JPH07193499A - 原子発振器 - Google Patents

原子発振器

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JPH07193499A
JPH07193499A JP33183393A JP33183393A JPH07193499A JP H07193499 A JPH07193499 A JP H07193499A JP 33183393 A JP33183393 A JP 33183393A JP 33183393 A JP33183393 A JP 33183393A JP H07193499 A JPH07193499 A JP H07193499A
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保喜 古賀
Hirohiko Suga
弘彦 菅
Yuji Ouchi
裕司 大内
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二重共鳴セル23にレーザ光cとマイクロ波
iとを入射して、光・マイクロ波二重共鳴を発生させる
原子発振器において、出力周波数fs の安定度を向上さ
せる。 【構成】 原子発振器本体22の二重共鳴セル23へレ
ーザ光cを供給するレーザ光源21に対して、レーザ光
cを発生するレーザダイオード4と、二重共鳴セル23
に緩衝気体と共に封入された吸収ガス11と同一の吸収
ガスが封入された吸収セル6とを設けている。そして、
この吸収セル6にレーザダイオード4にて発生されたレ
ーザ光cを透過させることによって、レーザ光cの光周
波数Fを、二重共鳴セル23に封入された吸収ガス11
の緩衝気体にてシフトされた線形吸収線の光周波数FC1
に最も近い光周波数FSTを有する飽和吸収線に一致する
ように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子の光・マイクロ波
二重共鳴現象を利用した原子発振器に係わり、特に光・
マイクロ波二重共鳴セル内に吸収ガスと共に封入された
緩衝気体に起因する出力周波数の安定度低下を抑制した
原子発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】ルビジウムやセシウム等の原子における
光・マイクロ波二重共鳴現象を利用した原子発振器は、
安定なマイクロ波周波数が必要な原子線型原子標準やイ
オン蓄積型原子標準、またVLBIにおける微弱信号の
受信等の超高安定発振器のマイクロ波発振源、及び長期
の平均時間において周波数安定度が必要となるTV放送
・データ伝送・航行・TVカラー多次元中継・VLBI
等の基準同期信号源に用いられる。
【0003】そして、レーザダイオードをルビジウム
(Rb)原子の励起用光源として用いた原子発振器は、
励起用光源としてルビジウムランプを用いた原子発振器
に比較してレーザ光特有の発振スペクトルの純粋性と高
い空間的パワー密度により、ルビジウム原子の励起効率
が向上し、出力段に設けられた水晶発振器の発振周波数
を高い精度で安定化することができる。
【0004】レーザ光源を用いた原子発振器は例えば図
9に示すように構成されている。すなわち、この原子発
振器は、大きく分けてレーザ光cを出力するレーザ光源
1と、このレーザ光cが入射される原子発振器本体2と
で構成されている。
【0005】レーザ光源1において、駆動電流発生部3
から出力される駆動電流dがレーザダイオード4へ供給
される。レーザダイオード4は駆動電流dに応じて光周
波数Fが変化するレーザ光cを出力する。レーザダイオ
ード4から出射されたレーザ光cは原子発振器本体2へ
入射されるとともに、その一部はビームスプリッタ5で
分岐されて吸収ガスとしてのルビジウムガスが封入され
た吸収セル6を透過して受光器7へ入射される。
【0006】このとき、駆動電流発生部3から出力され
る駆動電流dの値を掃引させるとレーザ光cの光周波数
Fも電流値変化に伴って変化するので、受光器7の出力
信号にはルビジウムの吸収スペクトルが観測できる。
【0007】図10はルビジウム85Rbとルビジウム87
Rbの両方を含む天然ルビジウムの吸収スペクトルであ
る。図示するように、この吸収スペクトルにはa線,A
線,B線,b線等の複数の線形吸収線が現れる。この複
数の線形吸収線のうちルビジウム87Rbのb線にレーザ
光cの光周波数Fを安定化させて使用する。したがっ
て、以下の説明はb線に励起光の光周波数Fを設定した
場合を説明する。
【0008】しかし、原理的には他のルビジウムRb原
子による光吸収線の光周波数を励起用のレーザ光cの光
周波数Fとして用いても原子発振器は構成できる。な
お、線形吸収線の光周波数とは前述したa線,A線,B
線,b線の各線形吸収線における最大光吸収量が得られ
る光周波数と定義する。
【0009】そこで、予めレーザ光cの光周波数Fがこ
のb線の付近になるよう駆動電流dを調整しておき、低
周波発振器8から周波数fm1を有する低周波信号eを駆
動電流発生部3へ印加して、この駆動電流発生部3から
の駆動電流dに低周波信号e成分を重畳することにより
レーザダイオード4から出力されるレーザ光cの光周波
数Fを僅かに周波数変調させる。そして、この周波数変
調された時の受光器7の出力信号を増幅器9で増幅し、
同期検波回路10において前述した周波数fm1の低周波
信号eで同期検波すると吸収スペクトルの微分波形が得
られる。同期検波回路10はこの得られた同期検波信号
を誤差信号gとして駆動電流発生部3へ帰還させる。
【0010】駆動電流発生部3は、サーボ回路を内蔵し
ており、入力した誤差信号gが0になるようように、レ
ーザダイオード4に駆動電流dを印加する。すなわち、
レーザ光cの光周波数Fが吸収スペクトルの微分波形の
ゼロクロス点(すなわち線形吸収線の最大光吸収点)に
なるよう制御する。
【0011】このような帰還制御ループを構成すること
によって、レーザ光源1から出力されるレーザ光cの光
周波数Fが吸収セル6に封入されたルビジウム87Rbの
b線の光周波数FC で安定化される。
【0012】なお、通常、この場合の吸収セル6には、
吸収強度を大きくするために緩衝気体は封入されていな
い。
【0013】レーザ光源1から出力されたルビジウム87
Rbのb線の最大光吸収量が得られる光周波数FC を有
するレーザ光cは原子発振器本体2内へ入射される。原
子発振器本体2内へ入射したレーザ光cは、吸収ガスと
してのルビジウムガス11が封入された二重共鳴セル1
2と、受光器13と、二重共鳴セル12を取巻くマイク
ロ波キャビティ(空洞共振器)14とからなる光・マイ
クロ波二重共鳴ユニット15へ入射される。なお、この
光・マイクロ波二重共鳴ユニット15は外部磁界の影響
を排除するために磁気シールドされている。
【0014】光・マイクロ波二重共鳴ユニット15へ入
力されたレーザ光cは二重共鳴セル12を透過して受光
器13へ入射される。そして、このレーザ光cは受光器
13によって光・マイクロ波二重共鳴検出信号hに変換
される。マイクロ波キャビティ14にはマイクロ波発生
部16から出力されたマイクロ波iが印加されている。
【0015】マイクロ波発生部16は、電圧制御水晶発
振器16aと周波数合成・逓倍器16bとで構成されて
いる。電圧制御水晶発振器16aは制御端子に印加され
ている制御信号電圧に応じて変化する周波数信号を出力
する。電圧制御水晶発振器16aは例えば10MHz程度
の信号を、標準周波数信号として外部へ出力すると共に
周波数合成・逓倍器16bへ送出する。周波数合成・逓
倍器16bは入力した周波数を、逓倍すると共に、低周
波発振器17から出力される周波数fm2の低周波信号で
もって僅かに周波数変調する。そして、この周波数変調
されたマイクロ波iが前記マイクロ波キャビティ14へ
印加される。
【0016】その結果、前記受光器13から出力される
光・マイクロ波二重共鳴検出信号hも周波数fm2でもっ
て周波数変調されている。この光・マイクロ波二重共鳴
検出信号hは増幅器18で増幅された後、同期検波回路
19において周波数fm2を有する前記低周波信号でもっ
て同期検波される。同期検波回路19の出力信号は誤差
信号jとしてマイクロ波発生部16の電圧制御水晶発振
器16aへ帰還される。電圧制御水晶発振器16aは、
サーボ回路を内蔵しており、入力した誤差信号jが0に
なるようように、発振周波数を変化させる。
【0017】ここで、光・マイクロ波二重共鳴現象を図
11に示すルビジウム87Rb原子のエネルギ準位の3準
位原子系モデルを用いて説明する。熱平衡状態では二重
共鳴セル12中の基底状態の原子は5S1/2 のF=2、
F=1の各準位にほぼ等分に分布している。この中にル
ビジウム87RbのD光の励起光を照射するとF=1準位
の原子は励起光を吸収して5P準位へ励起され、自然放
出して基底状態のF=2、F=1準位にほぼ等確率で落
ちてくる。F=1準位に落ちた原子は再び励起を受ける
が、F=2準位の原子は励起されないので、これらのサ
イクルを繰返すと、F=2準位にほとんどの原子が留ま
り、大きな分布差を生じる。このようにして2準位間に
分布差を生じさせることは光ポンピングと呼ばれてい
る。
【0018】この状態で二重共鳴セル12にマイクロ波
iを照射すると、マイクロ波iの周波数がルビジウム87
RbのF=1、F=2の準位差に相当する遷移周波数f
0 と一致したところで誘導放出を生じ、F=2準位の原
子はF=1準位へ落ちる。ここで再び、F=1の準位の
原子は励起光を吸収して5P準位への励起が始まるの
で、二重共鳴セル12の透過光を受けている受光器13
から図12のような光の吸収信号が得られる。これを、
光・マイクロ波二重共鳴スペクトルと呼ぶ。
【0019】この時マイクロ波iが周波数fm2でもって
周波数変調されていると、受光器13の出力信号hを増
幅し、周波数fm2でもって同期検波することにより、図
13に示すような、二重共鳴スペクトルの微分波形が得
られる。したがって、マイクロ波周波数fをこの微分波
形のゼロクロス点(すなわち二重共鳴スペクトルのピー
ク点)になるように帰還制御することにより、マイクロ
波周波数fを二重共鳴を生じる周波数f0 に一致させる
ことが可能である。よって、この時点における電圧制御
水晶発振器16aの出力周波数を、二重共鳴マイクロ波
周波数f0 と同じく、周波数安定度の高い標準周波数f
S として利用できる。
【0020】したがって、増幅器18,同期検波回路1
9及び低周波発振器17は出力周波数制御部20を構成
する。
【0021】なお、通常、二重共鳴の二重共鳴セル12
内には、ルビジウムRb原子のドップラー運動や二重共
鳴セル12の壁面の衝突等により、マイクロ波の共鳴線
が広がることを防ぐため、ルビジュウムガス11の他
に、低圧力の不活性ガスが緩衝気体として封入されてい
る。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示したレーザ光源を用いた原子発振器においてもまだ解
消すべき次のような課題があった。
【0023】すなわち、レーザ光源1から出力される励
起用のレーザ光cの光周波数Fは吸収セル6内に封入さ
れたルビジウムガスにおける図10に示した光吸収スペ
クトルのルビジウム87Rbにおけるa線とb線との2つ
の線形吸収線のうちのb線の最大光吸収量が得られる光
周波数FC に安定化されている。
【0024】一方、光・マイクロ波二重共鳴ユニット1
5内の二重共鳴セル12内にも同一のルビジウムガス1
1が封入されているので、この二重共鳴セル12もレー
ザ光源1の吸収セル6の光吸収スペクトルと同一の光吸
収スペクトルが得られる筈である。
【0025】しかし、この二重共鳴セル12にはルビジ
ウムガス11の他に前述した緩衝気体が封入されている
ので、図14に示すように、吸収スペクトル特性が緩や
かになるとともに、a線,A線,B線,b線の各線形吸
収線の最大光吸収量が大きくなり、かつ最大光吸収量が
得られる各光周波数Fも周波数が低くなる方向にシフト
する。
【0026】なお、各線形吸収線の最大光吸収量の値は
二重共鳴セル12にルビジウムガス11と共に封入され
ている緩衝気体のガス圧力に応じて変化するが、一般
に、ルビジウム原子における最大緩和時間が得られるよ
うに前記ガス圧力が設定されている。
【0027】その結果、二重共鳴セル12の吸収スペク
トル上における87Rbのb線の最大光吸収量が得られる
光周波数FC1が吸収セル6の87Rbのb線の最大光吸収
量が得られる光周波数FC に一致しない。このずれ光周
波数F1 は300 MHzに達する場合もある。
【0028】このように、ずれ光周波数F1 が生じる
と、図15(a)に示すようにレーザ光源1からのレー
ザ光cの光周波数FC は二重共鳴セル12のシフトされ
たb線の光周波数FC1に位置しなくて、図15(b)に
示すように線形吸収線の傾斜部に位置する。その結果、
レーザ光源1におけるレーザ周波数安定化により抑圧さ
れた残りの光周波数変動雑音(FM雑音)ΔFが光強度
雑音(AM雑音)ΔAに変換される。したがって、この
変換されたAM雑音は直接光・マイクロ波二重共鳴検出
信号hの雑音となる。光・マイクロ波二重共鳴検出信号
hのS/Nが低下すると、出力周波数制御部20の制御
安定性が低下し、最終的に電圧制御水晶発振器16aか
ら出力される標準周波数信号の周波数fS の安定度が低
下する。
【0029】なお、この安定度低下は直接的にS/N低
下に起因するので特に短期の安定度を大きく劣化させ
る。前記出力されるマイクロ波の基準周波数fS の安定
度においては、τ時間の平均時間における安定度σ
y (τ)は上記二重共鳴スペクトルの波形と雑音量によ
り以下のように定式化される。
【0030】 σy (τ)=k/[Q・(S/N)]・τ-1/2 …(1) ここで、kは比例定数,Sは光・マイクロ波二重共鳴の
信号強度、Nは光・マイクロ波二重共鳴の雑音強度、Q
は光・マイクロ波二重共鳴信号スペクトルのQ値であ
る。
【0031】なお、ずれ光周波数F1 が生じない場合
(FC1=FC )には、図15(a)に示すように、たと
え光周波数変動雑音(FM雑音)ΔFが生じたとして
も、発生する光強度雑音(AM雑音)ΔAは少ない。
【0032】このような現象を回避するためには、吸収
セル6にも二重共鳴セル12と同一の緩衝気体を封入す
ればよいが、前述したように、吸収セル6に緩衝気体を
封入すると、各線形吸収線の光吸収スペクトルが広がっ
てしまい、レーザ周波数安定化制御によるFM雑音抑圧
度が低下し、b線の光周波数FC 近傍でも抑圧後の残余
のFM雑音が増大する。その結果、変換されるAM雑音
量ΔAはルビジュウムRb原子のみが封入された吸収セ
ル6を用いた場合と同等、又はそれ以下となるため、吸
収セル6に緩衝気体を封入できない。
【0033】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、レーザ光源から出力されるレーザ光の光周
波数を二重共鳴セルに封入された吸収ガスのシフト後の
線形吸収線の光周波数に最も近い飽和吸収線の光周波数
に設定することによって、レーザ光を二重共鳴セルの吸
収ピークに一致させることができ、たとえレーザ光に光
周波数(FM)雑音が生じたとしても、常に安定した標
準周波数を得ることができる原子発振器を提供すること
を目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に請求項1の本発明は、レーザ光を出力するレーザ光源
と、マイクロ波を出力するマイクロ波発生部と、吸収ガ
スと緩衝気体とが封入され、レーザ光及びマイクロ波が
同時に入射されることによって原子による光・マイクロ
波二重共鳴が生起し、透過したレーザ光が二重共鳴にて
定まるマイクロ波周波数特性を呈する二重共鳴セルと、
マイクロ波発生部の出力周波数を二重共鳴にて定まる周
波数に一致させる出力周波数制御部とを備えた原子発振
器において、レーザ光源を、レーザ光を発生するレーザ
ダイオードと、吸収ガスと同一の吸収ガスが封入された
吸収セルと、この吸収セルにレーザダイオードにて発生
されたレーザ光を透過させることによって、レーザ光の
光周波数を、二重共鳴セルに封入された吸収ガスの緩衝
気体にてシフトされた線形吸収線の光周波数に最も近い
光周波数を有する飽和吸収線に一致するように制御する
光周波数制御手段とで構成している。
【0035】請求項2の発明の原子発振器においては、
レーザ光源を、レーザ光を発生するレーザダイオード
と、吸収ガスと同一の吸収ガスが封入された吸収セル
と、この吸収セルにレーザダイオードにて発生されたレ
ーザ光を透過させることによって、レーザ光の光周波数
を、ほぼ最大緩和時間が得られるガス圧力状態の緩衝気
体の存在によってシフトされた二重共鳴セルに封入され
た吸収ガスの線形吸収線の光周波数に最も近い光周波数
を有する飽和吸収線に一致するように制御する光周波数
制御手段とで構成し、さらに、二重共鳴セルに封入され
た緩衝気体のガス圧力を、線形吸収線の光周波数が光周
波数制御手段にて制御されたレーザ光の光周波数に一致
するガス圧力値に設定している。
【0036】請求項3の発明の原子発振器においては、
請求項1の発明の原子発振器におけるレーザ光源に、線
形吸収線の光周波数と最も近い飽和吸収線の光周波数と
の差の光周波数分だけ光周波数制御手段にて制御された
レーザ光の光周波数をシフトさせる光周波数シフト手段
を付加したものである。
【0037】
【作用】先ず、本願発明の動作原理を説明する。
【0038】一般に、吸収ガスを光周波数分析して得ら
れる吸収スペクトルには前述したa線〜b線の各線形吸
収線が存在する。さらに、飽和吸収測定法で詳細に光周
波数分析すると、a線〜b線の各線形吸収線内には、図
2及び図3に示すように、r線,s線,t線等の3本の
要素線と各要素線の中間に位置する逆方向の3本の仮想
吸収線との合計6本の吸収線が得られる。
【0039】以後、この飽和吸収測定法で得られるr
線,s線,t線等の各要素線及び3本の仮想吸収線を飽
和吸収線と呼ぶ。
【0040】出力周波数制御部がマイクロ波発生部の出
力周波数を二重共鳴セルにおける二重共鳴にて定まる周
波数に一致させる場合におけるこの周波数に対応する光
周波数は、二重共鳴セル内に緩衝気体と共に封入された
吸収ガスの吸収スペクトルにおける線形吸収線の光周波
数に一致しているのが、前述したFM雑音を抑制するた
めに好ましい。
【0041】緩衝気体の存在によって、二重共鳴セルの
吸収ガスの線形吸収線の光周波数がシフトすると、この
シフトされた後の光周波数に一致するか又は最も近い光
周波数を有するレーザ光をレーザ光源から供給すればよ
い。前述したように、線形吸収線を構成する各飽和吸収
線の各光周波数は前述した線形吸収線の最大光吸収量を
示す光周波数の前後に分布する。
【0042】したがって、この分布された各飽和吸収線
の各光周波数のうちの前記シフトされた後の線形吸収線
の光周波数に最も近い周波数を有した飽和吸収線の各光
周波数にレーザ光源の光周波数を設定すればよい。
【0043】したがって、請求項1に示すように、吸収
セルを用い、レーザ光源のレーザ光の光周波数を前記指
定された一つの飽和吸収線の光周波数に制御することに
よって、二重共鳴セルに入射されるレーザ光の光波長を
二重共鳴セル内の吸収ガスの線形吸収線の光周波数に一
致させることができる。
【0044】その結果、線形吸収線によるFM/AM変
換効率が低いため、レーザ光源における光周波数安定化
制御によって抑圧しきれない残余の周波数雑音(FM雑
音)に起因する光・マイクロ波二重共鳴信号の雑音が低
減される。
【0045】これによりマイクロ波発生部の出力周波数
のS/Nが向上し、(1) 式で示した安定度が改善され
る。
【0046】次に、請求項2の発明の動作原理を説明す
る。前述したように、二重共鳴セル内に吸収ガスと共に
封入された緩衝気体のガス圧力は、一般に、吸収ガス原
子の最大緩和時間が得られるように設定される。したが
って、この緩衝気体の存在によってシフトされた後の線
形吸収線の光周波数が、元の吸収ガスのみにおける一つ
の飽和吸収線の光周波数に一致するとは限らない。した
がって、この最も近い飽和吸収線の光周波数に二重共鳴
セルのシフト後の線形吸収線の光周波数が一致するよう
に、緩衝気体のガス圧力を設定すればよい。
【0047】したがって、請求項2の発明においては、
このような条件を満足するガス圧力の二重共鳴セルが採
用される。
【0048】さらに、請求項3においては、請求項1の
手法においても、最も近い飽和吸収線の光周波数に二重
共鳴セルのシフト後の線形吸収線の光周波数が一致しな
い場合は、この差の光周波数分だけ、レーザ光源から出
力されるレーザ光の光周波数を強制的にシフトさせて、
両者を一致させている。
【0049】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。
【0050】図1は実施例の原子発振器の概略構成を示
すブロック構成図である。図9に示す従来の原子発振器
と同一部分には同一符号が付してある。したがって、重
複する部分の詳細説明は省略されている。
【0051】この実施例の原子発振器は、大きく分け
て、レーザ光cを出力するレーザ光源21と、原子発振
器本体22とで構成されている。原子発振器本体22
は、マイクロ波iを出力するマイクロ波発生部16と、
レーザ光cおよびマイクロ波iが同時に入射されること
によって光・マイクロ波二重共鳴が生起し、透過したレ
ーザ光cが二重共鳴にて定まる周波数特性を呈する二重
共鳴セル23と、マイクロ波発生部16の出力周波数を
二重共鳴にて定まる周波数に一致させる出力周波数制御
部20とで構成されている。
【0052】この原子発振器本体22は、前記二重共鳴
セル23内に吸収ガスとしてのルビジウムガス11と共
に封入されている緩衝気体のガス圧力P以外は、図9に
示す従来の原子発振器本体2とほぼ同一構成である。
【0053】レーザ光源21内には、図9に示す従来の
レーザ光源1の各光学部材に加えて、偏光ビームスブリ
ッタ24,偏光板25及び反射鏡26が組込まれてい
る。駆動電流発生部3から出力される駆動電流dがレー
ザダイオード4へ供給される。レーザダイオード4は駆
動電流dに応じて光周波数Fが変化するレーザ光cを出
力する。レーザダイオード4から出射されたレーザ光c
は原子発振器本体22へ入射されるとともに、その一部
はビームスプリッタ5で分岐されて偏光ビームスプリッ
タ24へ入射する。
【0054】偏光ビームスプリッタ24は入射したレー
ザ光cの一つの偏光成分を抽出して偏光板25を介して
前記二重共鳴セル23と同一の吸収ガスであるルビジュ
ウムガスが封入された吸収セル6へ送出する。吸収セル
6を透過した偏光されたレーザ光は反射鏡26で180
°進行方向が反転されて、再度吸収セル6及び偏光板2
5を経由して偏光ビームスプリッタ24へ入射する。偏
光ビームスプリッタ24は偏光板25方向から入射した
レーザ光を反射して受光器7へ入射させる。
【0055】受光器7の出力信号は増幅器9で増幅され
た後に同期検波回路10へ入力される。同期検波回路1
0及び第1の駆動電流発生部3aには低週波発振器8か
ら周波数fm1の低周波信号eが印加されている。したが
って、図9に示したレーザ光源1と同様に、レーザ光c
の光周波数Fを、吸収セル6に封入されたルビシュウム
ガスの線形吸収線の一つであるb線内に存在するr線,
s線,t線の3つの飽和吸収線のうちの一つの飽和吸収
線の光周波数FSTの近傍に初期設定すると、同期検波回
路10から誤差信号gが駆動電流発生部3aへ帰還さ
れ、レーザダイオード4から出力されるレーザ光cの光
周波数Fは前記s線の飽和吸収線の光周波数FSTに制御
される。
【0056】偏光ビームスブッタ24及び偏光板25を
用いて、制御対象のレーザ光cの偏光成分のみを抽出
し、さらに、同一の吸収セル6を2回に亘って透過させ
ることによって、光周波数Fの解析精度が向上して、出
力されるレーザ光cの光周波数Fを予め指定した飽和吸
収線の光周波数FSTに制御することが可能である。
【0057】よって、この予め指定した飽和吸収線の光
周波数FSTを有するレーザ光cが原子発振器本体22の
二重共鳴セル23内へ入射される。
【0058】次に、二重共鳴セル23内にルビジウムガ
ス11と共に封入された緩衝気体について説明する。
【0059】ネオンNe,窒素N2 ,アルゴンAr,ク
リプトンKr等の各不活性ガスの温度係数(P/T)は
図4に示すように、不活性ガスの種類の応じて正温度係
数と負温度係数とが存在する。したがって、正温度係数
を有する不活性ガスと負温度係数を有する不活性ガスと
適当な比率で混合することによって、たとえ温度が変化
したとしても、ガス圧力が変化しない緩衝気体を作るこ
とが可能である。
【0060】図5は、各不活性ガスを上述した比率で混
合した緩衝気体のガス圧力Pとルビジウム原子の緩和時
間τとの関係を示す特性図である。緩衝気体のガス圧力
Pが極めて小さい場合は、原子は熱運動で二重共鳴セル
23の壁から壁へ飛び、壁との衝突でエネルギを失うの
で、緩和時間τは極めて短い。緩衝気体のガス圧力Pを
上昇させていくと、原子は壁に到達するまでに緩気体と
衝突するので、その回数だけ緩和時間τが長くなる。す
なわち、衝突回数はガス圧力Pに比例する。
【0061】緩衝気体のガス圧力Pをさらに上昇させる
と、衝突の回数は大きくなるが、緩衝気体との衝突で原
子がエネルギを失う率が大きくなり、緩和時間τの増大
は抑制され、図示するように、最大緩和時間τmax が生
じる。さらに、ガス圧力Pを上昇させると、原子は壁に
到達するまでに緩衝規定との衝突で多大のエネルギを失
うので、緩和時間τは逆に短くなる。
【0062】一般の、原子発振器においては、出力周波
数fs の周波数安定度を決める光・マイクロ二重共鳴検
出信号hのS/Nは緩和時間τに比例するので、二重共
鳴セル23内に封入されている緩衝気体のガス圧力Pは
最大緩和時間τmax に対応する最適圧力値Popt に設定
されている。
【0063】図3は、最適圧力Popt に設定された緩衝
気体にてシフトされた二重共鳴セル23の吸収スペクト
ルにおけるb線の線形吸収線の光周波数FC1と、緩衝気
体が封入されていない状態におけるb線の線形吸収線の
光周波数FC と、緩衝気体が封入されていない状態にお
けるb線の線形吸収線内のr線.s線,t線の各飽和吸
収線の光周波数との関係を示す図である。なお、下側方
向の各吸収線は仮想吸収線(クロスオーバ線)である。
【0064】シフト後のb線の線形吸収線の光周波数F
C1はb線の線形吸収線を構成するs線の飽和吸収線の光
周波数FSTの近傍に位置する。
【0065】したがって、レーザ光源21からのレーザ
光cの光周波数Fをs線の飽和吸収線の光周波数FST
制御することによって、レーザ光源21からのレーザ光
cの光周波数Fと二重共鳴セル23におけるシフト後の
b線の線形吸収線の光周波数FC1との間の差の光周波数
ΔFSTを、例えば10MHz程度まで低減できる。
【0066】緩衝気体のガス圧力Pを変化させると線形
吸収線の光周波数FC1のシフト光周波数量F1 が変化す
る。この実施例の原子発振器においては、シフト後のb
線の線形吸収線の光周波数FC1が緩衝気体がない場合に
おけるs線の飽和吸収線の光周波数FSTのb線の線形吸
収線の光周波数FC1に一致するように、二重共鳴セル2
3内の緩衝気体のガス圧力Pを図5に示す最大緩和時間
τmax に対応する最適圧力値Popt から微小圧力ΔPだ
け移動させたガス圧力PSTに設定している。
【0067】なお、最適圧力値Popt からの移動圧力量
ΔPはごく小さく、かつ図5に示すように、最適圧力値
opt 近傍の緩和時間τは最大緩和時間τmax から大き
く低下しないので、光・マイクロ二重共鳴検出信号hの
S/Nはほとんど低下しない。
【0068】このように、レーザ光源21から出力され
るレーザ光cの光周波数Fを、緩衝気体に起因してシフ
トされた後のb線の線形吸収線の光周波数FC1に最も近
い緩衝気体がない場合におけるs線の飽和吸収線の光周
波数FSTに制御すると共に、このレーザ光源21による
光周波数Fの制御によってもまだ零にならないレーザ光
cの光周波数とb線の線形吸収線の光周波数との差の光
周波数分ΔFSTを緩衝気体のガス圧力Pを調整すること
によって、両者の光周波数を完全に一致させている。
【0069】よって、レーザ光源21から出力されるレ
ーザ光cにFM雑音が生じたとしても、このFM雑音が
AM雑音に変換されることが抑制されるので、光・マイ
クロ波二重共鳴検出信号hのS/Nが低下するとが未然
に防止され、最終的に電圧制御水晶発振器16aから出
力される標準周波数信号の周波数fS の安定度を向上で
きる。
【0070】例えば、前述した(1) 式の安定度σ
y (τ)を考える。すなわち、半値幅が約500MHzで
ある線形吸収線を使用した従来装置に比較して、判値幅
が5〜10MHzである飽和吸収線を使用した実施例装置
においては、例えば前記半値幅を5MHzと仮定すれば、
Qの寄与が約100倍となる。しかし、飽和吸収線の場
合はその吸収量が数分の1から10分の1程度になるの
で、実施例装置における全体としての安定度σy (τ)
は従来装置に比較して10〜数十倍に改善される。
【0071】図6は本発明の他の実施例に係わる原子発
振器の概略構成を示すブロック図である。図1に示す原
子発振器と同一部分には同一符号が付してある。したが
って、重複する部分の詳細説明は省略されている。
【0072】この実施例における原子発振器本体2は図
9に示した従来の原子発振器の原子発振器本体2と同一
構成である。すなわち、二重共鳴セル12に内には、ガ
ス圧力Pが図5に示す最大緩和時間τmax に対応する最
適圧力値Popt に設定された緩衝気体が封入されてい
る。
【0073】そして、この実施例装置におけるレーザ光
源31においては、レーザダイオード4から出力された
レーザ光線cが透過する吸収セル6の外周面に励磁コイ
ル32が巻装されている。そして、この励磁コイル32
には励磁電流回路33から直流の励磁電流Iが供給され
る。
【0074】励磁コイル32に直流電流Iを通流する
と、吸収セル6内に磁界が印加される。吸収セル6に外
部磁界Gが印加されると、この吸収セル6内に封入され
たルビジウムガスの図2に示した吸収スペクトルにおけ
る各飽和吸収線の光周波数がシフトするゼーマンシフト
現象が生じる。
【0075】図7は印加磁界Gと飽和吸収線の光周波数
のシフト量との関係を示す実測図である。この特性値に
よれば、印加磁界Gを1ガウス変化させると、飽和吸収
線の光周波数は約1.4MHz移動する。
【0076】したがって、励磁電流Iを変化させること
によって、吸収セル6の吸収スペクトルにおけるs線の
飽和吸収線の光周波数を、磁界Gを全く印加しない場合
の光周波数FSTから任意の光周波数分だけ移動させるこ
とが可能である。よって、この移動光周波数量を前述し
た図3におけるまだ残留している差の光周波数ΔFST
対応する外部磁界G1 が生じる電流I1 を励磁電流回路
33から供給すればよい。
【0077】その結果、レーザダイオード4から出力さ
れるレーザ光cの光周波数Fを二重共鳴セル12内の吸
収ガスのシフト後のb線の線形吸収線の光周波数FC1
完全に一致させることが可能である、したがって、図1
に示す実施例原子発振器とほぼ同様の効果を得ることが
可能である。
【0078】さらに、この実施例においては、励磁電流
回路33から励磁コイル32に供給する電流I1 は、1
0Gに満たない印加磁界G1 を得るための値でよいの
で、比較的精度よく、出力されるレーザ光cの光周波数
Fのシフト量ΔFSTを設定可能である。
【0079】すなわち、図14におけるシフト光周波数
1 に対応する300MHz程度の光周波数分をこのゼー
マンシフト現象のみを利用して、s線の飽和吸収線の光
周波数FSTをシフトざる場合においては、必要磁界Gが
210Gを越える値となる。このような高い静的な磁界
Gを長時間に亘って継続して得るためには、励磁電流I
の高い安定度が必要である。例えば10-5〜10-6程度
の安定度が必要である。
【0080】しかし、実施例装置においては、必要とす
る磁界Gが1桁小さいので、必要とする励磁電流I1
精度は上述した場合に比較して1桁以上低くても、十分
な光周波数Fの安定度を確保できる。
【0081】図8は本発明のさらに別の実施例に係わる
原子発振器の概略構成を示すブロック図である。図9に
示す従来の原子発振器と同一部分には同一符号が付して
ある。したがって、重複する部分の詳細説明は省略され
ている。
【0082】この実施例においては、レーザ光源41に
おけるレーザダイオード4から出力されたレーザ光線c
の原子発振器本体2への光路に光周波数シフタ42が介
挿されている。この光周波数シフタ42は、例えばブラ
ック効果を用いた音響光学変調器で構成されており、入
力したレーザ光cの光周波数Fをシフタ駆動回路43か
ら印加される周波数分だけ移動させる機能を有する。
【0083】したがって、シフタ駆動回路43から光周
波数シフタ42へ印加する周波数を図3に示した残りの
差の光周波数ΔFSTに設定することによって、原子発振
器本体2へ入射されるレーザ光C3 の光周波数Fをs線
の包絡吸収線の光周波数FSTから前記差の光周波数ΔF
ST分だけシフトさせることが可能である。よって、図1
及び図6に示す各実施例発振器とほぼ同様の効果を得る
ことが可能である。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明の原子発振器
によれば、レーザ光源から出力されるレーザ光の光周波
数を、二重共鳴セルに封入された吸収ガスのシフト後の
線形吸収線の光周波数に最も近い飽和吸収線の光周波数
に設定している。したがって、レーザ光を二重共鳴セル
の吸収ピークにほぼ一致させることができ、たとえレー
ザ光に光周波数(FM)雑音が生じたとしても、常に安
定した標準周波数を得ることができる。
【0085】また、レーザ光の光周波数をシフト後の線
形吸収線の光周波数に最も近い飽和吸収線に設定したと
しても、まだレーザ光の光周波数とシフト後の線形吸収
線の光周波数との間に差の光周波数がある場合は、この
差の光周波数が零になるように、二重共鳴セルの緩衝気
体のガス圧力を最適ガス圧力からシフトさせている。
【0086】その結果、レーザ光の光周波数をシフト後
の線形吸収線の光周波数に完全に一致差せることがで
き、上述した出力される標準周波数の安定度をさらに向
上できる。
【0087】また、レーザ光源側において、出力される
レーザ光の光周波数を強制的に上述した差の光周波数分
だけシフトさせている。よって、上述した発明と同様
に、出力される標準周波数の安定度をさらに向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる原子発振器の概略
構成を示すブロック図
【図2】 線形吸収線と飽和吸収線との関係を示す図
【図3】 各飽和吸収線の各光周波数とシフト後の線形
吸収線の光周波数との関係を示す図
【図4】 緩衝気体を構成する各不活性ガスのガス圧力
と温度係数との関係を示す図
【図5】 二重共鳴セル内の緩衝気体圧力と原子の緩和
時間との関係を示す図
【図6】 本発明の他の実施例に係わる原子発振器の概
略構成を示すブロック図
【図7】 同実施例原子発振器の吸収セルにおけるゼー
マンシフト特性を示す図
【図8】 本発明のさらに別の実施例に係わる原子発振
器の概略構成を示すブロック図
【図9】 従来の原子発振器の概略構成を示すブロック
【図10】 一般的な吸収ガスの吸収スペクトラムを示
す図
【図11】 ルビジウム87の原子エネルギ順位図
【図12】 二重共鳴の周波数特性図
【図13】 同期検波回路の出力信号波形図
【図14】 吸収セルの吸収スペクトルと二重共鳴セル
の吸収スペクトルとの対比図
【図15】 FM雑音の発生メカニズムを説明するため
の図
【符号の説明】
2,22…原子発振器本体、3…駆動電流発生部,4…
レーザダイオード、6…吸収セル、8,17…低周波発
振器、10,19…同期検波回路、12,23…二重共
鳴セル、13…受光器、14…マイクロ波キャビティ、
15…光・マイクロ波二重共鳴ユニット、16…マイク
ロ波発生部、16a…電圧制御水晶発振器、16b…周
波数合成・逓倍器、21,31,41…レーザ光源、2
4…偏光ビームスプリッタ、25…偏光板、26…反射
鏡、32…励磁コイル、33…励磁電流回路、42…光
周波数シフタ、43…シフタ駆動発振器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 裕司 東京都港区南麻布五丁目10番27号 アンリ ツ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を出力するレーザ光源と、マイ
    クロ波を出力するマイクロ波発生部と、吸収ガスと緩衝
    気体とが封入され、前記レーザ光及びマイクロ波が同時
    に入射されることによって原子による光・マイクロ波二
    重共鳴が生起し、透過したレーザ光が前記二重共鳴にて
    定まるマイクロ波周波数特性を呈する二重共鳴セルと、
    前記マイクロ波発生部の出力周波数を前記二重共鳴にて
    定まる周波数に一致させる出力周波数制御部とを備えた
    原子発振器において、 前記レーザ光源は、レーザ光を発生するレーザダイオー
    ドと、前記吸収ガスと同一の吸収ガスが封入された吸収
    セルと、この吸収セルに前記レーザダイオードにて発生
    されたレーザ光を透過させることによって、前記レーザ
    光の光周波数を、前記二重共鳴セルに封入された吸収ガ
    スの前記緩衝気体にてシフトされた線形吸収線の光周波
    数に最も近い光周波数を有する飽和吸収線に一致するよ
    うに制御する光周波数制御手段とを有することを特徴と
    する原子発振器。
  2. 【請求項2】 レーザ光を出力するレーザ光源と、マイ
    クロ波を出力するマイクロ波発生部と、吸収ガスと緩衝
    気体とが封入され、前記レーザ光及びマイクロ波が同時
    に入射されることによって原子による光・マイクロ波二
    重共鳴が生起し、透過したレーザ光が前記二重共鳴にて
    定まるマイクロ波周波数特性を呈する二重共鳴セルと、
    前記マイクロ波発生部の出力周波数を前記二重共鳴にて
    定まる周波数に一致させる出力周波数制御部とを備えた
    原子発振器において、 前記レーザ光源は、レーザ光を発生するレーザダイオー
    ドと、前記吸収ガスと同一の吸収ガスが封入された吸収
    セルと、この吸収セルに前記レーザダイオードにて発生
    されたレーザ光を透過させることによって、前記レーザ
    光の光周波数を、ほぼ最大緩和時間が得られるガス圧力
    状態の前記緩衝気体の存在によてシフトされた前記二重
    共鳴セルに封入された吸収ガスの線形吸収線の光周波数
    に最も近い光周波数を有する前記吸収セル内の吸収ガス
    の飽和吸収線の光周期数に一致するように制御する光周
    波数制御手段とを有し、 前記二重共鳴セルに封入された緩衝気体のガス圧力は、
    前記線形吸収線の光周波数が前記光周波数制御手段にて
    制御されたレーザ光の光周波数に一致するガス圧力値に
    設定されていることを特徴とする原子発振器。
  3. 【請求項3】 レーザ光を出力するレーザ光源と、マイ
    クロ波を出力するマイクロ波発生部と、吸収ガスと緩衝
    気体とが封入され、前記レーザ光及びマイクロ波が同時
    に入射されることによって原子による光・マイクロ波二
    重共鳴が生起し、透過したレーザ光が前記二重共鳴にて
    定まるマイクロ波周波数特性を呈する二重共鳴セルと、
    前記マイクロ波発生部の出力周波数を前記二重共鳴にて
    定まる周波数に一致させる出力周波数制御部とを備えた
    原子発振器において、 前記レーザ光源は、レーザ光を発生するレーザダイオー
    ドと、前記吸収ガスと同一の吸収ガスが封入された吸収
    セルと、この吸収セルに前記レーザダイオードにて発生
    されたレーザ光を透過させることによって、前記レーザ
    光の光周波数を、前記二重共鳴セルに封入された吸収ガ
    スの前記緩衝気体にてシフトされた線形吸収線の光周波
    数に最も近い光周波数を有する飽和吸収線に一致するよ
    うに制御する光周波数制御手段と、前記線形吸収線の光
    周波数と前記最も近い飽和吸収線の光周波数との差の光
    周波数分だけ前記光周波数制御手段にて制御されたレー
    ザ光の光周波数をシフトさせる光周波数シフト手段とを
    有することを特徴とする原子発振器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009129955A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Epson Toyocom Corp 光学系及び原子発振器
JP2011188352A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Anritsu Corp イオントラップ型周波数標準器及び出力周波数安定化方法
US10804915B2 (en) 2018-08-06 2020-10-13 Seiko Epson Corporation Atomic oscillator and frequency signal generation system

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