JPH07197982A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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Publication number
JPH07197982A
JPH07197982A JP35233393A JP35233393A JPH07197982A JP H07197982 A JPH07197982 A JP H07197982A JP 35233393 A JP35233393 A JP 35233393A JP 35233393 A JP35233393 A JP 35233393A JP H07197982 A JPH07197982 A JP H07197982A
Authority
JP
Japan
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vibration
valve
casing
passage
orifice
Prior art date
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Pending
Application number
JP35233393A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kojima
宏 小島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造コストの低減を図ると共にエンジンのコ
ンパクト化を図る。 【構成】 ケーシング74のフランジ74Cがブラケッ
ト15の外周に取付けられる。ケーシング74の内部を
挟持板56と弾性膜62とで、第1の空気室78と第2
の空気室76とに区画し、挟持板56を弁棒52を介し
てアイドルオリフィス48の開口部分を閉塞する弁体5
4に連結する。シェイク振動時には、第2の空気室76
を負圧にすることにより挟持板56が移動し、アイドル
オリフィス48が確実に閉止され、シェイク用オリフィ
ス34に流れる液体の作用によってシェイク振動が吸収
される。アイドル振動時には第2の空気室76内を大気
と連通させ、液体がアイドルオリフィス48を行き来し
て、アイドル振動が吸収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動発生部からの振動
を吸収する防振装置に係り、特に液体の連通する通路を
開閉するための開閉弁を設けた液体封入式防振装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両には、エンジンマウン
ト、キャブマウント、ボデーマウントとして振装置が用
いられている。自動車等の車両の振動には低周波の振動
や高周波の振動が存在する。これら高低両方の振動を吸
収する防振装置として液体封入式防振装置が提案されて
いる(特願平3−28810号、特願平2−24488
1号等)。
【0003】この液体封入式防振装置は受圧液室と副液
室とを備えており、受圧液室と副液室との間は、径が比
較的小さく長さの長い低周波用オリフィスと、径が比較
的大きく長さの短い高周波用オリフィスとで連結されて
いる。
【0004】そして、高周波用オリフィスには、エンジ
ンの吸入負圧を利用したアクチュエータに連結されて液
体の連通を遮断できるバルブが設けられており、制御装
置により低周波振動と高周波振動との間でこのアクチュ
エータが制御されて、バルブが開閉されるようになって
いる。
【0005】つまり、低周波振動入力時には、このバル
ブが閉じられて低周波用オリフィスのみで液体が行き来
するようになっている。また、高周波振動入力時には、
低周波用オリフィスが目詰まりをするので、バルブが開
けられて高周波用オリフィスによって液体が行き来する
ようになっている。これによって、液体が高周波用オリ
フィス内で液柱共振して防振装置の動ばね定数が低減さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】また、上記のようにエ
ンジンの吸入負圧を利用するアクチュエータが採用され
た防振装置では、一般にアクチュエータ内の気圧切り換
えの為に電磁弁が使用されている。
【0007】従って、アクチュエータと電磁弁との間を
結ぶホースが必要であると共に、電磁弁をエンジンルー
ム内に取り付ける必要がある。この為、電磁弁を取り付
けたり、ホースで接続する等の作業が必要となり、防振
装置の製造コスト高となる原因となっていた。また、こ
れに伴って、エンジンルーム内に電磁弁を取り付ける空
間を確保する必要があり、エンジンのコンパクト化の障
害となっていた。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、製造コストの
低減を図ると共にエンジンのコンパクト化を図った防振
装置を提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される第1の
取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結され
る第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の
取付部材との間に設けられ振動発生時に変形する弾性体
と、前記弾性体を少なくとも隔壁の一部として形成され
且つ液体が充填された液室と、前記液室を区画すると共
に区画された複数の液室間をそれぞれ連通する複数の制
限通路を有した隔壁部材と、前記複数の制限通路の少な
くとも一つを開閉する開閉弁と、前記いずれかの取付部
材に取り付けられ且つ内部に空間を有するケーシング
と、前記開閉弁の一端が連結され且つ前記ケーシング内
の空間を移動可能に区画する仕切り部材と、前記ケーシ
ング内に設置され且つ前記仕切り部材により仕切りられ
た前記ケーシング内の空間のいずれか一方の内部に繋が
る流路を負圧流路と大気圧流路との間で切り替えて前記
仕切り部材を前記ケーシング内で移動させる切替弁と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の防振装置によれば、例えば、第1の取
付部材をエンジン等の振動発生部へ連結し第2の取付部
材を車体等の振動受部へ連結することにより、エンジン
等は第1の取付部材から弾性体、第2の取付部材を介し
て車体等の振動受部へ支持される。エンジン等が発生す
る振動は、弾性体の内部摩擦に基づく抵抗で吸収される
他、受圧液室と副液室との間を区画する隔壁部材の制限
通路内で生じる液体の通過抵抗及び液柱共振によって、
吸収される。
【0011】一方、この防振装置では、制限通路を夫々
大きさを異なるものに設定し、所定の制限通路以外の制
限通路を振動の周波数に対応して開閉弁で閉塞すること
によって、所定の制限通路での液体の液柱共振により所
定の周波数の振動を吸収することができる。
【0012】そして、開閉弁の一端が連結される仕切り
部材が、いずれかの取付部材に取り付けられたケーシン
グ内の空間を移動可能に区画する。さらに、仕切り部材
により仕切りられたケーシング内の空間のいずれか一方
の内部に繋がる流路を、切替弁が負圧流路と大気圧流路
との間で切り替えて、仕切り部材をケーシング内で移動
させる。
【0013】従って、制限通路を開閉する場合には、切
替弁が流路を負圧流路と大気圧流路との間で切り替える
ことにより、ケーシング内の流路が繋がる空間内の気圧
を変動させ、ケーシング内の気圧差から仕切り部材がケ
ーシング内で移動するのに伴って、開閉弁が仕切り部材
と一体的に移動して、制限通路が開閉される。
【0014】以上より、本発明によれば、アクチュエー
タの外枠を構成することになるケーシング内に、例えば
電磁弁である切替弁が設置された結果、アクチュエータ
と切替弁との間を結ぶホースが不要となると共に、切替
弁をエンジンルーム内に取り付ける必要が無くなるだけ
でなく、ケーシングが切替弁の外枠を構成するために切
替弁の樹脂製の外枠が不要となって、防振装置の製造コ
ストの低減が図れる。
【0015】また、これに伴って、エンジンルーム内に
切替弁を取り付ける空間を確保する必要がなくなり、エ
ンジンのコンパクト化が図れることとなった。
【0016】さらには、アクチュエータと切替弁との間
を結ぶホースが不要となるのに伴って、ホース内の抵抗
によるエアの損失やアクチュエータの応答時間の遅れも
低減することができる。
【0017】
【実施例】本発明の第1実施例を図1乃至図6にしたが
って説明する。
【0018】図1及び図5に示すように、本実施例の防
振装置10は、第1の取付部材となる外筒14を備えて
おり、外筒14は図示しない車体に取り付けるためのブ
ラケット15へ挿入されている。
【0019】外筒14の内側には薄肉ゴム層16が加硫
接着されている。図1及び図5に示すように、この薄肉
ゴム層16の一部は外筒14の内周面から離れたダイヤ
フラム18とされている。ダイヤフラム18と外筒14
との間は空気室20とされて必要に応じて外部と連通さ
れる。
【0020】外筒14内には中間ブロック22及び隔壁
部材である制限通路形成部材24が挿入されている。制
限通路構成部材24は外筒14の軸方向から見て略半円
形のブロック形状とされており、外周面が薄肉ゴム層1
6の内周面へ密着している。
【0021】一方、中間ブロック22の軸方向両端部に
一対のフランジ部22Aがそれぞれ形成されており、フ
ランジ部22Aの間に制限通路構成部材24が配設され
ている。また、中間ブロック22は、外周面が薄肉ゴム
層16へ密着している。
【0022】この中間ブロック22には、軸方向に貫通
する大径貫通孔22Bが形成されており、この大径貫通
孔22Bの内側に第2の取付部材となる内筒12が中間
ブロック22とほぼ平行に配設されている。また、中間
ブロック22の一対のフランジ部22A間は、小径に形
成されており、小径部分の下側に切欠22Cが形成され
ている。
【0023】内筒12と中間ブロック22との間には弾
性体としての本体ゴム26が掛け渡されており、本体ゴ
ム26の一部は、フランジ部22Aの間の小径部分の外
周にも薄肉状に延設されている。
【0024】図1に示すように、本体ゴム26には、制
限通路構成部材24側に凹部26Aが形成されており、
この凹部26Aは、制限通路構成部材24との間に受圧
液室28を形成している。
【0025】一方、中間ブロック22と外筒14との間
には、フランジ部22A、中間ブロック22の小径部
分、薄肉ゴム層16、ダイヤフラム18及び制限通路構
成部材24の端部によって囲まれて副液室30が形成さ
れている。
【0026】これら受圧液室28、副液室30には、
水、オイル等の液体が充填されている。
【0027】図1、図5及び図6に示すように、制限通
路構成部材24の外周面には、U字状の細溝32が形成
されている。細溝32は外筒14によって囲まれてシェ
イク用オリフィス34の一部を構成している。この細溝
32の一端部は副液室30と連通しており、他端部が、
制限通路構成部材24を上下(矢印B方向及び矢印B方
向とは反対方向)に貫通してシェイク用オリフィス34
の他の一部を構成する貫通孔36を介して、受圧液室2
8と連通している。
【0028】制限通路構成部材24の軸方向中央部であ
って平面部24A側の中央部には、段付き形状となって
いる円柱穴38が形成されている。さらに、制限通路構
成部材24には、矢印A方向側の外周から内筒12の軸
線方向(矢印C方向)と直交する方向に延びる穴40が
形成されており、この穴40の先端部は円柱穴38の外
周壁に開口している。
【0029】制限通路構成部材24の矢印A方向の外周
には、細溝32の直線部分に隣合って周方向に延びる幅
広溝44が形成されている。図1に示すように、幅広溝
44の一端は制限通路構成部材24の端部に開口して副
液室30と連結され、他端が穴40に連結している。幅
広溝44は外筒14によって囲まれて、穴40、円柱穴
38と共にアイドルオリフィス48を形成している。な
お、アイドルオリフィス48の通路断面積は、シェイク
用オリフィス34の通路断面積よりも小さくされてお
り、アイドルオリフィス48の長手寸法は、シェイク用
オリフィス34の長手寸法よりも短くされている。
【0030】図1及び図6に示すように、制限通路構成
部材24には、円柱穴38の底部から制限通路構成部材
24の外周へ貫通する貫通孔50が円柱穴38と同軸的
に形成されており、この貫通孔50に弁棒52が軸方向
に移動可能に挿入されている。なお、貫通孔50の中間
部分には、液漏れを防ぐシール部材としてのOリング5
8を備えたOリング溝(図示省略)が設けられている。
【0031】弁棒52の受圧液室28側の一端部には、
円柱穴38の大径部39内に配設される開閉弁である弁
体54が取り付けられている。弁体54は、円盤状形状
であり、外径が大径部39の内径よりも所定寸法小さく
形成されている。
【0032】大径部39の底部39Aには、Oリング溝
(図示省略)が形成されており、このOリング溝にシー
ル用弾性体としてのOリング66が固着されている。な
お、このOリング66は上部が底部39Aよりも突出し
ており、弁体54が密着できるようになっている。
【0033】なお、円柱穴38の開口部分には、環状の
凹部38Aが形成されている。この凹部38Aには、孔
68の形成されたストッパーとしての蓋板70が固定さ
れており、制限通路構成部材24の平面部24Aと蓋板
70の上面とはほぼ同一面となっている。なお、この孔
68の内径は、弁体54の外径よりも所定寸法小さく設
定されている。
【0034】また、弁棒52の中間部は、薄肉ゴム層1
6、外筒14、ブラケット15を貫通している。弁棒5
2の他端部は、図1及び図2に示すようにブラケット1
5の外方に突出しており、2枚の挟持板56がこの他端
部に固着されている。この2枚の挟持板56の間には、
円形の弾性膜62の中央部分が挟持されており、弾性膜
62の周縁部は、軸方向に2分割されて形成されるケー
シング74の中間部分で挟持固定されている。
【0035】つまり、2枚の挟持板56及び弾性膜62
等でケーシング74内の空間を移動可能に区画する仕切
り部材が構成される。
【0036】円筒部74Aの一方にはフランジ74Cが
形成されており、このフランジ74Cがブラケット15
の外周に密着して取付けられている。また、円筒部74
Aの他方が底板74Bによって閉塞されている。前記弾
性膜62は円筒部74A内部を軸方向に独立した2室に
区画しており、外筒14側が第1の空気室78、底部7
4B側が第2の空気室76とされている。
【0037】なお、第1の空気室78は、ケーシング7
4の空気孔80を介して常に外気と連通している。
【0038】一方、第2の空気室76側には、図1及び
図2に示すように、3ポート2位置切換弁を構成する切
換弁84が設置されている。この切換弁84内には、外
側にコイル85が巻かれた通路切替え室86が中央に形
成されていて、通路切替え室86の下部をケーシング7
4に嵌合して取り付けられた接続部材75がOリング7
5Aを介して、封止している。そして、この通路切替え
室86内に上端部が半球状になって閉鎖された筒状のプ
ランジャ87が配置されている。このプランジャ87内
には、コイルスプリング88が装着されていて、コイル
スプリング88が常時プランジャ87を上部側に付勢し
ている。
【0039】また、通路切替え室86のプランジャ87
が配置された位置の直下には、負圧流路であるポート8
4Aの一端が開口されており、図示しないエンジンのイ
ンテークマニホールド98と連通する接続パイプ82が
このポート84Aに接続されている。さらに、通路切替
え室86のプランジャ87が配置された位置の直上に
は、外気と連通する大気圧流路であるポート84Bの一
端が開口されている。そして、このポート84Bに隣合
って第2の空気室76内と連通するポート84Cの一端
が開口されている。
【0040】従って、切換弁84はいわゆる電磁弁とな
っており、車両の運転状況を判断する制御装置90によ
って切り換えが制御される。なお、制御装置90には車
両の運転状況を判断するセンサとして、少なくともエン
ジン回転センサ92と車速検出センサ94とが接続され
ている。
【0041】さらに、第2の空気室76内には、弾性支
持部材としてのコイルスプリング96が弁棒52と同軸
的に配設されている。コイルスプリング96は、挟持板
56を底板74B側から離間する方向に付勢するように
なっている。
【0042】以上より、制御装置90により、コイル8
5への通電及び通電の停止が制御されてポート84A及
びポート84Bが切り換えられ、弁体54がアイドルオ
リフィス48を開閉することになる。
【0043】つまり、コイル85へ通電されている状態
では、コイルスプリング88による付勢力に抗してプラ
ンジャ87が下がってポート84Aが閉じられ、インテ
ークマニホールド98による負圧が遮断されることにな
る。これにより、第2の空気室76内は、ポート84B
及びポート84Cを介して大気側に連通されて大気圧と
なるため、コイルスプリング96が挟持板56を押し上
げることになる。この結果、図1及び図2に示すよう
に、弁体54がOリング66と蓋板70との中間に位置
してアイドルオリフィス48が受圧液室28と副液室3
0とを連通することができる。
【0044】また、コイル85への通電が停止されてい
る状態では、コイルスプリング88による付勢力により
プランジャ87が上がってポート84Bが閉じられ、大
気側との連通が遮断されることになる。これにより、第
2の空気室76は、ポート84A及びポート84Cを介
してインテークマニホールド98と連通し、第2の空気
室76内は、インテークマニホールド98によって負圧
とされる。このため、図3及び図4に示すように、コイ
ルスプリング96による付勢力に抗して弾性膜62及び
挟持板56が底板74B側に移動し、コイルスプリング
96を圧縮する。これに伴って、弁体54がOリング6
6に密着してアイドルオリフィス48が閉止される。
【0045】次に、本実施例の作用を説明する。図示し
ない車両のエンジンを始動すると、インテークマニホー
ルド98内が負圧となる。
【0046】車両が、例えば70〜80Km/h以上の速度
で走行すると、シェイク振動が生じる。制御装置90が
振動はシェイク振動であると判断すると、切換弁84を
切り換えて第2の空気室76内を負圧にする。これによ
って、図3及び図4に示すように、弁体54がOリング
66に当接して、アイドルオリフィス48が閉止され、
シェイク用オリフィス34内を液体が行き来して通過抵
抗を受け、または液柱共振することによってシェイク振
動が吸収される。
【0047】この場合、底部39Aに設けられたOリン
グ66に弁体54が密着するためアイドルオリフィス4
8が確実に閉止される。即ち、エンジン振動及びエンジ
ンの大きな揺れ(悪路走行、急旋回等)によって受圧液
室28内の圧力が正方向に非常に大きくなる場合がある
が、この場合、圧力が正に大きくなる程Oリング66は
強く押圧されるので、シール性は増す。なお、これとは
逆に受圧液室28内の圧力が低くなる場合、圧力の実際
値として、零(真空)以下の圧力値は有り得ないので、
弁体54が受ける圧力差は、最大でも1気圧程度しかな
いのでシール性は良好に保たれる。
【0048】また、制限通路構成部材24には弁棒52
との間にOリング58が設けられているので、内部の液
体が貫通孔50から外部へ漏れることがない。したがっ
て、本実施例の防振装置10では、低周波の振動吸収時
にアイドルオリフィス48へ液体が流れて、シェイク用
オリフィス34内の液体流量が減少して特性が劣化する
不具合が起こらない。
【0049】さらに、内外筒の相対変位が過大となった
場合、受圧液室28の隔壁を構成する本体ゴム26が大
きく弁体54に接近する方向へ変形することがあるが、
蓋板70が弁体54との接触を阻止するため、弁体54
による本体ゴム26の損傷が防止される。
【0050】一方、振動の周波数が高い場合には(例え
ば、アイドル振動やこもり音の原因となる高周波振
動)、シェイク用オリフィス34が目詰まり状態とな
る。このときには、制御装置90は切換弁84を切り換
えて第2の空気室76内を大気と連通させる。
【0051】これによって、第2の空気室76内が大気
圧と同圧となり、図1及び図2に示すように、挟持板5
6がコイルスプリング96に押圧されて弁体54がOリ
ング66から離間して、液体がアイドルオリフィス48
を行き来することができる。これによって、アイドルオ
リフィス48内で液体が液柱共振して防振装置10の動
ばね定数が低減され、高周波数の振動が吸収される。
【0052】さらに、弾性膜62により仕切りられたケ
ーシング74内の第2の空気室76内に繋がる流路を、
ケーシング74内に設置された切替弁84がポート84
Aとポート84Bとの間で切り替えて、弾性膜62をケ
ーシング74内で移動させる結果として、以下のように
作用する。
【0053】つまり、本実施例によれば、アクチュエー
タの外枠を構成することになるケーシング74内に切替
弁84が設置されたので、アクチュエータと切替弁84
との間を結ぶホースが不要となると共に、切替弁84を
エンジンルーム内に取り付ける必要が無くなるだけでな
く、ケーシング74が切替弁84の外枠を構成すること
になるために切替弁84の樹脂製の外枠が不要となっ
て、防振装置10の製造コストの低減が図れる。
【0054】また、これに伴って、エンジンルーム内に
切替弁84を取り付ける空間を確保する必要がなくな
り、エンジンのコンパクト化が図れることとなった。
【0055】さらには、アクチュエータと切替弁84と
の間を結ぶホースが不要となるのに伴って、ホース内の
抵抗によるエアの損失やアクチュエータの応答時間の遅
れも低減することができる。
【0056】尚、前記実施例では、第1の空気室78を
常に大気に連通し、第2の空気室76をインテークマニ
ホールド側に選択的に連結できるように構成したが、こ
れとは逆に、第2の空気室76を大気に常に連通し、第
1の空気室78をインテークマニホールド側に選択的に
連結できるように構成してもよい。この場合には、コイ
ルスプリング96を挟持板56の外筒14側に設けて弁
体54をOリング66に押圧するように構成し、アイド
ル振動時に第1の空気室78を負圧として弁体54をO
リング66から離間させ、シェイク振動時には第1の空
気室78を大気圧としてコイルスプリング96によって
弁体54をOリング66に押圧すればよい。
【0057】次に、本発明の第2実施例を図7及び図8
にしたがって説明する。尚、第1実施例で説明した部材
と同一の部材には同一符号を付し、重複した説明を省略
する。
【0058】本実施例を表す図7に示すように、この防
振装置100の下部側を形成する第1の取付部材である
底板110の下部には、振動受部である車体(図示せ
ず)にこの防振装置100を図示しないナットの螺合に
より連結して固着する為のボルト112が突出してい
る。そして、この底板110の周囲は立壁110Aとな
っており、その上端部には支持筒114が取付けられて
いる。この支持筒114は円板状のフランジ部114A
の外周端部が立壁110Aとかしめ固着されており、こ
のフランジ部114Aの内周部から直角に筒部114B
が立設されている。
【0059】筒部114Bの内周面には、略円盤形状を
したゴム製の弾性体116の外周面が加硫接着されてお
り、この弾性体116の上面は第2の取付部材となる円
盤状の頂板118に加硫設接着されている。従って、弾
性体116は頂板118と底板110との間に介在され
て取り付けられることとなる。さらに、この頂板118
の中央部から突出されるボルト120は振動発生部であ
るエンジンへの連結用として用いられることとなり、図
示しないナットの螺合によりエンジンが固定される。
【0060】他方、立壁110Aと共にフランジ部11
4Aへかしめ固着されるダイヤフラム22と、支持筒1
14、弾性体116との間には、これらの部材の内壁面
で形成された液室126、128が設けられていて、例
えば水、オイル等の液体が封入されている。そして、こ
れら液室126、128内には隔壁部材130が配置さ
れていて、液室を受圧液室126と副液室128とに二
分して区画している。
【0061】また、図7及び図8に示すように、この隔
壁部材130の外周端部には、外周端部に沿いほぼ一周
にわたって通路132が形成されている。この通路13
2の一端部には、受圧液室126と通路132内とを連
通する穴部134が形成され、他端部には、副液室12
8と通路132内とを連通する穴部136が形成されて
いる。従って、この通路132及び穴部134、136
により受圧液室126と副液室128との間を連通する
シェイクオリフィス138が構成されることとなる。
【0062】一方、隔壁部材130の内部には、隔壁部
材130の径方向をその軸方向とする弁体設置部である
円孔150が形成されており、この円孔150内に、弁
棒52を介して2枚の挟持板56と連結された開閉弁で
あるピストンバルブ152が、設置されている。
【0063】さらに、隔壁部材130内には、隔壁部材
130の副液室128に対応する面で開口すると共に上
方向へ向けて延びる通路140が設けられており、ま
た、隔壁部材130の径方向に延びる通路142が形成
されている。この通路142の図7上、左端側は、通路
140の上端部に連結されており、通路142の右端側
は、円孔150にその軸方向から連結されている。そし
て、隔壁部材130には、円孔150の半径方向へ向け
て形成されて受圧液室126に繋がる通路144が設け
られている。
【0064】従って、通路140、通路142及び通路
144により受圧液室126と副液室128との間を連
通する制限通路であるアイドルオリフィス148が構成
されることになる。
【0065】他方、この円孔150より内径が大きく形
成されると共に円孔150と隔壁部材130の外周面と
の間を繋ぐ孔状の係合凹部162が、円孔150の軸線
と同軸上に形成されており、この係合凹部162に対応
して支持筒114にも貫通孔114Cが形成されてい
る。そして、これら係合凹部162及び貫通孔114C
には、ケーシング74のボス部74Dが嵌合されてい
る。
【0066】以上より、ピストンバルブ152の円筒周
面が通路144を閉鎖する図7の実線の位置(アイドル
オリフィス148の非連通状態)と、ピストンバルブ1
52の円筒周面が通路144を閉鎖しない二点鎖線の位
置(アイドルオリフィス148の連通状態)との間でピ
ストンバルブ152が移動し得るようになり、第1実施
例と同様の作用を奏することになる。
【0067】なお、本実施例では、主としてシェイク振
動とアイドル振動を効果的に吸収するようにオリフィス
がチューニングされているが、各オリフィスのチューニ
ングはこれらに限らず、例えばアイドル振動とこもり音
の原因となる高周波振動とを吸収するように各オリフィ
スをチューニングしてもよいのは勿論である。
【0068】また、実施例において、車体に第1の取付
部材となる外筒14、底板110側を連結し、エンジン
に第2の取付部材となる内筒12、頂板118側を連結
するような構成としたがこの逆の構成としてもよい。
【0069】他方、実施例において、車両に搭載される
エンジンの防振を目的としたが、本発明の防振装置は例
えば車両のボディマウント等、あるいは車両以外の他の
用途にも用いられることはいうまでもなく、また、弾性
体等の形状、寸法及びオリフィスの数なども実施例のも
のに限定されるものではない。
【0070】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の防振装置は上
記構成としたので、製造コストの低減が図られると共に
エンジンのコンパクト化が図られるという優れた効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る防振装置の軸線に直
角な断面図であって、アイドル振動時を表す図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る防振装置の軸線に直
角な断面図であって、シェイク振動時を表す図である。
【図4】図3の要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る防振装置の分解斜視
図である。
【図6】本発明の第1実施例に係る防振装置に採用され
る制限通路構成部材の一部を断面にした斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る防振装置の軸線に直
角な断面図である。
【図8】本発明の第2実施例に係る防振装置に採用され
る隔壁部材の斜視図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 内筒(第2の取付部材) 14 外筒(第1の取付部材) 24 制限通路構成部材(隔壁部材) 26 本体ゴム(弾性体) 28 受圧液室 30 副液室 54 弁体(開閉弁) 56 挟持板(仕切り部材) 62 弾性膜(仕切り部材) 74 ケーシング 84 切換弁 100 防振装置 110 底板(第1の取付部材) 116 弾性体 118 頂板(第2の取付部材) 126 受圧液室 128 副液室 130 隔壁部材 152 ピストンバルブ(開閉弁)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方へ連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付
    部材と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設け
    られ振動発生時に変形する弾性体と、 前記弾性体を少なくとも隔壁の一部として形成され且つ
    液体が充填された液室と、 前記液室を区画すると共に区画された複数の液室間をそ
    れぞれ連通する複数の制限通路を有した隔壁部材と、 前記複数の制限通路の少なくとも一つを開閉する開閉弁
    と、 前記いずれかの取付部材に取り付けられ且つ内部に空間
    を有するケーシングと、 前記開閉弁の一端が連結され且つ前記ケーシング内の空
    間を移動可能に区画する仕切り部材と、 前記ケーシング内に設置され且つ前記仕切り部材により
    仕切りられた前記ケーシング内の空間のいずれか一方の
    内部に繋がる流路を負圧流路と大気圧流路との間で切り
    替えて前記仕切り部材を前記ケーシング内で移動させる
    切替弁と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
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