JPH0719133Y2 - ボンド磁石用成形金型 - Google Patents

ボンド磁石用成形金型

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JPH0719133Y2
JPH0719133Y2 JP9985989U JP9985989U JPH0719133Y2 JP H0719133 Y2 JPH0719133 Y2 JP H0719133Y2 JP 9985989 U JP9985989 U JP 9985989U JP 9985989 U JP9985989 U JP 9985989U JP H0719133 Y2 JPH0719133 Y2 JP H0719133Y2
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寛 久保田
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株式会社コパル
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、ボンド磁石(以下、単に、このボンド磁石
をプラマグと呼ぶ。)を磁場形成した状態で射出成形に
より製造するための、ボンド磁石用成形金型に関する。
[従来の技術] 従来より、プラマグ成形金型のキヤビテイの周囲は、非
磁性材料と強磁性材料との組み合わせにより、所定の磁
気回路を構成し、磁粉を磁化により、磁気回路により規
定される磁場方向に沿つて配向させている。
ここで、強磁性材料及び非磁性材料としては、下記に示
すものが知られている。即ち、 非磁性材料 生材; SUS304、ベリリウム銅 焼入材(HRC40〜45); YHD50(日立金属製)、 JUS289S(日本製鋼所製) 強磁性材 生材; NAK55(大同特殊鋼製) 焼入材;JD200M(日本製鋼所製) SKD11、SKD62、 但し、焼き戻し硬度はHRC56〜62 一方、プラマグに使用されるプラスチツク磁性材料は、
以下のように設定されている。即ち、 と設定されており、磁粉の混入率は、フエライト系で89
〜92wt%、希土類コバルト系で91〜94wt%となつてい
る。
[考案が解決しようとする課題] このように強磁性材料・非磁性材料は構成されているた
め、従来のプラマグ成形金型においては、焼入材を使用
したとしても、金型の損耗が激しく、金型寿命が5〜8
万回と短く、経済上の問題が指摘されている。
また、キヤビテイ部を構成する非磁性材料に、焼入れ材
(YHD50及びJUS289S)を用いたとしても、焼き戻し硬度
がHRC40〜45と低く、燒結磁石と比較してのプラマグの
特徴である所の、寸法精度の高い成形品(寸法精度50μ
m以下)を長期間に渡り維持することが困難となる問題
点が指摘されている。
このようにして、従来の成形金型においては、スペアの
非磁性材料の準備が必要となり、金型費用が高くつくと
いう欠点がある。
この考案は上述した課題に鑑みなされたもので、この考
案の目的は、金型寿命を延ばすことが出来、高い寸法精
度を長期間に渡り確保することの出来るボンド磁石用成
形金型を提供することである。
[課題を解決するための手段] 上述した課題を解決し、目的を達成するため、この考案
に係わるボンド磁石の成形金型は、ボンド磁石の成形品
形状を規定するキヤビテイの一方の面を規定し、強磁性
材料から形成された固定側及び可動側の一方における第
1の入れ子と、この一方の第1の入れ子を取り囲むよう
に配設され、非磁性材料としてセラミツクスから形成さ
れた一方の第2の入れ子と、前記キヤビテイの他方の面
を規定し、強磁性材料から形成された固定側及び可動側
の他方における第3の入れ子と、この第3の入れ子を取
り囲むように配設され、非磁性材料としてセラミツクス
から形成された他方の第4の入れ子と、金型分離面にお
ける当接状態を緩衝させる緩衝手段とを具備する事を特
徴としている。
また、この考案に係わるボンド磁石用成形金型は、前記
第2及び第4の入れ子を、互いに金型分離面において当
接する方向に付勢する第1及び第2の付勢部材を更に具
備する事を特徴としている。
また、この考案に係わるボンド磁石用成形金型におい
て、前記非磁性材料は、ジルコニアまたはアルミナから
構成されている事を特徴としている。
[作用] 以上のように構成されるこの考案においては、非磁性材
料としてジルコニアまたはアルミナ等のセラミツクを用
いているため、この硬度がHRC80以上と高いため、磁粉
による金型の損耗が少なく抑えられることになり、ま
た、金型分離面に設けた緩衝機構により、成形装置を作
動させた際の型締行程における固定金型と可動金型との
突き当たりにより発生する衝撃が良好に吸収されること
になる。
[実施例] 以下に、この考案に係わるボンド磁石用成形金型の一実
施例の構成を添付図面を参照して、詳細に説明する。
先ず、第1A図及び第1B図を参照して、この一実施例の成
形金型10により成形される成形品としての半円筒状ラジ
アル異方性プラスチツク磁石(以下、単にプラマグと呼
ぶ。)12の形状を説明する。このプラマグ12は、第1A図
に示すような、例えば、具体的な形状に成形されるよう
に設定されるものであり、その異方性の配向方向は、第
1B図に示すようにラジアル方向に沿うように設定されて
いる。尚、このプラマグ12の磁束に関する仕様は、以下
の表に示すように設定されている。
尚、この表において、成形品における値は、実測値を意
味するものである。
次に、第2図乃至第4図を参照して、上述したプラマグ
12を一体成形するための成形金型10の構成を詳細に説明
する。
第2図には、一実施例の成形金型10を示されている。こ
の成形金型10は、固定金型16と、この固定金型16に対し
て、軸方向に沿つて、接離自在に設けられた可動金型18
と、この可動金型18に摺動自在に取り付けられたエジエ
クタプレート20とを具備している。
この固定金型16は、図示しない取付部に取り付けられる
固定側取付板22と、この固定側取付板22に固着され、キ
ヤビテイ14の一方の円弧面14aを規定するキヤビプレー
ト24とを備えている。これら固定側取付板22とキヤビプ
レート24との中心部を貫通して、スプール26aが形成さ
れたスプールプツシユ26が取り付けられている。尚、上
述したキヤビテイ14の一方の円弧面14aは、キヤビイプ
レート24の金型分離面において形成された凹部の凹面か
ら規定されている。
可動金型18は、可動側取付板28と、この可動側取付板28
に複数のスペーサブロツク30を介して、離間して取り付
けられた受板32と、この受板32に固着され、固定金型16
のキヤビプレート24と密着するコアプレート34とを備え
ている。コアプレート34のキヤビテイプレート24に対向
する面(即ち、コアプレート34において金型分離面を構
成する面)には、キヤビテイ14の他方の円弧面14bを規
定する凸部36が形成されている。また、このコアプレー
ト34の上述した面には、キヤビテイ14とスプール26aと
を互いに連通させるランナ38及びゲート40が形成されて
いる。尚、この可動金型18は、図示しない駆動シリンダ
により可動側取付板28を軸方向に沿つて往復動すること
により、固定金型16に対して接離可能になされている。
ここで、固定金型16と可動金型18が金型分離面において
型締された状態で、上述した一方の円弧面14aと他方の
円弧面14bとは、成形品としてのプラマグ12の厚さ分だ
け離間するように設定されている。尚、プラマグ12の大
きい半径を有する一方の円弧面12aは、キヤビテイ14に
おいて一方の円弧面14aから規定され、また、プラマグ1
2の小さい半径を有する方の円弧面12bは、キヤビテイ14
において他方の円弧面14bから規定されている。そし
て、この考案における重要なポイントであるが、この成
形金型10においては、一方の円弧面14aの表面積が他方
の円弧面14bの表面積よりも広く設定されているもので
ある。
上述したエジエクタプレート20は、可動金型18の可動側
取付板28と受板32との間で軸方向に沿つて可動側取付板
28とは独立した状態で移動自在に設けられており、受板
32及びコアプレート34とを貫通して配設された3本のエ
ジエクタピン42a,42b,42cを、軸方向に沿つて延出した
状態で互いに平行に一体に備えている。ここで、第1の
エジエクタピン42aはキヤビテイ14内で固化した合成樹
脂、即ち、プラマグを離型するために、キヤビテイ14の
中心部分に対応してこれの外周部分を規定するように配
設され、第2のエジエクタピン42bは、ランナ38内に残
留・固化した合成樹脂を取り出すべく1本配設され、そ
して、第3のエジエクタピン42cは、スプール26a内に残
留・固化した合成樹脂を取り出すべく、成形金型10の中
心部分に対応して1本配設されている。
このエジエクタプレート20は、図示しないコイルスプリ
ングにより、可動側取付板28に圧接するよう付勢されて
いる。この圧接された状態において、第1のエジエクタ
ピン42aの先端面は、キヤビテイ14の他の円弧面の一部
分を構成し、第2のエジエクタピン42bの先端面は、ラ
ンナ38の底面の一部を構成している。
このエジエクタプレート20は、前記コイルスプリングの
弾性力によつて、可動金型18の後述する離型行程時に
は、途中までこの可動金型18と一体に移動するようにな
つており、成形機に固設された図示しない突き出しロツ
ドに当接した時点以後はストツプされて、コイルスプリ
ングを圧縮しつつ、可動金型18に対して相対的に図中右
方向に移動するようになされている。
また、前述したキヤビテイ14の形状は、第1図において
示したプラマグの外形形状を規定するように形成されて
いる。ここで、この一実施例における成形金型10におい
ては、第3図に示すように、キヤビテイプレート24は、
キヤビテイ14の一方の円弧面14aを直接規定する固定側
の第1の入れ子44aと、この第1の入れ子44aを取り囲む
ように設定された固定側の第2の入れ子44bとを備えて
いる。ここで、第1の入れ子44aにおける金型分離面に
は、その中央部付近に、前述した一方の円弧面14aを直
接規定する凹部が形成されている。
一方、コアプレート34は、キヤビテイ14の他方の円弧面
を直接規定すると共に、固定側の第1の入れ子44aにお
いて金型分離面を規定する所の端面の面積より狭い面積
に設定された所の、金型分離面を規定する端面を有する
可動側の第3の入れ子46aと、この第3の入れ子46aを取
り囲むように設定された可動側の第4の入れ子46bとを
備えている。ここで、第3の入れ子46aの金型分離面に
は、その全面に渡り、上述した凸部36が形成されてい
る。
ここで、第1の入れ子44aは、内方に向かうにつれて
(即ち、可動金型18から離れる方向につれて)、徐々に
その直径を増すように設定されたテーパ面を外周面とし
て備え、第2の入れ子44bは、この外周面に略相補的に
係合するテーパ面を内周面として備えるように形成され
ている。
一方、コアプレート34は、キヤビテイ14の他方の円弧面
を直接規定する可動側の第3の入れ子46aと、この第3
の入れ子46aを取り囲むように設定された可動側の第4
の入れ子46bとを備えている。また、ここで、第3の入
れ子46aは、内方に向かうにつれて(即ち、固定金型16
から離れる方向につれて)、徐々にその直径を増すよう
に設定されたテーパ面を外周面として備え、第2の入れ
子46bは、この外周面に略相補的に係合するテーパ面を
内周面として備えるように形成されている。
尚、この第3の入れ子46aが射出動作時に第4の入れ子4
6bから外れることが無いように、この第3の入れ子46a
の内方の端面は、キヤビテイ部へ確実に磁束を供給する
為、強磁性材料から成る押え板48により確実に第4の入
れ子46bに対して固定された状態で取り付けられてい
る。
即ち、第1及び第3の入れ子44a,46aは、キヤビテイ14
の周縁を規定する端縁から放射状に延出するテーパ状の
外周面を備えていると表現することが出来るものであ
る。換言すれば、第1及び第3の入れ子44a,46bの断面
形状は、略台形状に設定されていると表現することが出
来るものである。
そして、この一実施例においては、キヤビテイ14内に注
入されて固化しつつある溶融樹脂を所定の配向方向で磁
化させる(即ち、ラジアル異方化させる)目的で、特
に、キヤビテイ14における磁気回路を構成するために、
固定側及び可動側の第1及び第3の入れ子44a,46a、押
え板48、固定側取付板22、受板32、スペーサブロツク3
0、及び可動側取付板28は、共に強磁性材料(例えば、
株式会社日本製鋼所製のLS2)から形成され、また、磁
束を遮蔽すると共に、キヤビテイ14において磁束密度が
高ますようにするために、これら第1及び第3の入れ子
44a,46aを取り囲む第2及び第4の入れ子44b,46bと、こ
れら第1乃至第4の入れ子44a,44b,46a,46b以外のキヤ
ビテイプレート24及びコアプレート34の残りの部分と、
スプールプツシユ26とは、共に、ジルコニア(ZrO2)ま
たはアルミナ(AlO3)等のセラミツクスからなる非磁性
材料から形成されている。このように非磁性材料とし
て、ジルコニア及びアルミナ等のセラミツクスを用いる
ことにり、金型10の損耗が少なくて済み、寸法精度の高
い成形品を長期間に渡り製造する状態を維持することが
出来ることになる。尚、キヤビテイプレート及びコアプ
レート、スプールプツシユガイドピンは、非磁性材とし
て、SUS304やYHD50等でも良い。
尚、ジルコニア及びアルミナの線膨張係数は、夫々、9.
2×10-6/℃及び7〜7.8-6/℃と、強磁性材料の10〜11
-6/℃の値と比較しても大差ないため、従来の射出成形
金型と同様な型設計思想を適用することが出来、設計工
数の短縮化が図られることになる。
ここで、固定側及び可動側の第2及び第4の入れ子44b,
46bの長さは、非磁性材料と強磁性材料との線膨張率の
違いを考慮に入れて、固定側及び可動側の第1及び第3
の入れ子44a,46aの長さよりも短く設定され、且つ、型
締された状態において、固定側における第1の入れ子44
aの外周面と第2の入れ子44bの内周面との間には、所定
の間隙が形成されるように設定され、また、可動側にお
ける第3の入れ子46aの外周面と第4の入れ子46bの内周
面との間にも、所定の間隙が形成されるように設定され
ている。
また、第2及び第4の入れ子44b,46bに組み込まれたス
プリング44S,46Sは、キヤビテイ温度の変化による膨張
等に対応できるように設けられており、これらスプリン
グ44S,46Sを設けることにより、第2及び第4の入れ子4
4b,46bのスラスト寸法を厳密に設定しなくても済む効果
が得られることになる。
更に、第4図に示すように、金型分離面Lには、型締め
工程における固定金型16と可動金型18との突き当りによ
り発生する衝撃を緩和するために緩衝機構50が設けられ
ている。
この緩衝機構50は、固定金型16側のキヤビテイプレート
24と、可動金型18側のコアプレート34との、互いの金型
分離面Lに、互いに整合して対向する状態で夫々形成さ
れた一対の凹部52a,52bを備えている。ここで、キヤビ
テイプレート24に形成された凹部52aの直径は、コアプ
レート34に形成された凹部52bの直径よりも大きく設定
されている。
また、キヤビテイプレート24に形成された凹部52aに
は、型締めされた状態で、コアプレート34に形成された
凹部52bに先端を突出させる状態で、支持ボルト54が螺
着されている。この支持ボルト54の、凹部52a内に位置
する部分には、スプリング座としてのワツシヤ56が遊嵌
され、軸方向に沿つて移動自在に取り付けられている。
このワツシヤ56の直径は、凹部52aの直径よりも小さ
く、凹部52bの直径よりも大きく設定されている。
そして、このワツシヤ56と凹部52aの端面との間に位置
した状態で、支持ボルト54の外周には、コイルスプリン
グ58が捲巻されている。一方、支持ボルト54の、凹部52
b内に位置する部分には、ワツシヤ56の抜け防止用のナ
ツト60が螺合している。
このように緩衝機構50は構成されているので、型開きさ
れた状態で、ワツシヤ56はコイルスプリング58の付勢力
により行け止め用のナツト60に当接して、その位置を保
持している。このような型開きされた状態から、型締め
動作が起動されると、可動金型18が固定金型16に近接し
ていくき、先ず、コアプレート34の金型分離面Lが、ワ
ツシヤ56の端面に当接し、更に可動金型18が固定金型16
に近接するよう動作することにより、コアプレート34
は、コイルスプリング58の付勢力に抗して、このワツシ
ヤ56をキヤビテイプレート24に向けて押圧して偏倚す
る。
このようにして、型締め動作に際して、先ず、コアプレ
ート34は、キヤビテイプレート24に当接する前に、コイ
ルスプリング58により弾性的に付勢されたワツシヤ56に
当接することになる。この結果、型締め工程における固
定金型16と可動金型18との突き当りにより発生する衝撃
が確実に緩和されることになる。従つて、このような緩
衝機構50を備えることにより、例え、第2及び第4の入
れ子44b,46bを非磁性材料としてセラミツクスにより構
成したとしても、セラミツクスが持つ衝撃に対する脆弱
性が確実にカバーされることになる。
換言すれば、この一実施例においては、このような緩衝
機構50を備えることにより、非磁性材料として衝撃に対
して脆弱性を有するセラミツクスを採用することが可能
となるものである。
以上のように構成される成形金型10を用いて、半円筒形
状のプラマグ12を成形するための成形動作について、以
下に第5図を参照して説明する。
先ず、射出成形動作に先立ち、この成形金型10には、こ
こにアキシアル磁場を形成させるために、励磁コイル62
が装着される。
そして、第5図に示すように、ステツプS10において型
閉じをし、ステツプS12において金型タツチした後、ス
テツプS14において型締を行なう。この後、ステツプS16
において射出ノズル(図示せず)を前進して、ステツプ
S18において、成形金型10に、スプールプツシユ26を介
して磁化可能な溶融樹脂(例えば、磁性粉としてのスト
ロンチウムフエライトとバインダとしてのナイロン等の
合成樹脂からなるプラスチツク複合磁性材)を射出す
る。ここで、射出された溶融樹脂は、スプール26a、ラ
ンナ38、ゲート40を順次介して、キヤビテイ14内にもた
らされる。
この後、ステツプS20において保圧して、キヤビテイ14
内にもたらされた溶融樹脂は、隅々まで良好に行き渡る
ことになる。そして、キヤビテイ14内に溶融樹脂が射出
され終わつた後、ステツプS22において、この樹脂を冷
却・固化し、引き続き、ステツプS24において、型開き
動作が実行される。
この型開き動作は、可動側取付板28が、第2図中左側に
移動することにより開始される。この可動側取付板28の
移動に伴ない、可動金型18は、コアプレート34と、固定
金型16のキヤビプレート24との互いの当接面で規定され
る金型分離面Lを境にして、固定金型16から分離され、
プラマグ12は、可動金型18に張り付いた状態で、可動金
型18と共に、図中左側に移動する。
そして、ステツプS26において、プラマグ12の離型動
作、即ち、キヤビテイ14からの取り出し動作が開始され
る。即ち、エジエクタプレート20は、上述したように、
コイルスプリングの付勢力により、一旦、可動金型18と
共に図中左方に移動することになるが、図示しない付き
出しロツドに当接することにより、その移動を停止され
ることになる。この為、エジエクタプレート20に一体に
取り付けられていたエジエクタピン42a,42b,42cは、可
動金型18から図中右方に相対的に突出することになる。
このエジエクタピン42a,42b,42cの突出に応じて、プラ
マグ12は、キヤビテイ14から押し出されて、離型される
ことになる。
一方、ステツプS20において保圧した後、ステツプS28に
おいて、スプール26a内に残留した樹脂が可塑化された
ことが検出されると、ステツプS30において、射出ノズ
ルを成形金型10から後退させる。ここで、このステツプ
S30での射出ノズルの後退は、ステツプS24での型開きが
行なわれる迄に実行されるよう設定されている。
また、上述したステツプS18において溶融樹脂の射出動
作が行なわれる所定時間前において、ステツプS32にお
いて、励磁コイル62を介して、成形金型10内での所定の
極性での磁場発生動作が実行される。ここで、この所定
時間は、磁場発生動作が開始されてから、所望の強さの
磁場が作られるまでに必要な射出待機時間として規定さ
れている。そして、この磁場発生状態、即ち、励磁コイ
ル62における励磁状態は、ステツプS20における保圧時
点まで継続される。
この後、ステツプS34において、励磁状態が一旦休止さ
れ、ステツプS24で型開きが行なわれるまでの間に、ス
テツプS36において、ステツプS32で発生させた磁場とは
逆極性の磁場を発生させ、成形金型10全体における磁化
を減じさせる減磁が行なわれるように設定されている。
尚、このような減磁が行なわれたとしても、先のステツ
プS32で発生した磁場により、キヤビテイ14内での樹脂
における磁石としての配向方向は、既に固定されている
ので、この減磁により、配向方向が変更または配向率が
減じることにはならないものである。
以上詳述したように、この一実施例の成形金型10におい
ては、非磁性材料としてセラミツクスを採用して、少な
くとも、第2及び第4の入れ子44b,46bを形成するよう
にしている。この結果、セラミツクスの使用により、成
形金型10の損耗が少なくなり、寸法精度の高い成形品が
長期間に渡り維持することが出来ることになる。そし
て、このようにセラミツクスを使用した成形金型10とし
ても、緩衝機構50を備えているので、これによりセラミ
ツクスが衝撃により割れる等の事態は確実に排除される
ことになる。
尚、上述した一実施例においては、アキシヤル磁場が形
成されるように設定された励磁コイル62を介して、キヤ
ビテイ14内の溶融樹脂を磁化する条件において、このキ
ヤビテイ14を通過する磁束の流れを、上述したように、
キヤビテイ14の周りに配設された固定側及び可動側の第
1及び第3の入れ子44a,46aを、強磁性材料から夫々形
成し、第2及び第4の入れ子44b,46bを、非磁性材料か
ら夫々形成し、且つ、円弧状のキヤビテイ14が突出する
側である固定側の第1の入れ子44aを可動側の第1の入
れ子46aよりも大きく規定している。
この結果、磁束の流れの方向は、半円筒状のキヤビテイ
14を放射状に通るように、換言すれば、キヤビテイ14の
ラジアル方向に沿つて延出するように規定されることと
なり、従つて、溶融樹脂の中のフエライト磁性粉は、揃
つてラジアル異方化されることとなる。そして、その配
向率は、第1表に示すように、成形品において、86〜90
%の高率に維持されることになる。
即ち、この一実施例の成形金型10によれば、高い配向率
でラジアル異方化した状態で、即ち、溶融樹脂の中のフ
エライト磁性粉を殆ど揃つてラジアル異方化した状態
で、半円筒形状のプラマグ12を射出成形により形成する
ことが出来ることになる。
この考案は、上述した一実施例の構成に限定されること
なく、この考案の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能
であることは言うまでもない。
[考案の効果] 以上詳述したように、この考案に係わるボンド磁石の成
形金型は、ボンド磁石の成形品形状を規定するキヤビテ
イの一方の面を規定し、強磁性材料から形成された固定
側及び可動側の一方における第1の入れ子と、この一方
の第1の入れ子を取り囲むように配設され、非磁性材料
としてのセラミツクスから形成された一方の第2の入れ
子と、前記キヤビテイの他方の面を規定し、強磁性材料
から形成された固定側及び可動側の他方における第3の
入れ子と、この第3の入れ子を取り囲むように配設さ
れ、非磁性材料としてのセラミツクスから形成された他
方の第4の入れ子と、金型分離面における当接状態を緩
衝させる緩衝手段とを具備する事を特徴としている。
また、この考案に係わるボンド磁石用成形金型は、前記
第2及び第4の入れ子を、互いに金型分離面において当
接する方向に付勢する第1及び第2の付勢部材を更に具
備する事を特徴としている。
また、この考案に係わるボンド磁石用成形金型におい
て、前記非磁性材料は、ジルコニアまたはアルミナから
構成されている事を特徴としている。
従つて、この考案によれば、金型寿命を延ばすことが出
来、高い寸法精度を長期間に渡り確保することの出来る
ボンド磁石の成形金型が提供されることになる。
【図面の簡単な説明】
第1A図はこの考案に係る成形金型により成形されるプラ
マグの構成を示す斜視図; 第1B図は異方性の配向方向を示す断面図; 第2図は第1図に示すプラマグを成形するための、この
考案に係わる一実施例の成形金型の構成を示す断面図; 第3図は成形金型における第1乃至第4の入れ子の構成
を示す断面図; 第4図は緩衝機構の構成を示す断面図;そして、 第5図は成形装置における成形動作の手順を示すブロツ
ク図である。 図中、10……成形金型、12……成形品(プラマグ)、12
a……大径側の一方の円弧面、12b……小径側の他方の円
弧面、14……キヤビテイ、14a……一方の円弧面、14b…
…他方の円弧面、16……固定金型、18……可動金型、20
……エジエクタプレート、22……固定側取付板、24……
キヤビテイプレート、24a……取り付け面、26……スプ
ールプツシユ、26a……スプール、28……可動側取付
板、30……スペーサブロツク、32……受板、34……コア
プレート、36……凸部、38……ランナ、40……ゲート、
42a;42b;42c……エジエクタピン、44a……固定側の第1
の入れ子、44b……固定側の第2の入れ子、44S……スプ
リング、46a……可動側の第3の入れ子、46b……可動側
の第4の入り子、46S……スプリング、48……押え板、5
0……緩衝機構、52a;52b……凹部、54……支持ボルト、
56……ワツシヤ、58……コイルスプリング、60……ナツ
ト、62……励磁コイル、64……温度センサである。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボンド磁石の成形品形状を規定するキヤビ
    テイの一方の面を規定し、強磁性材料から形成された固
    定側及び可動側の一方における第1の入れ子と、 この一方の第1の入れ子を取り囲むように配設され、非
    磁性材料としてセラミツクスから形成された一方の第2
    の入れ子と、 前記キヤビテイの他方の面を規定し、強磁性材料から形
    成された固定側及び可動側の他方における第3の入れ子
    と、 この第3の入れ子を取り囲むように配設され、非磁性材
    料としてセラミツクスから形成された他方の第4の入れ
    子と、 前記第2及び第4の入れ子を互いに金型分離面において
    当接する方向に付勢する第1及び第2の付勢部材と、 金型分離面における当接状態を緩衝させる緩衝手段とを
    具備する事を特徴とするボンド磁石用成形金型。
  2. 【請求項2】前記第2及び第4の入れ子を、互いに金型
    分離面において当接する方向に付勢する第1及び第2の
    付勢部材を更に具備する事を特徴とする請求項第1項に
    記載のボンド磁石用成形金型。
  3. 【請求項3】前記非磁性材料は、ジルコニアまたはアル
    ミナから構成されている事を特徴とする請求項第1項に
    記載のボンド磁石用成形金型。
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