JPH07195335A

JPH07195335A - 表面化粧コンクリートブロツク

Info

Publication number: JPH07195335A
Application number: JP23748093A
Authority: JP
Inventors: Toshiaki Sato; 俊明佐藤; Noriaki Kamigaki; 則明神垣
Original assignee: Fuji Tokushu Concrete Industry Co Ltd; Nihon Cement Co Ltd
Current assignee: Fuji Tokushu Concrete Industry Co Ltd; Taiheiyo Cement Corp
Priority date: 1993-08-30
Filing date: 1993-08-30
Publication date: 1995-08-01
Anticipated expiration: 2012-05-28
Also published as: JP2614814B2

Abstract

(57)【要約】【構成】５０ｍｍ以上のサイズの化粧用骨材を、この
表面化粧用骨材、または同種の骨材を細かく砕いた目止
め用骨材中に適宜並べて埋設し、スランプ０の超硬練り
コンクリートを打設して加圧振動を加えて締め固め、化
粧用骨材の間のコンクリート地肌を隠蔽したことを特徴
とする表面に化粧用骨材を有するコンクリートブロッ
ク。【効果】大きい骨材が大きく突出し、また目止め骨材
が、目地部を隠蔽し表面化粧骨材とともにコンクリート
表面を化粧しているので、コンクリート製品の表面にコ
ンクリートの地肌が現れることがなく自然環境に調和
し、また、コンクリート成分によって骨材表面が汚され
ることなくきれいな表面化粧コンクリートブロツクを提
供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、骨材を表面化粧したコ
ンクリートブロツクに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より表面化粧したコンクリート製品
としては、コンクリート表面にタイル貼り、石貼り、カ
ラーモルタル塗り、ゴム型枠による凹凸模様付け、塗装
などのほか骨材の露わし仕上げしたものがある。

【０００３】骨材を突出させたものとしては、型枠表面
に硬化遅延剤を塗布するか又は硬化遅延剤を染みこませ
た紙や布をはりつけておき、比較的軟らかいコンクリー
トを流し込み、流し込んだ日の翌日以降に脱型し、硬化
が遅延している成形体の表面のモルタル部分を取り除
き、骨材を表面に露わしたものや、硬化しない粘土、水
溶性の糊と砂の混合物などに、骨材の一部を埋込んでお
き、その骨材上に前記方法に準じて、比較的軟らかいコ
ンクリートを流し込み、流し込んだ日の翌日以降コンク
リートが硬化した後脱型し、ついで粘土や糊と砂の混合
物などを洗い流し骨材を露したもの、並びに即時脱型し
たコンクリート成形体が未硬化の時点で、水をかけモル
タル部分を洗いして得たものなどがある。

【０００４】また、道具を用いる方法としては、コンク
リート成分が硬化後、その表面のモルタル部をハツリ工
具でハツリ取るハツリ仕上げ法やノミ仕上げ法、及び各
種ハンマーで表面を叩き、表面のモルタル部と一部骨材
を取り除くビシヤン叩き仕上げ法がある。

【０００５】また、グラインダーで表面を研磨するグラ
インダー仕上げ法、砥石による磨き仕上げ法なども行な
われている。その他、鉄粒や硬質砂をコンクリート成形
体表面にふきつけ表面のモルタル部と骨材表面の一部を
削りとるブラスト仕上げ法や、真空引きによつてコンク
リート成形体の表面のモルタル部を剥し取り骨材を露わ
したものもある。

【０００６】さらに、コンクリート成分が硬化後、コン
クリート硬化体を塩酸等の薬品によりモルタル部を溶か
して取り去り骨材を露したものもある。

【０００７】また、砂利を硬練りコンクリートで表面に
付着させた製品も開示されている（特公昭６０−８２０
２号公報）。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記コンクリ
ート硬化遅延剤を用いる洗い出し仕上げ法では、コンク
リート成分が硬化することを考慮の上、表面のコンクリ
ート成分を洗い出すタイミングを失しないことが必要で
あるほか、洗い出し深さの５ｍｍ程度と浅い。また、遅
延剤が均一に表面に作用しにくく、均一に洗い出し仕上
げすることは困難であり、その結果洗い出しムラも出来
やすく、均一な製品とならない。

【０００９】また、粘土や水溶性の糊を使用する洗い出
し仕上げによる製品では、コンクリートを打設する前に
骨材を埋め込む手間や脱型後の洗い出し作業がコンクリ
ート硬化遅延剤を用いる方法よりやつかいである。

【００１０】さらに、即時脱型後の洗い出し法は、洗い
出すペーストを完全に除去しにくく、骨材が汚れやす
く、コンクリートが硬化する前に洗い出すために製品が
こわれやすく、洗い出す水流の強さを調節するのがむつ
かしい。

【００１１】また、コンクリートが硬化した後、工具で
仕上げするハツリや叩きの方法では、角欠けなどの破損
が多く、骨材のゆるみも起こりやすく、仕上げ深さも浅
く手間も大変である。グラインダーや砥石による研磨法
では、平滑な仕上げになり骨材断面の美しさは得られる
が、骨材そのものの味わいが得られず、また、表面を磨
く方法では、内部の気泡痕が出て補修が必要となること
がある。

【００１２】また、ブラスト仕上げ法や真空引きモルタ
ル除去仕上げ法では、仕上げ深さが浅く大きな骨材を露
わすことに不向きであり、塩酸による洗い出し法では、
作業が危険であるほか環境汚染の面での配慮も必要とな
る。

【００１３】さらに、前述した諸方法では即時脱型後す
ぐに洗い出す方法以外は、いずれも比較的スランプの大
きいコンクリートを打設後、その打設日の翌日以降に脱
型し、それぞれの作業を行なうため生産性が悪く、しか
も、何れの方法でも洗い水、洗いカス、ハツリカス、削
りカスなどの廃棄物が発生する欠点がある。

【００１４】また、特公昭６０−８２０２号公報に開示
されたものは、砂利を対象としたもので表面がコンクリ
ートの地肌と同じく無味乾燥な灰色であり、硬練りコン
クリートを用いているため、必須となる加圧振動時に水
分がにじみでて化粧面を汚したり、また、コンクリート
と砂利との付着を良くさせるためにさまざまな要件を必
要とし、さらに、スランプが２．５程度であるため骨材
がコンクリートの中に沈降する欠点がある。

【００１５】このように、従来よりさまざまな方法によ
り自然石を表面に突出させた製品が開示されているが、
いずれも水分を多く含むコンクリートと自然石を組み合
わせているため自然石とコンクリートとの接着が悪く、
施行後も剥がれやすく、また、いずれの工程も複雑で労
力を要し、コスト高になり、製造上・製品上の欠点を有
していた。

【００１６】また、従来の表面化粧コンクリート製品
は、表面化粧用骨材として小石等の小さいものを対象と
した平板が主で、その突出の程度も少なく、大きい表面
化粧骨材を用いて突出を大きくすることはできなかっ
た。

【００１７】さらに、サイズの比較的大きな骨材を化粧
用骨材としたコンクリートブロックでは、特に自然石の
場合、それらの形状が不揃いであり、適当に並べても化
粧用骨材の間はかなり大きくなってしまい、従来の製造
方法で作製したコンクリートブロックは、打設したコン
クリートの地肌がかなり大きく見え、折角自然石等を化
粧用骨材として使用しても、人工的なコンクリートの地
肌が見えてしまい、環境保護の面および美観の面から充
分なものとはいえなかった。

【００１８】本発明は、表面が全て骨材で覆われて自然
環境と最大限に調和し、大きい骨材も突出を大きくして
も剥がれること無く、さらに、工程が簡素化でき労力を
軽減できる骨材表面化粧コンクリートブロックを提供す
ることを目的とする。

【００１９】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記目的を解決するため鋭意研究を重ねた結果、化粧用
骨材の間にもこの化粧用骨材、または同種の骨材を細か
く砕いた骨材を配置し、コンクリートの地肌を隠蔽する
と共に、その骨材を製造の際の目止め用骨材として利用
し、化粧用骨材をコンクリートブロツク表面より比較的
大きく突出するようにするとともに、化粧用骨材の間を
同種の細かい骨材で覆いコンクリート地肌が露出しない
ようにして本発明を完成した。

【００２０】本発明の要旨は、５０ｍｍ以上のサイズの
化粧用骨材を、この表面化粧用骨材、または同種の骨材
を細かく砕いた目止め用骨材中に適宜並べて埋設し、ス
ランプ０の超硬練りコンクリートを打設して加圧振動を
加えて締め固め、化粧用骨材の間のコンクリート地肌を
隠蔽したことを特徴とする表面に化粧用骨材を有するコ
ンクリートブロックである。

【００２１】本発明のコンクリートブロックの表面化粧
に用いられる骨材は、自然石、熔岩、砂岩、火山岩、砕
石、玉石等を用いるが、その形状は５０ｍｍ以上であつ
て目止め骨材より大きいことが必要である。

【００２２】なお、熔岩等の多孔質体は、熔岩は他の自
然石と異なり多孔質で、多くの凹凸を有するので、コン
クリートとの結合に優れ、結合後は剥がれずらく、ま
た、普通の自然石に比して水分を多く保持できるので表
面にコケや微生物が育成し、自然環境とより調和するか
らで、このことは従来から用いられている表面がつるつ
るの砂利等の自然石からは得られない得意な性質を持
つ。

【００２３】本発明に用いられる目止め骨材は、表面化
粧用骨材、または同種の骨材を細かく砕いたものを使用
する。例えば、表面化粧骨材として熔岩を用いるとき
は、目止め骨材として熔岩または同種の骨材の細片を用
いる。

【００２４】ここに目止め骨材は、表面化粧材間の目地
部を目止めする役割を有するもので、表面化粧骨材より
小さいものが用いられ、０．１〜１０ｍｍ、特に好まし
くは０．２〜１０ｍｍの砂、溶岩、自然石等の細片が好
ましい。０．１ｍｍ未満では、加圧、振動時に粉状とな
った目止用骨材が舞いやすく、作業環境が悪化したり、
コンクリートの表面に付着して作業効率が低下する。ま
た粉状となった目止用骨材層に骨材を埋め込んでも、目
止用骨材層が粉状で径の小さい集合であるため摩擦力が
小さく振動によって骨材がずれ、また層の密度も高いた
めコンクリートの骨材間への浸透も十分でなく、成形後
大きめの骨材が離脱しやすくなるので好ましくない。

【００２５】コンクリートは、スランプが０ｃｍの超硬
練りコンクリートを用いる。超硬練りコンクリートと
は、パサパサ状のコンクリートで成形直後に脱型して養
生することができるもので、スランプが１ｃｍを超える
と、締固めにより余剰水（セメントを含む）がしぼり出
され流れるなどして表面部に露わす骨材を汚ごし、特
に、熔岩等の表面多孔質骨材は、骨材の表面にコンクリ
ートが付着すると、微細な多孔質であるため洗浄するこ
とが困難となり、また、大型の骨材を用いた場合には骨
材がコンクリート中に沈降するので好ましくない。

【００２６】コンクリートの締固め方法としては、プレ
スによる方法、あるいはプレスしながら振動を加える方
法、または、振動だけによる方法などが適用できる。

【００２７】本発明は、特に骨材の突出を大きくしても
構わないブロツクに用いられ、ブロツクとしては、間知
石ブロツク、護岸ブロツク、植栽ブロツク、魚巣植生ブ
ロック、大型擁壁ブロツクに利用できる。

【００２８】

【効果】本発明によれば、大きい骨材が大きく突出し、
また目止め骨材が、目地部に残存し表面化粧骨材ととも
にコンクリート表面を化粧しているので、コンクリート
製品の表面にコンクリートの地肌が現れることがなく自
然環境に調和する。

【００２９】また、超硬練りコンクリートと目止め骨材
とを使用することによつて、コンクリート成分が、製品
の表面に露われる骨材の表面にまで漏れることがなく、
骨材表面が汚されることなくきれいな表面が得られ、製
造時においても脱型した時点で即仕上げが完成されるの
で、露出する骨材の表面を汚したり味わいをそこなつた
りすることがなく美麗に仕上げることが出き、また、従
来のように仕上げ工程がないのでその際に生じる製品の
破損、骨材の浮きもなく、廃棄物も生ぜず生産性も高
い。また、超硬練りコンクリートと特定の厚さの目止め
骨材層とを使用することによつて、化粧骨材の突出を大
きくすることができる。

【００３０】さらに、熔岩等の多孔質骨材を用いた場
合、従来の自然石に比して剥がれずらく、表面にはコケ
等が育成しやすく、使用により優雅な雰囲気を出し自然
環境と調和し、宅地造成や、石垣、造園工事に用いた場
合天然の質感と個性を見事に再現した美しい風格を導く
ことができ、さらに国立公園その他公園内の築堤土留、
河川敷、トンネルの出入り口等の土木工事に用いた場合
も自然環境との調和がなされ、環境保護に貢献すること
ができる。

【００３１】また、本発明の製品は機械生産可能とな
り、生産工程も簡易で、かつ能率的に大量生産すること
ができ、従来品に比して生産コストが格段に安くなり、
また作業効率も一段と向上する。

【００３２】

【実施例】つぎに本発明を実施例について説明する。実施例１図１に示すように面板２の上に目止め用骨材として２.
５〜１０mm の大きさの溶岩１を２cmの厚さで敷き、つ
いで表面化粧用骨材として５０〜１００mmの大きさの溶
岩３を下に敷いた溶岩１に押し込むように並べた後、図
３の成形材の定盤４の上に乗せ、２つ割の側板型枠７,
８を左右から組み合わせて型枠を組立てた。ついでこの
型枠の中に上部よりベルトコンベヤーでＷ／ｃ４１％，
Ｓ／ａ５４％，Ｗ１１５ｋｇ／ｍ，Ｃ２８０ｋｇ／ｍ
，Ｓ１１３１ｋｇ／ｍ，Ｇ９６３ｋｇ／ｍ，ルルブ
リス混和剤ＣＸ０.５６％の配合割合であり、かつ黒色
顔料（酸化鉄系；添加料セメント量×５重量％）で着色
した零スランプの超硬練りコンクリート５を投入した。
次いで、上部のプレス板６でプレスすると同時に型枠に
振動を加えて締固めた後、２つ割の側板型枠７,８を移
動し図４の状態に脱型した。脱型したブロツクは面板ご
と養生室に移し、翌日まで養生した。養生を終えて面板
をはずすと、不要な目止め用溶岩小粒が取れ、目地部は
目止め骨材で覆われた表面に溶岩塊を有するコンクリー
トブロックが得られた。

【００３３】実施例２実施例１に準じて目止め用骨材として２.５〜１０mmに
砕いた砂岩を３cmの厚さで敷き、その上に同じく表面化
粧用骨材として５０〜１５０mmの大きさの砂岩を先に敷
いた目止め用骨材層に押し込むように並べた後、上部よ
りＷ／ｃ４１％，Ｓ／ａ５４％，Ｗ１１５ｋｇ／ｍ，
Ｃ２８０ｋｇ／ｍ，Ｓ１１３１ｋｇ／ｍ，Ｇ９６３ｋ
ｇ／ｍ，ルルブリス混和剤ＣＸ０.５６％の配合割合で
あり、かつ黒色顔料（酸化鉄系、添加量セメント量×３
重量％）で着色した零スランプの超硬練りコンクリート
を投入した。次いで上部のプレス板でプレスしながら振
動をかけて締固め成形物を養生室に移動し翌日まで養生
した。翌日、型枠を取ると、不要な目止め用溶岩小粒が
取れ、目地部は目止め骨材で覆われた表面に砂岩塊を有
する間知石ブロツクが得られた（図９、図１０）。

【００３４】参考例図６の型枠７'の中に目止め用骨材として２.５〜１０m
mに砕いた砂岩１'を３cmの厚さで敷き、その上に同じく
表面化粧用骨材として５０〜１５０mmの大きさに砕いた
砂岩３' を先に敷いた砂岩に押し込むように並べた後、
上部よりＷ／ｃ４１％，Ｓ／ａ５４％，Ｗ１１５ｋｇ／
ｍ，Ｃ２８０ｋｇ／ｍ，Ｓ１１３１ｋｇ／ｍ，Ｇ９
６３ｋｇ／ｍ，ルルブリス混和剤ＣＸ０.５６％の配合
割合であり、かつ黒色顔料（酸化鉄系、添加量セメント
量×３重量％）で着色した零スランプの超硬練りコンク
リート５’を上部が透くよう投入し、上部の透いた空間
に同じく表面化粧用骨材として５０〜１５０mmの砕いた
砂岩３'を図７のように並べ、次いで上部のプレス板
６' でプレスしながら振動をかけて締固め、上部プレス
板６' を引き上げると同時に図８のように下部より成形
物を押し上げ、あらかじめ下に敷いておいた板２'と共
に成形物を養生室に移動し翌日まで養生した。翌日、下
部の敷板を取ると、両面に砂岩砕石を有するブロツクが
得られた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１において面板の上に目止め骨
材、及び表面化粧用骨材を敷いた中央断面図。

【図２】プレス板で締固めした平面図。

【図３】図２におけるＣ−Ｃ' 線に沿う断面図。

【図４】図３において側板型枠及び上部プレス板を取り
はずした状態を示す断面図。

【図５】図４において面板、および定盤を取りはずした
状態を示す断面図。

【図６】参考例において型枠に目止め骨材、表面化粧用
骨材及びコンクリートの順に敷いた状態を示す断面図。

【図７】図６においてコンクリート層の上にさらに表面
化粧用骨材を敷き、上部及び下部プレスでプレスした状
態を示す図。

【図８】図８において型枠の成形体を下部プレスで押し
出した状態を示す断面図。

【図９】本発明の実施例２におけるコンクリートブロッ
クの正面図。

【図１０】本発明の実施例２におけるコンクリートブロ
ックの断面図。

【符号の説明】

１,１' 目止め骨材２,２' 面板３,３' 表面化粧用骨材４定盤５,５' 超硬練りコンクリート６,６' 上部プレス７,７' 側板型板８, 側板型板９' 下部プレス

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】５０ｍｍ以上のサイズの化粧用骨材を、
この表面化粧用骨材、または同種の骨材を細かく砕いた
目止め用骨材中に適宜並べて埋設し、スランプ０の超硬
練りコンクリートを打設して加圧振動を加えて締め固
め、化粧用骨材の間のコンクリート地肌を隠蔽したこと
を特徴とする表面に化粧用骨材を有するコンクリートブ
ロック。
【請求項２】化粧用骨材が自然石である請求項１記載
のコンクリートブロック。
【請求項３】自然石が熔岩、砂岩、火山岩、砕石、玉
石のいずれか１種を選択した請求項２記載のコンクリー
トブロック。
【請求項４】コンクリートブロツクが、間知石ブロツ
ク、護岸ブロツク、植栽ブロツク、魚巣植生ブロック、
大型擁壁ブロツクである請求項１記載のコンクリートブ
ロツク。