JP3697578B2 - 帯状材の割れ検出方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯状材の割れ検出方法及び装置に係り、特に、鋼板エッジに発生するエッジ割れを検出する際に用いるのに好適な、鋼板の形状不良に起因して発生するノイズを抑制し、割れのみを安定的に検出することが可能な、帯状材の割れ検出方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板のエッジ部分に割れが生じた場合、通板時にエッジ割れ部分が設備等に引掛かり、破断して生産能力が低下する場合がある。これを回避する方法として、エッジ割れが発生し易い圧延工程等においてエッジ割れを検出し、このエッジ割れ部分を切断する等の処理を行うことにより、圧延工程以後の工程で、エッジ割れを要因とするトラブルが発生することを未然に回避する方法が考えられる。
【0003】
このような鋼板のエッジ割れの検出方法として、出願人は特開2000−230924で、E型コアを有する渦流センサを複数配置し、割れの面積や深さと検出信号との関係から、割れのみを検出し、割れの深さや幅を求めることを提案している。
【0004】
前記渦流センサは、原理上、センサと鋼板とのギャップ(リフトオフとも称する)が変動すれば、検出信号が変化してしまう。このため、鋼板の形状が平坦であれば、割れのない、正常な部分での信号は低く、安定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の鋼板形状は平坦でない場合もあり、圧延がうまくいかず、波打ったような形状不良が存在する場合が発生する。
【0006】
このような場合、従来の方法では、標準機能である位相やフィルタの調整だけでは、形状不良による信号変化を抑制できず、誤検出してしまうことがあった。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、形状不良に起因して発生するノイズを抑制して、割れのみを安定的に検出可能とすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、センサ出力のサンプリング値に基づいて、走行中の帯状材の割れを検出する際に、今回の測定値と過去に遡った所定数の測定値の平均値との差分値が所定の閾値を超えて大きく、且つ、該差分値と今回測定値との比率が所定の範囲内である時に、割れと判定するようにして、前記課題を解決したものである。
【0009】
本発明は、又、走行中の帯状材の割れを検出するための帯状材の割れ検出装置において、センサ出力をサンプリングする手段と、今回の測定値と過去に遡った所定数の測定値の平均値との差分値を求める差分処理手段と、該差分値と今回測定値との比率を求める比率処理手段と、前記差分値が所定の閾値を超えて大きく、且つ、前記比率が所定の範囲内である時に割れと判定する割れ判定手段とを備えることにより、同じく前記課題を解決したものである。
【0010】
割れ及び形状不良部で検出される信号は、それぞれ図1(a)及び(b)に示すような変化をする。
【0011】
この2つの信号の特徴は、次のとおりである。
【0012】
(1)割れの場合、信号は急峻に変化するが、形状不良では、緩やかな変化である。
【0013】
(2)形状不良の場合、信号が徐々に変化しているため、平均的な信号レベルは、割れに比べて高い。
【0014】
従って、今回の測定値と過去の測定値の平均値との差分値、及び、該差分値と今回測定値との比率を求めると、割れの時には、差分値が大きく、且つ、比率は1に近い値となる。一方、形状不良の時には、差分値が大きくなっても、同時に比率が1に近い値になることは少ない。
【0015】
よって、適切な閾値を設定し、2つの条件を同時に満たす測定点を有するピークを割れと推定することで、割れのみを安定的に検出することが可能となる。
【0016】
本発明は、上記のような知見に基づいてなされたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
本実施形態は、図2に示す如く、圧延機10で圧延された鋼板12をコイラ14で巻き取る際に、その割れを検出するための装置であって、鋼板12を送るロールの回転量から鋼板の送り長さを検出するためのパルスジェネレータ(PLG)20と、割れを検出するためのセンサ22と、該センサ22の出力を増幅するためのアンプ24と、本発明による処理を行うためのデータ処理装置26と、該データ処理装置26にコイル情報を与えるための上位計算機28と、検査結果を出力するためのプリンタ30とを備えている。
【0019】
前記センサ22としては、例えば特開2000−230924と同様のE型渦流センサを、鋼板12のエッジに1台ずつ配置することができる。このセンサ22は、鋼板エッジ位置の変動に対して、幅方向に複数台並べてもよく、又、走査しても構わない。
【0020】
以下作用を説明する。
【0021】
センサ22のアンプ24から出力される信号を、PLG20から出力されるPLG信号に基づいて、一定ピッチでサンプリングする。
【0022】
前記データ処理装置26は、図3に示す処理をリアルタイムに行う。具体的には、ステップ100で、前記センサ22のアンプ24からの信号を一定ピッチでサンプリングし、測定値(今回測定値)をS(i)とする。
【0023】
次いでステップ110に進み、今回測定値S(i)と過去の所定数(Z)点の測定値の平均値の差分値ΔS(i)を次式により求める。
【0024】
【数1】
【0025】
次いでステップ120に進み、ステップ110で求められた差分値ΔS(i)と差分を求める前の今回測定値S(i)の比率Sr(i)を次式により求める。
【0026】
Sr(i)=ΔS(i)/S(i) …(2)
【0027】
次いでステップ130に進み、ステップ110で求められた差分値ΔS(i)とステップ120で求められた比率Sr(i)の値から、次の条件を共に満足する場合を割れと判定する。
【0028】
ΔS(i)>A …(3)
B1<Sr<B2 …(4)
【0029】
ここで、A、B1(<1)、B2(>1)は設定値である。
次いでステップ140に進み、処理結果を集計する。
【0030】
処理毎の信号変化の例を図4に示す。図において、○印はサンプリング点を示す。図4(a)に示す割れの場合、サンプリング点S1、S2のいずれも差分値ΔSが閾値Aを超えており、且つ、サンプリング点S1の比率Srが閾値B1とB2の間の1に近い値をとっているので、図5に示す如く、割れと判定する。但し、比率Srは、正のみを採用し、負の場合は0とする。
【0031】
一方、図4(b)に示す形状不良の場合には、サンプリング点S3、S4、S5のうち、S4、S5の差分値ΔSが閾値Aを超えていて割れの候補となるが、比率SrがいずれもB1よりも小さいため、割れと誤検出することはない。
【0032】
なお、前記差分処理や比率処理のパラメータA、B1、B2は、前記データ処理装置26内に設定、保存する機能を設けたり、あるいは、上位計算機28より、事前に受信する方法を採ってもよい。
【0033】
集計した結果は、上位計算機28から受信したコイル情報と関連付けて、プリンタ30から出力する。
【0034】
なお、前記実施形態においては、本発明が、鋼板エッジの割れ検出に適用されていたが、本発明の適用対象は鋼板に限定されない。又、センサの構造もE型に限定されない。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、帯状材のエッジに耳伸びのような形状不良が存在する場合においても、割れのみを安定的に検出することが可能となる。
【0036】
従って、焼鈍ライン等での後工程の不要な作業を軽減でき、生産性を維持できる。又、信頼性が向上することで、割れが多数発生した場合は、工程を変更する等、効率の良い物流、生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための線図
【図2】本発明の実施形態の全体を示す構成図
【図3】前記実施形態のデータ処理装置における処理手順を示す流れ図
【図4】前記実施形態の各部信号波形を、割れの場合と形状不良の場合で比較して示す線図
【図5】本発明による処理結果を示す図表
【符号の説明】
10…圧延機
12…鋼板
14…コイラ
20…PLG
22…センサ
24…アンプ
26…データ処理装置
Claims (2)
- センサ出力のサンプリング値に基づいて、走行中の帯状材の割れを検出する際に、
今回の測定値と過去に遡った所定数の測定値の平均値との差分値が所定の閾値を超えて大きく、且つ、該差分値と今回測定値との比率が所定の範囲内である時に、割れと判定することを特徴とする帯状材の割れ検出方法。 - 走行中の帯状材の割れを検出するための帯状材の割れ検出装置において、
センサ出力をサンプリングする手段と、
今回の測定値と過去に遡った所定数の測定値の平均値との差分値を求める差分処理手段と、
該差分値と今回測定値との比率を求める比率処理手段と、
前記差分値が所定の閾値を超えて大きく、且つ、前記比率が所定の範囲内である時に割れと判定する割れ判定手段と、
を備えたことを特徴とする帯状材の割れ検出装置。
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