JPH07195708A - インクジェット装置およびインクジェットヘッドの回復処理方法 - Google Patents

インクジェット装置およびインクジェットヘッドの回復処理方法

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JPH07195708A
JPH07195708A JP5354498A JP35449893A JPH07195708A JP H07195708 A JPH07195708 A JP H07195708A JP 5354498 A JP5354498 A JP 5354498A JP 35449893 A JP35449893 A JP 35449893A JP H07195708 A JPH07195708 A JP H07195708A
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ink
ejection
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ejections
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JP5354498A
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Toshiji Inui
利治 乾
Isao Ebisawa
功 海老沢
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各色のインクが記録ヘッドの吐出口において
混色する不具合を簡単な構成で除去することのできるイ
ンクジェット装置およびインクジェットヘッドの回復処
理方法を提供すること。 【構成】 記録ヘッド1のインク吐出状態を良好に保つ
ための吐出回復処理に際して、ワイパーブレード8によ
って記録ヘッド1の吐出口をワイピングした後、記録ヘ
ッド1がキャップ部材7と対向してインクを吐出し、そ
のインクの吐出回数を吐出するインクの色に応じて変え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンタ、通
信機器、各情報機器に搭載または接続可能なインクジェ
ット装置およびインクジェットヘッドの回復処理方法に
関する。特に、本発明は、熱エネルギーを発生してイン
ク中に気泡を形成する発熱素子を備えた記録ヘッドによ
って、インク滴を吐出させて多色の画像を得るために用
いて好適なインクジェット装置およびインクジェットヘ
ッドの回復処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱エネルギーを用いて気泡を形成する基
本的な発明としては、米国特許第4740796号明細
書、西ドイツ公開公報第2843064号明細書に記載
されているように、発熱抵抗体を電気的パルス信号によ
って駆動するものや、光エネルギーを用いるものが有
り、その他、光コネクターを熱に変換する素子を備えた
ものが知られている。
【0003】インクジェット記録の分野では、ノズルの
目詰まり防止のために、いろいろな吐出回復動作が実行
されている。
【0004】その吐出回復動作としては、記録動作時以
外の時にインクを吐出口から排出せしめるいわゆる「予
備吐出」といわれる吐出回復動作が知られている。この
予備吐出によれば、記録動作中や待機中を含めて適切な
インクの排出を行い、ノズルの目詰まりや吐出口付近の
インク増粘に伴う吐出の不安定さを除去し、さらには記
録画像の濃度変動を防ぐことができる。
【0005】一方、極度の目詰まり状態にある記録ヘッ
ドの回復方法としては、「吸引回復」といわれるポンプ
を用いた吐出回復方法が実用化されている。この方法に
よれば、大方の目詰まりを除去できるほか、記録ヘッド
内部の泡の存在などによるインクの不吐出が生じた際に
も正常な状態に復帰させることができる。
【0006】また、記録ヘッドのインクの吐出口面を常
にインク滴などが付着しないきれいな状態に保持してお
くために、ブレード等による「ワイピング」といわれる
吐出回復動作も実施されている。この方法によれば、イ
ンクミストが吐出口面に付着して濡れた状態となって吐
出するインク滴の吐出方向がずれたりすることを防止し
たり、前述の吸引回復を行った後の吐出口面のインク付
着を取り除くことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
吐出回復動作を多色記録方法、つまり多色インクによる
記録方法において行なった場合には、異なるインクの混
色によって所望の画像を得ることができない場合があっ
たり、また、所望の色の画像を確実に得るために、イン
クの混色が生じないような複雑な装置構成が必要となっ
たり、あるいは回復動作で消費するインクが多くなって
ランニングコストの上昇を招くという問題があった。具
体的には、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ックのインクを吐出させる記録ヘッドが一体型である場
合、前述の「吸引回復」動作を行うとインクの混色を避
けることは実質的に困難となる。従って、このような場
合には、「予備吐出」を行うことで混色による不具合を
除去する必要があるが、予備吐出による吐出発数、つま
りインク滴の吐出数が多くなって無駄なインク量消費が
避けられなくなる。また、この場合には、予備吐出によ
る記録ヘッドの昇温も無視できず、記録画像の濃度ムラ
等の発生原因ともなる。これらの不具合は、複数色のイ
ンクを一体の記録ヘッドから吐出する構成の場合に生じ
るものである。
【0008】一方、各色のインク毎に記録ヘッドが別々
に備えられている場合には、各記録ヘッド毎に吐出回復
のための装置を備えれば、一体型の記録ヘッドで生じた
ような不具合は除去可能であるが、記録装置全体が複雑
になると共にコストアップを招く。
【0009】本発明の目的は、各色のインクが記録ヘッ
ドの吐出口において混色する不具合を簡単な構成で除去
することのできるインクジェット装置およびインクジェ
ットヘッドの回復処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
装置は、複数のインク吐出口を有し、異なる複数のイン
クを吐出させるインクジェットヘッドを搭載でき、該イ
ンクジェットヘッドを搬送するためのキャリッジと、前
記ヘッドのインク吐出状態を良好に保つための吐出回復
処理に際して前記インク吐出口をワイピング可能なワイ
ピング手段と、前記ワイピング手段によって前記ヘッド
のインク吐出口をワイピングさせた後、前記インク吐出
口から吐出されるインクの種類に応じた条件にしたがっ
てインクを吐出させることにより前記吐出回復処理を行
う回復制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】本発明のインクジェットヘッドの回復処理
方法は、異なる複数のインクを吐出するための複数のイ
ンク吐出口を有するインクジェットヘッドに対して回復
処理を行う回復処理方法において、ワイピング手段によ
って、前記インク吐出口が配された面をワイピングする
ステップと、前記インク吐出口から吐出されるインクの
種類に応じた条件で、インクを吐出させることで吐出回
復を行うステップと、を有する。
【0012】なお、本発明は、イエローのように淡い色
のインクによる画像記録部が他の色の混色によって受け
る影響度合と、シアンやブラックのように濃い色のイン
クによる画像記録部が他の色の混色によって受ける影響
度合が異なっていることに着目したものである。すなわ
ち、前者の場合は混色による悪影響が目立ちやすいのに
比べ、後者の場合はそれほど目立たない。そこで、例え
ば吸引回復を行った後の予備吐出や、ワイピングを行っ
た後の予備吐出の吐出発数をイエローのような淡い色の
インクほど多くし、逆に、シアンやブラックのような濃
い色のインクは少なくなることが可能となる。あるい
は、予備吐出を行うときの熱エネルギー付与条件を各色
毎に異ならせ、実質的に淡い色のインクほど多くのイン
クが吐出するようにしても構わない。
【0013】また、本発明は、特に一体型の記録ヘッド
から複数色のインクを吐出させて多色記録を行う場合に
おいて有効である。この場合は、記録ヘッドの各色毎の
ノズルの構成にもよるが、小型化の特徴を生かすために
は吸引回復のためのポンプやワイピングのためのブレー
ドが各色で共通である構成が好ましいからである。
【0014】一方、各色毎に記録ヘッドを有する場合で
も、より小型化を実現させるために共通のブレードによ
るワイピング動作を行うことがあるが、その際、ブレー
ドへの各色のインク付着によって生じる混色の不具合に
も本発明は有効である。
【0015】
【作用】本発明のインクジェット装置およびインクジェ
ットヘッドの回復処理方法は、インクの種類毎に、ワイ
ピング後の予備吐出の吐出発数を変えることにより、そ
の吐出発数をインク色毎等に応じた必要最小限に設定し
て、インクの無駄な消費を少なくし、また記録ヘッドの
昇温も防止して、常に濃度むらの少ない高品位の画像を
記録する。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例にしたがって説明す
る。
【0017】(実施例1)図1は、本発明の適用が可能
なインクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
この図1において、1はインクジェット記録ヘッド、2
は記録ヘッド1を搭載したキャリッジ、3は記録ヘッド
1に記録動作のための電気信号を供給するためのコネク
タ、4は装置本体からの電気信号を記録ヘッド1に送る
ためのフレキシブルケーブル、5はキャリッジ2を移動
自在に保持する案内軸、6は吐出回復手段を有するキャ
ップユニット、7はキャップ部材、8はゴム等の部材で
できたワイパーブレード、9は記録ヘッド1の対向位置
に保持される被記録材の記録シート、10aはカラーイ
ンク(イエロー、マゼンタおよびシアンのインク)用の
タンク、10bは黒インク用のタンクである。
【0018】図2は、図1のインクジェット記録装置に
搭載した、多色画像を得るための一体型のインクジェッ
ト記録ヘッド1の概略構成を示す斜視図であり、吐出口
10の内部には、インクに熱エネルギーを作用させるた
めの発熱素子が設けられている。そして、この発熱素子
の熱エネルギーによって、吐出口10の内部のインク保
持部に位置するインクに膜沸騰による気泡が生じて、そ
のインクが吐出口10から吐出される。吐出口10aか
らはイエローのインクが、吐出口10bからはマゼンタ
のインクが、吐出口10cからはシアンのインクが、吐
出口10dからはブラックのインクがそれぞれ吐出され
るように、記録ヘッド1の内部には各色のインクに対応
した液室が設けられており、それらの液室に対しては、
各インク色に対応したインクタンク10a,10bから
インクが供給される。また、吐出口10a,10b,1
0c,10dは、それぞれ1インチ当たり360個の密
度で24個、24個、24個、64個形成されており、
さらに吐出口10aと10bとの間、および吐出口10
bと10cとの間のそれぞれには吐出口8個分に相当す
るスペースが10e,10fが設けられ、また吐出口1
0cと吐出口10dとの間には吐出口16個分に相当す
るスペース10gが設けられている。
【0019】次に、図1に示すインクジェット記録装置
の吐出回復動作について簡単に説明する。
【0020】記録ヘッド1は通常の場合、電源がオフの
状態ではキャップユニット6との対向位置にあり、電源
が投入されると、ヘッド1がキャップ部材7に接触した
状態のまま、キャップユニット6により吐出回復動作が
なされる。この時の吐出回復動作の内容はインクジェッ
ト記録装置の使用状態によって定められ、例えば、図示
しないタイマーによって3日間以上使用されていないこ
とが検出された場合は、不図示の吸引ポンプにより記録
ヘッド1からインクが吸引(いわゆる「吸引回復」)さ
れ、その後、ワイパーブレード8によってワイピング動
作が実施される。また、記録装置の使用されていない状
態が3日以内の場合には、イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックのそれぞれのインクが200発ずつ予備吐
出され、続いて、ワイピング動作が実施される。そし
て、このような吐出回復した状態で記録信号待ちとな
り、その後、記録信号を受けると、キャップ7が記録ヘ
ッド1から解放され記録が開始される。
【0021】記録動作中は、不使用ノズル中のインクの
増粘によるインクの不吐出を防止するために、15秒に
1回の割合で、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック
のそれぞれのインクが15発ずつ予備吐出される。この
場合は、記録動作を一旦中止して、キャップユニット6
に対向する位置まで記録ヘッド1が戻る。そして、この
ような記録動作中の予備吐出が行われた後は、電源投入
時の回復動作と同様のワイピング動作が実施される。
【0022】記録が終了すると、記録ヘッド1はキャッ
プユニット6と対向する位置まで移動し、キャップ部材
7によりキャッピングされる。
【0023】記録の再開時には、各色のインクを50発
予備吐出してから、ワイピング動作が実施された後に記
録が開始される。
【0024】ところで、電源投入後に吸引ポンプにより
インクの吸引(吸引回復)が行われた場合、記録ヘッド
1の吐出口面にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
クのインクが付着しているため、この状態でワイピング
動作を行っても完全にインクの混色を生じさせないよう
にすることは困難である。また、電源投入後や記録動作
中の予備吐出の後のワイピング動作、記録再開時の予備
吐出の後のワイピング動作のそれぞれが行われる際に
も、ワイパーブレード8は、インクの付着していないき
れいな状態に常に保たれているわけではないので、ワイ
ピング動作後に多少のインクの混色が発生してしまう。
【0025】このような混色状態を防止するために、本
発明のインクジェット記録方法では、ワイピング動作を
行った後にさらに予備吐出を行い、かつ、その際の予備
吐出の吐出発数をインクの色毎に変える。その場合の予
備吐出発数の具体例について以下に説明する。
【0026】電源投入時、記録装置が使用されていな
い状態が3日以上の場合(図3(a)参照) 吸引ポンプによる吸引(吸引回復)、およびワイピング
動作後、さらに予備吐出を行う。その予備吐出の際のイ
ンクの吐出発数は、イエローのインクを300発、マゼ
ンタのインクを250発、シアンおよびブラックのイン
クを共に200発とする。
【0027】電源投入時、記録装置が使用されていな
い状態が2日以内の場合(図3(b)参照) 全色のインクについて200発の1回目の予備吐出を行
なってから、ワイピング動作を実施した後、さらに2回
目の予備吐出を行なう。その2回目の予備吐出の際のイ
ンクの吐出発数は、イエローのインクを100発、マゼ
ンタのインクを70発、シアンおよびブラックのインク
を共に50発とする。
【0028】記録動作中の予備吐出(図3(c)参
照) 15秒毎に全色のインクについて15発の1回目の予備
吐出を行なってから、ワイピング動作を実施した後、さ
らに2回目の予備吐出を行なう。その2回目の予備吐出
の際のインクの吐出発数は、イエローのインクを100
発、マゼンタのインクを70発、シアンおよびブラック
のインクを共に50発とする。
【0029】記録再開時の予備吐出(図3(d)参
照) 全色のインクについて50発の1回目の予備吐出を行な
ってから、ワイピング動作を実施した後、さらに2回目
の予備吐出を行なう。その2回目の予備吐出の際のイン
クの吐出発数は、イエローのインクを100発、マゼン
タのインクを70発、シアンおよびブラックのインクを
共に50発とする。
【0030】以上のように、ワイピング動作後にさらに
予備吐出を行うことにより、色の濁りのない所望の多色
画像を得ることができる。
【0031】尚、本実施例では、予備吐出を行うための
吐出条件、即ち発熱素子に付与する熱エネルギーは各色
とも等しくしている。
【0032】図4は、以上の構成による記録装置の制御
系の構成例を示すブロック図である。
【0033】キャリッジ2のキャップ位置や移動位置
は、回復系ホームセンサ65やキャリッジホームセンサ
67の検出に基づいて知ることができる。同図において
1000は、所定の制御手順にしたがって各部を制御す
るMPU、1001は、その制御手順に対応したプログ
ラム等を格納したROM、1002は、制御手順実行時
におけるワークエリアとして用いられるRAMである。
また、1003は、記録装置が使われない期間を計測す
るタイマ、1004でインターフェース部、1005は
キーボードである。さらに、1Aは記録ヘッド7(図1
参照)を駆動するヘッドドライバ、31および31Aは
キャリッジ2(図1参照)を駆動するためのモータおよ
びそのドライバ、35,35Aは記録シート9(図1参
照)を搬送するためのモータおよびそのドライバであ
る。61は、キャップユニット6(図1参照)との対向
位置にある記録ヘッド1からインクを吸引(いわゆる
「吸引回復」)すべく吸引ポンプを作動させたり、記録
ヘッド1をワイピングすべくワイパーブレード8(図1
参照)を移動させるための回復系モータであり、また6
1Aは、それを駆動するドライバである。
【0034】(実施例2)図5は、イエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックのインクを吐出させるための記録
ヘッド1y,1m,1c,1bを具備したインクジェッ
ト記録装置の斜視図であり、前述した図1に示すものと
同様の部分には同一符号を付して、その説明を省略す
る。また、7y,7m,7c,7bは、4つの記録ヘッ
ド1y,1m,1c,1bに対応したキャップ部材であ
り、またそれらの記録ヘッドには、それぞれ64本のノ
ズルが1インチ当り360ノズルの密度で配設されてい
る。
【0035】このインクジェット記録装置の基本的な吐
出回復動作は前述した実施例1と同様であるが、ワイピ
ング動作を実施した後の予備吐出によるインクの吐出発
数に関しては、吸引ポンプによる吸引を行った場合が前
述した実施例1とは異なる。その吐出発数は以下に示す
通りである。
【0036】電源投入時、記録装置が使用されていな
い状態が3日以上の場合 吸引ポンプによる吸引(吸引回復)、およびワイピング
動作後、さらに予備吐出を行ない、その予備吐出の際の
インクの吐出発数は、イエローのインクを100発、マ
ゼンタのインクを70発、シアンおよびブラックのイン
クを共に50発とする。
【0037】電源投入時、記録装置が使用されていな
い状態が3日以内の場合、記録中の予備の吐出、およ
び記録再開時の予備吐出の場合は、前述した実施例1
の乃至の場合と同様である。
【0038】以上のようにワイピング動作後に予備吐出
動作を行うことにより、前述した実施例1と同様に色の
濁りのない所望の多色画像を得ることができた。
【0039】(実施例3)前述した実施例1において、
ワイピング動作後に予備吐出を行うときの発熱素子は通
電する時間(パルス幅)を変えた。即ち、各色のインク
を予備吐出するパルス幅を図6のように設定し、黒およ
びシアンのインクの予備吐出を行うときは3.5μse
cの駆動パルスを与え、マゼンタのインクの予備吐出を
行うときは1.5μsecと3.0μsecの駆動パル
スを組み合わせて与え、イエローのインクの予備吐出を
行うときは2.0μsecと3.0μsecの駆動パル
スを組み合わせて与える。この条件で予備吐出を行う
と、マゼンタインクはシアンインクに比べ約10%増し
の吐出量となり、またイエローインクはシアンインクに
比べ約20%増しの吐出量となる。
【0040】従って、上記の場合では、イエローのイ
ンクの吐出発数を260発、マゼンタのインクの吐出発
数を230発とし、また、上記〜の場合では、イエ
ローのインクの吐出発数を90発、マゼンタのインクの
吐出発数を65発として予備吐出を行えば前述した実施
例1と同様の効果を得ることができる。
【0041】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0042】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0043】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0044】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0045】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0046】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0047】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0048】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット装置およびインクジェットヘッドの回復処理方法
は、インクの種類毎に、ワイピング後の予備吐出の吐出
発数を変える構成であるから、その吐出発数をインクの
色毎等に応じた必要最低限に設定して、インクの無駄な
消費を少なくし、また記録ヘッドの昇降も防止して、常
に濃度むらの少ない高品位の記録画像を得ることができ
る。
【0050】また、各インク色毎等に応じて予備吐出の
吐出発数が変えるので、例えば、記録ヘッドとインクタ
ンクが一体型のいわゆる使い捨てヘッドを用いる記録装
置や、記録ヘッドは繰り返し使用しインクタンクのみを
交換する記録装置において、インクタンクのインク容量
を予備吐出の吐出発数が多いものほど大きくすれば、実
質的に記録可能枚数が増え、ランニングコストを下げる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の記録装置を説明するための
斜視図である。
【図2】図1に示す記録ヘッドの概略の拡大斜視図であ
る。
【図3】図1に示す記録装置の吐出回復動作を説明する
ためのフローチャートである。
【図4】図1に示す記録装置の制御系の構成例を示すブ
ロック図である。
【図5】本発明の実施例2の記録装置を説明するための
斜視図である。
【図6】本発明の実施例3の記録装置の吐出回復動作の
説明図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 キャリッジ 6 キャップユニット 8 ワイパーブレード 9 記録シート(記録媒体) 10 吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 3/04 102 H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のインク吐出口を有し、異なる複数
    のインクを吐出させるインクジェットヘッドを搭載で
    き、該インクジェットヘッドを搬送するためのキャリッ
    ジと、 前記ヘッドのインク吐出状態を良好に保つための吐出回
    復処理に際して前記インク吐出口をワイピング可能なワ
    イピング手段と、 前記ワイピング手段によって前記ヘッドのインク吐出口
    をワイピングさせた後、前記インク吐出口から吐出され
    るインクの種類に応じた条件にしたがってインクを吐出
    させることにより前記吐出回復処理を行う回復制御手段
    とを備えたことを特徴とするインクジェット装置。
  2. 【請求項2】 前記ヘッドは、吐出するインクの種類毎
    に応じて複数備えられていることを特徴とする請求項1
    に記載のインクジェット装置。
  3. 【請求項3】 前記回復制御手段は、インクの色に応じ
    てインクの吐出条件を変えるものであることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のインクジェット装置。
  4. 【請求項4】 前記回復制御手段は、インクの種類に応
    じてインクの吐出発数を変えるものであることを特徴と
    する請求項1,2または3に記載のインクジェット装
    置。
  5. 【請求項5】 前記複数のインクは、イエロー、マゼン
    タ、およびシアンのインクであり、 前記回復制御手段は、イエローのインクの吐出発数N
    y、マゼンタのインクの吐出発数Nm、およびシアンの
    インクの吐出発数NcをNy≧Nm≧Ncとするもので
    あることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載
    のインクジェット装置。
  6. 【請求項6】 前記複数のインクは、イエロー、マゼン
    タ、シアンおよびブラックであり、 前記回復制御手段は、イエローのインクの吐出発数N
    y、マゼンタのインクの吐出発数Nm、シアンのインク
    の吐出発数Nc、およびブラックのインクの吐出発数N
    bをNy≧Nm≧Nc≧Nbとするものであることを特
    徴とする請求項1,2,3または4に記載のインクジェ
    ット装置。
  7. 【請求項7】 前記ヘッドは、インクを吐出するために
    利用されるエネルギーとして前記インクに膜沸騰を生じ
    させる熱エネルギーを発生する電気熱変換素子を有する
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6に
    記載のインクジェット装置。
  8. 【請求項8】 異なる複数のインクを吐出するための複
    数のインク吐出口を有するインクジェットヘッドに対し
    て回復処理を行う回復処理方法において、 ワイピング手段によって、前記インク吐出口が配された
    面をワイピングするステップと、 前記インク吐出口から吐出されるインクの種類に応じた
    条件で、インクを吐出させることで吐出回復を行うステ
    ップと、を有するインクジェットヘッドの回復処理方
    法。
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