JP7464208B1 - 金属帯の欠陥検出装置、金属帯の冷間圧延装置、金属帯の欠陥検出方法及び、金属帯の冷間圧延方法 - Google Patents

金属帯の欠陥検出装置、金属帯の冷間圧延装置、金属帯の欠陥検出方法及び、金属帯の冷間圧延方法 Download PDF

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Abstract

金属帯の幅方向の全幅にわたって欠陥を適切に検出することが可能な金属帯の欠陥検出装置等を提供する。金属帯の欠陥検出装置は、金属帯に対して酸洗を行う酸洗部と、前記酸洗部において酸洗された前記金属帯に対して冷間圧延を行う圧延部と、の間に位置する金属帯の欠陥を検出する。金属帯の欠陥検出装置は、渦流式欠陥計によって測定された前記金属帯のデータである第1のデータを取得する第1のデータ取得部と、光学式欠陥計によって測定された前記金属帯のデータである第2のデータを取得する第2のデータ取得部と、前記第1のデータ及び、前記第2のデータに基づいて、前記金属帯の欠陥を検出する検出部と、を有する。前記検出部は、前記第2のデータのうち、前記金属帯の幅方向における一端側に画定された領域及び他端側に画定された領域を除いて前記金属帯の欠陥を検出する。

Description

本発明は、金属帯の欠陥検出装置、金属帯の冷間圧延装置、金属帯の欠陥検出方法及び、金属帯の冷間圧延方法に関する。
金属帯に疵等の欠陥がある状態で圧延機において圧延されると、圧延機で金属帯が破断する恐れがある。このため、従来では熱延鋼板の等の金属帯の表面に発生する表面欠陥を検査することが行われている。
近年、このような検査においては、渦流式欠陥計、光学式欠陥計等の欠陥計が使用されている。例えば、特許文献1においては、通材中の熱間圧延された金属帯の表面に発生する表面欠陥を検査する表面欠陥検査装置が開示されている。特許文献1の表面欠陥検査装置は、検出された電磁気特性の不連続的な変化から表面欠陥を検出する渦流式欠陥計及び、撮像された画像から前記表面欠陥を検出する光学式欠陥計を有している。
また、特許文献2では、渦流探傷を行うことによって被検査材である金属帯の表面疵候補を検出するステップと、表面疵候補を含む被検査材の所定領域を撮像するステップと、を含み、撮像された画像に基づいて表面疵を検出する表面疵検査方法が開示されている。
特開2015-125115号公報 特開2009-008659号公報
ところで、欠陥として適切でないものを欠陥として検出されると、本来必要ではない検査等の措置が必要になるため、生産効率が低下する問題がある。このため、金属帯の欠陥検出装置には、適切な検出精度を有することが求められている。
しかしながら、渦流式欠陥計で検出される信号は、欠陥の信号とノイズ信号との識別が難しく、誤検出が発生しやすい問題がある。このため、渦流式欠陥計で金属帯の全体を検査した場合には、検出数に対しての欠陥発生数の割合が低くなるという問題がある。
また、金属帯の幅方向の端部は、光が散乱しやすい傾向がある。このため、金属帯の反射光に基づいて欠陥を検出する光学式欠陥計で金属帯の全体を検査した場合には、金属帯の幅方向の端部における反射光の光量の変動量が大きくなり、当該部位の欠陥の検出精度が低下する問題がある。
さらに、渦流式欠陥計及び、光学式欠陥計を併用して金属帯の全体を検査した場合には、渦流式欠陥計での端部以外の定常部の検出精度による誤検出の増加と光学式欠陥計による端部の誤検出の増加が懸念され、検出精度にはさらなる改善の余地がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、金属帯の幅方向の全幅にわたって欠陥を適切に検出することが可能な金属帯の欠陥検出装置、金属帯の冷間圧延装置、金属帯の欠陥検出方法及び、金属帯の冷間圧延方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有する。
[1]
金属帯に対して酸洗を行う酸洗部と、前記酸洗部において酸洗された前記金属帯に対して冷間圧延を行う圧延部と、の間に位置する前記金属帯の欠陥を検出する金属帯の欠陥検出装置であって、
渦流式欠陥計によって測定された前記金属帯のデータである第1のデータを取得する第1のデータ取得部と、
光学式欠陥計によって測定された前記金属帯のデータである第2のデータを取得する第2のデータ取得部と、
前記第1のデータ及び、前記第2のデータに基づいて、前記金属帯の欠陥を検出する検出部と、を有し、
前記検出部は、前記第2のデータのうち、前記金属帯の幅方向における一端側に画定された領域及び他端側に画定された領域を除いて前記金属帯の欠陥を検出する、金属帯の欠陥検出装置。
[2]
前記一端側に画定された領域及び前記他端側に画定された領域は、前記金属帯の幅方向において前記金属帯の端部から10~150mmまでの領域である、[1]に記載の金属帯の欠陥検出装置。
[3]
[1]又は[2]に記載の金属帯の欠陥検出装置を有する金属帯の冷間圧延装置であって、
検出された前記金属帯の欠陥に基づいて、前記圧延部による圧延の可否を判定する判定部を有する、金属帯の冷間圧延装置。
[4]
[1]又は[2]に記載の金属帯の欠陥検出装置を有する金属帯の冷間圧延装置であって、
検出された前記金属帯の欠陥に基づいて、前記圧延部における圧延速度を決定する決定部を有する、金属帯の冷間圧延装置。
[5]
金属帯に対して酸洗がなされた後でありかつ、前記酸洗された前記金属帯に対して冷間圧延がなされる前の前記金属帯の欠陥を検出する金属帯の欠陥検出方法であって、
渦流式欠陥計によって測定された前記金属帯のデータである第1のデータを取得する第1のデータ取得工程と、
光学式欠陥計によって測定された前記金属帯のデータである第2のデータを取得する第2のデータ取得工程と、
前記第1のデータ及び、前記第2のデータに基づいて、前記金属帯の欠陥を検出する検出工程と、を有し、
前記検出工程において、前記第2のデータのうち、前記金属帯の幅方向における一端側に画定された領域及び他端側に画定された領域を除いて前記金属帯の欠陥を検出する、金属帯の欠陥検出方法。
[6]
[5]に記載された金属帯の欠陥検出方法を用いた金属帯の冷間圧延方法であって、
検出された前記金属帯の欠陥に基づいて、前記冷間圧延の実行の可否を判定する判定工程を有する、金属帯の冷間圧延方法。
[7]
[5]に記載された金属帯の欠陥検出方法を用いた金属帯の冷間圧延方法であって、
検出された前記金属帯の欠陥に基づいて、前記冷間圧延の圧延速度を決定する決定工程を有する、金属帯の冷間圧延方法。
本発明の金属帯の欠陥検出装置、金属帯の冷間圧延装置、金属帯の欠陥検出方法及び、金属帯の冷間圧延方法によれば、渦流式欠陥計によって測定された金属帯のデータである第1のデータ及び、光学式欠陥計によって測定された金属帯のデータである第2のデータに基づいて金属帯の欠陥が検出される。また、第2のデータのうち、金属帯の幅方向における一端側に画定された領域及び他端側に画定された領域を除いて金属帯の欠陥が検出される。すなわち、金属帯の幅方向における一端側に画定された領域及び他端側に画定された領域は、第1のデータに基づいて金属帯の欠陥が検出される。これにより、光学式欠陥計の検出精度が低い領域を除いて欠陥を検出することができるため、光学式欠陥計及び、渦流式欠陥計を併用して欠陥を検出する場合よりも、金属帯の幅方向の端部における欠陥を適切に検出することが可能となる。言い換えれば、本発明の金属帯の欠陥検出装置、金属帯の冷間圧延装置、金属帯の欠陥検出方法及び、金属帯の冷間圧延方法は、金属帯の幅方向の全幅にわたって欠陥を適切に検出することが可能となる。
冷延鋼板を製造する冷間圧延装置、冷延鋼板の製造ライン及び、金属帯の欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。 図1の渦流式欠陥計の構成を示す説明図である。 図1の光学式欠陥計の構成を示す説明図である。 金属帯の欠陥検出方法の処理フロー図である。 図4の検出工程の態様を示す説明図である。 第2実施形態の冷延鋼板を製造する冷間圧延装置、冷延鋼板の製造ライン及び、金属帯の欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。 実施例及び比較例の過検出率を示すグラフである。
冷延鋼板は、スラブを熱間圧延した熱延鋼板が酸洗された後、その熱延鋼板が冷間圧延されることにより製造される。本実施形態においては、このような冷延鋼板が製造される冷間圧延装置及び、冷間圧延工程において、熱延鋼板である金属帯の欠陥を検出する金属帯の欠陥検出装置について説明する。
(第1実施形態)
図1は、金属帯の欠陥検出装置100及び、金属帯としての冷延鋼板を製造する冷間圧延装置200の構成を示している。冷間圧延装置200は、冷延鋼板の製造ライン10を有する。冷延鋼板の製造ライン10は、供給部11と、供給部11から供給された鋼材を酸洗する酸洗部12と、を有する。冷延鋼板の製造ライン10は、酸洗部12で酸洗された鋼材の欠陥を検出する渦流式欠陥計13と、酸洗部12で酸洗された鋼材の欠陥を検出する光学式欠陥計14と、を有する。冷延鋼板の製造ライン10は、酸洗部12で酸洗された鋼材を圧延する圧延部15と、圧延部15で圧延された鋼材を巻き取る巻取部16と、を有する。
供給部11は、例えば、コイル状の鋼材を製造ライン10に送り出すアンコイラを用いることができる。供給部11から供給された鋼材である金属帯は、適宜溶接されて、酸洗部12に供給される。
酸洗部12は、入側ルーパ(図示せず)、酸洗層(図示せず)及び、出側ルーパ(図示せず)を有して構成されている。金属帯は、入側ルーパを介して酸洗層において酸溶液に浸かり、その後出側ルーパから排出される。酸洗部12における酸洗は、金属帯の表面に酸化被膜として形成された酸化スケールの除去や、金属帯の表面の品質向上を目的として行われる。
渦流式欠陥計13は、金属帯の電磁気特性を連続して計測し、計測された電磁気特性の変化に基づいて金属帯の表面欠陥を検出する欠陥計である。
光学式欠陥計14は、金属帯の表面が撮像された撮像データに基づいて金属帯の表面欠陥を検出する欠陥計である。
金属帯は、製造ライン10において搬送される際にばたつきが生じる。このような金属帯にばたつきが生じる製造ライン10の区間において渦流式欠陥計13及び、光学式欠陥計14を設置すると、検出精度が低下する。このため、渦流式欠陥計13及び、光学式欠陥計14は、金属帯が巻き付けられているブライドルロール等のロールの金属帯や、金属帯のばたつき防止のために設けられているサポートロールの金属帯の欠陥を検出可能に設けられていることが好ましい。尚、光学式欠陥計14は、渦流式欠陥計13よりも酸洗部12側に配置されるようにしてもよい。
圧延部15は、互いに対向するように設けられている一対のワークロール(図示せず)を有する。一対のワークロールは、上下方向に間隔を有して設けられている。一対のワークロールは、一対のバックアップロール(図示せず)によって支持されている。金属帯は、一対のワークロールの間を通過することにより、例えば、所定の厚さとなる。圧延部15としては、例えば、タンデム圧延機を用いることができる。圧延部15のスタンド数やスペック等は特には限定されない。
巻取部16は、圧延部15で圧延された金属帯をコイル状に巻き取る巻き取り機である。巻取部16でコイル状にされた金属帯は、所定の位置まで搬送され、その後の加工がなされる。
金属帯の欠陥検出装置100は、渦流式欠陥計13及び、光学式欠陥計14からのデータを入出力する入出力部21と、金属帯の欠陥検出装置100の制御を行う制御部22と、制御部22が行った処理内容に応じてユーザに報知する報知部23と、を有する。入出力部21と、制御部22と、報知部23と、は、バス24を介して互いに接続されている。
入出力部21は、渦流式欠陥計13及び、光学式欠陥計14と、金属帯の欠陥検出装置100と、を電気的に接続するインターフェースである。渦流式欠陥計13及び、光学式欠陥計14からの信号は、入出力部21を介して金属帯の欠陥検出装置100に入力される。
制御部22は、CPU、ROM、RAMを含むコンピュータである。制御部22は、渦流式欠陥計13によって測定された金属帯のデータである第1のデータを取得する第1のデータ取得部22aと、光学式欠陥計14によって測定された金属帯のデータである第2のデータを取得する第2のデータ取得部22bと、を有する。制御部22は、第1のデータ及び、第2のデータに基づいて、金属帯の欠陥を検出する検出部22cを有する。
第1のデータ取得部22a、第2のデータ取得部22b及び、検出部22cは、ROMに格納されているデータ及び、プログラム(コンピュータソフトウェア)を読み取り、当該データに基づき、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することにより実現される。
渦流式欠陥計13及び、光学式欠陥計14から入出力部21を介して入力された信号は、第1のデータ又は、第2のデータとしてそれぞれROMに格納される。
第1のデータ取得部22aは、ROMに格納されている第1のデータを取得する。第2のデータ取得部22bは、ROMに格納されている第2のデータを取得する。
検出部22cは、第1のデータ取得部22a及び、第2のデータ取得部22bによって取得された第1のデータ及び、第2のデータに基づいて、金属帯の欠陥を検出する。
報知部23は、制御部22による処理に応じた情報をユーザに提示する装置である。報知部23としては、例えば、液晶ディスプレイ等のディスプレイを用いることができる。また、報知部23としては、例えば、音声を出力するスピーカを用いることができ、ディスプレイとスピーカを併用して構成されていてもよい。
図2は、渦流式欠陥計13の構成を示している。図2に示すように、金属帯30は、搬送方向D1に向かって搬送される。金属帯30は、その幅方向における一端側に画定された一端側領域31a、他端側に画定された他端側領域31b及び、その幅方向において一端側領域31aと他端側領域31bの間の中央領域32を有する。
渦流式欠陥計13は、コイル部で発生した渦電流による交流誘導起電力を直流電気信号に変えて出力する渦流探傷回路を備えたセンサ部41と、センサ部41から出力された信号に基づいて表面欠陥を検出する検出部42と、を有している。
センサ部41は、金属帯30の幅方向に亘って設けられたセンサ群41a~41x(xは任意のアルファベットである)を含んで構成される。図の拡大部において示されているように、他端側領域31bには、センサ群41a~41eが配されている。このように、一端側領域31a、他端側領域31b及び、中央領域32に対応してセンサ群41a~41xが配されている。
検出部42は、センサ部41から出力された信号に基づいて、金属帯30の表面の欠陥を検出する。検出部42は、センサ群41a~41xの各々を識別可能にセンサ部41と接続されている。検出部42は、センサ群41a~41xと信号を紐づけて渦流検出データとし、渦流検出データを金属帯の欠陥検出装置100に送信する。
図3は、光学式欠陥計14の構成を示している。金属帯の表面を撮像するカメラ51と、カメラが撮像した撮像データに基づいて表面欠陥の発生を検出する検出部52を有する。
カメラ51は、その視野FVが金属帯30の一端側領域31a、他端側領域31b及び、中央領域32を含むように配されている。カメラ51は、一方の面に対して複数台設けてもよい。その場合、1のカメラ51の視野FVに金属帯30の一端側領域31a、他端側領域31b及び、中央領域32が含まれていなくてもよい。すなわち、複数のカメラ51の視野FVによって、金属帯30の一端側領域31a、他端側領域31b及び、中央領域32が含まれているようにするとよい。
検出部52は、例えば、欠陥が生じている部分と、欠陥が生じていない部分と、ではコントラストが異なるため、当該コントラスト差を利用して欠陥を検出する。検出部52は、例えば、撮像データ二値化し、当該コントラスト差が明確にでるようにして検出処理を行うとよい。
検出部52による検出処理は、このような態様に限られず、例えば、表面欠陥がない金属帯の画像データを基準データとして用い、当該基準データと、撮像データと、を比較することにより表面欠陥を検出するようにしてもよい。具体的には、検出部52は、撮像データの画素値から基準データの画素値を差し引き、閾値以上の画素値の差が見られる領域を欠陥として検出するようにしてもよい。また、検出したい欠陥ごとに長さ、幅、真円度、コントラスト比、単位面積当たりの個数などの特徴量を決定することで、欠陥分類をしてもよい。
検出部52は、欠陥を検出すると、その撮像データを光学検出データとし、光学検出データを金属帯の欠陥検出装置100に送信する。
図4は、金属帯の欠陥検出装置100による金属帯の欠陥検出処理のフローを示している。金属帯の欠陥検出処理のフローは、例えば、製造ライン10の起動に伴って開始される。
図4に示すように、第1のデータ取得部22aは、ROMに格納されている第1のデータを取得する(ステップS101)(第1のデータ取得工程)。第2のデータ取得部22bは、ROMに格納されている第2のデータを取得する(ステップS102)(第2のデータ取得工程)。尚、ステップS101、S102は、どちらが先に行われてもよいし、同時に行われるようにしてもよい。
検出部22cは、第1のデータ取得部22a及び、第2のデータ取得部22bによって取得された第1のデータ及び、第2のデータに基づいて、金属帯30の欠陥を検出する(ステップS103)(判定工程)。
ステップS103において、検出部22cは、第2のデータのうち、金属帯30の一端側領域31a及び、他端側領域31bを除いて金属帯30の欠陥を検出する。言い換えれば、検出部22cは、一端側領域31a及び、他端側領域31bについては、第1のデータを用いて金属帯30の欠陥を検出する。また、検出部22cは、中央領域32については、第1のデータ及び、第2のデータを用いて金属帯30の欠陥を検出する。
検出部22cは、第2のデータから金属帯30の一端側領域31a及び、他端側領域31bを除く処理をする。金属帯30と金属帯30の周囲の背景とは、コントラスト差が生じる傾向がある。検出部22cは、例えば、金属帯30と背景との間に生じるコントラスト差を利用して第2のデータから金属帯30の一端側領域31a及び、他端側領域31bを除く処理をする。具体的には、検出部22cは、金属帯30と背景との間には、コントラスト差によって生じる境界を金属帯30の一端又は、他端の基準として設定する。検出部22cは、当該基準から金属帯30の幅方向の中央側に向かって広がる領域を、一端側領域31a及び、他端側領域31bとして設定する。
一端側領域31a及び、他端側領域31bは、金属帯30の幅方向において金属帯30の端部から10~150mmまでの領域とするとよい。言い換えれば、検出部22cは、金属帯30の一端又は、他端の基準から、10~150mmまでの領域を一端側領域31a及び、他端側領域31bとして設定するとよい。
渦流式欠陥計13による欠陥の検出を鑑みると、金属帯30の端部から30mmまでの領域を一端側領域31a及び、他端側領域31bとして設定されることが好ましい。また、金属帯30の端部から150mmを超える領域については、渦流式欠陥計13の過検出率が高くなる傾向がある。
検出部22cは、例えば、中央領域32については、第1のデータ及び、第2のデータの同一又は、対応する領域において、の双方のデータに欠陥が検出された場合を、金属帯30に欠陥があるものとして検出する。尚、検出部22cは、過去の欠陥の検出値や、金属帯30が破断された際の設定値等を参考にして、渦流式欠陥計13及び、光学式欠陥計14の欠陥検出の設定をするとよい。このような方法で実施する場合には各欠陥計単独で使用する場合より、閾値を緩和できるが、過検出等で第1のデータと第2のデータの双方で判定が困難な場合、単独で判定しても良い。このように設定することで、欠陥の検出精度を高めることができる。
尚、検出部22cは、金属帯30の欠陥を検出した際には欠陥検出データを生成し、ROMに格納する。検出部22cは、欠陥検出データを報知部23から出力させる。
図5は、図4のステップS103の検出工程の態様を示している。図5に左側は、渦流式欠陥計13の渦流検出データを示している。渦流検出データにおいて、白く着色された領域は、欠陥がない非欠陥部位として検出された領域である。また、斜めの線の格子状のパターンが記載された領域は、圧延機の減速等の対応が不要な小欠陥として検出された領域である。このような領域は、検出部位1として特定される。矩形の格子状のパターンが記載された領域は、圧延機で通常圧延不可能な大欠陥として検出された領域である。このような領域は、検出部位2として特定される。
図5に右側は、渦流検出データに対応する部位の画像データである。画像データのうち楕円で囲まれた領域は、渦流検出データの検出部位2に相当する領域である。このように、検出部22cは、一端側領域31a及び、他端側領域31bについては、第1のデータを用いて金属帯30の欠陥を検出することで、光学式欠陥計14の検出精度が低い領域31a、31bを除いて欠陥を検出することができる。このため、渦流式欠陥計13及び、光学式欠陥計14を併用して当該領域31a、31bの欠陥を検出する場合よりも、適切に欠陥を検出することが可能となる。
尚、検出部22cは、一端側領域31a及び、他端側領域31bについて欠陥を検出する際には、渦流式欠陥計13のセンサ群41a~41xのうち、一端側領域31a及び、他端側領域31bに対応するセンサ群のデータを用いるとよい。
本実施形態のように酸洗部12から冷間圧延が行われる圧延部15の間で酸洗後の熱延鋼板の欠陥を検出することにより、冷間圧延を行う前に欠陥がある酸洗後の熱延鋼板を生産ラインから除去することが可能となり、冷間圧延が行われる際の熱延鋼板の破断等を防ぐことができる。
(第2実施形態)
金属帯の欠陥検出装置は、検出された欠陥に応じて圧延部15による圧延の可否を判定してもよい。また、金属帯の欠陥検出装置100は、検出された欠陥に応じて圧延部15における圧延速度を決定してもよい。尚、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を同一の箇所に付すことにより説明を省略する。
図6は、第2実施形態にかかる金属帯の欠陥検出装置101及び、冷延鋼板の製造ライン10の構成を示している。金属帯の欠陥検出装置101は、制御部22が、検出された欠陥に応じて圧延部15による圧延の可否を判定する判定部22dと、検出された欠陥に応じて圧延部15における圧延速度を決定する決定部22eと、を有する。その余りの点については、第1実施形態にかかる金属帯の欠陥検出装置100と同一である。
判定部22dは、検出された欠陥の程度がROMに格納された可否基準データを超える場合、圧延部15による圧延を不可と判定する。また、判定部22dは、検出された欠陥の程度が当該可否基準データ以下である場合、圧延部15による圧延を可と判定する。
可否基準データは、特には限定されないが、例えば、欠陥の搬送方向D1の長さ、欠陥の金属帯30の幅方向の長さ、欠陥の金属帯30の厚さ方向の深さ、欠陥の面積等のうち、少なくとも1つについて規定されているとよい。
決定部22eは、検出された欠陥の程度がROMに格納された複数の速度基準データに応じて、圧延部15による圧延速度を決定する。
速度基準データは、検出された欠陥の程度に応じた例えば、欠陥レベル大、欠陥レベル中、欠陥レベル小のように、レベル分けされて設定されているとよい。速度基準データは、これらのレベルと応じた圧延速度が設定されているとよい。例えば、欠陥レベル大、欠陥レベル中、欠陥レベル小の順に圧延速度が速くなるように速度基準データが設定されるとよい。
速度基準データの欠陥の態様は特には限定されないが、可否基準データと同様に、例えば、欠陥の搬送方向D1の長さ、欠陥の金属帯30の幅方向の長さ、欠陥の金属帯30の厚さ方向の深さ、欠陥の面積等のうち、少なくとも1つについて規定されているとよい。
尚、金属帯の冷間圧延方法は、判定部22dによって圧延部15による圧延を不可と判定する判定工程を含むとよい。判定工程は、金属帯の欠陥検出処理のフローのステップS103の検出工程以後に実行するようにするとよい。
また、金属帯の冷間圧延方法は、決定部22eによって圧延部15による圧延速度を決定する決定工程を含むとよい。決定工程は、金属帯の欠陥検出処理のフローのステップS103の検出工程以後に実行するようにするとよい。
本実施形態の金属帯の欠陥検出装置101によれば、欠陥の程度に応じた圧延部15の稼働を制御するため、適切な態様で製造ライン10を稼働させることができる。このため、製造ラインの稼働効率を高めることが可能となる。
尚、本実施形態においては、判定部22d及び、決定部22eの両方を有する制御部22を説明した。しかし、判定部22d及び、決定部22eは、必ずしも両方が制御部22に設けられていなくてもよく、いずれか一方を制御部22に設けられているようにしてもよい。
金属帯の欠陥の検出精度について比較試験を行った。具体的には、渦流式欠陥計のみを用いて金属帯の欠陥を検出した場合を比較例1、光学式欠陥計のみを用いて金属帯の欠陥を検出した場合を比較例2とした。金属帯の一端側領域及び、他端側領域については、渦流式欠陥計を用いて欠陥を検出し、中央領域については、渦流式欠陥計及び光学式欠陥計を用いて欠陥を検出した場合を実施例1とした。
金属帯の一端側領域及び、他端側領域については、金属帯の端部から10mm以内の領域として設定した。検出精度については、欠陥が検出された場合であって当該欠陥の検出が不適切である場合を「過検出」として定義し、過検出率で評価を行った。また、当該過検出で検出された欠陥を混入可能欠陥とした。
過検出率は、過検出されたコイル数/圧延コイル数で定義した。尚、比較例2については、金属帯の端部から5mm以内の領域を除いて測定した。その結果を図7に示す。
図7に示すように、実施例1は、比較例1及び、比較例2よりも過検出率が低いことがわかった。尚、比較例2は、比較例1よりも過検出率が低く示されているが、金属帯の端部から5mm以内の領域を除いて測定されているためであると考えられる。
実施例1のように、渦流式欠陥計と光学式欠陥計を併用し、各欠陥計で検出位置を分担することで、欠陥検出能力が格段に向上することが分かった。これにより、圧延機で金属帯が破断するリスクを低減することができる。また、過検出が低減されることにより、作業効率や生産能率を高めることが可能になる。
100 金属帯の欠陥検出装置
101 金属帯の欠陥検出装置
200 金属帯の冷間圧延装置
12 酸洗部
15 圧延部
22a 第1のデータ取得部
22b 第2のデータ取得部
22c 検出部
22d 判定部
22e 決定部
30 金属帯
31a 一端側領域
31b 他端側領域

Claims (7)

  1. 金属帯に対して酸洗を行う酸洗部と、前記酸洗部において酸洗された前記金属帯に対して冷間圧延を行う圧延部と、の間に位置する前記金属帯の欠陥を検出する金属帯の欠陥検出装置であって、
    渦流式欠陥計によって測定された前記金属帯のデータである第1のデータを取得する第1のデータ取得部と、
    光学式欠陥計によって測定された前記金属帯のデータである第2のデータを取得する第2のデータ取得部と、
    前記第1のデータ及び、前記第2のデータに基づいて、前記金属帯の欠陥を検出する検出部と、を有し、
    前記検出部は、前記第2のデータのうち、前記金属帯の幅方向における一端側に画定された領域及び他端側に画定された領域を除いて前記金属帯の欠陥を検出する、金属帯の欠陥検出装置。
  2. 前記一端側に画定された領域及び前記他端側に画定された領域は、前記金属帯の幅方向において前記金属帯の端部から10~150mmまでの領域である、請求項1に記載の金属帯の欠陥検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の金属帯の欠陥検出装置を有する冷間圧延装置であって、
    検出された前記金属帯の欠陥に基づいて、前記圧延部による圧延の可否を判定する判定部を有する、金属帯の冷間圧延装置。
  4. 請求項1又は2に記載の金属帯の欠陥検出装置を有する金属帯の冷間圧延装置であって、
    検出された前記金属帯の欠陥に基づいて、前記圧延部における圧延速度を決定する決定部を有する、金属帯の冷間圧延装置。
  5. 金属帯に対して酸洗がなされた後でありかつ、前記酸洗された前記金属帯に対して冷間圧延がなされる前の前記金属帯の欠陥を検出する金属帯の欠陥検出方法であって、
    渦流式欠陥計によって測定された前記金属帯のデータである第1のデータを取得する第1のデータ取得工程と、
    光学式欠陥計によって測定された前記金属帯のデータである第2のデータを取得する第2のデータ取得工程と、
    前記第1のデータ及び、前記第2のデータに基づいて、前記金属帯の欠陥を検出する検出工程と、を有し、
    前記検出工程において、前記第2のデータのうち、前記金属帯の幅方向における一端側に画定された領域及び他端側に画定された領域を除いて前記金属帯の欠陥を検出する、金属帯の欠陥検出方法。
  6. 請求項5に記載された金属帯の欠陥検出方法を用いた金属帯の冷間圧延方法であって、
    検出された前記金属帯の欠陥に基づいて、前記冷間圧延の実行の可否を判定する判定工程を有する、金属帯の冷間圧延方法。
  7. 請求項5に記載された金属帯の欠陥検出方法を用いた金属帯の冷間圧延方法であって、
    検出された前記金属帯の欠陥に基づいて、前記冷間圧延の圧延速度を決定する決定工程を有する、金属帯の冷間圧延方法。

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