対応するレベリング操作の方向を示す図である。 3台のタンデム圧延機において、上流側から数えて2、3台目の圧延機入り側での蛇行偏差量を演算して、2台目の圧延機レベリング状態を調べる場合を示す図である。 圧延機中心線を示す図である。
符号の説明
F(i−1) 下流側圧延機
F(i) 中間圧延機、上流側圧延機
F(i+1) 上流側圧延機

Claims (6)

  1. 複数の圧延機からなるタンデム圧延設備における圧延材の蛇行制御方法であって、複数の圧延機の各入り側に設けた角度検出器により圧延材の圧延機中心線に対する水平方向傾き角を検出し、該傾き角に基づき前記複数の圧延機のレベリング状態を判定し、該判定によってレベリング量を修正すべきと判定された前記圧延機のレベリング量を操作し、該操作において、前記傾き角が予め定めた閾値を超えた前記圧延機が2台以上である場合には、上流側の前記圧延機から順に前記レベリング量が操作され、前記閾値を超えた前記圧延機が1台である場合には、該1台の前記圧延機の前記レベリング量が操作されることを特徴とする圧延材の蛇行制御方法。
  2. 複数の圧延機からなるタンデム圧延設備における圧延材の蛇行制御方法であって、少なくとも一の圧延機入り側で蛇行量を検出するとともに、前記蛇行量に基づいて前記一の圧延機のレベリング量の操作を行う工程と、
    前記一の圧延機より下流側に配置された複数の下流側圧延機の各入り側に設けた角度検出器により圧延材の圧延機中心線に対する水平方向傾き角を検出し、該傾き角に基づき前記複数の下流側圧延機のレベリング状態を判定し、該判定によってレベリング量を修正すべきと判定された前記下流側圧延機のレベリング量を操作する工程と、
    を備え、
    前記下流側圧延機のレベリング量を操作する前記工程において、前記傾き角が予め定めた閾値を超えた前記下流側圧延機が2台以上である場合には、上流側の前記下流側圧延機から順に前記レベリング量が操作され、前記閾値を超えた前記下流側圧延機が1台である場合には、該1台の前記下流側圧延機の前記レベリング量が操作されることを特徴とする圧延材の蛇行制御方法。
  3. 前記一の圧延機は前記タンデム圧延設備における最上流側圧延機であることを特徴とする請求項2に記載の圧延材の蛇行制御方法。
  4. 複数の圧延機からなるタンデム圧延設備における圧延材の蛇行制御装置であって、複数の圧延機の各入り側に設けた圧延材の圧延機中心線に対する水平方向傾き角を検出する角度検出器と、該傾き角に基づき前記圧延機のレベリング量を制御するレベリング制御装置とを備え、
    前記レベリング制御装置は、前記傾き角が予め定めた閾値を超えた前記圧延機が2台以上である場合には、上流側の前記圧延機から順に前記レベリング量を操作し、前記閾値を超えた前記圧延機が1台である場合には、該1台の前記圧延機の前記レベリング量を操作し、前記閾値を超えた前記圧延機が存在しない場合には、前記レベリング量を操作しないことを特徴とする圧延材の蛇行制御装置。
  5. 複数の圧延機からなるタンデム圧延設備における圧延材の蛇行制御装置であって、少なくとも一の圧延機入り側に設けられ、蛇行量を検出する蛇行検出器と、前記一の圧延機より下流側に配置された複数の下流側圧延機の入り側に設けられた圧延材の圧延機中心線に対する水平方向傾き角を検出する角度検出器と、前記蛇行量に基づいて前記一の圧延機のレベリング量を制御する一の圧延機レベリング量制御装置と、前記傾き角に基づいて前記下流側圧延機のレベリング量を制御する下流側圧延機レベリング制御装置とを備え、
    前記下流側圧延機レベリング制御装置は、前記傾き角が予め定めた閾値を超えた前記下流側圧延機が2台以上である場合には、上流側の前記下流側圧延機から順に前記レベリング量を操作し、前記閾値を超えた前記圧延機が1台である場合には、該1台の前記圧延機の前記レベリング量を操作し、前記閾値を超えた前記圧延機が存在しない場合には、前記レベリング量を操作しないことを特徴とする圧延材の蛇行制御装置。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載された蛇行制御方法により圧延材の蛇行を制御して圧延を行う圧延材の製造方法。
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