JPH07196209A - 記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録媒体の給紙および幅方向規制を、簡易か
つ高精度に行うことができる記録装置を提供すること。 【構成】 記録シート２０の幅方向中央を給紙方向に直
交する方向の位置基準として該記録シート２０の給紙を
行う吸着給紙方式の給紙手段１４と、この給紙手段１４
により給紙された記録シート２０の幅方向の側端面の一
方が当接される幅方向固定規制板３４と、この幅方向固
定規制板３４に向けて前記記録シート２０を押し込む幅
方向移動規制板２２とを有するレーザープリンタであ
る。また、前記幅方向固定規制板３４は、装置本体１１
内の該装置の操作者に近接する正面側に、蝶番３５から
正面側に回動させて搬送部１５を全面開放できるように
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体を画像形成部
に給送して画像を記録する記録装置に係り、特に複数種
類のサイズの記録媒体の幅方向規制の改良を図ったもの
に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、記録装置としてのレーザープリ
ンタにあっては、記録媒体としての記録シートの所定位
置に精度良く画像を形成するために、該記録シートの幅
方向の位置規制が行われている。

【０００３】従来のレーザープリンタを使用して、収納
容器としてのマガジンから記録シートを給紙する場合、
例えばマガジン上方の幅方向に沿って並設された２つの
吸盤により１枚ずつ吸着して行われるが、前記２つの吸
盤は、該記録シートの幅方向中央を基準としてその記録
シートのサイズに応じて幅方向左右対称に移動可能とな
っている。また、記録シートの幅規制板においても同様
に、対向して２つ設けられ、該記録シートの幅方向中央
を基準として幅方向左右対称に移動できるように構成さ
れている。

【０００４】この従来のレーザープリンタにより作像す
る場合、記録シートが収納されたマガジンを装置本体内
の給紙部にセットすると、その記録シートの情報を該マ
ガジンに付された情報コード等から自動的に読み取り、
前記吸盤および幅規制板は、該記録シート幅に応じた所
定の位置へ移動する。あるいは、オペレータが該記録シ
ートの情報を入力することによりこれらの動作を行わせ
る。

【０００５】次いで、前記吸盤によりマガジン内の記録
シートが１枚吸着され、接離可能に設けられた搬送用ロ
ーラ対まで運ばれた後、この搬送用ローラ対により圧接
されて搬送される。そして、画像形成部に向けての搬送
部に、前記記録シートの長手方向長さの半分以上が送り
込まれると、前記搬送用ローラ対が解放状態とされる。
ここで、前記対向する２つの幅規制板が調整移動され、
記録シートの幅方向中央と装置の作像中心を合致させる
とともに、画像形成部の副走査ドラムの軸心に対し搬送
方向が直交するように修正するようになっている。

【０００６】次に、記録シートは、搬送用ローラ対によ
り画像形成部に送り込まれ、レーザー光学系により主走
査されつつ副走査ドラム軸の回転により副走査されて所
定の作像が行われる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、この
従来のレーザープリンタにあっては、使用される記録シ
ートのサイズに応じて、吸盤および幅規制板が幅方向左
右対称に移動するものであった。したがって、可動部が
両側２ケ所必要となり、組立工数、部品点数および占有
スペースの増加を招き、コスト的にも高いものとなる。

【０００８】また、記録シートを１枚ずつ給紙する場合
に、複数種類の記録シートをその先端で分離して捌く方
式では、この記録シートの幅方向中央を基準として給紙
することにすれば、記録シートを吸着する吸盤を幅方向
に移動させる必要は必ずしもないものと言える（実公平
１−２３１３５号公報参照）。

【０００９】さらに、両側の幅規制板を記録シートの幅
方向中央で振り分けられるように移動させながら、該記
録シートを装置の作像中心に合致するように保証しなけ
ればならない。このように幅規制板を動かして、なおか
つ記録シートの幅方向中央基準を正確に保証するように
構成することはきわめて困難である。

【００１０】そこで、従来のような記録シートの幅方向
中央を基準として両側の幅規制板等を双方左右対称に移
動させる複雑な方式に対し、もっと簡便な方式として、
幅規制板の片側を固定してこれを基準面とし、移動部材
を極力排除する方式が案出された。

【００１１】しかしながら、記録シートを片側に寄せて
給紙する場合にあっては、確かに幅方向の規制について
の問題はきわめて効果的に解消されるが、幅方向に固定
して設けられた吸盤では、記録シートのサイズが変わる
とその度に吸着する位置が記録シートの中央からずれる
こととなり安定した給紙および記録シートの分離が期待
できない。このため、記録シートのサイズに応じて、こ
の記録シートを吸着する吸盤を幅方向に移動せざるを得
ないという問題が生じた。

【００１２】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、記録媒体
の給紙および幅方向規制を、簡易かつ高精度に行うこと
ができる記録装置を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、装置本体に装填された収納容器から、複数
種類のサイズの記録媒体を画像形成部に給送して画像を
記録する記録装置において、前記記録媒体の幅方向中央
を給紙方向に直交する方向の位置基準として該記録媒体
の給紙を行う給紙手段と、この給紙手段により給紙され
た記録媒体の幅方向側端面の一方が当接される幅方向規
制面と、この幅方向規制面に向けて前記記録媒体を移動
させる移動手段とを有することを特徴とする記録装置で
ある。

【００１４】また、前記給紙手段は、前記記録媒体を１
枚ずつ吸着して保持する吸盤を有し、前記幅方向規制面
は、装置本体内の該装置の操作者に近接する正面側に、
着脱あるいは移動自在に配設した。

【００１５】

【作用】このように構成した本発明にあっては、まず、
記録媒体が収納された収納容器が装置本体内の所定位置
に装填され、給紙手段の作動により収納容器から記録媒
体が該給紙手段の吸盤に吸着されて持ち上げられる。

【００１６】ここで、記録媒体の幅方向中央が装置側の
給紙基準位置となるように設定されているため、複数種
類のサイズの記録媒体に対して、前記給紙手段を幅方向
に固定して設けることが可能となり、これにより該記録
媒体を安定して吸着できるとともに、記録媒体の１枚ず
つの分離が確実に行われる。

【００１７】次いで、給紙された記録媒体は、移動手段
の作動により、幅方向規制面に向けて該記録媒体のサイ
ズに応じた所定の位置まで移動せられる。こうして、記
録媒体の幅方向の規制が行われる。この幅方向の規制
は、一方を固定して片側のみ移動させるものであるた
め、常に安定した基準面が確保され、きわめて精度の良
いものとなる。また、前記幅方向規制面は、装置本体内
の該装置の操作者に近接する正面側に、着脱あるいは移
動自在に配設したので、ジャムが生じた場合等にきわめ
て簡単に記録媒体の取り出しを行うことができる。

【００１８】このようにして幅方向の規制が行われた記
録媒体は、画像形成部に向けて搬送され、記録媒体の所
定位置に画像形成が行われる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１は、本発明の記録装置の一実施例に係るレ
ーザープリンタの全体構成を示す概略断面図、図２は、
図１に示されるプリンタの記録シートの幅方向規制を示
す説明図、図３（ａ）は、図１に示される搬送部および
幅規制部を示す概略斜視図、同（ｂ）は、Ｃ方向から見
た図である。

【００２０】本実施例のレーザープリンタ１０は、図１
に示したように、内部を暗箱状態に形成された装置本体
１１内に、主に電装ボックス１２、マガジン１３、給紙
手段１４、搬送部１５、画像形成部１８及びレシーブマ
ガジン１９がそれぞれ図示のように配設されている。

【００２１】マガジン１３は、電装ボックス１２の直上
に交換自在に装填され、未露光の記録媒体としての感光
性の記録シート２０を積層して収納したもので、上面を
遮光性のカバー部材としてのマガジンカバーで必要に応
じて自動的に開口部を開放したり遮蔽したりするように
構成されている。

【００２２】前記マガジン１３内には、図２（ａ）に示
したように、たとえば、８″（インチ）×１０″、１
４″×１７″、あるいは１２″×１８″等の多種類のサ
イズの記録シート（２０ａ，２０ｂ，２０ｃ）が収納さ
れる。ここで、装置本体１１内の所定の給紙部に前記マ
ガジン１３が装填されると、記録シート２０（２０ａ，
２０ｂ，２０ｃの総称）の幅方向中央が装置側の給紙基
準位置となるように設定されている。

【００２３】マガジン１３の上方には、この中に収納さ
れた感光性の記録シート２０を１枚ずつ給送するための
バキューム方式のフィルム給紙手段１４が設けられてい
る。この給紙手段１４は、吸盤２１を有する吸盤保持ユ
ニットがアーム２７の先端に取り付けられ、このアーム
２７が揺動して吸盤２１により最上部の記録シート２０
を吸着し、搬送部１５の入口部に接離可能に配置された
搬送用ローラ対２３の間に送り込むように構成されてい
る。また、前記吸盤２１は、図２（ａ）に示したよう
に、前記マガジン１３内に収納される記録シートのうち
最小幅の記録シートを吸着できる位置に２ケ所幅方向に
沿って並設される。

【００２４】前記搬送用ローラ対２３は、駆動ローラで
ある下ローラ２３ｂと従動ローラである上ローラ２３ａ
とから構成され、上ローラ２３ａは下ローラ２３ｂに対
して接離可能に揺動し、その解放状態において給紙手段
１４でピックアップされた１枚の記録シート２０の先端
が挿入され、次いで圧接状態においてくわえ込んだ記録
シート２０を搬送部１５に送るようになっている。

【００２５】この搬送部１５は、図３（ａ）に示したよ
うに、記録シート２０を案内する上搬送ガイド３２と下
搬送ガイド３３とから構成されており、この上搬送ガイ
ド３２の側端部には、図示のように、切欠部３２ａが形
成される。一方、下搬送ガイド３３のプリンタ操作者に
近接する正面側には、図示のように、蝶番３５を介し
て、幅方向規制面としての幅方向固定規制板３４が回動
自在に取り付けられている。したがって、前記幅方向固
定規制板３４を、図３（ｂ）に示したように、蝶番３５
を中心に矢印方向に回動させることにより搬送部１５が
開放され、例えば搬送部１５でジャムが生じたとして
も、従来のように幅方向規制板が邪魔になり記録シート
を取り出しにくいという事態は解消される。

【００２６】本実施例の場合は、特に、図示のように、
幅方向規制面としての幅方向固定規制板３４の全面が正
面側に開放できる構成となっており、記録シートの取り
出しは、きわめて簡単である。また、蝶番３５に戻りス
プリングを設けることにより、取り出した後、自動的に
幅方向固定規制板３４が閉じられ、閉め忘れを防止する
ことも可能である。

【００２７】図４は、幅方向固定規制板の他の実施例を
主に示す概略斜視図である。図示のように、幅方向固定
規制板３６は、下搬送ガイド３３の終端の一点３７を支
点として、搬送用ローラ対２３側から矢印方向に開くよ
うに構成されており、上記実施例と同様な効果を得るこ
とができる。また、幅方向固定規制板を着脱自在に構成
してもよい。

【００２８】図３に示したように、前記切欠部３２ａの
位置には、移動手段としての幅方向移動規制板２２が配
設され、この幅方向移動規制板２２と前記幅方向固定規
制板３４とから幅規制部が構成される。前記幅方向移動
規制板２２は、図示しない駆動手段により、前記幅方向
固定規制板３４に向けて、搬送部１５に送り込まれた記
録シート２０の側端部を押しながら記録シート２０のサ
イズの情報に応じた所定の位置まで移動できるように構
成されている。また、幅方向の規制がなされた記録シー
ト２０は、図示しない接離可能な搬送用ローラ対により
画像形成部１８に向けて搬送される。

【００２９】図５（ａ）（ｂ）は、前記幅方向移動規制
板２２にセンサ３１を取り付けた場合の記録シートの幅
方向規制を示す説明図である。このようにすれば、幅方
向移動規制板２２を図５（ａ）の矢印方向に移動させる
と、センサ３１のレバー３１ａにより記録シートの幅寸
法が検知できるため（図５（ｂ）参照）、必ずしも事前
に記録シートの幅サイズを入力する必要はなくなる。

【００３０】なお、図２（ｂ）に示したように、記録シ
ート２０が搬送用ローラ対２３により圧接されて搬送さ
れ、搬送部１５に前記記録シート２０が所定長さだけ送
り込まれた時点で、前記搬送用ローラ対２３を解放状態
とした後、搬送用ローラ対２３に近接して設けられた幅
方向移動規制板２２を矢印方向に作動させて幅方向の規
制を行うように構成してもよい。

【００３１】画像形成部１８は、図１に示したように、
弾性部材で被覆された回転自在な上側のニップローラ２
４，２４と図中Ｂ方向に回転駆動される副走査ドラム２
５とからなる。前記記録シート２０は、図２（ｃ）に示
したように、副走査ドラム２５上をニップローラ２４，
２４により圧接されながら移動し、このときレーザー光
学系１６から副走査ドラム２５の軸方向に主走査される
レーザービームＬにより画像露光される。

【００３２】画像露光された記録シート２０は、レシー
ブマガジン１９内に排出される（図２（ｄ）参照）。そ
して、レシーブマガジン１９内に収容された露光後の記
録シート２０は、レシーブマガジン１９を遮光状態とし
てレシーブマガジン１９ごとレーザープリンタ１０外へ
取り出され、その後現像処理されることとなる。なお、
レシーブマガジン１９の位置に現像装置を内蔵させてお
き、露光後のフィルム２０を逐次現像してレーザープリ
ンタ１０外へと排出するようにしてもよい。

【００３３】また、前記電装ボックス１２内にはコント
ローラが内蔵されており、装置本体１１内の各部の統括
制御を行うようになっている。

【００３４】次に、本実施例の作用を説明する。まず、
マガジン１３が装置本体１１内の所定の給紙部に装填さ
れると、このマガジン１３内に収納された記録シート２
０のサイズ等がマガジン１３から情報として自動的に読
み込まれ、マガジン１３の上面を覆うマガジンカバーが
所定位置まで巻き取られて上面の開口部が開放される。

【００３５】ここで、記録シート２０の幅方向中央が装
置側の給紙基準位置となるように設定されているため、
どのようなサイズの記録シートであっても、給紙手段１
４の幅方向に固定して設けられた２つの吸盤２１，２１
により最上部の記録シート２０が安定して吸着され、記
録シートの１枚ずつの分離が確実に行われる。次いで、
記録シートは、搬送部１５の入口部に接離可能に配置さ
れた搬送用ローラ対２３の間に送り込まれる。

【００３６】次に、前記記録シート２０は、搬送用ロー
ラ対２３により圧接状態とされて搬送部１５に送り込ま
れる。図３（ａ）に示したように、搬送部１５に送り込
まれた記録シート２０は、幅方向移動規制板２２の作動
により、前記幅方向固定規制板３４に向けて記録シート
２０のサイズの情報に応じた所定の位置まで押し込まれ
る。こうして、記録シート２０の幅方向の規制が行われ
る。

【００３７】ここで、幅方向移動規制板２２のみ動き、
記録シートの幅方向の基準となる幅方向固定規制板３４
は固定されているため、常に安定した基準が確保される
ことになる。また、前記幅方向固定規制板３４を蝶番３
５から正面側に回動させて搬送部１５を開放できるの
で、記録シートの取り出し等が簡単にできる。

【００３８】このようにして幅方向の規制が行われた記
録シート２０は、図示しない接離可能な搬送用ローラ対
により画像形成部１８に向けて搬送される。

【００３９】画像形成部１８に送られた記録シート２０
は、副走査ドラム２５上を移動しつつ、レーザー光学系
１６から副走査ドラム２５の軸方向に主走査されるレー
ザービームＬにより画像露光される。次いで、画像露光
された記録シート２０は、レシーブマガジン１９内に排
出され、露光後の記録シート２０は、遮光状態としてレ
シーブマガジン１９ごとレーザープリンタ１０外へ取り
出されて、その後現像処理される。

【００４０】このように、本実施例のレーザープリンタ
１０は、記録シート２０の幅方向中央を給紙方向に直交
する方向の位置基準として該記録シート２０の給紙を行
う給紙手段１４を有するので、複数種類のサイズの記録
シートに対して、幅方向に固定して設けられた吸盤２
１，２１により該記録シート２０を安定して吸着できる
とともに、記録シートの１枚ずつの分離を確実に行うこ
とができる。

【００４１】また、この給紙手段１４により給紙された
記録シート２０の幅方向の側端面の一方が当接される幅
方向固定規制板３４と、この幅方向固定規制板３４に向
けて前記記録シート２０を押し込む幅方向移動規制板２
２とを有するので、常に安定した基準面が確保され、き
わめて精度の良い幅方向の規制が可能となる。

【００４２】しかも、幅規制板の片側のみ移動させる簡
易な構成であって、従来のような記録シートの幅方向中
央を基準として両側の幅規制板等を双方左右対称に同時
に移動させる複雑なものではないため、組み立ても容易
なばかりか作動のシーケンスも単純化でき、部品点数や
占有スペースも削減される。また、コスト低減も図られ
る。

【００４３】さらに、前記幅方向固定規制板３４は、装
置本体１１内の該装置の操作者に近接する正面側に、蝶
番３５から正面側に回動させて搬送部１５を全面開放で
きるように構成したので、ジャムが生じた場合等にきわ
めて簡単に記録シートの取り出しを行うことができる。
したがって、従来のように機構部全体を退避させて取り
出すような手間が必要なくなる。

【００４４】図６は、本発明の記録装置の他の実施例に
係るレーザープリンタの全体構成を示す概略断面図、図
７は、図６に示される主に給紙手段を示す概略構成図、
図８は、図６に示されるプリンタの給紙動作の説明図で
あり、図１に示した部材と共通する部材には同一の符号
を付して、その説明は一部省略する。

【００４５】上述した実施例では、図１に示すように、
給紙手段１４、搬送部１５、画像形成部１８は、すべて
水平に一列に構成され、記録シート２０は、図中Ａで示
すほぼ一定方向に搬送されて画像形成される。

【００４６】しかしながら、近年、装置のコンパクト
化、設置床面積の縮小化の要請が高まり、ダウンサイジ
ング化が始まってきている。そのため、図６に示したレ
ーザープリンタは、装置本体内の各機能部分を分離して
積み上げ、一層のコンパクト化が図られている。また、
この実施例では、熱現像部３９が内蔵されている。この
ように、各機能部分が集約された装置においては、内部
構成を簡素化するとともに、メンテナンス作業がし易い
ことが特に要求され、本発明の適用により該要求の達成
がきわめて容易となる。

【００４７】したがって、この実施例でも、上述した実
施例と同様に、幅方向に固定して設けられた吸盤２１を
有する給紙手段３８により、記録シート２０の幅方向中
央を基準として給紙が行われるようになっている。ま
た、搬送部４０の位置に、図示しない幅規制部が設けら
れ、片側固定による幅規制が行われるように構成されて
いる。さらに、図示省略するが、前記幅規制部の幅方向
固定規制板を正面側に配置するとともに着脱あるいは移
動自在に構成し、搬送部４０を正面側に大きく開放でき
るようになっている。

【００４８】この実施例の給紙手段３８は、図７に示し
たように、吸盤２１により記録シート２０の吸着を行う
ピックアップ方式のものであり、カム４１およびリンク
４２の協働により吸盤２１が上下動等するようになって
いる。ここで、吸盤２１の移動の仮想支点４７は、図示
のように、記録シート２０の底部付近に記録シート２０
の長さの約１／３上流側に位置するように設定されてお
り、これを中心に移動するようにリンク４２は構成され
ている。

【００４９】また、接離可能な搬送用ローラ対４３がマ
ガジン１３の上方に設けられ、この搬送用ローラ対４３
は、固定用の送りローラ４３ｂと支軸４５ａを中心に揺
動される移動部材４５の先端部近傍に設けられた移動ロ
ーラ４３ａとから構成されている。さらに、前記移動部
材４５の先端には、記録シート２０の捌きを行うツメ部
４６が形成されている。

【００５０】この給紙手段３８により、記録シート２０
を給紙する場合にあっては、図８（ａ）に示したよう
に、記録シート２０の先端を吸着するようになってい
る。したがって、従来は記録シート２０の先端より中程
を吸着していたために最上部と次の記録シートの摩擦力
に抗する力が必要であったのに対し、本実施例では記録
シート２０の先端をピックアップするので持ち上げがき
わめて容易となる。このため、リンク４２を回動させる
ための図示しないモータの容量を下げることが可能とな
った。また、吸盤２１は、記録シート２０の底部付近に
設定された仮想支点４７を中心に回動せられるため、捌
かれた２枚目以後の記録シート２０は、つられ送り防止
用の部材を設けなくとも確実にマガジン１３内に入るこ
とになる。

【００５１】次に、図８（ｂ）に示したように、記録シ
ート２０を吸着した吸盤２１がリンク４２の回動により
移動せられ、記録シート２０は、送りローラ４３ｂに当
接される。これにより、通常、吸盤２１が送りローラ４
３ｂの図中右側後方に配置されるために記録シート２０
の先端を吸着することができず、そのために記録シート
２０の先端が垂れて該記録シートに方向性をもたせづら
かったことも解消される。また、吸盤２１は、記録シー
ト２０の長さの約１／３上流側に位置する仮想支点４７
を中心に回動せられるため、記録シート２０の給紙時の
屈曲率を高めることができる。したがって、フィルムの
ような剛性のある記録シートにおいては、それだけで十
分な捌き効果が得られる。

【００５２】さらに、移動部材４５の先端に形成された
ツメ部４６によっても、記録シート２０の捌きが行わ
れ、記録シート２０の１枚ごとの確実な分離ができるよ
うになっている。なお、前記ツメ部４６は、移動ローラ
４３ａの先端に設けるように構成してもよい。次いで、
図８（ｃ）に示したように、移動部材４５が回動され、
記録シート２０は、送りローラ４３ｂと移動ローラ４３
ａとに圧接された後、吸盤２１による吸着から解放され
る。そして、前記送りローラ４３ｂが回転駆動され、記
録シート２０は、矢印方向に搬送されることになる。ま
た、前記移動部材４５に、検出センサを設けることによ
り、記録シート２０を搬送する前に重ね送りを検知でき
るように構成することも可能となる。

【００５３】このように、図６に示した実施例によれ
ば、上述した実施例と同様の効果を奏することができる
ばかりか、非常にコンパクトな構成で、安定した確実な
給紙動作を行わせることが可能となる。

【００５４】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記実施例に開示された各要素は、本発明の技術的
範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨であ
る。

【００５５】たとえば、上述した実施例では、給紙手段
１４を吸盤２１を用いたものとしたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、たとえばローラ等の他の機構
を用いたものにも適用することができる。

【００５６】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、記録
媒体の幅方向中央を給紙方向に直交する方向の位置基準
として該記録媒体の給紙を行う給紙手段を有するので、
複数種類のサイズの記録媒体に対して、前記給紙手段を
幅方向に固定して設けることが可能となり、これにより
該記録媒体を安定して吸着できるとともに、記録媒体の
１枚ずつの分離を確実に行うことができる。

【００５７】また、この給紙手段により給紙された記録
媒体の幅方向側端面の一方が当接される幅方向規制面
と、この幅方向規制面に向けて前記記録媒体を移動させ
る移動手段とを有するので、常に安定した基準面が確保
され、きわめて精度の良い幅方向の規制が可能となる。

【００５８】しかも、幅規制板の片側のみ移動させる簡
易な構成であって、従来のような記録媒体の幅方向中央
を基準として両側の幅規制板等を双方左右対称に同時に
移動させる複雑なものではないため、組み立ても容易な
ばかりか作動のシーケンスも単純化でき、部品点数や占
有スペースも削減される。また、コスト低減も図られ
る。

【００５９】さらに、前記幅方向規制面は、装置本体内
の該装置の操作者に近接する正面側に、着脱あるいは移
動自在に配設したので、ジャムが生じた場合等にきわめ
て簡単に記録媒体の取り出しを行うことができる。した
がって、従来のように機構部全体を退避させて取り出す
ような手間が必要なくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の記録装置の一実施例に係るレーザー
プリンタの全体構成を示す概略断面図である。

【図２】 （ａ）〜（ｄ）は、図１に示されるプリンタ
の記録シートの幅方向規制を示す説明図である。

【図３】 （ａ）は、図１に示される搬送部および幅規
制部を示す概略斜視図、（ｂ）は、Ｃ方向から見た図で
ある。

【図４】 幅方向固定規制板の他の実施例を主に示す概
略斜視図である。

【図５】 （ａ）（ｂ）は、前記幅方向移動規制板２２
にセンサ３１を取り付けた場合の記録シートの幅方向規
制を示す説明図である。

【図６】 本発明の記録装置の他の実施例に係るレーザ
ープリンタの全体構成を示す概略断面図である。

【図７】 図６に示される主に給紙手段を示す概略構成
図である。

【図８】 （ａ）（ｂ）（ｃ）は、図６に示されるプリ
ンタの給紙動作の説明図である。

【符号の説明】

１０…レーザープリンタ（記録装置）、１１…装置本
体、１３…マガジン（収納容器）、 １４…給紙
手段、１８…画像形成部、 ２０…記
録シート（記録媒体）、２１…吸盤、
２２…幅方向移動規制板（移動手段）、３４…
幅方向固定規制板（幅方向規制面）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 直行 大阪市中央区安土町二丁目３番13号 大阪 国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (72)発明者 大石 辰郎 大阪市中央区安土町二丁目３番13号 大阪 国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (72)発明者 大本 昇 大阪市中央区安土町二丁目３番13号 大阪 国際ビル ミノルタカメラ株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体に装填された収納容器から、複
   数種類のサイズの記録媒体を画像形成部に給送して画像
   を記録する記録装置において、 前記記録媒体の幅方向中央を給紙方向に直交する方向の
   位置基準として該記録媒体の給紙を行う給紙手段と、 この給紙手段により給紙された記録媒体の幅方向側端面
   の一方が当接される幅方向規制面と、 この幅方向規制面に向けて前記記録媒体を移動させる移
   動手段とを有することを特徴とする記録装置。
2. 【請求項２】 前記給紙手段は、前記記録媒体を１枚ず
   つ吸着して保持する吸盤を有し、前記幅方向規制面は、
   装置本体内の該装置の操作者に近接する正面側に、着脱
   あるいは移動自在に配設したことを特徴とする請求項１
   記載の記録装置。