JPH0719372B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH0719372B2 JP7392590A JP7392590A JPH0719372B2 JP H0719372 B2 JPH0719372 B2 JP H0719372B2 JP 7392590 A JP7392590 A JP 7392590A JP 7392590 A JP7392590 A JP 7392590A JP H0719372 B2 JPH0719372 B2 JP H0719372B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、磁気ディスク装置などに用いられる、カー
ボン基板を使用した磁気記録媒体を製造する方法に係
り、詳しくは高保磁力化された磁気記録媒体が得られる
ようにした、磁気記録媒体の製造方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
周知のように、磁気ディスクなどの磁気記録媒体におい
ては、その高記録密度化が進められている。一般に、磁
気記録媒体の性能を決定する因子として、次式で表さ
れる磁化遷移幅a(μm)がある。
a∝δ・Br/(m・Hc) … 但し、δは磁性体層膜厚(μm)、Brは残留磁束密度
(G)、mは角形性に関する因子、Hcは保磁力(Oe)で
ある。
記録密度を向上させるには、上記の式で表される磁化
遷移幅aの値を小さくする必要があり、磁性体層の薄膜
化とともに保磁力の向上が有効な手段となっている。そ
のため、従来、保磁力を増大させる方法としては以下に
説明する方法が採られている。
すなわち、アルミニウム合金基板上にバインダなどを混
ぜたγ−Fe2O3針状磁性粒子を塗布・焼成してなる塗布
型媒体においては、前記針状磁性粒子を微細化したり、
あるいはこれの表面にCoを被着したりするようにしてい
る。
また、アルミニウム合金基板の表面にNiPめっき層が施
された基板(以下、NiPめっき基板という)上に、Co−
P、Co−Ni−Pなどの磁性体層を無電解めっき法により
形成しためっき薄膜型媒体においては、めっき浴組成の
改善が行われている。
さらに、NiPめっき基板上にCo−Ni−Cr、Co−Niなどの
磁性体層をスパッタ法により形成してなるスパッタ薄膜
型媒体においては、磁性体組成の改善が行われている。
また、基板を高温にした状態で磁性体を成膜する方法
(例えば、石川ら、第11回日本応用磁気学会学術講演概
要集、p18、1987、11)や、基板に逆バイアス電圧を印
加して磁性体層の形成条件を最適化するようにした方法
(例えば、橋本ら、第35回応用物理学関係連合講演予稿
集、p57、1988、10)が提案されている。
このような方法により保磁力を増大させて、高記録密度
化が進められているが、塗布型媒体での薄膜化の困難性
などの点から、磁性体層をスパッタ法により形成してな
る磁気記録媒体が高密度磁気記録媒体として期待されて
いる。
一方、高記録密度化を達成するため、上記した保磁力の
向上などの他に、基板としては、表面粗さが小で表面欠
陥のない表面性状であること、磁性体層の下地として化
学的に安定であること、ヘッドとの接触による耐久性を
確保し得る硬度や強度を備えていること、などが要求さ
れる。また、基板材料に要求される特性としては、非磁
性、高硬度、耐熱性、軽量、強度・剛性などがある。
このような基板に関する要求に応えるため、最近、基板
としてカーボン基板(ガラス状カーボン基板)を使用し
た磁気記録媒体が提案されており、例えば特開昭62−23
4232号公報にはガラス状カーボン基板上に磁性薄膜を形
成してなる磁気ディスクが示されている。また、本出願
人もガラス状カーボン基板の上にCo基合金薄膜を形成し
てなる磁気記録媒体を提案している(特願平1−188225
号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記従来技術において、スパッタ薄膜型媒体
における磁性体組成の改善による方法では、磁性材料と
してCo−Cr−Ptといった貴金属を用いるようにしてお
り、経済的に好ましくない。
また、基板を高温にした状態で磁性体層をスパッタ法に
より形成する高温成膜方法では、保磁力が向上した磁気
記録媒体が得られているが、基板を保持するためのキャ
リアが加熱により変形し易くなる等の成膜装置上の問題
から、研究レベルではなく量産を行う場合には、基板加
熱温度が250℃を超えた状態での磁性体層の形成は容易
でない。さらに、NiPめっき基板を使用する場合には、2
80℃以上になるとNiPめっき層が仕様限界値を超えて磁
化して磁性体層に悪影響を与えるとともに、300℃以上
に加熱されると基板の変形が生じるという問題がある。
さらに、基板に逆バイアス電圧を印加した状態で磁性体
層を形成する方法では、保磁力が向上した磁気記録媒体
が得られているが、逆バイアス電圧を印加する必要があ
るため、成膜装置の構造が複雑になるという欠点があ
る。
一方、前述したカーボン基板(ガラス状カーボン基板)
を使用した磁気記録媒体は、信頼性の高い優れたもので
はあるが、記録密度を向上させるための高保磁力化とい
う点では未だ十分とはいえない。
こうした状況のもとで、本発明者らは、カーボン基板の
持つ耐熱性に着目してこれを使用した磁気記録媒体の高
保持力化の研究を重ね、次のようなことを見出した。す
なわち、カーボン基板を使用した磁気記録媒体を製造す
るにあたり、カーボン基板上にCo基合金磁性体層、ある
いはCr下地層と前記磁性体層とを順次形成したものを高
温加熱することにより保磁力を向上し得る。しかし、製
造過程においてCo基合金磁性体層上に保護潤滑層を形成
してから加熱処理する場合には、保護潤滑層が加熱処理
により酸素と反応してガス化され、その厚みが減少した
り、あるいは消失したりするので、これを防ぐ必要があ
る。
この発明では、このような知見に基づいてなされたもの
であって、カーボン基板を用いた磁気記録媒体の製造に
あたり、保磁力を向上させることができ、しかも製造過
程において保護潤滑層の厚みの減少やその消失を起こす
ことのない、磁気記録媒体の製造方法を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、請求項1の発明による磁
気記録媒体の製造方法は、カーボン基板上に順にCo基合
金からなる磁性体層と、保護潤滑層とを有する磁気記録
媒体の製造方法において、前記カーボン基板上に前記Co
基合金磁性体層を形成した後、これを250〜1450℃の温
度で加熱処理し、次いで前記保護潤滑層を形成すること
を特徴としている。
また、請求項2の発明による磁気記録媒体の製造方法
は、カーボン基板上に順にCrからなる下地層、Co基合金
からなる磁性体層、及び保護潤滑層を有する磁気記録媒
体の製造方法において、前記カーボン基板上に前記Cr下
地層と前記Co基合金磁性体層とを形成した後、これを25
0〜1450℃の温度で加熱処理し、次いで前記保護潤滑層
を形成することを特徴としている。
〔作 用〕
請求項1の発明による磁気記録媒体の製造方法において
は、カーボン基板上にCo−Ni−Cr、Co−Ni、Co−Ni−P
t、Co−Cr、あるいはCo−Cr−Ta等のCo基合金からなる
磁性体層を形成した後、これを大気雰囲気中で高温加熱
すると、Co基合金磁性体層の粒界が選択的に酸化され、
さらにCrを含むCo基合金磁性体層ではCrの粒界への偏析
が促進される。その結果、Co基合金磁性体層の結晶粒自
体が単磁区粒子として振る舞うことにより保磁力が向上
するものと考えられる。また、真空中、あるいは不活性
ガス雰囲気中で高温加熱すると、Co基合金磁性体層にお
ける上記のCrの粒界への偏析が促進されることにより保
磁力が向上するものと考えられる。
さらに、Co基合金磁性体層上に保護潤滑層を形成するに
先立ち上記加熱処理を行うようにしている。したがっ
て、前記磁性体層上に例えば代表的材料のCからなるC
保護潤滑層を形成してから加熱処理をする場合には、C
保護潤滑層が、C+O2→CO2のように、酸素と反応して
ガス化され、その厚みが減少したり、あるいは消失した
りするが、このように加熱処理後に保護潤滑層を形成す
るようにしたので、このようなことを防ぐことができ
る。また、C保護潤滑層の形成後に大気雰囲気中ではな
く真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中で高温加熱する
場合において真空度や不活性ガスの置換状態が悪いとき
には、上記のガス化反応によりC保護潤滑層の厚みが減
少し易いので、これをも防ぐことができる。
これに対して請求項2の発明による磁気記録媒体の製造
方法においては、カーボン基板上にCr下地層とCo基合金
磁性体層とを順次形成したのち、これを加熱処理する
と、上述した保磁力向上作用に加えて、Cr下地層の結晶
格子の(110)面が加熱処理により成長し、Co基合金磁
性体層の磁化容易軸(C軸)が面内に配向され易くなり
保磁力が向上するものと考えられる。さらに、上記の請
求項1の製造方法と同様に、Co基合金磁性体層上に保護
潤滑層を形成するに先立って加熱処理を行うようにして
いるので、製造過程において保護潤滑層の厚みの減少や
その消失が発生することがない。
また、この発明においては加熱処理温度の範囲は250〜1
450℃、好ましくは350〜800℃程度が最適である。250℃
より低い温度では保磁力向上効果が十分発揮されず、14
50℃を超えるとCo基合金磁性体層そのものが熱により破
壊される恐れがあるためである。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいてこの発明を説明する。
第1実施例 まず、磁気ディスク用のカーボン基板の作製について説
明すると、炭化焼成後にガラス質炭素となる熱硬化性樹
脂であるフェノール・フォルムアルデヒド樹脂を磁気デ
ィスク形状に成形した後、N2ガス雰囲気中で1000〜1500
℃の温度で予備焼成する。次いで、これを熱間静水圧加
圧装置(HIP)を使用して2500℃に加熱しつつ2000気圧
の等方的圧力を加えてHIP処理する。この得られた成形
体に所定の周端面加工、表面研磨を施して、厚さ1.27mm
の3.5インチの磁気ディスク用基板とした。
そして、上記カーボン基板1上に、厚み3000ÅのCr下地
層2と、厚み600ÅのCoNiCr磁性体層3(組成:Co62.5Ni
30Cr7.5)とをD.C.マグネトロンスパッタ装置により基
板温度250℃の条件で順次形成した。次に大気雰囲気中
にて、得られたものを450℃×15分、500℃×3分の各条
件でそれぞれ加熱処理した。しかる後、CoNiCr磁性体層
3上に厚み300ÅのC保護潤滑層4をD.C.マグネトロン
スパッタ装置により基板温度250℃の条件で形成し、断
面構成説明図の第1図(a)に示すような構成の磁気デ
ィスクを作製した。また、比較のため、カーボン基板1
上に上記の各層2、3、及び4を順次連続して形成した
ものを、大気雰囲気中にて上記と同様の条件で加熱処理
して比較用の磁気ディスクを作製した。
次に得られた各磁気ディスクの保磁力Hc、飽和磁束密度
Bs、角形比S(=残留磁束密度Br/Bs)、及び保磁力角
形比S*(式のmに相当)を振動試料型磁力計(VS
M)によりそれぞれ測定するとともに、C保護潤滑層4
の厚みを表面粗さ計(タリステップ)により測定した。
また、温度65℃×湿度85%の高温多湿雰囲気に作製した
各磁気ディスクを10日間放置するいわゆる環境試験を行
った後、再度、上記の各値を測定した。これらの結果の
一例を第1表に示す。
第1表から判るように、本実施例、及び比較例による方
法ともに加熱処理を行うことにより保磁力Hcが増大した
磁気ディスクが得られた。
しかし、比較例による方法においては、カーボン基板1
上にCr下地層2、CoNiCr磁性体層3、及びC保護潤滑層
4を順次形成したものを、大気雰囲気中にて加熱処理す
る製造工程としたので、この例の熱処理条件では加熱に
よってC保護潤滑層4が高温酸化によりガス化され消失
した。そのため、上記環境試験中にCoNiCr磁性体層3が
劣化し、飽和磁束密度Bsの値が低下した。
これに対してこの発明による方法では、CoNiCr磁性体層
3上にC保護潤滑層4を形成するに先立ち加熱処理を行
うようにしたので、高い保磁力Hcを有し、環境試験後に
おいてもC保護潤滑層4の不良による飽和磁束密度Bsな
どが低下することのない磁気ディスクが得られた。な
お、この実施例のように大気雰囲気中にて加熱処理を行
う場合には、Co基合金磁性体層、この場合CoNiCr磁性体
層3の酸化の進行によって飽和磁束密度Bs、残留磁束密
度Brが低下する傾向があるので、同一保磁力Hcを得よう
とするときは、高温、短時間での加熱処理が望ましい。
第2実施例 この実施例では、真空中にて加熱処理を行ってCr下地層
2を有する磁気ディスクを作製した。
すなわち、第1実施例と同様にして、カーボン基板1上
に、厚み3000ÅのCr下地層2と、厚み600ÅのCoNiCr磁
性体層3(組成:Co62.5Ni30Cr7.5)とをD.C.マグネトロ
ンスパッタ装置により基板温度250℃の条件で順次形成
した。しかる後、これを真空中にて第2図(a)に示す
温度、時間の条件で加熱処理した。なお、真空度は30mT
orrである。次いでCoNiCr磁性体層3上に厚み300ÅのC
保護潤滑層4をD.C.マグネトロンスパッタ装置により基
板温度250℃の条件で形成して磁気ディスクを作製し
た。
次に得られた磁気ディスクの保磁力Hc、飽和磁束密度B
s、角形比S、及び保磁力角形比S*をVSMによりそれぞ
れ測定した。これらの結果の一例を第2図(a)〜第2
図(d)に示す。第2図(a)は加熱処理条件と保磁力
Hcとの関係を示す図、第2図(b)は加熱処理条件と飽
和磁束密度Bsとの関係を示す図、第2図(c)は加熱処
理条件と角形比Sとの関係を示す図、第2図(d)は加
熱処理条件と保磁力角形比S*との関係を示す図であ
る。なお、各図において符号ASは加熱処理なしの場合の
測定値を示す。
第2図(a)から判るように、この実施例の条件では50
0〜550℃の加熱温度範囲において、保磁力Hcが向上した
磁気ディスクが得られた。この場合、第2図(b)、第
2図(c)から判るように、大気中加熱処理により起こ
り易いCoNiCr磁性体層3の過度の酸化現象がないので、
高記録密度化を達成するための他の磁気特性要因である
角形比S、飽和磁束密度Bs(残留磁束密度Br)は加熱処
理なしの場合の値をほぼ維持しており、これらを低下さ
せることなく保磁力Hcを向上させることができた。さら
に、CoNiCr磁性体層3上にC保護潤滑層4を形成するに
先立って加熱処理を行うようにしたので、C保護潤滑層
4の形成後にこれを行う場合において真空度が悪いとき
に発生し易いC保護潤滑層4の厚みの減少を回避でき
た。
第3実施例 この実施例では、真空中にて加熱処理を行ってCoNiCr磁
性体層3とC保護潤滑層4とを有する磁気ディスクを作
製した。
すなわち、第1実施例と同様にして準備したカーボン基
板1上に、厚み600ÅのCoNiCr磁性体層3(組成:Co62.5
Ni30Cr7.5)をD.C.マグネトロンスパッタ装置により基
板温度250℃の条件で形成した後、これを真空中にて第
3図(a)に示す温度、時間の条件で加熱処理した。な
お、真空度は30mTorrである。次いでCoNiCr磁性体層3
上に厚み300ÅのC保護潤滑層4をD.C.マグネトロンス
パッタ装置により基板温度250℃の条件で形成し、断面
構成説明図の第1図(b)に示すような構成の磁気ディ
スクを作製した。
次に得られた磁気ディスクの保磁力Hcと飽和磁束密度Bs
とをVSMによって測定した。
これらの結果を、加熱処理条件と保磁力Hcとの関係の一
例を示す図の第3図(a)、加熱処理条件と飽和磁束密
度Bsとの関係の一例を示す図の第3図(b)に示す。な
お、各図において符号ASは加熱処理なしの場合の測定値
を示す。
第3図(a)から判るように、この実施例の条件におい
ては、加熱温度を高めることにともなって保磁力Hcが増
大した磁気ディスクが得られた。また、CoNiCr磁性体層
3上にC保護潤滑層4を形成するに先立って加熱処理を
行うようにしたので、C保護潤滑層4の形成後にこれを
行う場合において真空度が悪いときに発生し易いC保護
潤滑層4の厚みの減少を回避できた。
なお、上記各実施例ではCr下地層、Co基合金磁性体層を
スパッタ法により形成して磁気ディスクを作製する例を
示したが、本願発明は、これらを蒸着、めっき等の方法
で形成する場合にも適用できるとともに、加熱処理を不
活性ガス雰囲気中で行う場合にも適用可能である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、請求項1の発明による磁気記録媒体
の製造方法では、カーボン基板上にCo基合金磁性体層を
形成した後、これを250〜1450℃の温度で加熱処理する
ようにしたので、この加熱処理によってCo基合金磁性体
層の結晶粒自体が単磁区粒子として振舞うようになり、
保磁力を向上させた磁気記録媒体が得られる。
また、請求項2の発明による磁気記録媒体の製造方法で
は、上記の保磁力向上作用に加え、カーボン基板上とCo
基合金磁性体層との間に形成されたCr下地層の結晶格子
の(110)面が加熱処理されることにより成長してCo基
合金磁性体層の磁化容易軸が面内に配向され易くなり、
これにより、保磁力をより向上させた磁気記録媒体が得
られる。
さらに、上記両請求項の製造方法では、Co基合金磁性体
層上に保護潤滑層を形成するに先立ち加熱処理を行うよ
うにしたので、保護潤滑層の形成後に加熱処理を行う場
合において発生する保護潤滑層の厚みの減少、あるいは
消失を回避しこれを防ぐことができる。
したがって、この発明によれば、加熱処理という簡易な
手段を用いて従来より高い保磁力を有する高記録密度化
に適した磁気記録媒体を提供でき、これにより、磁気デ
ィスク装置の大型化を招くことなくその大容量化に寄与
することができるとともに、広く使用されているスパッ
タ装置などの成膜装置がそのまま使用できるという経済
的効果をも得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)は本願発明に係る磁気ディスクの
断面構成説明図、第2図(a)〜第2図(d)は第2実
施例により得られた磁気ディスクの磁気特性の一例を示
す図、第3図(a)及び第3図(b)は第3実施例によ
り得られた磁気ディスクの磁気特性の一例を示す図であ
る。 1……カーボン基板、2……Cr下地層、 3……CoNiCr磁性体層、4……C保護潤滑層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーボン基板上に順にCo基合金からなる磁
    性体層と、保護潤滑層とを有する磁気記録媒体の製造方
    法において、前記カーボン基板上に前記Co基合金磁性体
    層を形成した後、これを250〜1450℃の温度で加熱処理
    し、次いで前記保護潤滑層を形成することを特徴とする
    磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】カーボン基板上に順にCrからなる下地層、
    Co基合金からなる磁性体層、及び保護潤滑層を有する磁
    気記録媒体の製造方法において、前記カーボン基板上に
    前記Cr下地層と前記Co基合金磁性体層とを形成した後、
    これを250〜1450℃の温度で加熱処理し、次いで前記保
    護潤滑層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製
    造方法。
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